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2020年1月15日水曜日

ファストニュースの凋落

 PCでは常にYahooとMSNをワンクリックで開くようブラウザを設定していますが、最近陵ポータルサイトを比べていると、MSNのが面白いです。なんで面白いのかっていうと、配信したらほぼ確実に私のJBpressの記事をトップページに載せてくれるからです。
 もちろんこれは冗談ですが、冗談なのは半分で、もう半分にはガチな理由があります。その理由と言うのも、トップに掲載するニュースで解説系が多いためです。

 前にも少し紹介した「2050年のメディア」をこの前ようやく読み終わりましたが、改めてインターネット黎明期から現在に至るまでの新聞メディアの凋落は、インターネットの発達がそれ自体が原因であることに間違いないものの、構図としては「インターネットVS新聞」ではなく、「Yahoo JapanVS新聞」だったんだなと読んでて思いました。まぁそのYahooも新聞メディアからのニュース提供がポータルサイトで覇権を取った主要因なのですが、それだけに借りた刀で持主を斬り殺したともいえるでしょう。

 話は戻しますが、ポータルサイトの機能で何が一番期待されるのかと言うと検索やメール、占い、掲示板などいろいろあるでしょうが、やはり一番集客力が高いのはニュースに他ならないでしょう。前述の通りYahooが何故日本一のポータルサイトなのかと言うと、ニュース配信力が極めて高く、プラスアルファで検索機能が強かったといえます。そんなYahooですが、最近私の目から見てことニュースの配信に関しては、マイクロソフトが運営するMSNの方が面白かったりします。

 一体なんでMSNの方が面白いのかと言うと、一つはこっちだと海外や経済などニュースカテゴリーを自由に選択して、トップページに表示するよう設定できます。これだけでも特定分野のニュース見出し一覧数は増えるし、そもそもMSNの方がページ全体を使ってニュースを大量に出しているので、意図せず面白いニュースを発見しやすいです。
 次に、こっちの方が重要ですが、先ほどにも書いた通りに解説系のニュースほどMSNではトップに掲載されやすいです。対照的にYahooのニューストピックスでは芸能を除けば大手新聞社系のニュース、敢えて言うならファストニュースともいうべき速報のような短い文章の記事が掲載されることが多い気がします。MSNはというとこれまた対照的に、私の記事もそうですがJBpressなどWebメディアや、東洋経済やダイヤモンドと言った雑誌系の、やや文章の長い解説記事、敢えて言うならアカウントニュースが多くなっています。

 単純に私がニュースマニアでファストニュースより内容の濃いアカウントニュースを好むという傾向もあるでしょうが、案外他の人も今後を含めこういったアカウントニュースを好む傾向になるのではという気もしています。それは何故かというと、かつてと比べてファストニュースの価値が低くなっているからです。
 以前(20年前?)であれば如何に早くニュースを得るかということが重要視されていましたが、現代においては当時と比べるとその価値は急減している気がします。というのもネットの発達によってそうした主だったニュースは見ようと思えば夜七時のNHKニュースを待たずともいつでも見られ、また本当に大きな事件であればTwitterや掲示板まとめサイトなどを眺めているだけでおおよそ把握できます。

 特にTwitterに関しては、今現在の注目ワードなどが自動で集計されることもあり、速報性で言えば図抜けています。またメディアの方もそうした背景から、テレビ局を中心に自分でニュースを負わず、こうしたTwitterの注目ワードや話題を後追いし、挙句には事件現場などで写真や動画撮影した人から材料を提供して報じる有様で、速報性の面では後塵を拝するどころかいろいろとおかしなことになっています。

 それに対しアカウントニュースは、基本的に取材に手間暇時間がかけられているだけに、興味のない内容なら全く読むことないでしょうが、いくらか興味のあるものであればやはり読みごたえを感じます。特に以前は散々馬鹿にしていたダイヤモンドも東洋経済に負けないくらい最近面白い記事を出すようになってきて、時間がある時なんかは割とじっくり楽しんで読んでます。
 こうしたアカウントニュースは事件発生や発表があってからしばらく経って出てきますが、事件背景や今後の展開についてはよそではまず見れない独自内容も多くなります。横並びなファストニュースは極端なこと言えばどのメディアの記事を読んでも同じというか大差ないですが、アカウントニュースは同じ事件が対象であっても、違った視点や解説が見られるだけにいくらでも読めます。

 MSNの方が面白く感じるようになったという出発点からいろいろ語りましたが、これらは暗に、速報性を武器にしてきた新聞社など大手メディアのニュース面における凋落理由の解説としても通用する気がします。ネットが発達した時代においては、比較するならばアカウントニュースの比重が高まるというのが私の見方です。
 逆を言えば、大手メディアはもっとTwitterのようなツールを活用してファストニュースをガンガン配信するべきともいえるのですが、なんとなく企業広報にしか彼らには使えない気がします。テレビ局に至っては、今はまだ強力なビジネスアイデアが出てないけど、そういうのが出てきたらこのままだと一網打尽になりかねないとも考えています。

6 件のコメント:

  1. 今はYouTubeで質の高い情報を配信するホリエモンやメンタリストDAIGOのような人たちもいますから、ますますテレビ離れは進みそうですね。わざわざ決まった時間に質の低いコメントしかできないコメンテーターを使うニュース番組を見る人など高齢者以外にいないのかもしれませんね。

    また最近ブログ更新しました。今回は孫子の兵法を題材に書いてます。もし、時間があれば一度みてみてください。

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    1.  ネット配信者が質の高いコンテンツを流すようになったのは事実ですが、それ以上にテレビメディアの配信クオリティが、どう贔屓目に見ても昔より下がっているように見えたりします。歴史番組もなんだか浅いし、ニュースに至ってはもはやネットの後追いになりつつあるので、意外とラジオみたくなるんじゃないかなという気がします。

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  2. ファストニュースとしてはTwitterやLINEニュースの方が手軽さで上回っているので、これからはYahooは淘汰されそうです。ただYahooは災害情報はそれなりに強いので、ネット界のNHK的ポジションになっていくかも…。
    5Gが普及して動画の受信に制限がなくなってくると、いよいよテレビも終わりが近づいてくると思います。テレビドラマは毎週決まった時間に見るのではなく、話題になったらすぐ視聴できる環境になり、熱心なファンは配信開始時刻と同時にアクセスする…という時代になるかもしれません。

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    1.  地味にこの記事で言いたかったこととしては、ご指摘されているようにニュースメディアとしてのYahooの覇権に陰りが見えてきたということでした。以外にYahooは新聞っぽいニュースを好む傾向があるように見え、Twitterなどでファストニュースの価値が下がる中、私の様にアカウントニュースを重視する人が増えてくるのではともいいたく、おっしゃる通りに今後はNHK的ポジションに収まるかもしれません。

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  3. 私もポータルサイトはYahoo!見ますね。どういうのがトレンドになってるか知る為とヤフオクとTポイント確認の為です。

    それ以外はGoogleニュースを日本語版、英語版、中国語版に時折変えて見てます。

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    1.  自分はポータルサイトはもっぱらニュースとメールチェックにしか使っておらず、個人的にはお勧めゲームとかが表示されたらいいなとか勝手に考えています。Googleニュースはこっちだと使えないってのもありますが、やはりニュースコンテンツはどこにとっても重要ですね。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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