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2012年8月15日水曜日

中国の連続殺人犯の射殺について

 今朝の中国の新聞は控えめに言ってもとても面白かったです。というのも一般紙から経済専門誌に至るまでどれも一面トップに、昨日射殺された連続殺人犯の写真を持ってきておりました。

中国連続強盗殺人凶悪犯、重慶で射殺(人民日報日本語版)

 念のため言っておくと上記リンク先には写真の類は一切ありません。ただ今日の中国紙では大半が顔面部分にモザイクをかけていたものの、ものの見事に射殺されて横たわる犯人の死体を掲載しておりました。一部に限ればモザイクもありません。香港の新聞だったら車にひかれたり、高所から落ちた死体の写真をノーモザイクで載せることは多い、っていうか毎日1枚は載っているのですが、中国本土の新聞でこういうことは自分が知る限りだと初めてです。そのせいで香港にいた頃の同僚なんか、「アップルデイリーだけは私に見せないで」と明言するくらいでした。

 今回射殺された人物は周克華という人物で、2004年から現在に至るまで何度も強盗事件を起こしており、今月10日にも重慶市の銀行で強盗を行い1人を射殺、2人に重傷を負わせております。これまでに殺害した人物は10人にも及んでおり、拳銃を所持していたことから中国の警察も発見次第に射殺するように通達されていたのだと思います。
 最終的には昨日早朝に路上を歩いていたところを市民から通報があったのか警官が発見し、様子を探っていたところ発砲してきたために応戦し、4発を撃ち込んで射殺したとのことです。なお今日自分が読んだ新聞には「正義の銃弾4発」という見出しが書かれておりました。

 私個人がどうこう言うのもあれかなという気もしますが、この犯人に関しては前科が前科だけに射殺されてもしょうがないと思うのと同時に、ほんの少し前にも強盗事件で殺人を犯した上、拳銃を所持していたことから中国警察の対応は正しかったのではないかという気がします。ただ以前にも私は人質を取ったりしている立てこもり犯に対しては射殺条件を緩めるべきだと主張しましたが、そんな私ですら中国の警察対応を見ると時々ぞっとしたりします。
 以前に女性に刃物を突きつけ立てこもっていた若い男が警察に水を要求し、言われた通りに見るからにおばさんという感じの中年女性が持っていき犯人が受け取ろうとしたその時、そのおばさんがパッと懐から拳銃を取りだしこともなげに犯人の頭を正確に打ち抜いて射殺する動画(人質は無事)を見ることがありましたが、そのおばさんというか警察官が本当に自然な動作でやってのけた姿にはちょっとビビりました。

 何はともあれ今回の犯人は足掛け8年間にも渡って逃げ続け、上海でも以前に指名手配写真があちこちに貼られていただけにこっちではちょっとお祭り騒ぎになってます。射殺した警官2人は既に実名どころか年齢も出ていて、「20年以上も勤務した警官としての勘が……」などとインタビューに答えていますが、これから大規模に表彰されるそうです。今回の例は極端だとしても、日本も活躍した警官をもっと大規模に表彰することも必要なのではないかという気がします。

マツダ、1-7月の中国販売は12%減 中国紙「未熟」(人民日報日本語版)

 上の事件とは関係ありませんが、見ていて笑ったというか「言うなぁ中国」と思ったのでこのニュースも報じておきます。
 内容は今年のマツダの中国市場の売れ行きが悪かった、っていうか私も先週くらいにマツダ本社広報部に直接電話して販売台数を確認しておりますが、マツダが主張する不振だった理由に対して人民日報が、「言い訳がましい」と書いているわけです。以下抜粋すると、

「マツダ中国法人の山田憲昭会長兼CEOは『販売減少は主に自動車市場の低迷や酷暑・豪雨などの異常気象、競合他社の大幅な値下げなどの影響によるものだ』と述べた。
 マツダが販売減少の原因を『競合他社が強すぎるため』としたのは、これで何度目だろうか。自動車市場の低迷、酷暑・豪雨などの異常気象は、マツダだけに対するものだろうか。その他のメーカーは影響を被らなかっただろうか。
 これはただの言い訳だ。周知の通り、マツダは中国市場でいつまでも方向性を見出せないでいる。これは中国市場をないがしろにし、新車を出し惜しみしていることと関連している。世界のほぼすべての自動車企業が業務の重心を中国に移す中、日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか。今後も子供のように駄々をこねるならば、マツダに未来はない」

 確かに書いている通り、ほかのメーカーと比べてマツダが中国市場に最新車種を持ってくる時期というのは明らかに遅いです。日本では数年前にモデルチェンジしたアクセラを今年になってようやく持ってきたくらいですし、スカイアクティブ搭載車もまだ少ないです。
 それにしたって、「日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか」とまで言ってくるとは、まぁ一流でないことは事実だとしてもここまではっきり言ってしまうのかといろんな意味でびっくりです。ただマツダの中国市場戦略は私もいまいち読めないというか方向性がはっきりしていないと感じますし、マツダ関係者はこの記事を金言として今後に役立てるべきだと個人的に思います。

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