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2015年7月28日火曜日

日経海運三社に対する中国の独禁法調査について

中国当局が日本の海運会社を調査、独占禁止違反の疑いで-関係(ブルームバーグ)

 詳細はリンク先を見てもらえば早いですが、早い話が日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手を含む日経海運各社が自動車輸送事業においてカルテルを結んで不当な利益を出していたのではないかと中国当局が調査を開始したそうです。長く書く気ないんでスパッと言いますが、多分この件はクロでしょう。
 というのも米国、カナダ、EU、そして本国日本でも同じ容疑で調査が行われており、日本では公正取引委員会が既に課徴金を課してます。なので中国も遅ればせながらこれらの日系企業を調べ始めたというのが実態でしょう。

 まだ調査結果は出ていませんがこういう国際カルテル行為に対する処罰は最近厳しくなっている上、日本を含めた他国でも調査、処分がされていることを感がると中国でも処分されることは予想に難くありません。ただそれだけであればこうして記事にするまでもないのですが、やや過剰反応かもしれませんが、このYahoo記事のニュースコメント欄を見ていてイライラしてきたので記録がてら書き残すことにしました。

 わかる人にはわかるでしょうがコメント欄には、「また中国が日本に嫌がらせしてきた」、「他人には厳しい」、「もう早く中国から撤退しろ」などとヘイトなコメントでいっぱいです。少なくとも事実関係、背景関係をみるにつけ私はこうしたコメントは不適当だと思うのですが世間はさにあらず、こうしたヘイトなコメントに「そう思う」が多くつけられていることは事実で、なんでほかの国や地域が調査している案件を中国が調査したら中国を叩こうとするのか、ドメスティックすぎやしないかと呆れると同時に正直怒りも覚えます。

 こうしたことは何も今回に限らず、去年も業界にいる人間なら誰もが知っていたと言えるくらい堂々とカルテルしていたハーネス、ベアリング業界に対して中国政府が課徴金を課した際も、日本側としては中国が日系企業に対し不当な嫌がらせをしてきたという声が盛んに聞かれ、私もわざわざ記事にしております。
 しかしこうした価値観は非常にドメスティックなものとしか言いようがありません。確かに中国は外資に対して結構いやがらせとかやってくることが多いのは事実ですが、だからと言ってなんでもかんでもいちゃもんをつけるのは以ての外でしょう。ましてや、日系企業だからと言ってこう言ったカルテル行為への捜査を批判するなんて過剰な身内贔屓もいい所です。

 今日も中国の株価が下がってまたあちこちから「中国は崩壊する」と決まりきったフレーズをやたら言われて凄いイライラしましたが、物事はもっとクールに、かつシビアに見るべきでしょう。中国が嫌いなら嫌いでそれで構いやしませんが、だからと言って身内の犯罪に目をつむるということはよくない方向だと、口やかましくこうして記事に書き残す次第です。

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