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2019年3月23日土曜日

ある特攻兵器を作った男の一生

人間爆弾・桜花を発案した男の「あまりに過酷なその後の人生」(現代ビジネス)

 先程ニュース一覧を眺めていて目に止まったのが上記リンク先ですが、その内容には驚きを通り越した恐怖のようなものすら感じ、読み終わった後にはしばしの脱力感を覚えました。どんな内容かと言うと見出しの通り、悪名高き特攻兵器「桜花」の発案者の一生についてです。

 二次大戦末期、進退窮まった日本軍は零戦による特攻に始まり、特攻用潜水艦「回天」など搭乗員の帰還を顧みない特攻そのものを目的とした兵器を開発し始めますが、桜花はその設計段階から特攻用兵器とした現時点においても唯一の航空兵器で、実際に実戦投入までなされています。
 桜花についての詳しい説明は省きますが、この度戦後行方不明とされていた桜花の発案者が実はその後も生きていたというのが記事内容です。その取材内容は見事というよりほかなく、記事中で提示されている資料などからも間違いなく真実だと認められるものですがそれ以上に当該人物、大田正一の秘されていた生涯には強い驚きを覚えるのみでした。

 触りだけ述べると、大田はポツダム宣言受諾から間もなく、偵察機で出撃した後に不時着して行方不明とされてきましたが、実際には漁船にて救出を受けており、その後無戸籍のまま偽名で平成の時代まで生きていたとのことです。無戸籍故に仕事を転々とし、晩年は医療費の補助が一時受けられないといったこともあったそうですが、公にその正体が明るみとなることはなく逝去しています。
 詳しい内容は非常に長い記事であるものの本文でつぶさに書かれているのでぜひ読んでほしいのですが、まさか現代においてもこうした戦中秘史とも言うべき内容が発掘されるとは驚きで、こういう事があるだけに歴史というのは面白いと思います。その上で、今回この歴史事実を発掘され記事を寄稿されている神立尚紀氏には強い敬意を覚えます。

2 件のコメント:

  1. 記事見ました。特攻兵器を提案したという十字架は決して時が流れても軽くはならなかったのですね。しかし、回りにはそんなそぶりを見せなかったところが軍人ならではの精神力を感じさせますし、家族をもって人生を表面的でも謳歌してもらえて良かったと個人的にはおもいます。大田正一さん以外の大本営高官は特攻兵器に携わっているにも関わらず、黙秘している時点で大田さんに深く同情します。

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    1.  黙秘ならまだいいけど、開き直ってるやつも一部いましたから余計始末に終えません。
       ただそれにしてもこの人の場合、終生復籍しなかったことなど壮絶な人生で、そうまでしてもこの県には触れられたくなかったという執念じみたものを感じ、非常に面白いエピソードでした。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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