・統計所得、過大に上昇 政府の手法変更が影響 専門家からは批判も(西日本新聞)
昨日出ていた記事ですが西日本さんもやるなぁと思ういい報道でした。ただ翌日の報道では「所得統計、内閣府も課題に算出」と、「統計所得」に「所得統計」といまいち表記が一致しないのはどないなんとか思うところがあります。
さてこの一連の記事についてですが、結論から言えばまぁその通りだろうなと私は考えています。以前のGDPの統計操作疑惑の記事でも触れていますが近年の日本の統計は信用できない不可解な結果が多く出ており、別種の統計と合わせてみても何故こうしたプラス成長がはじき出されるのか腑に落ちない点が多々あります。はっきり言えば、現時点で私は中国の統計の方が日本の統計よりも信頼度が高いとすら見ています。まぁ中国もいくらか操作しており、今度JBpressで出す記事でもはっきりと、「これは弄ってるよ」と指摘してますが。
今回の西日本新聞の報道を見て少し気が付いたのですが、GDPをはじめとする日本の経済統計でやや奇妙な点として、季節変動が小さすぎる気がします。季節変動とは「ニッパチ」に代表される、消費が活発化して経済が回る月と、そうでない月との差異です。日本では二月と八月が不景気付きで、逆に景気がいいのは三~四月と十二月頃です。
なお中国では年によって一週間にも及ぶ春節休みが一月に来たり二月に来たりするので、このように月を跨いだ年は前年同月比が極端なプラスかマイナスに振れてしまいます。なので一~二月の統計はあまり参考にはせず、年初は第1四半期が終わるまで統計で議論することはありません。逆を言えば中国の経済統計で一~二月を比較する奴は間違いなく能力の低い記者が書いた記事と思っていいです。
話は戻りますが日本の報道を見ていてすごい不思議なのは、やたら前月比とか前期比ばかり取り上げて、前年同月(同期)比については言及、分析されていません。統計的価値で言えば前年同月(同期)比の方がずっと価値がある、というのも前月比の比較では先ほど言及したように月ごとによって季節要因があって統計条件としては平等ではなく、あまり参考にならないためです。
その前月(期)比ですが、なんかこのところ日本のデータを見ているとずっとプラス一辺倒であることが多いです。季節要因を考慮するとむしろ、いくら景気が上昇トレンドにあると言っても前月比成長率のグラフとかは上下に変動するのが自然です。それが何故か日本の近年の統計ではあまり見られず、なんか右肩上昇のグラフしかこのところ見てない気がします。
はっきり言えば、ここ数年の日本の経済統計データは明らかに歪であり統計操作されている可能性が非常に高いとみています。この場合、How(どれほど)ではなく、Why(なぜ)こと動機こそ追求すべき点で、一義的には政策が成功しているという政権や省庁の成果喧伝でしょう。たださらに掘り下げて二義まで考えるとややいぶかしむ点があり、Who(誰)こと官邸と省庁のどちらが主導しているのか、そしてもう片方は何故それを座視しているのか、ここを考える必要があるでしょう。
どちらにしろ、恐らく10年くらいしたら「この時代に統計操作が行われていた」みたいに検証され、モリカケ問題と合わせて「安倍偽装内閣」という二つ名がつくのではないかと早くも見ています。そう思うくらい最近の経済統計は私の目から見てやりすぎで、責任から逃れるためにも再選を目指さない方が良かったのにとこのところひとしきり思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。
注:ブラウザが「Safari」ですとコメントを投稿してもエラーが起こり反映されない例が報告されています。コメントを残される際はなるべく別のブラウザを使うなどご注意ください。