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2024年12月26日木曜日

米国人のルーツに対する自己認識


 無駄に震電Ⅱの画像を撮りためてます。っていうかこれの元パイロットの声がなんか違うように感じてたら、やっぱり声優が蘭姉ちゃんから変わってたし。

 話は本題ですが先々週あたりに、近くの映画館では上映していなかったので遠くまで(チャリで20分)言って映画の「グラディエーターⅡ」を見に行きました。前作の1も当然見ていましたが、1で主役のラッセル・クロウを食うほどの怪演を見せたホアキン・フェニックスなしで成立するのかと思いきやこの2作目も素晴らしい出来で、各俳優陣の演技も申し分ありませんでした。
 個人的には顔の濃い銭湯設計士が出てこないかなと期待しましたが、さすがに出てきませんでした。まぁ阿部寛氏なら普通にグラディエーターに混ざっていても誰も気にしなかったでしょうが。

 それで1作目のグラディエーターですがこちらも大ヒットを記録して、その後「300」をはじめとして「ソードサンダル」と呼ばれるローマ物ハリウッド映画のブームを引き起こしています。このブームについて知った際に私は、そもそも縁もゆかりもないローマの歴史作品に米国人は共感するのだろうかという疑問をやや抱きました。
 それこそ日本人にたとえるなら、その文化のルーツともいうべき中国の古代史作品で盛り上がっているように見え、確かに日本人も「キングダム」がヒットしていますが、米国人的には入植期の欧州よりも、なんか古代ローマの方が自分たちのルーツとしてより共感を持っているようにも感じました。

 実際のところどうなのかはさすがにわかりかねますが、そもそも米国が国としての歴史が短く、また移民国家ということもあって国民のアイデンティティを形成するルーツをあまり持たないことは間違いありません。

 同じく映画の話で言うと、以前だヒットした「ブラックパンサー」では米国生まれ米国育ちだけど、祖先はアフリカ大陸から連れて来られた奴隷である黒人層の間で、祖国を持たないアフリカ系米国人というキャラクターに強い共感が得られ、ヒットにつながったという話を聞きます。
 この話からすると、黒人層に限らず白人層も一応は英国系、フランス系、イタリア系、アイルランド系と自認する層が米国にはいると聞きますが、それでもその自分のルーツに対する意識は我々日本人と比べると希薄であるような気がします。

 そんな自分ら日本人を比較にすると、日本人のルーツに対する意識は恐らく世界的にも非常に強固な部類に入ると思えます。というのも、人種、国土、歴史、文化のすべてが結びついており、自分が日本人であるということに疑いを持つ日本人は日本国内においてほぼいません。
 祖先にはニンジャやサムライがいるし、すしやうどんという独自の食文化もあれば人種的にも単一性が非常に高く保たれています。

 もっとも日本国内においては在日韓国人やアイヌ系民族の方もおり、必ずしも完全統一されているわけではありません。でもって特に在日韓国人の方においては、やはり自分のルーツについて悩むことが多いと聞きます。

 話を米国に戻すと、まずアイデンティティの形成においてはその民族や文化に対するルーツの意識が非常に重要であることは言うまでもありません。その上で米国人は私の目から見るとそのルーツ意識が弱く、かえって比較的近い時代の近代ヨーロッパ以上に、遠い昔のローマの方がよりルーツを持っているように見えます。
 何故かというと古代ローマの文化はヨーロッパ世界の根底を形成したものであり、ヨーロッパにおける万人にほぼ適用できるほど汎用性が高いからです。また時代が遠い昔なので、実際の人種とか血統についてとやかく考えずに済むというのもある気がします。
 まぁイタリア系米国人なら、ある意味自分のルーツだと主張することに強い正当性を備えていますが。

 以上はあくまで自分の勝手な憶測に基づく見解ですが、ルーツをベースとしたアイデンティティは日本人と比べた場合、米国人はやはり弱いというのはかなり自信があります。その上で今回こうして考えてみて、アイデンティティをルーツで補強しきれないから日本と比べて米国は宗教が強くなるのかなとも思いました。
 逆を言えば、日本人はルーツ意識がかなり強いから、宗教によってアイデンティティを補強する必要がないからこそ、そこまで宗教に関心を持ったり、活動する人も少ないのではないかという仮説ももたげてきました。この辺は日本人以上にルーツ意識が強い、中国人にも当てはまってきます。この辺、掘り下げればもっと色々思いつくことも出てくる気がしますが、先行研究とか呼んだ方が早いかもしれません。

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