先日にも取り上げたフジHDの外資比率規制定職問題ですが、一番よくまとまっているのが上の記事だという気がします。既に報じられている通り、この問題に関して政府は黙認と言うか知ってて何の処分もせず、こうして発覚した後も「今のことじゃないから」ということで済ませる模様です。
この結果についてはある程度読めていたのでさほども驚きはありませんが、自分が地味に本当はもっと議論すべきだと感じていた論点について、上の坂東太郎氏が指摘しています。それはどの点かとかと言うと、「1)有報などの開示書類も誤っていたわけだが、さかのぼっての訂正をしなかった」という点です。
一歩間違えれば停波もあり得る事実について、これまでフジHDは影響波及を懸念してた知ってて公表してきませんでした。総務省のお墨付きを得た後も。これはフジHDの株主にとっては非常にリスクのある情報なだけに、経営者間で秘匿していい情報かと言ったらそうではないというのが私の見方です。それだけにたとえ停波を免れたとしても、事実把握していた当事者が現経営陣にいる場合、直ちに辞任することがこの問題の落としどころだという風に考えていました。
しかし目下のところ、この件で誰も責任を取る気配は見られません。言っては何ですが、フジHDの株主はなめられているでしょう。ライブドア事件といい、ここの会社の株主はいろいろ話題に事欠きません。
話は変わりますが今日中国ではアリババグループに対して独禁法違反として約3000億円の課徴金が科せられたという報道がありました。まぁ真偽については議論の余地がありますが、日本も独禁法だけは比較的よく機能していてこの手の処分も自動車業界を中心にきちんと実施されているものの、それ以外の企業処分に関しては緩いも緩いというか、何すれば犯罪に慣れるのかわからないくらい大手企業には甘いです。逆にその点に関しては、意外と中国の方がまだまともなんじゃないかと最近思うようになってきています。
まぁライブドアは問答無用で処罰されました。
以前からも書いているように、真面目に最近日本の法の下の平等はどうなっているのか疑問に思えてなりません。明らかな不平等が大手を振ってまかり通っており、極端なこと言うともう警察、検察、裁判所の司法機関を当てにしてはならず、必要ならば暴力的な反抗も必要になってくるのではという気にすらなっています。それこそ加藤茶がいかりや長介の車に内緒で小便かけ続けたみたいに。
何も夢想家じゃないので完全平等な社会なんてこの世に存在するわけないと私も考えていますが、建前だけは平等ということすら最近の日本はかなぐり捨ててきているように思え、この傾向には懸念を持ってみています。
ほんと常々思ってることなんですが、昔の権力者は建前を理解して、本当はこうでなきゃいけないんだけどという前提で見えないところで悪どいことをやっていたと思うんですが、その前提が後の世代に継承されず、「我々は特権階級なので法に縛られずに悪どいことをしてもよい」とだけ理解しちゃってる人が主流になり、しかもその層が何も責任を取らず、次の世代に何も残そうともしない時代に入っているように感じます。
返信削除政治家も法に囚われず便宜を図る仕事って側面がシステム化されすぎた上、それを維持する力がある人が減ってきたせいで、建前も本音も機能せず無法化しつつあるというのが東京五輪絡みの複数のお粗末な事態にも繋がっているようで、今の世の中は先人が秩序をぶっ壊したまま放置されていて、どこが壊れてるのか調べ直さないとよく分からないみたいな状況なんだろうなと思います。
どこかで一度古い仕組みを完全に壊して作り直さなきゃいけない時期が来るんでしょうね。
それこそかつては曲がりなりにも建前を守るための義務と責任があり、それこそ90年代の大蔵省過剰接待問題の時は多くの幹部級だった役人が辞職に追い込まれましたが、総務省とNHKは今回の騒動で誰一人責任を取らず、東北新社だけ社長と総理の息子が処分を受ける変な結末となりました。倫理観が崩壊している、とまでは言いませんが、特権階級は責任を取らずとも好いということが当たり前な風潮ともはやなっており、記事では冗談っぽく書きましたが、真面目に一人、二人くらい暗殺された方が社会的に締まりが良くなるのではとまで考えています。
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