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2019年10月10日木曜日

終わらなかった聖戦

 先月、この夏にかけて繰り広げられた私とゴキブリとの戦いの歴史を紹介し、なにはともあれようやく平和が訪れそうだとまとめましたが、平和は訪れませんでした。

 あらすじを簡単にまとめると、これまで共通玄関付近でゴキブリが大量に発生して、駆除もできずこの夏ずっと苦しめられてたものの、隣の一家が引っ越したのでようやく駆除に動けるようになったというのが前回までです。結論から言うと、駆除しきれませんでした。
 共通玄関でゴキブリの糞を掃除して、コンバット置いてこれで一安心と思ったのもつかの間、2日くらいしたらまたたくさん出てくるようになりました。特に連休初め、上海に台風が近づいて大雨となった日なんか、雨のせいなのか湿気のせいかわからないけどやけに大量に発生して、マジ朝から晩までゴキブリを殺し続ける一日となりました。その日はどれくらいひどかったのかと言うと、体感で言えば1日で70匹くらい、少なくとも50匹以上は確実に殺しており、もしかしたら100匹超えてた可能性すらあります。これがゲームの世界なら、「そなたの働き、見事である!」とファンファーレが鳴っていたでしょうが、ここは現実世界のためそんな幻聴は聞こえてきません。

 しかも殺したゴキブリのほとんどが、体調が比較的大きい中型種だったのが個人的に嫌でした。それこそ蟻くらいの小型種なんかだったらブラシで擦るだけでサクッと殺せるのですが、中型種だといちいち風呂用洗剤かけて射殺する必要があり、動きも早く、何より見た目にも気分良くありません。それでも殺すけど。
 その台風の日以降、駆除した直後は一時的に減っていたにもかかわらず、以前よりもなんか余計に多く発生して来るようになり、マジ数日間は狂ったように殺し続けました。しかも台所だけでなく寝室にまで侵食してきて、前線を進めたつもりが逆に内部にまで攻め込まれるというダメダメな戦争指揮の典型みたいな事態を招き、真面目にこの時期は家にいるのも嫌でした。

 前に女性の同僚にゴキブリが多いということを話したら、「私ならその理由だけで引っ越す」と言われたことをこの時思い出し、本気で自分も引っ越そうかなと考えるほどヤバい状態でした。ただ、「逃げ出した先にはなにもない」という、「逃げ恥」とは真逆の謎の声に突き動かされ、負けてられるかとばかりに自分を叱咤して再び対策に取り組みました。

 具体的な対策の中身とは、やはり発生源である共通玄関の天井付近にある棚の中のゴキブリの糞をこまめに掃除し、出てきたゴキブリは必ず殺すというルーチンワークでした。特に後者に関しては以前よりも感覚がやけに鋭敏となっており、この頃歩き方変えて視力も良くなっていることもあってか、視界の隅で少し動いただけでもすぐに反応できるようになり、スナイパーとしての実力が高まってマジ殺す量が増えました。何ていうか黒くて動く影に対し、自然と目で追うクセがついてます。
 次に、共通玄関が発生源なのだからともかく玄関ドアから入って来られないようにしようと、元々ゴムパッキンで比較的密封されているものの、四隅の角にあるほんの小さな隙間にもティッシュを無理やり詰め込んで、密封性をより高めました。

 ただ、これだけやってもしばらくは劇的な減少は起こらず、その後も毎日10匹以上は殺し続ける血塗られた毎日を過ごす羽目となりました。それでもこのところ気温が下がってきたこともあってか、9月と比べると射殺数というか目撃数はだいぶ減ってきてようやく一安心かと思ってたら、一昨日朝起きて何気なく枕を持ち上げたら、枕の下に1匹潰れて死んでました。前の自分だったら気持ち悪くて吐き気とか覚えてたろうけど、「何もせず寝ながら1匹殺せたな」と、乾いた心のまま死骸を処理できるほど強くなりました。

 このように今週に入ってからだいぶ減ってきて入るものの、それでも寝室とかでたまに見るし(その度に絶対殺す)、今日も帰宅して玄関開けて5分で3匹射殺するなど、戦いの日々はまだ続いています。先程も述べたように玄関ドアの隙間はほぼ完璧に塞いでいるので小型種以外は入ってこれないと思うものの、未だに中型種を殺し続けていることから、以前から部屋に入ってきていたのか、それとも他に侵入口があるのかとすこし思案にくれました。
 この際、前から怪しいと思っていた天井と壁の接触面付近の隙間が気になったわけです。中国の建築らしく天井のタイル状の屋根はピッタリハマっているわけではなく、壁との区切り付近でほんの少し隙間がのぞいている箇所があり、主要発生源が共通玄関の天井付近の棚であったことからも、天井から来ているのかなと漠然と思いました。そして埋めることにしました。

 流石にコンクリとかで勝手に埋めるわけにも行かないので、幅広のテープを持ち出して隙間の空いている箇所をベタッと貼り付けることで埋めました。壁に沿った一部分のみに隙間があることから全面を覆う必要はなく、また天井付近で透明のテープだから貼った箇所は下から見上げても注意してみなければ気づかないくらいで、見栄え的にはほとんど悪化しなかったのが良かったです。
 それでも冷静に考えて、天井の隙間全てにテープを貼り付けるなんて、なんか精神病んだ人の部屋っぽくも見えなくもありません。だから薄々天井の隙間が気になっていてもこれまで手を付けなかったのですが、流石にもう限界というかこういう事してでもゴキブリ減らしたいと思いました。

 こうして現況、先程も述べた通り気温低下が一番大きいと思うものの、この二日間は比較的マシになったように感じます。ただそれでも安心することはできず、四日前もこうしてパソコンで作業していたらすぐ近くにある折りたたみできる畳マットの上を割とでかい大型種が動いてて、手元に風呂用洗剤がなかったことから窓開けて、畳マットを持ち上げて半分外に出し、揺さぶって外に追い出した事がありました。
 なおこの際、割と自分も動揺しながら畳マットを力強く振ったもんだから、振った際に肘の近くを窓の桟に強打し、割と激しく擦りむきました。っていうかかなり久しぶりに、痛みでしばらく動けなくる経験しました。

 昔、自分ではそうでもないと思っていたものの実際はかなり我慢強い性格していることもあって、痛みそれ自体はしびれで動けなくなることはあっても、そんな辛いとか苦しいとか思うことは私にはありません。けどこの時、擦りむいた後がかなり痛々しく流血もしていて、痛み以上に傷跡を見るほうがハートに来ることもあって絆創膏を貼りました。絆創膏貼るのも、ほんと何年ぶりだったんだろうか。

 落ち込む事もあるけれど、私この街が好きです。

2 件のコメント:

  1. 片倉(焼くとタイプ)2019年10月10日 23:28

    私は北国に住んでいるので、部屋にゴキブリはまず出ません。生命力にあふれる
    黒い奴も寒さには弱いです。
    さらに、真冬にすべての暖房を停止し、寒気を十分に室内に取り込んでゴキブリ
    (を含む害虫)を死滅させています。 1812年ロシア戦役よろしく冬の寒さで
    敵を撤退に追い込んでいます。 北国での生活は暖房費やらスタッドレスタイヤ
    やら経費が掛かりますが、ゴキブリが出ないことは数少ないメリットです。

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    1.  いいなぁ(´・ω・`)
       雪国は一度も住んだことなくて一回は住んでみたいなと思ってましたが、金沢にいた親父から、冬はほとんど晴れずに曇ってて鬱になると止められました。自分は曇り好きだから問題ないと思ってましたが、前回の上海の冬がまさに毎日雨か曇りで鬱っぽくなり、親父は正しいこと言ってたと思ってちょっと考え直してます。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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