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2024年7月21日日曜日

ロシアの地獄は停戦後より始まる

ウクライナ大統領、ロシアとの交渉示唆 前線の現実とトランプ氏復活の観測で(CNN)

 もしトラ(もしも、トランプが資本論を読んだら)からかくトラ(かくれトランプ油地獄)と呼ばれて久しいですが、ウクライナ戦争にその影響が波及することはほぼ間違いないでしょう。こうした動きを受けCNNも書いている通り、ぜれんすきー大統領も停戦を検討するようになったとのことですが、敢えて違った見方をすると停戦する方がロシア、否プーチン政権に打撃を与えられる可能性もあるだけに、自分も一考の余地があるのではと思えてきました。
 端的に言えば見出しにも掲げた通り、ロシアにとっての本当の地獄は停戦後より始まると思います。こう考えるの領土条件は何であれ、停戦した後からロシアの経済的打撃が本格的に始まり、かえって戦争という大義名分を失い、経済の混乱と矛盾が一気に顕在化するのではと思うからです。

 現在すでにロシアは、欧米各国を中心に経済制裁を受けています。現在まともに取引している主要国としては中国、インド、イランの3ヶ国程度に限られます。
 このうち中国は最近になり、ロシアと取引を行う中国系銀行に対し米国が制裁をちらつかせていることで取引を一部取りやめる動きが広がってきているようです。また仮に制裁を気にしないとしても、中国の不況は今後深刻化するとみられ、そこへきてただでさえ経済が先ゆかなくなっているロシアとの付き合いを続ける場合、その悪影響が中国国内にも広がる可能性があります。具体的には、ロシアの取引先が債務を踏み倒しまくる可能性があり、今後も取引を続けるかと言ったら少なくとも停戦した場合には拡大はしないのではという風に見ます。

 またもう一つのイランに関しては、ここへきて改革派の政治家が大統領に当選しました。これはイラン政府が、恐らくイスラエルの衝突を見て融和外交に切り替える方が無難と判断した結果と言われ、仮にその場合はロシアとの関係が薄まり、米国などと融和路線に転じる可能性があります。
 もっともこの辺はトランプ就任後にどうなるかまだ分からない点がありますが。

 以上のような国際関係に加え、仮に停戦したとしても欧米のロシアに対する経済制裁は継続される可能性が高いというか、確実です。そうなればロシアの経済、特にハイテクや食料関係の輸入が滞り、ロシア自慢の原油プラントもメンテが行き届かずに生産が滞る可能性があります。
 それに加えロシアでは開戦以降、多大な戦死者を出したばかりかエリート人材の国外流出が続いており、国内労働力の空洞化が起こることは確実です。さらに日本を含む欧米からのロシア投資も切られ、あらゆる面で経済にマイナス要素が目白押しです。

 それでも現在のロシアは戦争中にもかかわらず国家としては運営され続けています。ただこれは逆の見方をすると戦争中だからまだ経済が回っているとも言え、軍需を中心に国家政府支出を増やして無理くり回しているようにも見えます。これはつまり、停戦した場合は現在国をまわしている国家支出は抑えざるを得なくなり、仮に無理やり支出しようとしても民生などに回らなくなってその点で国民の間で不満が高まる可能性もあるでしょう。
 もちろんロシアは今回の戦争で失った軍費の補充に動くでしょうが、そもそも主要部品も手に入らない状況では補充しきれない可能性が高いし、仮に補充に動いた場合は国庫の更なる枯渇を招き、財政的にもっとおかしくなる可能性があります。下手すりゃ、一回停戦して時間を置いた方が、ロシアの国家及び軍事面での弱体化も起こるかもしれません。

 ただこれは逆を言えばウクライナにも同じことが言えます。それだけに仮に停戦するとしたらウクライナに対する復興支援が非常に重要になると言え、この復興支援がうまく回れば、ロシアとの差を大きく目立たせ、その後の外交でもよりイニシアチブが握れるかもしれません。
 もっとも今の日本でウクライナにどれだけの経済支援を行えるかは疑問です。端的に言って、もはや日本は経済大国ではなく東洋の不思議な文化国になっており、プラント建設支援とかもぶっちゃけ中国の方が上なんじゃないかとすら思います。
 まぁそれでも、ロシアに対し東西から領土問題を吹っ掛け続けられる共通のパートナーにはなれると思うので、日本政府には今後もウクライナに対する支援を継続してもらいたいものです。

2 件のコメント:


  1. ロシア、イラン、インド、中国とBRICSの国の話題ですが、どの国も懸念事項ばかりですね。

    流石に習が引きずりおろされる事はないにせよ、中国の景気を良くさせる材料がないし、イランに至っては(新大統領は)最高指導者と欧米との板挟みで何も出来ませんでした、となりかねない。

    インドも増えていく人口に対して雇用を増やさないと国内経済が混乱しかねないですね。

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  2.  おっしゃる通りというか、BRICSは揃って中所得の罠とか外交問題という障害に直面している状況だと思います。中国とロシアは支えあっていこうと今は言っていますが、どちらもやばいくらいの落ち目にあり、恐らく今後経済が悪化するにつれて互いの足を引っ張りあう状況が起こることも十分あり得て、一気に関係が冷え込む可能性もないわけではないと考えます。
     そう思うともはや既存産業がなくなり、失うものがほとんどない日本というのは気軽な立場になったもんです。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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