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2020年4月13日月曜日

小売業界統計記事の裏側

コロナ特需で2桁増も?小売業界の明暗が明らかに(JBpress)

 問い分けでまた今日配信された自分の記事についてですが、今回のこの記事は当初の想定と大きく違っていて、軌道修正しながら書いた記事です。

 以前に小売業界の統計をまとめた記事を出していたことからどこのサイト行けば関連統計が得られるかもわかってて、取材にかかる労力自体は非常に低かったです。記事ネタ自体は2月に中国でコロナウイルスが蔓延しているころに思い付き、その段階では日本ではダイヤモンドプリンセス号しか話題じゃなかったことから、「中国人観光客喪失の影響はどの程度?」というのが当初のテーマでした。
 しかし実際にはこの記事でも書いているように、2月後半くらいから日本でも段々と流行が深刻化してきて、百貨店やショッピングモールこそ売上げは落ち込んだものの、小規模スーパーを中心に売り上げが減るどころかプラスになっていき、インバウンド方面をテーマに記事を書くことができなくなりました。ならしょうがないやと割り切り、そのままの統計結果を記事に仕立てたわけです。

 なおヤフコメには、こんなわかり切ったことをいちいち書くなとか書いている奴がいますが、そんなわかり切ったことをきちんとデータを以って証明している人間がどれくらいいるのか、またそのプロセスにはどれほど手がかかるのかをもうちょっとわきまえて発言しろやと内心思います。
 ちなみに同じヤフコメだと、「何がコンビニは売上減だ、何を根拠にプラスだと言っている」とかいうコメントがいくつか見られますが、ヤフーの配信記事で図表を見てないんだろうけどコンビニ大手が主宰運営する日本フランチャイズチェーン協会がそ1~2月は1.5%増だって言ってるんだから、文句はここに言えよ。俺に言うな。

 そのほか個人的に着目したコメントは、小売店で働いている人が毎日たくさん客が来て忙しいと述べた上で、「毎日が日曜日のような状態です」と表現しているのが印象深いです。業種によって「毎日が日曜日」という表現の意味合いはこうも変わるのかとしみじみと感じます。

 あとあとコメントみていて感じた点として、末尾の写真についてはみんな見てないのか誰も言及していません。個人的にはかなり皮肉が効いていると思って入れたのですが、反応が少なくて残念です。ちなみに撮影場所はファミマですが、ファミマに限らず最近あちこちでこうした日本語パッケージのマスクが良く売られてます。

 少し記事の内容を掘り下げて書くと、個人的にもっと議論してほしかったのは「どの小売店を残すか」という論点です。中国では今の日本同様、2月の段階では各商店に営業を自粛、場合によっては停止命令も出していました。しかしスーパーなどの小売店に関してはライフラインを維持する目的から停止命令は出されず、むしろ商品入荷が滞らないように物流方面のサポートを物凄い強化していました。
 知ってる人にはまた早いですが、武漢市内では人通りも少ないことから遠隔操作の無人トラックを使ってまで食品などを供給していたそうです。ただそうは言いながらも、上海市内の比較的大きなスーパーに関しては営業時間を夕方6時までにするなど、制限をかける面もありました。

 今回の記事でもっと気付いてほしかった点としては、今後これらスーパーやコンビニの商品供給を支える物流、またはケータリングなどの宅配をどう支えるか、次にショッピングモールなどの大規模スーパーの営業を自粛させる一方で小規模スーパーにはどこまで営業してもらうか、この辺の塩梅についてもっと考えてもらいたかったです。まぁ自己満な考えではありますが。

 最後に、最初に書いた中国人インバウンド喪失の影響についてですが、私はてっきり百貨店とかドラッグチェーンは日本国内のコロナの影響がなければマイナス20%くらい大きく落ち込むのではと思っていましたが、百貨店ですら2月はマイナス12.2%にとどまっています。その他の小売店は日本国内のコロナの影響、特に中国人がよく買い物に来るドラッグチェーンストアなんかは見事にインバインド需要の喪失影響を国内需要の増加で埋め合わせた上にお釣りまできていますが、これらを考えるとインバウンド需要は思っていたほど売り上げのシェアは大きくなかったのかもという風に見直しています。
 もっとも小売はともかく観光方面の打撃は半端じゃないと聞くだけに、一概にインバウンドはそうでもないとはまだ言い切れません。判定が難しいところですが、今後もアンテナを張っておきたいところです。

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