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2023年2月27日月曜日

味千ラーメン記事の裏側


 というわけで今日の記事です。今回は見出しの通りかつては中国市場を席捲した味千ラーメンの今について書いており、個人的にはそこそこ面白い記事に仕上がったかなと自負しています。ただアクセスはやや伸び悩んでおり、JBpressサイト内でも9位と奮いません。これでもダメなのか(´・ω・)

 今回このネタを選んだのは前から中国外食市場を取り上げようと考えていたものの、基礎となるデータの取得がやや難しかったのと、中国外食ネタに読者がどれだけ反応できるかが未知数だったため、記事化は見送ってきました。改めて記事書く前に別のネタを用意していたものの、あんま取材が足んなくてギリギリまで執筆を粘っていたところ、味千ラーメンなら知名度も高いし記事化しても読む人いるだろうと思いついて書くに至りました。
 記事化するにあたってデータとか集めましたが、記事内の売り上げなどのデータは過去10-年間の年次報告書データを引っ張ってきてグラフ化しました。やり始めたら意外とあっさり作り終えられたものの、開始するまでは結構時間と手間食いそうでなんかえらく億劫でした。

 このほか裏話としては記事を書くにあたって自分も実際に上海市内の味千ラーメン店舗に取材に行きましたが、味千ラーメンに行ったのはガチで6~7年ぶりでした。そこまで嫌ってるわけではないのですが味千ラーメンは店舗によって結構味の差が大きく、はっきりおいしいとわかっている店を上海市内で見つけていなかったのと、別のラーメン屋で通ってるお店があったからずっと言っていませんでした。
 でもって久々に行った感想は記事にもある通り、「まるで変わっていない(;´・ω・)」でした。変わった新メニューとか全くないことに驚きました。餃子は安くてうまかったけど。

 なお個人の印象として述べると、上海市内で味千ラーメンの店舗は本当に見る機会が少なくなりました。中国全土の店舗数は東京スタミナ丼のように極端には減っていないものの、上海市内だと目に付く目抜き通りは街の中心からは味千ラーメンは消え、どちらかというとショッピングモール内に店を構えていることが増えた気がします。なので街中歩いてても「味千ラーメンがある( ゚Д゚)」と思う機会は少なく、前と比べると意識しないと足を運べなくなったような感じです。

 さてまた次の週末には記事書かなきゃ。普通にフルタイムで働きながらよく隔週ペースでいつも記事書いてんなと最近自分に感心しています。

2023年2月26日日曜日

Yak-1のプラモ


 また例によって自分のプラモ記事ですが、今回作ったのは二次大戦初期にソ連が作っていた「Yak-1(ヤークワン)」です。発音的にワークマンに近いものを日々感じています。


 主に使われたのは対日本戦ではなくドイツ戦で、戦闘機としてはかなりマイナーな部類に入ります。特に大戦以降、ソ連の戦闘機はミグシリーズが担うこととなったことも、このヤークシリーズをマイナーたらしめている理由になっているでしょう。


 今回使用したのは例によって韓国アカデミーのキット。そもそもこの機体は日系プラモメーカーは生産しておらず、実質的にアカデミー一択となります。ネットの情報によると、そもアカデミーもこのキットを作ったわけではなく、別ブランドのキットをなんかの理由で購入、採用したとのことです。
 実際作っていて、普段のアカデミーのキットとは似ても似つかない構造だなとはっきり感じました。説明書も明らかに説明不足だし、主脚もこれ、よく無事に立たせられたなと思うくらい軟弱な構造してました。マジで一歩間違えればこんな風にはできなかった。


 このヤークワンは材料に一部木材を使っており、ともかく安く早く作るという思想で量産されたとのことで、その甲斐あってか左のスピットファイアと比べると一回り体が小さく見えます。逆を言えば非常にスマートな形状した機体で、機銃もプロペラのど真ん中に銃口を出しているなど、空力性能に特化した設計がなされています。そのスマートな形状が面白いと感じたのと、かなり珍しいキットであることが購入の決め手です。

 そもそもこの機体をどうして知ったのかというと、性転換体験をそのまま漫画に描いた平沢ゆうな氏の「白百合は朱に染まらない」という漫画からでした。この漫画は史実通り、このヤークワンを主に操ったソ連の女性だけで編成された飛行隊こと「第586戦闘飛行連隊」を題材に撮った作品で、このヤークワンも頭文字Dのハチロク並みの主役機として登場します。
 にしても平沢氏に関してはまだ新人と言っていい段階で、ミリタリーネタの中でもマイナーな分野を取り上げようとして、編集の指示かもしんないけどかなりきついネタを選んだなという気がしてなりません。実際、人気取れなかったのか2巻で打ち切りになったけど。

 話を戻すとこの女性飛行隊の中からヤークワンに乗っていたエースが何人か出ており、そこから興味持ってWikiとか見ているうちに、「めっちゃスマートやん(´・ω・)」と思うようになっていきました。そしたら通っているプラモ屋が急にこのキットを店頭に出してくるので、なら買うしかないじゃないか的に買う羽目となりました。ソ連の陰謀かと疑うくらいの展開です。

 実際、組み立てはレシプロ機にしてはかなり難儀しましたが、出来上がってのプロポーションに関しては非常に満足感が高いです。思ってた通り、いやそれ以上のスマートな戦闘機で、やっぱりずんぐりむっくり系の空冷エンジン機よりもスマートな水冷式の方が自分は好みです。日本の戦闘機でも飛燕が一番好きだし。
 その飛燕はなぜか今日、どっかで埋まってたエンジンが発見されたとかニュースになってました。調べ終えたら退役したF-4ファントムがこの前運ばれた各務原の川崎の博物館にまた収蔵されるのか、されるんだったらまた行かなきゃと思ってます。

2023年2月24日金曜日

ホテルに戻ってきたお客

 最近あんま仕事も忙しくないので、今日は午後半休を取って友人とランチに行きました。そのまま出がけにコロナ期の3年間を共にしたVivoの携帯に別れを告げ、また新しいVivoの携帯(約3万円)を購入したところ、友人がトイレに行きたいと言い出しました。
 すぐそこの商業施設のトイレに行けよと言ったのですが、「折角だから」と言って、近くにあるルネサンスホテルのトイレで用を足したいなどと無駄に贅沢なことを言い出したのでそのままルネサンスホテルに入り、フロントのある高層階まで移動して友人はトイレに消えました。この間、自分はロビーで待っていたのですが、フロントを見ると金曜とはいえ午後4時台にも関わず列ができていました。

 その後、トイレから戻ってきた友人としばらく椅子に座りながら観察しましたが、ホテルに来ているお客はほぼすべてビジネス客とみられ、恐らく出張で上海を訪れそのまま週末を過ごす人たちでした。この出張者を見て営業職の友人は、「自分も今度、久しぶりに飛行機で出張に行く」ということを明かしたのですが、どれくらい久しぶりなのかというと、2021年10月以降としては初の遠距離出張だったそうです。
 友人によると、杭州や合肥などの近場であればこれまでにも車で出張に入っていたものの、飛行機に搭乗しての出張はコロナが猛威を振るった2022年の1年間は全くなく、本人も改めて履歴を追ってこんなにも遠距離出張に行っていなかったのかと驚いていました。これは何も友人に限る話ではなく、恐らく中国国内で働く人のほとんどがこの間、特に去年1年間はコロナ規制によって全く出張に行っていなかったのでしょう。

 その反動というかこのところ、やはり出張者が増えているとも友人は言っていました。中国国内だけでなく、日本からも上海法人にこの前出張者が来たと言っており、これまで出張できなかった分だけこれから急激にビジネストラベルが増えるのではないかとも話していましたが、実際その通りになると思われます。少なくとも、今日友人のうんこのためだけに訪れたルネサンスホテルでは確かに宿泊客が多いと感じました。

 こうした予測を友人と話しながら、改めて中国の観光業関係者はこの苦難の3年間をよく耐えたと感心させられます。社会主義の皮をかぶった絶対資本主義の中国は日本とは違い、この3年間のコロナ期間において商工業者への補助金はほぼ全く配布せず、大家たちに「家賃少し負けたげなよ(´・ω・)」と言っただけでした。それにもかかわらず上海なんかは2ヶ月間を完全ロックダウンしたりするなどその営業を妨害し続け、ホテルなどの運営は苦難に満ちたものだったと推察されます。
 恐らく今後は海外客も含め宿泊率なども上がり、忙しくなってくるでしょうが、ぜひともこの機にお金を稼いでまた復活を遂げてほしいと心底思います。もっともまだ生き残っているのはまだマシなほうで、各商業施設を見るとテナントの空きが目立ち、小売店などは既に消え去った店の方が多い気がします。

 なおVivoを買うときに景況感を尋ねてみようと店員に「景気どう?('ω')」と尋ねてみたら速攻で「最悪(ヽ''ω`)」と返事してきました。単純にスマホの買い替えペースが落ちてきているのと、古いスマホとの交換による補助金キャンペーン(以旧換新)の枠が狭められたりして、販売台数自体がかなり落ちてきていると正直に明かしてきました。こういう時、本当に中国人って正直に話す人が多い。

2023年2月23日木曜日

意外と見つからないAIの活用法

「やめて」「この野郎」「ドーン」叫び声や物音が…“女性アナ宅侵入”NHK男性アナ逮捕 3階から飛び降りてケガ(FNN)

 上の記事の見出し、特に「ドーン」を見て、「現場に喪黒福造でも来てたのかよ」と本気で勘違いしそうになりました。っていうかシチュエーション的に、実際に彼がいてもおかしくなさそうなのが笑える。
 なお変に触発されてか同僚に、「これ、日本で黒いドラえもんって呼ばれてる作品なんだよ」とビリビリで配信されている2017年版のアニメのリンクを送信しました。でもマジで笑ゥせぇるすまんは中国人にこそ見てほしいしヒットしてほしい。

 話は本題ですが、友人から先日ChatGPTが日本で盛り上がっていると聞きました。聞いた時点では何のことかわからなかったのですが、先週に入ってきた辺りからまとめブログにもよく出てくるようになり、確かに大きな盛り上がりになっているのがわかります。
 このChatGPTはマイクロソフトが出資しているとのことですが、これ聞いて思ったのはGoogleの凋落ぶりです。GoogleはかねてからAI開発に力入れていると自ら宣言してきましたが、ChatGPTが出たころに出したAIが初歩的なミスをやらかして株価が下がったように、これまで目立った功績はあまり聞きません。翻訳とかでもGoogle翻訳はあんまいいとは聞かないし、DeepLとかの方が知名度も高いでしょう。なお地味にMSN翻訳の性能はいいと私は評価しています。

 話は戻しますがGoogleはぶっちゃけ検索、それとAndroid以外であまり実績を目にせず、ゲーム事業を始め手を出した新規事業は割と空振っていることが多い気がします。それこそ成功に至れる新規事業をAIにでも聞いてみたらと、内心思います。

 話が二転三転しますがそんな盛り上がりを見せるAIですが、具体的な活用法に関しては意外とまだないのではないかとみています。っていうか実際にAIを売るコンサルの友人から、企業向けにAIをデザインして販売するにあたり、どんな活用ができるのか教えてほしいと相談されたことがありました。
 現在のところChatGPTは大喜利、つまり冗談めかした会話や回答を出すのが主な使われ方となっており、AIだからできる社会的な仕事はまだ見つかってないような気がします。まだ翻訳とかなら使えますが、仮に自動車部品製造業とかでAIがあればどんなことに使えるのか、それこそChatGPTに聞いてみないとわかりません。これは言い換えると、AIの産業活用は意外と難しく、一般企業向けに販売するのも難しいのではないかとみています。

 それこそ自動運転とかはっきり機能目標がある分野なら別ですが、汎用的なAIで何ができるかと言ったら結構絞られてきます。AIの強みとしては瞬時の判断力であることから、原材料にレアアースや貴金属を使うメーカーなんかにこの手の原材料の相場データを読み込ませ、最適とみられる調達時期を割り出すのとかどうかと友人には提案しましたが、ぶっちゃけこれ以外は私も浮かびません。
 またAIイラストもこのところはやってきていますが、最初でこそ物珍しさがあったものの、目が慣れてくるとやはり似たような特徴を持っていることが一目でわかるようになり、個性のない絵のように見えてくるようになりました。既存のイラストから目や口を少し動かせ、Live2Dみたいに仕上げるのならともかく、ゼロからフルデザインするイラストで多くの人の目に適う作品となるとまだ早い気がします。

 こんな感じで、すごいAIができてもその活用方法ができないと、果たして事業として成立するのかという点で疑問を覚えます。むしろ活用方法ができてからの方が、AIとしても開発速度が高まるのではないかと思います。

 ということを超頼りになる中国人の友人に話してみたところ、意図するソースコードを伝えてドラフトを作ってもらえば、それを手直しするだけで割と使えるようになるためこれは便利だと、すぐさま応用法を示してくれました。またイラスト専門AIに対し、どんなふうに指定すれば意図通りに描いてくれるのかをChatGPTは教えてくれるそうで、いわばAIへの指示をAIが翻訳してくれるということで、若干皮肉な感じもするけどこれもまた活用法としてアリだそうです。
 そんなわけで、なんだ結構あんじゃん(´・ω・`)的なオチになりました。

2023年2月22日水曜日

好きな新語、嫌いな新語


 上の画像はネットで「社畜リムジン」と言われててさもありなんと思いました。実際はパノラマ撮影がいい感じになってできた写真らしいですが。
 ちなみに「首都高最高のレーシングカー」と呼ばれるプロボックスですが、一回プラモ作ろうと思ったけどキットの値段高くて見送りました。割と思い入れある人多いから、いろんなバリエーションで出せばいいのに。

 話は本題ですが、密かに「出羽守」という新語が大好きです。これは「海外では~」などとことあるごとに海外と日本を比較して日本をディスる発言をする海外帰りの人を揶揄する言葉で、自分も「中国では~」を連呼しているあたり、この出羽守に属すという自覚があります。
 「では」という発音にかけていることと言い、なおかつ実際に世の中にたくさんいるけどこれまで個別名称がなかったのと、若干田舎大将っぽさを感じさせる「守(のかみ)」という言葉に仕上げたのは見事というよりほかなく、あんま使いどころないけど実は大好きな単語です。

 逆に今嫌いな新語を挙げるとしたら、「ファーストペンギン」です。これは最初にペンギンが飛び込むとその後続々と後のペンギンが飛び込むことから、「勇気ある先駆け者」的な意味合いとされていますが、どちらかというと「正直不動産」で使われていたように、詐欺で相手をだます際に「さすがファーストペンギン」などと持ち上げる常套句として使われることが多い気がします。
 そもそもこの単語の意味であれば「一番槍」でもよく、既存単語があるにもかかわらず横文字使うあたりマジ意味わかりません。まぁさすがに「一番搾り」は別の意味か。

 なお上記例に当てはまるシーンが実は去年あり、契約の関係で所属先の法人を一昨年に切り替えた影響で、去年中ごろに確定申告を行わなくてはならなくなりました。日本でも大量の鬱症状者を確定申告は生み出していると聞きますが、それでもまだ日本国内なら超余裕じゃんと私は思います。確定申告を中国でやれって、ぶっちゃけハードル高いし自分もかなり鬱になりました。
 そのため、会社からは「行っとけよ」と言って申告の仕方の案内とかも通達されていましたがなかなかやる気が起きず、一回トライしてみようと思ったら税務署になんか登録とかしなきゃいけないとか書かれてあって、「まぁいざとなれば追徴大目に払えばいいか(-_-;)」などと見て見ぬふりして放置していました。

 そんなこんだで申告期限が近付く中、社内の日本人同僚が隣で「税務署への登録に行きたいんだけど」と中国人スタッフに相談していました。この時、「そうだ、こいつについていく形だったらすんなり処理できるかも(・∀・)」と閃き、背乗りする形で「おう、税務署行くんだな。俺もついでに行ってやるよ(´・ω・`)」などと偉そうな口ぶりで同僚に同行することに成功しました。
 するとこの私と同僚のやり取りを見ていたほかの同僚たちも、「ちょうどいい、俺たちも連れてってくれよσ(゚∀゚ )オレ」などと次々と手を挙げ、さらには翌日に税務署行くから席空けるとチームメンバーにメールで伝えたら、「僕も連れてってください( ;∀;)」と、さらに追加メンバーが増えました。

 まさに上記の状況における同僚がファーストペンギンともいうべきものでしたが、私自身はペンギンなんかより、誰もが恐怖して抵抗することすらあきらめた魔王(=税務署)に対し、敢然と立ち向かう者が現れ、その勇気に打たれて共に戦うため同行を願うものが相次ぐという場面が思い浮かび、「ああきっと、勇者っていうのはこういうことなんだな」などと勝手に納得していました。そういう意味では、ペンギンなんかよりも「勇者」って呼称の方がいいと思っています。
 まぁその勇者となった同僚、毎回トラブルに巻き込まれるから「地雷原に入って全地雷を踏み抜く男」などと陰で呼んでたりするのですが。

2023年2月21日火曜日

ロシアが脅しを言えば安心できる

プーチン氏、核軍縮の履行停止を表明…ウクライナ侵略を正当化「米欧が戦争始めた」(読売新聞)

 上のニュース見て、「おっ、ロシアは核軍縮を続けるんだな(・∀・)」って感じで安心しました。なんでこんな判断したのかというと、このところのプーチンはやるといったことはやらず、やらないといったことはやるという狼少年になっているからです。具体例としては、

・ウクライナとの戦争は起きない→起こした
・ウクライナを解放する→実際は抑圧しようとする
・原発施設には攻撃しない→攻撃してた
・戦争犯罪はしていない→ブキャをはじめ虐殺していた
・すぐに目標を達成して見せる→できない
・ロシア軍は負けない→負けてる
・作戦は順調に進んでいる→どこが?
・徴兵はしない→した
・その気になればロンドンなんてミサイル一発だ→言うだけ言ってやらない
・ウクライナへの支援はロシアに対する宣戦布告だ→支援国に対し戦端を開かない
・いざとなったら核の先制使用も辞さない→いざって事態になってんのにまだ打たない

 仮にこの1年におけるプーチンの有言実行率を測ったら、やばいくらい低い数値が出るんじゃないかと思います。そもそも本気で核攻撃とかを実行する気なら、わざわざ予告なんてせずに黙ってやる方がずっと効果が高いです。それをわざわざ予告する当たり、実際にはやるつもりがないからこそ脅しとして使っているのでしょう。ぶっちゃけ、核攻撃などについて何も言及しない方が私としては何するかわからない点で怖さを覚えますが、このような脅し文句を使うあたりは実際には行うつもりがないとみていいのではないかと思います。


 同様にこのニュースを見て「」ベラルーシの参戦はないな」と確信しました。理由も同様に、本当に参戦するつもりがあるなら絶対にこんな発言するわけないし、こんな発言して敵に警戒させる時点でまともな指揮官ではないと言えるからです。本当にやる気なら、「ベラルーシはこの戦争に関与することはない」と言い切って相手を油断させた上で突然攻撃を始めるでしょう。

 この辺は沈黙が金というべきか、具体的な選択肢について「あるんだけどどうするかは言わない」方が、脅しとしては効果が高いと私は思います。若しくは、「ベラルーシが参戦するかも」ということを第三国の人間に言わせたりするという手段も考えられますが、自分で言っちゃう辺り、やる気がないと宣言しているようなものです。

 またロシア軍はこれまで、

・最新兵器を前線に持ってきたぞ!→位置特定されてすぐ撃破される
・年末だしみんなでパーティだ→位置特定されて大量の死亡者を出す

 ということを戦闘で繰り返しており、ある意味馬鹿正直だけど、無駄に自分たちの情報を明かしては自らを敗退に追い込む敗北主義者的な行為をやってたりします。思うに国内の情報統制に慣れ過ぎて、外部への情報漏れ対策や対外発信方法に対する意識がすっからかんになっているんじゃないかと思う節があります。それだけに先ほどの脅し文句とかも、黙ってりゃいいのにわざわざ言ってしまってやる気がない手の内を明かしてしまっているということも自分で気づいてないように見え、多分揺さぶれば勝手に機密情報をもっと出してくる気すらします。

 その点でいえば、まだ日本の方がこの辺の対策ができているかもしれません。台湾有事などに関しても具体的にどうするのかはいちいち発表しないものの、ある程度シナリオを練ってそれぞれに対応した行動指針は作っていると聞きます。それらシナリオはわざわざ公表するまでもなく、黙っているからこそ中国に対する牽制となるわけで、こうした「無言の牽制」をロシアが持ってない、または持てなくなった辺り、分不相応な野心を持った国と言わざるを得ません。

2023年2月20日月曜日

書評:司馬遼太郎の「北方の原形 ロシアについて」

 以前なんかの記事で最近のロシアの行動について司馬遼太郎の本が非常に参考になったと書かれていたので、自分もその本こと「北方の原形 ロシアについて」をこの前読んでみました。結論から言うと非常に面白かったです。

 元々、私自身は司馬史観について海軍善玉論に異常に傾いていることなどから反発があったのと、司馬遼太郎の小説はやや自分のスタイルとは異なる(美文調に偏っていると感じる)ことからいくつか読んだもののあまり好きになれず、彼の著作などに関してはこれまであまり手に取ることはありませんでした。
 ただ遊牧民族マニアだということはかねてから聞いており、その点ではロシアの成り立ちについてもある程度の知見は見込めるという憶測と、ウクライナ戦争開戦以前のロシア評を、佐藤優氏をはじめとする鈴木宗男の関係者以外の目線で探りたいという思惑から、今回こうして手に取るに至りました。機体に違わなかったというか、歴史的な経緯を追いつつこれまで見なかったロシアに対する分析が描かれ、「司馬遼太郎やるじゃん(σ・∀・)σ」とか失礼なことを言い出したりしました。

 内容に関しては実際に手に取ることをお勧めしますが、中でも自分が一番感銘を受けた分析として、江戸時代あたりの近代におけるロシア貴族と幕藩体制下の藩主の所有権に関する差についての記述は目からうろこでした。

 曰く、日本の藩主があの時代に所有していたのは石高だけであり、幕府の転封命令を受ければ所属地を移らなければならなかった立場を考慮すると、その土地と住民に対する所有権(=完全支配権)は持っていなかったと書かれてあり、まさにその通りと言えます。
 それに対し、皇帝の権限が弱い一方で大きな権限を持っていたロシア貴族はその封地において絶対的な権限を持ち、農奴である土地住民は移動の自由すら持ってなかったばかりか、その生命権すら貴族に握られていたそうです。実際、むやみやたらに住民殺しまくったというロシア貴族の話はよく聞きます。

 こうした所有権の違いから、支配に対する価値観がロシアは日本はおろか、ほかの西洋諸国とも大きく異なっていると司馬遼太郎は指摘しています。その上で、貴族と一般住民との間の隔絶も異常に激しく、まさに人か家畜かともいうべき差で、貴族らはその住民に対する憐憫をほとんど持たなかったと指摘したうえで、現代ロシア(当時はソ連)においてもその傾向は中央共産党官僚とそれ以外の人民の関係に見られると述べています。これはそのまま、気にせず死兵を繰り出す今のロシアについても言えることでしょう。

 またシベリア経営のため、絶対的に不足していた食料をロシア西部などから送るのではなく、海伝いに日本から調達するため、江戸時代の日本に何度も貿易を起こすため使節を送っていたことなども説明されており、恥ずかしながらこの辺の事情についてはとんと知りませんでした。もっともロシアは食料に対する交易品にシベリアでとれる毛皮が日本に売れると思ってたそうですが、毛皮よりも絹や綿を好む日本からは全く相手にされなかったそうです。っていうか毛皮とかぶっちゃけ野蛮だなと、現代人である自分ですら思います。

 以上のような司馬遼太郎の解説を見て私が感じたことは、特にシベリア経営のくだりを見て、本質的にロシアという国は物を育てたり作ったりする農耕性が全くない民族の国だなと感じました。では狩猟民族なのかというとそれもまた違うように思え、敢えて言えば採集民族で、その土地にある天然資源を収奪して売ることしか考えず、集団というのは基本的に搾取-被搾取の関係しか持てないのではないかとすら思いました。
 具体的には前述の通りロシアはほとんど作物が取れないことから、近代における交易品はシベリアでとれる珍しい毛皮が主だったそうです。ではその毛皮をロシア人は狩猟で得ていたのかとさにあらず、シベリア各地で放牧生活をしていた民族集団を奴隷化し、彼らを脅した上で毛皮を取ってこさせ、売っていたそうです。この帝政ロシア時代の経済を見ていると、なんとなく天然ガスや石油を売る今のロシアに被って見えるところがあり、基本的に現地の天然資源を採集する以外の価値観はないのかと、そういう風に思ったわけです。でもってその採集には多大な労働力がいるわけで、ということが先の関係性が生まれる要因になってくわけです。

 このように踏まえると、ロシアというのはやはり欧州国とみるべきかと言ったらやはり違う気がします。またそのメンタリズムも、強烈な支配に根差した関係性が色濃く、今のロシアを見ていてもわかりますが国がおかしくなっても自国民がそれを修正することはまずないようにも見えます。それくらい、一般大衆がこの国は弱すぎるように見えます。
 その点でいえば、中国でも一部有力者は一般大衆を虫けらのように考えている人もいますが、その虫けらと考えている連中は怒らせたらやばいということを理解しているし、また一般大衆も隙あれば取って代わろうと無駄にガッツに溢れていることから、ロシアなんかと比べれば国がおかしくなった際の内的軌道修正がまだ期待できると思います。はっきり言えば、ロシアは上がおかしくなったらそのまま破滅にまで延々と突き進むのではないかと、この本見て思いました。

松本零士の逝去について

 既に各所で報じられている通り、日本のSF漫画の文句なしな巨匠の松本零士が亡くなりました。恐らくこの影響を受けてかアニメ作品の「ザ・コックピット」について自分が以前に書いた「鉄の竜騎兵」のアクセスがわずかですが上昇していました。

 松本氏の作品について敢えて自分の方から述べると、その普遍性は本当に日本の漫画家の中でも実質的に最強と言っていいのではないかと思います。フランス大使館も弔辞を出したとのことですが、日本国内に限らず海外でも非常に高い評価を得ていますが、そうした国境方面のボーダレスもさることながら年代を超えて読み継がれる点では、あの手塚治虫以上ではないかと密かに思っています。
 実際自分も銀河鉄道999の漫画を読んだとき、それが何十年前の漫画であるという古さは一切感じられず、各話で描かれるあの独自の語り口と相まって貪るように当時読みました。またアニメ作品もヤマトをはじめ何度もリメイクされ続けていますが、SFというジャンル性もありますが、それを押してもなおいつどの時代、どの場所で読んでも全くギャップを感じないという普遍性という点で、群を抜いていると感じます。

 今回の逝去報道に関しては前々から体調が悪いと報じられていたことと、あのさいとうたかをや白土三平すらも世を去っていたことから、松本零士もとうとうかという感傷を覚えたのが素直な気持ちです。また同時に、漫画の神様こと手塚治虫と直に交流した世代が本当にほとんどいなくなり、いよいよもって日本漫画第一世代は終焉を迎えつつあることを思い知らされた気がします。

 そもそも日本の漫画は手塚治虫によって始まったと言ってもおかしくなく、ほぼすべての作家が彼の影響を多かれ少なかれ受けています。その手塚治虫が切り開いた漫画手法を松本零士らをはじめとする作家らが独自のスタイルを加える形で派生していき、さらにそこから後続の作家がつながっていく樹形図のような構造を成している考えています。日本の漫画史は戦後から始まっていることもあり、大本の手塚治虫は別格として、いわゆる草創期におけるレジェンドが平成末期から令和のこの時期において次々と寿命を迎えてきています。こうしたレジェンドたちの喪失はある意味、漫画史において最初の喪失期に当たると思われ、いわゆる第一世代に関しては徐々に一巡しつつあるようにも感じます。

 ちばてつや氏をはじめまだ存命の方もいますが、今後に関しては第二世代が大御所としての役割がさらに求められてくるかと思えます。第二世代代表は私的には永井豪氏が真っ先に浮かびますが、この世代のレジェンドたちには先輩方に負けないよう、後進らを引っ張っていってほしいと密かに願います。
 なおこの第二世代最強エースは鳥山明氏とかだと思うのですが、彼の場合はフォロワーがほぼ全く存在しないというか、ドラゴンボールの作風を受け継ぐ漫画家があまりにおらず、突然変異的な天才だと勝手に考えています。マジで誰も見当たらないのが不思議。

 話が少し脱線しましたが、松本零士の場合は鳥山明氏とは違い、明らかに彼の作風に影響を受けた漫画家が数多く存在しています。その点では本当に日本漫画界への貢献は凄まじく、改めてその死が惜しま、末筆ながら冥福をお祈りします。

2023年2月19日日曜日

アゴ痛ぇ(´・ω・)

 いきなり出オチですがアゴ痛くて悶えています。原因ははっきりしていて、リンパ腺が腫れてるからです。

 一昨日辺りから体がだるく、パソコン向かってたら急に目が見えづらくなったり、横になったらなかなか起き上がれなくなるなど、気温の変化が激しいので多分普通の風邪かなんかを引いてたのだと思います。でもって昨夜くらいからリンパ液が活動し始めたのか左アゴがリンパ腺の腫れとともに痛みはじめ、今や口開けてご飯食べるのも痛みと闘いながらです。明日になってよくなってたらいいんだけど。
 それにしても今週末は次のJBpress記事も書かなきゃいけないため、このタイミングで体調悪くなるなよなと、管理者は自分なのになんかそういう恨み言を覚えます。まぁまだ動けた朝の段階では元気にプラモ買いに行ったけど。

 紙幅が余ったので予断を入れると、中国語翻訳業界ってどんななのかなとその手の業務を請け負う翻訳会社のメニューとか見ましたが、料金は1字当たりである程度幅あるけど、浅尾からマージンとかひかれること考えたらなんかあんま儲からなさそうな感じします。
 それ以上に気になったのは納期で、4000字なら3営業日と書かれてあるサイトがありました。ぶっちゃけ自分ならほぼ確実に1000字/時間で、調子よければ2000字/時間も行ける自信があるため、短納期緊急対応できる翻訳業務として料金引き上げたらこの仕事も行けるかなとか勝手に考えています。

 ちなみにさらに詳しく話をすると、正確性はさておき中国語から日本語方向への翻訳なら500字/時間のペースを保てれば一応は雇用できる水準に入ります。もっとも、多分このペースの人だと翻訳の正確性、特に専門用語をその場で調べる能力で劣る可能性があるため、上位者によるレビューが必要になるので、工数的にはもっとかかるのですが。
 っていうか今思い出したけど、体調悪くなるきっかけになったのは一昨日の5500字の翻訳だった気がする。あれを半日で処理して、なんかぐったりしてから体調悪くなった気がする(ヽ''ω`)

2023年2月16日木曜日

この苦しみを分かち合いたい

 このブログでも散々書いているように常日頃からずっとゲームしていますが、ゲームのレビューを見るのも好きでよく見ています。ただ先ごろ出たゲームカタログの「AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ」に関しては、以前自分もレビュー記事であんま楽しくなかったことを書いてたのに、名作扱いされててちょっと腑に落ちません。しょぼいムービーや刑事物としてのシナリオの悪さとか言及ないのは不満です。

 それはさておきゲームのレビューですが、こう言っては何ですがクソゲーのレビューほど面白いと感じます。基本的にクソゲーのレビューというのは、「このゲームがどれだけクソなのかみんなにもわかってほしい!」という熱い思いで書かれていることが多く、非常に訴えかけるような感じがしてなんかハートが伝わってきます。
 名作ゲームのレビューでも如何にこのゲームが素晴らしいかをみんなに伝えたいという感じを覚えなくもないですが、それでもクソゲーのレビューと比べるといまいち迫力に欠けるように思えます。

 これはゲームに限らず映画でも同様です。やはり名作映画よりもクソ映画のレビューの方が切実さが凄く、書いている人も何とかしてそのクソっぷりを伝えようと必死に書いてくれていることが多いです。デビルマンとかテラフォーマーズとかのレビューに至っては、マジで名文の宝石箱のように燦然と輝いています。

 では何故ゲームにしろ映画にしろクソなレビューの方が面白く描かれるのか。自分が思うにひとえに書いている人間がまずやる気満々であるのが最大の原因でしょうが、なんでそんなやる気に溢れるのかと言ったら、人はその体験した苦しみこそ他人と共有したがるからじゃないかと睨んでいます。

 何も苦しみに限らず、人間というのは基本的に同じ体験を共有したがるものです。自分の趣味を他人に勧めたり、同じ活動を通して親睦を深めたりするのはまさにその典型です。
 ただそうした体験共有において、楽しみよりも苦しみの方がやっぱ共有したがるし、共有した際のシンパシーはより強いような気がしてなりません。韓国人男性は徴兵時の苦労話こそが一番盛り上がる話題だと聞きますが、自分が体験した深い苦しみを他人と共有できるというのは、実はものすごく価値深いことなのではないかとふと思いつきました。

 そうした観点に立った場合、クソゲーやクソ映画のレビューというのはうってつけもいいところです。意図してか知らずかうっかりクソなメディア作品に触れてしまった後、「クソだった……」と必死になって伝えようとするのは、やはりその苦しみをみんなと共有したいからじゃないかと思います。実際に私も、自分でも遊んだことのあるクソゲーのレビューを見て自分が不満に感じた点をほかの人も指摘していると、「こいつわかってんじゃん(・∀・)」と無闇やたらにうれしく感じます。
 逆にさっきの「ニルヴァーナ イニシアチブ」はそれが極端に少なかったから、レビューそのものに不満を感じたくらいです。

 またよくクソゲーには「負の引力」があると言われますが、クソだと言われてみて何故かやってみたくなることがあります。これはクソ映画にも言えますが、これもある意味、苦しみ体験の共有を後追いで求める動きなのかもしれません。

 それらを踏まえて言うと、多分人間は同じ喜びを共有するよりも、同じ苦しみを共有する方がずっと親睦を深められ、分かり合えるようになる気がします。前向きなケースでいえば仕事とかの修羅場を一緒に乗り切ったり、山登りなど難しい課題に一緒に挑戦したりするというのがこうした状況に当たり、多分仲良くランチしたり、一緒に楽しいマリオカートする以上に関係を深め合えると思います。
 そういう意味では気になる異性と一緒に映画を見に行く際は、甘ったるい恋愛映画なんかよりも、吐き気を催すクソ映画を一緒に見に行った方が、ずっと関係を進展させられるかもしれません。その効果に関しては保障しかねますが。

 あと今思いついたけど、夫婦関係とかも倦怠期に入った際に一緒に楽しいことしてもあんま効果ないのかもしれません。というのも本当か嘘かわからないけど前にネットで、

ニートから脱出したけど、それまで自分のニート問題をどうにかするため団結していた両親が脱出後に離婚した
→「子はカスがいい」とはよく言ったものだ

 というやり取りがありましたが、実際こういうケースってある気がします。同じ難題を抱えているからこそ仲良くできて、難題の解決後に急に関係が破綻してしまうのはよく見聞きします。となると健やかなる時よりも病める時の方が、人間関係的に重要なのかもしれません。

2023年2月14日火曜日

中国がロシアから天然ガスを買って世界は救われた?

 本当に関係ないけどWeChatの自分のプロフィールにある職業がなぜか「おどりこ」になっていました。Bloggerのプロフィールも職業がいつの間にか「ふしぎなおどり」になっており、もしかして深層心理的に自分はダンサーになりたかったのではと今更ながらやきもきされます。

 話は本題ですが本格的な冬季に入って以降は比較的おとなしかったウクライナ戦争ですが、ここにきてロシア側が攻勢をかけてきているという報道が出るようになりました。ただ報道以前にすでに1月から攻勢は始まっており、しかもウクライナ側が悉く撃退に成功してロシア軍に大きな被害を与えていたという報道が昨日あたりから出始めてきました。
 これまでを振り返るとウクライナは「うっ、もう駄目だ……」的に弱気な発表を対外的に出した直後に大きな戦果を挙げており、意図的に苦しむふりしてロシアの攻撃を誘っては準備万端で反撃するという前振りであることが多くありました。先月もウクライナ政府はレオパルド2の供給を受けつつも「弾薬が足りない」、「一部戦線の状況は厳しい」などとやたら弱気な発言を繰り返していただけに、ロシアを油断させるための報道だったのではないかと密かに睨んでいました。実際に戦果を挙げているのかは今後の検証を待つ必要がありますが、今の季節でいえば圧倒的なほどに防御側が有利なだけに、攻勢をかけていつつもこれという戦線突破が見られないだけに、ロシア側の打撃が大きいのではないかと推察しています。

 そうした戦況分析をやりつつ昨日にふと、「あれ、もしかして中国がウクライナ、ひいては世界を救ったのでは?」という発想が急に出てきました。これは一体何故かというと、中国がロシアから大量の天然ガスを買っているからです。

 欧米だけでなく日本でもこのところ、「あり得ない(;´・ω・)」とった感じの電気代の高騰に関する報道や嘆きがネット上で見られます。それもこれもロシアが欧米に天然ガスをこれまでみたく供給せず、また欧米側も上限価格を設けたりして制限をかけ、エネルギー市場の流通が大きく混乱しているためです。各国は中東を中心に代替輸入先を設けたりしていますがそれでも追っつかず、各国で電気代が従来の数倍に上ったりと家計を大きく直撃しています。

 それに対し我らが中国は欧米のロシア制裁なんておっぱっぴーとばかりに我関せず、むしろ戦費調達に苦しむロシアの足元見ながらインドとともにロシアから大量の天然ガスを買っていると言われています。実際その辺はどうなのか詳しい貿易統計までは見ていませんが、少なくとも中国国内では電気代の引き上げは行われておらず(価格は政府が完全統制)、エネルギー不足とは全く無縁に暮らせています。
 もっとも自分は冬に一切に暖房使わないので冬の電気代は極端に少ないです。また水道光熱費をいつも大家に肩代わりしてもらって、毎年1回にまとめて清算しているためあんま細かく価格の変動とかも確認してないのですが。

 そうした脱線は置いといてなんで最初の発想に至ったのかというと、仮に中国が欧米のロシア制裁に乗っかったりしてロシアからの天然ガス輸入を増やしていなかったらどうなったのか、こんな風に考えてみてさっきの発想に至りました。
 言わずもがなで中国は世界最大のエネルギー消費大国であり、その消費量比較をこちらのサイトから引用すると以下のようになっています。



 見ての通りかなりぶっちぎりで首位をひた走っており、日本の9倍にも相当する量になっています。中国の消費量が変動すると世界のエネルギー価格も変動すると言われていますが、この比較を見ると(´ー`*)ウンウンと頷きたくなります。

 そんな中国が仮に昨年、ロシアからの天然ガス輸入を増やしていなかったらどうなったのか。まず間違いなく、現実での値動き以上に石油価格などが大きく高騰していたのではないかと思います。その場合、ただでさえ高騰している電気代などがもっと高騰していた可能性もあり、下手すりゃエネルギーが各国で足りなくなって停電も頻発していたかもしれません。

 そう考えるとロシアに戦費をもたらすという側面もあったものの、エネルギー不足により欧米各国のウクライナ支援を躊躇させるというロシアの戦略を中国が陰で打ち砕いていた、というふうに考えられる気がします。むしろロシアが上記戦略を果たすためには、中国(あとインド)向け天然ガス供給量を従来から増やさず、彼らにこれまでと同じく中東などから石油をガンガン調達させてエネルギー価格を無限に高騰させる必要があったでしょう。それが皮肉なことに、中国のエネルギー消費をロシアが支えてしまったことで、世界のエネルギー価格高騰は抑えられてしまったように見えます。

 結果的に言えば確かに世界中でエネルギー価格は大きく高騰したものの、ロシアの思惑ほどには高騰し切ることはありませんでした。実際にブレント原油価格の推移を見ても、6月に120米ドル台まで高騰しましたが、それ以降は下がり続けて現在は80米ドル台で推移するようになっています。冬も峠を越えていてあと1ヶ月もすれば家庭用暖房消費はさらに減少していくだけに、最悪のエネルギー危機はすでに回避されたも同然です。このように考えると、中国はロシアから天然ガスを買って、本人らも気づかぬうちに世界をエネルギー危機から救っていたと言えるかもしれません。
 いやまぁエネルギードカ食いしている国ってことには変わりありませんが。

 以上をまとめると、中国はロシアから天然ガスを買って、ロシアの野望を間接的に打ち砕いていたってわけです。まぁ戦費調達とはいえ中国にほいほい天然ガス売ってたロシアがある意味アホなんだけど、本当に1年以内にウクライナを下すつもりだったのなら、どんだけ苦しくても中国には天然ガスを売らず、世界をエネルギー危機に陥れるべきだったように思えます。
 なんとなくですが、エネルギー危機の懸念が去ったからこそ各国もウクライナ支援を再び強めているような気がこのところするし、ロシアの本当の地獄はこれから始まるかもしれません。

2023年2月13日月曜日

火鍋記事の裏側

「火鍋」から人気が飛び火、中国でファン急増中の日本料理メニューとは(JBpress)

 今回は本当にほっとしたというのが本音です。

 このところ出す記事がどれもアクセス稼げておらず、ちょっと危機感を感じていたので今回の記事はかなり戦略を練って望みました。もともとは経済統計記事書きたいと思って、人件費上がっているし中国の物流業界とか今大変だろうと思って調べてみたら、確かに人件費上がっているけどそれ以上にどの中国の物流会社も儲けに儲けてて、「次何に投資しよっかな?(´・ω・`)」という余裕風吹かしまくっている記事しか出てこなかったので、物流業界はあきらめました。
 そんで代わりのネタとしていろいろ考えあぐねたところ、意外とこの火鍋について中国でめちゃくちゃ消費されているのに、日本ではあまり認知されていない現況があるということにはっと気が付き、市場データも簡単に取得できたので一気にこれで書き上げることにしました。

 こうしてネタは決まり、また市場データもすごく簡単に手に入れられたものの、ちょっとこの記事書いてた頃は調子悪くて筆が乗らなかったため、なんか執筆に当たっては非常に苦労しました。記事を書くにあたって表紙の写真を撮るために友人を誘って火鍋屋にも行きましたが、当初入ろうと思っていたチェーン店がやたら人気で混雑しており、6時半の時点で数時間待ちが確実だったため、ちょっと安めの小さいお店に入りなおしたのが少し残念でした。
 なおその後口直しとばかりにPRONTO行ったら記事にもある通りすき焼きを出していることを初めて知り、一昨日にその友人と今度はすき焼きを食べに行きました。110元(約2000円)で2時間食べ放題で、めっちゃリーズナブルでした。

 こうした目には見えない努力(食べてるだけだが)もあってか、今回の記事はJBpress内のアクセスランキングでさすがに1位ではないものの上位を維持し、またヤフコメも30件以上集まっているのを見ると、そこそこ読まれてあるなという手ごたえを感じます。やはりコメントを見ると火鍋というと激辛な味しかないと思っていた人が多いようで、その点の誤解を解くうえでもこの記事を出してよかったと思います。

 記事内容についてほかに解説する点は特にありませんが、JBpressについて言えばこのところはウクライナ戦争の影響もあってかロシア記事の天下が続いており、中国記事はおろか、一時絶頂を誇った韓国、というかムンジェイン記事ですら前ほどアクセスを稼げてないように見えます。こう考えると驕る平家も久しからずといったところですが、世の中の関心というのは本当に流動的なのだなと思います。
 もっとも中国系記事でも例の気球関連記事は他メディアを含めやたら大人気で、自分も書いちゃおうかなという欲に駆られたりします。あんまこの方面は専門じゃないのでさすがに控えますが。

2023年2月12日日曜日

日本人はニッチに強い?


 上の画像は去年日本に言っている最中に目撃した商品ですが、一目見てマジビビりました。こんなものまで日本は所品化するのかと驚くとともに、「せっかくこういう商品もあるんだし(;´・ω・)」などと、一瞬「退職」の二文字が頭をよぎりました。
 なお中国人の友人にこれ見せたら。、「今時退職願なんてメールでやるのが普通じゃん。日本はまだ紙で出してんの?(´・ω・`)」と言われ、なんかFAXを未だに使っているようなローテクぶりを揶揄されたような気持ちを覚えました。

 話は戻りますが上の退職願レターセット、こうして店舗に並ぶ辺りは一定の消費があると見込まれます。それだけ今日本では退職が横行している、とまではいかずとも、こうした商品の需要は一定程度あり、でもってそのニーズを汲み取って商品化した業者がいたということになります。
 実際にというかこの写真を同僚の日本人に見せたところ、「こうした以上に小さなニーズを汲み取る辺り、日本人のニッチ市場に対する感覚って実はすごいのでは?」というコメントを受けました。この時に自分も初めて気づいたというか、このレターセットに限らず、日本人は「こんなん誰が買うんだよ?」と思うようなものを商品化して、収益化している例が実際かなりある気がします。

 自分の知っている例を一つ出すと、ワコールが出している「胸が小さく見えるブラ」があります。世の中の女性はほとんどみんな胸を大きく見せようとするのですが、なんでもアンケートしたところ10%程度の割合で胸を小さく見せたいと思っている層が存在するとわかり、ワコールは商品化を決断したとのことです。
 この分析は見事に当たり、購買層のレンジ自体は狭いものの競合商品が全く存在しない分野商品だっただけに、ワコールはこの胸が小さく見えるブラでかなり成功を収めたというニュースを以前見ました。先ほど検索したところこの商品はまだ販売が続いており、また別企業も参入しているあたり、報道の通りに当たったと窺われます。

 基本的に私はこれまで、日本人はマーケティングが下手だと考えていました。家電が特に顕著ですが、売る気があるのかよくわからない商品を開発したり、またポテンシャルを秘めながらターゲッティングなどを誤り全く売れなかったなどという例が多く、市場ニーズを汲み取るのは日本人は下手だと思っていました。
 ただ改めて見つめなおしてみると、市場規模が大きく大衆狙い商品を売りこむマスマーケティングはともかく、前述の「こんなん誰が買うんだよ?」と思うくらいのニッチな商品を売り込むニッチマーケティングに関しては、少なくとも商品化に至るまでのニーズ汲み取りは的確であることが多い気がします。また発売後も、そうしたニッチ分野の認知を徐々に拡大させ、売り上げを増やす方面でも結構上手な感じがします。

 そう考えると単純に日本人、っていうか日系企業はマスマーケティングが下手な一方、ごく限られた層をピンポイントで打ち抜くニッチマーケティングに関しては実は感覚が鋭いのかという仮説が出てきます。
 この点について元広告屋で名古屋に左遷されたうちの親父に話を聞いたところ、日系企業は予算がかかるのを嫌ってマスマーケティングを避ける一方、あんま予算のかからないニッチマーケティングは割と積極的というかきちんと金出して行うことが多いという話を聞きました。間接的ではあるものの、仮に親父の言う通りなら日系企業がニッチマーケティングを得意とするのは実態に則しているかもしれません。

 そもそもというか日本人の性格的にも、バーンと売り出すよりもごく限られた層をターゲットにする方がマーケティングとかでも力が入りそうです。そういう意味では今後、変にマス商品とかを開発するよりも特定層に高いニーズのある商品をより絞る感じで開発していった方が案外物事がうまく回るかもしれません。

2023年2月10日金曜日

現代のアヘン貿易

 日本の近現代の始まりと言ったらペリーの黒船来航からで、ここから幕末も始まります。では中国ではどうかというと、いくつか候補はありますが一番メジャーなのはやはり欧米列強と戦争して初めて負けたアヘン戦争とされています。何気にやってきたペリーに対し幕府が開国を決断した最も大きな理由とされるのはアヘン戦争の中国敗北とされているだけに、日本にとっても非常に大きな事件です。
 さてそのアヘン戦争は英国が中国に対する貿易赤字を解消するために、中国港内では禁制のアヘンを流通させたことに端を発する戦争でした。現代でも麻薬は違法なだけに、いかに英国が鬼畜な国かを表すエピソードとして使われていますが、現代においてもこれに類する貿易構造が中国にはあると密かに見ています。

 中国港内で流通が禁止されているのに外国が一方的に売りつけ、中毒性を持ち、中国国内で多量に消費される商品が上記のアヘンに相当するわけですが、現代においてこれに相当するのは日本のアダルトビデオだなどと説明しては、「さすが花園さん!( ゚Д゚)」とこのところ周りからやたらと持ち上げられています。
 もちろん冗談で私も言っていますが、実際に上記の条件をすべて満たしており、中毒性もかなり高い水準で備わっているだけに、「現代のアヘン貿易」と呼んでも遜色ないと気がします。惜しむらくは基本的に違法な無料配信が横行していて、日本の対中貿易赤字を解消していないという点ですが。

 この辺の話は中国人男性と知り合いの方ならすぐわかるでしょうが、マジで中国の男は日本のアダルトビデオ、というかAV女優に対して異常に詳しいです。流通が禁止されているのに一体どこから情報を得るのか見ていて不思議なくらいですが、時代ごとに流行った女優をしっかり覚えていたりします。
 ちょこっと興味持ったことから背景事情について一回調べたことがありますが、その過程であるAV女優の紹介記事についたコメントで、

「俺、この人の全シリーズ作品持ってるぞ!」

 と誰かが書き込んだら、

「求。」
「求。」
「求。」

 と、マジで「くれ!」というコメントがその下にずらっと並んでいたのを見て、妙な迫力感を覚えました。

 大分前にも書きましたが最近のアニメ作品のようにAV作品も中国で正規流通するようになったら、日本の貿易に半端ない貢献を果たすことは間違いなしなだけに、日本政府はマジこの辺の規制緩和と貿易協議を中国政府と真剣にすべきだと思います。でもって中国と関係悪化した際には配信ストップをちらつかせることで、中国国内の世論に物凄い影響を及ぼすことも可能なんじゃないかと思います。
 でもマジで中国での違法配信対策に日本が動いたら、かなり大事になるでしょう。中国の大衆がどう動くのか、また中国政府がどう反応するのかが実際マジ楽しみですが。

2023年2月9日木曜日

ブログサービスの栄光から衰退に至った背景

【悲報】スバル「新型インプレッサ」、ガチで誰も興味が無い(暇人速報)

 ちょっとスバルは本当に大丈夫かとみていてマツダ以上に心配になってきました。このデザインでインプ名乗るって、どうなん?

 話は本題ですがこのブログはGoogleのbloggerというブログサービスでずっと書き続けています、中国に最初移った当初はGoogleへのアクセス禁止を受けて一時はgooブログに移行したこともありましたが、日本に一回戻った際に再びbloggerに復帰し、現在は中国ですが前と違ってきちんとVPNを契約してアクセスできることからそのまま使っています。
 ただ正直に言って、あまり使い勝手が良くないです。bloggerは確かにサイトデザインなどの方面で自由度は高いものの、いわゆるブログパーツというアクセスカウンターをはじめとするガジェットが明らかにほかのブログサービスより少なく、またこの10年くらい新規に開発、配布されたものは一切ありません。FC2などにあるブログランキングといったそういう類もなく、シンプルな点はいいものの発展性に徐々に乏しくなってきています。

 とはいえ、存在し続けるだけまだbloggerはマシと言えるところがあります。というのもほかのプロバイダーがやっているブログサービスは、この10年でどんどんと消えていったからです。

 ブログサービスが人気となったのは自分の記憶する限りだと00年代後半で、芸能人がブログをやり始めたのがきっかけで広まっていったと覚えています。当時はmixiもありましたがまだTwitterはなく、ネットを介した事故発信ではmixiのほかにはブログと、掲示板くらいしかありませんでした。とはいえ掲示板は個人が延々と発信できるものではないだけに、必然的に同一性を保って長文をフルオープンに配信し続けるとしたらブログ一択でした。
 そんなこともあってブログサービスは各プロバイダーで重要なサービスになり、ぶっちゃけ当時はほとんどのプロバイダーが無料ブログサービスを運営していました。自分が試したのだけでもライブドア、FC2、gooブログと結構ありますが、芸能人の暴露話などブログ発のニュースも当時は結構ありました。

 それがTwitterが現れ、Lineとかが現れてくると、途端にブログ発のニュースを見ることがなくなりました。一応、閲覧者はアンチのが多いと言われる辻希美氏のブログのように続いているのもありますが、依然と比べると芸能人も大半が自己発信ツールでTwitterに移行しており、前ほどのブログの隆盛は今や見られません。それどころか、Yahooブログのようにブログサービスを終了するところもどんどんと出てきており、ブログ市場としてはどんどん縮小し続けている気がします。

 私の場合は昔にも書きましたが、Twitterだと文字数上限が小さすぎて話にならないためブログを書き続けていますが、多分私みたいなのは岸田首相みたくマイノリティで、普通の人にとってはTwitterとかの方がいいんだろうなってのはよく思います。またあっちの方が関連ワードとかで同好の人たちとつながりやすいだけに、自己発信ツールとしては優れている気がします。
 その点を踏まえると、ブログの衰退理由は大量の文字、画像情報を一記事で一気に配信できることと、広告を自由に配置できるという点くらいになってきます。もっともその優位も最近はWordpressにとってかわられつつありますが、私自身としてはWordpressはソフト自体の更新が頻繁なのと、編集画面が使いづらいと感じることからあんま好きじゃなかったりしますが。

 さてなんで急にこんなこと書いたのかというと、あからさまにblogger、っていうかGoogleもブログサービスの拡張に不熱心であり、このままいくとほかのところみたくブログサービスやめるんじゃないかと思って今のうちに将来性があって、運営会社がやる気のある所へ移ろうかなとこの前考えたからです。その場合は過去記事ともども引っ越せるのがベターですが、一応bloggerもアーカイブ機能があって過去のデータを抽出できるものの、あんま日系のブログサービスではbloggerのアーカイブに対応しているところが少なかったりします。まぁ過去記事捨ててもいいっちゃいいけどさ。
 もちろんbloggerがこのままサービスが続いてくれるというのなら移行する理由もないのでなんも問題ないわけですが、やっぱバックアップはいざというときに備えて作っておくべきものです。でもってブログ自体が明らかに斜陽なだけに、いろいろ考えてしまいます。

2023年2月8日水曜日

日本政府の同性婚否定姿勢に関して

ヤクルトの投手主将・田口麗斗が考案「くじ引きキャッチボール」 石川も絶賛「面白い」(サンスポ)

 本題と全く関係ないけど、今一番好きな投手を挙げるとしたらこの田口麗斗選手が挙がってきます。上の取り組みも面白いですがそれ以上にシーズン中の、絶対的ピンチにおける毎回の火消しぶりがめちゃしびれます。巨人に残ったままでもきっと活躍されてたでしょうが、ヤクルトにきてくれて本当に良かったと日々感じます。


 それで今フィリピンの広域犯罪容疑者とともにホットな話題の同性婚に関してですが、上野官房長官の発言に関しては「だからなんやねん」といったところです。そもそも「陸、海、空、その他の軍隊はこれを保持せず」と書いてあるのに読売巨人軍やたけし軍団が存在する国の憲法を盾に取ること自体価値がないと私は思います。
 まぁそれ以前に記事にもある通り、「憲法で禁止はしてないよね?」という問いに言葉を濁すあたり、いかに今の政府が同性婚を禁止する根拠を持っていないことがはっきり表れています。

 この同性婚に関しては岸田も「ネガティブなことは言っていない」と釈明してましたが、じゃあ何が言いたかったんだよと逆に聞きたいです。またその後に続く「私もマイノリティ」発言もだからなんやねんと言いたくなるような内容で、根本的に論拠のないことばかり口にしている気がします。上の官房長官の発言同様、同性婚を禁止する明確な根拠は恐らくなく、この前更迭された秘書官のように単純に同性愛者が嫌いか、支持者に嫌いな人が多いだけで禁止し続けているとみられます。
 あと若干眉唾と思いつつも統一教会の指示というのも、あまりの回答の拙さからなんか信じちゃいそうです。

 私自身はハードゲイとTDNネタは好きだけど同性愛嗜好は全くない人間ですが、同性愛嗜好を持つ人間は社会に一定層いるのは事実だし、どうせ日本人全体の婚姻率自体も下がっていて同性婚を認めたところで少子化が加速することもまずないだろうから、同性婚については認めるべきなのではという立場を取っています。単純にそれでやる気を出す人もいるでしょうし、社会全体の利益でいえば認めないより認める方が国家として有利だと考えています。
 ついでに言えば選択的夫婦別姓制度も早くやるべきだと思うし、反対する奴こそ社会から排除すべきだと思っています。

 先の更迭された秘書官は同性婚を認めると日本から離れる人間が現れると言っていたそうですが、そもそも他国の方が同性婚を認めている国が多いことを考えると、そんな逆の動きが起こるわけないと普通は分かるはずです。それでもなお上記のような価値観を口にした当たり、単に差別的な感情を論理的にことすることすら放棄しているとしか言えず、そもそも議論が成り立つ人間ではなかったのでしょう。
 まぁそんな人間が上にきてしまう日本の制度や風土の方が問題ってのは、今回は話題にしませんが。


 上のまとめ記事にもありますが、そもそも歴史的に言えば日本は伝統的に同性愛バンザイ大国であり、今の価値観の方が歴史的に言ってもマイノリティに属します。もっともその現代においてもBL系ジャンルの隆盛をはじめ、ほかの国よりもかなり同性愛に対する意識が緩いというか激しさを持っていると感じる点もあり、岸田の「社会が変わってしまう」発言はむしろ歴史も現実も捻じ曲げた意見でしかないでしょう。
 関係ないけどBL好きの中国人女性の同僚に、「日本の本屋にはBL漫画のコーナーがあるよ」と教えたらやたら興奮してましたヾ(*´∀`*)ノキャッキャ

 それにしても先の更迭された秘書官がいなければこの同性婚議論はここまで盛り上がらなかったことを考えると、なかなかに皮肉な事態に発展したものだなと感じます。後本当に偶然だけど、この前偶々急に聞きたくなって、百合物作品の「神無月の巫女」のEDテーマのAgonyをYotubeで聞いてましたが、なんか無駄にタイミングいいなとか思っ足りしました。
 この「Agony」は今聞いてもすごくいいと感じるとマジ名曲だと思うけど、歌ってるKOTOKOのアルバムは毎回、アニメやゲーム作品とのタイアップ曲以外の収録曲がどれもひどいと感じるほど質の悪い曲ばかりで、ファンになりかけて結局なり切れませんでした。っていうかアルバム曲は明らかに手を抜きすぎてたと今でも思います。なおKOTOKOの曲の中で傑作だと思うのは上の「Agony」と「We Survive」だと思っています。

2023年2月7日火曜日

ゼロコロナ規制の不便がなくなった生活

 今日の上海は最高気温が11度くらいになり、最低気温もそれほど下がらなくて春めいた日和となりました。室温も15度以上を維持していて非常に楽である一方、気候の変わり目からかやや体がだるく、天気のように陽気にはなんかなれませんでした。

 話を本題に移すと去年12月にゼロコロナが解禁され、それ以前に敷かれていたあらゆる規制ももう完全に解除されています。具体的には、以前は3日に1度はPCR検査を受けないと公共交通機関が使えなかったり、また施設や公共交通機関に入る際にはそのPCR検査記録を見せなければならないなどといった規制がありました。また都市を跨いで移動する人にはまた専用のアプリが必要で、空港などでいちいち記録を見せたり、アプリ内で移動申請を出さなければなりませんでした。
 また街中でも、マスクを外して外を歩く人も増えてきました。

 それが1月以降はこういうのがまったくなくなり、市内の移動をはじめあらゆる不便が一掃された感じです。楽っちゃ楽ですがその一方、あの規制は一体何だったんだと思うと同時に、規制実施中はそれが当たり前と思うほど受け入れていた自分の心の変化にいろいろびっくりするような気持ちを覚えます。
 言うまでもなく規制期間中の弊害はすさまじく、特に小売店などは多かれ少なかれ打撃を受けています。市内中心部もショッピングモールでもテナントの空いたスペースが目立つなど、その影響は今も垣間見ることができます。

 とはいえこうして規制がなくなり、恐らく今後はまた日中間の航空便もまた増便されると予想され、コロナ以前の状態に徐々に戻っていくかと思います。それはそれでありがたい一方、過去の規制を経験した立場から言えば恐らく今後、もしまた同じような規制が敷かれようものなら市民の拒否感、反発は相当なものになるのではないかと予期します。
 上海ロックダウンの時も十分に感じましたが、もうあんなのこりごりだというのが本音です。自分なんかよりももっと心に正直に生きる中国人だったらもっとそうした気持ちを持っていると思えるし、もし政府が何かの理由で同じように市民の行動を規制しようものなら、恐らくゼロコロナ解除直前に行われたデモなんかよりもっと激しいものが起こる気がします。

 起こる気がすると書いて、自分でやろうとはしないあたりはさすが日本人だと少し思います(∀`*ゞ)エヘヘ

 それはさておき、今この状態になって改めて自分は歴史的なコロナ規制を経験したのだという実感を覚えます。日本国内でも一定の規制はあったでしょうが、せいぜいマスク着用が強制されたくらいで、中国における規制と比べたら鴻毛の如しだと内心思っています。それなのにマスク着用すら拒否して捕まる大学講師とか棋士とかいて、お前ら一回中国来てみろよ、どれだけ自分がちっちゃい人間かってすぐわかるぞと言いたくなってきます。
 まぁこの手の連中は、自分が殺されないとわかった上で反抗してるだけなのであって、中国での規制にはあっさり言いなりになる気がしますが。

2023年2月6日月曜日

トルコ・シリアの地震について

M7.8の地震、死者1600人以上 国境越え建物倒壊―トルコ・シリア(時事通信)

 各所でも報じられている通り、トルコ・シリア方面の地域でマグニチュード7.8という大規模な地震が発生しました。既に死者数は千人を超えているとされますがまだ混乱から実態がはっきりしないとみられ、今後被害者数はさらに増加していくと思われます。もともとトルコも地震の多い地域ですが、同じ地震大国の日本出身者としては他人事ではないだけに、深い同情感を覚えます。

 その地震に関してですが少なくともこの直近3ヶ月間程度の間、「大地震が起こるのでは?」という観測を何度か見ていました。一体その根拠は何なのかというと、端的に言えば海洋生物絡みです。
 大阪をはじめこのところ日本でクジラが湾内に迷い込み、そのまま衰弱死する事件が相次ぎました。自分が知らないだけでこういうことは何度も起きているのかもしれませんが、あまりにも時期が連続していたことから私も「何かの災害の前触れなのでは?」と思っていた矢先でした。

 もっとも日本近海とトルコでは全然場所も異なっており、その関係性を疑うのは果たしてどうかという気持ちも覚えますが、地球上で地中に最も近いと言えるのは海、それも深海であり、地底に変動があればリュウグウノツカイが浮上すると言われるなど深海魚は地震の影響を受けるという人もいます。この辺も実際どうなのかと思いますが、少なくとも東大の地震学の連中は見ている限りだと若干オカルト入っているようなことしていて、私はあんま彼らを信用していません。
 東海地震も2003年に自分が調べたときは2005年までに起こると断言しておきながらまだ何も起こらず、その間に東日本大震災も発生しています。むしろ現代の知見では予想は無理とはっきり言えばまだ信用できますが、未だに南海トラフはいついつまでになどと予想しているあたり、やっぱ信用置けないなと感じます。

 そういうことで何が言いたいのかというと、地震予知を目指す研究に価値がないとは思わないものの、少なくとも現在のアプローチはあまり資するように思えないので、判断を鈍らせるような余計な予想は避けて天才の登場をただ待った方がいいのではないかと前から思っています。
 でもって自分としては前に遊んだ「デイグラシアの羅針盤」以降、深海生物と珪素生物に妙な憧れを持っているので、前述の通り地震と関与していると思われる余地があるので、深海をこの際もっと必死になって研究してもらいたかったりします。ついでに珪素生物を屠れる重力子放射線射出装置も開発すれば中国や米国だってイチコロだ(・∀・)

2023年2月4日土曜日

米国上空の中国気球事件における中国の墓穴

アメリカ上空に飛来の偵察気球、中国政府「民間の研究用が風の影響で航路を外れた」(読売新聞)

 さて昨夜一気に話題となったこの事件ですが、結論から言うと米国の主張通りに中国の軍事偵察気球で間違いないと私は見ています。理由はごく単純で、「中国がこんなこと言うわけがない」からです。

 米国側の指摘を受け中国政府は当初は明確な回答を避けた後、夜になって「中国の民間が上げた気球がコースを外れたものだった」ということを認め、遺憾の意を示しました。ただこの回答ですが、自分の知る中国であれば絶対にこんなこと言うわけありません。
 もし実際に中国側の主張通りであれば中国政府ならきっと、「話題となっているのは民間企業の気球で中国政府は無関係だ。なのにこの問題で中国政府を批判する米国は恥知らずで、意図的に中国を悪者にしようとしている!」などと、被害者意識丸出しで米国を逆批判していたに違いありません。

 っていうか実態はどうあれ、中国はこういう風に逆ギレしてこの問題を乗り切ろうとするだろうと私は思っていましたが、意外とあっさり中国が関与していることを認めたことにびっくりしました。あっさり認めたあたり、米国に相当な証拠を握られていたか、米国以外でも相当手広くやっていたか、何かもう一つ背景があるような気がします。

 以上のような見方から、今回の中国側の弁明は正直墓穴を掘ったと私は見ています。普段の中国なら絶対にしない「民間だから……」という発言からすると、完全に軍事目的の気球だったのだろうと逆に推測できます。この墓穴は覚悟の上なのか判断ミスによるものなのかまでは分かりかねますが、少なくとも米国の主張通りという可能性が高いことだけは予想されます。

 今後の影響ですが、恐らくファーウェイをはじめとした中国企業への防諜対策としての規制がますます強化されるのではないかと思います。まぁ今回こうした歴とした証拠を握られたあたり、規制かけられてもしょうがない立場でしょうが。
 また米議会の対中半導体規制も、確実に強化されるでしょう。中国側は抗弁するでしょうが、今回の事件が仮にほかの国でも観測された場合、中国に賛同する国は減ると思います。そういう風に考えた場合、やっぱほかの国でもやってた可能性が高いのかもしれません。

2023年2月3日金曜日

日野ラグビーチームの不祥事報道について

酒席トラブルで活動停止のリーグワン日野 会見で謝罪 計600万円の支払いは否定「業者の見積もりに基づき支払い」 口止めも否定(デイリースポーツ)

 先に文春の報道で大方のあらましは知っていましたが、本日ほぼ文春の報道の通りに酒席トラブルがあったことをラグビーチームのスポンサーである日野自動車が認めました。トラブル内容の詳細については割愛しますが、これだけの大トラブルを起こしておきながら報道されるまでリーグに報告もせず黙ってたあたり、会見では口封じを否定していますが、果たして誰がこの言葉を信じるのかはなはだ疑わしい限りです。

 また文春の取材に対し日野自動車は、「本件については、解決済みであり、守秘の関係もございますため、積極的な公表は差し控えておりました」と語っていたと報じていますが、不祥事をリーグに報告しないまま解決済みと判断していた辺り、まともな価値観じゃないという気がします。素直に「隠蔽してました👻」と認めていたなら、まだ救いはあると思えるのですが。
 最近は甲子園に参加する高校野球部ですら一部を除きちゃんと協会に不祥事を報告するようになっています。それに対し高校生どころか成人の団体であり、そこそこの大企業の傘下チームであるにもかかわらず最低限の報告すらしないとは、これほどまでにコンプライアンス意識に欠けているということには正直絶句する思いがあります。それこそ文春の報道がなければこの件は一切表に出さずのうのうと活動を続けていたであろうことを考えると、異常極まりない価値観を平然と有しているように見えます。

 仮にトラブルに関わった選手はすでに解雇処分済みというのであれば公表していなかったということもまだ理解できるものの、今回の対応を見る限り、きっと無罪放免で何の内部処分も課してないでしょう。っていうかこの会見でも、トラブル当事者や隠蔽主導者への処分について一切触れないあたり、まだ何か致命的な勘違いをし続けているような気がします。

 私自身は日野自動車に対して何も因縁はなく、恨みとかそういうものも全く持っていませんが、以前に書いた「大企業病であるとはっきり感じた会社」の記事でも触れているように、今の今までにはっきりと「ちょっとおかしな会社ではないか?」と感じたのはこの会社しかありません。先のエンジン不正事件、そして今回のこのラグビーチームの不祥事発覚を見るにつけ、あの時の自分の直感は正しかったと思え、なんか無駄に自分の直感に対して自信が湧いてきますσ(゚∀゚ )オレ
 それにしてもエンジン不正事件といい、なんかわざと株価下げるような行為を繰り返しているように見えます。どっかがM&Aを仕掛けるためにいろいろ画策でもしてるのだろうか?

2023年2月2日木曜日

韓国の尹政権に対する日本の外交態度

韓国の寺、逆転敗訴 対馬仏像で韓国高裁 日本側所有権認める(産経新聞)

 この前実際に対馬へ行ってきたこともあって気になる裁判でしたが、ようやくまともな判決が出たというか、盗んだ仏像が日本に返還されることとなる判決が出ました。この事件の経緯については今回省略しますがヤフコメとか見ると、「ムンジェイン政権だったら、きっとこんな判決は出なかっただろうな」という意見が書かれており、これに関しては自分も同感です。
 逆を言えば、今の尹大統領が政権取ったからこそこうした判決が出たという風にも考えられます。こうした変化は何もこの仏像裁判に限らず、ほかの方面でも日本側へ配慮した変化が見られます。その筆頭と言えるのは徴用工裁判で、この件についても提訴された日系企業の負担なしによる和解案を韓国側が現在用意しています。慰安婦関連についても、そもそもこの運動を煽っていた韓国側の財団代表が横領していたことがばれたことが原因ですが、前と比べると確実に下火になってきています。

 こうした韓国側の動きを受け、一部報道では日本側も態度を軟化してきており、韓国に対し半導体材料をはじめとする輸入手続きを簡素化するホワイト国待遇を復帰させるのではという観測が出ています。ただこうした観測に対して、ヤフコメとかではまだ時期尚早だとか、韓国に対してはむしろ制裁を強めるべきだという意見が根強く見られます。
 もはや最近は5ちゃんねるよりも過激な意見が集まりやすくなっていると思えるヤフコメであることを考慮しても、上記のような韓国に対し不信感を抱く見方は、自分の見立てでは決して日本のごく一部の意見ではなく、多数派に属す意見だと思います。それだけに、実際にホワイト国に戻した場合はそれほど長期には及ばないと思うものの、一定の反発が起こると予想されます。

 ただ結論から言うと、韓国側の動きに対し日本側も何らかの軟化する態度をそろそろ見せるべきじゃないかというのが私の意見です。

 外交というのは基本的に「やられたらやり返す」というのが基本です。プレッシャーをかけてきたらプレッシャーをかけ返し、便宜を図ってきたらこちらも便宜を図って歩み寄るというのが常道です。こうすることにより、敵意を高める行動は互いに控え、逆に友好を深める行動はエスカレーションしていくこととなり、結果的に互いに抱える問題や紛争が徐々に緩和されていくはずです。実際にはそんなうまくいかないけど。
 それこそ以前のムンジェイン政権では日本に対する挑発、侮蔑行為を政府が率先して行い続けており、それに応じる形で日本側も輸出緩和措置を撤廃したり、対話呼びかけに対し既存問題の韓国国内の事前解決を要求するなど、プレッシャーをかけ返していました。

 結果論でいえばこうした日本側の態度は効果的だったと思え、特に半導体材料の輸出制限を強めた後は目に見えて韓国側の日本への挑発が弱まったように見えます。もっとも、関係改善には最後まで動きませんでしたが。
 また自衛隊機へのレーダー照射問題など、笑って済ませらない問題も韓国側は引き起こしていながらなぁなぁに済ませようとしたところがありました。後の調査で韓国軍内でガチでレーダーを照射するなどの挑発行為を推奨する文章が回されていたことも発覚しましたが、日米間の防衛上、あの動きは看過してはならないものだったと思います。

 ただこうした行為は前政権で行われたもので、新しくなった尹政権では少なくとも政権主導での日本への挑発行為は見られなくなりました。それどころか、韓国国内での前政権関係者のパージもあるでしょうが、日本側との関係改善を図る外交的態度が見られます。
 これまで韓国には慰安婦交渉をはじめ散々交渉をひっくり返されることが多かっただけに、正直私もこうした動きは一時的ですぐまたひっくり返されるのではないかと疑っていましたが、今の尹大統領は法曹出身者なだけ、原理原則をまだ大事にする人間ではないかと思えてきました。あっさり信用するわけにはいきませんが、ここらで日本側も歩み寄りをみせることが、双方の利益に叶うのではないかと思うようになってきています。

 日本側が韓国に対し不信感を拭えないというのは私も理解できますが、仮にこのまま韓国側の歩み寄りを無視し続けた場合、韓国国内で「日本に媚びながら何の成果も上げられない」という批判が尹政権へ向けられる可能性があります。そうなった場合、尹政権は日本への歩み寄りを止め、下手すりゃ支持回復を目当てに日本への挑発や批判を始める可能性もあります。そう考えると、まだ歩み寄りの態度を見せる尹政権を応援するために、日本側も歩み寄る価値はあるのではないかと思います。
 とはいえ、私自身も韓国の外交態度はころころ変わると信用ならないものがあるとみています。それだけに日本側が一気に歩み寄りを見せると、後でまた痛い目に遭う可能性もあるだけに、その歩み寄る距離については小幅に限定しておくに越したことはないでしょう。

 では小幅な歩み寄りとしてはどんなものがあるか。一つは、今日報じられたようにWBCを岸田首相と尹大統領が共同で観戦するなど、首脳同士の直接交流があります。一番これが無難というか、仮にこの後こじれたとしても失うものは何もありません。
 ただ、尹政権が一番欲しがっているものとしたらやはりホワイト国待遇復帰でしょう。でもって、これは日本側にとってもメリットが全くないわけでなく、半導体材料を生産するメーカーにとっては大きな収益アップにつながるだけに、どっかのタイミングで行う必要があるとは思っています。ただホワイト国待遇にした後でまた関係がこじれた場合、日本の政権(岸田首相が続けているかはわからないが)が国内から批判されることは必至です。またこじれた後で再び対抗策としてホワイト国待遇を再撤回しても、韓国側のみならず日本国内からも日本の政権が「態度が一定ではない」と批判されるだけに、日本側が韓国側のこの要求をすぐ呑むとは内心思ってません。

 これに対して自分の個人的意見を述べると、限定解除とするのがベターではないかと考えています。サムスンをはじめとする輸出管理をきちんと行っている優良企業、または日系資本の在韓企業(商社など)にのみホワイト国待遇を付与し、これらの企業は好き勝手に日本から輸入できるようにすれば、輸出管理も果たせるし日韓企業双方にもメリットがあります。また何か問題が起きた場合は、「優良企業資格の取り消し」という手段で再び輸出をコントロールすることもできるので、いざというときにも備えやすい形になると思います。
 またこの限定解除の別パターンとして、日韓両政府間で半導体材料、機械の共同監視というかモニタリング制度を設けることを、ホワイト国待遇復帰の条件とするのもいいと密かに考えています。

 実際にというか待遇撤回を行う前、一部半導体材料が不確かな経緯で韓国経由で流出していた節があり、その多くは北朝鮮などに流れていたと言われています。半導体材料に限らなくても北朝鮮への日本製製品の流出は避けたいし抑えるべきであり、日韓でこうした重要物資の東アジアにおける流通をモニタリングする制度をこの際設け、危険国への対策を一気に行うべきじゃないかと考えています。
 ちょうど米国が中国に対する半導体取引の監視や規制を強化している最中でもあるだけに、ここに台湾も参画させ、日韓台のマネーロンダリング対策も含めた輸出監視体制を一気に作ってしまう契機として、韓国のホワイト国待遇復帰を使うべきだというのが自分の意見です。

 どちらにしろ、尹政権が変にへそを曲げない前に、日本側もそろそろ歩み寄る時期が来ていると考えます。正直、ムンジェインに比べれば誰でもマシですが、尹政権が長期政権になる可能性もないわけではないので、そうしたシナリオも考慮してそろそろ関係改善に向けた態度もちょっとは出すべきだというのが、重ね重ねの自分の意見です。