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2012年3月15日木曜日

重慶市トップの更迭について

 今日は帰宅が遅くなるから、家に帰ったらブログを書かずにシャワー浴びて、歌でも歌いながら眠りに落ちようと考えていたのですが、さすがに自分が取り上げないでどうするんだという中国ニュースが今日出たので書かざるを得ません。それにしてもさっき食べたマクドナルドのチキンバーガーはあまりおいしくなかったなぁ。

<中国共産党>重慶市トップの薄熙来氏を解任(毎日新聞)

 上記リンク先の記事にある通り、市単位としては中国で最も人口が多い重慶市のトップである薄熙来(はくきらい)が更迭されました。更迭理由については2月に薄熙来の部下だった王立軍副市長が何故か突然に米領事館に駆け込んで亡命を希望したことが影響しているのではと取り沙汰されていますが、はっきり言って原因はこれ以外考えられません。

 本題の話をする前に一つ昔話しますが、ちょうど一年前の今の会社に入った直後に私は上司から、「重慶の統計には気をつけろ」という注意を受けました。というのも今回槍玉に挙がっている薄熙来は常務委員(共産党最高幹部集団)入りを狙っており、実態以上に重慶市が発展しているように数字を盛っている可能性が高いということからでした。重慶市がこのところ目覚ましい勢いで発展しているのは事実なのですが確かに数字を見ると怪しいところは少なくなく、たとえば去年のGDP成長率は16.4%で都市別では全国で一番高かったのですが、本当にこれだけ成長したのか正直に言って怪しく、また重慶地元紙を中心に政府の成果をやたら強調するような記事も異常なくらい目立ちました。
 ちなみに去年の4月あたりに重慶市がパソコン組み立てメーカーを誘致する記事で、「世界のノートパソコンの半分が重慶製となるだろう」と市の偉い方が言っていたのですが、この内容を私は「~と、途方もない予想をしてみせた」と記事に書いたら上司から、「注意しろとは言ったが、途方もないというのは言い過ぎだ(;゚Д゚)」とされ、「強気の予想を打ち出した」と修正されました(´・ω・`)

 話は本題に戻りますが、こうした経緯があるなど薄熙来は中国国内でも曰くつきの人物であったことは間違いありません。それこそなにか不正を隠しているのではともメディア業界の中では言われていましたし、いくら功績を上げたからと言って常務委員入りは難しいのではと我々は話していました。
 そういう風に言っていた矢先に、先ほど述べた2月の副市長の亡命事件です。この事件は中国国内では「米領事館に駆け込んだ」という事実以外はほとんど報じられず、私の上海人の友人も凄い気になってて、「第二の林彪事件だ」などとも言っておりました。王立軍が何故領事館に駆け込んだのか、巷では重慶市の人事が変わることによっていろいろまず情報を出るのを恐れたとか言われておりますが、少なくとも現段階では何が正しいのか本当の理由を判別する手段はなく、もうしばらく時間が経たないとまずわからないでしょう。

 ただこれほどの重役が亡命を希望したとなると上司はタダではまず済むわけでなく、今回こうして薄熙来は更迭されることとなったのでしょう。一応政府報道では「重慶市書記には再任されない」とされていますが、早くも降格となり、幹部としての地位すら危ういのではないかと噂されております。
 なおこれは今日耳にした話ですがなんでも日本政府関係者は昨日まで、薄熙来は責任を追及されずに常務委員入りし、最低でも副首相になると予想していたそうです。これが事実だとすると日本の情報力は一体どうなるんだと、今日社内でちょっとした議論となりました。

 最後に王立軍の亡命についてですが、友人の言う通りに中国政府重役が亡命を求めるなんて林彪事件以来でしょう。林彪事件の詳細についてはリンク先のウィキペディアの記事を読んでもらえばわかりますが、現時点ではすでに価値を失っているものの一時期においては確かに中国共産党を揺るがす大事件でありました。
 なので以前に一度、中国版ツイッターこと微簿で怪情報を流してみないかと友人と話し、「林彪、実は生きてた」というストーリーで、「長生きの秘訣は毎朝の体操と話しており……」などとプロットを練ったことがありますが、真面目に国外追放されたらシャレにならないので実行には移しませんでした。なおこの友人は、私が「日本帰りたいなぁ」と話すと、「あそこにいる警官を殴ればすぐ帰れるよ」と教えてくれるいい奴です。

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