材料が一通りそろってきたので次回総選挙について予想を簡単にまとめることにします。まず結論から言うと私は、大胆な予想ですが次回総選挙では民主党が逃げ切る形で勝利すると考えております。
総選挙の結果予想の前に時期はいつごろになるのかについて軽く触れておきますが、候補としては二通りあり、今年末か来年4月以降のどちらかと言って間違いないでしょう。こう考える根拠として野田首相は今年中の臨時国会の招集を既に約束してあり、恐らくここで補正予算案を出してくるかと思います。その一方、来年度の予算編成にも既に着手しているとされ、仮にこれを通すとなったら来年にまで選挙はずれ込むことになります。私の見立てだと野田首相もこの二通りの選挙時期をにらんでおり、本命としてはやはり来年で、状況によっては今年やるという算段じゃないかと思います。奇襲をかけるという意味では、今年やった方が解散総選挙を求めている自民党に打撃を与えられるからいいような気がしますが。
では選挙時期はいいとして、どうして民主党が勝利すると予想するのかです。普通に考えれば消費税増税に踏み切った挙句、これまでの三年間がリーマンショックをはじめとした国外の影響が大きいとはいえ不景気の真っただ中だったことから民主党が大敗すると誰もが考えておられるでしょうが、こう考える根拠をスパッと言ってしまうと次の選挙で勝利ラインとなるのは衆議院単独過半数ではなく、比較第一党となることだからです。
勘違いしてもらいたくないのは私も次の選挙で民主党は相当の議席を減らすことになり、よほどのことがない限り単独過半数を得ることは不可能でしょう。ただ今の情勢を見るにつけ自民党は民主党に反感を抱いている層から支持を得ているとは言い難く、小沢一派の分裂といい日本維新の会の発足など、新党が出来ていることから票がばらける可能性が高いんじゃないかと思っています。そのため民主党の減った議席分だけ自民党の議席が増えるわけではなく、自民も民主も単独与党にならないんじゃないかと思います。
どこも単独与党が作れないとなると次回選挙後は連立政権になる可能性が高いわけですが、ここで中心となるのはいうまでもなく比較第一党です。要するに民主党としては議席を減らしても比較第一党になればどうせ今の参議院の状況からして連立政権になるわけだし、結局は政権を維持できることになり、負けるが勝ちじゃないですがイニシアチブを握れることになるわけです。
もちろん自民党が比較第一党になれれば自民党から首相が出るわけになるでしょうが、さっきも言った通り自民党が支持層を拡大しているとはちょっと言い難く、反民主層の投票は日本維新の会に向かうことになると思います。更に今後の国会状況を予想するにつけ、外交政策は野田首相、安倍総裁、石破幹事長でほぼ一致しておりあまり論点がなく、消費税の増税案についても自民党は谷垣時代に賛成し(そして自己否定し)た過程があるため強い批判は行えないでしょう。もし消費税増税方針を撤回するということもありえますが、これはこれで批判を受けることになるでしょうし、私が野田首相なら自民党が撤回した段階で敢えて選挙に臨みますがね。
と、ここまで民主党は議席を減らすが比較第一党になるのではという話を書いてきますが、本当に重要なのはここからで、じゃあ選挙後はどこと連立を組むかです。個人的にここ数週間の政治報道を見ていて非常に不満に感じていたのですが、それこそ自民の総裁選の最中にでも誰か、仮に自民と民主がどちらも単独過半数を握れなかったら連立を組むのかと質問する奴はいないのかとやきもきしながら見てました。さっきも書いたように自民も民主も単独過半数が取れないと私は考えており、ではその時に両党は連立を組むのか、ここが今後の政局を見る上で非常に重要になってくるかと思います。
私としてはかつての鳩山、管時代に比べれば今の野田首相と前原氏の方針は安倍総裁に近く、全く有りえないとは考えていません。ただ連立を組むこと前提だと自民党としては今後の国会では批判しづらくなり、この辺を安倍総裁がどう判断するかがまさしく見物です。条件としては選挙後に野田首相を下す代わりに、と言ってくるかもしれません。
ただ連立を組むのはこの二党だけとは限りません。それこそ議席数が足りるのであれば民主は自民を、自民は民主を選ばずに、公明党をパートナーとして選んでくる可能性があります。こうなった場合は公明党にとってはまさに漁夫の利ですが、この漁夫の利をマジで狙っているのは他でもなく日本維新の会でしょう。仮に日本維新の会が30議席を確保すれば十分に交渉できるようになり、民主党も自民を選ぶよりは公明、維新で三党連立を選ぶ方が気が楽でしょうに。
以上のように次回総選挙は選挙後の連立をにらんでこれまで以上に複雑な争いになってくると思います。最後に代表、総裁選を終えた民主党と自民党について一言書くと、民主党に関しては完全に選挙を意識した体制になっております。つい先日に内閣改造を終えましたが、これまでと比べて比較的若手の議員を登用するとともにあの田中真紀子氏まで入れてきましたが、細野議員を政調会長に入れた当たり、自民党に対して世代の若返りをアピールする狙いがあると思います。私としても知名度はあってもこれまであまり役に立たず、また派閥に遠慮して決められた人事よりはまだ一見の価値がある陣容だと評価してます。
逆に自民党は安倍総裁以下やはり世代交代が進んでいない上に、先日に森、福田元首相など重鎮が政界引退を発表してはおりますが、後釜のこととか考えると次の選挙は厳しいんじゃないかと個人的に思います。自民も政策批判だけじゃなく、重鎮の引退に合わせて小泉進次郎議員などもいるんだから世代刷新をもうちょっとアピールした方がいい気がするのですが。
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