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2021年6月24日木曜日

もう一つの満州王朝

 最近歴史記事はこのブログではあまり取り扱わなくなっていますが原因ははっきりしており、歴史を語れる相手が周りにいないに尽きます。それでもまだ日本国内だったら何らかの書籍を手に取ってインスピレーション刺激されて書くこともありますが、中国だと電子書籍をそんな探すようなこともなく、やはり歴史的刺激がやや弱めです。基本的に何か知らない分野学んで、面白いと思って書くことが多いですし。
 ただこの前、何の気なしに南宋王朝を調べていたところ面白そうだ思ったトピックを見つけて、落ち着いたころにまた勉強してみようかなと思う分野がありました。それは見出しにも掲げたもう一つの満州王朝こと金朝のことです。

 金朝とは何かですが、ちょうど日本の平安朝後期の12世紀にできた王朝で、作ったのは女真族の完顔阿骨打(ワンヤンアクタ)です。この女真族ですが後に合算離合を繰り返し、16世紀にヌルハチによって再統一された後に名称を「満州族」に改めていますが、女真族も満州族も名前が違うだけで同じ部族です。言うまでもなく満州族はその後ラストキングダムこと清朝を設立した部族です。
 あまり知られてないというか意識されていませんが、満州族は清朝を作る前に12世紀の時点で金朝を作り、皇帝も出しています。この金朝は元々は万里の長城の向こうにいた部族ですが、当時の王朝だった宋(北宋)と組んで、北京周辺(燕雲十六州)を占領していた遼という国を挟撃しています。当初は遼を叩き潰したら領土は山分けみたいな約束でしたがこれを宋に反故にされ、なめんなこらとばかりに怒って攻撃して、宋の皇帝一族を丸ごと捕虜にするほどの大勝を挙げます。その後、金朝は宋をガンガンと南に追いやり、あっという間に中国の北半分を占領してしまいました。

 この時代、華北を金朝が、華南を宋(南宋)が治め、実質的に中国は南北朝ともいうべき時代を迎えます。体制が固まった当初はどちらも「絶対殺す(# ゚Д゚)」ムードでガンガンやり合っていましたが、途中から双方ともに割と現実主義な皇帝が立ち、宋が臣下という立場を受け入れることで和平が成立して、そこそこ落ち着いた時代を迎えるに至っています。意外とこの時の皇帝が面白いというか、北伐を主張する家臣らを皇帝自ら説得して和睦に至り、その上で「俺が決めた」と強い責任感見せる人で、単純に魅力を感じます。

 一方、金朝の方もそこそこ英邁な皇帝を輩出する一方、ローマで言えばコンモドゥスみたいな「色狂いの馬鹿」と呼ばれる皇帝も出たりと波乱があります。またその滅亡に関しても、かつて宋の求めに応じて遼を挟撃しましたが、今度は宋がモンゴル帝国と組んで襲ってきたため、金朝は滅亡するに至ります。なおそのモンゴル帝国は言うまでもなく、後の元です。

 この辺しっかり勉強すればまた別にJBpressで記事書けそうなのですが、最近忙しくて取材できないこともあり歴史記事に逃げること多いなとちょっと反省気味です。今の連載終わったら記事ネタないのにまた取材する時間もないから、多分前打ったチャイナワクチン体験記でも書いて逃げようと考えています。
 言い訳じみてますが、この手のネタに困っての逃げのネタほど当たりやすいです。芸術というのは苦しめば苦しむほどいいものができると一部言われますが、これはマジで、本当にあれこれ考えあぐねてもうこれしかないと追い詰められたところで光るものが最後に出てくると思います。そういう意味では自分を追い込むことが創作においては何より大事だと内心考えてるし、その追い込みにどれだけ耐えられるかという体力とメンタルの分厚さがその振り幅を左右すると思ってます。

2 件のコメント:

  1. 個人的には、中国ではどういう優先順位でワクチンを打ってるのか、年寄りはスマホで予約できてるのかというところを深掘りしてほしいです。
    日本は65歳以上に先に接種券が配られてますが、いくら重症化しやすいとは言え医療従事者以外のエッセンシャルワーカーを差し置いて高齢者から打ってる国って珍しいのでは?と思ってしまいますし、その高齢者がスマホ使えないせいで、スマホ予約は普通にスカスカなのにずっと電話がパンクしてて予約できない老人はずっとできないまま、だったりするので。

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    1.  ネタ振りありがとうございます。やはりその辺の事情が自分も需要あると思うので、ちょっと調べてみて書く方向で動きますね。っていうか再来週末に書かなきゃいけないけど、今の体力で持つのか(;´・ω・)

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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