話は本題ですが先日、タレントの北野たけし氏がテレビの収録語にヤクザに襲われるリアルアウトレイジ事件が起こりました。この事件に関して当初、直前での番組での政治的発言が刺激したのではないかと指摘されていましたが、後出し孔明的に言えばこの指摘自体がそもそも問題でしょう。というのも近年、政治思想に凝り固まった人ほどむしろ行動力がなく、逆にそういうのに無関心な人の方が行動力を有り余らせています。あんま指摘する人いないけど、こうした行動力の観点から見ると結構見えてくるものがあります。
それで北野たけし氏についてですが、彼を題材にしたゲームだと伝説のクソゲーと言われる「たけしの挑戦状」ばかりが良く世間に取り上げられますが、地味に自分の中では見出しに掲げた「たけしの戦国風雲児」の方が思い出深いです。
・たけしの戦国風雲児(ゲームカタログ)
このゲームはいわゆるパーティーゲームで、すごろく風のマップで仕官したり、お金を稼いだりなどの特定のゴールを目指してわいわいがやがやするゲームです。特筆すべきは世界観は当時テレビ番組で放映されていた「風雲たけし城」をモチーフとしており、実際に番組内に出てくる川渡りなどのアクションがミニゲームとして登場します。
今思い返すと結構凝ったゲームで、お金を稼ぎつついい刀を手に入れると戦闘で有利となったり、減った体力を回復するために宿屋行ったり、1回やすみになるかもしれないけど「うんこカレー」のコスパがめちゃ良かったりと、ゲーム中で取りうる行動の幅がめちゃ広かったです。
一方でこのゲームの主要な目的となる仕官こと大名家への仕官を果たすにはハードルが高く、小学校にも入ってなかった私からすると何をすればいいのかが全く分かりませんでした。なので無駄に友人とミニゲームで競ったり、うんこカレーを食べるばかりでした。それでも楽しかったけど。
私は以前、ゲームの面白さを形作る要素とは収集、成長、対戦だと指摘しました。わかりやすい例はポケモンで、ポケモンを集めて、育てて、戦わせてというのがさっきの要素を含んでいます。大方のRPGゲームはこの三要素を含めているほか、モンハンなどのアクションゲームでもレアリティのあるアイテムを登場させつつ、プレイヤーの技術向上を促すことでこの要素を取り込んでいます。
今回改めてたけしの戦国風雲児を思い起こしてみて、もう一つ面白さを感じさせられる要素として、「一つの目的に対する複数の手段」というのがあるように思えてきました。このゲームでは前述の仕官を果たすためには、腕っぷしの強さをアピールするほか、賄賂を渡すなど複数の手段が用意されています。そのためプレイヤーは自分の得意とする方法やゲーム上の状況に応じて行動を変えることができ、この辺がやっぱゲームの一つの面白さなんじゃないかという気がします。
というのも、よくシナリオが一本道のRPGゲームなどは批判されやすく、実際私も遊んでて面白くないです。逆に、普通に戦うとクソ手ごわいボスが、特殊な装備や戦い方でやると容易に勝てたりするなど、戦い方などに工夫があったりするとやっぱり遊び甲斐があります。
先ほどの一本道に関しても、フリーシナリオやシナリオ分岐などがあるとやはりこれまた面白く、やはりボスを倒すとかエンディングを迎えるなどのゲーム上の目的に対し複数の手段があり、それを任意に選ぶという行為もまたゲームの醍醐味じゃないかと思います。この辺は「自由度」という指標でよくゲームは評価されますが、どっちかというと「任意性」の方が適切な気がします。
忍者ゲームの「天誅」や「忍道」なんかはまさにその「任意性」が無限大で、それがユーザーにも評価されたのだと思います。もっとも「忍道」の2が出た後、アクワイアはこうしたゲーム作んなくなっちゃったけど。
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