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2019年5月28日火曜日

手抜きだったのに……

人件費高騰の中国、いちばん高給取りの業界はどこか(JBpress)

 昨夜は帰宅が遅れ書けませんでしたが、昨日上記記事を配信してもらいました。この記事ネタは前から取っておいたもので、経済記事として普遍的な賃金ネタなら記事の体裁はつくし、いつでもどこでも書けるから苦しい時用のリザーブ要員的なネタでした。
 なのであまりひねりはなく、掘り下げればいろいろひねれるものの今回はこのところマジ忙しかったこともあり、統計データを紹介するだけという自分でもびっくりな手抜きぶりでした。提出時も編集長に、「手抜きでマジメンゴ(・ω・` )スマンカッタ」と本当に書いて送ったのですが、昨日のランキングで終日二位と結構読まれました。正直、トップテンにも入らないと予想してたのに。

 記事内容について少し解説すると、中国の賃金動向についてははっきり言って過去の中国を知っているか否かで見方が変わるでしょう。昔の中国を見ている人なら、「こんなにも賃金は上がっているのか」と驚くでしょうが、昔の中国の賃金水準が分からないといまいちこの実感は湧かないでしょう。まぁそれでも今の水準がどの程度かを知る上では読む価値はあるでしょうが。
 むしろこの記事、ニュース的な価値で言えば末尾の日本の業種別平均賃金統計の方が意味があったりします。記事中でも書いていますが、この統計によるといま日本で一番稼げる業種はなんと電気ガス水道のインフラ業であり、ITや金融を大きく突き放してトップに君臨しています。

 この辺、NewsPicksの読者反応を見ていても意外と感じている人は多いようで、私自身もこんなにインフラ系が高い賃金になっているとは知らなかっただけに、中国との比較もそこそこに記事中に明記しました。
 また、これもNewsPicks読者が指摘していますが、この日本の統計だと「医療・介護」が一つのグループに統合されています。この両者は関連が全くないわけではないものの、賃金水準から仕事内容まで大きく異なるものであり、一般的な統計感覚から言えば絶対に統合してはならず分けて統計を出すべき業種です。にもかかわらずこのようにまとめられたのは、やはり何らかの意図を疑わずにはいられません。

 それと同様にこちらは記事中ではっきり書いていますが、「宿泊・飲食業」の平均月収が12万7644円という結果になっていますが、20日間を8時間働くと仮定して時給額は算出した場合、ほぼほぼ最低賃金水準になりますが、これが平均だとしたら同業界の就業者は9割方最低賃金で働いていないとこんな数字にはならなくなります。無論そのような事態は現実としてはほぼあり得ず、勤務時間など本来施すべき均一化処理が全く行われていない可能性が高いです。
 先ほどの医療・介護の点といい、こんな統計を公表すること自体が異常としか私には思えません。

 そして最後ですが、これはまだ誰も指摘していないものの、この統計の本当の闇はクレジットことデータ出典にあります。というのもこの日本の統計データは2019年に発表された2017年度データであるのに対し、今回私が紹介した中国の賃金統計データは今月(5月)に発表された2018年度データです。
 以前、中国のGDP発表が対象期間(1~3月データなら5月頭頃発表)の約1ヶ月後に発表されることについて、「統計不正していなければこんなに早く出せるわけがない」という人がいましたが、私の見方はむしろ逆で、時間のかかっている方がむしろ不正をしているのではという疑念を覚えます。

 そもそも不正以前に、中国と比べて人口も規模も小さい日本でなぜこれほどまでに統計の調査、発表に時間がかかるのか。社会主義か民主主義かとかいうそれ以前の問題で、明らかに日本の統計部署の能力不足だと私は考えています。賃金なんて税務署データと連動させれば1ヶ月、その気になれば2週間以内に弾きだせてもおかしくないと思え、こうした方面の調査体制、IT化とかマジでやばいのではと思うくらい日本の統計は遅いです。

 以前京セラの稲森和夫氏がJALの再生に関わっていた頃、路線便ごとの収支が分かるまで2ヶ月かかっていたのを、「即日でやれ」という稲森氏の鶴の一声で、社内からそんなのできるわけないという声が出たのをよそに、本当に即日で分かるようにしたそうです。言っては何ですが日本の統計もこれだけIT化の進んだ世の中で怠けた仕事しているようにしか見えず、稲森氏にでも来てもらって「即日で出せ」と言われた方がいいのではと本気で考えています。

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