・元星風の解雇は「有効」=八百長への関与認定―東京地裁(時事通信)
非常にショックなニュースなので、孤軍奮闘とばかりに私が取り上げることにします。
かつて相撲業界を大きく震撼させた野球賭博、ひいては八百長問題は皆さんの記憶にも新しいかと思います。特に後者では人気力士も含めて多くの力士が角界から去りましたが、その中の一人に今回取り上げる星風も含まれておりました。
この星風が解雇された背景ですが、はっきり言って非常に不可解な経緯を持っております。八百長騒動の際に星風はもちろん行為を否定し、委員会も特に深く追及することなく最初に発表された処分者の中に加えられることがありませんでした。しかし最初に多くの力士を処分した後に突然、記事にも書かれている通りに元千代白鵬と、仲介役だった元幕下恵那司が星風も八百長に関わっていたと証言したことから、突如星風も処分対象者に加えられることとなりました。
しかも相撲協会の怪しい、というか不可解極まりない点で、八百長を指摘した星風に対して勧告に従って引退すれば退職金は満額出すと提示したのです。もっともこれはほかに引退を勧告した力士も同じではありましたが、星風の場合で何が違ったのかというと、不正は一切行っていないのだから復帰させてほしいとこの退職金の受け取りを拒否した点です。
この星風の本名ですがボルド・アマラメンデといい、見てわかる通りに日本国籍者ではなくモンゴル人です。相撲協会が彼に提示した退職金額は母国であれば年収の十年分以上に相当する額だったそうですが、それすらもはねつけてまで彼は相撲を取りたいと言ってくれました。またそもそもの八百長に関しても、元々日本人力士が多く関わっていた中で外人力士は言語の問題からあまり加わっておらず、どうしてこの星風だけがこうもしつこく追及されることとなったのかも傍目には怪しく感じます。
今回、東京地裁の渡辺弘裁判長(竹田光広裁判長代読)は相撲協会の解雇は有効として、星風の処分撤回請求を棄却しました。やや性善説に偏った意見かもしれませんがこれだけ熱意を持って復帰を希望している星風が八百長をしたとは私には思いづらく、また八百長をやっていた当人である恵那司らの証言がどうして丸ごと信用されるのかという疑問が強いだけに、今回のニュースは非常に残念であることと世間ももっともこの問題に注目してほしいと思い、筆を取った次第であります。
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