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2026年4月8日水曜日

中国のガソリン価格情勢

 本日、米国とイランが一時停戦することに合意したことが双方より発表され、これを受けて高騰していた原油価格は一時下がり、日経平均株価も急回復しました。とはいえ情勢は落ち着いたとは言い切れず、今後の展開もまだ読めない状況です。

 報道で見る限り、日本国内の情勢は消費者方面に関してはまだ落ち着いているというかガソリン価格が高騰している程度で大きな混乱は見られません。最もB2B方面では燃料価格高騰の直撃をはじめ、メディアがあまり報じないだけで既に大きな混乱が起きて負担も強いられているのではと思うものの、それでもオイルショックの反省が生きてかまだマシな状況じゃないかというきがします。
 個人的に気になっているのはあまり備蓄をしていなかった東南アジア諸国の情勢なのですが、これがとんと情報が入ってこないというかあまり日系メディアは報じようとしていません。ベトナムとかカンボジアなんかかなり影響を受けているのではと思うもののその状況が見えず、またドイツをはじめとする欧州諸国もどうなっているのかわかりません。

 そうしたあまり報道が出ないせいか、先々週辺りに「中国ではガソリン価格が数倍に跳ね上がって混乱している」というデマを流しているメディアも見られました。結論から言うとこれは完全なデマで、地域情報を発信する「本地宝」というサイトで上海市内のレギュラーガソリンにあたる92号ガソリンの改選前と直近の価格を比較すると、


・上海市内の92号ガソリン価格(本地宝

2/24:7.04元/リットル(162.2円/リットル)
4/7:8.86元/リットル(204.2円/リットル)


 というデータとなっており、開戦前後の変動率では25.9%となっています。中国も数ヶ月分の石油備蓄を取ってあるだけに、さすがに高騰までは抑えられなかったもののそこまで日常生活が不安定化するほどには不足しておらず、比較的混乱を抑えている方でしょう。
 そもそも都市部では自動車はもはやEVの方が多数派となっていて電気価格がまだ引き上げられていないことから、電力会社は負担を被ってるものの一般自動車ユーザーは石油価格の高騰による影響をほぼ受けていないとも言えます。ここら辺は中国の戦略通りというか、石油依存から脱却して原子力やソーラー、風力発電などの電力でエネルギーを完結させる電力国家構想が比較的当たっていると評価してもいい気がします。もっとも化学系を中心に石油を消費する産業はいまだ多いだけに、産業界はかなりダメージを負っているのも間違いないでしょうが。

 敢えてここで長期的な観点に立つと、今回のホルムズ湾封鎖危機で最も大きな影響を述べるなら、将来の投資意欲の鈍化じゃないかという気がします。今回の結果を受けて多くの企業は将来投資よりも現状存在するリスクヘッジに意識が回り、今あるリスクへの対策によりお金をかけるようになる気がします。その結果、生産能力の拡大計画はストップされ、サプライチェーンの再編とかに動くようになり、結果的に世界経済の成長率も数年単位で鈍化させたのではないかと考えています。
 もちろんリスクヘッジをすることによって儲かる産業もあるでしょうが、基本的には攻めより守りに経営がシフトされ、全体消費はやや落ち込むような気がします。まぁ去年からずっと日本を含めやや景気が過熱気味だったので、冷ますにはかえって好都合という気もしないでもないですが。

2026年4月6日月曜日

春の上海植物園


 一昨日、時期も時期だったので上海植物園まで自転車で30分くらい乗って行って桜見てきました。


 ちょうど散り際というか花が落ち始めて見頃となっており、いいタイミングで行けた気がします。



 自分以外にもこのビッグウェーブに乗るしかないと思ったのか、ほかにもたくさんの人が来ていました。もっとも花見会場ではないため、酒盛りするような人はいませんでしたが。


 前回に上海植物園に来たのは去年の冬で、植物園というのに花一つ咲いていない寂しい状況であったことから、今度はちゃんとした時期に来ようと前から思っていました。案の定というか春なら無駄に寂しい思いもせず回ることができます。




 最後におまけというか、日系スーパー近くで撮った写真です。上の看板の文字を訳すと、「立ち入り禁止、観賞のみ。協力ありがとうございます」となっています。

そらしど


 今日は中国のお盆にあたる清明節でお休みなため、例によってソラシドエアーのプラモ作ってました。


 個人的にはこのところ荒れに荒れているボーイングよりエアバスのが好きですが、737-800の機体です。作ってみた感じ、やっぱりエアバスのがいいと感じます。


 スカイマークとこのソラシドのどちらを作ろうかときっと購入時に迷いましたが、黄緑色の塗装が珍しいと思いこっちにしました。



 これで民間旅客機作るのも3機目ですが、デカールの貼り方もかなり慣れた気がします。最初のANAでは苦戦しましたが、今回のソラシドはほぼパーフェクトに貼ることができてこの通り裏面もバッチリです。

 今回のこのキットはハセガワので全体としては不満がないものの、スタンドがついていながらそのスタンドを使うには上の写真の胴体中心部に錐で穴を空ける必要があります。過去に作ったANA機では初めからスタンド用の穴が開いていたのと比べると余計な手間を作ってるし、また錐を持ち合わせてないためスタンドは今回諦めました。こういうところのハセガワの謎ムーブはあまり好きじゃないです。

 なお肝心要の点というか、ソラシド機には一度も乗ったことがないです。今度機会があれば考えてみようかな。

2026年4月5日日曜日

ただただ気持ち悪かった

ヤクルトがスゲー!七回一挙7得点で大逆転に成功!1死も奪われない圧巻猛攻 池山監督がベンチで狂喜乱舞 神宮球場も大盛り上がりの大逆転勝利!(デイリースポーツ)

 開幕前の評論家の予測ではヤバすぎるくらい不動の6位だったヤクルトが、開幕よりこの1週間で八区の連勝と首位を維持しています。今日の試合も7回まで0-5から1アウトも取られずに一挙7-5へとひっくり返す展開で、打線の勢いというか負ける気がしない雰囲気が凄いです。
 ちなみに日ハムもそうですが、なんか今年はやけにホームランが出まくる試合が多い気がします。去年まで飛ばないボールとか言われてて私自身はそんな変わってないのではと思っていましたが、今年に関してはなんかボール変えたのではないかと思うくらいの変貌ぶりです。

 話は本題ですが、ちょっと日が経ってはいるものの2月に漫画の「だんドーン」10巻が発売されました。購読していることから自分もすぐ買って読んだのですが、読み終わった後にすぐデータを消去しました。なんでかというと見出しにも書いている通り、読んだ後にただただ気持ち悪く感じたからです。
 この間では薩英戦争の場面が描かれているのですが、これの何が気に入らなかったのかというと主人公の奥さんを含め何故か女性キャラをやたら前面に出してヒロイックに書いていたからです。これらの女性キャラの場面は作者の創作で史実ではないもの、明らかに誇張されて描かれており、その誇張ぶりが異常だとはっきり感じました。

 歴史物の作品だからと言って必ずしも史実通りに書く必要はないし、合間合間に創作を入れることもどんどんやるべきだと普段から思っているのですが、そんな自分からしてもこの「だんドーン」10巻に関しては度し難いものを覚えました。明らかに作者の贔屓というか好みで特定の女性キャラをさも英雄っぽく描こうとしているように見え、なんでそこまでして目立たせようとするのか意図が全く読み取れませんでした。しかもその度を超えた扱い方から史実部分も捻じ曲げるようなものすら感じられ、これまでそんな風に思ったことはなかったものの、なんかこの作者は女性の立場とかそういうものを強く引き立てたいと思っているのという疑問を覚えました。
 そもそも根本的なところを突っ込めば、そうまでして描かれた女性キャラの活躍ぶりが単純に読んでてつまらないというか白ける内容でした。「だからなんなの?」と言いたくなるような展開ぶりで、重しさを感じるわけもなく、意図の読めない描き方に吐き気を感じるだけでした。

 これまで私はだんドーンを発売前に予約して買ってはいましたが、ちょっとこの10巻読んでものすごい気持ち悪さを覚えたことから、今後はもう購読を止めようと思っています。一つ前の巻でも若干そういう気配を感じていましたが、徐々に贔屓のキャラを史実を捻じ曲げてでも際立たせたい、活躍させたいというような描き方になってきており、多分今後読み続けても面白いと感じられないと思うからです。こんな感情覚えたの、マジで今までなかったかもしれないともくらいこの10巻は別な意味で衝撃的でした。

2026年4月4日土曜日

評価の逆転した徳川親子

 昨日書いた記事と内容が重なるのでついでに書くと、この20年間で徳川秀忠とと徳川家光の評価も大きく逆転してきている気がします。

 徳川秀忠は昔、大体90年代くらいまでは関ケ原の遅参などの影響もあり「典型的に無能な二台目」、「親の意向で将軍になれただけ」という評価が非常に強かった気がします。特に春日局が家康に直訴して家光を後継者に据えたという偽エピソードがまだ真実だと根強く認識されていたこともあり、後継車もまともに選べない人物のようにも描かれていました。また「影武者徳川家康」や「あずみ」をはじめ、権力奪取のために実の父である家康すらも暗殺しようとするギレン・ザビみたいな描かれ方も多くなされていました。

 しかし00年代に入ってきた辺りから、それまで家光の功績とされてきた事業のほとんどが秀忠時代に確立されていたという見方が広がり、その治世能力、特に幕藩体制を固めた点について評価が当たるようになってきます。反対に家光に関してはその業績が実は秀忠のものであり、家光自身はそれほど何か主導して達成した業績はほとんどないばかりか、あるとしてもそれは当時の幕閣がなしたもので家光としてのリーダーシップはあまりなかったという評価へとどんどん下がっていきました。
 また家光時代の幕閣に関しても、土井利勝をはじめ秀忠時代に育てられた遺臣が多く、知恵伊豆こと島原の乱を鎮圧した松平信綱こそ家光の小姓出身ですが、家光時代の側近に関しても秀忠の功績とみる向きが広がっています。

 逆を言えば後藤新平じゃないですが、人材を残したという点で秀忠の功績は素晴らしいと私自身も感じます。

 こんな感じで株が下がりっぱなしの家光ですが、この10年くらいに別な意味で評価が高まってきています。

兎図(Wikipedia)

 近年公開され始めてきましたが、家光自身は意外と絵が趣味で結構残しているものの、その公開される絵がどれも「(;´・ω・)?」というようなものが多かったりします。いわゆる「ヘタウマ」系と評価されており、このところ呼ばれるあだ名も「画伯」で、将軍としてよりもヘタウマ画家としてなんか評価が爆上がりしています。
 っていうか「画伯」って最近、もはや蔑称として使われることのが多い……。

 自分の目から見ると、何となくヘタウマ系の代表とされる吉田戦車氏っぽい雰囲気を感じます。カワウソの絵とか残っていたらめっちゃそっくりかもしれません。

2026年4月3日金曜日

三国志で最も評価が逆転した武将

 以前JBpressで、石田三成や田沼意次など昔と今とで評価が逆転した人物をまとめた特集記事を出したことがあり、そこそここう評価を得ていた気がします。この時は評価がマイナスからプラスに転じた人物をまとめていたのですが次は反対にプラスからマイナスに転じた人でもまとめようと思っていたら連載が終わり、その機会を失ったままとなっています。
 ただ仮にこのネタで三国志をやるとしたら、恐らく真っ先に描いていたのは馬超になるかと思います。

馬超(アニヲタWiki)

 馬超というと父や兄弟などの家族をみんな殺されたことから近隣の豪族らとともに反乱を起こして、曹操を大いに苦しめるも敗北し、落ち延びた先で劉備の軍門に下った悲劇の猛将として知られていると思います。ゲームの三国無双では何かと正義、正義と叫ぶので、いかにもバカっぽいキャラになっていますが実際知力はどのゲームでも低く設定されています。
 上記のようなバックグラウンド、そしてあの張飛とも互角に渡り合う強さから非常に人気のある武将なのですが、以上の話は創作の演義での話であり、実際の馬超の姿は実はこれとはかけ離れています。

 上のアニヲタWikiのページなんかその実態をかなり細かく書いているのですがここでも簡単に説明すると、まず馬超が反乱を起こしたのは都(洛陽)で父や兄弟が殺された後ではなく、実はその前だったりします。家族が都に居るというのになぜか地方で突然馬超が反乱を起こしたため、都にいた父や兄弟はそのまま都で殺されることとなり、家族が死ぬ原因を作ったのはほかでもなく馬超本人だったりします。

 その後は演義同様に曹操と一戦を交えるも敗北して落ち延びますが、行き着く先で自分をかばってくれたり支援してくれた人たちをしょっちゅう裏切っては殺し、挙句には占領した都市で虐殺を行って恨みを買ったりと、なんかやることが滅茶苦茶野蛮だったりします。最終的に匿ってくれた漢中の張魯も、「むむむ」と言うような説得なんか受けず、「あっちの方がなんかよさそう」という口実で劉備の勢力へ入るため裏切っています。
 なおこの時、漢中には馬超の家族やその股肱の臣であるホウ徳らが残されていたのですが、こうした親類縁者のことを丸まんま無視して劉備の元へ走っています。こうしたムーブを繰り返しているから上のページでも「呂布にも劣らぬ不義理ぶり」という風に書かれていますが、実際その通りだったりします。しかも劉備軍に入ってからはさして活躍もしておらず、そのままフェードアウトしてしまいます。

 私の見解ですが、史実の馬超は上記の通り不義理極まる悪漢そのものです。そんな彼が何故現代では人気あるのかというと、最後に劉備側に着いたことから劉備人気の影響を受ける形で脚色され、演義で復讐に燃える貴公子として描かれるようになったからだと思います。もし仮に劉備の元に走らなかったらきっと呂布や袁術みたいな恩知らずの暴れん坊みたいな感じで描かれていたと思え、そういう意味では最後の彼の決断は間違いじゃなかったのかもしれません。

 以上のような馬超の本当の姿は大体20年くらい前辺りから徐々に知られ、10年前くらいからは一般にも大分浸透するようになってきた気がします。現在においては結構知られるようになり、少なくとも以前のように悲劇の貴公子として同情されることはかなり減ってきており、その評価の逆転ぶりでは三国一の武将と言えるのではないかと思います。

 なおもう一人評価が逆転というか乱高下が激しい人物を挙げると、徐栄が当てはまるのだと思います。徐栄は知名度こそ低いもののの董卓軍の武将で、反董卓連合が攻め寄せたときには曹操と孫堅を完膚なきまで撃破しており、呂布と並ぶ董卓軍随一の猛将だったりします。

 ですが演義とかだと彼の活躍は呂布や華雄に取られ、また董卓死後にあっさり戦死していることから地味な扱いとなっていました。それでも曹操を撃破していることからコーエーの初代三国志ではかなり高い能力値に設定されていたものの、シリーズを経るごとに何故かどんどんとナーフされて凡将扱いされてくようになり、「董卓と使えない武将たち」として扱われるようになっていきました。
 それが近年はやたら再評価が進み、コーエー製を含む三国志関連のゲームでは再び高い能力値に設定されていき、史実通り董卓軍を代表する猛将という扱いへと戻されてきています。その評価の乱高下ぶりは最近の原油価格相場のようです。

 なお私が昔三国志のゲームで遊んでいた際、ドラクエの王様キャラがよく死に際に「ぎょえーー」ということから、徐栄が死ぬ時は「じょえーー」っていうのだろうかと思いながらよく徐栄を処刑してました。同じような理由で、王平を使ったり出くわしたりした時は「横柄な奴め(ΦωΦ)ククク…」というセリフをほぼ毎回口にしてました。

2026年3月31日火曜日

中川昭一酩酊会見の真の問題点

中川元財務相会見巡り、SNS上に読売新聞記者の偽情報…事実無根を確認(読売新聞)

 なんか先週より2009年に亡くなった中川昭一に対するネット上の言及が増えていると思ったら、昨夜に読売新聞がネット上の噂は事実無根だとするこのような発表を出してきました。これ見て読売さんも、くだらないデマに惑わされる人達相手するなど大変だなと同情を覚えたとともに、当時の状況について覚えている人がこんなにも減っているのかとげんなりする思いがしました。でもってこんな幼稚なデマに引っかかる人間の多いこと、なんか日本の教育についても考えさせられます。

 今回の中川昭一に対するネット上の噂というかデマは私が見る限りいくつかパターンがありますが、彼が失脚するきっかけとなったイタリア・ローマでの酩酊会見は仕組まれたもので、罠にかかる形で失脚してしまったという論法は共通しています。具体的にどう仕組まれたとしているのかというと、会見前に何か薬を飲まされたため人事不省に陥った、酒は飲んでいなかったのに酒を飲んで泥酔していたことにされたというようなもので、その薬を飲ませたのが読売の記者だとネットに書かれ、今回読売はそれを否定したというわけです。

 はっきり言って上の段落のくだりだけで一発でこれはデマだと言い切ることが可能で、まず当時中川が酒をんでいなかったという主張は大間違いです。騒動の直後に泥酔の背景を問われて「飲んだか飲んでないかと言えば、ごっくんはしていない」という風に言葉を入れ替えてごまかしてましたが、アルコールを摂取していたということは完全否定せず、むしろ風当たりがきつくなるにつれこの曖昧な表現についても叩かれて仕方なく飲んでた事実ははっきり認めていました。
 また仮に普段酒を飲まない人間とかだったらまだ考慮の余地がありますが、はっきり言えばかねてから中川はこういうことをしでかす、酒に対するだらしなさで前科が数多くありました。

中川昭一(Wikipedia)

 上のWikiの記事内に詳しく書かれていますが、ローマの酩酊会計以前からしょっちゅう酔ったまま会見に出てきています。実際、赤ら顔で会見に出てきたことを私自身も覚えていますし、2009年に酔ったまま国会演説に出て読み間違いを連発したときも酒のことを隠そうと「風邪で……」と、ローマの時と同じ言い訳をしています。
 このように酒による不覚の前科が明らかに多かっただけに、あのローマの時は実は泥酔じゃなかったと考える方がむしろ不自然です。しかも会見の後に訪れた美術館でも禁止エリアに勝手に入って警報機鳴らすなどいかにもな酔っ払いムーブをかましており、本当にこの方面ではだらしのない人間だったとしか言いようがありません。

 なおこの直後の衆院選で中川は落選し、その後急死しますが、選挙前に田原総一郎氏が講演で、「中川の飲んだくれも確実に落ちる」と断言していたのを覚えています。

 その上で、今回のネット上のデマではさもマスコミや周辺の官僚が中川を追い落とすために仕組んだと言われていますが、事実はむしろ逆だったと言い切れます。というのも、日本のマスコミはむしろ中川を守ろうというこれまた妙なムーブを起こしていました。これについて誰も言及していないのが、自分にとっては不愉快でした。

 これは一体どういうこと言うと、日系メディアがローマの酩酊会見を報じたのは事件発生から丸1日以上経ってからでした。何故かどのメディアもすぐ報じようとはせず、むしろ隠蔽しようとするような動きを当時見せていました。そのためこの会見を最初に報じたのは海外メディアで、海外メディアが報じたのを見てから日系メディアも「じゃあやるか」的なノリで後から報じるようになりました。テレビカメラとかも来ていたのに。

 自分も一回目の当たりにしたことがありますが、日系メディアの記者はやたらお付きの役人に「あくしろよ」、「なにいってっかわかんねーんだよ!」みたいに無駄に激しく当たり散らすのですが、実際に大臣が来ると急にかしこまって慇懃無礼に取材する人が多かった、っていうかほぼ全員そうでした。単純に取材源として重要な相手であることもさることながら、権力持ちの相手には普段は批判的なくせにいざ目の前にすると急に弱くなる傾向があるように見え、上記の酩酊会見についても「下手に怒らせないようにしよう」という保身が先に動いていたように見えます。
 当時もこうした日系メディアの態度を批判する声が出ていましたが、今回のデマではそうした昔の声は語られず、中川かばっていた日系メディアを逆に悪者に仕立てようとする主張が出ていることに私は違和感を覚えました。この点一つとっても、誰も当時のことをちゃんと覚えていないんだなという気がします。

 最後に中川について、彼の急死直後に「バランスシートを一度も見たことがない時分のような人間を役員にしてはならない」と自分で言ってた元毎日新聞常務の河内孝氏が、文芸春秋に寄せていたコラムを今でもよく覚えています。その内容は政治記者として中川の父親である中川一郎の取材のために自宅を訪れていたところ、東大に入るため慶応に仮面浪人していた昭一との会話でした。
 河内氏が「慶応もいい学校じゃないか。なんで東大にこだわるの?」と聞いたら、「慶応の奴らはあまり勉強しないんで」という風に返事したという内容だったのですが、何となくこれ読んで「ああかなりプライド高く、自分の弱みを人に見せられないタイプだ」という風に私は思いました。それだけにあの落選後の急死も特別なものというよりは自然の成り行きであったように思え、不審さはむしろなさすぎると考えるに至りました。この点で、骨肉の争いの相手とされた鈴木宗男とは本当に真逆だったなという印象を覚えました。

 っていうかムネオの場合、前回選挙のラストワン賞といい不死身過ぎる。主張には共感できないところが多いですが、あのしぶとさは本当に見習うべきものでしょう。