直近の株価上昇の背景理由としては、コロナ流行に伴い店舗や工場といった実体経済や不動産への投資が控えられ、行き場を失った投資マネーが株式市場に流れ込んだためとされています。同様の理由で一時はオワコンとまで言われたビットコインもガンガングイグイズイズイ上昇(わかる人今いるのか?)が続いていましたが、なんか昨日にイーロン・マスクとともに一時急落しました。
上記の背景理由については全く見当違いな推測とは見ておらず、株価上昇の要因の一つであることには異論はありません。しかしそれを考慮したとしても、日経平均がここまで上昇するほどの理由になりうるとは思えず、まどろっこしいことを言わずに端的に述べると、本来あるべき価格からかけ離れて上昇しているのが今の状態のように思えます。
日本の株価が上昇し過ぎだと感じる理由として、中国の株価の上昇程度と比べても日本の方が高いという事実があります。上の画像はさっきやふーファイナンスから引っ張ってきた直近1年間の日経平均と上海総合指数のチャートですが、どちらもこの1年で大きく上昇し、特に今年1月以降の上昇ペース(米国の大統領選が影響)は共通していますが、上昇幅では日本の方がかなり高いです。
また日本はバブル期の水準を上回るような歴史的高価格を記録していますが、上海総合指数は確か2015年の上海ショック以前の水準は上回っておらず、歴史的高価格にはまだ入っていません。なお米国のダウについては引用しませんが、日本や中国と比べると随分低い傾斜になっています。
私個人の意見を述べると、コロナの抑え込みに比較的成功していて経済のコロナ影響が比較的小さく済んでいる中国に比べ、日本の株価が中国以上に上昇するのは普通あり得ない気がします。もちろん中国の場合は輸出額も大きいだけに中国以外の国の経済の影響を受けやすいという特徴もありますが、日本も負けず劣らずの輸出型経済であり、また中国と比べ国内消費の拡大余地が小さいことを考えるとここまで差がつくのは説明がつかない気がします。
とはいっても、金融というのは必ずしも実体経済に則すわけではありません。そういう意味ではこうした結果もありうると言えばありうるとは思います。なので自分の懸念も杞憂に過ぎないという感情は持ち合わせています。
ただ今の状況に関して実は一番気にくわないのが、こうした極端な株高状況に対する解説なり評論、今後の見解に関する報道がほとんど全く見られない点です。明らかにこれまでとは異なる異常な状況にも関わらず、どのメディアも原因を分析しあぐねているのか何故かほとんど言及しません。こうして中国や米国のチャートと比較する記事に至っては皆無に近いでしょう。そういう意味では、今の状況で一番腹立つのはメディアやアナリストたちです。
なお政策面について言うと、株価が上がっているのは事実なんだから、今のうちに日銀や年金機構は買いに買いまくった株を売りぬく、いわゆる出口戦略を採るべきじゃないかと密かに考えています。まだ上がるかもという期待はありますが、現時点で売却しても相当の含み益を確定させることができ、また市場に対する過度な介入も緩和でき、何より今このタイミングを逃したらいつ出口戦略を採るのかという見方を私は持っています。
いろいろ規定とかあって予告なしに売却とかできないのかもしれませんが、自分にいわせりゃ黙っていっぱい買い支えてるんだし、余計な雑音などは無視して一気に売りぬくべしという立場を取ります。こういった出口戦略にも触れる記事とか読んでみたいのだけれど、どこも誰も書かないというので結局自分が書く羽目になるのが物悲しいです。
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