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2013年7月19日金曜日

追い出し部屋議論

 「パソナルーム」と聞いて何のことだがわかる人はこの先は読まなくても私の考えを理解してくれているものだと思います。リンク先のページに詳しいですがこれはゲーム大手のセガが90年代にやっていた、今風に言えば追い出し部屋という奴です。特定の職員に対し私物の持ち込みを一切禁止し、窓のない「パソナルーム」という部屋に就業時間中、ずっと仕事をさせずに監禁することで自己都合退職をするようにセガは促したのですが、この時に監禁させられた職員が裁判所に不当な処置だと訴えたことによって明るみに出ました。裁判ではもちろんセガが敗訴したのですが、呆れるのは判決で違法行為と断じられたにもかかわらず後でまた同じことをやっていたということです。たまにネットとか見ていると、「セガは商売が下手だがいいゲーム会社だ」という人をいますが、作るゲームの善し悪しはともかくとして、性根の腐った会社だと思うので私は嫌いです。サターン派ではあったけど。

 ただ時代は変わるものでこの時のパソナルームは先ほど、今風に言えば追い出し部屋と書きましたが、このように名前を変えてほかの企業でも横行するようになってきました。代表格はシャープやパナに隠れて業績が悪い状態が続いているNECで、追い出し部屋を使ったリストラがよくメディアによって批判されます。ただこれらの批判を見ていて私はよく、「会社からいらない、使えないとはっきり言われているのに社員も社員でどうしてそんな会社に残ろうとするのか」、という疑問を持ちます。そりゃ家族抱えて生活もかかってるんだし辞めるに辞められないという状況はわかりますが、それにしたってそんな会社、こっちから願い下げだと言いたいし、斜陽の会社なんだから残ったところで倒産したら元も子もないのではなどと考えてしまいます。

 同時に会社に対しても、どうしてバシッと辞めさせずにこうした陰湿な手法を取ろうとするのか疑問です。あれこれ批判はありますが経営状況が悪化しているというのなら会社都合で退職させることも不可能じゃないのだし、退職金を多少上積みして面倒な議論なんかせずに戦力外通告を出せばそれまでです。そういう事をせずにこういう事を思いついて実行する当たり、つくづく性根が腐った連中だという気がします。

 あとこの手の議論でよく疑問に感じるのは、「会社側がクビを切りたくても日本の労働法だと自由に解雇が出来ない」という意見が出るのですが、果たして本当なのかといつも思います。というのも例のゴーンさんなんかかなりクビ切ってたし、利益を確実に生んでいない社員であれば別に問題はないんじゃないかとほんとよく思います。というより、会社がクビ切って批判される方が追い出し部屋で批判されるよりはずっとマシな気がしてなりません。

 とまぁそんなこったで、日本人って本当に言葉遊びと無駄なことが好きなんだねと皮肉っぽく感じます。日本に帰国してから何度も思いますが、表面的な議論ばかりで誰も核心的な議論をしないというのは見ていてイライラします。切り出したら切りだしたで怒り出すしもぅ。

2 件のコメント:

  1. これはもう同感です。
    最近、注目されている(嫌味な意味で)
    バブル組として一番感じることですハイ。
    資本主義社会で生きるということは、
    淘汰に始まり淘汰に終わる世界を生き抜く
    ということなワケで過保護な状況というのは、
    そもそも存在しないハズですし、
    そういう社会科教育も散々受けてきたハズ!
    なんですが、
    どうやら中途半端な個人主義思想と
    南蛮カブレのニワカ成果主義とを融合させたら
    こういう状況になってしまったという
    気がしております。
    結局、全部中途半端だったんですよね。
    この中途半端さが産業廃棄物のような
    社員や企業を産み出し、
    それでいて「処理」に苦慮している
    という感じです。

    これは今の教育問題にしても政治にしても言える
    ことなんでしょうけどもね・・・・
    この追い出し部屋問題とかいう話。
    非常に聞いててイライラする話です。

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    1.  中途半端という言葉が確かにこの追い出し部屋議論のキーワードですね。雇用側、日雇用側の片側が得だというのならまだしも両方揃って損し合っているような話で、何故こんな無駄なことが話題になるのかすら疑問を感じてます。これに限るわけじゃないですが、日本の労働法は抜本的に改革するべき時期に来ているのかもしれません。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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