2026年4月23日木曜日

イラン戦争で完全に打つ手がなくなったトランプ政権

生かされた原点を見つめ糧に 最後の生存者と救った医師が再会 尼崎JR脱線事故21年(神戸新聞)

 本題とは関係ないですが上の記事で取り上げられている尼崎脱線事故の生存者の方については、自公当時の報道で見たのをはっきり覚えていました。ネタバレすると当時同じ大学に通っており、スポーツをしていたもののこの事故で両足を切断する羽目となった顛末に深い同情心を当時覚えていました。その方がこうして頑張っておられる近況をこうして見られたことは素直にうれしく感じます。

トランプ氏の威嚇発言が裏目に出てイラン優位に ボルトン元大統領補佐官の見解 停戦延長の背景(飯塚真紀子)

 それで本題ですが上の記事で飯塚氏などが指摘してる通り、もう完全にトランプ政権はイラン戦争について打つ手を失っているように見えます。これは言い換えるとイラン側からすれば粘れば粘るほど有利になる状況で、ホルムズ湾通過については今後妥協案が出てくるかもしれませんが、米国にとってはベトナムに次ぐ敗戦という結果になっていくのではないかと思えてきました。

 私自身、先日にトランプ大統領が「停戦延長はない」と発表したのを見て、「ああつまり停戦延長するってことね」と判断していました。というのもここ数週間の彼の発言は事実と真逆の結果にしかならず、具体的には、

・イラン軍は既に壊滅している
・米国は最良の結果を得ている
・ホルムズ湾はもう解放されている
・バンスは既にパキスタンへ出発している

 などと、どれも現実とは異なる発言を繰り返しています。こうした発言については飯塚氏の言う通り、有効な手段がないからこけおどしを言うより仕方ない状態だと私にも思え、今後も近い未来について彼が何か述べるとしたら現実には8割がた真逆の結果になると思っていい気がします。さらに言えばこんな風に現実から乖離した発言を繰り返していることから米政権内で方針が定まることはなく、対イラン交渉でも今後何度も話がひっくりかわり何もまとまらない状態が続くように思えます。
 イラン側もこうした米政権内の混乱、そして追加の攻撃を含め何ら有力な手段を持ち合わせていないことを見抜いているように見え、粘れば確実に有利になると見越していることから、ホルムズ湾でプレッシャーをかけつつ停戦を延長し続けたり、周辺国への攻撃を続けることでしょう。トランプだけにポーカーで言えば、何の役もないカードを常に見せているような状態です。

 皮肉なことを言えば、この戦争が終わるとしたらイラン側がイスラエル側に手痛い打撃を与えたときになるような気がしてきました。この戦争を始めて主導しているのはイスラエルであり、そのイスラエルがこれ以上の継戦を望まなくなった時に初めて終わるような気がするからです。そう考えると関係国は、イスラエルに圧力をかけることが一番この戦争を終わらせる手っ取り早い手段になる可能性があり、まじめにこの方針をもっと検討してもらいたいものです。

2026年4月22日水曜日

浅井長政は何故信長を裏切ったのか

 先日の朝倉義景の記事は最近の大河から浅井長政が何故信長を裏切ったのかという特集を見ることが増えたことで気になったため書きましたが、改めて長政は何で信長裏切ったのか気になり、ここ数日色々調べてました。これまでは単純に朝倉家との関係を重視したこと、特に長政の父である浅井久政の意思が大きいと思っていたのですが、今回改めて調べてみて少し考え方が変わりました。結論から言うと長政と信長の価値観の違い、言い換えれば戦国性のすれ違いが原因なんじゃないかと思えてきました。


 この考えに至るきっかけとなったのは上の記事なのですが、ちょっと長いですが織田家と浅井家の関係、特に浅井家の成り立ちについてかなり深くまとめられています。これを読んで一番感じた点としては、浅井家は領土拡大に対しあまり積極的ではなかったのではという疑念です。

 浅井家は元々近江にいた六角家から下克上するような形で独立した家なのですが、大名というよりかは有力国人という立場に近く、単独で生き残ることは難しいことから背後の朝倉家をよりどころにして独立していました。ただずっと六角家と対立していたわけではなく、浅井久政の代には従属的な立場を取ることで友好関係を結んだ時代もありました。ただこうした久政の態度は浅井家家臣の反発を受け、引きずり降ろされる形で長政に家督を譲る羽目となっていますが。

 異常のように浅井家は独立元である六角家とは対立していたものの、隣り合う朝倉家、あと美濃の斎藤家とは誼を結んでいましたが、その外交方針を見ると領地拡大よりもお家安泰、つまり自領の維持が最大目的であったように見えます。実際、浅井家の領土的野心が低かったと思える行動はほかにもあり、織田家と結んだあとの行動なんかかなり顕著な気がします。
 信長が足利義昭を奉じて上洛を開始した際、真っ先に敵対したのはほかならぬ六角家でした。しかし浅井家は信長の上洛作戦にあまり協力していたように見えず、進軍ルートこそ自国領を素通りさせたものの、徳川家などのように援軍を出すわけでもなく積極的に支援していません。自分の感覚ならこれまで対立してきた相手なだけに、織田家も出向いてくれるというのならアタックチャンスとばかりに一緒に出陣して領土拡大を図るものだと思うのですが、この時の浅井家を見るとそのような行動は見られません。

 ついでに書くと、浅井家は信長を裏切った後もその本拠地であり距離的にも近い岐阜に攻撃を仕掛ける素振りすら見せていません。さすがに国境の防衛は強化していますが、全体的に軍事行動に関しては朝倉家同様に鈍重である印象があります。

 話を戻すと、浅井家としては小谷城を中心としたこれまでの領土のみを維持さえできればそれでいいという方針だったのではないかというように見えます。自分たちの食い扶持を荒らされるには困るけど、かといってそこまで拡大意欲はなく、本領安堵さえされればそれで良し的な考えだったのではないかと思ったわけです。
 実際に近江こと滋賀県は戦国時代の当時においても物流などが盛り上がり、行商などでそこそこ豊かな地域だったそうです。領土を奪わなければ生きていけないような地域ではなく、現状維持の方に考えが傾くのも考えらえると思います。

 そもそも戦国時代を見ると、領土拡大よりもこうした現状維持を優先する大名の方がむしろ多かった気がします。信長や信玄、あと後年の伊達政宗のように領土拡大に積極的だった大名の方がむしろ異端で、現状で食っていけるのならそれでいいという大名の方が多数派であったと思います。そしてそんな考えだったからこそ、長政は異端な信長の行動についていけず裏切ったんじゃないかというわけです。

 浅井家からすれば織田家の領土拡大意欲と速度は理解を超えたものだったように思え、敢えて現代企業で例えるなら商売敵(六角家)を牽制るため提携したところ、その提携先(織田家)はあっという間に商売敵を追い込んで潰してしまったどころか、これまで共存共栄関係にあった別の提携先(朝倉家)も「生意気だから」という理由で潰しにかかってきたような感じなんじゃないかと思います。浅井家としては今の商売で十分食っていけるから商権さえ維持できればいいのに、織田家と組んでみたら拡大にやたら熱心で、周辺の商圏を全部取ってしまいそうで、このままだと浅井家も取り込まれるのではないかという風に懸念するのも無理ない気がします。
 そもそも六角家を下し、朝倉家も下したとなると、東は信長の本拠地である美濃にあたり、浅井家が領土拡大のために進出する方向は完全になくなります。となるとその後は大名とはいえ行動の自由はなくなり、信長にいいように使われてしまう可能性も高いわけで、この辺の懸念も影響したかもしれません。

 以上の通り、長政と信長で領土拡大に対する意識で大きな隔たりがあったからこそ、織田家の急激な躍進や軍事行動に懸念を覚えたというかついていけないと思い、あのタイミングで長政は裏切ったのではないかという結論に至りました。浅井家からすれば、あそこで朝倉家を見捨てたとしてもその後に口実をつけられて潰されるかもしれないという風に思ったかもしれず、実際この辺の浅井家側の懸念をほぐすような行動を信長は取っておらず、その危機感を煽っていた節があります。
 敢えて例えるなら、織田家は領土拡大に積極的な中国だとすると、現状維持できればいいけど中国が何してくるかわからないと懸念している日本の立場が浅井家に近かったように思えます。実際、浅井家の領土は安土や岐阜といった信長の本拠地に近過ぎており、あのまま織田家に従ったとしても最低でも転封で飛ばされていたでしょう。

 ただやはり腑に落ちないのは裏切り後の浅井家の行動で、もっと信長の本拠地の岐阜に迫るなど牽制してもよかったのではないかと思います。そう考えると軍事面でもあまり才能がなかったのかもしれません。

2026年4月21日火曜日

気になるはどっちの事故?

 今日はアクション対魔忍で新キャラ解禁なため時間が取られたことにより、短くまとめる記事ネタとして10式戦車の事故について簡単に触れます。この事故、やはり兵器の暴発事故ということで最初の報道から大きく注目されていますが、個人的には確かに気になるもののやや反応がデカすぎるという印象があります。確かに珍しい事故とはいえあまり公になっていないだけでこの手の事故はかねてより遭ったと思われるし、F-35の墜落事故も含めあり得ない事故という風には思えません。
 もっとも、こういう事故がロシアやウクライナでは今日常的に起きているということを考えると心が痛みますが。


 それよりも自分が気になるのはこちらの先日起きた川崎クレーン事故です。工法の問題性などが現在追求されていますが、そもそも一部報道によると、当日は強風で施工基準によると本来なら作業をストップしなければならない水準にもかかわらず、現場に風速計がないばかりか誰も管理しようとせず、作業を続行したことで事故が起きたともいわれています。
 上記の読売の報道のように今回行われた工法は初めて行うものだったということですが、それにもかかわらずあの風速環境で続行したということ一つとっても、まともな施工会社でなかったのではという疑念がもたげてなりません。そもそも5トンもする重りに重機を載せて作業していたという点も、素人ながら正気を疑う工法であるように思え、であれば海上に突き出した状態でカッターで切り落とす方がなんぼもマシだったのではと思えてなりません。

 この事故ではいまだに遺体が見つからない行方不明者もおりますが、事故内容から考えると遺体はバラバラになって海中で流された可能性が高いように思え、その不憫さにはこれまた心が痛みます。個人的にはこの事故の方が反省や対策すべき点が10式の事故より多いように思え、関係者側の次の発表を心待ちにしています。

2026年4月19日日曜日

急に朝倉義景が気になってきた



 先週遊びに行った天津の公園に何故か戦車が置かれていたので写真撮りましたが、二枚目の写真の看板には「軍用機械危険 立入禁止」と書いてますが大人も子供もガン無視していて誰もとがめません。This is 中国。

 話は本題ですが先日ふと、朝倉義景が気になりました。朝倉義景というと浅井長政とともに北陸方面で信長と長く戦った勢力の一角で、事実上、信長包囲網の最前線を担った人物であり、彼らの敗北によって信長は中部から近畿の覇権を確立して事実上天下を射止めたとも言えます。
 そんな朝倉義景ですが世間一般の評価は高くない、というよりほぼ無能という評価で一致しており、信長包囲網が失敗に終わったのは朝倉義景の戦略ミスや判断ミスに起因するとまで言われています。実際に武田信玄をはじめ、「なんでお前肝心な時にばかり撤退すんの?(# ゚Д゚)」と、冬が来るたびに越前こと福井県に引き返すことに詰問した大名は数知れません。そもそもそれ以前に信長が上洛するきっかけとなった足利義昭を最初に保護していたのは朝倉義景でありながら、上洛する意思を見せようとしなかったことから信長の元へ走らせてしまっており、信長と戦うきっかけはここに起因するというのもなかなか味なものがあります。

 どうして朝倉義景が気になったのかというと、少なくとも上記の通り足利義昭が最初に亡命先に選ぶなど、当時としては一定の勢力を持っていたという点です。実際、浅井長政も朝倉家との同盟関係を頼りに六角家と戦っていたともいわれ、当時の滋賀、福井においては大きな勢力を保っていたと考えられます。
 その上で、一体何故浅井長政が信長を裏切り朝倉家についたのかという点でも気になりました。従来は朝倉家寄りである長政の父親の久政によるゴリ押しという説が強かったものの、近年になって長政自身が旗印を変えたともいわれるようになり、この辺の外交というか浅井家にとって朝倉家はどんな存在だったのかという点でも興味を持ちました。

 改めて調べてみたところ前述の通り軍事行動については弁護の余地がなく、姉川の合戦をはじめ戦場ではさしたる戦績は見せず、また牽制として信長に圧力をかけるための軍事行動も本当に肝心な時で勝手に抜け出して包囲網の崩壊を招いています。ただ内政に関してはかなり評価されているようで、当時の敦賀市周辺は京都よりも栄えていたという声もあり、義昭が亡命してきた点からもその通りだったという気がします。
 また失敗の多い軍事行動に関しても、朝倉家家中があまり統一されていなかったという負い目もあったという分析がされています。従兄であり最後に裏切って義景に引導を渡している朝倉景鏡をはじめ、分家筋の勢力の独立心が強く命令にもあまり応じなかったり、義景自身に跡取りとなる息子が夭折しておらず、家中の統制が弱かったことが軍事面の弱点であったと指摘されています。まぁ同じ条件の上杉家では謙信ががっちり統制していたのと比較するとやっぱ義景は無能ってことになりますが。

 あともう一つ弁護するなら、義景の敵勢力であったのが一向一揆だったということでしょう。いまの福井県、石川県に跨るエリアには一向一揆の総本山である本願寺があり、そもそも一向一揆自体が越前から始まっています。この勢力には朝倉義景もかなり手を焼いており、上杉家と組んで挟撃を仕掛けたりもしていますが鎮静化できず、宿敵である信長同様にかなり手を焼いています。もっとも信長包囲網の時に足利義昭の仲介によって和睦していたそうですが。

 以上をまとめると、確かに軍事面での失敗が目に付くものの家中が統一されていなかったなど負い目もあり、また内政に関しては文句なしに大した指導者であった節があります。そう考えると乱世ではなく治世であればそこそこ功績を残せたかもしれない人物で、実際に義景自身も文化振興に対する意識の方が強かったそうです。そういう意味では生まれた時代をやや間違えてきてしまった不幸を彼に対して同情的に覚えます。
 最後に関係ないけど、同じクラスに浅井、朝倉という名字の二人がいたらいいコンビになるような気がしてなりません。音読み順でもかなり近いし。

2026年4月18日土曜日

ロボットに「顔」は必要か?

交換式がカギ?ロボット用マニピュレーターの将来価値

 最近アップロードされた自分の記事が上のリンク先ですが、そこそこロボット関連記事を書いて長くなってきたことでこの業界に対する知見も日経平均並みに上がってきました。とはいえ記事を書く上で意識しているのは素人臭さで、素人でも興味が持てるとか内容が理解できるようなロボット関連記事を書くようにしています。
 これはこの業界の記事がやたら専門的なのが多く、一般読者にとって敷居が高すぎると前から思っているからです。上の記事なんかもかなり素人臭く「手首取り換えられたらめっちゃ便利やん(´・ω・)」という発想から書いただけで、こういう視点が地味に自分の強みだなと感じています。

 それで話は本題に入りますが、人型ロボットなんかも大分出てきていますが現在のところその顔の造形はメカメカしいものばかりで、これはというくらい特徴があったり一発で覚えられるような顔のロボットはまだ見かけません。このロボットの顔ですが、そもそも必要なのかという意見もあるでしょうが、結論から言えばやはり必要だと私は考えます。その理由というのも、


 最近上の、ホビー用ロボットにトーマスの顔をつけた動画を見まくっているせいです。

 仮に戦場で、こんな顔した巨大ロボットに出くわしたら一発で戦意失う気がします。それほどまでに顔の造形というのは人間の心理に深く刻み込むものがあり、この顔のあるなしではロボットも性能以上に印象が変わってくるかと思います。
 なおこのシリーズで地味に好きなのは、


 この英国を代表するキャラクターのトーマスと、英国面を代表する兵器のパンジャンドラムのコラボした奴です。この造形といい発想といい、これ以上なく英国というものを表現した見事な逸品であるように思えてなりません。
 ちなみにマジになって書くと、二次大戦期と違って今では姿勢制御とか段違いに性能上がってきているから現代でパンジャンドラムを作ったら意外と活躍するのではという妙な期待が持ち上げてきています。まぁボビン状にするより、普通にカートに爆薬載せて走らせるほうがいいでしょうが。

2026年4月16日木曜日

再審における検察の抗告禁止案について

袴田さん姉「検察抗告なし、に」 再審制度見直し、修正案を批判(共同通信)

 現在改正案が審議されている再審における抗告の取り扱いについて上記リンクの通り、冤罪を負いながら無罪が認められ釈放された袴田さんの姉が抗告を完全禁止すべきという意見を出しました。自分も全く同感であり、このごに及んで抗告制度を残そうとする検察及び法務省には逆に不信感すら覚えます。

 抗告制度について自分の理解でかいつまんで説明すると、一度判決が確定した案件について冤罪や事実誤認があるという受刑者らの申請によって、三審後にも再び審理を開くことが再審制度であると考えています。この再審の請求に対し検察側は抗告をすることで、再審の開廷を止めることができます。最終的には裁判所側が判断することで抗告があったとしても再審を開くことは可能であるものの、抗告があることで開廷までのハードルは確実に引き上げられることとなり、実際に抗告が出されたことで袴田さんの事件をはじめ、再審開始まで何年もの月日を無為に浪費することとなった冤罪案件が数多く存在しています。

 そもそも検察としては自分たちが起訴した案件に再審、つまり疑義を呈されることから、そんな反論を認めるはずがなく再審請求があれば抗告を出すに決まっています。それこそ勝ち目が薄ければ尚のこと遅延戦術に出るだろうし、受刑者が寿命で死ぬことを期待して延々抗告を出し続けることも十分考えられます。こうした運用というか制度はどう見たって公平とは言えず、検察が自らの不正や失敗を覆い隠すのに有利な制度であるようにしか見えません。
 そもそもこの抗告が制度として、社会にプラスとなる恩恵をもたらした例があるのか疑問です。主だった冤罪案件にはほぼ確実にこの抗告が用いられており、自分が見る限りでは冤罪解明を遅らせるだけしか機能を果たしてないような気がします。今回法務省は抗告の審理期間を1年以内にするという妥協案を出してきていますが、こんなくそみたいな主張をする以前には抗告が社会に対しプラスとなった事例を出してみろと言いたいものです。

 さらに言えば大川原化工機事件や北海道ハンター免許剥奪事件をはじめ、近年の日本の検察に関しては明らかに判断がおかしく、国から与えられた権力を使って社会へ無為に混乱を招いているケースが目につきます。仕事舐めてるんじゃないかと思いたくなるような無能ぶりであり、この抗告制度の廃止を含めその権力を剥ぎ取る必要があると思えるのですが、どうも本人たちは反省がないのか、いまだにこうして抵抗しているのを見るとほとほと呆れてきます。
 以前にも主張しましたが、意図的であることがほぼ明らかな冤罪を引き起こした検察官らに対する刑事罰制度も必要であるように思え、抗告禁止にとどまらず検察に対する規制や制限をもっと増やしていくべきでしょう。

2026年4月15日水曜日

特定キャラに肩入れして台無しとなった作品

 先日「特定キャラへの肩入れはよくない」という見出しで、特定キャラを愛するあまり偏った贔屓とかを作品で見せると作品そのものの価値を損なってしまう危険性について触れました。そこで今回は、個人的にまさにそうなってしまった作品と、贔屓にされたキャラクターを具体的に挙げて冷笑じゃなく例証していきます。

高遠遥一(金田一少年の事件簿)
 このキャラは金田一少年の事件簿に出てくる犯人の一人なのですが、ほかの犯人は基本シリーズごとの使い捨てで、一回登場したら自決するか捕まるかしてその後は出てこないのが定番です。しかしこの高遠は数少ない例外で警察の捜査から逃れ、ほかのシリーズにも登場しては犯人となる人物を唆して殺人を行わせるトリックスター的なキャラクターにされています。
 数ヶ国語を扱う(言語舐めるな)上に犯罪トリックをいくらでも指導するなど滅茶苦茶な天才として描かれ、私に限らず多くの人から原作者などにやたら愛されていると指摘されています。ただその溺愛ぶりについては一読者である自分からみると正直白けるものがあり、話の展開に詰まったからとりあえずなんでもできる天才キャラを配置して、無理やり話し作ってるようにしか見えませんでした。

 それ以前に、この高遠というキャラクター個人に対して私は全く魅了を感じませんでした。いつもなんでもわかっているようなセリフを吐きながら悉く金田一に悪だくみを見抜かれ、警察には捕まるけどすぐ脱獄するなど展開がお決まり過ぎてざらであり、シリーズによっては過去と矛盾することを平気で口にするなど作者にとって「都合のいいキャラ」にしか見えませんでした。
 私の周りでも高遠を評価する人は見たことがなく、またシリーズもこいつが出てくると大体つまらなくなるように見え、むしろいない方がよかったキャラではと思っていました。


 こちらはゲームのキャラクターですが、一時はこのキャラの評価を巡って滅茶苦茶掲示板が荒れていました。詳細は上のゲーム解説に詳しく書かれていますがかいつまんで話すと、作中でこのキャラだけ異常に持ち上げられており、また人を殺そうとすると呪われるような世界観設定に反して殺し屋稼業を営みながら全く呪いを受けなかったり、とにもかくにも特別扱いが極端になされていたことから批判の的となっています。
 そもそもこのゲーム、明らかに当初の発表ではこのロゼではなく別のキャラがヒロインとして紹介されていたにもかかわらず、途中から過去の発表はなかったことにされ、ロゼが作中メインヒロインとしていつの間にか変更されていました。プロデューサーは頑なにこの事実を認めなかったもののさすがにそれを信じるには無理がある状況で、むしろ否定していることからこのロゼの異様なゴリ押しはプロデューサーの意向によるものだったとみられています。

 この見ていて不快に感じるほどの贔屓ぶりにゲームそのもの内容の拙さからゼスティリアの評判は非常に悪く、実際この作品以降、それまでは雨後の筍の如くシリーズ作品が連発されていたテイルズシリーズのリリースが急に止まるようになり、テイルズシリーズそのものに大きな打撃を与えてしまったようにすら見えます。かつてはドラクエ、FFに並ぶ日本三大RPGシリーズとも言われましたが、今やその地位はペルソナシリーズに完全に取って代わられているように見え、ゲームそのものではなくシリーズそのものを貶めたある意味凄いキャラでした。
 なおこのゼスティリア、ゲームは前述の通り評判は悪かったのですが、アニメ版は原作完全無視ともいうくらい内容改変が行われたそうなのですが、その結果がめちゃくちゃ高い評価となっており、「あのガタガタな原作をどうしてここまで立て直せるのか(;゚Д゚)」という妙な評価のされ方されていました。そのゼスティリアのアニメ版監督ってのが「鬼滅の刃」の監督というあたり、大ヒット作を作る片鱗をこの作品で見せていたと言えるでしょう。


 またゲームのキャラクターですが、この夜鳥子(ぬえこ)というキャラクターは「俺の屍を越えて行け2」に出てくるNPCキャラクターです。この作品はとがった作りしていてプレイヤーが使用するキャラクターはすぐ寿命で死んで、死ぬ前に作った子供のキャラクターを次々と切り替えて戦っていかなくてはならないのですが、夜鳥子だけは半永久的に登場し続け、しかも一部のボス戦で必ず使わなければならず、攻略する上で使いたくなくても使わなければならないキャラクターだったそうです。
 このようなゲームシステム面だけでなくシナリオにも食い込む、というかプレイヤーキャラクター以上にストーリーの中心に据えられており、発端となる事件からラスボスとの因縁も全部夜鳥子が担っており、エンディングにおいてはむしろ主人公であるはずのプレイヤーキャラが置いてきぼりで話が進められるような始末でした。

 それほど贔屓にされながらこの夜鳥子というキャラの人気はそれほど高いとは言えず、むしろ必ずしゃしゃりこんでくることからウザいとみられ、「このキャラがいい!」と評価する声はマジで一つも目にしない一方、「こいつさえいなければ……」という怨嗟の声はこのゲームのレビューで必ず入っていました。
 そもそもこのキャラ、このゲームのプロデューサーである桝田省治氏の小説に出てくる登場人物が元となっています。設定はいくらか変えられてはいるものの、自作の小説キャラクターを縁もゆかりもない別のゲーム作品に流用するのはさすがに無理があったのではと思え、またそんな無茶をやらかすくらいこのキャラに入れ込み過ぎた結果、桝田氏の思いとは裏腹に不評を買うだけのキャラとなったのは皮肉な結果でしょう。

 ちなみに自分は前作の1は非常にやりこんでいて2も遊ぼうとしていたものの、あまりの不評ぶりから手を出すのを控え、中古で安くなっているのをみて(確か千円)ようやく手に取りましたが、オープニングを一目見て「あ、これ違うな」と思ってそこで遊ぶのを止めてしまいました。何となく、ゲーム内の美術が前作と根本的に入れ替わっており、趣味の悪いものになってしまっていると直感で感じました。


  番外編
 以上までで特定キャラを贔屓にし過ぎて失敗した作品を紹介してきましたが、それらとは真逆の結果となったのがこのライナー・ブラウンが出てくる「進撃の巨人」じゃないかと思います。

 このライナーは超人気作の「進撃の巨人」で裏主人公ともいえるほど序盤から終盤まで常に登場し続け、物語の核心に居続けたキャラクターです。作者自身も一番のお気に入りキャラクターであることを公言しており、自分が尊敬する先輩をモデルにしていることをはじめ、インタビューで聞かれてもないのにライナーについて語りだす(しかも延々と……)など、ライナーに対する入れ込みぶりは常軌を逸するほどのものとなっています。
 しかしそんな作者の入れ込みようとは裏腹に、作中におけるライナーの扱いは悲惨そのものとしか言いようがありません。蹴ったり殴られたりするのは当たり前なうえ、時折発するストーカーじみたセリフから作中のキャラクターはおろか読者からも気味悪がられるほか、しょっちゅう手足を切られたり拷問されたり殺されかけたりしています。挙句には良心の呵責に悩まされて深刻な精神分裂症らしき症状を起こしたり、自殺を図ったりするなど精神的にも作中で追い詰められています。なお自殺未遂シーンに関して作者は、そのコマを拡大印刷して壁に貼っていたそうです。

 こうしたひどい扱われようから、ライナーについてネットでも「サディスト(作者)に愛された」、「悲しきラブドール」など、その愛着に反した仕打ちぶりに同情する声が非常に根強いです。ただ読者からの評価は決して引くなく、むしろ明らかに人気キャラ(ネタ的な意味でも)に入っており、実際私もこの作品の中で一番好きなキャラクターだったりします。
 前述の良心の呵責に悩むシーンは強いリアリティを感じられ、虐殺と戦争の渦中にある人物の姿を非常に良く描いているとすら感じました。やってることは確実にクズな行為ですが、そのクズぶりを自ら自覚して悩む姿はこの作品のテーマに深く合致するものである気がします。

 何が言いたいのかというと、突き詰めると作者が特定キャラに入れ込むかどうかではなく、明らかに不自然に感じられるほど持ち上げてしまうことの方が作品を損なってしまう行為なのでしょう。作者のライナーへの溺愛ぶりはかなり異常な部類ですが、決してライナーを作中で持ち上げることはなく、その行為の肯定や否定といった評価は理に適っており、読者の共感を得るものだったからこそ彼は人気キャラになったのだと思います。これがきちんとできなかったのが最初の3キャラクターで、単純に作り手の腕が未熟だったゆえに入れ込むキャラクターどころか作品そのものも不人気にさせてしまったと言えるでしょう。
 まぁそれはそうとして、改めてライナーの扱い見ているとマジ泣けてくる。普通に早く死ねた方が多分幸せだったろうな(´;ω;`)ウッ…