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2024年12月24日火曜日

日本語が通じないJCB社員

 知ってる人には早いでしょうが、DMMなどアダルト商品を取り扱うオンラインショッピングサイトにおいて、VISAやMASTERといった外資系カード会社のクレジットカード決済が行えなくなりました。私は別にアダルト商品を買ってるわけではないですが、電子書籍はDMMで普段から購入しているだけに、この決済妨害によって難儀する羽目となっています。
 っていうかDMMはアダルト部門にFANZAという別のブランド作ってサイトページも分けたりしましたが、全く無意味な行為として終わってます。

 一応、直接決済するのではなくDMMポイントをクレジットカードで購入してからポイントで決済するやり方なら今でも通じて、私もこれで書籍を購入して読んでいますが、やはり以前のようにクレジットでワンクリック決済する方が手軽で楽なだけに、今後完全に決済サービスを打ち切ってくる可能性もあると思い、尚も決済サービスを提供してくれているJCBのカードを作ってこれからこっちで決済しようかなと検討していました。
 ただJCBのカードを作るにあたって問題となるのが、地味に審査です。というのも私は現在上海に居住していて、勤務先も中国企業です。規模で言えばJCBなんかとは比べ物にならないくらいでかい組織だしブランド力もJCBより上ですが、基本的にクレジットカードの審査では国外企業は一切信用できない対象として扱われ、審査ではねられるということを聞いています。今私がいる組織よりも、日本国内のブラック企業で働いている人の方がクレジットカード会社的には信用が高いそうです。

 ぶっちゃけこの辺、カード会社の信用調査は全く裏付けがないし、カード作った後にすぐ会社辞めても作られたカードはそのまま使える点とか色々おかしいという気がしてなりません。

 話を戻すと、以上のようなかなりハンディのある状況ですがネットで調べたらJCBに直接問い合わせて、海外居住でもカードが作れるという確認をした人の記事が見当たりました。ちょうど来月からまた日本に行くのでワンチャンでチャレンジにかけてみようと思い、まずJCBのサイト上でカード申請をしてみることとしました。
 結論から言えばこの方法ではやはりだめでした。入力画面で勤務先はとやかく聞かれなかったものの、連動する銀行口座の登録住所が海外住所になっているため銀行側のシステムで「未対応です」的に弾かれました。何年この口座使ってて、数百万単位の預金額入れてんだよという気がしますが。

 ならば直接ウェブサイト上からではなく別の書類提出などの手続きで、JCBカードを作ることはできないものか。この点を確かめるため問い合わせフォームに下記質問を入れてみました。

<質問>
現在海外に居住していますが日本に拠点、銀行口座などがあり、JCBカードの新規申し込みを検討していますが、オンラインでの入会申し込みだと銀行側のシステム確認において海外居住がネックとなり弾かれてしまいます。
近々日本に行く予定があるのですが、店頭などでカードの発行手続きを行うことはできないでしょうか? 

 上記の質問に返ってきた答えがこちらです。

<回答>
このたびはお問い合わせいただきありがとうございます。

JCBカードのお申し込みについてご案内します。

ご希望のカードを特定できないため、一般的なご案内となりますが、弊社ではJCBカードを申し込みできる店舗をご用意していません。ご了承ください。

 この回答見て思ったこととしては、「海外在住者だけどカード発行できるかと聞いてんのに、なんでこいつは店頭手続きができるかどうかにしか回答してないんだ?」という疑問でした。店頭手続きはあくまで手段の一つとして聞いてるのに、肝心要の質問には答えないあたり、日本語が通じていないという隔たりをはっきり感じました。

 でもって、こんな回答よこすあたりJCBはよっぽどまともな人材いないんだなと思うと同時に、以前にも最近の日本人の国語力低下を嘆く記事書きましたが、真面目に日本人の能力低下ぶりは笑えないように思え、ちょっとその将来を不安に感じてきました。

 今回の話はまだまだかけるというか決済機能問題は根が深いのでまた次回にまとめます。

2024年12月23日月曜日

日系車とは比較にならないドイツ車の中国販売落ち込み

 日産とホンダの経営統合について今日会見が行われ、自分が思って退場に話が進んでいることに色々驚きました。自分が最も障害になると思ってたルノーも意外と乗り気で、マジでこのまま統合が成就するのかもしれません。
 もっとも今日ゴーンも言っていましたが、統合の効果はそこまで大きいとは思えず、せいぜい日産がホンダのハイブリッドエンジンを手に入れられるということくらいじゃないかと思います、EVはホンダも日産もあんま上手くいってないし、三菱は余計なお荷物にしかならないだろうし。

 っていうか三菱はランエボをSUVで出すと言ってもうかなり年数経っており、彼ら自身も自らの発言を覚えているかも定かではありません。

 さてこの日産とホンダの統合ですが、背景としてはこれまで稼ぎ頭であった中国市場における急激なシェア低下、不振も一つの理由として挙げられています。この辺自分も以前までは細かく追っていましたが、両社ともに中華系のEV、というよりBYD1社に中国市場では食われ続けており、今後以前ほどの販売台数に到達することはおろか、右肩下がりでシェアを落とし続ける気配を見せています。
 トヨタもシェアは落ちてはいますが、それでもこの二社に比べれば中国市場においてはまだマシというか、ブランド力を感じます。

 ただこの日産とホンダ以上に中国市場の不振が目立つのは、独VWと米GMです。どちらもかつてはその合弁会社が中国市場販売台数で不動の1位、2位を、恐らくまともな統計開始以来ずっと維持してきましたが、2年前にBYDに首位の座を明け渡してからはどんどんとシェアを落としまくっています。
 特にVWは満を持して投入したEVがBYD以外のメーカーにも歯が立たず、勢力挽回の起爆剤になるどころか売れないお荷物として足を引っ張る有様です。マジで街中で見れたら今日はラッキーと思うくらいVWのEVは上海でもレアです。

 その上で、日系二社と比べるとこのドイツ系の中国市場落ち込みの打撃は段違いに大きいです。というのもVW、あとGMも中国ではこれまでそこそこ大きなシェアを持ち続けていましたが、それだけにシェア喪失の打撃は大きく、遊休生産能力の幅も大きければぶら下がっている部品サプライヤーも相当な打撃を被っているように見えます。ぶっちゃけ今の状況、日系勢はまだマシだと言えるくらいです。
 そうした状況を見ているだけに数年くらい前から私はドイツの経済がやばいと唱え続けていましたが、今現在を見ても日本の報道では足りないくらいに深刻さを増しているように見えます。場合によってはVWは傘下ブランドを売りに出す可能性もあるように思え、市場の構成もリーマンショック以来の再編期を迎えるかもしれません。

 でもってGMに関して言えば、これからトランプ政権になって中国での風当たりはますます強くなるだけに、下手すりゃ市場撤退もあるかもしれません。お世辞にも、今でも売れてるように見えないし。
 最後に日系に関しては、トヨタは恐らく中国で今後も事業を続けられると思います。ただその部品サプライヤーは中国事業は維持できず、今後は撤退などして日本から部品を供給していくことになるかもしれません。トヨタも下手すら輸出車を中国でメインに売ることになるかもしれません。

 冒頭の日産、ホンダ連合に関しては、現在においても主力車がない、というかそもそもこの二社はまともな新車をこの数年あまり出していないだけに、中国市場以前に日本市場でもフェードアウトが続くような気がします。

2024年12月21日土曜日

ナベツネの逝去とこれからの新聞社

 ナベツネこと読売新聞主筆の渡辺恒雄が逝去して彼に関する記事が色々出ていますが、なんかどれも微妙というか、昭和期の政界に関与した話とかプロ野球1リーグ制構想とか過去の話ばっかしか出てこず、私の読みたい話は出てきません。では具体的にどんなのが読みたかったのかというと、これから新聞社はどうなるのかって話です。

 確か「2050年のメディア」に書かれていたと思いますが、毎年年始のあいさつでナベツネは「これらからも新聞社は不滅だ」的な言葉を毎年述べていたそうなのですが、数年前より「もうだめかもしれない……」みたいな弱気な発言を、急にするようになったそうです。これには読売新聞の社員らも結構動揺し、「あのナベツネが?」というくらいの衝撃で、ぼんやりとした不安が危機感へと変わっていった話が載せられていました。

 ある意味、ナベツネが活躍したころは日本の新聞社が最も元気な頃と言っても遜色なく、そのシンボリックな存在、少なくとも新聞社関係者としては最も日本で知られた人物であったナベツネの今回の逝去は、日本の新聞社にとっても結構大きなターニングポイントになるように思えます。それだけにこれから新聞社はどうなっていくのだろうかという話を、今回の逝去報道ともに誰かしてくれないかなと期待していましたが誰もしませんでした。

 折しも例の兵庫県知事選挙にてSNSを中心としたニューメディア、新聞やテレビを中心としたオールドメディアの比較が激しく行われています。私自身としては「オールドメディアはもう古くて駄目だ」と二項対立的に批判する人間はその時点で問題だと思うか相手にしませんが、オールドメディアも記者クラブ制度をはじめ問題が多いということは否定しません。逆にニューメディアは権威がなく、彼ら自身が誤報を流したしても誰も責任を取ろうとしない体制から、オールドメディア完全上位互換にはならないと考えています。
 これ以上長く書くと収拾つかなくなるので止めますが、一言で言えばニューメディアとオールドメディアの長所短所を踏まえて、両社の報道を取捨選択できないのであれば報道がどうこうと議論する以前の話でしょう。

 話を戻すと新聞社に関しては、ビジネス的にはもう完全に破綻した商売です。日経新聞なんかは別ですが、購読料や広告料ではもはや自立した経営は成り立たず、旧メディアの多くは不動産収入で報道事業を支えているようなもので、いうなれば「不動産会社が報道事業もやってる」状態です。
 これは逆を言えば、従来の新聞社以外もしっかりとした報道体制を揃えれば同じようなメディアを持てるともいえることで、実際に自社PRを目的としたオウンドメディアを持つ企業が増えており、これらオウンドメディアの中から本格的な報道を行えるくらいに発展してくるメディアも出てくるかもしれません。弁護士事務所なんかは、いい編集要員揃えたら一気に行ける気がするし。

 またまた逆を言えば、もはや従来の新聞社がメディアとして残り続けるいわれはないようなものです。ただ新聞社にも役割は残ってるというか、記者人材の育成機能は彼らが大きくになっており、基本的に日本の報道関係者は新聞社またはその関連人材が育成しており、こうした人材育成の場としての役割はまだ強いです。
 それだけに新聞社が今後ますます弱くなっていった場合、日本の報道人材はどうやって育てるのか、下手すりゃ自分を記者と自認する半端者が中途半端でおかしな報道をやるようになるのではないかというのが私の懸念です。この懸念を晴らすためにも、欧米みたく日本も大学などに最もメディアコースを用意して、在学中から学生新聞やウェブサイトを発行させて報道人材の育成を図るべきでしょう。つっても今の日本のメディア学部とか見ていても私の目からすればどれもパッとしないんですがね。

 そういうわけでナベツネはまだ、新聞のある時代に死ねて彼としてもよかったのではという気がします。しかしこれからは新聞はともかくとして新聞社はどうなるのかというのが本当に大きな問題になり、上記の報道人材の育成、半端なメディアの淘汰などを含めもっと日本社会で考えていくべきでしょう。

2024年12月20日金曜日

中二病男子の部屋

 ……やっちまったよ(´・ω・)















































 ちょっとわかりづらいかもしれませんが、上の写真は今の自分の部屋のベッドを写したものです。そう、布団カバーを何を思ったのかSu-57が描かれたカバーにしてしまったのです。

 一体何故こんな風にしたのか某ベジータ風に語ると、「勘違いするなよカカロット。今まで使っていた布団カバーがもう何年も使っててくたびれてしまい、そろそろ買い替え時かなと思っていた矢先にタオパオのおすすめに表示され、値段も約2000円とお手頃だったから買っただけで、決して戦闘機が好きだから買ったわけじゃない」といったところです。
 初めてこの言い回しを使ったけど、「勘違いするなよカカロット」はツンデレセリフの枕詞として非常に優秀だと確信します。

 ちなみに柄はF-22もあったけどあっちは寝具に使うにはやや明るすぎる青空色が強かったため、戦車はドイツ贔屓なくせして戦闘機はロシア贔屓なうちの親父と違ってSu-57こと「5th Generation Fighter」はそこまで好きじゃないですがこっちにしました。

 昨夜届いてかなりウキウキにセットしましたが、見た目のインパクトが強いのと部屋の半分以上をベッドが占めているだけに、これ一つ変えただけで部屋全体の雰囲気が変わるというか模様替え効果がでかいです。でもってこれのせいで自分の部屋が如何にも中二病真っ盛りな男子の部屋っぽい雰囲気を纏い、自分もなんだか童心に返った気がします。
 もっとも布団に限らないというか、今の自分の部屋にはこれまで組んだプラモデルが所狭しと並べられており、パソコンデスク一つとっても戦闘機2台、戦車・機動車両が3台も乗っかっています。そのほかあちこち置けるスペースがあれば置いており、戦闘機も戦車もそれぞれ10台以上は配置されています。置き場所ないから洗面所は当然、衣装棚の中にも何故かトヨタ・bBとF-20タイガーシャーク入ってます。

 いい年こいて自分でも何やってんだという気がしますが、値段的に布団カバーは明らかにニトリのカバーよりもお値段以上というか安く、また毎日眺める代物なだけに、好きな柄にした方が心理的に絶対いいはずです。色もダークグレーで落ち着いてるし、寝具ってのはこういうのじゃなきゃと思うので、後悔してません。肌触りも悪くないし……。

 そうは言いながら我ながら今の自分の部屋の趣味性の暴走ぶりには呆れています。プラモデルも戦車や戦闘機が一台だけおいてあるならその複雑な構造と存在感からインテリアとしてすごくよくなるとは思うものの、二台、三台と増えていけば「なんやねんこいつ(;゚Д゚)」的な台無しなインテリアになること間違いなしです。それをあまり客人が来ないからと言ってやってしまい、こうして布団までも変えるのは中二病も男子でもここまで来ない気がします。

 ただ敢えてもう一つ言い訳すると、人間というか人生において「慣れ」という感覚は結構危険というか、あまりにも変化がないと楽しい行為が楽しく感じられなかったりするなど悪影響が強いと思います。そういう意味では部屋の模様替えというのは「慣れ」に囚われた感覚を一新する強い効果があり、やりすぎも問題ですが定期的には今までの常識を崩すようにやった方がよく、その点で寝具は毎日目にすれば肌にも触るし、新しいとそれだけで睡眠が気持ちもよくなるので模様替えの対象としては格好の対象だと思います。まぁ買い替えすぎて無駄に捨ててしまうのも問題ですが。

 なおこれまで使っていた布団カバーは捨てる気はなく、洗濯した後で保管し、また定期的に使おうかなと考えています。破れたりしたらさすがに捨てるでしょうが、あれもまだまだ使えるはず。

2024年12月19日木曜日

やっとナベツネが死んだ

 故人に対してこういうのもなんですが、読売新聞主筆のナベツネこと渡辺恒雄の逝去報道を見て「やっと死んだか」という感想が真っ先に頭をもたげました。

 こんなこと言いながらだと信じてくれないでしょうが、彼の記事は昔読んだときはその迫力の強さに驚き、ライターとしては間違いなくとんでもない実力者だとかねてから感じていました。しかし一個人として見た場合、特に彼のプロ野球界で行ってきた行為を振り返るとそのすべての方針なり施策は日本のプロ野球人気を落とし続け、自前の巨人ですら人気を貶めていたとすら感じます。そもそも記者が書いた記事によってではなくそうした活動で名前が知られること自体が本末転倒だと私は思っています。

 振り返ると平成初期から中期にかけて、Jリーグ発足によるサッカー人気に食われたという点もあるものの、この時期に日本のプロ野球人気、市場規模は右肩下がりでした。この間にオーナーという立場で好き勝手やってきたのがまさにこのナベツネで、特に逆指名制度こと希望入団枠の導入は廃止した今になって誰も再興を望まないあたり、完全な失敗だったように思えます。
 また20年目の節目ということでこのところよく取り上げられている2004年の近鉄球団売却に伴うプロ野球再編騒動においても、ナベツネは10球団1リーグ制を主張していますが、現在のパリーグの隆盛ぶりを見るにつけ先見の明がない方針だったと言わざるを得ません。

 なおその再編騒動において当時選手会長の古田氏への「たかが選手発言」に関して、これがナベツネの失墜要因になったという声をたまに見ますが、私自身は当時を思い出すにつけかねてから暴言の多い人物だっただけに何も驚かなかったし、元から反感も持っていたので新たに反感を覚えることもなかったです。
 むしろ同年に発覚した一場事件こと学生選手への栄養費を渡していた事件の方が、野球界におけるナベツネの影響力低下で大きな役割を果たした気がします。ちなみに当時に各球団が一場氏に出した金額は、

チーム金額
巨人2,000,000
横浜600,000円
阪神250,000円
広島2,000円

 という、広島の桁違いの金額ぶりに逆に驚いてました。

 話を戻すと、昭和の若いころの活動はあまり知りませんがこと平成期においてはナベツネはプロ野球界のガンそのもので、彼がいなくなってからというものパリーグ人気は高まり、黒字球団は巨人と阪神しかなかったのが今やほとんどの球団が当たり前のように黒字化を達成するようになり、そして選手もまた米国代表にすら負けないしメジャーでも活躍する選手を何人も排出できるようになるなど、あらゆる方面で拡大を続けています。別にナベツネ一人の責任だと私も思ってるわけじゃないですが、プロ野球界にとってはいない方が絶対マシだった人物ではあると断言できます。

 そういや書いてて思いだしたけど、第一次政権の原を追放したのもナベツネだったな。最終的にはその後の、「加藤の乱」と並ぶ平成二大反乱に勝手に入れている「清武の乱」で完全に止め刺されましたが。
 ちなみに自分はよく「いい人ほど早く死に、悪い人ほど長生きする」と話してますが、この例にナベツネをよく使ってましたが、これからはまた別の人間探さないといけません。

2024年12月18日水曜日

日産とホンダの経営統合報道について

 会社で無茶な業務を回される旅に心の中のボビー・オロゴン氏が「おめぇふざけんなよ」と言いますが、このところボビーはすっと言い続けているような気がしてなりません。

 話は本題ですが今朝からずっと日本を騒がせている日産とホンダの経営統合ニュースについて言いたいことを勝手に書くと、これは成立しない可能性の方が高いのではとみています。その理由というのも日産のアライアンスパートナーのルノーはかねてより日産に対する支配を強めようという意向が強く、第三者の資本算入について否定的だからです。
 今回の報道を見ていると誰もルノーの立場や姿勢について言及していませんが、逆を言えばルノー側はこのホンダとの提携について把握していない可能性が高いように思え、そうであればルノーはこんなの以ての外だと止める、または妨害すると私は考えています。どっちにしろルノーが賛同しない限りは、現在の資本構造から言ってこの話は成立しないでしょう。

 なお中国では日産もホンダもアライアンスパートナーは東風自動車なので、東風グループ内の再編という形で逆に丸く収めやすいと予想します。コンサルなんかは今頃もうすでに、中国での事業統合、資本再編コンサルの提案資料を作っていることでしょう。

 ここで話を変えてこの経営統合についての所感を述べると、さっき見た掲示板で野球に例えると「中日と横浜が合併するようなもの」というたとえがありましたが、非常に言い得て妙な感じがしました。その上で、仮に統合したところで得られるメリットはあまり多くないというか、すごく強い会社が生まれるわけでもないと私は見ています。

 販売面に関しては、ファミリー層に強いホンダと法人や男性層に強い日産という風に私は見ており、顧客層が被っていないためある程度の相乗効果は得られるようには思えます。ただ製造面というか商品開発に関して言うとこのところ両者ともにまともな新車を出しておらず、ホンダはNボックス依存症が非常に強く、日産はそもそも新車すらまともに作れない状態で、この二つがくっついたところでどうなんのと思う有様です。
 まだマツダやスバルの方が、新車開発では力持っている気すらします。

 一応、軽自動車で言えば日産傘下の三菱とホンダで相乗効果あるかもしれませんが、その三菱もサクラ全然売れてないと聞くし、そもそも三菱の存在価値なんてないので統合する意味なんてもはやないでしょう。その点で言えば日産はホンダのハイブリッド技術が使えるようになるならましかもしれせんが、技術があっても自動車商品が作れない現状だと宝の持ち腐れになるかもしれません。
 まぁ「GTR typeR」は作れるようになるかもしれないけど。

 でもってこの報道が出た直後、「うちも買いたいんだけど……」と横やり刺してきたのが鴻海です。EV事業やりたいなどと言っていますが中国本土のEVベンチャーではなく日産買収に名乗りを上げる辺り、本当に金持ち余してんだなという風に思いました。その上で、私個人的にはホンダより鴻海に日産は買収されてほしいという気持ちがあります。
 何故かというと今後日本の自動車産業はもはや主力産業としては続かないと見越しているからです。恐らくトヨタという会社は残り続けるでしょうが、日本全体で自動車産業が主力産業として残っていくかと言えばそうはならず、どんどんと縮小し続けると早くもあきらめています。であればまだ買いたいと言ってくれる人がいるうちに、なるべく外国資本に売ってそのお金で日本は新たな産業の育成にチャレンジした方がいいとすら考えています。

 さらにいうと、別に日本に限らずドイツもVWが苦境にあるなど世界中で自動車、というより大手完成車メーカーはトヨタを除いて苦しい状態が続いており、自動車産業が世界中で花形だった時代は意外ともう越しているのかもという気がします。もちろん自動車は今後もなくならないだろうし産業も続くでしょうが、かつての家電のようにコモディティ化して、ビジネスとして大きな存在であり続ける未来はそんな長くないような気もします。続くとしても前述の通り、トヨタなどの有力メーカーが残ってほかはどんどん淘汰されることになるでしょう。

 特に日産もホンダもこのところの経営は芳しくないというか、ホンダはまだジェット機など別事業も育ちつつありますが、日産に至っては前にも書きましたが売れる車ないのにどうしてまだ存在しているのか疑問に感じるレベルです。それだけに淘汰の可能性も高いと感じており、どうせ消え去るなら高値で売り抜ける今のうちじゃないですが、日本市場をトヨタが独占することになるのは望ましくはないものの、中途半端に日産ホンダ連合ができるよりかは外資に買ってもらって、この際産業として整理された方が日本の未来にとってはいいんじゃないのかなというのが本音です。

2024年12月15日日曜日

地政学からモンゴルを見てみる

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当時、取っ付き難かった会社の上司に突然「俺の家に来ないか?」と誘われ、断る事も出来ずに休みの日に行ったら、バーチャ2の筐体があって震撼した。 「お前バーチャ好きだって聞いたから、存分にやって良いぞ」といわれ、その日から急に仲良くなった。 あの筐体、確かバーチャ2の基板込で160万円位って聞いた記憶がある。 クルマ買うのと同じ位なんだなぁと思った。


 本題と関係ないけど、この記事の上のコメント見た時「こんな上司いたら惚れてまうやろ」と思いました。

 さて話は本題ですが、絶対に覆すことのできない地理的位置を柱にして政治や外交を議論する地政学の話において、よく「日本は地政学的に非常に不利な国」であるという主張を見ます。何故かというと日本は米国と中国(またはロシア)という超大国に挟まれているからというのが大方の理由なのですが、こういうコメントを見ると「お前ら政治舐めんなよ(´・ω・)」と言いたくなります。
 そもそも米国とは果てしない太平洋を間に挟んでおり、実際二次大戦時もそれによってサイパン陥落までは空爆を受けずに済んでいます。また中国についても同じく日本海を挟んでいて、なおかつ韓国も間にあり、そこまで直接的な干渉を受けずに済む位置にあります。ロシアに至っても、シベリア自体が一種の緩衝地帯と言っていい不毛地帯だし。

 むしろこの議論については他の国と比較した方が早いです。先ほど出てきた韓国なんかは朝鮮戦争も経験するなど米中露に挟まれるという悲哀が現実化しており、また北朝鮮というカルト国家とも対面しているため、私的には認知的不協和だと思いますが親北朝鮮的立場をとる人が内部からも出てしまっています。
 また完全キチガイ国家のロシアと直接陸地で接触するフィンランド、そしてハンガリーやルーマニアといった東欧諸国の悲劇と比べるならば、日本の地理的位置が何が不利なんだと言いたくなってきます。ああしたキチガイ国家と陸地で接していないことがどれだけ幸福なのか、それに気づけないのははっきり大バカ者もいいところだと言いたいです。

 その上で、地政学的に本当に不幸というか大国に翻弄されるのを余儀なくされる立場にあると思うのがモンゴルです。かつては世界帝国を成したこの国ですが、19世紀にはいると中国(当時は清)とロシアの露骨な干渉を受け、その流れを受けて20世紀初頭の中華民国成立時に中国寄りの内モンゴルと、ロシア寄りの外モンゴルに分かれることとなり、何度か統一しようという動きもありましたが現在も領土が分かれた状態のまま続いています。
 そもそも中国とロシアという極端に領土意識が強くで実質この分野でトップ2みたいな国同士に挟まれている時点で、いろんな意味で選択の余地のない国であると本当に同情します。モンゴルと比べたらどれだけ日本が幸せなのかと感じるとともに、この両国に挟まれるモンゴルはどのように外交を取っているのか、それこそ中立化政策で独立を保ったフィンランドのように色々尊敬心が湧いてきます。


  そんなモンゴルと日本の関係ですが、やはり朝青龍や白鵬をはじめとする力士を輩出するなど相撲での関係が最も色濃いです。ただ相撲に限らず、上記動画のように騎乗で弓を射る日本風に言えば流鏑馬でも同じ文化を共有しており、元寇で戦った中とはいえ地味に伝統芸能で共通するものが多い国だったりします。
 実際、モンゴルの側から見ても日本は相撲での関係から非常に親近感が高いと言われています。その上で個人的意見として述べると、日本はモンゴルと関係を強化し、互いに支援しあう価値は非常に高いように感じます

 これは何故かというと、一言で言えば中国とロシアの間にくさびを刺せるからです。前述の通りこの二ヶ国は領土に対する意識が現代世界においてかなりおかしい水準にあり、いまだに19世紀の拡張主義を持ち続けています。中国に言わせれば東アジアはすべて中国領土、ロシアに言わせればロシア人がいればそこはロシア領土といったところで、行く先々でトラブルを起こしまくっている連中です。

 そんな領土欲のおかしい二ヶ国に挟まれているのがこのモンゴルですが、ある意味挟まれているからこそ、政権は長年感傷を受けてきましたが独立を維持できた面もあります。中国とロシアはともに相手を刺激せず、且つ緩衝地帯としてモンゴルを見ていた節があり、内モンゴルこそ中国の自治区、外モンゴルはロシアの衛星国として扱い、完全支配にまでは持ち込まず、且つむやみやたらな統一も互いに進めませんでした。
 現代において両国が外モンゴルことモンゴル共和国をどう見ているかはあまり把握していませんが、そこまで国際影響力がなく、先日にプーチンが来た時もIOCの逮捕状について「わかってくれ……」とモンゴルの首脳が述べるなど、強く抵抗できない立場の弱さが見られました。

 ある意味、こうした立場が弱い、政治や経済基盤が弱いからこそ北朝鮮のように緩衝地帯としてモンゴルは扱われている節があり、これが逆に国際社会で存在感が強かったら、恐らく今のようにならないのではという気がします。具体的には、中国とロシアが互いにモンゴルを自分の味方へ引っ張り込もうとし合うのではないかと思います。

 領土欲の強いこの二ヶ国なだけに、間に挟まれたモンゴルが国家として今より大きくなれば、その帰属をめぐって必ずや争いあう、少なくとも相手に対する意識に反感を覚えだすだろうと私には思います。三国志の二虎競食の計じゃないですが、中国とロシアの関係を今より悪くしその連携にくさびを刺すためには、モンゴルが国としてもっと大きく成長してくれることこそが最も直接的な手段になるのではと私は言いたいのです。
 言うまでもなく、中国とロシアの関係悪化は日本の防衛にとってプラスにしかなりません。一方、モンゴルが軍事的プレゼンスを高めたとしても、国境を接していない日本にとってマイナスになることは一切ありません。

 以上を踏まえると、日本が本気で支援し、なおかつ関係を深める相手としてモンゴルは地政学的に見たら非常に重要であるような気がしてきました。相撲や流鏑馬などの文化的交流を通して関係も悪くないし、モンゴルが強くなればなるほど中国とロシアが勝手に争いあうのだし、もし日本が支援するとしたら現在の裏否を除けばモンゴルこそが一番価値があるように見えます。
 支援の仕方も、モンゴル人だけ相撲部屋の外国人入門制限を取っ払う優遇を与えれば、力士を通してそこそこの金額を直接モンゴルに送り込むことができます。この方針を実現するためにも、日本政府は相撲強化に圧力をかけ、早く白鵬を協会会長に据えるべきでしょう。そしたら相撲界はモンゴル人ばかりになるという人もいるかもしれませんが、角界は「力こそ正義」ことパワーオブディスティニーだと私は思っているので何も問題ありません。

 もっとも、朝青龍が理事になったら先が読めなくなって怖いですが。見てみたい気もするけど。


 最後に流鏑馬ですが、この人もやってたりします。っていうかこれ本当にカオスな動画だと思う。

2024年12月14日土曜日

電波攻撃!?


 本題と関係ないですがなんか最近上二つの記事がやたらアクセス稼いでして、まるで自分のブログが撤退ニュースを専門的に扱うブログのような気がしてきました。

 それはさておき今日は映画「グラディエーター2」を朝から見に行こうとしていたけど、近くの映画館では何故か上映していなかったので朝から掃除してからパソコン使ってたところ、突然後ろから「ピピッ!」という電子音がしました。電気毛布こそ使ってはいたもののこんな電子音はなる機能はないだけに、一体何が成ったのかとあたりを見回したところ、ある家電が妙な動きを見せていました。

 それは何かというとエアコンでした。知ってる日には早いですが冬のこの時期、私は一切エアコンの類を動かすことはなく、リモコンも引き出しの奥にしまうほどです。それが一体何故動いたのか、考えられる理由としてはどこかから飛んできた電波の周波数がピタリと合ってしまって誤動作することくらいしかありません。
 しばらく見ていると排気口の口が上下するだけでそれ以外にはこれという動作は見当たりませんでした。この中途半端な動き陽からも上記の推測通り、なにがしかの電波を受けて起動だけしてしまったのでしょう。

 ただこのまま放っておくことはできないのでリモコンを引き出しの奥から取り出し、電源オフの信号を送ったところ素直に受け取り、元の状態へと収まりました。なんかこの一連のやり取りやってて、電波攻撃を受けたかのような感じがしました。

2024年12月12日木曜日

攻撃性の源泉は大体が被害者意識

 昨日中国人の同僚とランチの最中、最近の不況からくる社会のギスギス感について話をしていたら、「今の中国人は失業者が多く、自分が被害者だと思っている人が多い。だから攻撃的になる」という話をされ、至極その通りだと感じました。

 被害者意識とは読んで字のごとく自分を被害者だと考える意識ですが、あまりこのように言う人は見ないものの、私は人間が攻撃性を持つ端緒の多く、9割方はこの被害者意識に端を発すると考えています。具体的には、「自分はこれだけひどい目にあったんだから、お返しにこれくらいしてもいい」というような心理の運びです。

 仮にこれが自分に直接被害を及ぼした相手、例えば詐欺の犯人だったり直接暴行してきた相手なら全くわからないわけではないものの、相手を「社会」などと捉えて第三者に向かうとしたら、その当人はもはや被害者ではなく加害者となります。しかし現実にはこのように八つ当たり気味に第三者へ被害者意識をばねにした鬱憤を晴らそうとする者は多く、私自身も最近は減ったけど物に当たることがあり、むしろ直接的な加害者へ向かうことの方が少ない気がします。

 それどころか、ほとんどすべての攻撃的行動というか攻撃性は被害者意識から始まるように思います。昨今の戦争も「向こうから攻撃してきた」、「弾圧してきた」というものを口実に行われており、被害者意識を募らせるか否かがその人の攻撃性すら左右するのではないかとも思います。
 しかし先述の通り、たとえその被った被害の直接原因者が相手だとしても、やり返した時点でその人は加害者となります。しかし被害者意識があると自分が加害者とはあまり感じなくなり、それ故に暴力というものがエスカレートしていくようにも見えます。総じていうと、被害者意識は人を暴力に掻き立てるうえでかなり直接的な役割を果たすだけに、むしろあまり持たない方がいいようにすら思うわけです。

 反対に、「自分は加害者である」といった意識を持ち、それが自分は悪い側にいると思うことは攻撃性を抑える効果があるように思います。キリスト教の贖罪意識などもこれに当たるように思え、あまりにも持ちすぎるとかつての日本の自虐史観につながりかねないのでよくないのですが、少々の加害者だと自認する意識は持っといた方が当人にとってもいい気がします。
 たとえ実際に周りに加害行為を行っていないとしても、知らないところで迷惑をかけている、行動を常に慎まなければならないという心持ちは重要でしょう。逆にくどいですが、自分は常に被害者だという被害者意識はどんどんと行動を先鋭化させる可能性があるだけに、可能ならば持たない、損をしても「なんぼのもんじゃい」とあまり気にしない人間であった方が得でしょう。

2024年12月10日火曜日

老人に席を譲らなくなってきた中国

目立った材料はないのにこの1年で「劇的悪化」した中国人の対日感情、背後にあるものの“正体”(JBpress)

 自分の古巣のJBpressの記事ですが、毎度ながら近藤さんの意見は自分も同感です。

 先日の国際調査によると、中国人の対日感情は何故かこの1年で劇的に悪化しています。しかし福島原発処理水の海洋放水直後ならまだしも、この1年間はむしろ目立った日本関連イシューがなかったにもかかわらず去年より悪感情を持つ中国人が劇的に増えました。
 この点についてこの記事のヤフコメを見ると、「調査がおかしい」、「元から日本嫌いの中国人が多かったのだろう」などという意見をよく見ましたが、私としては前述の通り近藤さんの意見と同じくし、「特に根拠はないけど、社会不安からくるイライラを日本批判にぶつけている」というのが真相だと考えています。なんか自分で言ってて後だし孔明っぽいけど

 この辺、今の中国を実際に見ているかどうかでその実感は変わってくるのではないかと思います。度々このブログでも書いていますが中国の現在の不況ぶりは日本の報道では全く伝えきれておらず、また去年の今頃と比べても暗い雰囲気が一層増してきているという感じがします。マジで生活しているだけでもストレスを感じるくらいで、あの開放的だった空気はどこへ行ったのやらと思うほどなんか社会がギスギスしています。

 そんな中国の変化というか気になる点として、あくまで個人の見解ですが、なんか依然と比べて電車やバスの中で老人に席を譲る人が減ったというかいなくなったような感じがします。かつてはそれこそ一番槍を争う猛将らのように、老人が乗り込むや我先に「お席をどうぞ!」と席を譲る人で溢れかえっていましたが、なんかこの1年を振り返るとたまたまその場面に出くわさないだけかもしれませんが、そうした席を譲る行為を全く見た覚えがありません。
 また少子高齢化のせいか、席を譲る若者の数自体も減ってきている様にすら感じます。

 無論私の勘違いかもしれませんが、なんか中国は依然と比べて互助の精神が急速に消失しつつある気がします。なんか電車とか乗っていても周りを気にせず一人で座席スペースを大きく占領する人も増えているし、やたら近くの人と服とかが擦れ合うのを極端に避けようとするなど、対人接触を変な風に避ける人が増えてきたとも感じます。当然、見ていてあまり気分はよくなく自分もストレスがもりもり溜まってきてます。

 もっとも中国のことを日本が言える立場でもなく、何か事件報道が出ると「実名や住所、会社名を出せ!」と、お前が知ったところでどうなるんだよと言いたくなるようなコメントをまき散らす人が依然多いです。なんか自分とは無関係だけど社会的に制裁しないと気が済まない、というより自分のストレスの捌け口に叩いても許されそうな人間を制裁しようとする人が多く、集団メンタルヘルスを日本ももうちょっと強化した方がいいと常に感じています。

 ただ中国に戻すと、現在楚の捌け口に日本が使われ中国政府もそうしたヘイトが向かうことについて何も対策採っていないわけですが、多分このまま放っておけばどんどんヘイトがたまり、ある一点に達したところで中国共産党批判に転換すると確信しています。何故なら失業がなく安定した地位と報酬を得続けているからです。
 それを踏まえて言うと日本にヘイトを向けさせるよりそのヘイトを解消する方向に中国政府も努力すべきでしょうが、なんかその辺の自覚がなく無駄にヘイトを高め続けているように見えます。ただ早けりゃ来年くらいにも大きな事件とか頻発しそうで、あんまり与したくはないけど中国への渡航は危険だと叫ぶ一部日本人の意見には若干同感だったりします。

2024年12月8日日曜日

シリアのアサド政権崩壊の衝撃(;゚Д゚)

 今日は司馬遼太郎になった気分でモンゴルについてモリモリ書こうと思っていた矢先、昨日にも取り上げたシリアで大きな動きがありました。いや大きな動きと言っていいのか、これまで長年独裁を続けてきたアサド政権が一気に崩壊してしまったようです。

 現在出ている情報によるとアサド大統領はすでに首都を脱出しており、その行方は現在わからないとのことです。その首都ダマスカスにも破竹の勢いを続ける反乱軍が押し寄せており、現時点で既存政権崩壊と言ってもいい状態です。今後はどうなるかはまだまだ分かりませんが、ロシアやヒズボラの状態を見る限り短期間でのアサド大統領の復権は絶望的でしょう。
 ちなみに昔のペルソナ2では「騙す粕ソード」って武器がありました。

 シリアの情勢は今後反乱勢力同士で権力争いが起こりまだまだ安定への道は遠いとみられますが、それ以上に今回の政権崩壊の影響を直撃するのはロシアでしょう。ネットでも言っている人がいましたが、ウクライナにこれほど長く時間をかけなければシリアでの影響力をロシアは失わずに済んだと断言でき、プーチン政権への打撃は小さくないと言えます。と言ってもロシアで政権が変わる可能性はないのですが、この結果を見て次期トランプ政権がどう判断するのかが一つの見物です。

 個人的に、ロシアは預金金利が20%を超えているなどとされ、時間はかかったものの経済封鎖の影響がかなり来ているように見えます。またトランプ再選、その停戦仲介を期待してロシアは今年夏から犠牲をいとわぬ攻勢をかけており、これらは「来年早くには戦争が終わる」という前提での行動です。
 これは逆を言えば、「来年以降もまだまだ戦争が続く」ということをロシアはもはや想定していない行動の表れとも言え、その予測を裏切ることは言うまでもなくロシアにとって大きな打撃になり得ます。

 無論、早く停戦すればするほど戦死者は少なくなるので悪いことばかりじゃないですが、仮にロシア有利で停戦した場合は今後も不安の種を残すこととなります。であれば少なくともあともう一年、ロシアをもっと追い込むために米国がウクライナ支援を継続することは価値を持つのではないかと私自身は考えています。
 これをトランプがどう判断するかですが、今回のシリアでの政権崩壊があるかないかはある程度は判断に影響するのではないかと思います。日本国内でも日本政府のウクライナ支援について批判する声も多いですが、ロシアという共通敵を抱えているだけに、日本もある程度の犠牲を覚悟で支援する価値は私は絶対あると思います。それ以上に一方的に攻められているウクライナに対して強く応援したいとともに、耐えて戦い続けるその行動に敬意を覚えます。

2024年12月7日土曜日

ウクライナ戦争が終われば、パレスチナとシリアの紛争は止まるか?

 核ニュースでも報じられていますが、沈静化していたかに見えたシリアで急遽反乱軍が活動を開始し、主要都市を陥落させるなど快進撃を続けています。今後の行く末は読みづらいところですが、アサド政権の後ろ盾であったロシア軍がウクライナ戦争でそれどころでなく、同様にイランもイスラエルの動きから軍を動かし辛いこともあり、政権が崩壊するかまでは分からないですが今しばらくは反政府軍の攻勢が続くのではないかと思います。

 そのシリア同様に予断が許さないというかどうなるのかが全く読めないのがイスラエルの周辺です。すでにパレスチナだけでなくレバノンやイラン国境でもミサイルが飛び交い、ハマスの主要幹部を殺害したことで一時期ほどの活発さは鳴りを潜めたものの、まだまだ次どんな動きになるのかは読めない状態です。

 このシリアとパレスチナの紛争ですが、仮にウクライナ戦争が起きていなければここまでは発展しなかった、それどころか発生もしなかったのではと思うところがあります。特にシリアについては。
 ロシアがウクライナ戦争によって中東方面の影響力を落としたことでこれら地域のパワーバランスは明らかに崩れ、それによって紛争が紛争を呼ぶじゃないですが、あちらこちらで影響が続いています。

 東欧においてもジョージアやハンガリーが親ロシアの動きを見せる一方、アゼルバイジャンにやられっぱなしなのに一切仲介に動かないロシアに業を煮やしたアルメニアは距離感を置き始めており、ウクライナ戦争開始前と後では全く様相が異なっています。

 そこで仮にウクライナ戦争が何らかの形で停戦した場合、これら地域の紛争などは治まるのかが論点となってきます。結論から言えばノーで、この戦争でロシアの軍事力は大幅に落ち、またロシアに対する見かけの強さというか権威も大きく低下しており、前ほどの発言力はもはや得られないでしょう。現実にスウェーデン、フィンランドがNATO加盟入りを決めており、特にフィンランドはロシアと国境を接することから刺激しないよう中立外交を取り続けていましたが、ここにきて明確に反ロシアの姿勢を強めています。

 こうした状況から、中東においてはウクライナ戦争の停戦後もロシアの影響力は弱いままとなり、米国の支援を受けるイスラエルがより活発な動きを見せる可能性の方が高いような気がします。こうした状況下でイランがどう動くのかが結構大きな論点になってくる気がしますが、生憎イランには詳しくないためこの方面は自分には分析できません。

 一方、アジアに関してはロシアが弱まる代わりに中国がプレゼンスを高めそうであるものの、折からの不景気により中国自身がそうも言ってられない状態に確率が高いとみています。この辺で変数となるのはインドと北朝鮮であるように思えますが、地味に地政学的に見ると重要度が高いと思うのはモンゴルだったりします。その辺はまた別の記事で解説します。

2024年12月4日水曜日

昨夜の韓国の戒厳令について

 昨日また夜更かししてネット見ていたら「韓国で戒厳令が発表」という見出しが出てきて、「なんやこの嘘ニュース」とマジで当初思いました。そしたら実際に大統領が戒厳令出していて、しかもそれがわずか数時間で解除というお粗末な結果に終わったので二度びっくりでした。

 一体何故ユン大統領は戒厳令を出すに至ったのか。韓国政治をそこまで見ていないためわかりかねますが結果論的には完全な大失敗で、彼の政治生命はもはや潰えたと言っていいでしょう、韓国野党は内乱罪だと大統領を批判していますが、大衆の社会における自由を大した根拠なく発令した点を考えるとそういわれても仕方なく、また前述の通り数時間で解除された点も正当性を欠いている根拠と言わざるを得ません。

 今後に関しては騒動の余波を受けて次は左派である野党から大統領が出ることはほぼ確実で、日本との外交関係も自分がJBpress時代に散々煮え湯を飲まされてきたムンジェイン政権の再来みたく、また冷え込むかと思います。っていうかJBpressもまた韓国ネタ記事をアップしだすだろうな、めちゃアクセス稼ぐし。

 ただ外交関係が冷え込むのは、日本だけとは限らないと予想します。特にこれからトランプが大統領に再任する米国とは、前回に散々振り回されて最後には韓国と距離を置くようになった張本人がまた出てくるだけに、前以上に険悪化するのではとすら見ています。
 そのトランプですがカナダに関税が嫌なら51番目の州になれと言ったそうですが、同じことをメキシコに言わないあたりはずるいなって気がします。

 また米国に限らず、中国とも関係が悪化するのではないかと思います。悪化するというよりかは最近また中国と韓国がノービザ再開などよりを戻し始めた矢先だっただけに、反転するような感じになるでしょう。特にこのところの中国の韓国接近は北朝鮮への当てつけが主だと言われており、仮にそうだとすると次の韓国左派政権は北朝鮮にすり寄ることが確実で、それによって中国がさらに不機嫌になる可能性もあるとみています。

 どちらにしろ東アジアの状況は今回の戒厳令をきっかけに動くことは確実で、日本としては受け身にならず、前向きにとらえて外交を進めていくのがベターでしょう。具体的には韓国とはちょっと距離を置くことになるでしょうが、その間に台湾との提携をさらに深めるのが一番でしょう。特に半導体のサプライチェーン構築で、うまく中国と韓国を外して日本と台湾で回せる体制が作れたら最良です。実際は難しいけど。

 あと次の韓国政権はまた福島の処理水問題で日本を批判してくるでしょうが、すでに中国もこの批判から降りているので、こちらはさほど影響しないかという気がします。そういう意味では、ユン政権は一時的とはいえいいタイミングにいてくれたなという気がします。

2024年12月3日火曜日

エスコン7でようやくノーマルモードオールS!


 年末セールになっていたので、かねてより本体を買っていたエースコンバット7のダウンロードコンテンツを大人買いし、上の写真のようにトップガン使用のF-14とかもゲットしました。またこれでテンション上がったこともあり、ダウンロードコンテンツステージを遊んだついでに、ノーマルモードのオールSの最後の関門となっていたラストステージに当たるステージ20でSクリアを図りました。

 先週末にオールSで一番障害になると思われていたステージ16でSをゲットしており、最終面もこの調子ならいけそうと思っていたのですがこれがなかなかてこずり、あんまりやりすぎるとストレスになると思って一旦は切り上げていました。
 しかしダウンロードコンテンツを買って盛り上がっており、勢いが何でも大事と思う性分ゆえ果敢に挑戦してみたところ、最初はなかなかうまくいかずにAランククリアが何度も続きました。機体は当初買ったばかりのどっからどう見てもSu-57だけど、トップガンに倣って「5th Genelation」という表記になっている機体で何度も試しましたがあまり上手くいかず、ラスボスの高い機動に対抗するため、こう誘導ミサイルを備えたSu-30SMで挑んだところ割とうまく倒せ、最後の難関にあるトンネルくぐりもスパっとクリアでき、見事Sランクをゲットしました。

 思えば6年ほど前、友人に「飛行機好きならエースコンバット買えばいいじゃないですか」と言われ、ずっと気になりながらもパソコンのスペック不安から今年になるまで買わず、今年になって買うやマジでやりこむくらいにはまり、やはり自分は戦闘機好きだったんだと再認識させられたゲームでした。マジで今までのシリーズを遊ばなかったことを後悔しています。

 オンライン対戦も中国にいながら遊べますが、まだ自分の腕は成長途上というか、ソロプレイで遊んでいても日々上達を感じるのであんまり参加はしていません。ただ過去に参加した際はラファールを使い、特殊兵装に超遠距離ミサイルことLAAMをいつも使ってましたが、マジでこのLAAMは凶悪というか完全なアウトレンジから不意を突くように一撃で敵機落とせるので、なんか食らわせた相手に申し訳ない気持ちにさせられます。まぁ便利だから今後も使うけど。

 いやそれにしてもいい感じの脱力感というか、一つの目標を無事達成できてほっとしています。ハードモードのオールSはさすがに狙うとストレスたまりそうなので考えていませんが、ハードモードで全ステージを一度はクリアしようと考えており、これが次の目標になりそうです。
 まぁその前に割と難しかったダウンロードコンテンツステージをクリアしないと。っていうか最初のステージだと途中でミサイル使いきるくらいの大量の空戦あってビビった(;´・ω・)

2024年12月1日日曜日

中国のお茶の温度

 先日、前に買った中国茶の茶葉が切れたので割と高い(100元=2000円/100グラム)のウーロン茶の茶葉を買って今さっき飲んでいますが、高かっただけあっておいしいです。せっかくの中国茶葉だからと同僚にもらった中国風みなマグカップを使って飲んでいますが、何が中国風味なのかというと茶こしがそのままついている点です。

 中国のマグカップにはカップの口にかぶせる茶こしが付いたものが多く、その茶こしに茶葉を入れて直接マグカップにお湯を注いで飲むというスタイルがあります。これだと急須入らなくなるのですが、急須を介さず直接お湯を注ぐため湯音はめちゃ高く、飲み始めるまでにはいったん間を置く必要があります。

 このカップに直接お湯を注ぐスタイルは最近の中国だと中高年ほど好むそうで、これより下の層になると急須を用いる、特にちゃんとしたスタイルで飲む場合は急須で茶葉につけた後、間にもう一回熱さまし用の急須を挟んでから茶碗に入れるというスタイルが好まれるそうです。このスタイルだと初めから湯音は適温となっているためすぐ飲めます。
 これよりさらに下の年齢層になると、もはや急須などを介さず、コンビニでペットボトルのお茶を買ってきて直接飲む……という風に、年代別に茶飲スタイルの違いを紹介する動画をこの前見たのですが、あながち間違っていないというか、お茶の湯音に関しては若い層ほど低くなる傾向は確かにあります。

 それこそ一昔前の中国では、そもそもお茶以外でも冷たい飲み物を飲む習慣はなく、ペットボトル飲料も冷蔵庫に入れられていないのが普通でした。ビールも今でもお店では常温の分が取り置きされています。
 そんな中国でしたが時代とともに清涼飲料を消費するようになり、以前と比べても冷たい飲み物に抵抗を示す人はほとんどいなくなりました。自分は日本で生まれ育っているだけに夏場を含め飲み物、特にコーラなどは冷たい方がもちろんいいと思っていますが、健康的には中国のオールドスタイルこと常温で液体は摂取した方がいいというのもわかります。多少感化されたのか、冬場はペットボトル飲料は冷蔵庫に入れず、開封前は常温で保存するように私もなっています。

 今後はどうなるかはまだわかりませんが、多分このままいくと常温で飲み物を飲む人自体が中国でもさらに減っていくように思います。お茶に関してもどんどん温度が下がり、最初に紹介した茶こし付きマグカップもさらに減っていくかもしれません。

2024年11月30日土曜日

つまんなくなっていった「金田一37歳の事件簿」

【速報】金田一少年、パパになるwwwwwwwwwwww(オリコンニュース)

 上の記事見て、「ああやっぱ」という気持ちになりました。というのもこの「金田一37歳の事件簿」、回を追うごとにやばいくらいつまんなくなっていったからです。

 単行本が2巻まで出ている頃に自分も買い始めて読みましたが、最初の方はそこそこ面白く、特に回目の京都を舞台にした事件の話はよくできていると感じたほどでした。そんな感じで途中までは面白くなっていったものの、後半に行くにつれて話はどんどんつまらなくなり、トリックも「こいつが犯人じゃん」と読んでる途中にすぐわかるくらいお粗末な物ばかりとなり、途中からは新刊は発売日には買わず、セールが始まってから買うようになりました。

 一体なんでつまらなくなったのかと言えば、トリックがしょうもなくなったからと言いたいところですが実際のところ推理物でトリックの良しあしは面白さにそんなつながらないと思います。それよりも舞台というか人間関係のストーリー構成の方が重要で、このストーリー構成がこの漫画だとどんどん悪くなった印象があります。

 端的に申し上げれば、「これお前がやらなくてもいいじゃん」という話になっていきました。

 序盤こそはブラック企業に勤める主人公が行く先々で事件に巻き込まれ、かつての人脈や現在の社会人としての立場や経験、態度を活用して推理していく展開が見られました。しかし話が進むにつれて事件内容が外界との連絡が立たれたクローズドサークルが舞台となる話が増え、こうした環境では上記の「社会人となった金田一」ならではの話の展開が一切ありませんでした。むしろ高校生時代の金田一に立ち位置が近くなり、まるで「金田一少年の事件簿」の焼き直しのような話が延々と繰り返されていくようになりました。

 おまけに妙な犯人というか「お前ヤバいやろ」的に逆恨みで人殺す犯人ばかりになったり、オカルトっぽく死人がイタコみたいに話し出したり、読んでて(。´・ω・)?みたく理解に苦しむシーンが増えていきました。極めつけは全シリーズから出ている高遠というキャラで、完全にメアリー・スーみたいなキャラになって遠隔で人殺すなど贔屓も対外にしろよと言いたくなってきました。
 ぶっちゃけ自分が編集だったら、この漫画の人気を立て直そうというならいきなりこの高遠の死刑執行シーンをぶちこんで、こいつの存在をなかったことにしたことでしょう。間違いなくこのキャラがこの漫画のガンでした。

 改めて述べると推理物は漫画にしろ小説にしろ、トリック以上に人間関係や舞台が重要です。せっかくこの漫画では高校生から社会人となった主人公がその立ち位置を変えて新たに事件を推理する形式に切り替えたにもかかわらず、クローズドサークルというその切り替えを完全に台無しにしてしまう展開をえらく繰り返し、話をどんどんつまらなくしてしまったというのをはっきり感じました。
 ほんと後半はヤバいくらいつまらなかったし、犯人も「私が犯人です」ってタスキをかけている様にすら見えたし。

上海からダイソーが撤退(;゚Д゚)

突発閉店通告!上海再無門店(魯中晨報)

 上の記事は中国語ですが、見出しを翻訳すると「突然の閉店通告、上海で再び店舗ゼロに」と書かれているのですが、書かれている対象は100円ショップでおなじみのダイソーです。

 現在、上海には日系スーパーのアピタも入っている金虹橋というショッピングモールと上海高島屋にそれぞれダイソーが入っているのですが、何気に先週に高島屋に行った際に「この店は11月までで閉店です」という看板が出ていました。でもって金虹橋の店はまだ続くよと書いてあったのでまぁ距離的にも近いし店舗の統合化と思っていたら、昨日ごろから金虹橋の店も閉店するといううわさが流れました。

 そこで今日さっそく金虹橋の店に行ったところ、案の定というか12月24日でこの店も閉店するという看板が出されていました。うわさを聞き付けたのか今日店内にいる客はいつもより明らかに多く、今のうちに買っとく物は買っとこうと多くの客が殺到したように見えました。商品も一部欠品が見られたし。

 以上からダイソーの上海2店舗の閉店は事実であるようですが、これは本当に上海だけなのかとやはりみんな思っているようです。中国のほかの地域の展開状況とかあまり把握していませんが、最も購買力が高く日本人も多い上海で閉店するくらいなのだからこのまま中国から完全撤退するのではないかと噂が出ており、ネットでもそのような見方が強くなされています。
 背景理由としてはやはり中国ではネットショップが強すぎて実体店舗は成り立たない、ダイソーの商品は単価が低いから厳しいなどという意見が見られます。もっとも単価に関しては、中国のダイソーの最低価格は10元、今の為替で200円以上するので、実質的に中国のダイソーは「200円ショップ」で日本よりも価格は実質倍だったりするんだけど。

 私自身もダイソーで小物とかそこそこ購入していただけに、今回の閉店は割とショックです。今後はニトリにより頼ることになりそうです。

中国の通信業界はどんな感じ?

 前の記事で質問が来たので、中国の通信業界についてここで簡単に解説します。

 まず大まかな点から話すと、現在中国には中国電信、中国聯通、中国移動の三つの通信会社というか通信キャリアが存在し、実質的にこの三社が市場をほぼ独占しています。三社ともに国有中央企業で国の影響を受けるものの、普段の活動やサービスでそうした国の影を見せることはほぼなく、サービス態度も偉そうなものではなく、むしろ余計なサービスをつけて料金を吊り上げようとする日本のキャリアよりも良心的です。

 かつては華北は中国電信、華南は中国聯通という感じで棲み分けがなされていたそうですが、現在においてはこうした地域による棲み分けの壁はほぼなく、大都市においてはこの二社に携帯電話通信を中心とする中国移動も加わり、ほぼ自由競争状態にあります。
 敢えてたとえを用いるとNTTが三社あるような状態で、どれも国有企業ではありますがきちんと競争原理が働いていて、外資や民間資本の参入こそ制限されてはいるものの、料金もお手頃で消費者にとっては中国の通信市場はかなり正常であるように思います。日本に比べれば。

 固定回線のインターネット契約に関しては、昨日の記事にも書きましたが現在私が契約しているのは中国電信の回線で、料金は年間約1300元(約26,000円)で、以前昆山に住んでいた頃も大体これくらいの値段でした。現在の中国のインターネットは都市部だと光ファイバーが中心で、逆にADSLとか探す方が難しいし、サービスも廃止していることも多いです。
 このインターネット契約は上記の三代通信キャリアとの契約が基本ですが、ごく一部でほかの企業もサービスを提供しています。具体的にはケーブルテレビ会社などで、これら若干の通信に携わる企業もネット回線サービスを提供しています。また僻地などインフラ整備の難しい地域に限っても、三大キャリア以外の回線サービス参入を認めることがあると聞きます。

 次に携帯電話などのモバイル通信に関してですが、シェアで言えば携帯電話通信のために立ち上げられた中国移動が全国で最もシェアが高くなってはいるものの、中国電信や中国聯通もモバイル通信サービスを提供していて、問題なく契約することができます。
 現在私は中国移動の携帯電話サービスというかSIMカードを使っていますが、料金は月間約60元(約1200円)で、これで規定通信料、確か10GBくらいだったと思いますがこの範囲を超えることなく使用し続けています。日本と比べるとかなりお手頃な価格に見えるでしょうが、それでもほかの水道電気光熱費などのインフラと比べると、これらの通信料は私には高めに見えたりします。

 具体的には、水道電気光熱費は毎月大家が自分の部屋の分も一括で支払い、毎年11月に年間分を一括で試算しているのですが、先日自分が支払った水道、電気、ガス代の年間合計額は880元(約1760円)でした。確か電気代が450元くらいで一番比率が高かった気がします。
 中国は建前上は社会主義なためこの手のインフラ料金は非常に安く、電気代に関しては工場などで使用する産業用よりも個人用の方が安いという、諸外国とは逆の料金設定にもなっています。

 もっとも上記の私の金額はあまり参考にならないというか、一人暮らしで日中は会社で働いていることもあり極端に電機などの使用量が少なかったりします。特に冬場は意地でもエアコンは使わず、実際夏場のエアコン代が多分年間電気代の半分を占めているように思えるため、ほかの人はもうちょっと高い料金を支払っていると思います。

 最後に中国の通信業界についてもう少し触れると、真面目に国土がバカでかい分、中国の通信インフラ計画によって光ファイバーの世界需要が大きく変わると言われています。
 日本を含め多くの外資系企業が光ファイバーケーブルの生産加工、そして供給を中国で行っていますが、国有企業とあってその調達は完全な競争入札となっています。でもって調達量も馬鹿でかく、地域ごとに行われるとはいえその入札を取れるか取れないかはマジで光ファイバー系企業にとって死活問題らしいです。

2024年11月28日木曜日

インターネットが急に使えなくなった日

 帰宅中、「今日はホーネットでどのステージを攻略しようかな?」などとエースコンバットに思いを馳せていましたが、家についてパソコンを開くやいつもと調子がやや違いました。状態をしばし確かめた後、「とうとうこのXデーが来たか(;゚Д゚)」と独り言ちました。

 何が起きたのかというと単純にインターネットの契約が満期で切れ、使えなくなっていただけです。ただこれちょっとややこしいのが今住んでいる部屋の形態で、玄関を開けてすぐ二つの扉があり、片方は自分の部屋で、もう片方は大家の部屋となっています。元々一つの部屋だったのを二つの部屋にリフォームで分け、下宿人を住めるようにしています。
 ちなみに中国の家だとトイレバス、寝室が二つずつあるのは割と珍しくなかったりします。祖父母との同居も珍しくないためだと思いますが。

 話を戻すと部屋は分かれていますがインターネット契約は一つで共用しており、大家が通信会社と契約しています。年間1300元(約26,000円)くらいで11月に更新なのですが、日本みたく毎月自動振り込みで更新するわけじゃなく、年払いでポンと払って期限が切れたらまた更新手続きを取る形としています。
 なおネット料金は最初は大家側が払ってましたが、いつしか自分が負担するようになりました(´;ω;`)ウッ…

 以上のような環境なため、11月に入ってからは「そろそろネット契約切れるだろうな」とあらかじめ想起していました。そしてそのXデーが見事今日になって訪れたわけなのですが、前述の通り契約主は大家です。
 日本はどうかは知らないですが現在中国ではネットの契約が切れても、携帯電話のアプリなどから24時間いつでも料金チャージすることができ、店頭に赴かずにすぐ契約を更新できます。しかし契約主が大家であるため私からは更新できないため、WeChatで大家に連絡して支払いをしてもらうよう伝えました。

 そんな感じでネットにつないでいないパソコンを前にしたところ、いつもはYoutube見たりブログ書いたりでプライベートの時間がいくらあっても足りないと思うというのに、こうしてネットが使えなくなるや「やることないじゃん(;´・ω・)」てなことになり、手持ち無沙汰になりました。
 仕方ないのでダウンロードしたけど遊んでなかったゲームを開いたりしてましたが、ダウンロードしたのに遊んでないだけあっていまいち盛り上がらず、結局すぐやめてしまいました。その後も特にやることなく、もう夜中だけど買い置きしているプラモを開けてしまおうかとすら思うほど暇で、最終的には夜8時にもかかわらず毛布にくるまって寝ようとすらしました。

 そうこうしていたら大家から「支払ったよ」と連絡があり、確認するとネットが復旧していました。こういうインフラ対応の早さというか自動化ぶりはマジ中国はいいと思います。

 以上のような経緯もあってこうしてブログ書いていますが、やはり現代において時間の消費という点ではインターネットの大きさを改めて痛感します。ネットがなければほぼすべての娯楽を楽しむことができず、エースコンバットもSteamにネットでつながなければそもそも開けないあたり、ネットなしではマジで時間を持て余します。

 逆に今回、手持ち無沙汰な時間を過ごして久々にゆったりとした時間を感じることができました。やはり自分もネットに頼り切りすぎるというか、たまにはネット断ちをしてああしたゆっくりとした時間の流れを意識的に感じた方がいいのかもしれません。
 さて今日はやっぱりホーネットではなく、グリペンで飛ぶべきか(;´・ω・)

2024年11月26日火曜日

Yahooショッピングとタオパオの情報共有疑惑

 先日、ふと一式戦闘機こと隼のプラモが欲しくなり、中国で手に入らないかタオパオで検索してみました。しかし検索で出てくるのはスズキ・ハヤブサとか「ファイティングファルコン(中国語名:戦隼)」ことF-16の模型ばかりで、自分の望む隼はとうとう出てこず仕舞いでした。
 それから大体二週間くらいたったころ、Yahooのポータルサイトを開いたところサイト右下にある広告欄にYahooショッピングが映り込み、そこでなんとおすすめ商品として隼のプラモが表示されていました。正直面くらうとともに、「何故?」という疑問が強くもたげました。

 というのも私はこれまで隼についてYahooで検索したことはなく、そもそもYahooショッピングすら一度も使ったことがありませんでした。にもかかわらず何故ダイレクトに隼のプラモをお勧めに挙げてきたのか、自分の知らないところで日本の成人男性の間で空前の隼ブームでも起きているのかと一瞬疑いましたがそんなの「永遠のハヤブサ」なんて小説でもヒットしない限りありえないでしょう。
 となると考えられるのは、Yahooショッピングとタオパオは顧客情報を共有しあっているのではないかという疑念です。結構笑えないというか、こうしたマーケティングデータの共有はかなり幅広く行われていると言われ、ビジネス的にも企業側にもメリットが大きいという点です。しかし私自身はタオパオにしろYahooにしろ、自分の個人情報を他社に共有することを許可した覚えは一切ありません。

 この点、日本は知らないですが中国では個人情報保護法というのがあり、結構厳しく規制されています。国が個人情報を一切許可なく吸い上げるのは中国では全くおとがめはないですが、企業がこの手の個人情報を取り扱うにはいろいろ手続きがあり、退会手続きなどの情報もわかりやすいところに表示するよう義務付けられています。無論、取得した個人情報を許可なく第三者へ提供することはご法度です。

 私自身は同じ企業グループ内でこの手の個人情報を共有することは、ビジネス的にも仕方ないかなと考えてあまり気にしていません。しかしこれが第三者となると話は別で、それこそ犯罪組織などにわたる場合、高額な商品を購入している人の情報なんて流行りの強盗のターゲッティングに使われる恐れがあるだけに、規制して当然だし、そもそも無断でそんなことやるなと言いたいです。
 そういう意味で上記の疑念に関しても割と真剣に見ており、実際どうなのか確認したいとも考えています。

 仮にタオパオを使用した同じPCならば、ブラウザなどから情報が抜き取られていたという可能性も考えられます。ぶっちゃけこれもアウトっちゃアウトですが、可能性としてはあり得ます。
 しかし今回の私のケースではそれは当てはまりません。というのも隼がおすすめ商品として表示されたのは会社で使っている業務用PCで、そのPCではタオパオは一切使ってないというか、そもそもアクセスできないように設定されているからです。その会社PCではYahooアカウントを接続してメールなどを見ていたりはしますが、タオパオとの接続は一切ないにもかかわらずお勧め商品にかなりニッチな、タオパオでしか接点のない商品が出てきたから深く疑問に思っているわけです。

 そこへきて昨日、疑念が確信に変わったというかまたおすすめ商品にハニカム座布団ことゲルクッションが突如また表示されてきました。それもまた会社用PCに。
 これもまた私がタオパオで検索していた商品で、割とケツに重心かけるために座布団がすぐケツ型の跡ができるため、なるべく変形しない低反発の座布団を1週間くらい探していました。最終的にはやや硬めの素材を使った座布団を購入して今も座っているのですが、購入候補というかタオパオではこのゲルクッションがたくさん表示され、「こういうのもあるんやな」と眺めていました。

 先ほどのハヤブサといい座布団といい、一体何故タオパオで検索した商品を悉く私におすすめ商品に表示してくるのか。最初は記憶ないけどプライベートPCでGoogleとかで検索していたかもしれないと思い、Googleとの情報共有を疑いましたが、タオパオで検索して大体1~2週間くらいでダイレクトに表示してきた辺り、やはりタオパオとの共有の方が可能性として高い気がします。
 この辺、王の面倒くさいのでどっかのメディアに情報売ってもいいですが、先にYahooあたりに一回くらいは聞いてみようかと思っています。さすがに自分の商品購入情報を知らないところで共有し、変な風におすすめとして表示されるのは気分がよくないです。

 それ以上に、自分の個人情報持ってるなら何故アッシマーをおすすめに出さないのか。日々「飛ばないアッシマーはただのアッシマーだ」をスローガンに生きている自分にアッシマーをおすすめしないなんて、逆に馬鹿にされている気がして腹立ちますヽ(`Д´)ノプンプン

2024年11月24日日曜日

最近の日本経済に対する私見

 最近の政治経済のニュースは103万円の壁ばかりです。もちろんこれは悪いことではなく、むしろ長らく行われてこなかった制度改革について文字通り国民全体で議論しており、このネタに火をつけた玉木氏には自分も陰ながら評価しています。

 そんな政治状況とはお構いなしにあまり話題に挙がってこない日本経済について話すと、なんだかんだ言いつつ賃金は上昇傾向が続き、業績も悪いという話はあんまり出てこないなど見た目だけなら日本経済は若干好調なように見えます。
 ただ知人によると、このところの企業の業績改善はほぼすべて円安に伴う為替差益によるもので、実質的な成長を遂げている企業はほとんど少ないそうです。自分もこの見方に同感で、何故かというとこっちの中国にいる日系企業の業績の悪化ぶりがかなり大きいからです。

 昨日書いた記事でEV化に伴って自動車部品の多くが使われなくなることに触れましたが、内装部品をはじめ、EV転換しようがしまいが影響を受けずに使われ続ける自動車部品を作る日系メーカーにおいても、業績が悪化している会社を多く見ます。背景理由としては中国のEV化は既存の内燃車のパイを奪う形で進行しており、なおかつEVメーカーの多くは中国資本で、サプライヤーも日系よりも中国系が優先される傾向にあります。そのため日系部品メーカーにとってはEVでも使われる部品を作っていたとしても、中国市場におけるシェアは落ち、業績が悪化しているというわけです。

 中国市場が異常の通りだとしてほかの市場はどうかというと、東南アジアの成長市場ではここ数年、中国系EVが多く進出するようになり、こっち方面でも日系が勢いを持つという話を聞きません。これらを総合すると自動車業界に関しては、日本国内を含めどっかの市場で成長しているという話はあまり聞かず、このところの連結業績もやはり上記の通り為替差益によるものではないかという風に考えているわけです。

 自動車以外の産業に関してもほぼほぼ同じようなものですが、唯一観光業だけは来日客数の増加でプラス成長を実際に遂げているとみています。もっともその分だけ観光公害も起きているわけですが、製造業の成長に伴う電力不足などのように、産業の成長にインフラが追い付いていないが故の問題だと思え、成長産業なだけに観光インフラの拡充にやはり日本は努めるべきでしょう。
 それ以外の産業に関してはエレキはシャープの悪決算をはじめもはやほぼ死んでおり、自動車もドイツよりはマシだけど落ちてはいないものの成長が難しくなっているだけに、ほかに日本が頼れる産業ときたら素材くらいになってきています。

 ただ半導体に関してはグローバル再編にうまく乗りつつあり、韓国や台湾とうまくすみ分ければ新たな雇用を創出する可能性があるとみています。それ以外の産業だと、成長というよりギャップを埋めるような形で、IT赤字の圧縮、即ちGoogleなどに頼っているITサービスを国産で補う対策を進めるだけで、海外に流出する現金をかなり持ち返せるのではないかと思います。
 波も来ているというか欧州もGAFA規制にノリノリだし、日本でも「Amazonは止めて楽天やヨドバシを」みたいなムードを作れば、それだけで日本経済には大きなプラスになると思います。少なくとも、FacebookとXはそろそろ規制し、中国ほどじゃないけど犯罪対策としてちゃんと履歴の終えるSNSをもっと普及させるべきでしょう。まぁSNSはLINEがあるだけ日本はまだマシか。

経営者としての過ちと後悔

 今日自転車に半年ぶりくらいに注油したせいか今家の中が油の臭いで充満してます。真冬じゃないから窓開ければどうにかなるけど。

経営シミュレーションゲームて昔のほうがええのいっぱいあったよな(ガハろぐ)

 話は本題ですが上のまとめ記事見て、自分もカイロソフトをはじめこの手の経営ゲーム好きだったので楽しく読んでました。ただこのまとめ記事の、以下のコピペが妙に印象に残りました。


186 名無しさん@お腹いっぱい。 2007/05/09(水) 23:33:30 ID:g5FQzX2v
当時中1くらいだった俺は新テーマパークって遊園地経営ゲームをしていた
ゲームは3歳の頃からしていたくらいのオタだが所詮は中学生
初めての経営物が上手くいくわけもなく赤字決算が続いていた
このままでは俺の遊園地は赤字で潰れてしまう
どうしようと思ってた矢先に裏技の情報が舞い込んだ

その裏技は「お客さんが店に並んで会計をする瞬間に値段を上げればいくらでもぼったくれる」
という裏技だった
経営難の俺は早速その裏技を実行する事にした
ターゲットにした「若者(男)」がコーラショップに入った瞬間に俺は120円のコーラを9999円に値上げ
もちろんそのまま売れて普段のコーラ80杯分の値段で売った俺はホクホク顔

しかしそこで俺は気がついた
「この店の商品は高すぎる!」のマークを出しながら若者がパークをウロウロし始めたのだ
てっきり無一文になったらさっさと帰ると思っていた俺がその若者にチェックマークを付けて追跡すると
怒りのマークを外したけどお金が無いため何も出来ずうろうろする若者
無一文のためにアトラクションに乗れず目の前に置いてあるベンチに座ってひたすら眺めてる若者
ゲームショップを横切るも「お金が無いよ」のマークをだして名残惜しそうに通り過ぎる若者
彼がぼったくりコーラを持ってパークを去ったのは閉園時間だった

俺はその時この若者が俺のパークに来る事をどれだけ楽しみにしていたかという事を思い知らされ涙した
その日から様々な方法を試してお客さんに高い満足を得てもらいながら利益を出す方法を研究した
いつかパークが有名になってその若者がもう一度来園してくれた時に「この遊園地は最高だ」といってもらえるように夢見て…

今でも経営物のゲームをやる時はこの時の事を思い出して良い経営者になれるように努力している


 なんというか泣かせるコメントです( ;∀;)

 以前にもこのブログで書いていますが、後悔という言葉は基本ネガティブな意味で使われ、「公開のない人生」などとなければ無い方がいいような扱いすらされています。しかし私自身は後悔というのがあるかないかはその人の人間性を大きく左右するものだと思え、後悔の分だけ反省もあり、後悔という方向修正を繰り替えした分だけよりまっすぐな生き方ができるものだと考えています。

 そういう意味で上のコメント書いた人は、たかがゲームとはいえこの時の体験が何かしらいい方向に向かわせたのではないかと密かに感じ入り、やはり後悔はするべきものだと再確認したような気になりました。

 ちなみに自分はカイロソフトのゲーム会社運営ゲームで、販売するソフト名をすべて「淫らな~」という風にして、「淫らなテトリス」、「淫らなクエスト」みたいなゲームを次々と発売していました。後悔は全くありませんでした(´・ω・)

2024年11月23日土曜日

EVシフトの雇用への影響

 また仕事が忙しく神経がやられて買い物途中にふらふらしていたため、帰り際に前から気になっていたマッサージ屋によって頭部マッサージをしてもらいました。施術自体は満足してるし若干楽にはなったものの、右耳上にあるメガネのツケ外しでできたできものを何度もゴリゴリと圧迫されて途中で涙出そうになりました( ;∀;)

 話は本題ですがあんまり触れられていないなと思うトピックとして、見出しに掲げたEVシフトによる雇用への影響があります。端的に言えば、EVにシフトするかしないかで言えば、しない方が雇用の維持にはプラスじゃないかと思います。
 これは何故かというと、従来の内燃機関車の方が部品点数が多いためです。部品点数が多い分、実際製造したり品質管理する作業員が必要となり、その分だけ雇用が増えます。逆にEVは部品点数が少ない分、完成車一台作るのに必要な作業者の数で言えば燃料車に比べ低くなるのではないかとみています。

 そうはいってもEVの方が販売価格は高いのだから、価格ベースで見たらその分だけ雇用吸収力もあるのではないかとも考えることができます。ただEVの場合、その付加価値の多くが電池やシステムといった中核構成部品が占め、これら中核部品に携わる人間に人件費が集中することとなって、結局雇用吸収力はやはり内燃車に負けるのではないかという気がします。

 その電池やシステムのように、EVシフトによって新たに生まれる雇用は確かに存在するものの、EVシフトによってそれまで内燃車に存在していた雇用、具体的にはエンジン回りや燃料供給システム部品に携わる人の雇用の方がより多く失われ、自動車業界全体の雇用維持能力が低下するのではないかというのが自分の見方です。

 仮に既存自動車産業が全く存在しない国や地域でEV事業を立ち上げるのならあまり影響はないですが、すでに内燃車のサプライチェーンが完備されている日本や中国でEVが台頭した場合、それ以前と比べて自動車業界の雇用数が減ることになるというわけです。もちろん世界的に内燃車が廃れてすべてEVに切り替えるような時代であれば内燃車の雇用もクソも何もなく、EV産業を育成して保持する方が雇用的にもプラスですが、内燃車とEVが併存する今の時代においては、EVシフトによって単純にそれ以前と比べ自動車業界の雇用が減り、経済的にもどうなのかなと思うわけです。

 でもって今まさに、上記のような状況が中国で起こっているように私は思っています。それ以前と比べて自動車業界の雇用が減り、失業者が増えているように見え、中国自身も近年は労働力不足が起きつつありますが、果たしてこの方針はどう転ぶのかと興味深くみています。
 そうした点を踏まえてみると、トヨタのハイブリッド戦略は雇用維持的にはすごくプラスだなと改めて評価しています。従来の雇用を維持しつつモーターなどを含むハイブリッドシステムの雇用も生み出しており、企業単体として見るより社会全体で見れば見るほどこの形態が如何に優れているかがわかってきます。

 反対にどっちつかずで今えらいことになっているのがVWで、中途半端にEVシフトして世界中でリストラを展開する羽目になっているように見えます。まぁここはそれ以前にクリーンディーゼルでこけてるけど。

2024年11月21日木曜日

北の富士勝昭の逝去について

 日本の急に気温が落ちたと聞いていますが上海でも先週まで11月にしてはやけに暑い日が続いてたいものの、一昨日くらいから急に気温が落ちて過ごしやすくなってきました。ただ気温の落差が大きいためかこのところだるくて体調も悪く、今日も朝から胃が痛くて仕事中は暴れだしそうでした。

 そんな気候のためかこのところ著名人の訃報も多かったのですが、昨日の大相撲解説者の北の富士勝昭の逝去報道は自分もショックを受けました。以前より体調が悪いと聞いていたし、元力士にしては長寿で大往生に間違いはないものの、あの痛快な解説がもう聞けないと思うと非常に寂しく感じます。
 中国行ってからは大相撲中継を見ることはほとんどなくなったものの、かつて日本でほぼ毎日見ていたころは親類よりもこの人の声を聴いていた気がします。ユーモアがありつつも取り組み内容を分かりやすく的確に解説し、また新人力士への叱咤激励なども非常にしっかり行われており、解説者としてはほかのスポーツを含めてもこの人が一番好きでした。

 個人的に覚えている発言としては横綱日馬富士の四股名が安馬だった頃、彼が趣味で描いた油絵が中継で紹介された際に「こりゃ安馬じゃなくてプロだね!」というダジャレを利かせたコメントが記憶に残っています。

 やはり子供のころと比べると知っている著名人の数が増えていることもあり、その訃報を聞いて寂しく感じることが多くなりました。今までの訃報の中では水木しげるが一番ショックがでかく、次に政治解説者の三宅久之が来て、三番目に今回の北の富士勝昭が来そうです。
 それだけ訃報を見るほど自分も年食ったということですが、正直喧嘩っ早いからもっとずっと早く死ぬと思ってたのに思ってた以上に長生きしてしまって自分もなんか戸惑ってます。

 大坂の陣の前に浪人から参戦したものの多くは若く、あれが出世のラストチャンスだと考え、「死んでもいいから活躍させて」みたいな願掛けを近くの神社にたくさん奉納されていると聞きました。実際、あの時代は家柄で人生決まるところが大きかっただけに、二十代とかで一か八か戦で活躍するかに人生かかってたともいえます。その辺深く掘り下げると、早くに金稼いで残りの人生を細々と過ごしたいという若者のFire思想になんか近いように思え、自分もかつてはあっち側だったのかなどとちょっくら思ったりします。

 ちなみによくほかの人に「花園さんは残りの人生で何がしたいの?」と聞かれますが、「もうやりたいことある程度やったからほかの人に迷惑をかけず、そこそこのんびりと周りに感謝されることを心掛けながら余生を今過ごしている(´・ω・)」と答えると大抵変な顔されます。なんか年齢観がやっぱほかの人と違うのかもしれない。

2024年11月20日水曜日

中国で何故通り魔事件が相次ぐのか

 先日、会食の最中に同僚が中国へ赴任する前に狂犬病のワクチンを打ってなかったことをしきりに後悔する発言を繰り返していました。ただ本人にも言いましたが、さすがに全く国内発祥のない日本ほどとは言わないまでも、中国はインドと違って狂犬病の発症はそこまで多くないしそもそも野良犬自体が上海でみることもないため、狂犬病を心配する必要はほとんどありません。
 それにもかかわらず慰安からでもワクチンを打つべきかと言い続けたので若干皮肉を込めて、「今の中国だったら犬に噛まれるよりも人に刺される確率の方が高いよ」と言ったところ、誰も笑わず若干場がシーンとなってしまいました(;´・ω・)

 そんな感じでこのところ通り魔事件が相次ぐ中国ですが、本日も湖南省常徳市で小学校の校門付近に車が突っ込んだそうです。犯人はその場で取り押さえられ、被害者も何人でたかは報じられていませんが、「全員命の危険はない」と当局は言っています。逆を言えば、最低でも二人以上は怪我を負った人間はおり、その怪我の程度は軽傷ではなかったということを示唆しています。

 この今日の事件だけでなく、先週は珠江で何十人も轢き殺される事件が起きたかと思えば、一昨日も無錫で8人が殺傷される刃傷事件が起きるなど、マジで数日単位で何らかの通り魔事件が起きています。事件背景には中国の不景気に伴う社会不安が間違いなくあると断言できますが、これ以外にも「中国人だから」通り魔事件が頻発するという主張も見られます。
 この中国人「だから」通り魔事件が頻発するに関しては、私自身はあまりそうは思いません。日本国内でも過去に何度も通り魔事件が起きてるし、また中国は国土も広けりゃ人口も多く、通り魔みたいな頭のおかしい行動を犯す人間も出てくる回数は統計的に日本より多くなるのは確実です。なので中国人だからと言って通り魔を起こす確率が高いという気には私はなりません。

 ただ「中国だから」通り魔事件が頻発するという主張であれば、私も肯定できる面があると考えます。

 これは何故かというと、このところの中国政府の対応、特に事件後の報道を見ていて通り魔事件の発生を助長させていると思う節があるからです。具体的には知っての通り、事件が起きても本当かどうかわからないくらい詳細を隠した事実報道しかせず、犯人の動機や目的については完全にシャットアウトしていたりします。恐らく中国当局としては模倣犯が出たり、報道が広がって社会不安が起きたり、政府に批判が回ってこないようにするためこのような対応を取っているのだと思いますが、私はかえって逆効果を引き起こしている気がします。
 というのも「通り魔事件が起きた」とだけしか報じず、その後について何も触れなければこのような通り魔事件が頭にある輩に「ほかの人もやってるのだし俺も……」みたいな感情を持たせる可能性がある気がします。むしろちゃんと犯人の氏素性や動機などを報じ、このような犯罪は絶対に認められないしやる奴はクズだなどと批判した方が抑止効果が期待できるように私は思います。

 またそれ以上に理解できないのは、被害者を悼む行為すら中国当局は規制し、一切報道させないという点です。各地で起きた通り魔事件の現場には花などを手向ける市民が後を絶たないそうですが、それら献花物を何故か中国当局は悉く撤去していると聞きます。これが実際そうなのかはさすがに国外メディアの報道で見るだけなので断定できませんが、少なくとも中国国内で、被害者を悼む報道はシャットアウトされているのは事実です。

 地味にこうした哀悼に関する報道こそが、この手の通り魔事件を抑止する最大の切り札だと私には思います。あの秋葉原通り魔事件の犯人も、事件を起こす直前にトラックで秋葉原に来た際、本当に実行すべきか悩んだと吐露しています。ほかの通り魔事件の犯人も大体似たようなことを話しており、大分頭がおかしくなっているとはいえ大量殺人につながる行為に対して躊躇するだけの理性は誰しもが持っており、実際に通り魔を計画をしながらも直前で引き返した人も相当数いるのではないと思います。

 ではそうした人たちに躊躇を引き起こさせるにはどうするべきか。それはやはりこうした事件の結果を見せることに尽き、事件の被害者に対し多くの人が悼み、犯人が憎まれる様を見せることになるでしょう。然るに中国当局は何を考えているのか、そうした抑止効果が最も期待できる部分をシャットアウトして、「通り魔事件が起きました」とだけしか言いません。
 深圳の日本人小学生刺殺事件の時に「どの国でもよくあること」と報道官は言いましたが、今の中国当局の対応を見ていると、まるで自らこれら通り魔事件を誘発させている様にすら見えてきます。

 その上で今後について予想すると、恐らくこれからクリスマスや春節を迎えるにつれて、世の中のハッピーな雰囲気が逆に心理的負担として感じ、通り魔事件を起こす人も増えていく気がします。中国当局も警戒して、春節前は駅などに大量の警官を配備することでしょう。
 でもって本格的に対策するのは共産党幹部の子弟が被害者となってからになると思います。逆を言えば、権力層が被害に遭うまではあまり本気で対策せず、おざなりというか助長させる対応を繰り返すのではと投げやりに見ています。ただもしガチで対策採るようになったら、通り魔予備軍を事前にピックアップして、対象人物を本格的に監視、制限してくるのではないかと考えています。
 具体的には、

・離婚歴がある
・借金がある
・無職
・前科がある
・通報されたことがある
・共産党員じゃない

 以上のような条件が複数当てはまる人物に対し、位置情報をリアルタイムで監視したり、行動に制限をつけたり、定期的なカウンセリングを強制してくるのではないかと自分は見ています。冗談みたいなことを言っているという自覚がありますが、冗談みたいなことを本気でやってくるのが中国なだけに、マジでこういうことも起きるような気がしています。まぁカウンセリングに関しては効果的だと思うし、日本でも条件当てはまる人には受けるよう勧めた方がいいかもしれないけど。

2024年11月18日月曜日

Vガンダムのゴッドワルドの最後のシーン解釈

 中国で相次ぐ通り魔事件について書こうと思ったけどなんか暗くなる内容で今は避けたいと思ったので、ひとつ前の記事に続いてまたVガンダムについて書きます。ってか前の記事ではルロイさんがコメント書いてくれたけど、F91とVガンダムは明らかにマーケティングの失敗で旧来ファンにも新規ファンにもどっちつかずな対応してしまって商業的にもファン層拡大的にも失敗してます。作品は決して悪くないのに、あのマーケティングの失敗でいまだに微妙な立ち位置となっているこの二作が不憫でなりません(´;ω;`)ウッ…
 ちなみにいとこの旦那はF91がマジ好きでした。でも子供からは「うちのおとんはグフ(カスタム)が好きなんやで」と言われてました。

 話は本題ですが、Vガンダムの中盤で一番議論が起こるシーンと言えば、武人肌の敵キャラクターであるゴッドワルド・ハインの最後のシーンでしょう。主人公ウッソとの戦闘に敗れ乗機が動かなくなるや、このゴッドワルドはコックピットから飛び出してウッソのVガンダムに飛びつき、コックピットを無理やり開けようとしてきます。
 これに対しウッソは自らコックピットの扉を開けるやワイヤーガンでゴッドワルドを撃ち、その衝撃で破損した乗機の方へ吹き飛ばされたゴッドワルドはその爆発に巻き込まれて死ぬのですが、ワイヤーガンで撃たれた際にウッソに対し「やったなー小僧っ!」と憎らし気に吐き捨てるのが最後のセリフとなります。

 こうした跡形もなく吹き飛んだゴッドワルドをウッソは見送ったあと、何かに気づいたかのようなそぶり見せながら「ゴッドワルドさんが、誉めてくれた……」という言葉を洩らします。先ほどのゴッドワルドのセリフは負け惜しみというか悔しさをにじませたようなセリフでとてもウッソを誉めている様には聞こえず、「ウッソはニュータイプだから、死んで霊魂となったゴッドワルドの声を聴いたのでは?」という風な解釈がなされることが多いです。実際、私もそういう風に解釈してました。

 しかしかなり昔ですが、あるサイトでこのシーンについて異なる解釈をしている人がいました。それはどんな解釈かというと、この「誉めてくれた」というのはウッソの完全な妄想であり、ゴッドワルドは死後を含めてそんなことは言っていないというものでした。

 この解釈の根拠はというと、まず前述の通りゴッドワルドが死の間際に言ったセリフはウッソを誉めるような内容では決してないこと、そしてゴッドワルド自身が武人肌でやや戦闘狂な人間なため敵を誉めるようなタイプでないということ。そして何よりの根拠として、これ以降のウッソの行動がどんどん狂気じみてくるという理由を挙げていました。
 具体的にどうなるのかというと、敵から奪取した宇宙砲台のビッグキャノンを周りに操作できる人間がいないという理由から、ウッソ自身が引き金を引いて敵艦隊に放つようになります。この結果として数百人、下手すりゃ数千人単位が一撃で死んでおり、ウッソ自身も「これで戦争が終わるんだ」と自分に言い聞かせながらやってはいるものの、こうした大量虐殺的な行為をどんどん行うようになっていきます。

 Vガンダムのテーマ自体が「みんな狂ってるから何がおかしい行動なのか誰もわからなくなる」にあるのですが、確かに中盤以降、主人公のウッソはタガが外れたかのように敵兵を殺すことに躊躇がなくなります。まだZガンダムのカミーユの方が「ニュータイプなんで人殺しの道具でしかないもんな」と自嘲する辺り、理性を保っていたと感じるくらいです。まぁその後、カミーユは精神崩壊するのですが。

 こうしたウッソの中盤以降の行動の狂気化もあるだけに、先ほどのゴッドワルドが誉めてくれたというのは彼を手にかけたウッソが半ば自己弁護というか開き直る言い訳として無自覚に聞いた空耳だったのではというのが、自分が見た解釈に書かれてありました。今でもこの解釈は頭から離れず、実際のところはどうか議論の余地はあるものの、一考の価値があるものとして覚え続けていました。
 仮にそうだとすると、戦争は人をおかしくさせるというか、比較的まともそうな表情見せながらおかしくなっていくというのをうまく表現しているように見えます。おかしい人というと割と見た目からして北斗の拳に出てきそうなモヒカンの風貌がイメージされますが、実際は普通そうな見た目のままおかしくなっていることの方が多いでしょう。そういう意味ではこのシーンは、少年が本格的に殺人マシーンへと変わっていく過程を描いた秀逸なものとして評価できるように思えます。

2024年11月16日土曜日

Vガンダムがハブられる理由

 本題と関係ないけど昨日最終回を迎えた人気漫画の「推しの子」の最終回が炎上している件について、中国でも意図せずに記事を見つけるなど大きく報じられていることにビビりました(;´・ω・)

 話は本題ですが、ガンダムのゲームとかでよく「宇宙世紀機体、大集合!」などというキャッチコピーが使われるものの、そこに本来宇宙世紀シリーズに入るVガンダムの機体は入ってこないことが多いです。また宇宙世紀シリーズから世界観を一新したGガンダム、ガンダムW、ガンダムXの三作を「平成三部作」と呼ぶことも多いのですが、放映年数でGガンダムに連なっているVガンダムはここでもハブられ、「平成四部作」とも誰も呼びません。
 以上の通り、テレビ放映されたガンダムシリーズとしてはVガンダムは異例なくらいにハブられることが多く、ゲーム化や外伝作品の制作も他のシリーズと比べると極端に少ない傾向がある気がします。かといって作品として評価や人気が低いというわけではなく、エキセントリックな女性キャラクターが多いこともありファン層も自分を含め根強いと思うし、エヴァの庵野監督もVガンダムがあったからこそエヴァは作れたと話すなど影響力も大きいです。

 では何故それにもかかわらずVガンダムはハブられるのか。一つの仮説として、テレビ放映時のマーケティングの失敗によりファンの年齢層が歪になったからではないかとみています。

 まず放映当時の90年代前半について触れると、この時代のガンダムといったら基本的にBB戦士などの二頭身なガンダムでした。Vガンダムが放映されるまではテレビ放映のアニメ作品が一時中断しており、新たな機体が出ることもなかったため、新規のプラモ作品が作りづらい時代にありました。そのため当時は過去作品に使われた機体や、それら機体を二頭身にした上でリデザインしたナイトガンダムや武者ガンダムが多く出され、逆に背の高いリアルな造形のプラモは完全に旧来ファン向けと割り切られ、新規ファン向けには作られませんでした。

 そこへきてようやく待望のテレビシリーズとしてVガンダムが始まったのですが、上記の通り当時の、少なくとも小学生世代にとってガンダムといったらSDガンダムだけだったのですが、実はVガンダム放映当時はSDガンダムのプラモや他メディアへのコラボはほぼ一切行われていませんでした。放映中はリアルな造形のプラモデルしか販売されず、放映終了間際になってようやくSDガンダムのプラモが発売されるようになりました。
 実際私も、かねてからSDガンダムはよく作っていたことから放映中のVガンダムも早く作りたいと願っていたものの、なかなかSDガンダムでのプラモが発売されず、えらくやきもきしたことを覚えています。あまりにも出ないものだからそれまであまり作ったこととのないV2のリアルモデルキットを作り、SD版では放映終了間際に出たV2アサルトバスターのみ作ったことを今でもはっきり覚えています。

 なおこうした傾向はプラモデルに限りませんでした。当時はゲームの「ザ・グレイトバトル」シリーズをはじめ仮面ライダーやウルトラマンなどほかの版権キャラとコラボさせた、二頭身キャラのゲームで遊ぶコンパチヒーローシリーズというものが展開されていました。もちろんガンダムもこれらシリーズに登場するのですが、何故かVガンダムは採用されることはなく、初代のガンダムかVガンダムより1世代前のキャラに当たるF91がコンパチヒーローシリーズに使われ、現代だけじゃなく当時からもゲームなどでハブられていました。

 一体何故当時の子供の間で最も流行っていたSDガンダムでVガンダムのキットは作られなかったのか。自分が過去に聞いた話では、これは明確なマーケティングの方針によるものだったそうです。
 具体的には、SDガンダムで育ったファン層をリアルな造形のプラモデルのファンへと昇華させるため、敢えてVガンダムはSD化させていなかったそうです。実際上記の通りそうと思える節が多く、この方針が確かにあったのではと私も考えています。

 ただこの方針は成功したとは言い難いです。今もそうですがVガンダムに登場した機体の任期はそれほど高くなく、また当時を思い返してみてもリアル造形のプラモに移った子供は多くなく、SDガンダム自体が退潮的となったガンダムWの時代あたりでようやくファン層が転換したような気がします。むしろVガンダムでSD化キットの販売を出し渋ったことで、当時の小学生くらいのガンダムファン層にVガンダムがうまく浸透せず、またZガンダム以来の旧来ファンも思ったより入り込まず、ファン層がどっちつかずな作品になってしまったのではとみています。
 この結果、Vガンダムは確かに好きな人はいるっちゃいるけど、年齢層が余り固定されておらず、斑上にファン層が形成されてしまった感じがします。具体的には宇宙世紀シリーズファンの10%、当時小学生だった世代の10%、それ以外の層の10%というような感じで、Vガンダムとコラボした作品を作っても売り上げを立てづらい歪なファン層になっている気がします。

 私個人としては、以前にも書いたように「周り全体が狂っているから自分がおかしくなっていることにすら誰も気が付かない」ストーリーや、カテジナをはじめとするエキセントリックなキャラクターのオンパレード、あとシンプルイズベストを貫くV1のデザインなどでVガンダムのことが大好きですが、志を同じくするファンとはいまだ出会ったことがないです。それもこれも、上記の中途半端なマーケティングの失敗だと思うとなんか悔しさを覚えます。

2024年11月14日木曜日

年収103万円の壁議論の私見

 今一番ホットな政治話題といったら国民民主の玉木代表がぶち上げた、基礎控除と給与控除を掛け合わせた103万円という課税基準の引き上げでしょう。真面目に前の選挙でこの政策案をもっとアピールしていたら国民民主の議席数はもっと増えていたのではないかというくらいの盛り上がりようで、それもあってか先日の玉木代表の不倫報道もあまりダメージになっていない気がします。やはり不倫は文化だ。

 それでこの103万円の課税基準引き上げについてですが、私個人としても賛成です。賛成理由としては第一に、ようやくデフレから抜け出しつつあって物価も上昇傾向を見せており、課税基準も引き上げないと道理に合いません。またこの課税基準引き上げによって国内在住者の勤労意欲が高まれば、あちこちで問題化しつつある人手不足というか労働力問題も解決とまでいかずとも、ある程度の緩和を見込めます。

 もっとも政府としては税収が減ることを恐れており、実際に財務省はすぐに「こんだけ税収減るんだぞ」と頼んでもないのに試算してきました。ただあの試算については内心疑問視しており、というのも実際すでに年収が103万円を超えていながら複数の職場で働くなどしてごまかし、実際には申告していない人も少なくない気がするからです。単一の職場だったら源泉徴収とかで引っかかるでしょうが、複数のアルバイトを掛け持ちしている人ならこの辺どれだけ実際に納税しているかが疑問で、財務省の試算ほど税収が減るかといったらこちらもまた疑問です。

 ただ歳出が増える中で歳入が減ることに頭を悩ますのも理解できます。そこであえて折衷案を出すとしたら、この課税基準はこの際180万円(=15万×12ヶ月)くらいまで引き上げ、その分医療保険料を大きく引き上げてはどうかと考えています。こうすることでその用途を医療に絞り国民に納得してもらおうという話なのですが、そもそも今圧倒的に税源が足りないのはまさにこの分野なだけに、必要な分野に税金を集中させる意味でも悪くないかという気がします。

 そもそも最近はなんかめっきりメディアでも一切目にすることがなくなりましたが、日本の全歴史において最大の人口ボリュームゾーンに当たる1946~1948年生まれの団塊の世代が、今まさに後期高齢者層へ入ろうとしています。これは即ち、日本史上最も社会福祉費がかかる時代がの到来ともいえ、平均寿命から換算すると2035年くらいが医療費などのブースト期間になります。
 逆を言えばこの期間をやり過ごせば、人口減は続くものの医療支出のアンバランスさはやや解消される期待もあります。それだけにこの期間の医療費をどう埋めるかが問題で、今回の103万円議論と合わせて制度設計したらどうかなというのが個人的な意見です。

 まぁでもこれ、すでに年収が103万円以上の人からすれば医療費増税にしかならない可能性もあり、反発はきっと出るだろうなぁ。それでも労働力不足の解消を期待できるだけに、この政策は通してもらいたいものです。

2024年11月12日火曜日

日産の90%超減益報道はおかしいヽ(`Д´)ノプンプン


 さっき友人にも紹介したけど、ハイスピードな展開に妙に読ませられてしまう(;´・ω・)


 そんで本題ですが先週から今に至るまで後追い記事が続く上の日産の90%減益報道ですが、自分はこの記事を初めて見た際に疑問を覚えました。同時に、一体何故こんな報道をしたのか、記者もそうだし編集者も何故これを通したのかと、報道者のあまりのレベル低下ぶりに呆れました。
 では一体どういう点がおかしいのかというと、今回の日産の業績でニュースな点は90%の減益ではなく、何故日産がいまだに黒字なのかって点しかないでしょ、マジで。

 ほかの後追い記事でも触れられていますが、マジでこの10年間くらい、日産はニューモデルの新車はおろか、既存車種のマイナーチェンジすらほとんどやっていません。ディーラーの人からすれば弾を持たせずに戦場へ投入されるようなもので、これほど新車出さずにどうやって売上保っているのかそっとの方が前から不思議でしょうがありませんでした。
 またネットで自分が秀逸だと思ったものとして、「本来販売台数で稼ぐスポーツカーという位置づけのフェアレディZをほとんど作らず受注を打ち切っている」というコメントもありましたが、まさにその通りというか、作った分だけ確実に売れる見込みのあるフェアレディZを何故か日産はあまり作ろうとしません。先ほどの新車を出さない点といい、ゴーンが去って以降、というかそれ以前からも日産は自動車メーカーとしてかなりおかしな経営を繰り返しています。

 真面目に今、日産を支えているのはどの車種なのかがマジで聞きたくなるほど日産の車には魅力がありません。また新車も出てこず、こういっちゃひどいけど開発部門は何故給料をもらえるのかが不思議です。
 新車が出ない点について日産の開発力が落ちたという指摘も見えますが、上記のフェアレディZを注文数に対しあまり生産していない点も鑑みると、生産供給体制すらまともに維持できない状態に日産は陥っているのではという風にも見えます。っていうか多分、中の人も現状についてもあまり理解できていないのではない可能性すらあります。

 開発費高騰からほかのメーカーでも確かにニューモデルが最近あまりで亡くなってはいるものの、それを推しても日産のこの10年間は少なすぎます。ぶっちゃけもう自分で開発せず、他社の車を生産するだけのOEMメーカーにでもなり下がった方がこの会社にとってはいいのではないかと密かに見ています。

2024年11月10日日曜日

社畜車

 今日の上海は朝から雨が降っており、昨日の予報時点でもそうだったので晴耕雨読な一日を過ごそうと決めていました。そんなわけで午前九時に目を覚ますと「アクション対魔忍」して、「エースコンバット7」をして、お昼に昨日作り置きしていたカレーを食べ午後に入ってからは、





 こちらのトヨタ・プロボックスのプラモを作っていました。

 知ってる人には早いですがトヨタの影の稼ぎ頭こそ社用車でおなじみのこの車、何故かゴールド会員にしてもらってもいいくらい私が貢ぎまくっている上海のプラモ屋が先日入荷していました。こんなスポーツカーでもない日本の社用車のプラモを中国で一体誰が買うのか、何を考えてあの店はこんなキットを仕入れたのか深い疑問を覚えたものの、「今を逃すと中国でこれを仕入れる機会はない」と踏み、すぐさま発注しました。入荷数が少なかったのか、その後すぐにこのキットは売り切れとなっていました。
 

 さてこのプロボックスですが、実は前々から日本国内で購入を検討していたキットでした。前回日本にいたころも検討したものの、個人的にはひとつ前のモデルの方が好きだったのと、3000円くらい出してまで購入するほどかという迷いから結局見送りました。
 しかし今回は中国で手に入る、しかも前述のように恐らくもう次のチャンスはないという予感から、金に糸目をつけずにすぐ発注することとしました。


 こうして買ったキットですが、アオシマのキットだからパーツの整合性とかが若干不安だったのと、Amazonのレビューを見てもボディ周りの整合性に問題があるというコメントがあったことからうまく作れないかもという予感を感じていました。しかし実際作ってみたところ思っていた以上に整合性は良く、唯一リアバンパーが押し込みづらい形状となっていましたが、その代わりに隙間が小さいこともあって接着剤不要で嵌め込むことで済むようになってました。白と黒の対比が重要な車なだけに、この辺は上手く運べてよかったです。
 また説明書も、こういっちゃなんですがアオシマのキットにしては割と詳細に編集されており、迷いやすい部分とかも細かく補足図を入れたりしていて、迷うところもあったものの、総じて質のいいキットだと思いました。ちなみにリアシートは立てたり畳んだりさせることができます。

 もっともリアのトーションバーは慣れてない人からすればうまく作れない可能性があります。うまく作れない場合はバネを敢えて使わず、タイヤ高さ位置を固定するように接着剤でパーツを固めてしまった方がいいかもしれません。

 話を戻すとこの車、前述の通りトヨタの社用車として非常に流通しており、実際に乗車した経験のある人も多いと思います。評価も基本高く、社用車ではなくマイカーとして使う人もおり、そのシンプルなデザインと相まって玄人好みな車となっています。
 その一方、社用車でガソリン気にせず乗られることもあってか、首都高ではこの車で飛ばす人も多いと言われています。特に激務でおなじみのキーエンスのプロボックスが非常に有名で、「プロボックスに抜かれたと思ったらキーエンスのロゴ入りだった」とよく証言されており、首都高最速はキーエンスのプロボックスだとまことしやかにささやかれています。

 それだけにシールことデカールには、キーエンスのロゴを入れてほしいとマジで思っていました。さすがにこのキットにはそんなデカールは入っていませんが、もし入れてくれるならもう一個このキットを私も買うでしょう。っていうかこの車、トヨタの車というよりキーエンスの車というイメージの方が強いです。でもって社用車と呼ばれるより、社畜車って呼ばれることも多い気がする(;´・ω・)

2024年11月9日土曜日

大統領選でハリスが負けた理由

 今日は朝から「レッド・ワン」を見に行きましたが、中国語タイトルは「紅色一号」で共産党映画にしか見えなくなります。映画自体はやや中だるみがあったもののまぁまぁな内容でしたが、見に来ていたのは自分ともう一人だけでした(´;ω;`)ウッ…
 にしてもこの映画といい、クリスマス映画はマッチョと相性がいい気がする。あとクリス・エヴァンスは最近、藤原竜也氏のようにクズキャラばかり演じるようになったな。

 話は本題ですが先日の米国大統領選は開票前までは「非常に接戦」といわれながら、蓋を開けてみればスイングステートはトランプが総取りする圧勝ぶりで、8年前のトランプが当選した時と同様にメディアが赤っ恥こかす選挙結果となりました。
 この選挙について現地の状況や報道をあまり追ってこなかったこともあり、また8年前の反省を踏まえてなるべき偏見を持たずにいようと、このブログでは一切選挙について触れないこととしていました。ただ選挙直前において、もし自分が投票権を持つならトランプに投票すると考えていました。理由は何故かというと、ハリスはやばいなと感じていたからです。


 今回の選挙で一番得心した解説記事が上のリンク先ですが、ここでも書かれている通り選挙戦中のハリスの行動や発言は目に余るものがあったそうです。さすがにここまでの内容は私も知らなかったものの、ほかでもいわれている通り彼女が何故自分が大統領に相応しいのかを説明する際には「有色人種で女だから」しか理由を語ってこなかったことに、絶対権力持たせちゃならない奴だと感じました。
 また彼女はバイデン政権で副大統領という要所にありました。然るにこの選挙戦で、バイデン政権期において自分がどのような働きをしたか、どんな功績があるかについてほぼ全く語らず、それどころか当選後にウクライナやイスラエルなどの外交問題、経済政策方針についてすらもあまり語りませんでした。就任後の自分の政策選択肢を狭めまいとするための沈黙だったのかもしれませんが、施政方針を出さないだけに、就任後にどんなことをするのかが読めず、何するかわからない不確実性が高い人物のように私には見えました。

 逆い、トランプはあらゆる国に関税を課すなど言ってることはかなり無茶苦茶ではあったものの、自国産業育成のための貿易保護方針を取るスタンスや、非エリート層への雇用拡大やスポットを当てる方針などは読み取れます。確かにトランプも心変わりの激しい人間であるためその実際の政策には予測するに不確実性があるものの、何も語ろうとしないハリスに比べればまだトランプの方が予想できるとすら思えました。

 私自身、トランプについては議会襲撃事件をはじめあまりいい感情を持っていない政治家ではありますが、それでも政策の透明性ではハリスを上回っており、また「米国はこんなに国にしていこう」というリーダーシップは確かに持っていると思え、「ハリスよりは確実にマシ」だという評価からこの選挙ではトランプ推しとなりました。逆を言えば、民主党の候補がハリスではなくもう少しまともな人だったら、反トランプ感情から民主党候補を推していたと思います。

 この選挙戦においてハリスが落ちたのはガラスの天井だとか色々言われていますが、私はそうだとは思いません。むしろ反トランプ票を彼女は集めようとして選挙戦を展開していましたが、選挙戦が続くにつれ、トランプよりもハリスへのヘイトがどんどん高まり、「反ハリス票」が増えていったことが最大の落選原因だと思います。はっきり言えば彼女に投票した人たちは「民主党支持」、「反トランプ」しか動機がなかったようにも見えます。
 そもそも選挙というのは「くそったれの政治家どもの中からマシなくそったれを選ぶ」行為とも言え、そういう意味ではトランプのがハリスよりマシだったという点に今回の大統領選は集約できるように思います。

2024年11月8日金曜日

中国人の映画離れの原因は何なのか?

中国の若者はもう映画を観に行かないのか?(THR Japan)

 先日書いた記事で私は、中国人の同僚から最近中国人はあまり映画を見なくなったという話を聞いたことを書きました。この週末でも実際のところどうなのかと調べてみようと思った矢先、上記リンク先にある原文は英語の、恐らく米国発の記事でその詳しい実態が紹介されてました。
 その内容によると、今年これまでの中国における映画興行収入は前年比で22%減と大幅ダウンしており、さらにコロナ前のピーク時に当たる2019年比では38%減にもなっていたそうです。この数値一つだけとっても中国人が最近映画を見なくなったと言い切ることができるでしょう。

 この背景について記事では、長引く不況によって若者が失業するなどして所得が減り映画を見に行く機会が減った、中国当局による作品の検閲を主な理由として挙げています。また投資として見ても最近の不振ぶりから、二番目の検閲もあって中国国内制作のヒット作が不足しており、エイリアンとかクリーチャー系ばかり売れていることが書かれてあります。

 上記の分析については私も特に異議はなく、要因としては確かに入ってくると思います。もっとも中国当局の検閲に関しては想像されているよりかは緩いという風にも思っており、以前にも書きましたが「非科学的なもの」が検閲対象だと言われていますが、実際のところは「中国共産党批判があるかないか」が検閲のポイントで、先ほどのエイリアンとかも「宇宙人」というカテゴリーに入れるなら全く問題なく通してくれます。ポケモンとかもどうも宇宙人カテゴリーで通してるらしいし、宇宙人便利すぎ。

 その上で恐らく普通の人が指摘しない中国人の映画離れ理由を敢えて私の方から挙げると、一番大きいものとしてTikTokなどのネットでのショート動画の隆盛だと思います。またショート動画に限らず、中国人も映画を自宅でネット配信で見ることが増えており、映画館まで足を運ばなくなってきています。これは日本でも同じ傾向だと聞きますが、中国の方がその程度はさらに激しいとすら感じます。
 上記原因は比較的はっきりと関連性があると言い切れるまともな原因ですが、さらに敢えてほかの人間は指摘しないだろうけど、見えないところでじわじわと中国人を映画から遠ざけている背景理由として、海賊版DVDの摘発も大きいのではないかと私は睨んでいます。

 大体2018年くらいだったと思いますが、上海で国際映画祭が開かれるのに合わせて市内の海賊版DVD屋が一斉に摘発されました。当時は国際映画祭が終わればまた再開するだろうと思っていたのですが、その後も摘発は続き、当時摘発されて建物ごと破壊された海賊版DVD屋は今でもがれきがそのまま残されたままとなっており、その他の店も完全になくなっています。
 ネットでの海賊版配信は恐らくまだあるのではないかと思いますが、少なくともDVD形態の海賊版は今や中国から、地方都市ならまだあるかもしれないけど、大都市においてはもはや絶滅した状態にあります。かつては中国土産として一番重宝されていた海賊版DVDでしたが、叩き潰されるのは本当に一瞬でした。

 その海賊版ですがもちろん版権者からしたら噴飯物な行為だったでしょうけど、こと映画ファンの開拓という意味では見えないところで大きな役割を果たしていた気がします。最新作はまだしも、旧作品などはネットで意識して検索しなければまず目にかかることはないのに対し、DVDであれば棚にあれば目に入り、手に取り、視聴する機会も得られたでしょう。
 特にマーブル映画をはじめとする続き物では、前作を見ているかどうかが非常に重要となります。そうした草の根的な映画ファンや、旧作の開拓という点で海賊版は違法行為ではあるものの、映画産業全体で見たらファン層開拓という下支え的な役割を果たしていたと私は考えています。

 この点について実際に昔取材したバンダイとかソニーの人も、海賊版の動画やゲームについてソフトウェア部門ほど意外と寛容的な姿勢で、「無料で見られるからこそファンも作品に触れ、その後プラモや続編作品を買ってくれるようになる」と話していました。そのためバンダイなんかは、日本国内では無料配信しないガンダムのアニメを、中国ではあえて無料配信したりしていました。

 映画に関しても、というよりコンテンツ作品故にその入り口を開けるという点でも海賊版は意外と重要だったという気がします。もしそうだとしたら非常に皮肉ですが、海外の映画業界が散々批判してきた中国の海賊版がいざ実際に取り締まられるや、逆に彼らの食い扶持を減らすこととなってしまったのが今の状態かもしれません。

 無論、私は海賊版の氾濫を支持する立場ではないし、コンテンツに対してはやはりお金を払うべきだとも常々考えていますが、映画のように消費者に見る習慣をつけさせることが大事なコンテンツ作品においては、身を切るような感じでコンテンツをどこまで無料で開放するかが意外に重要だとも考えています。
 この点、漫画なんかは最近だとウェブで3話くらいまでは無料公開することが当たり前のようになっており、私もその姿勢が正しいと考えています。映画も難しいでしょうが、旧作に関しては画質を落としたバージョンとかでもっと無料で公開するのも手かもしれません。

 そういうわけで週末となる明日には、また朝から映画見に行く予定です。そろそろ受け付けのおばちゃんに顔覚えられてきたかもしれない。

2024年11月6日水曜日

ターゲット層をどんどん狭める現代のマーケティング


 先日書いたこちらの記事へのコメントで、アニメ監督の押井守氏の「100万人が観るより、1万人が100回観る」という言葉が引用され、今後の映画はターゲット層がますますニッチ化されていくのではという指摘を受けました。この指摘ですが私も感ずるところがあり、改めて考えてみると映画に限らず近年のマーケティングはあらゆるものがニッチ化、つまりターゲット層をどんどん狭めている傾向があるのではと思うに至りました。

 一例を挙げると映画のトム・ホランド版スパイダーマンの「ノーウェイホーム」なんか、確かに大ヒットした映画ではあったものの、過去のトビー版、アンドリュー版のスパイダーマンを見ていないとアンドリューが何度も「You are amazing!」と連呼される意味が分からないなど、楽しみが半減するような構成となっていました。いわば過去作を見ていない人はお断り的な内容となっており、この一手だけでもターゲット層はかなり狭められています。
 まぁ過去作見ている人はめちゃ楽しめるんだけど。

 この「新規お断り」的な映画はスパイダーマンに限らず、アベンジャーズを筆頭にマーブル映画で非常に顕著です。ただマーブル映画以外でもターゲット層が狭められている、というか極端に狭いと感じる作品は他にも多く、例えば日本でも時代劇を一つとってみても、かつてであればそこまでターゲット層は狭くなく、「時代劇ファン」向けに作られていたように思えます。
 しかし現在、あくまで私の目から見てですが時代劇作品でも男性向けか女性向けか、若者向けか高齢者向けか、歴史ガチ勢かニワカ勢向けかなど、かなり細かくターゲッティングが施され、対象外の層だとあまり楽しめない内容の作品が増えている気がします。これは大河ドラマでも顕著で、男性向けか女性向けかで作品のターゲット層をバッサリ分ける傾向がここ数年はっきりしているように思えます。

 アニメに関してはもはや言うまでもありません。オリジナル作品ならまだしも、原作付き作品ならこのところは原作ファン向けに作られることが多く、原作未読勢を振り落とすかのような作品も出てきている気がします。まぁ原作クラッシャー作品で、原作ファンも未読ファンも振り落とす厄介な作品もあるっちゃあリますが。

 工業製品においても、一例を挙げるとトヨタの「C-HR」という車がいい例だと思います。この車はかなり尖ったデザインしていて発売当初は売れ行きも良かったものの、3年目くらいでパタッと販売が停滞したそうです。背景原因としては「刺さる人には刺さる」デザインなため、欲しがる人は初年度にみんな買うものの、それ以外の人は一向に欲しがることもなく、販売が一巡したらそれで仕舞いになってしまったと言われていました。
 この「C-HR」に限らず近年のトヨタ車は尖ったデザインが増えており、かつての「誰からも好かれないが誰からも嫌われない」といった、ターゲットレンジを幅広くとる戦略の車を逆に見なくなりました。もっとも私自身、当時の無個性なトヨタ車のデザインを批判しており、もっとターゲッティングを狭めるべきだと車に限らず主張していた側なので、偉そうなことは言えません。

 話を本題に戻すとやはり各人の嗜好が多様化していることもあり、ビジネスにおけるターゲッティングも「100人に100円払わせるより1人に10000円を払わせる」といった方針が採用されやすくなっている気がします。その結果として、老若男女を問わず万人に受け入れられる商品やサービスが減ってきて、以前の「コミュ障は何故増えているのか?」の記事で書いたように、余計に共有体験を互いに持つことがなくなり、エンタメの孤独化というか孤立化、そして嗜好の多様化をさらに促進させているのではないかとも思えてきました。

 こうした動きはそれぞれにより突き刺さる作品やサービスの発掘にもつながるため一概に悪いと言い切れるものではないでしょうが、その一方で万人受け(マス)を目指す思考がどんどん薄れ、長い目で見るとエンタメなんかだと市場規模を縮小させる可能性もあるような気がします。工業製品においても、一応iPhoneなどアップル製品がまさに万人向け製品でしょうが、こうしたものが一つ二つあることで規格というものができ、社会全体の原価低減にもつながるため、分化し過ぎるとやっぱマイナスが大きくなる気がします。

 またマス向け作品だからといって「刺さる人がいない」とは限らず、マス向けでありながらすぐれた作品もある、というか本当に優れた作品はマスに受け容れられるものだと思います。漫画の「スパイファミリー」なんか、最初読んだ時にはっきりと「今時こんな老若男女問わず読める作品があるのか」と感心しましたが、ターゲット層が広いことで得られる優位もあるだけに、マーケティングでターゲット層を狭め続けるというのは若干間違いではないかと思うようになってきています。まぁ私はマーケティングをやる仕事には一切就いていないですが。

 言いたいことをまとめると、現代の日本社会は知らず知らずのうちに企画段階でターゲット層をどんどん狭めようとするようになっており、結果的に虻蜂取らずというかビジネスチャンスを失っているのではないかというのが私の意見です。そういう意味ではもう少し、ターゲット層を広げる意識をみんなで持った方がいいかもと思うわけです。共有体験にもつながって、コミュニケーションも高まるかもしれないし。

2024年11月5日火曜日

昨夜見た夢Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)

「富江」シリーズ漫画家・伊藤潤二氏、楳図かずおさんとの思い出回顧し「人生最大の思い出です」(日刊スポーツ)

 本日、漫画家の楳図かずおが亡くなられていたことが報じられました。私はやや世代が外れているため読んだ作品は「漂流教室」くらいしかないのですが、この一作をもってしても偉大な漫画化であったことが伺われ、多くの著名人もその訃報にコメントを寄せています。
 中でも表現的にもストーリー的にも楳図かずおの完全なフォロワーであり、且つ現在世界でも高く評価されている伊藤潤二氏のこのコメントは色々感じるところがあります。恐らく楳図かずおがいなければ、伊藤氏も世に出ることはなかったのではないかと思います。

 さてそんな楳図かずおといったらその本人のキャラクターはもちろん、やはりホラー漫画が作品ジャンルとしては代表格ですが、たまたまでしょうが昨夜やたらホラーな夢を見てました。

 昨夜は夜更かしして1時半くらいまでゲームしてようやく布団に入ったのですが、時間も時間だったのですぐに寝入ったかと思いきや、恐らく三時くらいにあいまいな状態で目が覚めました。その状態のまま夢を見たのですが、自分は小学生くらいで、友達の家に夜遅くまで遊んでいたためそのまま止まることとなったのですが、二段ベットの上の棚のところに友達の小さな弟が入り込んでしまい、高さ的に危ないから降ろそうってことで自分が向かいました。
 ベッドに上って棚からその弟を下ろそうとしたところ、その弟は顔は見えませんでしたが手足がなく、「どうやってここまで昇ったの?」という思いがするとともに、誰かが意図的にここへ置いたのかなどと想像を巡らせました。

 そうこうしているうちに夜はさらに更けたため、床に布団を敷いて寝ることとしました。さっそく自分と、その家の友達、あともう一人の友達と一緒に寝るのですが、電気を消してしばらくすると何やら誰かが部屋の中に入ってきて、自分の後ろで寝ている友達を切り刻むような音が聞こえてきます。ただその音は一人からしか聞こえず、目で見たわけじゃないものの、その家の友達が親と一緒に、もう一人の友達を切り刻んでいるかのようでした。
 その行為は延々と友達に向けられて自分には向かってこなかったためか、自分は息を殺して何も気づかぬように寝たふりをし続けていたのですが、










「黙ってれば助かると思った?」

 という言葉を不意にかけられたとこで、はっと目が覚めて現実世界の自分の部屋が視界に入ってきました。さすがにこの瞬間は自分の後ろを振り返ることができず、そのまま息をひそめるかのように目を瞑って再び寝入るまで動こうとしませんでした。でもってその後朝が来て部屋に光が差したところで、目覚ましが鳴る前にのそのそと動き始めてました。
 こんな感じで朝起きながらこの夢を振り返り、「見つかったらヤバい」的なシチュエーションで息をひそめる状態の恐怖ってのはやっぱり来るものがあるなどと考えてました。こんなホラーな夢を見たその日に冒頭の楳図かずおの訃報が出てくるもんだから、何か関連性があるのかと疑ってしまいます。

 なお楳図かずおとの関連性はないでしょうが、なんかこの1週間はあらゆることが裏目に出ている気がします。2回目の使用となる折りたたみ傘を外で開いたら風であっさり骨が曲がり、代わりにと買った傘は試し開きして傘袋に入れようとしたら一発で傘袋が裂けました。「天堂」ってブランドの傘で信用してたのに、一気に信頼感なくなりました

 このほかも空回ることが多かったほか、一昨日は恐らくまた血栓を作ってたのか夕方ごろから右眼の奥が急激に痛くなり、立ってられないため横になってしばらくしたら詰まりがが取れたのか、右のこめかみ辺りでドクドクと血管に血が循環する感覚がはっきりわかるほど流れたりしてました。ちなみにこうなる前は左右の目の焦点がやたら合わずずっと目が痛かったものの、血管のつまり取れてからはまた焦点が合うようになり、なんかいろいろ怖いです。よくないものが憑いているのかなぁ……。

映画離れが進んでいるという中国

 昨日はシリーズ1作目、2作目を見てないのにいきなり3作目からという映画の「ヴェノム ラストダンス」を見に行きました。過去作を見てないというのもあるかもしれませんが、それほど内容に深みがあるように思えず、またキャラの掘り下げもほぼ全くなく襲ってくる敵をぶん殴るだけの単調な展開は見ていてつまらないとはっきり感じました。
 まだ同じヒーロー物でバイオレンスな「ウルヴァリンVSデッドプール」の方が、各キャラの心理を掘り下げていたようにすら思います。

 そんな感じでこのところ毎週映画を見ていますが、これは今年の夏に暑くて家にいたくないから近くにあることだし映画館に通うようになったとの、朝一の上映を予約しておけばだらだらと布団の中で転がることもなく、洗濯してからきちんと早朝より行動できることからついた習慣です。それらに加え、中国の映画料金は日本に比べて安く、大体1回30~40元(約600~800円)で見られます。日中の通貨格差を考慮しても、中国の方が映画料金は断然安いです。

 なんてことを今日中国人の同僚に話してたら、というか一方的に聞かせてたら、「それでも昔に比べて高くなった」といわれました。なんでもちょっと前までは1回20元(約400円)でも見られたそうで、値段高騰もあってか最近映画館に来る人が少なくなっているそうです。
 なおその同僚に「日本の映画館料金は1回100元(約2000円)だよ(´・ω・)」と教えたら、何それマジありえないと驚かれました。こう話している自分でもありえないと思う料金です。

 実際に集客データとかはまだ見てませんが、仮に来客数が減っているとしたら価格引き上げだけが問題なのか、それとも映画コンテンツでヒット作が不足しているのが原因なのか、ちょっとこの辺が気になっています。実際にというかこの1年くらいで中国作品で目立つヒット作はなく、ハリウッド映画でも「リリアン ロムルス」が長くヒットしたのを除けばマーブル映画がこのところ不振なのもあり、ややヒット作が不足気味であるような気がします。

 私自身の目でも、以前と比べると映画を立派な娯楽として扱う中国人がなんか減っているような気がして、コンテンツもネット動画、特にショート動画などにのめりこみ、映画のような長い時間をかけてみる作品に対する関心が薄れているように思います。また名作と呼ばれる過去作品の掘り起こしもなんか減ってきているように思え、日本みたいにテレビのロードショーとかでこういう過去作品に触れる層も少なくなってきているのが地味に効いてきているような気がします。

 この辺の映画に対する中国人の視聴習慣はちょっと気になるので、また今度じっくり調べてここで紹介しようかなと考えています。なお日本の映画産業に関しては、やはりというか本場の米国すら上回るあの高すぎる料金設定が、映画離れを引き起こしている最大の要因であるような気がします。そのくせ、女性にだけはやたら優待割引を用意したりするし、映画産業もなんか新規参入者が低価格で平等なサービスを提供したら一気によくなるのではとすら思えてきます。

 そんな日本の映画業界は「鬼滅の刃」の最終章を控えており、多分これが日本記録の前作をまた上回ると予想され、割と前途は明るい状態にあると言えるでしょう。まぁアニメばっかりに頼るのではなく、実写でもいい作品をもっと作ってくれればという気もしますが。

2024年11月3日日曜日

横浜優勝!

 別に書くネタがないというわけじゃないですが、先ほど日本シリーズで横浜ベイスターズがソフトバンクを下して見事日本一になったということで、自分も喜びを感じています。決して横浜ファンというわけじゃないですが、現役時代より三浦大輔監督のファンであったこともあり、こうして彼が率いるチームが優勝を果たしたことをひときわ嬉しく思います。

 なおたまたまですが先日Youtubeで元巨人の上原氏の対談チャンネルに、三浦監督と現役時代に同じチームメイトだった斎藤隆氏が出演していました。漫画の「ササキ様に願いを」の影響もあって、斎藤氏というと傲慢な佐々木氏(漫画の中の)にパシられる弟キャラというイメージを抱いていたのですが、実際に斎藤氏は三兄弟の三男ではあるものの、その対談では非常に饒舌というか降られてもないのに自分の歌声のエピソードをどんどん話し出すなとしゃべりっぱなしでした。
 何となくイメージ的には居酒屋で管まいてる酔っ払いのようにすら見えました。

 その斎藤氏ですがドラフトを経てベイスターズに入団するも、最初のキャンプにおける練習量にビビったそうです。ダッシュなどの回数が当たり前の三桁あり、真面目にやっていたら当て終わらせられることのできない練習量だったため、斎藤氏を含めほとんどの選手が「ちょっとケガで……」などと適当に理由をつけては練習をすっぽかして抜けていったそうです。
 そうして練習から抜けてホテルに戻ったのですが、夜になっても馬鹿正直にその練習メニューを消化し続けている選手が一人だけいたとのことですが、言うまでもないでしょうがそれが三浦監督だったそうです。

 色々なエピソードを聞くに、そのリーゼントといういかつい風貌からは想像できないほど非常に誠実で、何よりも暗黒時代のベイスターズを文字通りたった一人で支え続けた点といい、野球界には多くの聖人がいますが私は三浦監督以上の人はそうそういないとすら思っています。それだけに選手時代に果たすことはできなかった二度目の優勝を、今回こうして監督として果たしたことは我が事のようにうれしく思います( ;∀;)

2024年11月1日金曜日

コミュ障は何故増えているのか?

 前に書いた記事でコミュ障キャラの漫画を紹介しましたが、これ書いた後でなんでコミュ障が増えているのかという点が少し気になりました。実際にコミュ障が増えているのかに関してはそんな統計もないので断定できないものの、少なくとも20年くらい前には「コミュ障」という単語がなかった(出始めた頃だったと思う)ので、ここまで一般化する辺りは増加と断定はできないものの、「こういう人がいても珍しくない」程度に普及したとは思います。
 ちなみにコミュ障の普及によって、「人見知り」という単語は駆逐されつつあるような。

 話を戻すとこのコミュ障増加の背景について軽くネットで検索したところ、SNSなどコミュニケーションツールの増加に伴うものと指摘しているものがありました。ただこの意見について私は疑問で、携帯電話メールの登場時にも同じようなことが言われましたが、実際にはこれら新たなコミュニケーションツールの登場によってコミュニケーションの頻度や量は確実に増加しています。
 かつては夜間なんかは家族以外とはコミュニケーションがなかったものの、現代は24時間国境すら関係なく対面でリアルタイム動画でほぼ無料で話せるようになっており、質、量ともに昔と比べて現代の方が優っていると断言できます。

 っていうかこの手のコミュ障議論は、コミュニケーションツールに軸足を置き過ぎるきらいがあります。初めて電話が登場した時も、なんか同じような議論があったんじゃないかな。

 そこで社会学士らしく、敢えてひねくれた目でこのコミュ障増加の背景について考察した場合、私から出てきた意見としてはむしろ「共有体験の減少」が主原因ではないかという結論でした。
 コミュニケーションに関して色々ハウツー本とか議論とかありますが、私個人の考えで述べると、突き詰めるとコミュニケーションというのは共有体験がすべてのベースにあると言えます。単純な会話一つとってみても、同じテレビ番組を見ているか、共通の知り合いを持っているか、同じプラモを作ったことがあるかはいずれも、両社の会話やコミュニケーションで果たす役割が大きいです。以上の例は話題(トピック)に過ぎませんが、これが文化という単位になると、同じ日本人であるかもコミュニケーションの発展を占う上で言うまでもなく重要です。

 突き詰めれば、同じ文化や価値観、知識を持っているかによってコミュニケーションの発展させやすさは非常に大きく左右されます。もちろん何も共有しない者同士、具体的には外国人同士の場合でも、共有しない者同士の交流方法ともいうべきものがありその関係を深めることは可能ですが、共有体験がある者同士と比べるとやはりその難易度はやや高まると言えるでしょう。
 まぁ共有体験がない者同士だと、数少ない共有体験を互いに軸にしようとするので、そのような数少ない接点が強く結びつけて一気に関係を深めることもありますが。

 話を戻すと、それこそ昭和から平成初期くらいの昔であれば娯楽も少なく、アニメ番組の放送数も少なく、そうした少ない娯楽に対して多くの人が集中して消費していました。そのため現代と比べると当時は共有体験が非常に多く、誰でも野球の話題で盛り上がり、スラムダンクの話題で盛り上がり、「東京ラブストーリー」で盛り上がることができました。
 然るに現代は娯楽種類が非常に多様化しているというか激増しており、動画一つとってもテレビだけじゃなくYoutubeなどでもたくさん配信されており、アニメ番組も四半期ごとに何十作も新作が作られる時代です。漫画作品も主要雑誌がウェブサイトでも別作品を連載するようになっており、「同じものを見た、体験した」という人と社会で出会うことの方が逆に難しい時代かもしれません。

 前述の通り共有体験があるかないか、多いか少ないかはコミュニケーションの発展に非常大きく影響します。共有体験がない、少ない場合、自然と話せるトピックも少なくなってくれば価値観も異なっている可能性もあり、誰にとってもコミュニケーションは取りづらくなるでしょう。
 もちろんこれまた前述の通り、共有体験がなくてもコミュニケーションを取る方法は確実に存在します。しかし私が見る限り、日本の教育現場や社会はそうした「共有体験がない者同士」のコミュニケーション法を教えないし、体得していない人が元から多いうです。そのため日本では上の年代の人間が自分の趣味や価値観を押し付けるというコミュニケーションを強制することが多く、以前までならまだかろうじて存在した若者世代とも共有できる体験(野球や歌手など)がつなぎとめていたものの、現代においてはそれすらなくなってきたことから、完全にコミュニケーションが破綻して相手を「コミュ障」と罵るようになってきているのではないかという気がします。

 なおこの辺で言えば、まだ中国人の方がコミュニケーションの取り方がうまい気がします。というのも中国は少数民族も多く、「俺とあいつらの文化や価値観は異なるかもしれない」という前提をみんな持っており、共有する体験や知識、文化がなくても、そうした相手とコミュニケーションを取る方法をきちんと体得しています。まぁ端的に言えば、相手の知識や文化に耳を傾ける努力なのですがそれは。

 以上を踏まえて言うと、現代の若い世代がコミュニケーションが下手というよりかは私は共有体験が少ないこと、そして共有体験がない者同士のコミュニケーション方法を日本人のほとんどが体得していないことが、コミュ障が増え続けている原因ではないかとみています。改善策としては何度も書いている通り、共有体験がない者同士が交流する方法を会得するに限り、もっとそうした交流方法をきちんと教育するとか、異文化体験を通して学ばせるべきでしょう。

 なお今の職場に来る日本人は海外に来るとあって、この辺のコミュニケーションがやっぱみんな上手というかまともだと思います。一番駄目なのは自分のやり方を押し付ける人間で、そうではなくまず最初に向こうのマナーなり価値観なりに耳を傾け受け容れる人間が総じて「コミュ力が高い」といえると私は思います。

アストラゼネカの中国調査に関して

 最近ずっとエースコンバット7で戦い続けているため時間が足りないです。なんかF-15がカタログスペック以上に強いというか空戦でかなり余裕で勝つため、裏があるのではと疑っています(σ・∀・)σゲッツ!!

英アストラゼネカの中国法人社長を当局が調査、詳細不明(ロイター)

 話は本題ですが英製薬会社のアストラゼネカに対して、中国が調査を進めているようです。日本のアステラス製薬の社員がスパイ容疑で逮捕された記憶も新しいことから、今回のこのアストラゼネカに対する調査も同じ製薬会社ということもあり注目されています。

 調査内容について中国当局は詳細を明らかにしていないのですが、ある事情通によると今回のはスパイ容疑ではなく、どうもデータ偽造ではないかという噂が出ているそうです。具体的には、本来なら社会尾見が適合されない成分の薬を、適合基準を満たすよう成分データを偽造して提出したという保険料詐取のような疑いをかけられているそうです。
 あくまで噂ベースなので実際はどうなるのかは今後の発表次第ですが、そうならそうと容疑だけでもさっさと公開してほしいものです。こういう隠さなくてもいいところまで隠そうとするから、中国は必要以上に周りに警戒されるということを彼ら自身もまだ気が付いてないのかもしれません。

2024年10月30日水曜日

石破政権はいつまで続くか?


 何故かこのG型ことF-104Gのみ40元(約800円)と安く、且つエースコンバット7でも使えることから組み立ててみましたが、組立前と後で随分印象が変わりました。いかにも鉛筆っぽく実際あだ名もペンシルだったこのF-104は細すぎる形状からあまり好きじゃなかったものの、実際立体として見てみると意外に気に入りました。この辺、F-20タイガーシャークとも共通します。

 話は本題ですが総選挙から数日経てみて、石破総理にとって最初の山場となる臨時国会での首班指名は何とか乗り切れる目途が立ってきた気がします。根拠としては国民民主が早々に野党一本化しての首班指名を行わないと明言しており、これにより過半数には届かないものの自公側で石破総理を推して決まる公算が高まりました。
 メディアでも報じられている通り冷遇されている高市氏をはじめとする旧安倍派が造反する可能性もなくはないですが、ここで造反しなくても石破政権の寿命は短いと考える節が多く、変に造反して後に「あの時造反したじゃないか!」と後ろ指刺されるくらいなら素直に石破総理に票入れた方が得に決まっています。そうした点を踏まえると、造反の可能性はかなり低いと考えます。

 一方、立憲民主の方では他党にも野田代表へ決選投票で入れるよう説いているようですが、かつての民主党政権が野合で成立したもののその後惨めな結果に終わったことと、立憲民主の側も政権奪取の準備がまるでできていないことを考慮すると、彼らも本気で今回首班指名を得ようという気は見られません。今後の野党共闘を踏まえ、どこと協力し合えるかの踏み絵として首班指名での協力を仰いでいるだけでしょう。

 とはいえ首班指名を乗り切ったとしても、総選挙の惨敗を受けて党内支持はもはや無きに等しい石破総理にとってはその後も蛇の道しかありません。また今回の選挙で浮き彫りとなりましたが、やはり石破総理自身が得にやりたい政策といった方針をまるで持っておらず、政局をリードする方面で無力であるという点もさらに彼を厳しい立場にしています。
 一応、選挙前になんちゃって東アジア版NATO構想を打ち出してましたが、案なの剣法球場のある日本が音頭役になれるわけがなく、米国や韓国から不要に警戒されるだけしかなく恐らく自民党内でもまともに相手する人はいないでしょう。ぶっちゃけそんなのやるくらいなら、「F-15J VS F-15K」のガチムチデスマッチみたいな演習とか組んでほしいです。WBC並に盛り上がると思うよ(´・ω・)

 以上の通り発足したばかりで即レームダック化した石破政権ですが、タイミング的に動くとしたら来年の予算案可決後じゃないかと思います。ひとまず予算編成だけは1回やらせ、それを終えた段階で内部からは石破おろし、外部からは政権交代の主張が激しくなると思います。この予算案の可決までに何かしら功績を挙げたり、外交で目を見張る結果を出すなら別ですが、あの人あんま外交もうまくなさそうに見えるので、望み薄だと思います。

 最後に前回の総選挙について、個人的には「二階元幹事長のいない自民党選挙」としては非常に久しぶり、私の見立てでは2005年の郵政選挙以来なだけに、この点が気になっていました。
 色々言われるものの、刺客候補が立てられたあの郵政選挙の真の立案者は二階氏だと私は思っており、自民党のこの20年間の選挙はほぼ彼が回していたように思います。そんな選挙の鬼が去った後の自民党の選挙はどうなるかとみていたのですが、やっぱり票読みとかで見ていて怪しいところがあり、こうした選挙戦略をマクロで立てられる人材が自民からいなくなったのではないかという気がします。地味だけど、これが後々に響いてくるかもしれません。

2024年10月28日月曜日

中国で次々起こる通り魔事件を見て

 昨日の総選挙については割と予想できた結果だったため政治ブログだけれどあまり解説することがないです。あの最後の2000万円報道がなければよとうのぎせきは30くらいは動いていたでしょう。
 敢えて言えば次の争点は首班指名で、野党が完全結束して自民以外の候補に一本化できるか、その結束を自民が切り崩せるかで石破政権の命運が決まるでしょう。もっとも今回凌いでも任期は残り短いでしょうが。


 そんなことより中国の話題で、またもや通り魔事件が起きたそうです。なんか毎週起きてるような感じがして、「週刊通り魔」みたいな状態になっているような気がします。

 ただこのような状況になるのは私自身、このブログではっきりと予言していて、見事当たってホッとするとともにノストラダムスになった気分がします。何故以前の日本人小学生への通り魔事件が起きた時に通り魔が今後増えると予想したのかというと、日本が報道し切れていない中国の不況ぶりを身をもってわかっていることと、前回の事件の際に中国政府が断固とした措置を執らなかったばかりか、報道を隠蔽しようとしたためです

 それこそ犯人を厳しく批判したり、その動機について詳しく報じたりして社会の認知や関心を高めていれば、大衆の防犯意識は高まり、こうした通り魔を企図する犯人予備軍たちも防犯の高まりから尻込みする効果が得られたのではないかと思います。また社会的批判を強め犯人には厳罰が舞い降りる、少なくとも日本人だろうが中国人だろうが、通り魔をした人間には悲惨な末路を迎えるということを強く示してさえいれば、頭のおかしくなった人間もいくらか思い止まる理由を作れたことでしょう。

 その上で私は、前回の日本人小学生の事件はまだヘイトが外国人に向く傾向があるが、この溜まったヘイトは最終的に同じ中国人の金持ちへと向かうと予言しました。この予言理由は非常に単純で、同じ金持ちでも外人より中国人の方が同胞として見ていて腹を立てる人間が多いと考えたからです。今回はその予想の通りに中国人の富裕層子弟が通う学校が狙われたようですが、多分同じような感じで今後似たような金持ち関係者が集まるところやショッピングモールとかで、しかも大都市ほど事件を起こすような人間が出てくる気がします。
 それもこれも、中国政府が事件を隠して矮小化しようとしていることに尽きます。今回の北京の事件も、ネットで先ほど確認したところやはり報道規制が敷かれているのか、全く報じられていないわけではないものの世間の反応などは表示されないようになっていました。

 中国政府としては報じれば報じるほど模倣犯が出ると考えているのではないかと思いますが、私は全く逆で、どちらにせよ模倣犯は増えてくだろうが、隠す方が余計に増やすとみています。どっちが正しいかは議論の余地もあるでしょうが、子供や女性を狙う通り魔は確実に中国で今後増えていくことでしょう。

2024年10月27日日曜日

幕末一のイケメンは誰か?

 部屋を模様替えしてまたパソコンデスクを通常の椅子から座卓に戻しました。夏場だけ椅子で冬は布団にくるまるため座卓にしていますが、座卓の方が姿勢が良くなる気がします。

 話は本題ですが例によって漫画「だんドーン」の最新刊を買ったところ、長州の久坂玄瑞が作者の奏三子氏的に最大級のイケメンに描かれていました。彼自身の肖像画や写真はなく、伝わっている肖像画は彼の近親者を元にして描かれたものなのですが、どうもその肖像画を気に入ったのかめっちゃイケメンにされています。
 もっとも久坂は身長180㎝と長身で、実際にイケメンだったという証言も多数あるので間違ってはいないですが。

 なお一緒に登場した高杉晋作は写真の通りに馬面で、セリフにもはっきりと書かれていました、この馬面という単語を聞いて私の中では、真っ先にカープレジェンドの佐々岡真司氏の顔が浮かんできた辺り、自分の中の馬面のテンプレートはやはり佐々岡氏なのだろうと再確認しました。

 話を戻すと久坂がイケメンに描かれていたわけですが、仮に幕末で最強の剣士ならぬ最強のイケメンを選ぶとしたら誰になるのか、割と盛り上がりそうなネタでありながら実際にはあまり見たことがない議論であるような気がします。
 同じく「だんドーン」では桂小五郎もイケメンに描かれていて私も彼がイケメンであることに異存はないものの、明治期の写真が完全に村上ショージ氏なため、幕末最強と言われると「村上ショージが?(;´・ω・)」という感じがするので、素直に首肯できないところがあります。

 逆に、誰からもイケメンであることに異論がない人物を挙げるとしたら間違いなく新選組の土方歳三が挙がってくるでしょう。写真を見る限り現代から見てもイケメンですが、幕末当時においても非常にモテたと自分で言っており、最強イケメン候補の一つとして申し分ないでしょう。
 逆に「イケメン化される幕末人物ナンバーワン」こと沖田総司に関しては、イケメンだったという声は当時において全く聞かれず、肖像画もありていなヒラメ顔な辺り、候補には入ってこないでしょう。

 また馬面枠で探した場合、外務大臣として有名な陸奥宗光もかなりの馬面でありながらイケメンだと思います。ちなみに奥さんも美人で有名です。

 またイケメン候補に戻ると、時代がやや幕末からずれはしますが日本海海戦で有名な東郷平八郎も若いころはマジやばいくらいのイケメンです。ケツ顎系が多い薩摩出身ながらすらりとした甘いマスクをしており、何故薩摩からこんなイケメンがと思うくらいの美男子で、この人も十分最強候補に入ってくるでしょう。

 以上を踏まえた上で敢えて私一押しのイケメン候補を挙げるとしたら、幕臣の山岡鉄舟がやっぱり最強イケメンじゃないかと思います。この人も身長が180㎝を超える長身で、しかも恵まれた体躯でかなりがっちりしていますが、顔も細面ではないですがハリウッドのガチムチ系イケメンをしており、しかも笑顔の写真とかも残っていてめっちゃかっこいいです。性格もマジイケメンで明治天皇だろうがお構いなしに相撲でぶん投げたりと公正公明で筋道を大事にする性格イケメンでもあり、もっと人気になってもいいのにとすら思う人だったりします。

2024年10月26日土曜日

ルックバックの映画面白かった(´・ω・)


 なんかこの前行ったラーメン屋に貼られていた警察のシールなのですが、書かれている内容を翻訳すると、「ケンカはダメ、負けたら病院、勝っても牢獄」という内容で、なかなかいいフレーズというかユーモアが感じられたので撮影しました。っていうか勝ち負けをはっきり分ける辺り中国らしい。

 話は本題ですが今日から中国で公開されている日本のアニメ映画の「ルックバック(中国語:蓦然回首)」を見に行きました、また朝一だったので観客は自分ともう一人だけでした。
 この作品は知って売る人には早いですが「チェンソーマン」の作者の藤本タツキ氏の短編を原作とした映画で、日本でも6月に公開されています。原作の漫画は私も読んでて単行本も買っているのですが、漫画ならではの特殊な表現を効果的に使用しているほか、他の同業者からも絶賛されている通りクリエイターの生みの苦しみめいたものを上手に表現していることから非常に高い評価を得ています。

 そういったわけで今回映画化もされたわけですが、前述の通り漫画ならではの表現が使われているため、私自身は映像化しにくい作品だと考えていました。それだけにそういった場面をこの映画ではどういった風に表現するのかが気になっていたのですが、特に違和感なく、アニメーションとしてうまく落とし込めていました。
 また監督の押山清貴氏のインタビューによると、主人公が雨の中スキップするシーンはやや原作とは異なる動き方にして見せたが、それ以外は原作をなぞるように、作者の意向を確認しながら作ったそうです。最近、っていうか昔からですが、原作を変な風に改変して失敗する作品も少なくないですが、先ほどのきちんと映像に落とし込むという点といい原作を余計に変えず、それでいて違和感のない場面で自分の色を見せる辺りは大した監督だと正直思いました。

 特に自分が感心したのは音響方面で、極力BGMを排したのは自分のイメージともぴったりでした、BGMのある所も非常に場面とあっていて、多分一番評価できるところなんじゃないかという気がします。

 このほか声優の演技についてですが、主役二人に関しては全く問題なく、特に京本役の人は今後伸びしろがあるのではという期待感を持ちました。しかしモブこと脇役に関しては正直に言ってびっくりするくらいの棒読みで、敢えて目立たせないためそのような演技指導をしたのかもしれませんが、下手過ぎて逆に悪目立ちしているような感すらありました。なんであんな下手な演技でそのまま通したのか、この映画における唯一の不満点となりました。

 以上が私の感想ですが、まだ公開初日とあってあまりメディアも報じてないですが、中国でもこの作品は売れると睨んでいます。こう考える理由としては、中国人は日本人以上に下手な友情物に弱く、ストーリーが受け入れられやすい点が第一に挙がります。
 第二の点として、前述の通りこの作品は漫画家などのクリエイターから非常に高い評価を得ていますが、こうしたクリエイターの生みの苦しみを描くような作品が中国だとほとんどないためです。日本では同じく漫画家を目指す少年二人組を描いた「バクマン」などがありますが、中国だとこの手の作品はあまりなく、実際友人の中国人も「バクマン」を見て凄い新鮮に感じたと話してました。

 それでいてですが、中国人自身は割とクリエイター気質というか、一つの作品に全身全霊で打ち込もうとするような人間が少なくないです。こうした人はカメラ趣味系に多い気がしますが、そうした作品を作る側に立ったストーリーがあまりないだけに、このルックバックを見て共感を覚える中国人も少なくないというか「こういうのを見たかったんだ(´;ω;`)ウッ…」という人が多いのではと思っています。
 この辺、今後の中国の報道を見て反響などをまた書いていきます。

2024年10月25日金曜日

ステルス公認で自民党の敗北はマジ濃厚

 中国で購入した外付けキーボードを使っているためキーボード配列は中国仕様に普段しているのですが、なんかWindowsのアップデート後は日本仕様に戻ったため今相当打ちづらいです。まぁ再起動すれば戻るけど。
 一方、ノーパソ本体のキーボードはスペースキーが反応しないままです。明らかにハードの故障だなこれ。


 それで本題ですが、正直自分は今回の総選挙は多少自民党が議席減らすとしても大敗することなく、公明との連立与党を維持すると踏んでいました。しかし今回の赤旗が報じたステルス公認の発覚を受け一気に情勢は逆転し、マジで政権陥落するのではないかという風にも思えてきました。

 今日も遅くまで残業していたので短く記事を切り上げるためステルス公認の詳細については省きますが、石破総理はあくまであれは自民党支部への支援金だとしていますが、選挙前で且つ金額が公認候補のいるところと同じであることを考えると、そのような言い訳が通じるはずはなく、裏金問題で公認から外れた現職議員らへの選挙資金提供とみて間違いないでしょう。少なくとも、そうじゃないと信じる根拠はまだ提示されていないと私は感じます。

 この一件で感じたこととしては、やはり小泉純一郎元総理の郵政選挙で刺客候補を立てたことは正解だったなということです。今回は公認除外候補に刺客は立てられませんでしたが、党内支持の維持のためには難しかったでしょうが、完全に決別して裏金問題に断固とした姿勢を見せる意味では、結果論となるものの刺客候補を立てておくべきだったでしょう。
 多分高市氏をはじめとする安倍派からは離党者が出たかもしれませんが、世論の支持はまず得られただろうし、新人議員によって自派閥を増やせたであろうことを考えると、もっと強い姿勢を出しておくべきだったでしょう。

 もはや今回の選挙の予想は「自民党がどれだけ負けるか」という論争となっており、石破総理も宇野宗佑と在任期間を争うことになるんじゃないかと考えています。っていうか与党陥落なら問答無用で降ろされることとなるな。

2024年10月22日火曜日

語られなくなった歴史

 大分前に江戸時代の農民の生活ぶりはあまりわかっていないという記事を書いていますが、この記事の中で慶安のお触書について触れています。これは知ってる人には早いですが、農民は酒を飲むな、米食うな、死ぬまで働けなどというブラック企業の社内規定未定な内容で満載な、幕府がその所領もしくは全国に出した通達とされていました。
 しかし実際に内容通り施行されていた形跡が見えないどころかこの文書の存在に触れる他の文書すらなく、現代においては偽書の類とされ、仮に実際に発行された文書であってもごく限られた地方でしか出回っていないものとほぼ確定されています。そのためかつては小学校の歴史の教科書などにも幕府の農民弾圧の根拠として教えられていたのですが、現在では教育現場で触れられることもなくなっていると聞きます。

 私が小学生だった頃はまだ現役だったため、この慶安のお触書についても覚えさせられました。ただ教える塾講師からは、「飲酒やたばこが禁止されていたはずはなく、偽物である可能性高いと現代では言われている」と補足してくれており、そうした背景もあるのかテスト問題に出てくることもありませんでした。
 前述の通りこの慶安のお触書は偽書または地域限定文書だった可能性が高いのですが、江戸時代が過ぎた後の時代に妙な形で見つかり、取り上げられたことで、全国的に出されていた布令と勘違いされて文書発行当時よりも無駄にメジャーとなった節があります。敢えて現代にたとえるなら、さだまさしの「関白宣言」の歌詞が数百年後に掘り起こされ、「20世紀末の日本において主婦は虐げられる生活を強制されていたのだ!」といわれるようなものでしょう。

 こうした慶安のお触書に限らず、かつては教育現場でも教えられながらその後の研究によって否定され、なかったことにされる歴史は他にもあります。今現在で一番ホットなのはやはり坂本龍馬で、彼の功績とされる薩長同盟も龍馬が仲介する以前に成立していたという説すらあります。また船中八策に関しても後年の創作説が強まっており、「幕末の功績をでっち上げていた胡散臭いコンサル」という評価すら出てきています。

 以前にも書いたかもしれませんが、こうしたなかったことにされる歴史というのは大体後年の創作または恣意的解釈に起因しますが、その発生原因を追えば「こうであってほしい」という願望に端を発する気がします。慶安のお触書に関しては「幕府が農民を弾圧していてほしい」、龍馬に関しては「ロマンあるキャラがいてほしい」などがあり、私が以前にJBpressで書いた元寇の根拠史料とされた「八幡愚童訓」も、武士は情けなくて神仏の力で撃退できたというまじないが求められたのでしょう。

 その理論に乗っかると、地味に戦時中の日本海軍戦闘機であるゼロ戦も「神話」の一種ではないかと思う節があります。というのも米軍は開戦当初にゼロ戦と、陸軍戦闘機の一式こと「隼」を区別できておらず、同じ戦闘機とみていました。そのためゼロ戦の撃墜数には隼の分もカウントされている、というより実際は隼の方が活躍していたという意見すらあります。
 では何故隼よりゼロ戦がもてはやされたのかというと、それはやはり陸軍悪玉・海軍善玉論が影響しているように見えます。陸軍は弱いくせに偉そう、海軍は強くてまともだったけど陸軍に邪魔されていたという図式が戦後直後から当てはめられ、この流れでゼロ戦も持ち上げられてた節があるような気がします。

 そういう意味では「願望に都合のいい歴史解釈」というのは、やはり注意してみなければならないでしょう。ドラマチックな背景とか動機というのは案外なく、歴史というのは意外にシンプルかつシビアなものであり、無駄にロマンある内容ほど創作である可能性が高いからです。

 このほか今評価が変わりつあると思う人物を挙げるとしたら、足利尊氏かもなぁ。彼の場合も、彼を否定したいとする勢力が一時多かったことだし。

2024年10月20日日曜日

千葉のマッドシティ~ロイヤルホスト松戸駅前店

ロイヤルホスト松戸駅前店(公式)

 なんか無性に松戸について書きたくなったけどもはやネタを語りつくしたと思っていた矢先、急にこのロイホ松戸駅前店を思い出したので書きます。

 このロイホ松戸駅前店はその名の通り松戸駅前から徒歩で行けるいい距離にあり、価格帯は通常のファミレスに比べ一段高いものの、さすがはミドルハイで売り出すロイホとあってか品質は高く、地元住民らに長く愛されています。
 ってか、私の記憶の限り松戸駅前には常にこのロイホが存在し続けており、運営期間は確実に30年を超しています。いくらいロイホだからといって息長すぎないかと思うくらいこの地に根付いており、Dマート(ダイエー)を含むその他の商店などが移り変わる中、このロイホだけは柱石が如く長く続いています。

 そんなロイホ松戸駅前店ですが、この店の何がいいかって駐車場がついていることで、ガチでこの店最大のストロングポイントだとも考えています。松戸駅前は無駄に駅前がごちゃごちゃしているのに対し手ごろな駐車場は少なく、その上線路をくぐる陸橋周辺は渋滞しやすく、ちょっとした用事で駅前付近に行きづらくなっています。
 そこへきてこのロイホですが、中二階ともいうべき形状なのか、店舗は二階にあって地上部分は駐車場なため行きやすく停めやすく、松戸に用事があるときにここに車止めて食事して、軽く用事を済ませてからまた車に乗って帰るという一撃離脱戦法を行うことが可能となります。

 逆を言えば、松戸駅周辺で駐車場を備えた飲食店はほとんどなく、表通りに面していることもあってこのロイホのアクセス性が際立っています。

 そういう立地からうちのソ連人民の敵である親父も贔屓にしており、松戸に行く際によくこのロイホを経由して用事を済ませてたりします。私自身は車に乗らない、っていうか中国にいてガチでこの10年ハンドルを一切握らず、松戸行くときはチャリで行く(早けりゃ20分くらい)のでそこまでこのロイホを必要としていません。
 ただ松戸で知り合った人がこの店で働いていると聞き、それからは私もロイホを贔屓にするようになりました。その人にさりげなく聞いたことがありますが、ロイホは客層もいいらしく変なクレームをつけてくる人もいないそうです。

 などと適当なことをまた書き綴っていますが、前述の通りあのDマート(ダイエー)ですら閉店したこの時代、いつまでも変わらない松戸のシンボルとしてロイホはフォーエヴァーしてほしいです。

ジョーカー2おもんなかった(´・ω・)


 婚活中の主人公が同僚に誰か紹介してと頼んだところ「コミュ障な子でよければ……」といわれ会ってみたら、すごい虚無僧が待っていたという漫画なのですが、無駄に勢いあって単行本買ってしまいました。1話当たりのページ数少ないからかえって勢いあっていい気がする。

 話は本題ですが昨日映画の「ジョーカー2」を見てきましたが、世間での評判通りおもんなかったです。恐らく監督としては「周囲が期待する自分」と「本来の(そうありたい)自分」とのギャップに悩むというのを描きたかったんだと思いますが、皮肉にも大ヒットした前作から高まる期待に対し、それに全く応えられない続編ということで身をもって期待と実体とのギャップを反映した作品でした。
 主演のホアキンの演技は相変わらずよく、法廷のシーンなんかやっぱり神懸っていたのですが。

 このほか今回見たのは言うまでもなく中国での上映ですが、性的だったり暴力的だったりするシーンはカットされていたのか不意にぶつ切りで場面が切り替わっていました。もっとも映画全体がクソで、マジで見ている最中あくびが止まらず、早く帰りたかったのでカットしてくれてマジ感謝な気持ちでいっぱいでした。朝一の上映を見に行ったけど、見ているのは自分を含め三人だけでちょい寂しかったです。

 ちなみにこの前には「トランスフォーマーONE」も見に行っていますが、こっちは普通に面白かったです。展開がはやっ子供でも飽きないであろう内容で、大人も十分見ごたえのある作品だったと思います。

 そのトランスフォーマーですが、日本で流行っていたのは自分が幼稚園にも通わない頃の幼児時代だったためあんまり作品内容とかも把握してないのですが、自分がデパートで迷子になったとき、デパートの店員が自分を慰めるためにトランスフォーマーの下敷きをくれたことを今でも覚えています。こういう人の好意というのはやっぱ忘れられないものです。

2024年10月19日土曜日

連休を挟んだ中国株価の乱高下

 今日何気なく寄ったラーメン屋でスラムダンクのテーマソングに使われた「あなただけ見つめてる」が流れてて、もしこの歌をヤクザが歌ったら歌詞の内容が全く異なるように聞こえることに気が付きました。「龍が如く」のカラオケとかに入れてくれないだろうか。


 話は本題ですがJBpressで川島さんがいい記事書いているので紹介します。この記事の中でも少し触れられていますが中国は10月1~7日、自分も「龍が如く7」と「エースコンバット」をやり続けたように超大型連休がありました。ぶっちゃけこの期間、夏場の繁忙期の疲れがどっと出てきてめちゃくちゃ体調悪かったため、朝から2万歩くらい歩くなどウォーキングして健康向上に努めた結果、今めっちゃ元気です(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

 話を戻すと、日本でも一部報じられていますが恐らく大半の人が把握してないと思うため今記事を書いていますが、ありえないくらい株価が乱高下を見せています。川島さん(自分で書いてて馴れ馴れしいが密かに尊敬している(´・ω・))の記事にも書かれてますが、チャートを見た方が早いので早速グーグルファイナンスから引用するとこうなります。


 見てわかる通り、中国の代表的株価指数の上海総合指数では9/13に2704ポイントという安値にありましたが、その後政府が景気対策の内容を発表するや以上に急上昇し、連休明けの10/8には3400ポイントを突破しまた。しかし連休が終わって幾日か過ぎるやが再び急降下し、一昨日10/17には3169ポイントまで目減りし、昨日10/18には少し持ち直して3261ポイントに戻しています。
 ただはっきり言えば、恐らく政府介入が行われていると思います。このところ日中の取引時間を見ていますがほぼ毎日取引時間中に3200ポイントを下回るのですが、終了間際に急激に戻して3200ポイント台に戻していました。恐らく現在は3200ポイントが死守ラインに設定されているのではないかと考えています。

 以上のようにゲボ吐きそうになるような乱高下っぷりをみせており、こちらのテレ朝の記事にもある通り、連休前の急上昇を見て取引に参加または買いました人なんかはかなり打撃を受けている可能性があります。実際に自分も連休前、普段は株の話なんか一切しない中国人の友人から「が一句人である君の代わりに何か買ってあげようか?」と言われていました。中国経済を楽観視していないとしてこの友人の申し出は断りましたが、こんな現況からかその後どうなったかは聞きづらく、触れないようにしています。

 この乱高下に関しては引用した記事にもある通り中国政府が色々景気刺激策を打ち出して入るものの、その抱えている不良債権や先行き見通しの暗さから、かえって取引に精通している者ほど株価の先行きを悲観ししていることが原因だと私も考えています。そもそも実体経済が非常に不調であり、若者を中心に失業者が溢れていて今後消費市場が縮小することが確実である中、株価が上昇する要素なんて何もないという風に私は見ています。
 川島さんの記事にある通り、今の中国は不良債権をどうにかしようにも金額が膨大過ぎてもはや手が付けられないという指摘もよくわかるのですが、それでもこのところ政府が打ち出している経済対策に不良債権処理が一切触れられないというのは私としては理解できず、これが市場の失望を招いている原因のように思えます。

 実際に不良債権を処理するとなると、引き受け手になるであろう銀行は大量の資産を喪失し、また処理過程で企業の倒産が相次いで今以上に失業者があふれることになるでしょう。その結果として数年間は社会が大いに荒れてGDPも大きなマイナス成長を記録することとなるでしょうが、不良債権処理しなければ経済が再生することはなく、この厳しい道は避けられないというのが私の見方です。
 以前にも書きましたが不良債権処理なしに景気対策として財政出動することは、穴の開いたバケツに水を入れるようなものです。ほかのすべてを投げうってでも、不良債権処理に手を付けるという意志こそが最大の景気対策だと私は考えます。

 しかし中国政府はいまだそうした姿勢を打ち出さず、何とか今の経済成長ペースを維持しながら不良債権を処理しようとしているように見えます。これを敢えてたとえるなら、高速道路をトラックで走行しながらオイル漏れを直そうとしているようなもので、土台無理だしむしろ事故る可能性の方が高い対応です。運送時間には遅れるがきちんと路肩に駐車して、JAFでも呼んでちゃんと修理するという対応こそがいま求められているのですが、この事実に気づくまで中国はあと3年くらいは必要かもしれません。
 景気に影響されにくい業界にいるからこういうこと書けるけど、そうじゃなかったら自分も中国から去っていただろうなもう。