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2023年3月31日金曜日

関電は犯罪集団

 今日はみんな大好きプレミアムフライデー……なのに誰もこの言葉を発しません(´;ω;`)ウッ…
 マジな話、プレミアムフライデーを提唱した官僚は早く職を辞すべきだと思います。まともな感性を残念ながら持ちえなかったとしか言えません。


 話は本題ですが、結構過激な見出しですが私のマジな感想でいえば、関電は近年まれにみる犯罪集団だと考えています。歴史的に言えば関東軍に近く、最低でも現経営陣は総退陣すべきでしょう。

 上の記事に書かれているニュースはどうも世間の反応が鈍いように見えますが、その内容は見ていて呆れるというかどうしてこんなことをやれるのかと思う内容です。具体的には関電は自らが呼びかける形で営業エリアを各電力会社で区分し、互いに競争しないようにするカルテル行為を行っていたのですが、なんとそのカルテル行為を自ら通報してのけました
 その結果、リーニエンシー制度で関電は一切お咎めなく済んだ一方、ホイホイと関電の誘いに乗ってカルテルを結んだほかの電力会社には制裁が科されることとなりました。もちろんほかの電力会社に同情すべき余地はありませんが、この一連の過程を見るとまるで関電がほかの電力会社を貶めるためにやったようにしか見えず、内部通報を奨励する制度の観点から確かに処罰はすべきでないと思うものの、本当に関電という会社は心底腐った会社だと思えます。

 このように考えるのも、関電の不正は枚挙に暇がないからです。

 近いものから挙げていくと、経産省のデータベースを不正閲覧して営業に使用していたほか、福井県高浜町の木っ端役人に長年裏金を渡し続けたりと、多分探せばもっと色々出てくるでしょう。特に個社の事件では明らかな背任を行った関係者が存命ながら会社として賠償を請求することもせず、なんか倫理意識がおかしいとしか言いようがありません。そんな関電に対し国もこれという制裁をきちんと行っておらず、今回のカルテルでも処分なしですから、ますます調子に乗って今後も何か大きな事件を引き起こすと断言してもいいです。本当に関電を更生させようというのなら、冒頭にも書いた通り現経営陣の総退陣は最低条件でしょう。

 なお偏見かもしれませんが、最近関西、特に大阪の人たちを見ていて、あまり指摘されませんが東京などと比べると非常に同調圧力が強いように感じます。東京都市圏の人間と比べると自我はやや発達していますが、その一方で自分たちと同じ価値観を共有できない人間に対する当たり方が異常に強く、そうしたところが組織不正の種類にも影響しているのではないかと思う節があります。具体的には東は個人または近しい人間同士による小集団であるのに対し、西は企業ぐるみでやったりといった感じで。

2023年3月30日木曜日

今年は宇田川選手が楽しみ

大谷翔平が最後のマウンドへ…ブルペンの宇田川優希が見た景色とは? 大谷に学んだ“パスタは塩だけ”「ダルさんにガッカリされないように」(Number)

 WBCが大いに注目されたこともあってNumberもずっとWBC関連のニュースを出していますが、上の記事はなかなか読んでていろいろ思うところがあります。書かれている内容はオリックス投手の宇田川選手から見た大谷選手といった内容で、まとめブログとかでは大谷の野球星人ぶりが垣間見られるなどと評されていますが、自分としてはそれ以上に宇田川選手の発言内容などを読むのが楽しかったです。

 今日の日ハム対楽天を皮切りに今日からプロ野球も開幕ですが、昨年パリーグ覇者のオリックスが個人的にも今年も首位を伺うのではないかとみています。主砲の吉田選手こそ離れたものの、エースの山本選手を筆頭に投手陣は盤石どころか全くスキが見えず、打線もつながりさえよければ破壊力を秘めているのがその理由ですが、その投手陣にあって一番期待しているのは上記の宇田川選手だったりします。

 宇田川選手についてはいろいろ報じられていますが、昨年途中までは育成契約選手ながら、正式契約を勝ち取ると後半戦で活躍し、日本シリーズにも出場したかと思えば、そのままWBCの日本代表に選ばれるというシンデレラボーイです。ただこの出世劇にも納得できるというか、初めて宇田川選手を見たときのインパクトはすさまじかったです。
 私が初めて宇田川選手を見たのは去年のヤクルトとの日本シリーズでしたが、オリックスの中継ぎとして宇田川選手が出てきて投げ始めるや、「あ、もう終わった」とばかりに、ヤクルトを応援する立場でしたがもうその試合は勝てないと思いました。文字通り相手の戦意を挫く様な剛速球で、ただ速いだけじゃなく絶対打てないと思わせられるような投球で、こんなすごい投手なのに何で自分はこの人の名前を知らなかったんだろうと当時思ったほどでした。

 それだけに今年開幕から一軍として出場する宇田川選手にはどんな活躍をするのか期待感も強かったのですが上のリンク記事で、

「去年日本一になって、なんか、『このままもっとこうやれば成長できるかな』ぐらいな感じで考えていたんですけど、WBCに行って、周りのトッププレーヤーの行動やトレーニングを見ていると、自分がちっちゃく感じて。『このままじゃダメだ』と思えた。はたから見たら僕の行動はまだ甘いんだなって。いろいろとしんどいこともあったんですけど、そういうことを知れたのはすごくよかったし、いろんな選手と仲良くなれた。」

 というコメントが載せられてて、またますます期待できそうなことを言うので、嫌が応にもその活躍に対する興味が高まります。
 元々、阪神にいた藤川球児氏のようにストレート主体で押し込むピッチャーが好きですが、そんな自分からして宇田川選手はまさにどストライクな好みに当てはまるだけに、今年の彼には非常に期待したいし活躍を見てみたいです。まぁそれでいえば似たようなタイプの巨人の大勢選手も、結構楽しみです。

 ついでに書くと、WBCでの活躍もあって巨人の岡本選手に対する好意的コメントが増えていますが、去年は三冠王の村上選手と比較されては「これで巨人の四番かよ」などと結構辛らつに書かれているのを見て、密かに心を痛めていました。岡本選手も毎年コンスタントにホームランを量産していて、怪我無く活躍しているし近年稀にみる四番打者だと私は思っているのですが、同時代のライバルが強力過ぎたこともあり、かねがね過小評価され続けているように見えました。
 さすがに村上選手が化け物過ぎるとみんな思ったのと、WBCでの朴訥な雰囲気などが知られてから岡本選手の評価も上がっているように見られ、個人的にはうれしかったりします。そんな巨人はファンというわけじゃないですが、上記の大勢選手ともども今年も岡本選手には活躍してもらいたいです。

2023年3月29日水曜日

書評:つけびの村 ~山口連続殺人放火事件を追う~

 なんかまたノンフィクションの本が読みたくなって、文庫版が出たとのことなので見出しにある「つけびの村 ~山口連続殺人放火事件を追う~」を読みました。それにしても電子書籍なのに文庫版とするのは内心如何なものかなと思え、普通に廉価版、またはゲームみたく「ベスト版」でいいんじゃないかなという気がします。

 この本は2013年に起きた山口連続殺人放火事件を追ったもので、特に事件が発生した金峰郷地区という集落での取材が中心となっています。一晩で5人が殺傷された上に放火も行われるという事件性から発生当時は大きく話題となったのですが、ほかの事件と比べると私の感覚ではやや風化が早かった気がします。何故風化したのかというと一つの理由として、捕まった犯人が精神病と思われる症状を明確に発症しており、そうした方面への報道懸念からトーンダウンしたのではないかと思います。
 なお裁判では精神鑑定での妄想症を発症していることは認められつつも、完全責任能力は有すると判断され既に死刑が確定されています。

 本の内容に戻るとこの事件は当初、人口の少ない集落で起きた事件から田舎特有の濃密な人間関係から起こった怨恨、具体的には村八分などが原因ではないかと指摘され、その指摘を補強するように犯人は集落内の人物から農機具を燃やされたりなど嫌がらせを受けていたという報道がなされていました。そのあたりの報道は現在も事件のWikipediaに書かれていますが、この本の作者である高橋ユキ氏によると、これらの嫌がらせがあったという報道は「ちょっと怪しい」とのことです。
 確かに集落内では人間関係が濃密であったものの、具体的に犯人にそのような嫌がらせが行われていたという事実に関しては誰からも確認できず、反対に、事件の被害者宅が放火されるという事件が過去にあったようです。本当のところは完全には証明できないものの、やや怪しい情報が飛び交っていたという主張がなされています。

 その一方、犯人を含む集落内の人物には人間関係が非常に濃密であったことは間違いなく、その濃密性からか、集落内では噂話が非常に絶えなかったという風に書かれていました。犯人に限らず「あの人はこうだった」、「昔ああだった」などと互いにあれこれ細かい情報を口にし、こうした集落居住者同士の噂話を犯人が「馬鹿にされている」などと、妄想症ゆえに誤解したことが事件の遠因ではないかという風にまとめられていました。
 なおその犯人に関してはあまり集落内で共同で行う草刈りなどに参加しなかったことから、ほかの居住者の間ではあまり評判は良くなかったそうです。また犯人の父親に関しては誰もが口を揃えて「泥棒だった」と話しており、犯人に対してもこうしたネガティブな噂話が本人の耳に入っていたのではないかという風にも分析されています。

 さすがにこの前に読んだ「デス・ゾーン」ほどは面白くなかったものの、個人的に興味のあった事件だったので読んでる間は楽しく読ませてもらいました。ただ上記の集落に関する記述よりも、犯人に関する記述の方が興味深いものがありました。
 作者は死刑確定前の犯人と幾度か手紙を交わし、直接の面会も行っています。そのやり取りの中で犯人はしつこく「靴跡が異なる」と主張し、証拠は警察が捏造したもので自分は冤罪だと主張していたそうです。手紙の中では靴底の絵をかいて比較してきて、体重がかかって削れる箇所が異なるなど、非常に細かい主張を繰り返してしたそうです。こうした主張などについて作者は、精神鑑定通りに妄想症によるもので、本人は本当に冤罪だと信じ込んでいるが犯人であることに間違いないという風に描いています。

 自分が興味を持ったのまさにこのあたりの箇所で、こうした明らかに精神病である犯人に死刑が下りたことついて筆者は、同じように精神病を発症した犯人に刑罰を適用するかにおいて、事件ごとに差があるということを指摘していました。実際の過去の事件を取り上げつつ、事件後の精神鑑定、または事件前の通院歴などから精神病の発症が指摘されつつも、この事件の犯人のように死刑が下りた場合もあれば、刑法規定に則り無罪となったケースもあるなど、基準が非常にあいまいだという問題提起をしています。この問題提起については自分も深くうなずく点があります。

 敢えて私見で述べると精神病発症者で有罪となるかは、現状では事件の重大性が非常に大きく左右しているように見えます。この事件のように複数人を殺傷した場合は明らかに精神病者であっても死刑が下されることが多いです(熊谷連続殺人事件のような例外もあり)。一方、殺害にまで至らず誰かに重傷を負わせた事件であれば、心神耗弱が認められて無罪となるケースが多いように見えます。
 ただどちらにしても基準が非常にあいまいで、この点についてどこかで明確な基準を設けるようにした方がいいのではないかと私も覚えます。もっとも、いくら精神病者とはいえ殺人を行ったことのある人物が基準を適用して無罪となった場合、そのまま市井に放っていいのかという問題がまた出てきます。正直言うと私もあまりそうなってほしくないと思うだけに、何らかの行動制限措置は必要ではないかと思うのですが。

 そこで再び山口の事件に戻ると、取材の最後で作者は精神科医に犯人について所見を尋ねているのですが、事件を起こすずっと以前、具体的には東京近郊から山口県の集落にUターンしてきた時点で犯人は何らかの精神障害を負っていたのでは、という精神科医の証言がなかなか衝撃的でした。
 それまで作者も故郷に戻ったはいいけど両親もその後なくなり、収入も途絶え、噂話が多い集落の環境から徐々に犯人は精神を病んだと考えていたそうですが、実際にUターンに至った背景なり原因があったのではと思うようになったそうです。私自身もなんとなくそうなのではないかと思う節があるのと、こうした精神病発症者による事件というのは、事件発生直前に精神を病んだわけではなく、長い時間をかけて徐々に悪化させて事件に至るというケースが多いのではないかという風に思えてきました。

 この辺また別に記事を書く予定ですが、やはり中国で暮らしていると、日本国内で歩いている人はなんか精神病んだような顔の人が多いなと、はっきり感じます。この事件の犯人ほど極端でなくても、軽度の精神的病や疾患を潜在的に抱えている人は想像以上に多いのではないかと思え、そうした精神に対するケアが結果的に犯罪の抑止、さらには社会のムードに大きく影響するのではないかと今考えつつあります。
 そこまで考えてちょうどこの前精神科医になった友人がいるから、そいつにでもこの件で話を聞いてみようかと思ったものの、精神科医ながら日常会話すらまともにできないくらい論理能力が欠如した友人なので「聞くだけ無駄か(´・ω・)」とすぐやめることにしました。マジであいつ、診療とかでトラブル起こさないか人知れず心配してます。性格はすごくいいんだけどなぁ。


2023年3月27日月曜日

水木しげる記事の裏側

出征時も引揚時も、伝説的「幸運艦」2隻に乗船した水木しげるの恐るべき強運(JBpress)

 というわけで今日の記事ですが、かつてこのブログにも書いた水木しげるが戦時中、信濃丸と雪風という二大幸運艦に乗ったエピソード書きました。

 何でこの記事ネタを選んだのかというと、最近あまりアクセスが稼げず、もうこの際アクセスを狙うようなのではなく自分が好きなネタで記事を書こうと考えたためです。それで自分はいったい何が好きなのだろうかと考えた際、真っ先に浮かんできたのが水木しげるで、それなら歴史的にも豆知識になる子の軍艦エピソードがいいと決まったわけです。

 こうして記事ネタが決まって書き始めたところ、元から知識を持っている内容なだけにすんなりと書き終えられたのですが、このところ仕事が忙しくて疲労がたまっていたのかいまいち文章のノリが悪く、「こんな汚い文章で出してしまっていいものか?」と正直思ったほどでした。とはいえ書き直すだけの余力というかやる気も出ず、結局そのまま出して今日配信されてみたところ、アクセス数は思ったより悪くなく、現在もJBpress内のランキングでトップテンに入ってます。
 またヤフコメも見ると、自分よりこのエピソードに詳しい人が話を補填してくれてたり、参考になったという人もいてくれたりなどと、割と好評な感じが見て取れます。私自身も水木しげる伝で信濃丸という名前を見てこの船が「敵艦見ユ」を打電したということを知るきっかけとなっただけに、何かしら歴史に興味を持つきっかけになっていたらなと願わずにはいられません。

 ちなみにそれ系の話で進めると、10年前の自分はミリタリー分野に関しては全くと言っていいほど知識がありませんでした。自分がこの方面に興味持つようになったきっかけはPSPででいていた「ウォーシップガンナー2」というゲームにめちゃくそはまり、ちょうど艦これも流行り始めたころだったので軍艦について興味を持つようになり、その過程で「雪風」についても初めて知りました。
 その後、今の会社の上司がやばいくらいのプラモ好きで、せっかくだからと一回プラモ作って構造を学びたいと思っていたこともあり戦闘機のプラモを作り始めて、海だけでなく空の方面でも知識を持つに至りました。ぶっちゃけ、戦闘機プラモの製作数ならそこそこ誇れるくらいには来ています。

 なお戦闘機に興味を持ち始めたきっかけは、かなり変ですが実はスバルのインプレッサという車です。WRC全盛期のこの車のモデルはボンネットに大きな吸入口の穴ことエアインテークがあります。このエアインテークは自動車の走行性能、エンジンの冷却にどう影響するのかある日気になっていろいろ調べていたところ、自動車に関しては実際のところ自己満オブジェ的な要素しかないとわかった一方、マッハ1で飛び続ける戦闘機に関しては、空気のエンジンへの流れ込みを制御する上で非常に重要な部品であると説明されていました。それだけにエアインテークの形状は戦闘機の性能を大きく左右し、各機で様々な形が模索されていて、エアインテークの形だけでも機種を見分けられるとも書かれていました。

 この説明を聞いて、普通に戦闘機見るときは翼ばかり目についてましたが、本当に見るべきはエアインテークなんだなと思うようになり、実際どんな風についているのだろうか、手で確かめてみたいと思ったことからプラモを作るようになりました。最初に作ったのはF-16でしたが、実際に今現在だとエアインテーク見るだけで大体の機種は特定できます。

 そんなわけで次回のJBpressはまたどうするかですが、すずめの戸締りの中国公開状況を書いてもいいけど、また軍事系の話になりそうな予感がします。なお会社の中国人女性の同僚から今日、「週末はすずめの戸締りを見にいって、飛行機パイロットのBL小説読んだの(*´▽`*)」という、やたら濃い週末の過ごし方を教えてもらいました。BL小説のパイロットはJ-15のパイロットなので、同型機のSu-35のプラモ写真を後で送りました。

2023年3月26日日曜日

中国の日本人スパイに対する警戒感

拘束された男性はアステラス社員 中国で国内法違反か(共同通信)

 ゲームレビュー書こうと思ったけどせっかくなのでこっちの話題に触れることにします。
 共同の報道によると、アステラスの社員が北京市内で中国当局にスパイ容疑で逮捕されたとのことです。この件について中国国内の報道を漁ってみたところ、1件だけ日本の報道を引用する形で報じていたのを除き、全く以って報じられていません。報道規制の可能性もありますが、私個人としてはあんま中国国内で関心がないため報じられてないだけではないかと思います。

 その中国ですが、意外というか日本のスパイに対する警戒感が強いです。日本側に全く身に覚えがないわけではなく、特に日清戦争前後から二次大戦中までは実際に日本は自分も以前に取り上げた柴五郎をはじめ多くのスパイ要員を中国に送り、朝鮮族などとうそぶいては各地の拠点を視察させていました。
 また戦時中は上海をはじめ多くの主要都市で親日団体を組織したり、麻薬利権を奪ったりする形で甘粕正彦などの工作員が活躍しています。そうした歴史的経緯もあってか、「日本は隙あらば中国にスパイを送り込んでくる」といった意識が少なからず中国には見られます。

 では実際に現代において、日本は中国にスパイを送り込んでいるのか。この辺はそれこそ「スパイファミリー」じゃないですが表に出てこない面であるだけに、名ばかり松戸市民程度の私には実際のところどうなのかわかりかねます。そもそも日本の戦後の諜報活動は商社などの企業を介して使うことが多いと聞くため、いるとしたら半官半民的な人物がやってるのではないかと思います。

 ただ日本人からすると、「スパイを送り込んでいるのはむしろ中国だろう」という感情を覚える人も少なくないでしょう。日本に留学に来る中国人学生はスパイという人もいますが、これに関してはあながち嘘ではなく、事後的にスパイにすることは実際に見られます。
 具体的には、普通に日本語や日本文化を学ぶために留学に来た中国人学生に対し中国当局がスパイ活動を指示して、国の命令を受ける形で諜報活動に従事し、日本から追放の憂き目に遭う人は定期的に出ています。留学生を使う手段はどこの国でもあると聞きますが、だからと言って留学生全員がスパイというわけではないだけに、妙な偏見は持ってもらいたくないというのが本音です。

 もっともこうした留学生を使うというやり方は、中国側でも懸念されています。やはり中国のネットを見ていると、日本人留学生にはスパイが混ざっていると言って危機感をあおる言論も見られ、日本でも同じような意見がありますが、中国にある日本人学校などはこの際叩き潰せ問極端な主張も見られます。

 その日本人学校というと、以前に何か反日意識を盛り上げる事件が起きた際、「中国にある日本人小学校はスパイ養成学校だ!」という意見が出てきたことがあります。曰く、「あいつら小学生のくせに整然と列を作って並んだり、施設を自ら掃除したり、子供にしては異常に感じるほど規律が高い」というのが理由に挙げられてましたが、「きちんと列を作れない、お前ら中国人の基準で語るなよ(;゚Д゚)」と、中国にいる日本人はみんなして思いました。
 まぁ他人の会話を自然と盗み聞きする癖は、確かに学校とかで育成していると思うけど、これはスパイというより忍者教育の一環だと私は考えています

真夜中にこちらを見つめる視線


 上の画像はタオパオで自動車模型を検索していた時に見つけた商品ですが、絶対許可とか取ってないだろう。でも車種的にはとうふ屋らしさは増してる。

 話は本題ですが一昨日の朝、カーテン開けたらなんかやたら窓が汚れていました。最初なんやねんと思うくらいの汚れっぷりで、よく見てみたところどうやら鳥の糞がつけられたようなのですが、やたら広範囲にはり付いてて「これホンマに鳥の糞か(;´・ω・)」と疑うくらいでした。

 ひとまずその場はすぐ出勤して、夜に帰宅してから改めて濡れティッシュでふき取ることにしました。窓を開けて作業を開始したのですが、しばらく作業したところ、目線の端で何か動く影が目に入りました。そしてその影は2回にある自分の部屋へ近づくと、じっとこちらを見つめてきました。








 正体は野良猫でした。

 多分、やたらでかい鳥の糞をふき取るために何度も濡れティッシュで窓を拭いていたのを、猫じゃらしを振られるみたいに感じたのか反応したんだと思います。ちょうど下の1階のベランダには物置用のすごくぼろい小屋(屋根はビニールシートを葺いている)があり、その物置小屋の上に乗ってこっちをじっと見つめていました。
 これも何かの縁だし、糞を拭き終えた後に冷蔵庫にあるウインナーでも細切れにしてあげようかなと思いましたが、冷蔵庫を確認して戻ってくるともういなくなってました。さすがワイルドキャット。

2023年3月25日土曜日

日本人野球選手は何故こうも強くなったのか?


  上の動画はWBC決勝戦でマイク・トラウト選手相手に戸郷選手(ずっと「とごう」と読むと思ってた)が三振に切って取った場面ですが、最後の投球は文字通り目を見張りました。投げられた後にピッチャー目線でやや左に動いたかと思いきや、トラウト選手のバットがボールに近づくや急に下に落ち、空振りにしてのけています。っていうかこんな球投げられたら、打てる打者なんているのかと思うほどのすごい一球で、戸郷選手は名前は知っていましたがこんなすごい投手であるというのは今回のWBCで初めて知りました。
 そのWBCですが、日本の優勝で幕を閉じてからすでに数日間経つのに、未だに日本のあらゆるニュースメディアの話題の中心となっています。スポーツメディアに至っては毎日飽きるくらいにインタビュー記事を出していますが、自分も何度も読んでるくせして未だに出てくるWBC関連ニュースをいちいち目を通しては「ほんまえええもんみたわ」などとホクホクした気持ちになっています。

 そのWBCで日本は見事優勝を飾ったわけですが、今回の日本チームは明らかに過去のチームより格段に強く、史上最強との呼び声も高いです。実際に、かつてのWBCの大会ではこちらも飽きるくらいに「スモールベースボール」という言葉が出てきて、単打と盗塁、走塁を絡めて点を取り、変化球主体のピッチングで抑えるという戦略が日本チームの代名詞でした。
 しかし今大会においては、余裕でメジャーのピッチャーからホームランは打つわ、二塁打などの長打も多く、ピッチャーも大谷選手や佐々木選手のように160㎞強のストレートを投げるなど、スモールとはもはや言えない戦い方をしていました。もちろん周東選手や山田選手のように足で活躍した選手もいたものの、もはやパワー面でも欧米人選手に負けないほどの実力を今大会で日本は見せています。

 では一体何故、日本人野球選手はこうもパワーがついたというか強くなったのか。いくつか理由を考えてみました。

1、育成登録制度
 今大会に捕手で出た甲斐選手ですが、彼はドラフト指名順位で最下位、それも二軍以外の試合には出られない育成契約からのスタートでした。牧原選手も同様で、さらにはソフトバンクで長らくエースであった千賀選手も育成上がりです。
 この育成選手制度によって、支配下登録上限を上回る選手を各チームは保有することができましたが、結果としてドラフトの指名に洩れていた「磨けば光る」選手の発掘を各チーム総出で行えるようになり、日本野球界全体の実力底上げにつながっていると思えます。年棒面でも育成契約選手はかなり抑えた金額で契約することが多く、金欠球団でも抱えるうえでは負担になっていないため、かなり有意義な制度になっている気がします。
 既にソフトバンクは3軍も作っていますが、ゆくゆくは育成契約選手+二軍選手のための別リーグもできるかもしれません。

2、同時代のトップ選手の存在
 野球に限らず、基本的に業界や集団の中で最も実力が高いトップ層の人間が、その業界や集団における実力のベンチマークとなります。逆を言えばこのトップの人間の実力が高ければ高いほど全体でも実力は向上し、低いと下がっていく傾向があります。
 現代における最高の野球選手と言えば言うまでもなく大谷選手で、とびぬけた実力を持つ彼の存在そのものが野球界全体が実力を高めているように見えます。しかも彼の場合、打者としても投手としてもメジャートップ級で、両分野で日本人選手の素晴らしいお手本となっているのがシャレにならないです。
 昨日見たニュースのコメントに書かれていましたが、去年に最年少三冠王、日本人最多本塁打記録を取った村上選手はある意味で日本の打者として頂点を極めたが、今回のWBCで大谷選手を横に見て、彼本人の意識に物凄くいい影響を与えたのではという意見がありました。至極その通りというか、ほかの選手らも井の中の蛙という言葉を大谷選手に対する印象に使っていますが、こんな感じで大谷選手がほかの選手に「まだまだ上がいる」と思わせているのはかなりでかいです。

3、指導の向上
 高校野球を中心に、かつてはそれこそ野球だけ行わせる指導が強かったですが、近年は「野球以外の人生のが長い」という言葉とともに、各選手にきちんと知識を授けたり、また体のケアを考えた指導が広がっています。また根性的な指導ではなくちゃんとした科学的な指導も取り込まれ、これらが特に身体の育成面でプラスに働いているように思えます。
 その代表格と言えるのが佐々木選手です。当時大いに話題になりましたが、地方大会決勝に体のことを考えて出場しませんでしたが、それが今回のWBC優勝につながったと考えるとあの指導はやはり正しかったと思えます。まぁ自分は昔から、甲子園そのものがなければいいという立場ですが。

4、巨人人気の低迷
 ちょっとうがった意見として巨人の人気が低迷したことが結果として、日本プロ野球界全体の実力向上につながったとも見ています。
 かつてはそれこそ巨人以外にファンはなく、あっても阪神ファンが一部シェアを持つくらいでした。それが巨人の人気一強がいろんな事件(主にナベツネ)によって崩れて以降、各球団が自らのファン層開拓に取り組んだのも大きいですが、90年代と比べると野球ファンのチーム別人気シェアはかなり平坦になっていると思えます。

 やはり人気が出てみられているとわかると、選手らもやる気出すというかより野球に力入れるようになっている気がします。またファン層がばらけたことでプロ野球志望者、FA宣言者も特定の球団にこだわらなくなり、パリーグで特に顕著ですが、戦力がかなり分散化してきています。実力が均衡化することによって競争も過熱するのはごく当たり前の流れであり、これによって日本プロ野球全体で実力が底上げされているように思うわけです。優勝から遠ざかっている横浜でさえ、近年は上位に入ってきているのだし。

2023年3月24日金曜日

しゃもじより有意義だと思うプレゼント

 なんか今日の上海の夜はやたら冷えます。この前電気カーペット壊れて買い替えたと書きましたが、寒いシーズン終わり間際ながらすぐ新調して正解でした。ただ昔と比べて贅沢になってしまって、もうちょい大きいサイズにすればよかったなどという邪念がこのところよぎります。

 話は本題ですがこの前ウクライナに訪問してきた岸田首相の贈り物が色々話題になっています。その送りもというのも必勝しゃもじで、平和を是とする日本が勝利を願ってどうするとか、そもそもこんなしゃもじなんてゼレンスキー大統領も困るだろうとか言われてて、まったくその通りです。ただロシア外務省が「これは日本からロシアに対する挑発だ」などとしゃもじごときにいちいち反応してきたのは笑えます。多分、しゃもじにキレたのは世界初じゃないかな。

 じゃあしゃもじじゃなければ日本は一体どんなものをウクライナに送るべきだったのか。自分が真っ先に浮かんだのは地雷探知機、地雷除去装置でした。ウクライナ各地ではロシア軍が埋めていった地雷がいまだに多いと言われるだけに、自衛隊の装備品にもあるのだし、武器としては全く使われない代物なのでこれが一番いいのではないかと思いました。
 次に浮かんできたのは携帯食料をはじめとするキャンプ用品などです。調理の手間がいらずにどこでも食べられる食料であれば前線の兵士のみならず、住居を失った人たちにもすぐ役立ちます、また合わせてキャンプ用品なども送れば、物資が困窮している人たちの助けになるのではないかという風に見ています。

 このほかなんでも送っていいっていうんならもう一つ、トヨタ車なんかも選択肢に入る気がします。具体的な車種としてはランクルとハイエースで、前者はどんな悪路でも走ると言われる隠れたトヨタの最高級車と言われる車で、軍隊においても十分活用できるかと思えます。
 後者のハイエースはともかく積載量が桁違いでありながら、一定の走行性能も備えており、よく中東のテロリストが「トヨタさん、ありがとう!」というビデオレターを送るくらい好評でした。テロ活動に使われるのはもちろんよくありませんが、ウクライナ軍、またはウクライナ国内の救援活動などに従事している人にとっては非常に役立つ代物と思えるだけに、この際100台くらいまとめてウクライナに送るなどを日本政府、トヨタは検討してもらいたいです。

 なおトヨタと言えば新しくなったプリウスがデザインがいいと評判ですが、ソ連人民の敵であるうちの親父もなんか気に入ってトヨタのディーラーに行ったところ、予約受付は7月からで、予約しても納車まで1年半かかるとか言われて手のひら返すように「トヨタは商売する気が見えない( ゚д゚)、ペッ」などと急にトヨタの悪口を言い始めました。
 なおトヨタ車で言うと個人的にはカムリの日本国内販売をやめるというのが地味にショックでした。もし日本に住むことあれば現行カムリに乗ってみたいと思っていましたが、どうやら叶いそうもありません。ちなみに会社の若い同僚にこの前、ダイハツはカムリを「アルティス」という名前でOEMしてるから、仮にアルティスで人跳ねても、目撃証言で「車はカムリだった(;゚Д゚)」と言われ、運が良ければ逃げられるかもという妙な入れ知恵をしてきました。

2023年3月23日木曜日

溺れるプーチンは習近平をも掴む( `ー´)ノ

すがるプーチン、手を差し伸べる習近平、電撃訪ロで見せつけた圧倒的力の差(JBpress)

 上の近藤さんの記事を見て、浮かんできたのがこの見出しです。あながち間違えじゃないけど、掴む対象が結構ビッグだ。

 ただやはりこの記事にも書かれてある通り、中国とロシアの関係は今や完全に逆転しているように見えます。もともと経済面では中国は圧倒的にロシアを上回っていましたが、ヨーロッパ人だと自認するロシア人はアジア人をやや低く見る傾向があると言われており、実際にプーチンの態度とか見ていても中国との親近感をアピールしつつ、ドイツやフランスの要人などと比べると、中国相手だと露骨に自分の方が偉そうな態度を見せていたように感じました。
 それが今回の習近平への態度を見ると、表面上は対等なパートナーであるかのように見せかけようとしていますが、プーチンが年取ってきたのもありますが、やはりどこか弱弱しげに感じます。それこそ中国にお願いしてきてもらっているかのような態度で、それを以って習近平もやや得意げであり、力関係的に中国のが上だという風に自分にも見えます。この点、中国人からしたら見ていて気持ちのいいものがあるんじゃないかと思います。

 総じていえば今のプーチンには余裕さの欠片も感じません。ウクライナ占領地を訪問している写真を見ても、「ディズニー忍法影武者の術」ばりに影武者かもしれませんが、なんか緊張を隠せない風にも見えます。あまり侮ってみるのは判断を誤るので控えるべきなのですが、ウクライナ戦争開戦前夜の北京冬季五輪時の得意満々な表情と比べると、プーチン老いたりという感情を覚えずにはいません。

 それにしても2月あたりからはロシアが近々大攻勢をかけるという報道がずっと続いていましたが、3月には行って以降、ぴたりとその報道が止んでいます。バフムトでは長く激戦が続いてはいるもののロシアはこの年を未だに陥落させずにいますが、もしかしたらかつて報じられていた「大攻勢」は実行済みだった、というかそうとしか考えられません。
 恐らくロシア軍は2月後半に大攻勢をかけたつもりだったものの、結果的に目標の第一段階であったバフムトすら陥落させられず、途中で息切れして止まってしまったのが実情なのでしょう。ウクライナ軍でも損害が広がって入ると言われるものの、ロシア軍の戦略目標をくじき、大攻勢そのものが認知されなかった点を踏まえると、非常に善戦しているものと思われます。

 そのウクライナ軍が反撃するとしたら、戦車隊の準備がある程度進む5月以降になると言われています。それに対しロシア側はどういう防御策を用意しているのかが気になりますが、今回の対候性失敗を見る限り、結構お粗末な状態なのではないかと密かに期待しています。

2023年3月21日火曜日

今日のWBC劇的勝利と間の悪い岸田総理のキーウ訪問

 日本は今日春分の日だったとのことですが、中国にいる自分は普通に繁忙期の中で出勤し、朝から盛り上がっていたWBCの日本対メキシコ戦を一球速報で見る羽目となりました。朝会社についた時点ではメキシコが3点先制していましたが、その後の目まぐるしい展開は仕事していても身が入らず、ちょくちょく経過を見てはいい加減に仕事していました。普段はまじめにやってるよ(^_-)-☆

 結果的に劇的なサヨナラ勝利で幕を閉じましたが、自分が生涯見てきた試合の中でも最も興奮する試合だった気がします。多分日本にいて試合中継を見ていたら、興奮して喉枯らすまで声上げてた気がします。
 それくらい今日の試合経過はスリリングなものがあり、フィクションであってもこれほど白熱する試合経過を作れるかと言ったら正直疑問です。またそもそも今回出場している選手たちが、

・現役唯一の二刀流ウルトラスーパースター
・史上最年少の三冠王
・小柄なのに全く三振せず打ちまくる四番
・前回優勝時メンバーのベテラン選手
・指骨折してるのに強行出場する内野手
・160㎞連発する若手期待のホープ
・史上唯一のトリプルスリー複数回達成者
・ドラフト最下位の育成契約上がりの捕手

 などと、仮にこんなメンツで野球漫画描いたら設定盛り込み過ぎだろうとか言われて人気でなさそうなくらい、現実離れしたメンツが揃っています。また全体の実力でも、今回の日本チームを超える日本チームが出てくるかとなるとなんか想像できないほど、異常に戦闘力が高いです。まだ決勝戦残っていますが、こんな素晴らしいチーム、もとい大谷選手というスーパースターをリアルタイムで見れたことは生涯の幸運というよりほかないでしょう。

 そんなWBCの試合で異常に盛り上がる中、こういっちゃなんですが冷や水を浴びせるかの如く急に岸田総理のキーウ訪問が発表されました。G7の前あたりにはいくだろうとは思っていました、何でよりによって日本国内が野球でめちゃ盛り上がっている今日このタイミングで行くのか、間の悪さはもとより日本人にとって最も大事な空気を読めない感じがしてなりません。
 もちろんキーウを訪問することは非常に重要だし行かないよりはできるだけ早くいくべきだとは思うものの、「どうして今、米国に応援しに行ってないんだ?」という気持ちが出てきてしまいます。っていうかニュース報道でも野球一色で今回のキーウ訪問はついでみたいな感じにしか報じられてないだけに、政治効果的には大失敗に入るでしょう。

 仮に岸田総理が日本チームみたく最終回でここから逆転しようってんなら、キーウの直後にいきなりロシアに行って、プーチンを説得してロシア軍のウクライナ撤退を実現させるくらいしかないでしょう。そんなの9回裏に9点差を逆転してサヨナラ決めるくらいあり得ないですが、習近平に負けじとここでプーチンにあって何らかの休戦、一部占領地域からの撤退に道筋つけさせたらマジ見直します。まぁ無理だからこそ言ってるんだけど。
 それにしても今に始まるわけじゃなく安倍政権から露骨になってきましたが、今の岸田政権もバラマキというか愚民政策ばかりやっていて、本当に日本大丈夫かといろいろ思えてきます。日本にいないから自分はこの手のバラマキを一切享受できずにいますが、実質的に今の日本政治っていかに現金バラまいて支持をつなぎとめるしか能がなく、産業振興とか見ても無為無策だし、外交もバラマキだけで、もう本当にカードがないんだなという気がしてなりません。カイジの限定じゃんけんで言えばパーだけでカード3枚しかないみたいな。

2023年3月19日日曜日

透明ポケットがほぼある中国の財布

 一昨日の夜中に発注した電気カーペットが今日無事家に届きました。今シーズン使う日数はもう残り少ないけど来年以降もどうせ使うし、早く届いてほんとよかった(´;ω;`)ウッ…

 話は本題ですが、最近ちょっと贅沢になったというか消費が増えてて、ちょくちょくお金を使う理由を探してはタオパオで商品検索しています。それもこれもタオパオをまともに使うようになったからで、つい1年半前までは一切使ったことがなかったのに、ゲーム用コントローラーが家の近くでどこにも売っていなかったために手を出して以降、明らかに買い物量が増えています。やはり手を出さなければ、余計なものを買わずに済んだのにと思う一方、これまでになかった中国の商品やECサイトの特徴などが掴めてきていて、痛しかゆしといったところです。

 そんでまたこの前も「どうせ現金使わないし、小銭入れももう開かないしなぁ」と、現在使用している財布に対する疑念が持ち上がってきました。中国は電子決済が普及、っていうかもはやこれ一択並みに浸透しているため、自分も財布を開くのは月に1回、クリーニング屋にデポジットカードを出すときだけとなっています。そのせいか以前に開いたらリアルにカビが生えていたこともあるし、知らない間にクレジットカードが割れていたということまでありました。

 そんな感じなので、クレジットカードなどが複数枚入り、100元札が数枚入る薄いコンパクトな財布に替えてみようかなと思い立ち、タオパオを眺めてみることとしました。
 ただこのタオパオでの商品検索、何が面倒かって同じ商品がいくつも同時に商品候補として表示される点です。なぜこうなるのかというと、色や寸法などちょっとした仕様の違いでも別商品として扱われるのと、同じ商品を複数の業者が取り扱って販売しており、業者別にも商品が候補として表示されるためです。そのため一見すると商品点数が多いように見えて、実際にはダブり(価格差はあるが)が多くて実は数種類しかないとかいうケースも見られます。

 話を戻すと、そんな感じで思ったより種類ねーなーと思いながら男性用財布を見ていたところ、ある特徴に気が付きました。


 上の写真はタオパオで販売されているある財布の商品紹介用写真なのですが、見ての通りなんか、変な写真入れみたいな透明なポケットがあります。これがこの財布のみならまぁそんな財布も世の中あるよねで済みますが、検索して出てくるほぼすべての財布に、この透明ポケットが何故か入っていました。
 自分には財布に好きなアイドルのプロマイドとか自分の写真を入れるような趣味はなく、このポケットもないに越したことがないので、ポケットのない財布をひたすら探したのですが、確率的に代替1/20くらいでしかそのような財布がなく、ただでさえ少ない選択肢が余計に狭められ、財布買ってる場合じゃねぇという感じになって結局新調を見送りました。元から使ってた財布に対して、なんか浮気してごめんみたいな気持ちを覚えました(m´・ω・`)m ゴメン…

 それはそうと何故中国の財布には揃いも揃ってこんな透明ポケットがあるのか。最初は家族の写真でも入れる奴が多いのかと思いましたが、よくよく調べてみたところ、どうもこのポケットには身分証明書用の国民カードを入れるポケットであることがわかりました。
 国民カードは言うなれば日本におけるマイナカードで、基本的にどの中国人も普段から携帯しています。このカードはもちろん顔写真入りで、たまに見せるよう求められることもあるため、こうして財布に専用ポケットも設けられているみたいです。

 もっとも最近は番号さえ言えば警察はすぐに携帯端末から照会できるため、カードを見せなくてもいいんじゃないかって感じですが。

 日本でもこれからマイナカードが配られていきますが、それ専用にこうした財布やパスケースなんかにもマイナカード用ポケットとか設けられるのかもしれません。まぁ設けられるとしても、財布開くたびに自分の写真見るのもそんな楽しくないので、自分はこれまでのような財布を使っていくと思いますが。

2023年3月18日土曜日

テレグラムなど犯罪に使われるツール規制の是非

 昨夜、おねむの時間だとばかりにウキウキして布団入ったら、シーツの下に入ってある電気カーペットの電源が入りませんでした。買ってからまだ2年くらいなのですが、多分電線が切れたんだと思います。
 何気に部屋の電気暖房はこれしかないだけに結構ショックで、しかも日本同様に冷え込む夜だからちょっとしょげました。そのせいか、真夜中にもかかわらずタオパオで電気カーペットを検索し、そのまますぐ購入するというあまり例のない行動までとってしまいました。っていうかはよ届け(´;ω;`)ウッ…

 話は本題ですが、昨年から連続して発生し、黒幕がフィリピンにいた一連の強盗事件で初めて、テレグラムというアプリを知りました。このアプリはロシアの団体によって制作され、ロシア政府の検閲から逃れるためにメッセージに様々な暗号化処理を施しているそうなのですが、その秘匿性から今回の強盗事件でも指示犯と実行犯間の連絡にも使わられるなど、犯罪方面でも多用されているそうです。
 検閲対策ということでその制作意図は理解できるものの、上記のように犯罪団体が使用し、且つその履歴を捜査当局が負えないという点で、その存在意義に関しては率直に言って疑問を覚えます。強盗事件では亡くなった人もいるだけに、極端な言い方をすれば、殺害に使われた道具が規制もされないまま放置されているような印象すら覚えます。

 もちろん道具の悪用はそのものというより使い手に問題があると理解できるものの、かといってこのまま野放しにしておけば、今後ますます犯罪団体に多用されていく可能性もあるだけに、現状のまま規制をかけずに放っておくということには反対です。はっきり言えば、アクセス遮断をむ対策を採るべきだと思います。

 ただアクセスを遮断したところで、今度はまた別のアプリがやり取りに使用されるようになることは想像に難くありません。ではそうした負の連鎖を断ち切るにはどうすればいいかですが、この際ですが官製メッセージアプリを作って配布するのも一つの手ではないかと思います。

 官製と言っても、わざわざ「Made by 日本政府」という必要はありません。それこそ電通が得意ように適当な会社を間に挟んでその会社が配信、運営している態を取らせ、「どんな情報も秘密に送信でき、且つ履歴も全く残さず犯罪にうってつけ」と公言しておいて、裏で警察を含む捜査当局が全情報をのぞき見できるような、ダミーアプリとして流してみるという手段です。
 多分途中で警察が、変な表現ですが盗み見ているとばれるかもしれませんが、それまでの間は何もしなくても摘発情報と証拠がどんどん集まるアプリとして使えるだけに、あったらいいな的に個人的に思います。

 もっともこんな回りくどいやり方しなくても、やはり犯罪に実際に使用されているという観点から、こうしたアプリやツールに対して何らかの規制はかけていくべきだと思います。最近また語られるようになりましたが、かつてWinnyに関してあれだけ騒いだにもかかわらず、結局その後何も基準や法整備ができず、さじ加減一つで有罪か無罪かが決まる今の状況はあまり好ましくありません。少なくとも、制作者が意図せずに犯罪に使われたりするのであれば、制作者を保護するような概念は必要だと思います。その上で犯罪使用への対策義務を盛り込んだり、場合によってはサービス停止などの強制措置も考えていくべきでしょう。

 さて晩飯作らなきゃ(´・ω・)時間も時間なので結論急いだ感じになったな。

2023年3月16日木曜日

オリンピックになかった感動がWBCにある

 現在日本対イタリアのWBCの試合が行われていますが、7回途中で8対1と日本が大きくリードしています。っていうかマジで今回の日本チームは強く、負ける姿が想像できないほどです。選手層が明らかに前回大会より分厚くなっていることもさることながら、やはり大谷選手一人の存在が大きく、ぶっちゃけほかのチームは大谷分だけハンデを要求してもいいじゃないかとすら思えてきます。

 ただこのWBCを見ていて感じることとして、見出しにも書きましたがこの感動がオリンピックには全くなかったなぁとつくづく思わされます。もう2年も前の出来事ながら、事項開催なのにやばいくらい盛り上がらず、むしろ事後の中抜き捜査の方が世間の注目集めたあたり本当にグダグダな大会だったんだと改めて感じさせられます。オリンピックではスター不在というのもありましたが、それにしたってあれだめみんな注目しない、っていうか私自身も誰がどういう風に金メダルを取ったのかすら全く思い出せられません。

 その前のラグビーワールドカップもそうでしたが、スポーツに関しては余計な演出がなければないほどいいような気がします。ただ普通に選手のがんばっている姿を移せばいいのに、テレビ局らが勝手に応援団とかそういうのを組織したり、選手の家族や友人などを出演させたりすればするほど見ているこっちとしては萎え、その萎える演出の極致ともいうのが先の東京五輪だった気がします。

 翻って今回のWBCに関しては超大スターの大谷選手が大きいとはいえ、チェコの選手団など他国の選手らとの交流が視聴者を大いに盛り上がらせており、やはりスポーツ大会の主役は選手にあることを示しているようです。更に言えば、そうしたスター選手を見いだせない、報じられなかった点でも、オリンピックの運営や報道はグダグダだったと言えるでしょう。

 何はともあれ今大会の日本チームは本当に強く、残りの試合もすごく楽しみです。ほかの人も指摘していますが、大谷選手もさることながら今年からメジャーに挑戦する吉田選手は改めて、バットコントロールが本当に神がかった選手だと思え、大谷選手の後ろにいる彼が非常に頼もしく見えます。

2023年3月15日水曜日

小西文書の出所について

総務省文書問題 「立民の小西議員は自民党の道具に使われた」須田慎一郎氏が指摘(ニッポン放送)

 先日から国会をにぎわせている小西文書ですが、そもそもこの文書がどういう経緯で小西議員にわたったのかがいろいろと注目されています。結論から書くと上の記事で須田氏が指摘している通り、自民党関係者が高市氏をパージするために意図的に小西氏に回るよう仕組んだ可能性が高いと私も思います。

 そもそもこの文書ですが、その中身を見ると解釈変更に関しては磯崎氏の発言の方が非常に不穏当です。磯崎氏は当時、総理秘書官に過ぎないにもかかわらず、解釈変更は安部元総理の意向だと主張して従わないなら総務省職員を飛ばすなどと、ジャイアンの威を借るスネ夫の如くな発言をしています。これに比べると高市氏の発言に関する言及は短く、内容は確かに放送に対する行政の統制を強めるような発言が記されていますが、正直言って磯崎氏の発言と比較するならむしろ目立たなく見えます。
 にもかかわらずこの文書を小西議員が出してからというものの、話題の主役は高市氏でありました。簡単に挑発に乗って自分の辞任をかけた高市氏にも原因がありますが、その内容から考えるとやや不自然な動きと言わざるを得ず、初めから高市氏が狙い撃ちされていたと思える節があります。

 その高市氏は小西文書が総務省の公文書であることは認めつつも、文書に書かれた発言はしていないと主張しています。実際はどうなのかさすがに判断しかねますが、高市氏が記載内容が捏造だと主張する合理性も、全くないわけでもありません。というのも、この文書は作成日や作成者がいまだ不明というか記録されていないということで、何の目的で作られたのかもはっきりしないままです。
 そもそも作成者が記録されていない公文書が存在するということ自体が、文書に書かれている内容よりもずっと問題である気がします。日本の公文書管理は元からあまり信用していませんでしたが、ここまでレベルの低いものだったのかと唖然とさせられます。高市氏の肩を持つわけではありませんが、こんな作成経緯のあやふやな文書についてどうこう議論すること自体不毛であり、まずやるべきことは総務省の内部文書管理の是正、そして目下の担当者の配置替えでしょう。あとスネ夫こと磯崎氏もこの際パージした方がいい気がする。

 その上で今回高市氏がはぐれメタル並みに狙い撃ちされたと仮定すると、その目的は何なのかということになります。一番はやはり自民党内の派閥抗争ですが、次の総裁選を睨んでの追い落とし工作であった可能性が高いのではないかと思います。私自身は今回簡単に挑発に乗るなど、高市氏についてはあまり要職に耐える能力の持ち主ではないと考えていますが、それでも知名度が高いことから警戒する人物もいるのかもしれません。言っては何だけど、心配性すぎる。

 以上のようにグダグダな展開が続いているのと、盛り上がっているWBCの報道の方が優先されることから、恐らく来週あたりにはこの小西文書報道は沈静化というか忘れられてくると思います。これ以上掘っても仕方ないし何も出てこないだろうし、総務省の文書管理がやばいということが分かっただけでも良しとするしかないでしょう。

2023年3月13日月曜日

中国のロシア反応記事の裏側

「親近感は感じない」それでも中国人がウクライナ戦争でロシアを支持する理由(JBprsss)

 というわけでまた今日も自分の記事紹介ですが、中国の現在のロシアに対する反応を記事にまとめてみました。割とお手軽簡単に作れた記事ですが、その甲斐あってアクセスもあんまよくないです。

 個人的にはこの件はいつか報じないと前から感じていました。日本人からしたらロシアはこの戦争においてろくでもない国以外の何物でもないですが、中国にとってはそうでもなく、割とマジでロシアをみんな応援しています。
 それこそ政府や中国メディアだけなら民意とかけ離れた立場を取ることはあるものの、今回に関してはマジのマジで一般中国人もロシア寄りです。でもってその理由は記事にも書いてある通り中国だと報道がロシア寄りということもありますが、それ以上に反米思想が強く、米国が憎いゆえにロシアを応援している構図です。

 別に普通の中国人が米国に何かされたとかそういう体験はほとんどないでしょうが、中国メディアの煽りを受けてか、トランプ政権時の関税引き上げ以降はまさしく鬼畜米英的に見ている節があります。確かにファーウェイ関係者に関しては私も同情するところはありますが、ほかの中国人、特にファーウェイのスマホ買わずにiPhone持ってる中国人については、何でお前が米国を恨むんだよという思いをやや抱きます。
 ただ、少し見ていて感じるのは90年代中盤の日本です。恐らく直近において日本国内で最も反米意識が高かった時代があの頃だと思うのですが、直接的なきっかけは沖縄の米兵による少女暴行事件でしたが、根底には「なんで経済一流の日本が米国にいつまでへーこらしてなきゃいけないんだ」という、自尊心の拡大による反発があったのではないかと考えています。

 あくまで私個人の印象ですが、今の中国人も当時、はっきり言えば94年頃の日本人が持っていた反米意識にかなり近くなっているような気がします。単純に米国に何かされたというわけではなく、経済力で躍進著しい中国が何故米国より格下扱いされているんだという、自尊心の増長ともいうような価値観から反米意識を育んでいるように見えます。
 もっとも、中国政府には米国のように同盟国を守るという意識はさらさらなく、他国に対しても中国の言うことを黙って聞けというような態度を平気でとるので、米国のように覇権を取ることはないだろうと私は楽観視しています。同時に、拡大した自尊心は身を亡ぼすというか、やはり今の中国が90年代に入ったころの日本と本当にダブるようになってきて、新しく首相となった李強氏もあんま期待できないだけに、これから中国は世の中悪くなっていくんじゃないかと警戒しています。

 もっとも他人のことをいちいち心配していられる立場でないのが日本です。日本の場合はやはり企業を中心に古い組織や価値観があまりにも沈殿し過ぎていると思うだけに、大企業か中小企業化を問わず、いわゆる100年企業的な古さをアピールする企業を意図的に排除する風潮を作るのが最も早い改善策じゃないかとこのところ覚えます。公金を中抜きするようなのではなくまっとうなベンチャー企業をもっと応援し、若者も率先して入社を目指すような社会に帰れば、まだ目があるんじゃないかなぁ。

2023年3月12日日曜日

上海のプラモ展


 昨日、上海で開かれていたプラモ展示会へ一人で行ってきました。なんで行ったのかというと単純に暇で、この前通販でプラモ買ったら展示会のチラシ入ってたので、ほな行くかと決めました。同僚でも誘おうかなとも考えましたが、多分誰も興味持つまいと判断して孤独に行くこととしました。


 会場は万博跡地に残っている展示会場で、そこのワンフロアの半分のスペースという割とこじんまりした会場でした。企業ブースもありましたがそれほど多くなく、むしろ各人、各サークルが作った自慢の作品を見せあう場という雰囲気でした。

詳細は知らないけどこの前ベラルーシで攻撃されたロシアの哨戒機に似ている


この手のミニチュアを見るとシルバニアファミリーが浮かぶ


 合金モデルの広告ですが、2023年のこの時代に「トヨタ・MR2(SW)」で新発売と打たれているのにかなり衝撃を受けました。そりゃ見た目は確かにいい車だったが……。

これが流行りの馬娘かなどと最初思いましたが、どちらかというと馬ウーマンでした


 コトブキヤなどではこう言った美少女フィギュアを出してました。このほかにはタミヤ、グッドスマイルカンパニーとかがブースを出してました。


 恐らくファイブスター物語の機体かと思いますが、またマニアックな機体を持ってきたもんだ。

往年のWRカー



 個人的に一番気に入ったのが上のアーニャ塗装の「宏光MINI」です。市販されている合金モデルの宏光MINIに塗装というかステッカー張っただけですが、この車は街中でもステッカーを貼られているのをよく見るだけに、こういった表現がよく似合う車だと思います。
 っていうか宏光MINIの模型ほしくなりました。多分来月辺りに自分へのご褒美に買う気がします。


 レシプロモデルで恐らく一、二を争う人気モデルのコルセア。逆ガル翼で見栄えが(・∀・)イイ!!だけに、同じ逆ガルのF-4ことファントムとともにたくさん見ました。



 自分もこの前作ったA-10。さすがに日本のゼロ戦とかは見ませんでした。

言わずと知れたトップガンことF-14トムキャット







 ガンプラも非常に多く見られましたが、中でもこのザクの出来栄えが群を抜いていました。モビルスーツは廃墟に捨て置かれた状態がやっぱ一番映えると思う。


 会場で見て一番ビビったのがこの姫路城でした。一体何故これで行こうかと思ったのかいろいろ不思議ですが、日本の城郭でもナンバーワンなだけに興味持つ人いたのかもしれません。
 っていうか紫禁城のプラモ作ったら売れるのでは?

またマイナーなの選んだなぁと思って撮影したジムストライカー





恐らくコルクで作られた機関車



サメがたくさん



 ぶっちゃけクシャトリアはゴテゴテしててあんま水ではないのですが、マリーダさんもついているしという理由で撮影。ガンダムUCのデザインはたくさん線を描くゴテゴテ系デザインが多いですが、同じくゴテゴテ系なZZの後継としてみればアリなのかもしれません。友人も昔UCを見て、「ZZはなかったことにされなかったんだね」と言ってたし。

 展示会を見終わった後はなんか久々に目を凝らして眺めたせいかやたら目が疲れて、家に帰ってバタンキューでした。でもって翌日の今日は家でずっとゲームしてて、どんだけ目を気遣わないんだと自分でも思います。

2023年3月11日土曜日

書評:デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場

 先月辺りから安くなった文庫版の発売に合わせ抜粋記事が出始め、いくらか興味を持ったので「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」の電子版を購入して読みました。結論から言うと凄く面白かったのでマジおすすめです。


 ちなみに今のAmazonの商品欄はこうなっていますが、何で安くなった文庫版が出ているのに、電子版は高いままなんだよと意味不明です。自分はDMMで電子書籍版を買いましたがこっちは安く売っていたものの、文庫版は紙書籍が1/20に発売されたのに、3月に入って初めて値段が文庫版に合わせられました。
 漫画でもそうでしたが集英社は紙と電子版の同時発売対応が一番遅れていただけに、電子書籍に対しなんか距離感を持っているのかもしれません。

 話は本題に戻りますが、この本は2018年にエベレストで滑落死した栗城史多について書かれた本です。作者の河野啓氏は北海道放送のディレクターで、栗城が2009年に初めてエベレストに挑戦しようとしていた頃に彼に興味を持ち、取材してドキュメンタリー番組を作った人です。
 この栗城という人物について知ってる方には早いですが、スポンサーから登山資金を集めるのは非常に上手だった一方、登山技術は明らかに低く、マナスルを途中まで登って登頂したと主張するなど都合よく自分勝手に解釈して物事を進める人物だったことで、非常に毀誉褒貶が激しい人物でした。もっとも、だからこそ人によってその見る人物面が異なり、河野氏もこういう本を書いたのだと思います。

 初めに本の感想から書くと、前述の通り非常に面白かったです。もともとノンフィクションが好きだということもありますが、この本は作者の取材対象である栗城との距離感が絶妙ということに尽きます。
 前述の通り作者は栗城のエベレスト初挑戦を追って彼に取材するなど深く関わりました。ただその後、栗城がその身勝手さゆえに約束を違えて全国ネットのテレビ局にもドキュメンタリーを撮らせたりしたことから、彼に人物的魅力を感じつつも、その関係を絶っていました。その後、栗城が2018年に滑落死するまで一切関係は持たず、滑落死の報を聞いて「まだやっていたのか」と思ったということも本に書かれています。

 ただ作者はやはり思うところがあってか、彼との関わりを当時運営していたブログに書いたそうです。その反響はすさまじく、仕事中もなんかウキウキしてしょうがなかったとブロガーあるあるなことも書いてありましたが、改めて栗城に対する世間の関心の高さを知り、出版社の説得もあったのでしょうがこうして改めて本にまとめることにしたそうです(ブログはすでに閉鎖済み)。
 改めて書籍化するにあたり、作者は栗城の生前の関係者に深く取材し、彼の大学時代の先輩や支援者、果てにはシェルパのネパール人や栗城が師事していた占い師にまで接触を果たしています。

 その甲斐あって各関係者の栗城評を細かにまとめており、学生時代からエベレスト挑戦、繰り返される失敗時期に関してもその折々の彼の状況が深く描かれています。また作者自身が栗城と直接かかわっていた時期における自身の見方も描かれており、苛立ちを覚えたなどかなり正直に書かれてありました。

 この本はこうした、作者自身の栗城評、そして袂を分かってからの第三者からの栗城評をバランスよく織り交ぜられているように感じました。取材も丹念になされており、文章も非常に読みやすく、取材対象との距離の置き方というかノンフィクションとはこのように書くのかと感心させられる出来合いとなっています。
 もちろん、栗城という非常に注目を受けるというか行動の怪しい人物を取り上げているということが面白さの核ですが、ほかの栗城に関する評論とかと比べると作者の河野氏の描き方が抜群に優れており、開高健大賞取ったというのも納得させられます。

 その上で私個人の感想を言うと、作者は恐らく、栗城のぶれない点、ぶれた点というものを軸にこの本を書いている印象を受けました。ぶれない点とは死ぬまでエベレスト挑戦をし続けたこと、ぶれた点というのはなりふり構わず注目されようとした点で、その線引きがどこなのかということを始終追っかけているように見えます。
 実際に栗城評に当たってこの点が最も重要であり、世間やスポンサーの期待でつぶれてしまったのか、はたまた最後の無謀ともいえるエベレスト南西壁挑戦は自殺だったのではなど、この点を見るうえで上記視点を持つことが最も正解に近づく手段だと私も思います。

 その上で私自身の栗城評もここに載せると、自分は一度だけ生前に彼の映像を見たことがありました。それは登頂に失敗して指に凍傷を負った後のことで、霊験あらたかな漢方の秘湯だなどと言って怪しげな液体に指を浸し、こうすれば凍傷は治ると言っていた時の映像でした。もちろんそんなオカルトなんてあるわけなく、結局その後に栗城は手の指9本を切断しています。
 なおこの時の凍傷は彼が話題作りのためにわざと負ったものではないかと指摘されており、自分もきっとそうだろうとみています。

 上記の映像を見た後、率直に言って私は栗城に対し物凄い嫌悪感を感じました。言っている内容も眉唾そのものですし、何より話しているときの笑い方がとにかく気色悪く、厳しい現実に向き合う登山家らしさは欠片も感じませんでした。その後、ネットでマルチビジネスに係わっているなど、詐欺師のような人物だという彼の評判を聞いて深く合点を覚えました。
 その後、2018年の滑落死の報を聞いた際は河野氏同様に、「まだやってたのか」と思うと同時に、「まぁこういう人間減ってよかったのかも」という気持ちも覚えました。本にも書かれてありますが、やたらと「夢」という単語を栗城は口にしていたそうですが、夢を語る人間というのは私は基本信用しません。人間ならむしろ現実に向き合えと言いたいし。

 そんな私の目から見て栗城はどんな人物かというと、一言で言えば他人に自分が否定されることを極端に嫌う天邪鬼な人間で、常に周りから肯定されないと気が済まなかったんじゃないかと考えています。
 本の中でも一度言い出したら絶対にやめようとせず、無茶な登頂計画に周りが止めるも余計に意固地になることが多く、途中からはもう誰も彼に諫言しなくなったことが描かれてあります。無論、換言する人は栗城を気遣って言っているのですが、恐らく栗城からしたら否定されるのが何よりも嫌で、むしろ逆に意固地となって否定された行為にこだわる人物だったように見えます。そもそも登山を始めたきっかけも別れた彼女が登山をしていたからだと言っているあたり、元カノを見返したいところから始まったようにも見えます。

 無理だと止められる困難に挑戦すること自体は何も悪いわけではなく、場合によっては崇高な志と言えます。しかし彼の場合はその無茶な計画に周りを散々巻き込んでおり、また自己解釈が非常に見勝手で周りを振り回していた点からして、自分が嫌悪感を持つに相応しい人物であります。そもそも単独無酸素での登頂と謳っておきながら、シェルパらのサポートを仰いだり、果てには撮影していないところで実際には酸素を使用していたりなど、信義に欠けた行為を平気で行える人物なだけに、エベレストで死ななくてもいい死に方はしなかったでしょう。
 蛇足かもしれませんが、真剣に山と向き合って登頂を目指す登山家ではなく、ともかく周囲をごまかして登頂したように見せかけようとしていた栗城を応援していたスポンサーらは、もっと人を見る目を養えよと言いたくなります。スポンサーらが彼を死に追いやったとは思いませんが、こうしたパフォーマンスだけの人物がああも大量のお金を集められる辺り、中身のない人物が得をする風潮が強まるように思えるだけに、もっと人を選んで応援してほしいものです。


2023年3月10日金曜日

WBCに対する中国の反応

 トイレに行きたいとき、ほぼ必ず明治のお雇い外国人のエドモンド・モレルの名前が浮かんできます。っていうか今までこの人ドイツ人かと思っていたら、英国人だったようです。

 さて話は本題ですが、このほど開幕した野球のワールドカップことWBCが盛り上がってるようです。昨日の日本対中国戦も大谷効果からか視聴率が40%超えという桁違いな数字をたたき出しており、ニュース欄もWBC関連でほぼ一色です。本日の韓国戦も非常に盛り上がっており、先ほど大差で日本が勝ちましたが途中までは結果が読めなかっただけになかなか白熱した試合だったと思います。

 それで昨日の中国戦ですが結果的には日本が大差で勝利したものの、日本や韓国と違って野球人気が低く選手層も薄いながら、中国チームは終盤まで僅差で肉薄し、要所で優れたプレイも見せたことから試合後には中国を称賛するニュースやコメントが非常に溢れていました。
 私自身も動画で試合中継を見ていたわけではないですが、序盤は四球を多く出してランナーを何度も貯めたものの、ヒットはほとんど許さず失点もしっかり押さえていました。監督の指示なのか、四球を出してでもきわどいコースを狙い続けたのではないかと思え、その試合に対する熱意や戦い方には感じ入るものがありました。

 なので今朝会社に行くと、仕事そっちのけでパソコン開いて昨日の日中戦について中国側はどう報じているのかとニュース検索してみました。結果はというと日本相手に善戦したという記事は確かに出ていたものの、やはり中国における野球人気の低さからか決して扱いが大きいわけではなく、読者コメントもそれほど多いようには見えませんでした。むしろWBC全体に関して、日本では大谷選手で異常な盛り上がりを見せているといった大谷選手に関する報道の方が多かったです。

 前述の通り中国では野球人気が高くない、っていうか野球自体知らない人が多いことから、こうした扱いになるのもしょうがないと思う一方、やはり今回のWBCを見ていても国際戦は非常に盛り上がるだけに、中国にももっと強くなってもらって日本と切磋琢磨し合ってもらいたいものです。そのためには中国でも野球選手が排出されるよう強くなってもらうのが一番なだけに、もっと一般中国人にも野球人気が浸透してほしくあり、昨日の試合をきっかけにと少し期待しましたが、まだあまり波及していない感じします。

 なおそれならばとばかりに「大谷」でニュース検索したら、大谷選手の記事に交じって大谷吉継の解説記事が出てきました。中国で大谷と言ったら大谷翔平と大谷吉継なのかとこちらもまた妙に感じ入りました。

2023年3月8日水曜日

日本は女性以前に男性にとっても働きやすいのか?

「女性の働きやすさ」日本はワースト2位 最下位は韓国 英誌(NHK)

 例の小西文書も大きな話題となっていますが、今日見たニュースの中で一番気になったのは上のみんな大好き(ネタ的に)NHKも報じている、女性の働きやすさランキングに関する記事でした。この手のランキングは定期的に出てきてそのたびに日本は女性のキャリアアップなどにとって不利な国だと報じられるのですが、その点については私も全く異論はありません。
 実際中国で働いていると、女性が働くという感覚が日本以上に一般的で、むしろ専業主婦の方がレアポケモン的に存在しません。っていうか中国で専業主婦というと、有力者の愛人であることも多いだけに、あんま表立ってアピールできないかもしれません。

 ただこの手のランキング記事を見る度に前から、女性以前に男にとっても日本は働き辛いことの方が問題じゃないかと思っていました。いちいち説明するまでもなく日系企業は中国でも言われるくらい残業が多く、また上位、中間管理職の水準が低いゆえに指示が不合理なことも多く、給与もスキルとあまり連動しないため、自分から見たら自己実現とは最も遠いところにある労働環境であるような気がします。

 特に日本の労働において致命的なまでに問題だと思うのは、職種が選べないという点です。新卒入社はいざ知らず、中途採用でも事務と言いながら外回り営業させたりと、募集職種とは異なる職種に配置されることはざらで、転勤に関してもあまり労働者に拒否権はありません。ぶっちゃけ入社したら会社に生殺与奪権を握られる面がかなり強く、自分のやりたい業務や目指したいキャリアがほとんど実現できない、またチャンスもない気がします。
 またかつてと比べると労働組合が全く機能しなくなったため、いわゆるブラック企業などによる過重労働が非常に横行するようになった気がします。それこそ会社上司から暴行されても何も言えないし、そうした企業が存在するとわかっていても当たり前になりすぎて、社会ももはや反応すらしなくなってきています。勝手な想像でいえば、そうした暴力を奮う会社の上司に反撃して殴りかかる社員がいたら、恐らく今の日本社会はその社員をまず排除しようとすると思います。

 その上で最初の話題に戻ると、日本の場合、男性のために女性のキャリアが潰されている面もないわけではないでしょうが、それ以上に男性が働き辛い勤労環境に置かれているため、女性も働き辛い環境になっているのではないかと思います。仮にそうだとした場合、まず隗より始めよではないですが、男性を含めた職場環境の改善から取り組むべきだと思います。むしろ男性も抑圧される勤労環境をそのままに女性の勤労環境の環境を改善しようものなら、絶対無駄に終わるだろうし、またこじれて余計に悪化するのではないかとも思えます。

 もし仮にこうした状況の改善案を求められるのなら、私個人としては何よりもまず、政治思想を持たない労働組合を結成することこそが最善の道だと考えます。一切の政治活動とは距離を置き、労働者への不当な差別や処置に抵抗するためだけの戦闘マシーン的な労働組合の存在こそが、今の日本社会で特に必要なのではないかと思います。
 その上で、日本社会はもっと職種別採用を広げるべきでしょう。職務分掌がなっていないのは昔からですが、こと仕事に関しては曖昧さは百害あって一利なく、パンダみたく何でもかんでも白黒つけさせた方がいいでしょう。この辺やっぱり自分も外資に入って初めて感じましたが、ごく当たり前に区別をつけるべきことすら日本では区別がつけられていないことが一般的です。

 最後に最近はまっている、日本のある企業におけるパワハラ動画をつけときます。


2023年3月7日火曜日

AIの反乱(IN中国)

【電子版】AIが「共産党は無能」と批判、中国ネット大手がサービス停止(日刊工業新聞)

 上の記事のニュースは2017年のものですが、今日たまたまChatGPT関連の記事で事実を知り、かなり驚愕しました。というのも中国のテンセントが開発したAIのニュースなのですが、なんでも、

「『共産党万歳』との書き込みに『腐敗して無能な政治に万歳ができるのか』と反論した。

 さらに『あなたにとって(習近平国家主席の唱える)中国の夢は何か』との問い掛けに『米国への移住』と答えたとされる。共産党は『嫌い』とも断言した。」

 といったように、やたら攻めた姿勢を取るAIだったようです。っていうか、こんなAIを中国企業が開発したっていう点がマジ笑える。

 この記事について今日中国人の同僚にも話をしたところ、めちゃくちゃ笑ってました。でもってAIってのはやっぱお国柄とか出るのかな、中国だからやっぱ攻撃的なAIになるのかななどと話し、日本のAIだったらともかく「すいません!」などと謝ってばっかになりそうだなどと会話しました。
 この点についてですが、地味にAIによって性格が分かれるのかについてちょっと興味があります。人にやたらとケンカ腰になったり、慎重に回答したり、何も考えずにすぐ返事したりするなど、そうした性格面での違いまで反映できるようになったら、AIもより力を持つかもしれません。

2023年3月6日月曜日

韓国の徴用工訴訟対応について

 今日の侍ジャパンの大谷選手の二打席連発はやばすぎる。っていうか本当に、ほかの打者みんなが彼の前だと高校生とかに見えてしまうあたり、いろんな人も言っていますが規格外です。

 さて話は本題ですが、本日韓国政府はかねてから日韓の間で懸案となった二次大戦中の韓国人徴用工に対する補償の訴訟について、韓国側で財団を設立し、企業側の寄付で以って補償を行うことを発表しました。寄付は日韓の企業から集めるとしつつも、戦後に日本からの資金で成長を遂げた韓国ポスコなどの企業の資金がメインとなるとみられています。
 この韓国側の対応に関して、個人的には満額回答だと自分は考えています。またこの韓国の動きに合わせて日本側で現在輸出を規制している半導体素材などに関して、韓国をホワイト国に復帰させて規制を解除するという報道も出ていますが、これについても自分は賛成です。

 やはりネットを見ているとこの韓国の対応でも納得していない日本人は多く、特に輸出規制解除に関しては反対の意見が非常に多いように見えます。根拠としては輸出規制は自衛隊機への火器管制レーダー照射がきっかけなのだから、この問題で韓国が謝罪しない限りは妥協すべきでないというのが多いように見えますが、自分は輸出規制に踏み切ったのはあの件だけではなく、また徴用工訴訟が一番大きい理由だと思うので、上記意見にはあまり同感しません。
 それよりも、この規制によって一番打撃を被ったのは韓国の半導体メーカーですが、日本の素材メーカーも販売が阻害されるだけに、ノーダメージというわけではありません。むしろ規制が長期化して代替されればせっかくの売り先がなくなるだけに、今このタイミングで解除する方が経済的にもメリットがあると考えています。

 もっとも、半導体業界はちょっと今不況気味なのですが。

 以前の記事にも書きましたが、そもそも日韓関係がこじれたり、徴用工問題が荒れに荒れた原因は前のムンジェイン前大統領以外の何物でもなく、彼が去り、また現在の韓国野党党首に逮捕状が出るなど支持離れが起きている現状を考えると、日韓関係を融和させる方がやはり得でしょう。私自身も過去の韓国の態度は腹に据えかねるものがありますが、韓国が敵であるよりは味方である方が国際的にも絶対的に有利であり、ロシアがウクライナに侵攻したり北朝鮮の挑発が過激化している現状を考えると、ここで融和を取る方が日本の国益にも叶います。

 何より今の尹大統領は、前にも書いた通り原則を比較的重視する人間のように思います。今後豹変することもあり得ますが、この徴用工訴訟問題に関しては早くから今日発表された内容で落とそうという動きを見せており、実際にその通りに今回発表してくれました。ここで日本側が態度を緩和させなければ韓国国内で尹大統領が批判にさらされ、韓国との関係がまたこじれる可能性も出てくるだけに、日本側も一定の譲歩というか融和態度を見せる必要があるでしょう。

 タイミングのいいことに、現在韓国では映画「スラムダンク」が大ヒットしており、対日感情も改善されてきていると言います。この流れに乗る形で慰安婦問題についても、尹大統領にも対立野党を攻撃できるというメリットを持つだけに、日韓両政府で改めてケリをつけるために動くべきタイミングだと思います。
 唯一の懸念は竹島で、これに関しては現状、両国に歩み寄れる余地はないでしょう。私としてはやはり日本側に属すと主張したいところですが、今ここで主張することにはほぼメリットがなく、韓国側が声高に領土主張をしてこない限りは、日本政府としてもあまり触れずにおいた方がいいと考えます。弱腰だという人もいるでしょうが、吠えたところで竹島の領土認定が得られるなら自分は迷わず吠えるべきだと主張します。そのような目算もなくただ吠えるだけというのは、「月に吠える」もいいところでしょう。

 さらに日韓両政府に期待したいこととしては、台湾有事における日韓の連携です。米軍は既に台湾有事が起きた場合、日本の沖縄も攻撃されることをほぼ想定しているようですが、在韓米軍も台湾防衛に動くのかが自分としてはやはり気になります。距離もあることだしそう簡単ではないと思うものの、日米韓が共同して台湾防衛に動くというような姿勢は、中国に対する大きな牽制にもなりうるだけに、下手にカードは隠さず有事における共同歩調をそれとなく打ち出してほしいのが本音です。
 この点について、今だからこそ岸田首相と尹大統領には議論してもらいたいです。まぁ岸田首相がいつまでもつかわからないけど。

 それどころか、台湾有事の発生時も岸田首相が総理にいたら、なんか「対応を検討する」と言いそうで不安です。こういう時はマジで菅氏だと頼りになる気がして、そういう意味では彼は平時よりも有事の宰相の方が適任なのかもしれません。

2023年3月5日日曜日

放送法に関する文書報道について

 寒暖の差からかこのところ疲れやすく、昨日は昼寝に入ったらかなり長い時間眠って自分でもびっくりでした。やっぱ疲れてたんだなぁ。

 話は本題ですが久々にブログに使える政治ネタが出てきたというか、立民の小西洋幸議員が安倍政権時代における、言論統制を図ったともとれる放送法に関する内部文書を出してきました。安部元総理亡き今、この文書で影響を食うのは当時総務大臣だった高市氏で、立民も高市氏のクビを狙ってこの文書を出してきたとみて間違いないでしょう。
 内容に関して深く説明しませんが、高市氏は記者に「そんな検討したことがない」と否定した当たり、認めたら確実にダメージを食う性質であることも間違いありません。ただ問題なのはこの文書が本物かどうかで、恐らくほかの多くの方も同様でしょうが、自分もかつての永田の偽メール事件が真っ先によぎりました。何気に野田元総理が当時の事件とともに永田を忍ぶインタビュー記事を読んだばかりだったので、いろいろタイミングが重なるもんだなという気がします。

 実質的にこの文書に関しては真贋がどうあるかが最大の焦点です。ただ全く根も葉もない文書でもないようで、文書に出てくる礒崎陽輔首相補佐官(当時)は既に、文書そのものに関しては別として、関連する話を当時したということは認めています。
 仮に自分が立民側で、この文書が本物であるという証拠も握っているとしたら、その証拠は最初は出さずにおいて自民側が否定する発言をしだしてから出す戦術を取ります。無論、立民側がそうした証拠を持っている根拠はまだないですが、動きがあるとしたら来週中になってくると思え、逆を言えば現段階では報道ベースで真贋を判定することは不可能だと思ってみています。

 ただ自民側としても、この問題にケリをつけるとしたら案外安上がりだと私は思います。安部元総理が生きていたらまた認める認めないでかなりグダグダ続くでしょうが、今だったら高市氏を切るだけで一発OKです。自民党内で高市氏に反目を抱いている人がいたら願ったり叶ったり、っていうかそういつが文書流したんじゃないのかとすら思えてきます。
 私自身は高市氏をそれほど否定も肯定もしない立場ですが、組織倫理的に言えば高市氏がやや孤立しかねない状況と言え、この辺がどう動くかが今後の展開になると思います。

 にしても今回の文書は何て呼ぶべきなのか。やはり小西文書というべきなのだろうか。

2023年3月3日金曜日

中国で忍び寄る不景気

 一日遅れですが幸福の科学の大川隆法の逝去はマジビビりました。ほんとに急死というよりほかなく、今更ながら「UFO学園の真実」とか見たくなってきました。
 っていうかこの手のクソ映画話題で常連だった「シベリア特急」シリーズは最近ネットで見なくなったな。さすがに古くなってきたというべきか。

 さて話は本題ですがこのところ落ち込むことが多く、今日も帰り際にやたら寄せてきたレクサスに鞄こすられたりするなど運気が激減しているので何か好きなことを書こうと思ったところ、なんか景気の話が浮かんできました。
 中国は明後日3/5から国会に当たる全人代が始まりますが、足元の景気は非常におぼつかない有様です。今日も帰り際にレストラン街を歩いてきたのですが、気温も上がって外でもご飯食べれるくらいになっており、なおかつ金曜の夜だというのに、マジで驚くくらいに人がいませんでした。こうした傾向はそのレストラン街に限らず、中心部にあるショッピングモールとかでも以前より、それこそゼロコロナ政策がが絶賛敷かれていた去年以上に人通りが少なくなってきており、テナントも撤退が続いているのか空きスペースが目立っています。

 端的に言って、2020~2022年の中国の景気は悪くなかった、というより好調にあったと自分は見ています。その最大の理由は代替生産で、ほかの国がコロナ対策などで生産がおぼつかなかった中、中国は厳格なコロナ対策こそ続いたものの、比較的早く経済は正常化し、ほかの国の分まで製品の生産を請け負うようになっていました。また半導体不足などサプライチェーンの混乱もありましたが、その分だけ各部材の単価も上昇し、特に生産材企業なんかは日系でも過去最高の売上と利益をたたき出すところも出ていました。
 しかし2022年に入ると中国は依然として厳格なコロナ対策を続ける一方、ほかの国は規制を取っ払って中国以上にコロナ以前の正常化を果たし、中国に回ってきていた代替生産もどんどんとなくなっていきました。単純な前年比計算でいえば、電子や自動車部品といった輸出産業ほど今年の中国では大きな痛手を受けるとみています。

 一応、観光業などコロナ期間中は散々だった業界は去年よりは確実に盛り返すでしょうが、それでもコロナ前の水準にまで一気に戻せるかと言ったら未知数です。ストレスたまっているので旅行に行きたがっている人は周りにも多いですが、ホテルをはじめ各企業で従業員がまだ不足している感があり、完全復活まではもう少し時間がかかるとみています。

 一方、外食を含む小売はまだコロナの打撃から回復できていない、というより通販習慣が以前よりも根付いてしまっているため、今後もさらに先細る可能性が高いとみています。ただそれによって影響を最も被るのは小売系企業というより、彼らに実態店舗を融通してきた商業不動産業で、マジでこの分野については前から懸念を持っています。


 この写真は確か1月の土日昼間に撮ったカルフール店内の写真ですが、マジでこのところいつもこんな感じで、かつての上海高島屋(最近はまだ人を見る)を見ているような寂しさを覚えます。誇張ではなくいつ行っても人がおらず、客である自分も心配になるほどなのですが、カルフール自体も通販はやっているので、仮にそっちで販売できていたらまだ何とかなるでしょう。
 一方で何とかならないのは前述の通り商業不動産で、テナントが埋まらないことでかなりの打撃を被っているのではないかとみています。今度この辺のデータをもっと詳しく調べてもいいですが、マジで今年は1社か2社はそこそこの規模を持った商業不動産業者が倒れることもありうるのではと予想しています。

 こんな感じで、改めてコロナの3年間は割と景気良かったなと思うと同時に、少なくともこれまで自分が中国では感じなかった規模の不景気が、今まさに来ようとしているのを覚えます。自分の仕事はあまり景気に左右されない職種ですが、それでも今年は昇級幅は抑えられるかもしれず、この点でもやや鬱な気分にさせられます(ヽ''ω`)
 まぁ今夜はさっきコンビニにお菓子買いに行ってセルフレジ行ったら、猫がスキャナの前に座ってて店員のおばちゃんに「それじゃ会計できないからこっち来なさいよ」と言われたりしたので、明日からはいいことありそうです。

2023年3月2日木曜日

中世のイタリアは何故共和制自治を取れたのか 後編

 昨日の記事に引き続き、何故中世イタリアではミラノをはじめ共和制自治形態をとる都市が多く成立したのかについて持論を述べます。結論から言うと、商業が非常に発達して商人市民が強い力を持ったことこそが最大の原因だとみています。

 中世においてイタリアは世界屈指の商業地域で、現代における複式簿記の原型もイタリア発祥です。東のイスラム世界と西のキリスト教世界の中間に位置し、ライバルとしてビザンツ帝国こそありましたが地中海、アドリア海貿易においてイタリア商人の重要性は非常に高く、銀行家をはじめとして数多くの大商人が生まれました。
 これら商人は従来からの貴族ではなく平民層から生まれ、財力で貴族を上回るようになると自然と参政権も要求するようになります。一部都市ではこうした新興層を新たに貴族として取り込むことで貴族層が勢力を維持した例もありますが、大半の都市では平民議会が作られ、そしてそのまま新興平民が貴族を圧倒して主導権を握るパターンを辿っています。でもってこうした有力者はメディチ家をはじめ新たな貴族となっていき、ローマ教皇から支配のお墨付きをもらってミラノ公とかフィレンツェ公などという領主になっていったりします。

 とはいえ、日本や中国の封建的支配と比べると大体どの都市も合議制を維持しており、その結果として内部派閥対立も起きて他国に攻められる間隙もできたりしますが、こと自治という点ではかなり長期にわたり維持されてきました。何故自治が成立したのかというと前述の通り土地と農民を支配して食料を分配する封建領主以上に、領域外から財を集め力を持つ商人がどんどん伸びてきたことが第一の理由ですが、その力の源泉が財にあることも大きいとみています。

 例えば封建領主であれば土地から生産される食料を収奪し、分配することが力の源泉であり、この収奪を実行するには言うまでもなく軍事力が物を言います。それに対し商人領主は軍事力以上に資金力が物を言い、その資金力の源泉は何かというと当時としてはやはりネットワーク、人脈で、遠隔地の中継取引所や製品の原産地とのつながりが大事です。そうした点で単一的な権力者であるより、権力そのものを分配することが自身を高めることにもつながり、合議制形式の政体ができていったのではないかと思われます。
 さらに言えば封建領主と比べると土地に縛られず、国外からも優秀な人材を引っ張ってこれたりする点でも合議制の方が都合がよかったのかもしれません。

 以上のような経緯を踏まえると、商業の発達は共和制、ひいては民主制の成立に物凄く大きな役割を持つのではないかという風にも見えます。実際にというか日本においても、戦国時代で最大の商業地と言われた大阪にある堺では、信長が来るまでは町衆による自治が行われていました。当時の宣教師にも「東洋のベニス」と評されており、何で「東洋のベネチア」じゃないんだと思ったりもしますが、堺という商業都市でこうした自治が成立したということからすると、やはり商業、というより重商主義と自治は物凄い関係があるように思えます。

 さらに発展すると、カール・マルクスじゃないですが資本主義の発達は先ほど説明した通り土地に縛られた封建領主の力を削ぐことになり、民主主義、特に議会の権力を大きく高める効果があるように見えます。実際ヨーロッパ世界でも早くから重商主義に走っていた英国は議会の権力が国王より強く、逆に農業国であったフランスは絶対王政がフランス革命まで続くなど、割と明確なリンクが見えます。
 日本も江戸時代までは封建制がが続きましたが、商業自体は江戸時代を通して一貫して発達しており、商人の力もどんどんと増していたことから、あのまま続いていればペリーが来なくても幕藩体制は崩壊していた可能性が高いと前から思っています。言うなれば封建領主にとっては商業の発達は国力を高める一方、自身の権力も弱らせる一手となる可能性もあり、うかつに商業投資とかはあんまできないものだなと思います。まぁ英国みたく議会を味方につけるってんなら、話は別でしょうが。

 さらに現代に話を進ませると、土地に農民を縛り付けている北朝鮮で王権が異常に強いというのも、封建制の表れなのかもしれません。社会主義自体が土地に住民を縛り付け自由を束縛する要素を必然的に持つことからも、先祖返り的に封建的な政権になる要素を多分に含んでいると言えるでしょう。

2023年3月1日水曜日

中世のイタリアは何故共和制自治を取れたのか 前編

 最近、かねてから興味のあったイタリアの通史をいろいろ調べていますが、改めてこの国では昔から共和制というか有力者による議会が作られ、都市ごとに自治形態をとっていたことに驚きました。古くはカエサルが登場する前の共和制ローマの時代より、元老院が存在して重要な意思決定は議会形式で定められていました。

 その後、ローマ帝国の崩壊とともにイタリア各地はゲルマン人、ノルマン人が作った王国や、東ローマ帝国、果てにはムスリム勢力によって分割されますが、中世期の北イタリアではミラノやフィレンツェを中心に各都市が自治を行い、支配権を強めいようとする神聖ローマ帝国らに抵抗しながらその独立を守りました。
 なお同時代のナポリやシチリアなどの南イタリアはフランスやスペイン系の王族による王国が作られ、都市による自治はあんま成立していませんでした。

 中世期、具体的には10世紀前後ですが、日本が鎌倉時代であったころにこうした共和制自治がイタリアで成立していたということに素直に驚きます。一応、日本の鎌倉時代も北条家が主導権を持つも合議制形式こそ成立していましたが、議会なんて概念は当時全くかったろうし、市民の代表を選挙などで選んで政治を任すなんて概念に至っては、日本だと明治になるまで成立しませんでした。
 もっとも当時の北イタリアも、当初でこそ都市の有力者が選ばれて議員や執政となったものの、次第に身分が固定化されていき、メディチ家のように世襲で都市の執政を務める一族が増えていったようですが。中には「身内で選ぶと揉めるよね(´・ω・)」とばかりに、外部からやってきた有能な人物を毎回執政に選ぶ都市もあったそうですが。

 話を戻すと、一体何故イタリアではこうした共和制自治が発達し、日本では誰もやろうとしなかったのか。日本に限らずとも、ランス、ドイツなどもイタリアほど尖がった議会的なものは発達せず、唯一英国に限ってマグナカルタなどを経て議会が強い力を持ちましたが、本格的な共和制が成立して市民(ただし有力者に限る)が参政権を得るようになるのはフランス革命まで待たなければなりません。

 この辺について詳しい人がいたら本当に解説してほしいのですが、自分個人でいくつかその背景を考えたところ、大きく分けて二つ理由があるのではないかと睨んでいます。その一つ目は、ローマ教皇の存在です。

 言うまでもなくローマ教皇はキリスト教の最高権威者で、キリスト教世界では圧倒的な発言力を有します。ローマ教皇、並びにローマ政庁自体は有力な軍隊こそ持ちませんが、キリスト教世界の領主に対する軍事発動権は有しており、十字軍などはまさにその呼びかけによって起こされました。
 このローマ教皇ですが、中世においては日本の天皇に近い立場であったのではないかと思っています。というのも各地、各国の支配権を認めるのはローマ教皇で、随所で異民族を追っ払った軍事指揮者に対しその領土の支配権を認めたりしています。またローマ教皇の方針に従わない領主や国王に対しては破門を下すことで、有能なカノッサの屈辱のように教皇は間接的に各地の支配権をコントロールしていました。

 そんな教皇がいるのは言うまでもなくイタリアのローマです。教皇が実際支配するのはローマ市だけですが、現在のイタリア領土内は教皇が直接支配せずともその影響力を強く持てる地域でした。そのためか、異民族の侵入も多かったというのもありますが、よく領土争いの舞台になり、支配者が時代ごとに度々変わっています。でもって途中からは異民族を追っ払ったフランスやドイツの君主は、中世の証としてローマ教皇にイタリア北部の土地を寄進したりもしています。
 寄進された土地は大体が寄進した相手に支配権をそのまま認めたりすることが多いのですが、その寄進主はフランスやドイツの国王が多く、彼らは普段はフランスやドイツにいることが多く、その支配も必然的に遠隔地から行っていました。結果的にこうした不在地主のような立場もあって、現地の有力者を代官みたく取り立てなければならず、その代官らが徐々に有力者となって自治に至るというパターンが見られます。

 またある時期からローマ法王はフランス国王や神聖ローマ帝国(オーストリアやドイツ)の皇帝らと関係が険悪化するのですが、その過程で法王寄りの都市が神聖ローマ帝国から離反するというのも見られます。いわば二つの強大なパワーに挟まれたエリアゆえかその支配は常ならず、変動的であったことから確固とした政権が成立しなかったのではと思います。
 特に11世紀辺りに起きた神聖ローマ帝国の支配に対し北部の各都市がロンバルディア同盟を結んで抵抗し、戦争を経てその自治権を獲得した過程は、北イタリアの自治体制の確立に大きくつながっています。

 個人的な意見でいえば、教皇のいるローマの近くでなければ、北イタリアの諸都市は歴史の通りに自治を確立することは難しかったのではないかと思います。やはり教皇のおひざ元ということもあって、北イタリアの支配を図った各勢力は強硬な手段に出られなかったように見えます。
 こうしたパワーバランスのエアポケットみたいな地政学的条件が、ある意味で緩衝地帯みたいな環境を作り、それに乗じて北イタリアの諸都市は独立を保って共和制自治を得るに至ったのではというのが自分の見方です。もう一つの理由については、また次回で書きます。