サザエさんとくれば日本人にとって説明するまでもない国民的アニメですがその知名度と影響力の高さゆえに世の中の様々な事象に対して法則名として使われることも少なくありません。そこで今日はサザエさんにまつわる各種の法則をまとめて取り上げてみようと思います。
1、サザエさん症候群
(Wikipedia)
サザエさん関連で最も有名な法則というのはこの「サザエさん症候群(シンドローム)」で間違いないでしょう。この法則というか現象は何も日本に限らずほかの国にも似たようなものがあるかと思いますが、日曜日の夕方に放映されるアニメのサザエさんを見る度に、「ああ、明日(月曜日)からまた仕事か……」という事実を意識し、ブルーになるというか鬱っぽい気分になる事を指します。なにもサザエさんに限らず日曜の終わりを感じさせる番組の笑点や大河ドラマなどにも同じことが言えますが、数ある候補の中からサザエさんが選ばれる当たりさすがというべきでしょうか。
ちなみに余談ですが前職でお世話になった香港の編集長と、ある日こんな会話をしました。
「花園君、君はサザエさんシンドロームという言葉を知っているかね?」
「もちろん。あの日曜の晩に気分が落ち込むという奴でしょ」
「僕にとってすればサザエさんなんてまだ甘い。僕が銀行員だった頃は土曜の晩の時点で明後日からまた仕事が始まると思い、落ち込んでいたよ……」
行員の仕事は大変なようです……。
2、サザエさん効果(Wikipedia)
これは今回調べている最中にたまたま見つけて初めて知ったのですが、なんでも大和総研が2005年に発表したレポートに載せられた言葉なのですが、ヤマト総研の説明によると、サザエさんの視聴率の上下と東証株価指数の上下との間に高い相関性があるそうです。具体的に言うと、サザエさんの視聴率が下がれば株価が上がり、視聴率が上がれば株価は下がる傾向が見られるとのことです。実際に両者がどれくらい相関しているのか表す相関係数も出されており、その数値はなんと0.86に達し、ニューヨーク株式市場と東証株価指数の相関係数の0.56を大きく上回る水準だそうです。
なんでこれほど相関があるのかという理由については、サザエさんを見ないというのは夕方に外出しており、消費が行われている状態にあるからではないかという仮説が出されてありますがこれについては反論も出ています。どちらにしろかなり面白い研究結果で、ヤマト総研もやるなぁと思うと同時にこれから自分も参考にしようと思います。
3、サザエさん方式(ピクシブ百科事典)
こちらも有名というか、日本の漫画やアニメといったコンテンツにおける特殊な表現手法として私も高く評価しています。
言うまでもないことでしょうがサザエさんの世界では年を跨ぐ時間の進行はなく、カツオが進級することもなければタラちゃんやイクラちゃんはいつまでたっても子供のままです。これはサザエさんという番組が日常を描いていることと深く関係しており、人間関係や各キャラの設定に変動があっては困るためでしょうが、注目すべきはこうした時間の進行がないまま日常が永遠に繰り返されるというストーリーが他の日系コンテンツに見られることです。
厳密にはわかりませんが、このように日常が繰り返される方式のコンテンツはほかの国にはそれほど見られないのではないかと思います。アメコミではスヌーピーが出る「ピーナッツ」なんかはこの類かもしれませんが、「スパイダーマン」のように長期連載であってもストーリーは必ず進行していく形式が多いように見えます。片や日本はサザエさんを筆頭に「クレヨンしんちゃん」や「ドラえもん」など数多くの作品でこのサザエさん方式でテレビ放映が続いています。
なおこのサザエさん方式ですが、別称では「サザエさん時空」と呼ばれることもあります。永遠と日常が続くことから変な目で見ると「出口のない世界」にも見えて、「終わりがないのが終わり、それがゴールド・エクスプリエンス・レクイエム」、なんていうジョジョ5部に出てくるジョルノのセリフがなんだか連想されます。
あとこのサザエさん方式に加えるべき作品なのかでちょっと悩むのが、日本が誇る二大推理漫画の「名探偵コナン」と「金田一少年の事件簿」です。後者は中断が挟まれたりしてますが、どちらも長期連載にもかかわらず登場キャラクターは年齢を重ねることがありません。その結果どうなってしまったのかというと、それぞれの世界における1年間の殺人事件の被害者数がえらいとこまでカウントされてしまっており、どんだけ物騒な世の中なんだよとツッコミたくなる事態に陥ってます。
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