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2017年1月30日月曜日

沙村広明氏のセリフ回しについて


 今日は日本各地で春並みの陽気に包まれた後、夕方から冷え始める様な天気だったと思いますが、昨日の上海も全く同じ天気で、あったかいから上海南部の自然公園まで行こうと往復で50km位自転車で走った所、夕方に帰ろうとしたらものすっごい北風に阻まれえらい難儀しました。でもって夜からは強風が吹き荒れ、今朝からは気温も下がりブリザードみたいな感じだったので朝十時に起床し、ネット見たりスパゲッティ食べたりした後、昼寝と称して午後一時から布団に入り四時まで寝てました。

 話は本題に入りますが、このところハマっているものとして漫画家である沙村広明氏の漫画を買い集めており、電子書籍で発行されているものに限ればほぼ買い占めました。今年に代表作である「無限の住人」が映画化されることもあって取り上げられる機会が増えているようにも見えるのですが、これほどの作家をこれまで知らなかったのが我ながら悔しく思うくらい凄い漫画家だと思います。

 そんな沙村氏の現在連載中の作品である「ベアゲルター」の3巻巻末に、「ジェマオ姐ちゃんの喰い辛抱…断罪!」というおまけ漫画が収録されています。「ジェマオ(睫毛)」というのは作中に出てくるとある組織に雇われているチャイナドレスを着た女殺し屋の名前ですが、劇中同様にとある島にやってきた敵対組織の構成員を全員薙ぎ倒した後、「孤独のグルメ」並にコンビニ食品を食べつつ一人でぼやく短編漫画となっております。
 具体的にどうぼやいているのかというと、メインディッシュの「一平ちゃん」を食べるシーンにおいては以下の通り述べています。

「『私も日本に来て長いなァ』ってつくづく思ったのは、贔屓のカップ焼きそばを自覚した時だ」
「『一平ちゃん』の味の完成度は神がかっている。でもつきつめて言えば、これ(からしマヨネーズ)の力が大きいって気がする。」
「からしマヨネーズがついてなければ結構寂しいかも…とか○ヤングにこれ混ぜたら一平ちゃん超える…とか色々考えるけど結局は無意味な考察だ。馬超が潼関で曹操を殺していたら……とかそういうのと同じだ」

 という風に、この作者どれだけ一平ちゃんなどカップ焼きそば食べ比べているんだろうと思うセリフを長々と語っており、これ以降もまだ息のある構成員の頭に鉛玉ぶち込みながらコンビニ食品を一々解説しています。

 このセリフをみて個人的に思ったことを述べると、あくまで日本人ではあるもののそこそこ長く中国に暮らしている自分の目から見て、まるで本当に中国人が語っているようなセリフに見え、非常に驚きました。それこそ日本滞在歴が一年くらいの中国人が洩らす日本への感想に酷似しており、一体何故どうやってこういうセリフを書き起こしたのか、仮に助言者失くしてイメージだけでこのセリフを起こしたというのならどれだけそのセンス優れているんだと本気で驚愕するレベルです。
 このぺヤング、じゃなくて一平ちゃんのセリフの後もチーズパンを食べた際の感想についても、

「もし私が一人でどこかの国を旅行していて、何気なく立ち寄った小さなベーカリーでこんなパンに出会ったら、びっくりしてその町に住みついてしまうかも知れない」

 というセリフが出てきますが、誇張ではなくこういうセリフを留学生などから日本で本当に耳にします。何度も言いますが、どうしてこうやけにリアルなセリフを生み出せるのかが不思議でしょうがありません。

 なんて書きつつ、この漫画読んだせいもあってか無性に「一平ちゃん」を食べたくなり先程アピタ(冒頭の写真に映る風景がある所)の日系スーパー行って探してきましたが、生憎というか「塩タレ味」しかなくて、ソース派の自分としては泣く泣く諦めました。でもって同じ施設のフードコートでラーメン+じゃこ入りごはん&餃子3個を食べた後、食い足りなかったのでぶっかけうどんをさらに食べて寒風吹きすさぶ上海を自転車こいで帰ってきて今に至ります。どうして今日は寝てるだけだったのにこんなにお腹が減るのか、これからさらに買ってきたあんぱん食べようとしつつ疑問に思います。

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