2014年8月23日土曜日

日系自動車部品メーカーに対する中国の独禁法適用について

 内心、あまりにも馬鹿馬鹿しい話題だと思うのでスルーを決め込んで黙ってましたが、昨日友人から直々に相談された上に続報も出ているので、このほど中国で日系自動車メーカーに対して適用された独禁法について解説しようと思います。
 
 
 知ってる人はそのまま、知らない人は早速上記リンク先の記事を読んでみましょう。事の内容はリンク先に書かれている通りで、このほど中国当局は日本精工やNTNなどベアリングメーカー、住友電工や古河電工、矢崎総業などハーネス関連メーカーの計12社に対し、カルテルを結んで不当に価格を吊りあげていたと発表し、早期の捜査に協力した一部の企業を除き計約203億円もの罰金を科すと発表しました。この罰金額は中国の独禁法史上(といっても2008年かららしいが)で過去最高額らしく、やったね新記録だ、と内心手を叩いて喜んでます。
 
 さて今回のこの中国当局による日系企業への仕打ちですが、一部のメディアでは「中国リスク再び」、「日系企業を狙い撃ち」などという見出しで記事を出しておりますが、断言してもいいですがそれらの記事書いた記者は間違いなくボンクラだと鼻で笑って結構です。少なくとも、自動車業界の記事を書く資格はないというほど知識の蓄積がないことは間違いないでしょう。
 
 
 二本続けてレコチャイの記事を投入しますが(NNAだと見れないし)、大体こちらのリンク先の記事に経緯がまとめられています。
 今回制裁の対象となった12社ですが、実はというほどでもないけどこいつらは今、世界各地で同じようにカルテル違反で罰金の制裁を受けています。その制裁を受けている地域は遍く世界中といっても過言ではなく、米国、カナダ、EUはおろか、日本本国でもいい加減にしろよとばかりに公正取引委員会に引っかかっている始末で、今回の中国の動きはどちらかといえば他国・地域で行われていたカルテルによる価格つり上げが中国でも行われていたことが確認できた上での処置といえるでしょう。
 ちなみにこの自動車業界のカルテルについては2012年に私もこのブログで取り上げてます。自動車業界に関わる人間なら誰でも知ってる事実だと思うのに意外とそうでもない低次元な記者もいるようです。
 
 話は戻しますが今回の制裁は上記のような世界的な流れにあるもので、何も中国当局が日系企業を狙い撃ちにしただなんて逆恨みもいい所でしょう。仮にこれが狙い撃ちになるなら世界中から日系企業が狙い撃ちにされていることになるし(ある意味事実だけど)、罰金額についてもEUの日本精工に対する約86億円の方が単独としては最高だとも思えます。
 以上のような観点から私はこの事件を取り上げること自体が馬鹿馬鹿しいと思ってスルーしてたのですが、こういってはなんですが今回制裁を受けた各社は懲りずにまだカルテルをやっていると私は確信しています。そう思う根拠としては私がハーネス業界にいた時、住友電工に対して見積り依頼をかけたら「エンドユーザーに当たる自動車メーカーと車種を言え。すべて価格があらかじめ決まっているから言わないと絶対に出さない」と居丈高に言って、周囲の人間もそれがさも業界の慣行であるかのように受け入れていたからです。自動車業界ってのは業界内の企業同士でも異常に仲良いきらいがあり、まぁ言ってはなんですが今回の件も「ばれちゃった、ちぇっ」と思ってるくらいで反省なんかしてないでしょう。
 
 
 この話の延長というわけじゃないですが、これらカルテルをやってた自動車部品メーカーから部品買って組み立てる完成車メーカー各社も今回の摘発を受けて、中国におけるディーラー店で補修部品の販売価格を引き下げたそうです。今回の摘発に先立って日系、欧米系を含む完成車メーカーに対して中国当局はディーラー店での部品販売価格について調査しているとの報道があり、今回のトヨタとホンダの動きはこういっては何ですが暗に不当に吊り上げて販売していたことを認めた上で摘発される前にいくらか引き下げてお目こぼしをもらおうと、こうした動きを取ったと見て間違いないでしょう。
 説明するのもばかばかしいですが、自動車部品メーカーが不当にカルテルを結んで吊り上げられた価格で部品買っていたのは完成車メーカーです。しかし完成車メーカーは部品メーカーに対して、「ぶっ殺すぞこのクソガキ」と怒鳴り込むわけでもなく、むしろ摘発を受けるや何故だか急に価格を引き下げてます。これに関しては具体的な証拠はないけれども私としては、完成車メーカーも暗に部品メーカーのカルテル価格を黙認していたのではと分析しています。明らかに対応が不自然だし。
 
 最後にもう一つ、これは多分ほかではまず見られないだろう私オリジナルの情報ですが、日系自動車メーカーの中国のディーラー店で販売されている補修部品は不当に高い価格で売られていると確実視しています。というのも先日、同僚のローカルスタッフが乗っている日系メーカー車のマフラーを取り替えたのですが、「どこでこのマフラー買うたん?」と聞いたら、「ネットで」と予想外の答えが返ってきました。そうか、ネットでマフラーも買えるんだと感心しつつディーラー店で買おうとはしなかったのかと聞いたら、
 
「ネットだと150元(2500円)なのに、ディーラー店だと1500元(約2万5000円)も取られる」
 
 という、またも予想外の返答が返ってきました。
 内心、2倍か3倍かは値段違うかなとは想像してましたが、まさか10倍も価格差あるとは完全にノーフューチャーでした。っていうかスポーツ用マフラーならともかく、一般乗用車用のマフラーでそんなに性能差があるとは思えないし、いくら何でもディーラーはぼりすぎじゃないかマツダさんと思ったわけで、そんな中で上記のニュースと来たもんだから日系自動車メーカーはずるいなぁなんて思った次第です。

2 件のコメント:

  1. 日系自動車は日系部品メーカーのみを採用している為、価格をcontrolしやすいわ。
    今度、罰金額は少ないと思いますわ。独占で各社が儲けた事につき、ホンマにひどいと思われます。

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    1.  ぶっちゃけ俺も罰金額が少ないと思う。更に言えば、日本のメディアもこれらの会社への批判が薄すぎる。日本のメディアは経済犯罪には昔から甘いんだけどね。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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