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2021年9月16日木曜日

変形しなくなった戦闘機

 年齢を重ねた結果なのか、最近やたらΖガンダムに出てくる「アッシマー」という機体を高評価するようになりました。なんでアッシマーがいいと思うのかというと、

・機体が堅牢(散弾ではなぁ)
・変形する
・空飛べる
・構造がめちゃシンプル

 上記の特徴からです。

 特に変形機構に関してはゼータガンダムとか昔のプラモだったら変形させてる最中にボロボロパーツが落ちるくらい構造的にはかなり無茶というか複雑な変形のさせ方だったのに対し、アッシマーは前屈しながら土下座するような感じで元の姿からは想像できない丸っこい形に変形します。しかも変形の仕方がかなり単純なことから機体が堅牢というのも非常にうなずけるし、何より劇中で見せた超短い変形時間とやばいくらい空を飛び回る航空性能から見て、地味に兵器としてみたらかなり優秀な機体なんじゃないかと思うようになりました。

 そうした判断から、最近会社のPCで適当なフォルダを作る際、「アッシマーキャノン」とか、「陸戦型アッシマー」、「リックアッシマー」などと無駄にアッシマーのバリエーションっぽい名前をつけることが増えてます。ティターンズがエゥーゴに負けたのは、アッシマーのバリエーションを増やさなかったからだと最近は思うようになってきました。

 そうした真面目なガンダムジョークはさておき、アッシマーに限らずΖガンダムではたくさんの変形メカが出てきます。これはその前に放映されていたトランスフォーマーがバカ受けしていたため取り入れたと言われていますが、そのトランスフォーマーも元をたどれば、当時の戦闘機業界が空前の変形ブームに沸いていたからこそ変形を取り入れたと考えられます。

可変翼(Wikipedia)

 1970年代において、「可変翼のない戦闘機なぞ戦闘機にあらず!」みたいな風潮がちょっとあったようです。可変翼とは文字通り、飛行中に翼の角度が変わる戦闘機を指し、代表格は現代においても人気の高いF-14ことトムキャットですが、それ以外にもMig-23(よく「ミグ兄さん」と呼んでる)とか英国のトーネードなどもあります。
 飛行中と一言で言っても、水平飛行しているのか旋回、上昇しているのか、あと速度によって望ましい翼の角度や形は異なります。そうしたケースバイケースに対応させればもっと早くなるんじゃね的に生まれたのが可変翼システムで、実際コンピューターが自動制御で翼を可変させるF-14なんかはその機体の大きさに反して桁違いな格闘能力を持ち合わせていたそうです。

 しかしその一方、可変翼だとゼータガンダムじゃないですが変形機構を載せるために構造が複雑化し、部品点数も増え、また可変部分が壊れやすくなるなどデメリットも少なくありませんでした。実際、F-14なんかは運用コストが桁違いに高く、米国以外で採用したのは皮肉にも後に米国の敵となるイラン空軍だけでした。
 そうした運用面の事情に加え、時代の進化に合わせてエンジンパワーが桁違いに向上していった結果、翼の空力性能なんか気にしなくても強いエンジンでぶっ放せばどうとでも機体を制御できるようになり、「可変翼っていらなくね?」的なノリで80年代には早くも新規の開発機体は出てこなくなりました。そういう意味で、ガンダム世界と違って現実世界では変形する兵器は今やほとんどありません。

 ただ、最初のアッシマーの話に戻すと、地上を動き回りつつ空も飛べるという兵器というのがもしあれば、かなり便利というか有意義な役割を持てます。それこそアッシマーが量産の暁には、日本は米国にも勝てるんじゃないかって気がします。
 もちろんガチなアッシマーじゃなくても、空陸両用、というより空も飛べる準戦車みたいな兵器でも十分です。特に垂直/短距離離着陸(V/STOL)できる機体は現代においてもハリアー、F-35を始め、航空機の運用で重きをなす長い滑走路が不要となり、戦術の幅が極端に広がることから現代においても重宝されています。ハリアーなんか、トムキャットが退役した今でも現役だし。

 そういう意味では仮に戦闘機をベースとした場合、マクロスに出てくるガウォーク形態、戦闘機から陸上に着陸できる形態への変形機構であれば意外と価値を持つのではないかという期待があります。現実に今の時代、戦闘機は高い速度が出せること以上に、低速度でも失速せずに着実に地上のターゲットを狙える攻撃機の方が需要が高いとされ、A-10なんかそれのおかげで立派なご長寿となってますし。
 つまり、空も飛べる軽戦車みたいな兵器で、上空から目標地点に降り立って機銃を打てるような変形可能な兵器なんかあったらいいなとか思っています。時代はなんか空飛ぶ車ばかり取り上げますが、むしろ地上を歩ける/走れる飛行機の方がずっともっと価値があるでしょう。無論、「空飛ぶアッシマー」の方がもっと価値があります。

 最後に、もう何年も会っていない友人がいますが、もし再開できるなら「飛ばないアッシマーはただのアッシマーがー」と伝えてみたいものです( ´Д`)=3

2 件のコメント:

  1. 変形メカといえばどうにかして飛行機っぽい形状になることを目指すのがメジャーな中、アッシマーは装甲をまとうことで円盤型になるっていうのが斬新かつ効率的ですね。
    この変形方法でもう少し三角形に変形するバリエーションがあっても良かったと思ってます。頭尖らせるだけでいいし。

    現実の場合、二足歩行はちょっと難しそうですが、オフロードタイヤ内蔵VTOL機とかなら可能かもしれませんね。
    アッシマーがMA形態のままキャタピラ出して着陸するみたいな感じで。
    そういえば昔アッシマーのMA形態を空中戦車と表現している人がいた記憶があります。

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    1.  現実の兵器運用っていう点で見ると、このアッシマーが一番応用幅が広いというか実際に行けるんじゃないかという妙な感覚がこのところ持ち上がってきています。武装もビームライフル一つだけっていうのも妙に現実的だし。
       実際やるとなったらおっしゃる通りにVTOLにタイヤ、それも四輪とか六輪をつけるという方向になると思いますが、この方向で真面目にアッシマー作ってほしい。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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