今日は午後一時から途中夕食とゴミ出し、バナナ買い出しを除いてほぼずっとパソコンに座って記事書き続け、気がついた十時前になっていました。好きなジャンルだからこうやって集中力も続くけど、明日とかどうなってるかわからない。あとこれで八月分の記事も用意出来たので、たとえ自分が今月死んでも再来月まで記事は出続けると思えば感慨深いものがあります。
・【悲報】なろう作者さん、とんでもないラノベを出版社に提出してしまう(暇人速報)
あと本題と関係ないですが、上のリンク先で取り上げられている、「俺、桑田真澄。親友の清原和博を救うために何度も野球人生をループしているが、どうやってもバッドエンドを回避することができない」という応募小説はマジで読んでみたいです。っていうか桑田がタイムリープ能力を持つという設定からして神がかっている気がします。
・中華人民共和国の関連会社における不正行為に関する「第三者委員会報告書」受領のお知らせ(大和ハウス工業)
ようやく本題ですが、今日は午前中はまだ時間があった、というかもうこのあと時間が取れないと思って先日に上記リンク先からダウンロードしていた、大連法人で約200億円が持ち逃げされた大和ハウス工業の第三者調査報告書を読んでいました。ちなみにダウンロードしておいたファイル名は「ダイワ、ダイワ♪」というファイル名にしており、これは90年代末期に流れていた「サンワ、サンワ、サンワファーイナンス♪」というCMソングを連想したからです。
事件概要について簡単に書くと、大和ハウス工業と中国現地デベロッパーのジョイントベンチャー(合弁会社)で、提携先の中国デベロッパーから来ていた、というかデベロッパーのオーナーであり合弁会社の総経理(日本の「社長」に相当)に、合弁会社の現金200億円と一部物件資産が持ち逃げされてたという内容です。総経理とその取り巻きと言うか関係親類は既に中国国外へ逃亡しており、まだ捕まっていません。息子はまだ中国にいるようですが、第三者委員会の調査を拒否しているあたりは間違いなく一味でしょう。
報告書には事件の詳細、犯行の手口など、この手の報告書にしては最初のあまり意味があるとは思えない略称一覧を除き、比較的よくまとまっていて読みやすかったです。不正調査とかに興味ある人間にはおすすめです。
それでその中身ですが、事件詳細なども興味はあったものの、私個人の興味のあるところとしては何故大和ハウスは気づかなかったのかという点でした。この点についても報告書はきちんと取り上げられており、ある程度は意向が働いてはいるとは思うものの、「非常に巧妙な隠蔽工作が行われていた」という説明には納得できる点もいくらかあります。
まず監査段階で何故気づかなかったのかという点については、不正の現場は合弁会社で、大和ハウス工業グループの監査法人ではなく、現地の監査法人がこれまで監査をやっていたそうです。恐らくその現地監査法人も提携先の中国デベロッパーが選定したと思われ、そうなると確かに監査段階で指摘を受ける可能性は低くなると私にも思います。
もっとも、今回の不正は現金の不正利用であったことから、期末などの監査時にしっかり銀行との取引照合を行っていれば確実に気づけた不正です。不正をやった現地デベロッパーは取引一覧なども精密に偽造していたようですが、監査時に監査会社がきちんと銀行から証憑を得て確認していれば意味はなく、ここの監査会社に関しては言い逃れできないくらいに無能でしょう。
次に、これは他人事には出来ないなと思った点として、大和ハウス内の意思疎通の問題も指摘されていました。合弁会社に派遣されていた大和ハウス側の役員は不正を行った総経理には問題考動が多く、不正リスクもあるとみてかねてから排除できないかと考えていたそうです。しかし合弁会社という建前と、会社定款や契約上の問題から実際に排除するには本人の同意が必要になると考え、実現は不可能だと考えていたそうです。
一方、大連法人で問題があると見ていた大和ハウスの日本本社側では、法務部が既にシミュレーションを行っており、本人の同意なくとも総経理を役員から追放できるという結論を出していたそうです。今から数年前の時点で。
そのため、不正が発覚して総経理が逃走したあとで大和ハウス側派遣役員は総経理を追放する手段があったと聞いて、「なんで早く言ってくれなかったの?」というように思ったとヒアリングで答えているそうです。一方日本側はこの派遣役員に対し、怪しいと思っていたのなら何故これまで追放考動を取らなかったのかと思っていたそうで、思惑が一致しながら情報共有がなされず、ともに実行すべきと考えていた手段が実行されていなかったことに初めて気がついたそうです。
先日の株主総会でも大和ハウス工業は、社内の風通しが悪く報告が上に上がらないのではと追求を受けたそうですが、この報告書を見る限りだとそうとしか言いようがないと私も思います。もっともこの大連法人に関しては、中国側が予め決められた出資額を出資できず、実質的に大和ハウス側が肩代わりしてお金を出していたにもかかわらず出資比率、役員比率は契約通りに50:50を維持して中国側(総経理)に好き勝手やらせていた点も問題ですが。
また、これは個人的な同情心ですが、やはり大和ハウス側派遣役員については許してあげてよといいたくなります。というのも私も中国で長年働いていますが、現地でたくさん問題が起きても日本の本社は他人事みたいに扱って誰も助けてくれず、損害が発生したら現地側の人間のせいにされるという状況を何度も見ているからです。今回のケースでも上記の追放手段が共有されていなかった点からしても、やっぱり派遣されてた役員がかわいそうに思えました。
そういう意味でも、今回のこの事例は他山の石とは出来ないなと思える報告書で、最近読んだ中ではベストな内容です。それにしても、自分もこの方面に強くなってきたもんだ。
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