・年々右傾化する若者、原因は情報過多にあり(JBpress)
恐らくJBpressで一番アクセスを稼いでいる伊東乾氏の記事ですが、種々のデータを使って日本人が保守化している現状を相変わらずうまく説明しています。この保守化の原因として伊東氏はインターネット普及による情報過多を指摘していますが、私も基本同感です。
私自身は少年期からインターネットが存在する世代ですが、そんな私にとっても情報は「求めなければ得られないもの」でかつてありました。特に大学進学で京都へ移った際は関東、東京周辺の情報が周りから全く入らなくなり、直近の流行や関心事、新規インフラなどの情報を得るために関東の友人らにあることをメールなどで教えてくれと頼みましたが、どうも勘の鈍い奴らだったためか私の言っている意味を理解せず、もとい関西においては東京の情報が入ってき辛いという状況がわからなかったのかついぞ一つも連絡は来ませんでした。
それが現在において、私は上海にいながら日本のかなり細かい話題などもこうしてブログで取り上げています。何故こうなれたのかというと、インターネットがあるからというよりも、どんな細かい情報もネットに上がるようになったからという影響の方が大きいと思います。例えばノートパソコンの情報も価格コムやAmazonなどを活用すれば手に取るようにわかるし、何が売れ筋なのかも簡単に分析できます。また日本のテレビ番組についても、ネット掲示板……よりも最近はテレビの視聴率を取り合えるネットニュースを見ればどの番組が受けていて、どの芸能人が人気が出てきたのかもわかってしまいます。
一方で、これは私自身が実際にこのブログで強く実感したことですが、ネットに挙げられない情報に関しては驚くほど共有、認知されない傾向が以前よりも強くなってきています。具体例を挙げるとかつて宮崎県で口蹄疫が流行した際に最初に感染認定された牛が出てきた牧場についてネット上では、韓国人研修生を以前受けれていたことから彼らが口蹄疫を持ってきたという主張が支配的なまでに流行しましたが、実はこの牧場は他の牧場から口蹄疫感染牛が見つかった後で何故か「感染第一号」認定されるという、不可解な経緯がありました。また文芸春秋の取材によると、そもそもこの牧場は外国からの研修生を受け入れた事実などはなく、ネット上で支配的なまでに流行した情報は完全なデマでした。
しかしこの文藝春秋の記事が出た後も、以前と韓国人研修生犯人説が強く唱えられ続け、誰もその事実の検証はせず、そもそも文春の取材も既に存在していたというのに、同じ主張をその後も取り上げられ続けました。
実際にその時にいろいろ検索して調べましたが、文春の記事について言及する人間はほぼおらず、この時に私はネットに挙げられていない情報、この場合は雑誌情報は、ネット上では驚くほど共有されないと感じました。
話は戻りますが、今回の伊東氏の記事でも外国語の情報はネットを通して手に入れられるようになっているにもかかわらず、誰も原典には当たらず、むしろいい加減な解釈や予測の記事を読んで海外事情を誤認する人間は前より増えていると私も日々感じています。私の場合は中国語と英語しか読めませんが、これらの言語のメディアを見ていると日本国内の海外報道の少なさに驚くとともに、「いい加減な報道しているな……」と感じる日系メディアもよく見られます。
それこそ、東スポとか週刊実話のような中国メディア(大紀元とか)の記事を翻訳して報じるようなのです。中国人も信じないメディアの記事が、日本では中国事情として報じられるわけです。
今自分がJBpressでやっていることについてよく周りに、「日本人に現実を見せる仕事だ」と説明していますが、それにはこういった背景があります。情報量がネットの隆盛によってあからさまに増えた一方、明かなデマ情報も増え、またそれに対してなんの警戒もなく受け入れる、情報の取捨選択ができない人間は増えているでしょう。
何も自分だけが真実を報じられるだなんて自惚れちゃいませんが、なんとなくこの方面に危機感を持って仕事しているのはウソではないです。
どうして原典を見ないのかは、面倒くさいや原典を見ることを知らないがあると思います。元の文献を探すことや読むことが大変ですし、テレビや新聞のニュースがすべて正しいと考える人もいるでしょう。
返信削除テレビ、新聞を疑い、データや多くの文献を集めてファクトチェックするなどの教育もないです。むしろ、天声人語を写経を授業で行い神格視させています。
お上のいうことは絶対ですから。
自分がこの関連で一番不思議なのは、マスコミを批判する人間に限ってメディアの報道を疑わず、明らかに偏った情報を拡散する人が多いことですね。おっしゃる通りに原典や、複数ソースを確認する習慣がないというかそういう教育を受けてないのだと思います。大学辺りでこの辺をしっかりやってもらいたいですね。
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