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2021年6月15日火曜日

スマホを落としただけなのに(中国編)

 先日友人とチャットしている最中、タイトルに「中国」とつければ何でも壮大になることに気が付いて、「インデペンデンスデイ(中国)」とか「それでも僕はやっていない(中国)」、「サマーウォーズ(中国)」などといくつか浮かぶ中、友人には「スマホを落としただけなのに(中国編)」を提示したら結構受けました。受けたどころか、「探してみたらもうあったわ」と下記リンクまで送ってきました。


 上のリンクには、実際に中国でスマホを落とした日本人の方がその体験をまとめています。面白いのは見出しの通り、ほんとRPGみたく一つずつ手がかりを追って行って、その先々で次のヒントが出されていくという経過です。教えてくれた友人は監視カメラの映像を警察が出してくれたという点で、自分は警察に厄介になったことはないけど、実際この手の捜査で監視カメラ映像の確認を警察がやってくれるというのは聞きます。
 真面目に日本も警察の手が足りないというのなら、こういうところでIT化による効率化を進めるべきなんじゃないかと思います。監視カメラで事件解決案件も日本国内で増えてるのだし、顔認証システムくらいは早く入れろよと本気で思います。中国なら安くで売ってくれそうだけど、そもそも日本は自前じゃ作れないかもなもはや。

 話は脱線しましたが、真面目に自分も今の中国でスマホなくしたとしたら生きた心地がしないです。以前にシムカードが壊れてWIFIは使えるもののモバイル通信が出来なくなったことがありましたが、あの時もお店で決済できなくなり、めちゃくちゃ焦りまくりました。2日くらいして通信キャリアのアンテナショップですぐシムカード交換してもらえましたが、それまで不安だったからお店の人の手を取って「感谢您!( ;∀;)」とお礼言ったほどでした。

 一応言っておくと、私は配車アプリも出前アプリも一切使わないほどローテクで、スマホ依存度は現代中国においてはかなり低い部類だと自分では考えています。それでも今の中国は成人の誰もがスマホを持つこと前提で社会が成り立っており、スマホがないと身分証がないくらいの厳しい生活が要求されます。

 その上で地味に気になるのが、これから電子マネーがさらに普及した場合、子供のお小遣いとかどうなるのかとなんか気になりました。小遣い渡して自由に買い物できず、密かにお金貯めて漫画とかゲーム買うとかもできなくなるのかもと考えたら少しさびしさを覚えます。
 しかしこのまま電子決済が流行ったら、スマホなしでは一切決済ができなくなります。敢えて妥協点作るならプリペイドカード使うってのもありますが、私個人の想定では今後は子供一人ひとりにも機能を制限したスマホを持つ時代が来るような気がします。

 さらにその上で、そうした時代においては本人認証が今以上にまた重要になってくると思え、手軽で且つ安心、それこそ紐づけたらその本人しかスマホが使えなくなるような本人認証手法が出来たらかなり使われるのではないかと思え、金になる気がします。一時期出てた静脈認証はなんか最近見なくなったけどどうしたのかなあれ。

2021年6月14日月曜日

金額でクオリティの差がつかない日本

 つい先ほど、夕食がてら時計屋で電池を交換してもらってきました。電池交換した時計はカシオの1000円で売っているゴムバンドのスポーツウォッチで、薄くてゴムバンドだから夏場自転車乗る時とかに良くて数年前に購入しました。あとで知りましたがうちのソ連人民の敵である親父も文字板が違うだけの同じ時計買っててなんやねんとか思いました。
 ちなみに買ったのはヨドバシで、調べてみたら「MQ-24-9ELJF」という型番で、今も1000円のままでした。

 その電池交換の際、店員から「50元(850円)と80元(1360円)のどっちだ?」と聞かれ、迷わず「80元」と答えました。これは何かというと電池の料金のことで、50元の方は約1年、80元の方は約2年もつ電池だと前に同じ店で聞いていたので、迷わず80元を選んだわけです。
 っていうか今書いてて気が付いたけど、電池の方が時計本体より高くなってんじゃねーか。これじゃ本体買いなおした方が安かったじゃん……。

 話を戻しますが、かつての自分だったらこういうところで変なケチ意識を出して50元の電池を選んでたと思います。しかしいくらかお金に余裕ができたのと、あと中国で暮らす期間が長くなったことから、こういう二者択一の際は高い金額の方を選ぶようになってきています。一体何故かと言うと、価格が品質に直結しているからです。

 中国の場合、安い商品を探そうとしたら本当に底がないくらい安い商品がいくらでもあります。しかしその手の安い商品、それこそ例えば布団シーツとかだと本当に質が悪く、選択したら一瞬で色落ちしたり、肌触りが悪かったり、経年劣化が激しかったりと不都合な事実が後からどんどん湧いて出てくるので、一番安い商品は基本買わないようにしています。
 一方、高けりゃいいってわけじゃありませんが、ある程度値段で差別化されている商品は差別化されるだけの要因をきちんと兼ね備えており、少なくと同じ店の商品であれば品質面で「安価<効果」の図式が成り立つため、単発ではなく比較的長く使う耐久消費財であれば意図的に高いものを購入するようにしています。そっちの方が明らかに生活上のストレスは小さいし。

 これが日本だと逆で、私も日本だったら一番安い商品を手に取る確率が上がると思います。何故かというと高い商品であっても安い商品とほとんど品質や機能面で差がなく、また安い商品でも全く使えないということはほぼなく、下手すりゃ高い商品を1回買うよりも、安い商品を買い換えていく方がコスパで上回ることも少なくないでしょう。

 そんな風に電池交換した後ですき家の焼肉キムチ丼を食べながら考えていると、案外こういう金額でクオリティに差がつかない、言い換えると最低価格製品に対する手厚い保障が日本のデフレを加速させているんじゃないかとふと思いました。
 前述の通り、中国だったら価格と品質がかなり相関してくる、感覚的には価格が2倍なら品質は4倍という具合で乗数的に正比例してくるのですが、日本の場合は加算的、価格が2倍なら品質はプラス2くらいな正比例に留まるため、安い商品でいいやと選ばれてしまうことがある気がします。っていうか企業側も、そうした感覚で価格を設定しているようにすら見えます。

 その結果と言うか、高価格帯よりもエコノミーな低価格帯商品が売り上げの中心となってデフレが加速しているというのが私の見方です。ついでに言うと、消費者もその感覚に慣れてしまって高価格帯商品をほとんど選ばない、というより低価格帯商品であっても高価格帯商品並みのクオリティと保障(アフターサービス)を当たり前のように求めてくるのが習慣となってきているようにも見えます。この辺もデフレに悪い意味で貢献しているでしょう。

 なお金額とクオリティが一致しないという点に関してかつて、関西人の知人が東京の飲食店がそうだと言っていました。曰く、高いお店でもおいしいとは限らないそうで、関西は高いお店だったらきちんとうまい店が多いとのことです。味音痴な自分はあんまその辺気にしたことはないです。
 逆にい自分が金額とクオリティが一致しないと思うのは主にゲームで、アホみたいなクソゲーに高い金額で買ってしまった後は悔しさでいっぱいになります。特に最近はインディーズゲーが増えており、単価自体は全体的に低いものの、アクセル踏むだけで軸線が勝手にまっすぐ向くレースゲーとか、ほんとなめんなよとやたら怒り狂ったことがあります。

2021年6月13日日曜日

和歌山カレー事件に関する所感

和歌山カレー事件 林眞須美死刑囚の娘と孫が関空連絡橋で飛び込み自殺(ガハろぐ)

 既に一部で報じられていますが、先日の関空連絡橋での母娘心中事件で亡くなった母親の方が、和歌山カレー事件の林死刑囚の娘だったと知り、非常に驚いています。そもそもの投身事件自体、自宅では虐待と疑わしき別の娘の遺体があるなど全容が掴めない異常さがあって興味を覚えていましたが、事件とは恐らく関係ないものの、関係者が林死刑囚の係累だったという事実が加わったことでなおさら衝撃を覚えました。
 こっちの事件に関しては関係者の多くが亡くなっているのでこの後全容が解明されるかは、正直難しいでしょう。尼崎事件といい、闇入りする事件が最近多い気がします。

 話を変えると、今回の事件を受けて和歌山カレー事件に関する言及がネットを中心にまた増えてきているような気がします。一時期冤罪事件を調べまくっていたこと、また事件発生時にリアルタイムで報道を見ていた自分としても気になる事件なのですが、私自身の所感を述べると、やはりこの事件は有罪とすべきでなかったという見解を持ちます。

 一部で報じられていますが、犯人とされた林死刑囚は過去に保険金詐欺を繰り返していたことは事実であり、善良な一市民とはとても言えない人間であることは間違いありません。しかしこのカレー事件に関しては有罪の根拠とされた証言があやふやであり、また証拠とされた混入ヒ素の同一性に関しても強い疑いが残されています。確実に林死刑囚が犯人であるという証拠はなく、事件当時に際立って怪しいかというとまたそうでもない立場であるというのが私の見方です。
 では何故犯人視されたのかというと、やはり前述の保険金詐欺という経歴からでしょう。この過去の経歴から容疑者扱いされるという点に関して幾分仕方のない点もあると思いますが、しかし事件の有罪性となると話は別で、確実な証拠がないのであれば無罪とすべきだった、少なくとも死刑ではなく将来の再審を考慮して無期懲役にすべきだったと自分は思います。

 なおこの和歌山カレー事件に関して昔中国で職場に不満を持った中国人が食堂の料理に毒入れたというニュースを話題にしたら、「日本でも前あったじゃん」と中国人の友人に言われました。年代的に事件発生当時に日本にはいなかったはずですが、そんな彼でもこの事件のことを知っているほど有名な事件だったのだなと当時に認識しています。

2021年6月12日土曜日

ゴルゴ13の資産は大丈夫なのか?

 先日、同僚に「経済小説とか好きならば」と薦められたことから、「清武の乱」の首謀者こと清武氏の「プライベートバンカー」という本を読んでみました。この本はタイトルの通りプライベートバンカー、つまり金がうなるほど有り余っている個人の富裕層客に対し相続対策を含めた様々な資産運用サービスを提供する金融関係者を取り上げた内容となっています。
 舞台となるのは、近年富裕層優遇政策を採りその誘致に成功したシンガポールで、シンガポール内の銀行の日本人客担当部署に勤めることとなった元証券屋の日本人が主人公です。時期的には311前後、つまり2010年前後の話ですが、文庫版の「完結版」にはその後的なエピソードも加筆されています。

 この本は一見すると小説仕立てなのですが、実はノンフィクションで、登場人物もごく一部を除いてほぼ全員が実名というかなりとんがった内容となっています。特に後半にかけては警察が介入することとなったある事件も取り上げており、本当に小説じゃないのかと見まごうような展開を見せます。読後感としては非常によく、同僚同様に自分もこの本を薦められます。

 ここで話は変わりますが、この本の肝は富裕層の資産もろともの国外脱出、作中では「オフショア」
と呼ぶ行為が中心なのですが、割と自分もこの方面では知識があり、そういった面からも興味が持てました。ただその資産の国外移転ですが、実はここ数年で急激にハードルが高くなってきており、前ほど気軽には行えなくなってきています。
 その理由は何故かというと、タックスヘイブン対策としてOECD参加国が推進している反租税回避運動によります。近年、企業を含め事業などで得た所得を所得税の低い国(タックスヘイブン)に移すことによる課税逃れが深刻化してきたことにより、お互いフェアに自国民から税金を取ろうぜ的なノリで始まったのがこの運動です。

 ポイントとしては、税率競争の回避と、情報共有が主な内容となっています。前者は、それこそさっきのシンガポールのように、企業や富裕層を誘致するために国同士で税率を引き下げ合っていると結局必要な税収が得られなくなって、企業や富裕層だけ漁夫の利を得ることになるから、もうそういうのはやめようぜという合意です。先日のG7の税率15%下限案などはまさにこの流れのものでしょう。
 次の情報共有ですが、CRS(共通報告基準)と呼ばれる制度で、口座金額が一定額以上の非居住者情報を、その非居住者の国籍のある国の税務当局に毎年1回通知し合うという制度です。2018年くらいに合意されて、直近の報告は2月に行われたことが日経新聞も報じています

 このCRSで相続税などの租税逃れを図っていた富裕層はかなりダメージを受けるとみられ、先の「プライベートバンカー」でも「最初の執筆時とかなり状況が変わってきており、対策が強まっている」と言った言及がなされています。
 この辺に関し、インターネットの普及による国際送金の手軽化によって2000年くらいからタックスヘイブンの存在が段々と一般化してきましたが、実は今、若しくは過去がピークだったのかもと思うようになってきました。前述の通り、国際間で租税回避に対する取り組みや条約はどんどん強まってきており、現時点においても前ほど楽々には行えなくなってきています。個人資産のグローバル化という意味では、今後はやや狭まるのではという風に見ています。

 以上を踏まえて言うと、ゴルゴ13の資産はどうなのかというのが気になってくるわけです。言うまでもなくゴルゴの暗殺依頼の1件当たり報酬は莫大で、案件ごとに巨額の現金が毎回スイス銀行に送られていきます。各国の税務当局関係者からすれば、伝票に記載されないこれらのお金は、マネーロンダリングにしか見えないでしょう
 おまけに、かつては顧客情報は一切外部に漏らさず、プライベートバンクの中のプライべートバンクと言われたスイス銀行(=スイス銀行連盟に加盟している全部の銀行でどこか一つの銀行というわけじゃない)ですが、近年は上記のような国際的圧力の高まりを受け、結構顧客情報を政府関連部門など外部にも出すようになってきています。まぁだからこそ、ケイマンなどのタックスヘイブンが躍進するきっかけにもなったのですが。

 そのように考えると、ゴルゴのスイス銀行にあるゴルゴ資金ことG資金の保全は大丈夫なのかと見ているこっちが不安になってきます。それこそ不正な送金と判断されたら送金元の国の税務当局によって没収される可能性も十分あるわけです。もっとも、暗殺費用が不正なのか公正なのかは倫理的な議論が必要になりそうです。一応、仕事に対する正当な報酬であることには間違いないけど。

 その上で、あんまゴルゴの話は細かく読んでるわけじゃないのですが、ゴルゴにはこのG資金を保全、運用するパートナー、つまりプライベートバンカーはいるのだろうかと気になりました。まさかゴルゴ自身がやってるとは思えないし。
 このように考えると、富裕層への租税回避の取り締まり強化によって暗殺もおちおち依頼できなくなってきており、世知辛い世の中になってきたなぁという感じもします。暗殺が頻繁な世の中が世知辛くないかどうかはこの際置いといて。

  追記
 やはり税務専従者もゴルゴの税対策について気になるのか、以下のコラムを書いてる人がいました。このコラムの通り、ゴルゴは確定申告とか絶対してないから国税庁とか怒り心頭だろうなぁ。


2021年6月10日木曜日

進撃の巨人の完結について

 時事ネタというか漫画「進撃の巨人」の最終巻が昨日発売されて自分も読んだので軽く感想を書きます。

 ネットで見るとその結末に不満を感じたなどとするコメントも多く、作者も作者でそれを自虐ネタにして巻末おまけ漫画にまでしています。私自身の感想はさにあらず、一応伏線はすべて回収していて、尚且つ改めて連載初期の場面を見返すと実はそうだった的な解釈をすることができるだけに、結末も非常によくできているという印象を覚えます。
 ただ、盛り上がりで言えば前半から中盤にかけて、それがために上記の不満のような声が出て切るのだと思います。というのもこの漫画、世間的にはジャンルはファンタジーとして認知されているようですが、私自身はむしろミステリーに属すと考えており、そのジャンル属性故に上記評価につながったのだと思います。

 あらすじが分かっている人には説明するまでもありませんが、この漫画冒頭から正体不明の巨人と意味が分からないまま戦っていくことになり、その戦いの過程で世界の真実が徐々に明らかになっていくという筋道になっています。そのため、後半になればなるほど世界の真実が分かった状態に近づいていき、最終巻に至っては残された謎はもはや主人公の意図くらいしか残んなくなり、謎が解けることによるカタルシスがどんどん薄まっていったというのは否めません。
 そういう意味で、一番盛り上がったと思われる中盤における最大のネタバレと言うか、ライナーというキャラクターのある告白の場面こそがこの漫画のミステリーとしての最大の見せ場だったと思います。なおそのシーンは日本漫画史上において歴史に残る1コマと言っても過言じゃなく、多分リアルタイムで見ていた人は誰もが二度見したことでしょう。

 一応、後半はミステリー色がやや薄まったものの人類の普遍的テーマをストーリーに織り込むことによって文学性的な面白さはどんどん増していったと思うのですが、やはり前半から中盤にかけてのミステリー要素を好む読者からしたら何か物足りなさを感じるのも自然でしょう。私自身は後半の話も好きで、主人公とライナーの対話シーンなんかはほんとよくできたと思うのですが。

 繰り返しになりますが、私はこの漫画のジャンルは究極的にはミステリーだと思っています。その上で、これまでの日本のミステリー漫画というと「MONSTER」が最高傑作とよく言われてきましたが、私自身は「進撃の巨人」の方が上だと考えています。それだけこの漫画の伏線の張り方やプロットは見事この上なく、10年代を代表する漫画として歴史に残るでしょう。

2021年6月8日火曜日

一方通行でしか暴力が報じられない世界

20代の看護師、胸ぐらつかむ 病院で暴行、患者軽傷(神戸新聞NEXT)

 上記事読んですぐ思ったのは、「逆パターンで患者が看護師に暴行しても、絶対に報じられないよな」ということでした。でもってそうだからこそ、調子に乗る人もいるよなぁと内心思います。

 なんか最近の日本はSUICA並になんでも間で非接触型な社会で、一部でも報じられましたが何をやってもパワハラになるというか、「次から気をつけようね」という優しい感じで言っても部下から訴えられたらいろいろ終わるとかいう話を聞くだに、いろんな意味で社会がおかしくなってるなという感じがします。
 それこそ恋愛においても、最近は告白メールを送るだけでも相手の意にそぐわなければセクハラ認定されるという、ほんとかどうかよくわからない話すら聞きます。そりゃ確かに断ってるのに何度も付き合えとかいうメールを送ってきたらセクハラというかストーカーとして扱ってもいいと思いますが、1回送るだけでもアウトと言うのならそんな国で少子化対策とかしても無意味でしょう。

 話を戻すと、上記のように暴力に関して一方通行でした報じられない、処罰されない例はほかにも多いでしょう。代表格は駅員で、このほかコンビニ店員とかもそこそこ暴力を受けているのではないかと思います。また仮に駅員が乗客に殴られて、反撃で殴り返したら、乗客に殴り返した事実のみが報じられるでしょう。これが現実。
 このほか警官が同じく、市民に向かって殴ったらもうえらいこっちゃでしょう。駅員同様、殴られたので制圧ではなく殴り返したりしたら、それが正統な公務であっても悪く報じられる可能性は十分あり得ます。そう考えるとフェアじゃないです。

 そう思うと、こち亀の世界はめちゃくちゃフェアと言うか、警官同士もさることながら主人公の両さんが市民だろうが老人だろうが気にせず殴り合ったりしていて、大人になって読み返すと別な意味で笑えるかもしれません。ただ昔作者が破天荒な警官を描いているつもりだったが段々と変な警官が増えてきて、前ほど破天荒にならなくなったと言ってたことがあったように覚え、そう思うと世の中なかなか因果なものです。

 私個人の印象を書くと、人間いろいろあるんだから多少はお互い致命的な怪我を与えない程度に殴り合う社会の方が健全だと思います。冒頭でも書きましたが今の日本は非接触型SUICA社会(PASMOも可)で、恐らくこの流れは今後さらに進展していき、対面すら互いに拒否し合う時代が来るのではと想定しています。果たしてそれでいいのか、この辺をもうちょっとみんなで考えてもらいたいトピックです。

2021年6月7日月曜日

ハード信仰記事の反省会

成功体験が足かせに、日本のDXを妨げる罪深き「ハード信仰」(JBpress)

 ハイというわけでヤンマガ風の自分の記事紹介ですが、今回は残念ながら反省会で、アクセスは振るいませんでした。記事内容については見てもらえばわかる通り、近年露呈してきた日本のIT開発力不足問題の根底は、日本社会のソフトウェア軽視の風潮、言い換えればハードウェアにこだわるハード信仰にあるという主張をまとめましたが、結果はご覧の有様だよ的になりました。
 自分で言っててなんですが、古い言葉を使うもんです。

 失敗した理由としては、見出しに「中国」が入ってないことが大きいかなと思うのと、やはり読み返してみて、記事全体でまとまりがやや薄いという印象を覚えます。とはいえ、前半で具体例を出さないとこの辺の主張ってのは実感が持ちづらいこともあるので、言い訳じみてますがこのようにまとまりを欠くことになったのもいくらか仕方ないのではと思う節があります。
 この記事の主張自体は前から自分が言いたかった内容で、こうして世に出せたこと自体は個人的にはうれしいのですが、世間の耳目を引けなかったのは自分の技量不足として重ね重ね情けなさを感じます。おにぎりの具材なんかよりこういう内容のが発表したいところですが、やっぱアクセス稼げるのはおにぎりだったりするので、この辺の塩梅は本当に難しいです。

 ただ、今回全く収穫がなかったというわけでもないです。ヤフコメはアクセスの悪さを反映してそんな伸びなかったのですが、その中の一つのコメントにハード信仰について、「日立に富士通、NECといったハードウエア企業がソフトウェアをやってるから仕方ないよ。」というコメントがあり、ああなるほどと手を打ちました。
 実際にその通りで、さらに付け加えるとNTTも元インフラ屋です。日本の代表的ソフトウェア、というかシステム開発企業は確かに母体というか源流がガチガチのハードウェアメーカーであり、そうした背景がハード話絵振興につながっているという意見は個人的に感銘を受けました。

 逆を言えば、生まれながらのソフトウェア企業がシステム開発にまで行きつかない点が、日本のシステム開発のウィークポイントなのかもしれません。一応、ソフトバンク、楽天などのほか、ゲームソフトウェアメーカーが生まれながらのソフトウェア企業ですが、国の大手システムを受注するなんて話は聞きません。
 一方、中国ではネット通販大手のアリババ、ゲームパブリッシャー出身のテンセントが、産業向けではなく個人向けが主とは言え、国家レベルのアプリを開発、運営したりしています。さっきゲームソフトウェアメーカーと私が書いて、「ゲーム屋はシステムなんて作らないだろう」と思った方もいるでしょうが、実際にはテンセントのように作ってるところもあります。

 そういう意味では、生まれてこの方ソフト屋さんこそ日本は強化すべきなのかもしれません。この点に気が付いただけでも、この記事は出してよかったと負け惜しみ的に考えるようにしてます。