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2009年10月4日日曜日

中川昭一氏の死去について

【中川昭一氏死去】 外電も速報(MSNニュース)

 すでに各所で報道されているように、元財務大臣の中川昭一氏が本日死去していた事が分かりました。
 中川氏については私もかつて、「中川元財務相の泥酔会見の裏側」の記事にて書いた通りに、今年二月のG7会合の後に外国人記者を交えた記者会見を酩酊した状態で出席したことから国民から非難を浴びて大臣職を辞任することとなり、前回の衆議院選挙でもこの件が後を引いたのか議員職までも落選することとなりました。

 また自身の選挙のみならず、あの酩酊会見が根強く国民の反感を買った事が自民党の大敗の原因となったと身内の自民党員からも批判されており、選挙直後において悪い意味で最も取り上げらてれた人物でした。こうした中川氏への批判について私自身も同じ意見で、あの中川氏の酩酊会見が仮になければ自民党は後二十人くらいは当選していたのではないかと見ており、言うなれば前回の自民敗戦の最大の戦犯だったと考えております。
 そうした世間の声を中川氏当人ももちろん耳にしていた事でしょう。死因はまだ自殺かどうか断定されておりませんが、自身の落選とこうした世間の批判より受けるストレスが急死することとなった死因の一因となったと見て間違いはないと思います。

 それにしても運命の皮肉というべきか、中川氏の父親の、こちらもまた衆議院議員をしていた中川一郎も自殺しており、親子二代に渡って急死することとなってしまいました。父親の中川一郎の秘書をしていた現新党大地代表の鈴木宗雄氏によると、自殺の原因は遅々として打開のできなかった当時のソ連外交が原因だったのではないかとされております。

 もちろん政治家というのは色々と機微な問題を抱えるために一概に言えることではないのですが、安倍政権時の松岡利勝氏といい、元民主党衆議院議員の永田寿康氏といい、こうした議員や元議員の自殺や急死を見るにつけて政治家に最も求められる能力というのは、政策的なセンスや答弁の技術もさることながら、渡辺淳一氏的に言うならば鈍感力ともいうべき周囲からの批判をものともしない精神的なタフさであると思い知らされます。

 国民や報道機関から常に目を光らされ、ほんの少しの過失でもあれば激しく糾弾されかねないというのが政治家の仕事です。そうした批判やプレッシャーをものともせず、自身の集中するべき内容にだけ集中し続ける事のできるタフさこそが政治家に必要であって、逆にそのような能力が低い、足りないのであれば、たとえ本人が希望していたり、地盤を引き継げる政治家の二世であっても政治家ににはなるべきではないでしょう。たとえなったところで、結局自身を不幸にさせるだけに終わる気がします。

 そういう意味で現国会議員で図抜けたタフさを持っているのは、戦後最長の拘留期間を経て有罪判決を受けながらも見事復活当選を果たした先ほど挙げた鈴木宗雄氏なのですが、その鈴木氏と縁の深い中川氏の急死なだけにいろいろと複雑な気持ちにさせられます。結果論から言えば、中川氏が議員になるべきだったかどうかと言えばなるべきではなかったというのが私の意見です。

 最後に末筆ながら、この場にて中川氏へ深くご冥福をお祈りします。

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