先日、夜のニュース番組にてある犯罪がアジアに波及しているという特集が組まれていました。その犯罪というのも、オレオレ詐欺です。
場所は台湾ですが、なにもここだけに限らず他のアジア国家にてこの手の犯罪が横行しているらしく、どうもその根源は日本らしいです。実際、日本でこの犯罪の手法が確立されたことは間違いないでしょうし、文字通り犯罪が輸出されたと見るべきでしょう。
と、そんな状況を憂うのが今回の本題ではありません。実は社会学の中には逸脱論というものがあり、何をもって社会の逸脱、いわゆる犯罪行為が発生、実行されるのかを研究する科目があります。
自分はあまり詳しくはないのですが、一つの推論として犯罪者予備軍があります。たとえば不良の集団に年齢の若い層が新たに入ることで、すでに確立された犯罪方法(万引きや引ったくり)を先輩が教え、犯罪が継続されるというような、言っててどうでもいいくらい当たり前ですけどね。
自分がちょっと注目しているのは、犯罪に流行性はどの程度影響するかです。たとえば、欧米からストーカーがという言葉が始めて日本にやってきたのは確か93年か94年くらいです。私が始めてこの言葉を聴いたのは「世界まるみえテレビ特捜部」という番組にて、海外で異常な犯罪があるぞというばかりに紹介され、その後ドラマが作られたり実際に桶川ストーカー殺人事件が起こりましたが、最近はめっきり死語の部類に入ってきましたね、これも。
私が何を言いたいかは勘のいい人ならもうお分かりでしょう。要するに、犯罪方法や犯罪名が報道されるたびにその手法の犯罪が流行するのではないのかというのが私の仮説です。もちろん私自身、真面目に信じているわけじゃありません。それこそ単にその犯罪が注目されるようになり、それ以前からあった犯罪が急にテレビで報道される回数が増えるとか、何度も起こるから社会で一般化して逆に報道されなくなるとか。前者だと先ほどのストーカー、後者のだと集団自殺という例があります。
しかしそれでも注目される当初はかつてあったピッキングや今回のオレオレ詐欺のように模倣犯が続出することは間違いないでしょう。問題はすでに一般化した犯罪が何かの拍子に大きく取り上げられ、それが波及するかどうかです。時間と資金があれば、あれこれ私も研究できるのですがね。
敢えて今挙げるとすれば、一家心中と通り魔がこのところよく報道されています。別に報道するなとは言いませんが、どのように報道するかは、今回挙げた話を研究することでわかってくるのではないかと思います。
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