・イーロン・マスク『Cybertruck』発表会の“窓ガラス破壊”に言及「鉄球を投げてから、ドアをハンマーで叩くべきだった」(Real Sound)
本題と関係ないけど上のニュースを見て、イーロン・マスクは実は黄金長方形の回転を用いる鉄球使いだったのではという疑念が私の中で持ち上がっています。さらにどうでもいいけどちょうど今からちょうど9年前の11月くらい、家の近くの喫茶店で「スティール・ボール・ラン」の単行本を梅ジュースかなんか飲みながら読み進めていたなと思い出します。あの頃は髀肉の嘆状態だったけどとにかく楽だった。
・新入社員「ヒェ…ブラックやんけ転職したろ!」企業「3年以内でやめる奴はクズだから採用しないぞ」(暇人速報)
話は本題ですが、上の記事を見て直感的に感じたこととしては、「日本ではまだ3年とか言っているんだな」という感想でした。私が「スティール・ボール・ラン」を読んでて退職に動き出した当時も「岩の上にも三年」とせめて3年間は勤めた方がいいのではと説得されましたが、これだけイノベーションが激しくなっている世の中で3年もアクションを起こさないというのはどうかなと、当時ですら思っていました。
特に、現在の私のように「企業外国人傭兵」こと現地採用者のこの手の見切りに関する時間感覚は極端に短いです。以前スカウトを受けた企業の担当者からは、「半年もいれば今いる会社には義理を果たしたと言えるのでは」と言われましたが、実際に現地採用者の感覚では半年間いれば最低限の義理は果たしたと言え遠慮なく退職する人も珍しくありません。またこのエピソードを現地採用者を取り扱う人材会社の人にも言ったら、「まぁ半年もいれば十分だよね」と同感され、人事系の人間ですらも半年で去られることは珍しくないと考えているようでした。
話は日本の事情に戻しますが、そもそも何故3年という区切りがこれほどまで熱く語られているのかというと、転職時に忍耐力がないとみなされる基準となっていることが最大の原因でしょう。上記リンク先のまとめ記事もその点がテーマとなっていますが、私としてはやはりこうした価値観は早くに捨てるべきだと思います。
何故そう考えるのかというと、ブラック企業の存在があるからです。言うまでもなくブラック企業に勤めていると体や精神を壊す可能性がある上、そこにとどまっていても一切何も前進はありません。そうした問題ある組織からはすかさず離れるのが最善策なのですが、それを阻むのがこの「3年ルール」で、3年以内に退職したら次の転職先を探す上で障害となることを懸念して退職に踏み切れないという人が、特に新卒就職者を中心に多いと聞きます。これは見方を変えると、3年ルールそのものがブラック企業の存続を助長していると私には見えます。
その上で、3年以内に辞めるということが忍耐力を見る指標となるのかというと、私には正直疑問です。「飽きっぽい性格」の持ち主である可能性は否定しませんが、会社をすぐ「辞める=忍耐力がない」(こうした括弧書き表現に最近はまってます)という図式はやはり早計だと言え、はっきり言えばこの概念を持っている人に対して私は強い疑念を覚えます。
何故かというと、自分はこれまでほぼ2年ごとに転職を繰り返して今の会社に居ますが、奇跡の4年目に入り最長勤続日数を更新し続けている今の会社では「我慢強くて、ほっとくと休まなくなるから無理やり休ませる必要がある」と言われており、現にほぼ毎日、
「休め」
「いや、仕事が俺を待っている」
というやり取りをよく上司らと繰り返しています。
もう一つ例を挙げると、先日うちの部署に新人が来ましたが、その新人は20代ながらこれまで既に4~5社を経験するなど転職を繰り返していました。しかしその履歴書を見るや私は、「絶対に取るべき人材だ」と上に強く推して、採用に持ってこさせました。実際にそうした自分の期待通りにその新人は、嫌がらずにこっちの指示した仕事をこなしてくれるし、忙しいときには残業なども厭わずやってくれて周りの評判も悪くありません。
この新人を一体何故私がプッシュしたのかというと、4ヶ月で辞めているものの、私も経験したブラックな業界にある企業で前職を経験しており、「あの業界を経験しているやつなら根性があるし、うちの会社の環境ならいるだけでありがたく感じるはずだ」と読んだからです。変な話ですが、ブラック企業を経験しているからこそ根性ありと判断して推しました。
上記の私と新人の例は極端かもしれませんが、短期で退職するからと言って忍耐力がないわけではなく、単純に今まで当たってきた短期退職を余儀なくされるほど企業がおかしいだけという例も、世の中には多いと思います。むしろ逆にまともな環境であれば、以前にブラック企業を経験した人ほどそのありがたみを感じるだろうし、企業側が期待する「忍耐力」を発揮してくれると私には思います。まともな環境なら。
ただその上でやや曖昧な感覚で述べると、3年ルールをめぐる転職で取り沙汰される「忍耐力」という概念は本当は「責任感」という概念なのではないかと密かに見ています。本当は「責任感」なのに、それを求職者、募集企業側ともに「忍耐力」という言葉を使いながら変に勘違いしたまま使用し、なおかつその「責任感」を図る指標に対して何故か「忍耐力」の指標を使おうとするから、お互いややこしいことになっているのではないかとこの前思いました。まともな人材がほしいというのなら、やはりそこというか「忍耐力」ではなく「責任感」のある人間を募集しないとダメだと思います。
少しややこしい言い回しをしましたが結論を述べると、「勤続3年という時間の区切りは何の指標にも参考にもならない」というのが一番言いたいことです。まぁ日系企業がこうした見方に共感するまでには、後20年はかかると私は予測しますが。
おまけ
以前に面接担当をしたことある友人は、その業界は兎にも角にも体力が要求される業界であることから、「中学・高校で運動部に入っていなかったという時点で切っていた」という過去を教えてくれました。実際にその業界は体力が何よりも必要で、体力なかったら速攻でリアルに死ぬこととなるほどの業界であることから、この友人の判断はむしろ優しい配慮だと私には思えました。ただ、
「ただ例外として、文化系でも吹奏楽部出身者だけは通してた。あそこは文化系の皮を被った運動部だ」
と話しており、つくづくよく見ている人だと変に感心しました。
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