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2012年9月30日日曜日

日本人に向いている産業、向いていない産業

 かなり以前に友人がこのブログで、「技術的な摺合せが求められる自動車産業には協調を大事にする日本人が向いているが、画期的なデザインや機能性が要求される電子産業には保守的な日本人は向いていない」という旨のコメントを書いてくれましたが、我が友人ながらもっともなことをいうものだと非常に感心し、よくほかの人にもこの話を聞かせております。先日にも社内の同僚にこの話を聞かせてみたのですがその際に、国ごとに向いている産業、向いていない産業というものはあるのか、あるとしたらどんな国にどんな産業が向いているのかといった内容で簡単な議論となりました。

 まず日本人に関して言えば、上の友人の言う通りに自動車産業が明らかに向いていると私も思います。片っ端から挙げていくだけでエンジン、マフラー、ラジエーター、トランスミッション、内装部品、デザインと、全く専門分野の違う人間同士が集まって一つの車体を設計しなくては鳴らず、一台にまとめるためには各分野で主張したり妥協し合ったりする必要があります。ただ「妥協するなら俺に任せろ」と言わんばかりの日本人にとってはこうした作業はお手の物というか、容積の小さいコンパクトカーや軽自動車であれだけ高い性能の車を作るのはやはり世界屈指な気がします。逆に冷静に上海で走っている車を見ると、GMなど米メーカーの車というのはどれも性能の割に無駄にでかい車(中国人には受けるのだが)が多く、多分アメリカ人はお互い妥協できず、無理矢理詰め込もうとしてあれだけ車体がでかくなるのだなという風に推察しています。

 逆に電子機器分野においては、こちらも友人が言うように今の日本人には競争力がないと言わざるを得ないでしょう。かつてサイクルの速い業界、それこそ「昨日の勝者が今日の敗者」というくらい流転の激しい業界としてIT業界が代表格でしたが、今や電子機器業界もそれに負けるとも劣らないくらい業界サイクルが早まっていると言わざるを得ません。日本国内で見ても5年前に日本で最も勢いのあった電器メーカーのシャープが創業100周年の今この時に経営の危機になっておりますし、中国でも太陽電池メーカーとしては世界最大手だったサンテックパワーが経営危機に瀕しており、つい先週もそろそろナスダックで上場廃止になるという記事を私も書きました。

 そんなサイクルの速い電子業界で何が求められているのかというと、やはり培った技術以前に革新性が今一番求められているかと思います。この革新性でどこが強いかと言ったらそりゃなんといってもiPhoneに代表されるアップル意外にほかなく、後はインドで「鍵付き冷蔵庫」とか「音楽プレイヤー付き洗濯機」とかを出しているサムスンが続くでしょう。ちょっと話が飛びますが、以前に「スティーブ・ジョブズが何故日本で生まれないのか」という記事が出ておりこれについてネットの掲示板でも取り上げられていましたが、その中で見受けられた意見に、「そりゃ数ヶ月もシャワー浴びず、ジーパンサンダル履きで他社とのミーティングに出てくるような奴が日本で会社勤めできるわけない(ジョブズの実話)」という一言がありこれに勝る回答はないと私も感じます。私の方から更に付け加えると、ジョブズはエレベーターで乗り合わせた社員に対していきなり、「やぁ久しぶり。ところで君、明日らもう来なくていいよ」と平気で解雇通告とかやるような奴だったらしいです。まぁこの後、自分が役員らに追い出されることになるんですが。

 ただこんなジョブズでも、アメリカという国は受けれてしまう度量の深さがあります。どれだけ私生活に問題を持ってても、一般常識がなくとも会社に価値をもたらすのであればきちんと採用して活かしてしまうところがあるため、革新性という領域においては他国の追随を許さないでしょう。逆に日本社会はどれだけとんがった才能があってもネクタイを締めていなければ人間として扱わないところがシャレや冗談抜きであり、一分野にどれだけ優れていても何か一つ欠けていれば全く相手にしません。そんな環境で革新性なんて生まれるわけなどなく、革新性を持つ人間は会社に属さない漫画かなどの分野でしか見受けられない気がします。なお敢えてジョブズに近い人間だったと私が思えるのは、故横井軍平だったのではないかと密かに考えてます。

 上記のような日本人とアメリカ人の違いをスポーツにたとえると、打撃も守備も両方とも上手くなければならない野球が好きな日本人と、蹴る人間と走る人間と壁を作る人間ではっきり役割が分かれているアメフトが好きなアメリカ人だと説明しております。技術力とか教育以前に、やはり国民性というか文化がどの産業に向いてるかというのを決めるのではないかと言いたいわけです。

 ここでまた話は変わりますが、ならば中国人はどんな産業が向いているのかということが社内での議論で一番盛り上がりました。結論から言うとローコストオペレーションが強いのではないかという話になり、たとえば中国の自動車メーカーの多くは自分の会社でエンジンとか主要部品は一切作らず、それこそ日本の自動車メーカー(比較的多いのは三菱)からエンジンをそのまま調達し、その他の部品と組み合わせて1台作るということが多いです。
 中国人企業家の多くは、「安い費用で調達出来るのなら自前にこだわる必要がない」と割り切る人が多く、場合によっては知的財産権すら平気で無視してその場で集められるものでぱっと作ってしまうところがあります。日本の企業家と比べて決断の早いところも加わり、安い材料を集めて製品化するという分野においてはなかなか競争力が高いのではという風に議論が進んだのですが、そのかわりせっかちな性格が災いして長期的な開発計画なんかは苦手で、安価大量生産モデルからやはり脱却できないのではという意見も出てきたわけです。

2012年9月29日土曜日

中国で人気が出そうな人気お笑い芸人

 今日また上海人の友人と一緒に夕食を取りましたが、その際に「どんなお笑い芸人が中国で人気が出そうか」ということが話題になりました。知ってる人には早いですが今最も中国で名前が知られている日本人は野田首相でもなく石原都知事でもなく、AV女優の蒼井そらなのですが、彼女が何で人気なのかというとAV女優という経歴に加え中国語で自ら意見を発信出来るということに尽きます。これは見方を変えて言うと、中国語で直接発信することが出来れば日本人も中国でそこそこの知名度を得やすいということで、日本のお笑い芸人もこっち来て活動すれば有名になれるんじゃないかという話になり、今日こんな話題となりました。

 それで具体的にどんなお笑い芸人が受けそうかというと、まず中国のお笑いというと「相声」という漫才が基本です。一方、最近批判が集まっていますが日本のお笑い芸人が得意とする体を張った芸とかリアクション芸が少なく、こうした芸が得意な芸人が受けるのではないかということで友人と一致しました。
 そんな友人が今回一番押していたのは世界のナベアツこと渡辺鐘氏で、3の倍数だけアホになる芸とかわかりやすく中国でも受け入れられるのではないかと太鼓判を押していました。そのほか見た目で面白いのとなるとレイザーラモンHGとかほんこんなどが中国でも受けやすいと話し合いました。

 自分のブログにしては文字数が極端に少ないですが、友人にまたしこたま酒を飲まされて、正直に言って今吐きそうなのでここで筆を止めます。っていうか飲めないのわかってるのになんで毎回飲ましてくるんだろうか。

2012年9月27日木曜日

自民党、安倍新総裁への嫌味な報道について

 今日から自分中国の建国記念日こと国慶節休みのため、長い連休に入ります。このブログ用にちょっと面白い題材を見つけているので、そちらの作成準備とかしようと考えていますが、今日早速1時間半の昼寝をやったあたり、睡眠時間が加速度的に増える可能性が高いです。ちなみに私の睡眠に関してもう少し書くと、どうも中国の留学に言ってから昼寝する癖がついて、一日2時間程度昼寝しても夜もちゃんと寝られるので普通に10時間くらい一日で寝ることも休日中はざらです。これくらい毎日中学生の頃に寝ていたらどれだけ背が伸びた事やら。

 話は本題に入りますが、先日の自民党総裁選を経て総裁職に復帰した安倍元首相ですが、このところのマスコミの報道がさすがに気になります。はっきり言ってこんなくだらない内容を自分が取り上げるべきなのか迷いましたが、3年くらい後に政治史を振り返る際に必要あるかと判断してもう書いちゃいます。

安倍新総裁、高級カツカレーにネット非難(日刊スポーツ)

 既に各所で報じられているため大半の方もご存じでしょうが、安倍総裁がこのまえ昼食に食べたカツカレーが3500円であったということをテレビ局から新聞各社まで「庶民感覚とずれている」と批判する論調で報じております。はっきり言いますが、こうした報道は真面目に常軌を逸しているとしか私には思えません。別に昼に何食べようがそんなの個人の勝手だし、仮に1回の昼食が350万円とかだったらそりゃ報じる価値あるとは思いますけど、一流政治家なんだからこれくらいの昼食代くらい普通ではないかと私には思います。逆にそれこそ500円で定食出しているような食堂にふらりと知名度の高い安倍総裁が来ようものなら店内パニックになる恐れもありますし、そうした無用な騒動を避ける意味でもホテルのレストランで食べるのが自然でしょう。

 それでこの日刊スポーツの記事ですが、ネット上では安倍総裁を非難する声が出ていると書いていますが、私が見る限りだとネットの掲示板ではむしろ「こんなくだらない揚げ足取りをしてどうする」とばかりに報じたマスコミを批判する内容しか見受けません。もちろん私が見ていないだけでもしかしたら実際にあるのかもしれませんが、ネット上の意見というどうとでも取れるよな根拠の薄い材料を持ってきてまで安倍新総裁を批判したいのかと言いたくなったわけで、少なくとも私個人としては「批判されるべきは報じているマスコミ自身だ」ということをネット上の意見として一言言おうと今回記事にしようと思ったわけです。
 なおこのカツカレーですが、ロケットニュースが実際に該当のレストランに行って食べに行った内容をレポートにまとめています。

安倍新総裁が食べたという「3500円のカツカレー」を食べてみた!! 上品すぎてカレーを逸脱しているレベル(ロケットニュース)

 はっきり言ってロケットニュースは平気で誤報を報じるから私個人として非常に嫌っているのですが、この記事に関してはタイムリーであるし面白く、文句なしに太鼓判押せるいい記事です。それにしてもこう何度も「カツカレー」という文字を見ているとカレーが食べたくなってきますが、昨日やけにカレーが食べたくなって昼食にココイチの野菜カレー(28元)食べに行ったのも例の記事を読んだ後だったからなのかもしれません。

党内から「『お友達内閣』アゲインだ」との声 幹事長に石破氏起用に拒否反応も
徳島の自民県議が安倍氏中傷 ツイッターで持病揶揄「何時投げ出すんですか!?」(産経新聞)

 このカツカレーに限らず、総裁就任後に安倍総裁を批判する記事が異常に多く見受けられます。就任が決まったばかりだというのにここまで批判が集中するのは私個人として不気味に感じるくらいです。特に上の「お友達内閣」と批判している記事に関しては石破氏を幹事長に下だけで、なんでこの時点、政調会長などほかの役職人事も決まっていない段階(政調会長には暗殺拳で有名な甘利氏に今日決まりました)でお友達内閣と言えるのか、自民党議員の一言として載せられていますがこんな内容を記事にして出すなんてやっぱりこっちも常軌を逸しているような感覚を覚えます。
 でもって下の徳島県議の話に至っては、その内容の下品さもさることながら安倍総裁を揶揄した理由を「地方の声を無視された腹いせに、新総裁の悪口を言った」とのたまっており、なんでこんな人間が県議になれるんだよといろんな意味で不安になってきます。なおこの徳島県議に限らず総裁選直後は地方党員票で石破氏が上回っていたのに、民意を無視したなどと安倍総裁への就任を批判する記事が多数見受けられましたが、これらに関しては見当違いもいいところだと思います。というのも決選投票になるのは初めから公示されていたシステムで、こういう結果になることもシステム上わかりきっていたことで、それを後からケチつけるのは間違っているでしょう。また自民党員だけの投票を「民意」とするのは無理があります。

 更にもう一言付け加えると、安倍氏も石破氏も選挙戦の内容を見る限り目指す路線は共通しており、現に今回石破氏は幹事長に就任してます。路線が同じ人間同士なのになるべき総裁が違うと批判するのは、政策を見て言っているのではないなと私は判断します。
 ここまで肩持っておきながらですが私個人としてはそれほど安倍氏を評価しておりません。ただ何もしていない段階でこれほどお門違いな批判が集まるのは異常としか思えず何か背後関係があるのでは、具体的に言うなら放送関連の免許とか影響しているのかなと勘ぐっています。

2012年9月26日水曜日

留学から帰国後の一年半

 本日行われた自民党総裁選の結果は私の予想通りに決選投票で安倍元首相が勝利し、見事総裁の座に返り咲く結果となりました。内心、世論調査で石破氏が有利という報道が出ていたこともあり予想外すんじゃないかとちょっと焦ってましたが。
 そんな私の杞憂は置いといて、このところというか先週からデモの話題ばっかで一昨日に至っては「クズ」と連呼する過激な記事を書いたこともあり(書き終ったあとはやけに気持ちよかった)、今日は軽いネタとばかり今日ちょっと思いついたことをさらりと書こうかと思います。

 知ってる人には早いですが私は大学在学中、日本の大学を一年間休学して北京に留学に行きました。休学を開始したのは三回生の前期が終わった段階で、一年間の留学を終えた後はまた三回生の後期から復学しました。そのため留学から帰国後は日本の大学生を一年半やったわけなのですが、今思うとやっぱりほかの学生と比べてこの時期はやや特別な一年半だった気がします。一体どういう点で特別だったのかというと、まずもともと同じ学年だった友人たちは既に四回生で、就職活動を終えて社会人の準備やら卒業論文を書き始める段階でした。また私自身は復学後に学年が一つ下り、それまで全く付き合いのなかった一学年下の下級生と同じゼミに入ってその後卒業まで一緒に過ごすことになりました。

 今振り返ってみて初めて感じたのですが、なんというか帰国後の最初の半年間は見送り、見送られるような期間だったと思います。この時期はやはり元の学年の友人らとつるむことが多く、みんな内定先の企業に関連した業界やら資格を調べており、逆に就活を控えた自分は友人からアドバイスを受けたり、そして何よりも卒業を控えた友人らをまだ学生で居続ける自分がちょっと距離を置いた感じで見ていた感じがします。なおこの時に受け取った印象的な言葉は、一つは議論中に言われた「全く衰えがないね」という言葉で、もう一つは内定先の企業について語った「むちゃくちゃ働かされそうでめっちゃ恐いわ~」の2つです。後者のセリフを発した友人は見事予感が的中し、私の知り合いの中、っていうかネット上で探してもあれだけ働く人間はそうはいないってくらいの勤務時間ホルダーと化してます。

 そんな最初の半年間の後、次の半年間こと4回生の前期は就活で苦労したという思いでしかありません。今日もなんか同僚にこの時のことを話しましたけど、この前にナインティナインの矢部氏が発症した自然気胸になったり、100社以上にお祈りメールを受け取ったり、就活でなかなか授業に出られなかったりと心労の絶えない時期でした。
 でもってその次の半年間こと4回生後期ですが、この時期にはというより4回生になった時点で卒業必要単位は全部そろえてというか軽くオーバーしており、無理して授業も出る必要もないんだから自由にやれることをやろうと思い、既に一度履修して単位を取っていた授業に再び出席したり、京都市内を自転車でやけに走り回ったりしてました。ただこの頃になると新しく同じ学年になったゼミの友人とも仲良くなり、また同じ下宿だった後輩たちも近くに住むようになったので、あれこれと関わる回数がそれ以前と比べて段違いに増えていた気がします。

 ここで話が少し変わりますが最近になって自分が同世代と一線を画す点として、比較的年齢の違う層との交流が多いような気がします。この前に会った友人に学生時代の後輩、または先輩との付き合いなどを聞いたところあまりないと答えており、そりゃ体育会系にいた人と比べれば屁みたいなものですが、友人の年齢層はまだ広い方だったような気がします。
 私自身はこの呼称を使うのは非常に嫌ってますが、よく企業の採用担当が抜かす「コミュニケーション能力」というのは「どれだけクズの言動に耐えられるか」という意味ともう一つ、「世代の違う層とどれだけ理解しあえるか」というのが連中の言いたい定義だと思います。前者はともかくとして、後者に関しては確かに自分も同世代の人間たちに対して相手が一学年や二学年違うだけで会話のテンポが悪くなるところが見受けられるなど、もうちょっと何とかならないかなと思う時があります。

 このところ技術革新のスピードが速いために一学年違うだけでも文化が変わったりすることもありますが、その文化の差を面白いと思える人が自分以外にあんまり見ません。まぁこれは社会学専攻だった自分ゆえの特徴なのかもしれませんが、私個人としては年齢の違う人間と話をすると面白いと思うことも多いし、同世代に対して同じ学年で固まらずにもっと積極的に付き合った方がいいのではないかと思います。そう思う別の根拠もあるのですが紙幅も取られていますし、また今度別の機会でそれは書くことにします。

2012年9月24日月曜日

クズが溢れる世の中

 最近また思想関連の話を書いていないので、駄文を一本投下します。先日に友人とスカイプで話をした際に、こんなことを私は友人に言いました。

「君は以前から物事に対して文句が多い人間だったが、社会人になってからは周囲の人間に対する愚痴がすごく多くなった。学生時代は俺が何度言っても理解してくれなかったが、世の中クズが多いということがようやくわかってきたんじゃないの?」

 文章にすると見も蓋もない限りですが、ほんとにこんなことを友人に向かって言ってのけました。
 その友人とは大学生時代から付き合いを続けておりますが、学生時代は政治や経済といった話では意見がほとんど一致しながらも、人権や人間の精神に関する話題では真逆とも言っていいくらいに意見が一致しませんでした。一体何故こうも一致しないのかと一度話し合いましたが、その友人からは育ってきた環境というかバックグラウンドがあまりにも違い過ぎることで、お互い歩み寄ることが出来ないのだろうと指摘されました。

 具体的にこれはどういうことかというと、友人からするとこれまでの人生で私をいろんな意味でわずらわらせてきた人間が世の中に存在すること自体が理解できなかったそうです。わずらわらせてきたと言っても包丁で刺してきたりとかではないですが、漠然に言うならやる必要があるとは思えない嫌がらせを延々と仕掛けてきたり、無意味としか思えない行為を繰り返してきたりとかです。
 一つだけ実例を挙げると、私は小学校六年生の比較的早い時期に受験を終えて進学する中学校の入試に合格したのですが、合格するやそれまで一度として話をしたことのない別のクラスの人間が毎日嫌味を言い始めてきました。それこそ「そんな偏差値の低い学校に受かっていい気になってるんじゃない」とか、「俺なら開成余裕で受かる(結局落ちてたが)」など、毎日しつこく続くもんだからそいつのクラスの担任に言ってやめてもらうように言ってくれと伝えましたがやまず、仕方ないから一回だけ締め上げたらそれからは自宅に無言電話とか、わざわざ私の家まで来て自転車チェーンを外す嫌がらせに切り替えてきました。今思うと、指一本くらいならへし折ってやっても良かったなという気がします。

 これは私が身を以って体験したクズの中でも極端な方ですが、これに負けるとも劣らず、今の自分を以ってしても全く理解することのできない行為を続けるクズに私は小学校から高校時代まで一貫して取り囲まれていろいろと面倒でした。大学入って初めて、「世の中まともな人間も多いもんだなぁ」と決して誇張ではなく真面目に思ったくらいです。
 そんな自分に対して上記の話をした友人は、まぁ私風に言わせればいい家族といい友人に囲まれていたようで余計なクズに煩わされることがほとんどない人生だったようです。そのため私は大前提に、「世の中は救いようのないクズで溢れている」と信じ切っているのに対しその友人は、「人間はそもそも救われる価値なんてない」とは言いつつも(今でも)、人間同士、それも日本人同士ならば話し合えば最終的にはどこかでわかり合えると思っていた節があります。

 前置きが長くなりましたが、まぁそういうやや甘い考えを持っていた友人も立派な社会人となり、京都風に言うなら「日本語の通じない日本人」と接することが増えてきて、ちょっとずつ私の側に近づいてきている感じです。繰り返しになりますが私は世の中には本当に救いようがないというか、歩み寄ってくれなければ歩み寄りようがないクズが自分を含めてたくさんいると思います。
 それこそ今の日中対立のように国の利益や国民を背負う政府代表者が歩み寄れないというのならまだ理解のしようがありますが、個人レベルであるにもかかわらず全く歩み寄らないばかりか、自らの不当な要求を平然と突き付けてくる人間は確実に存在すると考えております。自分がそういうクズとは一線を画す人間だとかそういうことをいうつもりはなく、むしろ大きな目で見れば同じ穴のムジナだろうと考えてますが、私個人としてはなるべくならこういうクズとは関わりたくないし世の中から一掃できればきっと今より物事は良くなると信じています。

 さっきからクズ、クズと連呼しておりこれまでの私のブログ記事の中でもえらく過激な内容が続いていますが、私がクズだと思う人間の特徴を敢えて挙げるとしたら、あまりよそでは見ない意見ですが、目的と手段を同一視、または両者の因果関係を平気で入れ替えてくる人間というのが最大の特徴だと思います。
 これはどういうことか例を挙げて説明すると、たとえば企業内で上司が部下を叱るのは普通、その部下の間違っている行動を修正するためであって究極的には部下を育成するという目的がある、というかなきゃいけないでしょう。この場合、部下を「育成する」というのが目的であって「叱る」という行為は手段ですが、これがクズな上司だと部下を「叱る」こと自体が目的となり、「育成する」というのが手段となり得ます。ここでパッと情景が浮かんできた人は多分私に近いのだと思いますが、「お前のためを思って言ってやってるんだぞ」と言いながら全然業務と関係なく、自分ルールを基準にあれこれケチつけたり文句言ってくる人間がこの類です。

 この例に限らず、私が遠目に見ていてなんかおかしいんじゃないかと思う人の行動は目的と手段が一致しない、手段自体が目的となって行動している人が多いように思います。それこそ政治家においても、世の中をよくするため、制度を変えるために政治家になるのではなく、政治家になること自体が目的と化して耳触りのいい制度改革案を思いついては口にする政治屋のように、どっち向いて行動しているのかがわからない人間にクズが多い気がします。
 何も人間、常に目的と手段を意識して一致させる必要はありませんが、以前の記事で書いたように魂というか意思のない人間ほどつまらないものはなく、はっきりとした目的意識を持って手段を選ぶ人間となるべくなら私も付き合いたいです。

2012年9月22日土曜日

今日の上海領事館周辺



 折角新しいカメラもあるんだし、雨の中上海領事館周辺に行ってきました。
 特にあれこれ語ることはないですが、今日は土曜日で通常業務は行っておらず、また雨も降っていたことからデモ隊なんか影も形もありませんでした。




領事館の周辺道路は関係者以外完全封鎖。


警備に動員された警官は依然とたくさんおり、木陰で集まって弁当を食べていた・




 領事館館周辺ではありませんが、日系コンビ人チェーンでは見ての通り中国国旗をどこも店頭に掲げてます。なんか日本の建国記念日みたいだ。

2012年9月21日金曜日

民主党総裁選の結果について

野田首相再選…全ポイントの7割近くを獲得(読売新聞)

 大方の下馬評通りに本日、民主党の総裁選で野田首相が再選しました。得票率は一回目の投票で約7割と、過去の民主党首相と比べると党内支持基盤がしっかり固まっている党首だと言えそうです。今回の民主党代表選では比較的党内議論の論点が出てきており、野田首相にとっても民主党にとってもなかなかいい政策PRになったんじゃないかと思います。
 なお今回この代表選を見ていてちょっと感じた点ですが立候補した原口元総務相が、「野田総理は党を分裂させた責任がある」と批判してましたが、私が見る限り党内分裂を進めていたのは野田首相以前から小沢一派であって、ちょっとこの批判は的はずれじゃないかという気がします。それに連中追っ払ってガチって固まってきたんだし。

 変わって自民党総裁選についてですが、現時点の私の予想だと安倍元首相が再選するんじゃないかと思います。世論調査では石破氏が最も人気ですが、平沢勝栄議員に次いで「党内窓際族」と言われるほど長老議員から嫌われていることもあり、ちょっと当選は難しいんじゃないかと思います。あと石破議員は私もその実力を買ってはいますが、総理というゼネラリストよりは農林水産大臣など専門的立場の方が力を発揮しやすいスペシャリスト的な議員だと思っているので、本人には悪いですがこっち方面で働いてもらいたいです。

 ほかの候補者について話すと、テレビの演説を見ただけですが林議員はなかなか話し方がうまく自民党にしてはいいタレントを作ってきたなと感じます。ただまだ若いことから今回はステップアップの段階で当選は難しいでしょう。あと石原幹事長については谷垣総裁をちょっと小さくしたような感じで、発言に慎重性もなければ鋭さも感じられず、この前も「サティアン発言」をするなど議員以前にいい年した大人として大丈夫かとちょっと不安を感じます。無能だとは言いませんが、政権奪回を狙う野党党首を務めるには力不足な感は否めません。
 そして現在入院中の町村議員については、以前にも書きましたがこの人は前回の総選挙で小選挙区では落選しており、比例復活当選をしている時点で総裁選に出馬する資格はないと私は思います。さすがに待てば同じ意見が出てくるかなとか思ってたのですが、今の今に至るまで私と同じことを言う人がおらず、「もしかして自分、筋違いなこと言ってるの?」とちょっと不安を感じてきました。いくら何でもこの人には自民党総裁、下手すれば次の総理候補にはなってもらいたくないのですが。

2012年9月19日水曜日

尖閣諸島の帰属をめぐる歴史と論点

 コメント欄でリクエストを受け取ったので、今日は久々に反日デモの話と切り離して尖閣諸島の帰属をめぐる歴史と日中が主張する論点をまとめようと思います。それにしても記事カテゴリーは「中国のはなし」ではないにしても、「社会のはなし」とするか「歴史のはなし」とするか、「政治のはなし」とするかで迷いました。こんなに候補が出るのは多分初めてだろうな。
 早速本題に入りますが、まず出典というか参考にしたサイト2つを先に紹介することにします。

尖閣諸島の領有権についての基本見解(外務省)
尖閣諸島の領有をめぐる論点―日中両国の見解を中心に―(国立国会図書館外交防衛課)

 両者ともに書かれている内容は完全に一致しておりますが、国会図書館の方が論点などきれいに整理されて詳しいのでそこで書かれている内容をブログ形式にざっくり紹介することとします。

 まず明治自体以前の尖閣諸島の歴史に簡単に触れますが、日本と中国それぞれの古文書に出たり出なかったりしておりますが、少なくとも島の存在自体は両国ともに認識していたようで、沖縄や台湾の漁師たちが上陸し合っていたようです。ただ中国の新聞とか産経新聞が江戸時代くらいの資料を引っ張り出してそれぞれ尖閣諸島が書かれているのを見て、「昔からうちの物だ!」と主張し合ったりしていますが、私の意見を書くとそもそもこの時期は両国ともに現代、敢えて専門的に言えばヨーロッパのウェストファリア条約締結後に生まれた「国家」という概念が出来ておらず、議論するだけ無価値だと考えています。というのも領土線というのは国家と国家、さらに言えば国を代表する政府間で初めて出来上がるもので、当時は国家でもなく領土交渉すらなかった徳川幕府と清の時代のことを言い合うのは不毛でしょう。

 となるといつごろからこの議論を見るべきなのかは、やはり日本が正式に国家となった明治時代以降の取り扱いです。この頃だと中国も阿片戦争にやられて西洋から不平等条約を叩きつけられるなど、体面としては一応西洋式の国家橡を持つようになったと私は判断しています。
 そんな国家となった日中の間で最初に尖閣諸島の論点となるのは日清戦争、それも領土交渉も含まれた下関条約締結前後の取り扱いです。ここから双方の主張が食い違ってくるわけですが、日本の外務省によると日清戦争が行われている最中の1985年1月、尖閣諸島を清が支配していないことを確認した上で日本の沖縄県に編入したと主張しています。一方、中国は尖閣諸島は下関条約以前から清が支配しており、現在の台湾省に含まれていたと主張しています。

 ここが重要なので詳しく二度書きしますが、この時期に日本は尖閣諸島が沖縄県に所属するのに対し中国は台湾省に所属すると主張し合っているわけです。ただこの後の1985年4月、日清間で下関条約が結ばれて台湾は正式に日本の植民地となるわけですが、中国側はこの時に尖閣諸島が台湾と一緒に初めて日本の領土に入れられたと言っているわけです。

 その後、日本の明治政府は1900年に古賀辰四郎という実業家に尖閣諸島を無償貸与し、古賀も開発を進め尖閣諸島には一時期200人を超える島民が居住したそうです。その後、古賀は長男に島の領有権を売却しましたが、戦時中の1940年代前半に開発事業は中止され無人島となりました。ここら辺は全部ウィキペディアからの引用となりますが、その後の島の領有権は古賀の長男からその妻へ、その妻から知人である埼玉県内の人物へと移り、今月に日本政府がこの人物から買収する形で国有化されることとなったわけです。

 ざらっと明治以降の尖閣諸島の歴史を追ってきましたが、日本側はこのような背景から明治の編入以降、尖閣諸島は一貫して日本の領土だったと主張しているわけです。これに対し中国側の主張ですが、

・尖閣諸島は下関条約以前に台湾に所属していた
・日本はサンフランシスコ平和条約で台湾・澎湖諸島の領有を放棄した
・尖閣諸島は元々台湾に所属していたのを日本が勝手に沖縄県所属に変えていた
→だから台湾と一緒に、尖閣諸島の領有権もこの時に放棄されたはずだ!
→台湾に所属するのだから、領有権は中華人民共和国にある!

 あくまでも素人意見で間違っているかもしれませんが、少なくとも私の理解はこんなところです。ポイントとしてはやはり、尖閣諸島が沖縄県に所属していたのか、台湾省に所属していたのかといったところでしょうか。

 ただこの流れは日本側の主張に出てくる中国側の姿勢であって、こんだけ書いておきながらですが少なくとも一般の中国人の尖閣諸島に対する認識はちょっと違うんじゃないかと思います。じゃあ中国人は何を根拠に尖閣諸島の領有権を主張し日本の非道を訴えているのかですが、少なくとも周りの中国人や中国のネットで出ている意見を読む限りだと、二次大戦後に米軍が沖縄を統治し、1972年に日本へ返還される際のどさくさに紛れて編入された、と考えているようです。まだ細かく検証していませんが、少なくとも1945年の終戦までは植民地である台湾と共に尖閣諸島は日本の領土であったが、終戦直後にこれまた台湾と共に尖閣諸島は中国の領土になったと考えているんだと思います。ただ無人島だったのをいいことに、台湾に所属していた尖閣諸島を日本は1972年の沖縄返還時にちゃっかり「沖縄県所属の離島」として編入して実効支配を始めた、と考えているようです。更に言えば、この編入は日米が手を組んで確信犯で行った策略だ、あいつらは汚いなどという主張も見受けられます。
 ややこしいのでちょっと時系列にして下記にまとめます。

  中国が主張する尖閣諸島の帰属
・1895~1945年:台湾と共に日本の植民地
・1945~1972年:台湾所属の離島(この時は日本も何も言ってこなかったと考えてる節あり)
・1972年以降:台湾所属の中国領土だが日本が実効支配

 あまり日本のメディアでは見受けられないのですが、やはり中国人は尖閣諸島問題において1972年の沖縄返還を最大のターニングポイントとして非常に重要視ししているように見えます。まぁネタ明かしをすれば、1970年代後半になってから中国が領有権を主張し始めたことからこういう主張になったのでしょう。更に言えば中国、これは韓国もですがどうもこの二ヶ国は「植民地という制度自体が無効」という価値観を持っているので、尖閣諸島は台湾所属の植民地だったのだから日本人が住んでようが、地権者がいようがそんなの無効だとも思っているのかもしれません。

 お粗末な内容ですが以上が自分なりの尖閣諸島に関するまとめです。はっきり言ってにわか仕込みの知識で書いたので間違っているところとかあれば存分にご指摘ください。

2012年9月18日火曜日

平成史考察~たまごっち(1997年)

 以前にイグノーベル賞について記事を書きましたが、その記事では紹介しなかったものの1997年にバンダイが発売した携帯おもちゃ「たまごっち」が、「数百万人の労働時間を、仮想的なペットの飼育に転換した」という点が評価され受賞しております。

たまごっち(Wikipedia)

 知ってる人に早いですが携帯型ペット育成おもちゃの先駆的作品のこのたまごっち。仕様を簡単に説明するとキーホルダーくらいの大きさに表示画面と3ボタンがついており、画面上でドット絵のペットにエサをあげたりトイレの世話したりするゲームなのですが、発売当初はそれほど話題にならなかったものの徐々に口コミから広がっていき、大ブームとなった1997年にはどの店でも品切れが続き、白色など人気色は高値で取引されるほどの社会現象とまでなりました。
 当時の状況について私の記憶するところをまとめると、それこそ玩具店では入荷するや購入希望者に整理券を渡して抽選を行って販売したり、中古品が1個数万円で取引されてたり、学校とかで持っているのを見せるとそれだけで自慢になったりと、なんていうかゲーム自体を楽しむことよりも持っていることが一種のステータスとなっていた気がします。現に私自身も親父か姉貴がどっかから仕入れてきたのを遊んでみましたがそれほど楽しいとは思えずすぐにやめてしまったものの、「俺んちたまごっちあるんだぜヽ( ・∀・)ノ」などと学校で妙な自慢はやってました。

 このたまごっちが発売された当時のバンダイの経営状況ですが、はっきり言ってしまえば非常に悪かったです。経営状況が思わしくなかったことからゲームメーカーのセガ(現セガサミー)との合併案も実現直前まで進んで両社ともにその内容を発表するほどだったのですが、そんなときに降ってわいたかのようにこのたまごっちが大ブレイクしたことによって、社風が大きく異なっていたことなどもありますが最終的に合併案は破断となったと言われております。

 ただ合併案を吹き飛ばすほどの強烈なブームを起こしたたまごっちですが、ブームが過ぎ去るのも異常に早かったです。売れていることから大増産を行った矢先にピタリとブームが止んでしまい空前絶後と言っていいほどの在庫をバンダイは抱えることになり、1999年に45億円の赤字を計上するに至り倒産の危機へと追い込まれることとなりました。それにしても赤字45億円でピンチっていうんだから、今のシャープ、ソニー、パナソニックの赤字額がどれだけ巨額かというのが良くわかる。
 その後、たまごっちはブームの顛末を見極めきれなかった商品として歴史に名を残すはずだったのですが、2004年頃からたまごっちを知らない子供たちの間で再びブームに火が付き、なんと奇跡の再販売が行われることとなりました。もちろん中身などは一新されていますが、大きく仕様を変えずに再ブームに成功した商品として見るならば稀有な一例と考えてもいいと思います。

 このたまごっちがどうしてブームとなったのか私なりに分析すると、やはり手間がかからずそれなりに愛情を注げる対象だったからじゃないかと思います。というのも中国の新聞にまで書かれていてちょっと悔しい思いをしたのですが、現在の日本では子供の数よりペットの数が多くなっており、勝手な憶測ですがそれほど手間がかからずかわいがれる存在への需要が1997年の第一次ブームの頃に潜在的にあったような気がします。
 それと現在でこそ「育成ゲーム」というのは一つのジャンルとして定着しておりますが1997年にはまだ少なく、それ以前にあるものでパッと今挙げられるものだとスーパーファミコンの「ワンダープロジェクトJ」くらいしか浮かびません。ほかにも挙げるとしたら、同じ1997年にはプレイステーションで「がんばれ森川君2号」という全国の森川君へのからかいネタとなった異色作があることはありますが。

 ただやっぱり、育成ゲームというジャンルと携帯ゲームというのは相性がよかったのでしょう。その後も「ポストペット」や「デジモン」など似たようなものも出てきましたし、上に挙げた据え置き型育成ゲームとは一線を画すものがある気がします。

反日デモによる日本人社会への影響

 三日連続で反日デモネタです。今日はいわゆるXデーとして昨日からまたえらく騒がれていましたが、上海に限れば領事館周辺で相当数が集まるデモが起こったものの、あくまで平和的な行進に留まり石投げたりとかそういうことはなかったそうです。ただ地方はこういうわけにもいかず、先週末同様に領事館とかにあれこれ物が投げられたそうで、物騒な状態が続いています。

 さて昨日は進出している日系企業に関するネタを書きましたが、また今日も取材予定だった日系企業の開業式典がキャンセルとなり、今週はオフィスでずっとデスクワークとなることが確定しました。上海市に限れば別に開業式典などを開いても影響はないと断言してもいいのですが、話を聞いているとやはり東京本社から何か騒動があったら大変だというブレーキがかかって中止にしているようです。確かに現場(上海)にいる人間ならともかく、日本だと繰り返し放送されるあの映像を見ていたらこういう判断を取るのも仕方ないでしょう。

 話は変わって今日はちょっと中国にいる日本人社会の状況について少し話しますが、実は昨日、会社の同僚と子供の登校について話をしました。子供と言っても自分のではなく同僚のですが、なんでも先週から通っている幼稚園で日本人の男の子がずっと休んで来なくなったそうです。もちろんこの反日ムードを警戒してのことですが、今週に入ってからはほかの家でも同じように休ませるところが出ており、ある日本人学校なんか今日は完全休校となっています。こうしたことからその同僚の家でも子供を今日幼稚園に通わせるか議論となったそうですが、さすがに過度に気にし過ぎだとして結局通わせたそうです。なお当の子供は、なんで友達がずっと休んでいるのか理由がわからないという様子だそうです。

 さすがに幼稚園とか小学校では、「やーいお前の親、にほんじーん!」なんていじめられることは有り得ないでしょうが、有り得ないとわかりつつも在中日本人社会の間では不安が広がっています。既に家族に対して帰国命令を出す日本企業も出ているそうですし、私個人的にも早くこういうムードがなくなってほしいと願っています。
 その上で敢えて日本に向かって言わせてもらうと、無意味に中国を煽るような行動は頼むからやめてほしいです。今日も福岡にある中国領事館に発煙筒を投げ込んだ人が現れましたが、発煙筒を投げ込んだところで尖閣諸島が完全に日本の物になるわけでもなく、ただ無意味に中国人の感情を逆撫でするだけです。この事件は中国でもバッチリ報じられておりますが、こうしたことが続けば中国にいる日本人の危険性が高まる可能性があるだけに余計なことは本当に慎んでもらいたいです。

 ちなみに昨日の記事で書きそびれていましたが、今回のこの騒動では中国当局は比較的取るべき対応は取ってくれたなと私は評価しております。デモ自体は禁止にせず容認しましたが、大使館や領事館周辺にはそれこそ千人規模の警察を動員して警護に当たってくれて、この点に関しては素直に感謝したい気持ちを持ちます。もっともだからと言って気を許せるほど甘い国ではないんですが。
 あと最後に蛇足ですが、今月から来月にかけては日本製品のボイコットが続き、関連企業では販売量が大幅に落ちることが予想されます。特に自動車ではドイツ系メーカーに比べて日系はこのところ中国市場で伸び悩んでおり、結構深刻な打撃を被ることになるでしょう。ただここだけの話、毎月何%販売台数が伸びたとかいう記事は書く方からするとやりづらく、むしろ「○○の影響で大幅に減少した」っていう理由付けがあると非常に書きやすくなるので、自分の仕事的にはやりやすくなるなぁと漠然と考えています。と言っても今月から担当分野変わっているから自分が書くわけじゃないんだけど。

2012年9月17日月曜日

反日デモに対する日系企業の対応

 昨日に引き続いて中国の反日デモネタです。日本のメディアでもあれこれ報じておりますが、こちらでは週を開けて工場や店舗の閉鎖を発表する企業が続出しております。自分の周り、というより仕事にも既に影響が出ており、今週に取材に行く予定だった日系企業の開業式典が次々と延期しており、展示会に出展する企業に至っては、「展示会には出ますが取材は受けられません」という何のために来るんだと言いたくなるような発表をする企業まであります。それも一社だけじゃなく複数社も。

 このほか伝え聞く情報によると、既に駐在員の家族、または駐在員を含めて帰国命令を出している企業もいるとされ、再来週から国慶節の長期休暇が始まりますがそいつと合わせて丸々休みにしてしまう会社も出ているそうです。あと明日が満州事変の勃発日であることからいわゆるXデー、今まで以上に大きなデモや暴動が起こる可能性があるとして大使館なども注意喚起を行っています。
 ただ今日うちの編集部内で出た意見をまとめると、確かに明日は記念日的な日ではあるものの平日であることから先週末ほどの大規模なデモにはならないんじゃないかというところに落ち着きました。一応うちの会社でも営業は外出禁止、編集も自宅作業可(自分は出社するが)と通達して備えてはいますが、場所が上海なだけによっぽど挑発的な行為をデモ隊の前で行わない限りは心配するようなことはないと考えています。

 それにしても今回のこの騒動、昨日の記事にも書きましたが勤務地が上海だからこうしてお気楽にしていられますけど、これが地方、それも内陸の都市だったら自分もあれこれ焦ったことでしょう。割と日中の経済関係についてこれまで楽観視した意見を発信してきましたし、2010年の中国人船長による尖閣諸島接近、拿捕事件の際も中国投資は減らないと断言してましたが、今回ばかりはちょっと自信がないです。一気に投資が引き上げられることはないでしょうが、投資計画の延期とか駐在員数の削減などは行う企業は出てくるかもしれません。折悪く今年から外国人駐在員に対しても中国は社会保険料を徴収を開始し駐在コストが高まっていることから、ある程度減る恐れがあります。煽りを食うのは日系の飲食店等ですが、あくまで個人的な感想ですが、既に今日一日だけでも街中で見る日本人は急速に減った気がしてその影響は計り知れないかと思います。

2012年9月16日日曜日

上海の反日デモの状況

 当初は儲けている業種と儲けてない業種の話を書こうとしましたが、期待しているというか聞きたい人も多いと思うので、昨日に上海に戻ったので反日デモ関係の話を書きます。
 まず簡単に今の私の状況を書きますが、昨夜飛行機で上海に帰り現在はこっちの自宅でくつろぎながらブログを書いてます。昨日は空港から地下鉄で自宅最寄駅まで帰りましたが、地下鉄車内で敢えて電話をかけて割と大声で日本語で話をしましたが、特段周囲からにらまれたりするようなことはありませんでした。夜遅い時間帯だったからかもしれませんが、少なくとも日本語で話をするだけで、日本人だとわかるだけでいきなり殴られたりすることは上海ではありません。

 開けて翌日の今日、会社の同僚が今朝に上海にある日本領事館前に行ってきたので話を聞きました、まず早くから民間のバスをチャーターしてまで武装警察が次々と集結し、領事館を守るべく陣営を築いたそうです。その後、午前中にデモ隊がやってきたそうですが領事館前の通りを通過することは一回、しかも立ち止まらないように指示されており、特に石投げたり殴り合ったりというような派手な行動はなく平和的なデモだったそうです。自分もちょっと行こうかなとか思いましたが、会社からも不用意に近付かないように言われていたので今日は仕事終えた後はまっすぐ帰りました。もっとも、こんなこといったら同僚はどうなのかって話ですけど。

 あくまで私個人の印象ですが、少なくとも上海市内であれば日本で報じられているような揉め事はないんじゃないかと思います。上海の人は比較的所得も高ければ文化度も高く、商売と政治をきちんと分けられるため多少の嫌がらせはあるでしょうが暴動に押し入られるようなことは恐らくないでしょう。
 ただこれはあくまで上海、または警備の厳重な北京限定の話であって、日本でも報じられているでしょうが南部や内陸の都市では話は変わってきます。湖南省長沙市にある平和堂(アルプラザ)とかしこたまやられたそうですが、仮に自分の赴任地がこういった都市であればさすがに危機感を覚えた事でしょう。そういう意味では今の中国は日本人にとって危険かどうかというなら、やっぱり危険と言わざるを得ません。

 しかも今後の展開を考えても、あまりいい状況ではありません。既に報じられている通りに丹羽大使に代わって来月から中国大使に就任する予定だった西宮大使が急死し、恐らく日中双方で後任人事を巡ってかなりドタバタしていると思います。さらに上に書いてある通りに中国政府は今回の反日デモに対して武装警察を大集合させるなど相当に手を回してくれていますが、穿った目で見るなら来月に開かれる中国共産党中央党大会の前にドタバタが起きてほしくない時期であるからこうするのであって、党大会が終わった後はどうなるか、それこそ「こんな大事な時期に余計な騒動起こしやがって」というノリで報復措置を取ってくる可能性もあります。それだけ今の中国は、この前に習近平が姿を表さなくなって大騒ぎしたように非常にピリピリした状況にあります。

 最後に個人的な感想として、日本人が気を払わなければならないのは長沙市など内陸などの都市で暴動のようなことをしでかす中国人よりも、上海で平和的にデモを行った中国人だと思います。暴動みたいに暴れる中国人はこう言ってはなんですが反日とかそういった政治思想はあまり関係なく、ただ単に社会に不満があって暴れているようにしか見えず、また所得水準もそれほど高くないでしょう。翻って上海の平和でも集団ですが、こちらこそがまさに日本製品を購入しているメインの層で、彼らが日本製品をボイコットしたり冷静に日本を批判したりすることが一番の痛手です。もっとも対処法ったって、ほとぼり冷めるまで待つしかないというのが今の状況ですが。

2012年9月15日土曜日

不況下の空気の違い

 先日に友人がスペインに旅行に行ったのですが感想を聞いてみたところ、「明るかった」というのが第一声でした。知ってる人には早いですがスペインは現在、若者の半数が失業中で景気的にも日本と比べて絶不調真っ盛りです。まぁそれをいったら私なんかいつも、日本の景気は世界的に見れば好景気もいいところだと常々言っておりますが。

 どのタイトルの記事か忘れましたが私は以前にいくら景気が悪いといっても気分まで暗く落ち込む必要はないのに、何故か日本人は毎日生活できるだけの収入があるにもかかわらず「人生が充実していない」などと言っては自分を卑下したりするところがあると指摘しました。仮に明日食べるパンがないならさすがに自分も焦りますが、そこそこの贅沢、そこそこの生活であれば日本だとそれほど難しくないにもかかわらず、この一週間テレビを見ていてもやたらと苦しさをアピールするというか、これも前に書きましたが、苦しんでいる(と自称する)自分に酔っているように私は感じます。

 もっとも、なんで日本人はこんななのかというのは単純明快で原因ははっきりしており、ずばり言えば比較基準が高すぎるからということにつきます。平均的な収入、平均的なライフラインというものを日本人は明らかに他国より気にして、平均以下は上から下まで全部一緒で劣等、平均以上でなければ人に非ずみたいな心情がやけに強く、他人は他人、よそはよそと割り切れないところがあります。
 その点でスペインなどはわけが違います。友人によると、もう向こうでは若者が自立して生きていくことなんか不可能だと割り切っているらしく、結婚後も親と同居してすねかじりながらも生きてるそうです。日本もそう遠くない未来にこういう割り切りができるようになるかもしれませんが、そう考えるとまだ追い込まれ足りてないのではないかと思えます。

 最後に繰り返しになりますが、いくら全体景気が悪いからと個人が気分を落ち込ませる必要性はまったくもってありません。しかも景気が悪いといっても儲からない企業もあれば儲けている企業もあり、不景気な業種ばかりに目を向けるというのも不健全です。
 っというわけで、次回あたりに今も受けている業種をいくつか紹介しようと思います。

2012年9月14日金曜日

日本に帰って思うこと

悠々自適 マレーシア在住記☆

 いつもコメントをくれているれすりーちょうさんがブログを新規開設しましたので、このブログとも相互リンクを結びました。一方、フリーダムさでは右に出るものがない友人のブログ(二件)はここ一年更新が全くないので、思い切ってもうリンク切っちゃいました。前からもういいとも言われてましたし。またフリーダムさに磨きをかけていつかきっと帰ってくることでしょう。

 昨日はそのフリーダムな友人とは別の友人と幕張で合流し、千葉ロッテと日本ハムの試合を見に行った関係でブログを更新することができませんでした。友人が面食いなためか斉藤選手贔屓だったので二人とも千葉県民でありながら日ハム側外野スタンドで観戦しましたが、五回までゼロ行進という行き詰まる投手戦だったのが後半は毎回点数を入れあう猛烈な猛打戦と化し、最終的に六対六のドローという結果になりました。見ている側としてはホームランも飛び交って白熱したことから非常に楽しかったですが、途中まではレフト守備の中田翔選手の尻ばっか見ていて、無駄にデジカメで撮影してたりしました。

 話は変わって日本に帰国して一週間経ちリアルに明日また上海に戻りますが、変な意味で中国になれたというべきか、日本で生活していていくつか違和感を感じるところがありました。
 まず一番感じたのは建物の高さ。中国は日本と比べて地震とか気にしなくていいためか、商業ビルはもとより住宅用マンションでも高さが半端なく高く、なんか日本の建物がどれも小さすぎるような気がして気分的に自分がでっかくなった気がしてなりません。特に個人的に衝撃だったのは、昨日行った幕張は中学高校と合計六年間も嫌々通った場所で、自分の中では高層ビルが比較的多い場所だというイメージだったのですが、今の自分からしたらホテルにしろ担保にかけられるシャープ本社ビルも、「こんなちっちゃくて容積率とか大丈夫?」と本気で感じました。

 建物同様、日本人の体格に関してもなんだか小さいような印象を受けました。かつていた北京市内と比べれば日本人の方が男女ともに体格は上でしたが、上海と比べると男はほぼ同じ程度であるものの、女性に関しては明らかに上海女性の方が上であるという印象を受けます。
 また体格は同じくらいでも、あくまで私の印象ですが日本人は全体的に猫背であるのに対し、中国人は割かし背筋が伸びていることもあって上背というか目線が高いような気がします。なお知ってる人には早いですが私は高校時代にわけのわからない実験、ぶっちゃけていうと背中に雑誌挟んで背筋を伸ばす妙な訓練をやったせいか冗談抜きで猫背ができないくなり、傍から見ても異常なくらいに背筋が伸びているのですが、なんか電車に乗っていると同じくらいの身長の人に対して見降ろすような視点になっているのではとはたと気が付きました。上海じゃこんなこと感じないのに。

 あと非常に細かい点を挙げると、テレビのCMに番組宣伝が異常に増えているように思え、逆に半年前に多かった外国車のCMが減ってる気がします。単純にスポンサーがつかないんでしょうが、これは以前家電メーカーの知り合いにも言いましたが、今テレビが売れない原因の一つは単純にテレビ番組がつまらない、いいテレビを買ってでも見ようと思う番組がないというのも大きい気がします。そういう意味では家電メーカーも、もっと内容を吟味してスポンサーになればいいのではと思わずにはいられません。

2012年9月11日火曜日

尖閣国有化に対する中国の反応

 7月なんかネタ切れでブログ執筆に非常に苦しんだ一ヶ月でしたが、今月はやけに書く話題が多くてこの前に始めてた「平成史考察」の連載もなかなか続きが書けれません。ただこのところ閲覧シャスは毎日300人の大台を超えているうえ、昨日なんか500人を超えていたので地味に評価が上がってきているのかもしれません。

 そんなわけで今日もまた飽かずに中国ネタ、それも尖閣問題です。といっても今自分は日本にいるので情報もとは全部新華社の発表とかです。まずざっくばらんに言うと日本のメディアでも同じような内容が報じられていますが、日本政府の尖閣国有化に対して文面上はめちゃくちゃ起こっています。外交部をはじめとして主だったメディア担当者が日本の行動を批判していることはおろか、国防部こと軍隊も「姑息な手段だ!」と批判しているようです。
 この尖閣国有化ですが、ちょっと考えがまとまっていないというか結果が見えていないというか、「これこれこういう背景できっとこうなる」という確たる予想はまだ私の中で出来上がっておりません。なのでこの二週間くらいわけのわからない文脈が続いていますが、ちょっと同じノリで思いつくことを片っ端から一気に書いていきます。

 まず今回の政府の国有化ですが、この行動が吉と出るか凶と出るかは判断が難しいです。元々、地権者からの買収は東京都が進めておりましたが、今週に入り地権者は突如売却先を政府にするということを東京都川に通知しました。この対応に石原都知事なんか恨めしげに文句ばかり言っていますが、これは地権者が突然考え方を変えたのか、それとも東京都川を含めて出来レースだったのかやや疑っています。
 というのも先月の段階で石原都知事は、東京都側が一旦買収した後に政府(国)に売却する案を披露しており、またこれまでに集めた買収基金も東京都が買収するのなら譲り渡すといった発言があった気がします。こうしたことから考えると、売却先が政府に変わったことに対して石原都知事がこれほど恨み節を披露するのはなんか芝居がかっているように見えなくもありません。何が言いたいのかと言えば、初めから東京都が買うようなそぶりを見せて実は都と政府は初めから話がついており、最終的に政府が買うような筋書きだったのではないかという仮説が立てられなくもないという、なんか遠回しな言い方が続くことになるのです。

 では何故こうした回りくどい行為を行うのか、やはり一義的には中国への対応が最大の目的でしょう。もっともこうした手続きを取ることで中国の反発が減るわけでは全くないのですが、今日ちょっと新華社の報道を見ていて気になったことがあります。その気になる点というのも、何故中国は日本政府が日本の法律上の地権者から尖閣諸島を購入することにこれほどまで大騒ぎするのか、ということです。
 あくまで私個人の考え方ですが、尖閣の主権が本当に中国にあるのなら、日本の法律上の地権者なんて初めから無効だと言えるんじゃないでしょうか。理論上、中国は今でも公地公民で領土内のすべての土地の私有はないはずですし。

 何を言いたいのかというと、ここに日中の思惑が交差しているのではないかということです。中国側としてはいくら日本の法律上地権者でも政府が所有者になることは個人が所有者であることよりも具合が悪く、批判するような対応を取らざるを得ないから今こうなっている。そして日本側としては、かなり大胆な推測ですが島の地権者が日本人で、ずっと以前から所有していたことを中国国内に中国自身に報じさせるというのが最大の狙いだったんじゃないかと自分のゴーストがささやいてます。
 言ってしまえば、日本の法律で日本の登記で所有者が日本人だったということを中国が認めるということは、いわば日本が管理してきた領土だったということも認めることになるんじゃないでしょうか。そのため中国が本当に取るべきだった対応は、「日本政府だろうが日本人だろうが、管理者が変わろうともそれは尖閣諸島を不法に占拠している日本国内の話で、中国が領有権を持つことに変わりはない」という具合に、そっけないふりをするべきだったんじゃないかとちょっと思います。ただ中国は今回そういうそっけないふりができなかった、そしてそれを日本も知っていたから仕掛けてきた……飛躍しすぎかもしれませんがね

 何故中国は今回、日本の尖閣国有化に反応したのか、というより反応しなければならなかったのか。それは第一に国内世論がありますがそれともう一つ、詳しくソースを確認してませんが、大分以前に中国政府側が尖閣の地権者に接触し、売却を申し込んだという話を聞いたことがあります。仮にこれが本当であれば中国は日本の法律にのっとって尖閣を買収しようとしたわけですから、日本の領有権を認めているよねぇってことになるのではと個人的に思います。うまいこと言い表せられないですが、こうした背景があるからあえて日本政府、もしかしたら東京都とタッグを組んで今回中国に仕掛けてきたのではと思うところがあります。

 今回の内容はかなり妄想に近いものがあるのであまり引用なんかせず、こういう風な考え方もあるというくらいに受け取ってください。といっても、文章がまとまってないから引用のしようもないでしょうが。

2012年9月10日月曜日

日本の電力事情考察

 日本帰国四日目。こっちでのネット接続は2010年に購入した東芝製ネットブック(ダイナブック)ですが、今まであまり使わなかった分、現在大活躍しています。前に買ったエプソンのネットブックは会社の後輩に貸出し中ということもありますが、性能面でそちらを東芝製が上回ってていろいろ感じるところがあります。
 そろそろ本題に入りますが、そんな具合に体力、気力が充実してきているので、原発議論を筆頭にちょっと日本の電力事情についてあれこれ考察を書いていきます。

 まず直近の話題からふれていきますが、東電がまた役員報酬を復活させるとの報道が出ています。利用者に対して電気料金引き上げを実施する一方でこの役員報酬の報道は私としてもさすがに聞き捨てなりませんし、今度再上場するJALの破綻時と比べると危機感が足りないというレベルじゃなく、まだ締め上げる余地はあると断言してもいいでしょう。
 そしてもう一つのニュース。そろそろ自分でも調べようかなと思っていたら主要メディアなどが取り上げてくれましたが、「大飯原発を稼働させなければ電力が足りない」と散々にわめいていたくせに、関西電力管内は今夏、一度も電力危機に陥らなかったばかりか他の電力会社から融通を受けることで十分に足りたということが試算されています。私の記憶では大飯原発分があってギリギリという主張だったように思えるのですが、当時からわかってはいましたが発電量以上にコストを気にしての再稼働だったといっていいでしょう。

 私が上記二つのニュースで何が言いたいのかというと、やはり電力会社は信用できないという一点に尽きます。見え透いた嘘を堂々とついてくるというか、その発表は全く鵜呑みにすることができません。この点で個人的に日本のメディアにあきれたのですが、東日本大震災直後の福島原発事故の際、管首相(当時)は「東電が全面撤退を申し出てきた」と証言しそれを許さなかったと話していたのに対し東電側は、「一部従業員の避難は提案したが全面撤退は一度も言ったことがない」と反論しました。結局、事故調査委員会は「全面撤退の提案はなかった」と結論付けましたが、この前に事故当時の福島原発の映像がようやく公開されましたが、全面撤退しようよみたいなことを言っていたという報道があります。
 私としては東電だから全面撤退の話もさもありなんと思っていましたし、多分本当に言っていた気がします。にもかかわらずそういう提案はなかったと全く呵責なく弁明する姿を見ていて、平気で嘘をついてくる集団ではないかと見えてきます。

 ここでちょっと論点を変えますが、原発廃止議論に関して言えば私は基本的に廃炉に賛成です。理由はただ一点、日本の電力会社があのような危険なものを管理する能力もなければリスク管理ができないということに尽きるわけですが、だからと言って多くの反原発団体に対してはやや不信感を感じます。
 理由はいくつかあり、まず明日にいきなり廃炉でもしようものなら産業界を中心に各方面に多大な負担を生むことになりかねず、代替エネルギーの切り替えを進めつつ長期的に廃炉を進めていく必要があります。にもかかわらず反原発団体、具体的に言えば野田首相が面会した団体は「なぜ明日に全て廃炉できないのか」と題目を繰り返すばかりで、なんか議論していても何も発展しなさそうな人に私には見えました。

 さらにこれは一部でほかの人も言っていますが、妙な団体がこの反原発運動にどうも関わっているように見え、実際に主張を見ていると反原発とは関係なく妙なイデオロギー、具体的には格差論などを一緒に主張する団体もおり反原発を隠れ蓑にうまいこと扇動しているような連中が少なからずいるように見えます。批判をするなら対論を出すのが基本です。たた悪しざまにピーチクパーチク罵るだけの団体は私は政府も相手しなくていいと思うし、むしろ叩き潰すべきでしょう。

 最後にちょっとこのところ感心している中国の電力事情についてはなしますが、この前の引っ越しの際に部屋の電力メーターを見たのですが、上海の家屋は電力メーターが二つ付いています。片方は昼間のメーターでもう片方は夜十時以降のメーターなのですが、上海では夜十時以降(何時までかは知らないけど)は電気代が半分になります。これはピーク需要を避けるための手段で、半額とすることで一般家庭に対し夜間の電力使用を誘導しています。私もこれを利用して冷房は夜十時ピッタリにオンにして、また洗濯機も夜に回すことにしています。
 仮に日本でやるとなれば電力メーターを総取替しなければなりませんが、妙な公共事業に手を出すくらいならこういうことをしていた方がずっと価値がある気がします。こういう案を電力会社が積極的に出してこない限りは、いつまでも自分からは信用が得られないでしょう。

2012年9月8日土曜日

中国の悪口本が日本の書店で並ぶ光景

 日本一時帰国二日目。今日はなんか自転車磨いて乗り回してましたが、どうもブレーキの利きが前ほどガツンと来ません。100円ショップでブレーキパッド勝手交換しようかと考えましたが、ちゃんと専門店で買おうと思ってひとまず延期中です。自転車こぐのもかなり久しぶりですが、自動車でいうならトルクが上がって回転数が落ちたというべきか、踏むペダルがやけに軽いと感じる一方で前ほど高速度を維持できないというか息が上がりやすくなってました。明後日あたり、片道30キロくらい走ってこようかと思ってますが。

 そろそろ話は本題に入りますが、なんか思想関連の本が読みたくてこのところ書店に通って新書コーナーを探しましたが、これという本がなく、しょうがないから今日哲学の入門書をまた買ってきました。Amazonで「荘子」とか取り寄せることも検討しています。
 ただこうした思想関連書が少ないということ以上に、中国を批判する新書が膨大に並んでいることに少し驚きました。曰く、「中国経済のメルトダウン」とか「虚構大国、中国」などといった見出しが並んでおり、作者名までいちいち明かしませんが漢字二文字と三文字の二人があっちこっちの出版社で出しています。

 こういう中国の批判本を見て何を思ったのかというと、まず最初に考えたのは「俺もこういう本書いたら売れるんじゃないの?」ということです。それこそ適当に根拠をでっち上げて中国の政治なり経済なりをネガティブに書くぐらいならお茶の子さいさいですし、新書で200ページくらいなら多分一ヶ月あれば余裕で書き上げる自信があります。次に考えたのはこの逆で、「中国ビジネスをうまくやる指南書が意外に少ないな」ということで、出版点数が少ないからこっちも書いたら書いたでいろいろいけるんじゃないかと。

 ただそういった個人的なビジネス話は置いといて、なんていうかこういう中国批判本を見ていて日本は少し危機感が足りなくなったのではと思います。それこそ中国経済のバブル崩壊論は8年位前から終末予言みたいに何度も繰り返されててもういい加減、「またか……」と感じますし、こうした本が未だに出続けているのを見ると日本人は中国経済が悪くなることを願っているのかと感じます。
 断言してもいいですが仮に中国の経済が悪化したら、中国のGDP成長率が年間5%以下になったら日系企業もシャレにならない大打撃を受けることになります。製造業を中心に中国で利益を上げている企業は数多いですし、インドを初めとしてBRICs諸国もここにきて中国を除き急激に勢いを落としていることから、真面目に今の世界経済は中国の勢いにかかっているところがあります。

 ただそういった経済的な事情以外に、「どうせ中国は駄目になるから」と、嘗めてかかる態度が私には気に入りません。本気で相手を殺そうとするなら相手が死ぬその瞬間まで気を抜いてはならず、むしろ怖がり過ぎだと思われるくらいに警戒心を抱くべきであるでしょう。中国のウィークポイントばかり目を向けるのではなく、ストロングポイントもしっかり把握していかにその部分を利用するのか、無力化させるのか、孫子じゃないですけどきちんと分析することが大事です。

 多分私がひねくれた考え方をしているのも影響しているでしょうが、他人、もしくは他国から侮られている限りは笑っていていいと思います。むしろ実力を認めるような発言が出たり感情的な批判が出なくなったら、つけ込める隙が減ったようなもんで、あまりいい状況じゃないと判断するべきでしょう。それこそ中国が「小日本」というような蔑称を使って格下と侮っている間はいいですが、日本を油断ならない脅威というように表現してきたらまぁちょっと困っちゃいますね。

 なにか尻切れトンボなまとめですが、本気で中国との競争に勝ちたいのなら、妙な楽観に基づいた崩壊論なんて目もくれず、黙々と叩き潰す手段の検討とその実行をするのみです。

2012年9月7日金曜日

民主党の総裁選候補

 あまりもったいぶって書く内容でもないのでささっと書き終えます
 今年の通常国会がほぼ終了したので本日、野田首相が民主党総裁選に出馬し続投を目指す旨を明らかにしました。一方、民主党の反野田陣営、といっても小沢一郎が去ってからはほとんど存在感すら出せていない集団ですが、こちらは何人か独自候補を出そうとしているものの目玉候補となる人物がおらず、またまとまりを欠いているようなので、次回民主党総裁選は間違いなく野田首相が再選するでしょう。

 個人的な感想を述べると、総裁選というのは実は現職総裁にとって非常に都合のいいイベントだと私は思います。というのも対立候補が出ることによって誰が敵かどうかがわかる上、政策議論をすることによって格好のアピールの場となります。そういうわけで今回の総裁選前後で野田首相の支持率も変動、恐らくは上昇するとみております。
 なお民主党の若手議員一部の間では細野環境相に立候補を促していたようですが、細野環境相自身が不出馬を本日表明しました。私としては次代のエース議員としてアピールすることによって個人的にもプラスで、なおかつ民主党内で若返りが進んでいるということも示せるので負けること前提でも価値はあるんじゃないかと思っていただけに、個人的にやや残念な印象を覚えました。といっても今の細野環境相は原発やエネルギー問題のほかに幅広く政策意見を持っているようにも見えず、それだったら今のまま環境大臣やってる方が無難かもしれません。

 一方、自民党ではどうもまた谷垣総裁が空気を読まずに総裁選に出ると発表したようです。森、古賀という長老格が早く辞めろと言っているにもかかわらず出馬を強行するあたり、意地悪な言い方をすると本当にKYな人間としか言いようがありません。
 といっても元祖KYの安倍元首相も出る気満々で石破氏とあれこれ調整を続けているようですが、自民党はもっと若い人間、可能ならば40代の議員をもっと押し出さないといけない気がします。野党にとっても総裁選は政策をアピールするチャンスなのに、無駄に使っているわけではないもののややパンチに欠けるというのが今日の私の意見です。

 今日から日本に一時帰国していますが、中国と比べて日本の家屋はどれも天井が低いせいか、気分的にガリバーになった感じです。

2012年9月5日水曜日

天一坊事件

 知っている人には今更感もあるネタでしょうが、恐らく知らない人が多いと思うのでちょっと紹介します。

天一坊事件(Wikipedia)

 時は享保年間(1728年)、徳川将軍のうち最大の名君とも呼ばれる徳川吉宗の時代です。事の起こりは関東郡代である伊奈忠逵の屋敷に浪人の本多儀左衛門が訪ねてきたことから始まります。本田儀左衛門によると、南品川宿に天一坊という山伏がおり、近々大名に取り立てられるといって浪人を集めているといい、しかもその天一坊は将軍のご落胤、つまり吉宗の隠し子だと自称しているとのことでした。

 報告を受けた伊奈忠逵は直ちに上司へ報告し、最終的には老中を経由して吉宗自身が報告を受けることとなりました。吉宗自身も昔やんちゃをしていた覚えがあったのかすぐさま関係者をひっとらえることはせず、慎重に捜査を進ませた上で様子を見ることとしました。そうして最初の報告から半年以上を過ぎた頃、天一坊を含めその取り巻きを幕府は一斉に逮捕しました。
 ひっ捕らえられた天一坊は自分の素性について、「母は昔、紀州(吉宗の出身地)のお城に奉公していたが自分を妊娠して郷里に帰った。14歳の頃に死んだ母は『吉』という字を大事にするように言っており、死んだ叔父も近々、公儀から連絡が来るだろうと言っていたことから吉宗の落胤だと信じるようになった」と、なんていうか見ていて痛々しい言い訳をしたそうです。

 ただこういう一方で、自身が集めたろう人に対しては既に吉宗との対面はすんでいるとか、公儀にも加わっているなどとホラ話を吹いていたことが調査で分かり、幕府側も確信犯だったと判断して天一坊はそのまま打ち首となりました。天一坊に騙された浪人らは江戸から追放され、また検挙のきっかけとなった本田儀左衛門に対しては銀5枚の褒美(ちょっと少ないような)が下賜されたそうです。

 なんでこの事件をこうして取り上げようかと思ったのかというと、いつの時代も同じような詐欺をする人間がいるものだということが言いたかったということに尽きます。特に日本人は本人らはあまり意識していませんが地味に名家の血筋というブランドが大好きで、最近でも有栖川宮詐称事件が起こっており、なんていうか悪は絶えないなぁという気がします。
 なお自分は祖母が平家の隠れ里(鹿児島県菱刈町)出身であることから源氏か平氏かと聞かれたら平氏だと答えるようにしております。そもそもこういう質問自体されることなんてありませんが、こうして想定問答を用意しているあたり自分も日本人だから血筋を意識しているのかもしれません。

威力業務妨害に対する厳罰化の提案

悠仁さまを「襲撃」 脅迫メールを送った28歳男逮捕 警視庁(産経新聞)

 別に私は皇室オタクではありませんが、上記のニュースには思わず眉をしかめました。事件内容を簡単に説明すると悠仁様が通っているお茶の水女子大学付属幼稚園に対し、28歳の無職透明男が園児を襲撃すると脅迫するメールを送り、威力業務妨害で逮捕されたとのことです。この事件で何に腹が立つかというと、悠仁様はこの際置いといて、園児という非常に弱い存在に対する脅迫ということに加え、こんなどうしようもない奴に警備対策など幼稚園側がいろいろ煩わされたという二点で頭に来ます。
 何もこの事件に限らず、このところ大津市の例の中学校を始め、爆破するとか襲撃するといった内容の電話、メールといった脅迫事件が相次いで報じられております。たとえいたずらだとわかってはいても、かつての三菱重工ビル爆破事件のように予告を無視した結果、数多くの被害者を出すことになったことを考えると脅迫された側は万が一に備えて対応せざるを得ないのが現状でしょう。

 しかしこういった脅迫ですが、非常に手軽に行える一方でその被害は非常に深刻です。過去に見たものだと入学式会場が脅迫されたことによって一生の思い出となる入学式自体が中止となったこともあり、またイベントなどでは主催業者に限らず仕出し業者や什器搬送会社などが莫大な損害を被ることとなります。
 こうした脅迫が何故横行するのかと言えば、繰り返しになりますが単純に手段があまりにも手軽であることに尽きると思います。メールや電話を使うことでわずか数分であっさり実行できてしまい、しかも強盗などと違って体を動かす必要もない。もっともその分、脅迫をを犯した所で実行者は金銭などを得ることは全くないのですが、それだけに愉快犯、というよりも暇人がどうもこうした犯罪を犯す傾向が多い気がします。

 何も脅迫に限るわけじゃないですが犯罪というのは少ないに越したことはなく、こうした脅迫を減らすためには何が一番効果的となると私個人としてはやはり厳罰化が一番手っ取り早い気がします。先程これら威力業務妨害に対する刑罰はウィキペディアでパパッと調べたところ「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」らしく、初犯では執行猶予が恐らくつくことを考えると犯罪を思いとどまらせるにはちょっとパンチが足りないかと思われます。
 ではどの程度まで引き上げればいいのか、一つの提案としては罰金額を大幅に引き上げる、それこそ100万円以上にこの際した方がいいと思います。更にもう一歩踏み込むのであれば、罰金として徴収したお金をその強迫によって被害を受けた人や団体に直接支払える仕組みを作れるのなら作ってみるのも一考かと思います。というのもこうした犯罪でどれだけ被害をこうむっても、被害者は犯人を自ら民事訴訟で訴えない限り被害額の賠償金を受け取ることが出来ないからです。民事訴訟を起こすと一言で言っても弁護士を雇って難解な法律を調べ、挙句に裁判に出廷してあれこれ陳述しないといけないとなると非常に負担が大きく、しかも犯人に支払い能力がなかったら泣き寝入りするしかないという現実もあります。

 こうした手間を考えるにつけ、この脅迫に限らず犯罪被害者への補償は刑事罰として徴収する罰金で直接対処してしまった方が効率的ではないかと思えます。また被害額の分だけ罰金額が取られるという仕組みができ認知が広がることによって、都合のいい考えかもしれませんがでかいことをしたらでっかく返ってくると思わせある程度思いとどまらせることが出来るかもしれません。どちらにしろ、これほど自分勝手な犯罪はそうそうないので、撲滅とまでいかないまでも減らせるようにもっと厳しく罰してほしいのが今日の私の意見です。

2012年9月3日月曜日

月々の生活費(;´Д`)

 今日はちょっと真面目で書き応えのある社会ネタを用意していたのですが、ふと思い立った行動から別の内容を書きます。
 本日ふと、日本の口座貯金額がどれくらいあるのかと気になりました。早速三菱東京UFJダイレクトを使って預金額を確認しましたが、7月に生命保険の年払いがあったことを忘れていたため、ちょっと激しく動揺するくらいに減少してました。今すぐ首が回らなくなるというほどではなく以前からも予想はしていた額ではあるのですが、改めて口座の額面を見るとハッサンにせいけんづき喰らわされたかのように地味にダメージがでかいです。

 ここでやめとけばいいのにまた、「そもそも中国での生活費とか預金の伸びはどんなもんだろう」とまた余計なこと思いつき、これまでの収支を全部エクセルに入力して社会学仕込みの分析を行いました。その結果、家賃や保険代を除いた月々の生活費は2678.5元、日本円にして約32000円強であることがわかりました。
 生活費に関してはこれまでも一応、毎月食費は1000元程度、交際費などは2000元程度で合計3000元以下に抑えることを目標として掲げてきてはおりました。今回の分析結果からするときちんとその目標を達成しているのですが、冷静に考えるとなんで日本より物価の安い中国で毎月3万2000円も使ってるんだよと思えてきて、やっぱ限度額のラインを2000元に設定すべきだったかとやけに後悔しています。

 なお家賃代はこれまでが毎月3000元、保険代は年間6800元でこればっかはもうほんとどうしようもない必要経費ですが、家賃に関して言えば先月引っ越したのでこれからは毎月3200元にアップします。引っ越したと言っても同じサービスアパートメント内の別の部屋で、そもそも引っ越しの理由も前のオーナーが、「そろそろその部屋売るから出てって」というもので、先月はこの引っ越し関係で膨大な出費を迫られることとなりました。
 具体的に挙げていくと、新しい部屋の大家への初期費用として敷金+2か月分家賃前払いで9600元、不動産屋への仲介料として1000元、引っ越しを手伝わせた会社の後輩へのお礼を込めた昼食代178元、同じく晩御飯代112元(両方とも自分が食べた分も含まれるが)と、金額を事細かに覚えてるくらい多分納得いってないんでしょう。唯一の救いは前の部屋の大家が電気代を差っ引いた分の敷金と既に支払っている家賃を日割りで計算し、残り日数分をきちんと返却してくれた点で、事前の想定額以上の金額が返ってきました。これで今週末に日本に一時帰国してもある程度気にせず使えるとか思ってたら、保険会社から「次回3か月分の保険代1700元払ってください」という通知が来て、儚い夢と消えました。

 それにしてもお金の計算は気合や根性ではどうにもならない分、処理していていろいろ気苦労が多いです。なるべく予想は悲観的に立てているつもりですが、ちょっと預金額の増加率が想定を下回っているのでなかなかヘビーです。減っているわけではないものの、こういう時に最終的な帳尻を合わせるため想定ラインを引き下げるか、今後の支出を減らすかで人間2パターンに分かれる気がします。自分は間違いなく後者で、差し当たって外でコーヒー飲むのは今後控えようと思います。

2012年9月2日日曜日

自民、民主の総裁選について

 ある意味締めともいえる問責決議案が出たことによって国会での論戦は落ち着き、政治に関する話題の中心も自民、民主それぞれの総裁選へと移ってきております。特に自民党では早くも有力候補者が続々と出てきていることから、こちらとしても解説のし甲斐がある状況となりつつあります。

 まず現総裁の谷垣氏についてですが、普通に考えれば前回の参議院選も大勝しているのだし実績的には留任のはずですが、下馬評では再選は難しいと見られており私も多分負けると思っております。私自身もこれまでに何度も酷評しておりますが谷垣氏にはどうも政治家としてのセンスが全く感じられません。何か堅持している政策があるわけでもなく答弁を聞いてても政策に詳しいとも思えず、かといって敵失につけ込んで批判するという能力があるわけでもありません。それにこれまでの経緯を考えれば、仮に自民党の総裁がもうちょっとマシな人だったら既に民主党を解散に追い込んでいるとも思え、この前の問責決議案賛成も案の定というか身内からも批判されている始末なので多分支持する勢力なんていないでしょう。まぁそれを言ってしまえば、3年前の時点で自民党の議員はこの人を総裁に担ぎ上げるべきではなかったとも言えますが。

 では次は誰になるのかですが、現時点の有力候補とくればやはり安倍元総理が来るでしょう。ただ安倍元総理に関しても谷垣氏よりはマシとは言え私の中の評価は芳しくなく、出来ることならもうちょっと別の人に来てもらいたいというのが本音です。具体的に安倍総理のどの点を評価していないのかというと、確かに理念など政策方針は一貫しているところは高く評価できますが、これは理想の高い人物に共通して言えますがその理想を如何に実現するかという過程をあまり考えないところがあり、実行力に欠ける面がこの人にはあると思います。
 このまま黙ってコメント欄で突込みが来るのを待って一気に書き並べてもいいですがちょっと意地悪な気がするので先に釘さしとくと、確かに安倍政権時代は教育基本法改正など重要法案をいくつも可決させておりますが、それはあの時の議席状況が衆参共に自民党が安定多数を確保していた上、衆議院に至っては小泉元首相の遺産こと三分の二以上の議席があったからできたと断言できます。仮に今のねじれ国会の状況では当時の様な手法が通じるわけがなく、一回お手並みを見ているだけに、安倍元総理が総裁になって自民党が与党になっても途中で行き詰ることになるでしょう。

 このほか挙がっている候補だと石破元防衛庁長官や石原幹事長がおりますが、石破氏は政治家として高く評価はしておりますが総理よりも国務大臣が向いている気がし、石原氏に至っては谷垣氏と同レベルと見ております。あともう一人、安倍氏と同じ森派から町村元官房長官が立候補に意欲を示しておりますが、こう言ってはなんですが自民の議員は誰か止めてあげろよと言いたいです。そもそも町村氏はほかの候補と違い前回の衆議院選挙で落選し、比例復活を果たした議員です。多分次の選挙では普通に小選挙区でも当選するでしょうが、比例で復活当選した議員を総裁、ある意味では首相候補にするというのはいくら何でも民主主義を馬鹿にしているんじゃないかと言いたいです。もしこれが通るのであれば、国民から全く支持されていなくても比例でなんちゃって当選した人間が総理やってもいいことに繋がりかねず、日本政治史に汚点を残すことになるでしょう。これならまだ参議院議員が総理になる方がマシです。

 以上の様な観点から言えば、やはり自民党はタレント不足という一言に尽きます。ここで名前を挙げた人物はそもそも5年前から総裁候補と言われていた人物とほとんど同じで、人材の新陳代謝が全く起こっていないという証拠です。
 一方、民主党は自民同様にタレント不足のきらいはありますが、こっちは野田首相が続投する可能性が高く自民よりは権力構造が安定しているでしょう。ほかに民主党総裁の有力候補を挙げるとしたら前原氏や岡田氏が挙がってきますが両氏とも野田首相支持で固まっており、これまでの党内野党こと抵抗勢力の親玉だった小沢は既に出ていっており、そこそこ力があって反野田を掲げているのは鳩山由紀夫元首相くらいです。また先日に一部の民主議員が田中眞紀子氏を候補に上げてくるという報道がありましたが、十年前ならいざ知らず今の田中氏では神通力も通じるわけはなく、マスコミだけが大きく取り扱って敗北することになるとみています。

 総じていえば民主党が小沢を追い出したことで党内がカチッと固まってきたのに対し、自民党は総裁選含みで分裂とはいかないまでも不安定な状態が続くことになり、後々の政局に影響を及ぼすかもしれません。それにしても野田首相は就任した際ははっきり言って「誰この人?」って私も思いましたが、中国の新聞にも「自称ドジョウ」と書かれているだけあって近年の首相と比べてタフであるのと、まだ方針が見えてくる人で私の中の評価もうなぎ上りです。恐らく次の総選挙ではよほどのことがない限り民主党は大敗して野田首相も下りることとなるでしょうが、次の首相候補にこれという人物がいない分、時間が経つにつれ野田首相の評価は高まるんじゃないかと考えております。

 それにしても今日のこの記事はウィキペディアもニュース記事も全く見ずに一気に書きましたが、故水野晴郎じゃないですが「政治って本当にいいものですねぇ」と言いたくなってきます。私なんか単純に娯楽として見れるくらい書いたり考えたりするだけで楽しいのですが、昔友人にも「絶対お前仕事間違えてるよ(当時ガス屋)」と言われましたが、なんだか最近そんな気がしてきます。

 ついでに書いておくと、水野晴郎つながりで最近のテレビの映画ロードショーでは昔みたいに解説がないのが地味に寂しいです。淀川長治さんの解説など当時はあまり意識しませんでしたが今思い出すとやっぱあった方がいいように思え、お笑い芸人のウッチャンなんか映画に詳しいんだから「笑う犬の冒険」でやっていたミル姉の時みたいにまた解説やってくれないかな。あの衣装で日曜洋画劇場に出てきたらある意味すごいが。