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2014年6月13日金曜日

日中戦争におけるドイツ人参謀

 今日本人が最も親近感を持つ外国とくればほぼ間違いなく台湾でしょうが、仮に欧米に限定するならやっぱりドイツが来るのではないかと密かに思います。ドイツとは二次大戦で同じ枢軸国側として一緒に戦った関係でもありますが、日本人同様に仕事は割ときっちりこなす、真面目に物事に取り組むという性格面でも似たところがあり、少なくとも私の周りでは信頼のおける外国人というように好意的な相手としてみている人間が多いです。そんなドイツに対して日本はこれまでつかず離れずというか親密になることはなくても悪く思い合う時代もなかったと思ってる方が多いように思えますが、ちょっと前に日中戦争について調べていたら、当時のドイツ軍関係者には少なからず日本を敵対視する人間が多かったという記述を見つけたので、ちょっとその辺について解説します。
 
 件の記述は二年前、第二次上海事変について調べている時に見つけました。当時、蒋介石が率いる国民党軍には軍事指導員として多くのドイツ人参謀がおり、彼らは一様に日本に対して強い敵意を持っているというように日本の軍関係者は考えていたとのことです。一体なんでドイツ人に、しかも中国で日本軍は恨まれていたのかというと、端的に言って第一次世界大戦が原因です。
 第一次世界大戦で日本は漁夫の利を得ようと日英同盟にかこつけて参戦し、当時英国の対戦国であったドイツが中国から租借していた中国山東省青島市にいきなり攻め込みました。遥か彼方の本国ですら長い長い証文選をしている最中でとても遠くの青島になんかドイツは援軍を派遣することはできず、ほとんどまともに戦う事すらできずにドイツ駐留軍は日本に降伏せざるを得ませんでした。
 
 なお豆知識ですが、ドイツが青島を中国から租借して現地でビールを作り始めたことから今日の「青島ビール」が出来上がっただけでなく、街中も西欧風の建築物が今も残っております。
 
 話は戻りますが、青島にいたドイツ軍関係者からするとこの日本の行動に怒るのも無理もなく、そうした個人的感情から日本と戦う国民党に肩入れする参謀も出てきたそうです。また日本軍の関係者も、国民党との和睦に動こうとしつつも、日本軍はたやすく敗れるなどとドイツ人参謀がたきつけるためにうまくいかないとか、むしろこの日中戦争自体がドイツ人の陰謀だなどという士官もいたそうです。
 
 こうした陰謀論の検証までやるつもりはありませんが、第二次上海事変の頃はまだ日独伊三国軍事同盟も結ばれておらず、また一次大戦の経緯を考えると中国軍をたきつけるドイツ人がいても不自然ではないななどと私は思います。日本人からすれば一次大戦は一方的な勝ち戦でドイツ人から恨まれるきっかけになるとはなかなか私案が行きませんが、勝者は気にしなくても敗者は気にするということもあり、何が言いたいかというと決して日本とドイツはずっと比較的仲が良かったというわけではなかったということです。

4 件のコメント:

  1. 一般的にはドイツ人は欧州の中ではアンチ日本の方が多いような気がします。
    ゲルマン民族としての自負からくるアジア人への人種差別意識が底辺にあるのではないでしょうか?
    ただ日露戦争前、日本はドイツを師と仰いで陸軍大学校の教官で来日したメッケル少佐から薫陶をうけて近代化を進めたわけですから、陸軍はドイツと比較的良好な関係だったと思っていたんですが・・。(司馬遼太郎史観かも)
    中国駐在、言わずもがなですがお気をつけて。

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    1.  日本のアニメおたくなんかだとフランスに次いでドイツ人が一番多いような気がしますが、主力産業が自動車、機械という点である意味、日本と最も経済的に対立する相手でもありますよね。実際、アベノミクスで金融緩和に踏み切った際、真っ先に日本は為替操作していると批判してきたのはメルケル首相(メッケルと音が似てるな)でしたし。
       おでこさんの言うとおりに旧日本陸軍はなんかドイツに対しては妙な信仰めいたものがあって、それがヨーロッパ戦線の先行きを予測する上でしくじった要因にもなったと思います。この点では海軍の方がまだ見方がシビアでしたね。
       中国は相変わらず空気悪いですが元気にやっています。おでこさんのブログではこのところ猫ちゃんの写真が減ってきているので、たまにはまた元気な様子でも見れればと、軽くリクエストしておきます。

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  2. ドイツがポルトガルに勝ちまわしたわ。さすがにドイツですわ。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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