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2016年2月29日月曜日

最近のブログ更新速度について

 いきなりいうのもなんですがこのところこのブログの更新ペースは一様に上がり続けています。しかも更新が多いだけじゃなく取り上げるネタも自分から見てもなかなか面白い内容が多く、特に去年一年間にあまり多く書かなかった中国経済関連の記事が増えていてどれも内容が充実していると思います。
 一体何でこうなったのか。一番大きな原因は1月に引っ越しとネットトラブルの影響を受けて記事更新が一時中断したのと、やはり昆山から上海に引っ越してきていろいろと周囲から受ける影響というか刺激が増えて気が付くことも増えてきたからだと思います。今こうしている状態でも取り上げようとするネタは常に5本以上抱えている状態が続いており、早く消化しなければと思って書いている間にまたどんどんと書きたいネタが見つかって文字通り作業が追い付かない自転車操業のような感じに陥っています。

 かといって、以前みたいに一日に二本や三本をまとめてアップすると読者への負担が明らかに大きすぎます。書いてるこっちももちろん負担ですが。
 なのでひとまずは一本ずつ消化していく方針で記事を書いてますが、それにしてもなんでこんなに消化できないのか自分でも不思議です。書いてるだけならまだしも、地味に隠れて周囲へ取材も一緒に行ってますし、たまには休日に一歩も外に出ないでボーっとしていたい気もしますがこのところは午前中から夕方までほぼずっと自転車に乗って読解く日々が続いているし、来週に至ってはまた、晴れていたらですが自転車の遠征が決まりました。

 なおたまに聞かれますが、平日の就業中には一切ブログは書いていません。っていうか書くほど暇じゃないですし。いつも家に帰宅してからネットで情報収集して、それから執筆に入るというペースが数年前から確立されていますが、それにしたってもう少しのんびり書いた方がいいのかなとたまに思ったりします。

2016年2月28日日曜日

龍華寺へ訪問(上海市内)


 このブログを読んでおられる方には早いですが、昨年末から中国人にスチール棒で殴打されてこめかみから出血したり、引っ越し先にネット回線がリアルに存在しなかったり、ネット回線契約したら業者が住所を間違えて入力したため危うく工事できなかったりなどと、我が事ながらあまりにも運気に見放されていると感じる日々が続いております。後輩からも、「あなた憑かれてるのよモルダー」と、最後の「モルダー」とまでは言われていませんがなんか悪霊か何かに取りつかれているのではないかと心配されるほどで、自分自身もかなり早くからその可能性を疑ってきました。
 とはいえこちら上海で悪霊が嫌がるようなパワースポットがあるかとなるとこちらもまた疑問で、何かそういうところないかなと探してみたところ、「ここがイチオシ」という具合に紹介されていたので、上海市内でも最も古いお寺とされる龍華寺へ朝から行ってきました。

正面入り口を入ってすぐの所
 
 龍華寺は上海市の中心部南にある所で、地下鉄11号線の「龍華」という駅のすぐ近くにあります。中に入るには10元払ってチケットを買う必要がありますが、チケットと交換で火にくべる線香もらえるので比較的良心的です。
 上の写真は入り口を入ってすぐの所で撮ったものです。撮影しながら、「撮影する写真には女性をなるべく入れるように」という、香港記者時代の上司のアドバイスを思い出しました。


 ちなみに寺のすぐそばには「革命烈士公園」というでかい公園&展示施設もあります。こっちは無料でしたが、展示内容がやや細かく網羅し過ぎなように思え見ていてそれほど楽しめませんでした。


 この写真は「羅漢殿」と書かれた建物の中ですが、「俺の知っている羅漢とは違う……」と思って写真撮りました。日本で羅漢というとアメコミに出てきそうなムキムキでごつい男たちですが、なんか中国だと違うのかもしれません。


 仏像前の祭壇ですが捧げられているお供物見て、「パイナップルか、いいもん食ってるな」と思いました。


 境内の脇でなんかいろいろ燃やしていました。煙と煤の量が半端じゃなく、風下に立つと少しきついくらいの燃えっぷりでした。

 お参りの効果があるのかどうかは今後に委ねるとして、何気にそこそこ長い期間住んでおきながらですが上海市内にこんなお寺があるということを今まで全く知りませんでした。上海市の仏教寺院というと市内中心部にあってショッピングモールに囲まれている静安寺がメジャーで私もそこしか知りませんでしたが、案外近くにこういう古刹もあったんだと正直驚きでした。
 やっぱり以前と違って自転車があるため、行動範囲が格段に広がった上海生活が展開されています。ちなみにこのお参りの後は帰り道にあったからIKEAに寄ってみたところ、食堂の余りの混みっぷりに疲労する羽目となりました。

2016年2月27日土曜日

中国の住宅価格が上昇し続けてる件について

 引っ越しを終えて二週間経ちようやく落ち着いてきたものの、落ち着いてきた今だからこそ買いたいものがたくさん出てきて今日は朝から夕方までニトリで日用品買ったり、ジャンクなPCパーツ屋でWIFI発信機を買ったり、立ち寄ったスーパーで6元(約108円)で2.5リットルのコーラ買ったりとほぼずっと買い物をし続けていました。ついでに自転車屋にも寄ってもはや顔なじみとなった店員に挨拶交わすと共にギアを少し調整してもらうというおまけつき。
 こんな感じでずっと走り回っていたら上海人の友人から、「是非これを書いてくれ」とメッセージが送られてきました。普段はどうでもいいことを要求してくることが多いのですが今回提示された話題は中国の住宅価格についてで、ちょっと面白いデータも添付されてて面白いと感じたので、今日はこの話題について書きます。

 中国の住宅市場がバブルといわれて幾星霜。以前にも取り上げていますが中国が嫌いな人たちは毎年のように、「中国の住宅バブルは今年中にはじける」と言い続けるとともに毎年その予想を外し続け、最近になってからだとさすがにというかようやく反省したのか商売にならなくなったのかあまりこういう言質も見なくなってきました。具体的に言うと「爆買い」という言葉が出始めた頃から中国バブル崩壊論も減少してきたように思え、やはり中国批判が商売になり辛いというか障害になってきたというのが一番大きな背景でしょう。
 では実際の所はどうかってことですが、今回上海人が送ってきたデータというか記事がまさにそれで、2016年1月における都市別の住宅価格変動データでした。そのデータをそのまま引用すると、

「2016年1月における上海市の公営住宅を除く新築住宅の1平米当たり成約価格は前年比24.9%上昇の3.59万元(約64万円)、深圳市では同74.27%上昇の4.65万元(約83万円)だった」

 以上のように、上海市では去年の1月から今年の1月で1.25倍に、深圳では1.74倍になったと報じられているとのことです。
 さすがに数字でかいんでほんまかいなと思い裏取りをしたところ、このデータはこのところ急激に拡大している中国の不動産サービス大手「鏈家房地(正式名称は北京鏈家房地産経紀有限公司でみんな鏈家と呼んでる)」が出したデータだったようで、以下の記事にほかの媒体が出したこのところの住宅価格データと共にまとめられています。


 少し脱線しますが「華爾街」というのは「ウォール街」の中国語訳です。だけど記事の出典元のニュースサイト「華爾街見聞」はWSJことウォール・ストリート・ジャーナルとは無関係だし、第一本部も上海にあるとのことでまたいつものかと思いました。

 話は戻りますが、香港であれば下手な政府データよりも大手不動産サービス大手がまとめた司教データの方が信用できるのですが、中国本土だとそうもいかないというか鵜呑みにできないところがあります。なので今度は中国の国家統計局を訪れてみたところ、タイミング良いというか昨日26日に毎月出ている70都市住宅価格変動統計データの1月版が出ていました。

2016年1月份70个大中城市住宅销售价格变动情况(中華人民共和国国家統計局)

 書かれている中国語は簡単だしデータは図表にまとめられているので中国語がわかる方は直接サイトを見てもらった方がいいかもしれません。
 こちらのデータは中国国家統計局が毎月出しているものなのですがこちらによると上海市の公営住宅を除く新築住宅価格は、前月比で2.2%、前年比で17.5%の上昇をしており、深圳市も前月比で4%、前年比で51.9%の上昇とまとめられており、鏈家のデータほどではないにしろ大幅な上昇を続けているというデータが出ています。っていうかこんなの見てたら、日本の住宅価格上昇なんてどうでもいいことのように思えてきます。

 もう少しデータについて補足すると、これほどまでに急激に上昇した背景としては春節という中国のビッグイベントが影響しており、住宅にしろ車にしろ、高額な買い物は春節直前に行われることが多いためこの時期の伸び幅は他の月よりも明らかに大きいことがあります。
 また上海と深圳以外の都市についてですが、北京や広州、武漢といった主要都市でも上昇が続いておりますがいわゆる地方都市こと三級、四級都市ではほぼすべて下落しており、主要都市と地方都市とで明確な差が出始めてきたと各記事で指摘されており、私も同意見です。とはいえ主戦場である主要都市では上がってるんだから、バブル崩壊とはとても言えない状態でしょう。

 なおたまたまですが、この前私がお世話になった不動産屋のおばちゃんから前の部屋の敷金を受け取りに行った際に最近の市況はどうかと何故か聞いたところ、やはり新築住宅の人気は高く価格も上昇する一方で、よく売れている価格帯としては7000万元(約1億2600万円)当たりだと教えてくれました。金額を聞いて呆然とする私に対しおばちゃんは、「もし必要になったら相談しなさい。安くていい物件を探してあげるわ」と力強く言ってくれましたが、「いや、そんな金額無理やってヾ(゚Д゚;)」と恐縮することしかできませんでした。

とんかつ屋でのご飯おかわり記録

 今日は仕事を終えてから上海高島屋に寄って、そこの7階にある「かつくら」というとんかつ屋さんで晩ご飯食べてきました。一体なんでこの店に立ち寄ったのかというと、実はここ、上海高島屋がオープンした初日に私が取材したお店だからです。
 上海高島屋がオープンした初日はオープン前から記事書いて取り上げていた私も訪れ手は見たのですが、ぶっちゃけ高島屋側のプレス向け広報があんましっかりしておらず館内のしょうもない説明ばかりで記事に書くネタが乏しく、補填するネタをどうにか用意する必要がありテナントとして入居したこの店の関係者らしい人が背広で歩いていたらすぐさま声かけて、話聞いてそのまま記事に取り入れました。何気に海外店舗第一号店だったので、記事に仕立てやすく本当に助かった。

 このような関わりもあってか取材で世話にもなったんだし、なるべく売り上げに貢献してあげたい気持ちもあって先月に上海へ越してきてから割とよくここへは立ち寄っています。もちろんここのとんかつの味自体が舌に合っていることもあるのですがそれともう一つ、この「かつくら」には実は学生時代からずっとお世話になっているという因縁もあったりします。

 知ってる人には早いですが「かつくら」の本店は京都にあって、京都市内の繁華街やデパート内には割とよく出店していて見かけることも多いお店です。無論、学生時代を京都で過ごした私もこのお店の存在は早くから認知していたものの、このブログでも何度も書いておりますが学生時代の私はリアルに金が無く、そんな威張るほどしょっちゅう立ち寄っていたわけではありませんでした。
 何度も書きますが学生時代の私は本当にお金が無く、食費も極限まで削った生活をしていたためほぼ毎日暇さえあれば夕ご飯に何を食べようかと必死でシミュレーションするほど深刻に餓えていました。お菓子でも「きのこの山」を買うくらいなら100円のビスケットを買った方がお腹にたまると友人同士で情報を交換し合い、たまにはチョコレートの味を感じたいと思いつつもきのこの山をあきらめビスケットでよく我慢しておりました。

 そんな万年金欠飢餓状態の私でしたが、資格試験の前日などここぞというところではおいしいもの食べて気合を入れることがあり、そうした場面でこの「かつくら」をよく活用しました。一体何故ここで「かつくら」を選ぶのかというと、このお店はご飯とみそ汁と千切りキャベツがおかわりし放題だったからです。
 初めて「かつくら」を訪れた日、時間帯も覚えてるけど確かお昼前でした。あらかじめ情報を得ていた私は緊張しながら店の扉をくぐり一番安いロースとんかつ定食を頼み、注文した品物が出てくるとまずゆっくりととんかつ一切れを口に入れ、でもって茶碗に盛りつけられたご飯を全部食べて即おかわりを申し出ました。ご飯のおかわりが出てくるまでの間に味噌汁とキャベツを口にして、ご飯が出てくるとまたとんかつ一切れを食べて茶碗に盛りつけられたご飯を……ということを繰り返し、結局その日はご飯を五回おかわり、キャベツとみそ汁をそれぞれ一回ずつおかわりして、「一体どれくらいぶりだろうこの感覚は……」と思うくらいに久々の満腹感を覚えました。なお近くのテーブルにいたカップルはマジで私の方をちらちら見ていました。

 このように外食とはいえ半端ない量を堪能できることから学生時代に思い切り食うと決めた時はこの「かつくら」を頼り続けていました。一回親父が遊びに来た時も一緒に「かつくら」を訪れましたが、この時も五回くらいご飯をおかわりしたので親父がえらい驚き、その後もよく話題に出されます。っていうか店員に、お櫃ごとご飯ちょうだいって先に言えばよかったかもしれません。

 以上のような体験というか学生時代の借りもあって、未だに私の中でとんかつ屋とくればこの「かつくら」が一番のお店だという妙な信条があります。なお上海高島屋の「かつくら」ではご飯を最初からお櫃でくれるのですが中に入っている量はそんなに大した量ではなく、ちょっとつめればお茶碗一杯に収まる量です。別に今は学生時代ほど餓えた生活しているわけじゃありませんが、食べ慣れた味(豚肉は安徽省と山東省から取り寄せてるとのこと)ということもあって、お櫃二杯、感覚的には一合くらいのお米食って、あと味噌汁とキャベツも一回ずつおかわりして今日は帰りました。
 その気になればご飯はもう一合食べられたなということと、学生時代だったら「孤独のグルメ」の出演オファーにも堂々と対応できただろうと思いながらエスカレーターで下っていきました。

 なおその帰り、日本の品々を打っている高島屋の特設コーナー寄って何故か南部鉄器の急須を428元で購入。前からすごく欲しかったのですが、マジ頑張りすぎている自分へのご褒美として思い切ってついに購入してやりました('∀`)

2016年2月26日金曜日

ルターは何故、宗教改革に取り組めたのか?

マルティン・ルター(Wikipedia)

 最近歴史物の記事書けてないので、前から書きたかったルターについて書きます。
 さてルターといったらキリスト教の宗教改革の嚆矢を放った著名な人物としてお馴染みですが、彼は元々宗教家になろうとしていたわけではなく、当初は法律家を目指して法学を学んでいました。そんな彼が何故キリスト教の修道士へと進路を鞍替えしたのかというと、なんでもある日おうちに帰る途中で雷雨に遭って、「お願いだから雷落とさないで。僕、修道士になるから!」と言ったことがきっかけで、その日を境にすっぱりと法学の道をあきらめて修道会に入ったとのことです。

 このエピソードからしても、どうもルターは堅物というか真面目過ぎる人物だったのではないかと伺えます。将来を期待してた両親などは上述の進路変更に大反対だったそうですが、「俺はもう約束してしまったんだ」といって話を聞かず、そのまま突っ走るようにして修道士へ、そして神父になってしまうのですから、真面目過ぎるだけじゃなく無駄に行動力もある人物だったのだろうと勝手に推定しています。

 そんなルターが宗教改革に取り組むきっかけになったのは、世界史履修者ならみんなお馴染みの贖宥状です。これはお金に困った一部の教会が献金を集めるために、「贖宥状を買えば罪が許されて天国いけるよ♪」と売り出したことにキリスト教内部からも批判が起こって議論となったという問題で、何もルターだけでなく当時の多くのキリスト教関係者が疑問を呈しているのですが、実際に堂々と批判するという行動にまで打って出たのはルターほか数名だけだったそうです。
 キリスト教会側もこの贖宥状に関しては多少負い目があったのか当初はルターをなだめて穏便に議論をまとめようとしたそうですが、教会側から提示された和解案をルターは悉く拒否しながら公開討論や是正を求め続け、結果的に教会並びに神聖ローマ帝国は彼のありとあらゆる権利を剥奪したばかりか公然と命すら狙う事態にまで発展します。

 幸いというかルターには彼を支持する領邦君主がいたため彼らの保護を受ける形で活動を続けることが出来、保護下にあって隠遁していた最中にそれまでラテン語でしか書くことを許されなかった聖書をドイツ語に翻訳した上で当時出来たばかりの活版印刷法によって大量に広まり、彼が書いたドイツ語がそのまま中世ドイツ語のスタンダードとして定着します。
 なお余談ですがこの時の初版本のことを「グーテンベルク聖書」と呼び、早稲田大学にも一冊あるって聞いたことがあります。まぁ私が見ても読めないけど。

 ここで本題に戻りますが、一体何故ルターはそれほどまでに迫害を受けながらアグレッシブな活動を続けられたのでしょうか。私が思うに、一つは最初に書いたように彼が真面目過ぎる性格で不正を一切許せなかったからと、二つ目としては初めから神学一辺倒ではなく途中まで法学を勉強して進路変更したからではないかと考えています。言い換えるなら、若い頃に別の世界を見ていたからということです。
 よくいろんなことを体験すると視野が広がるから何にでもチャレンジした方がいいと世の中言いますが、実際にこれをやるとなると骨が折れるもので、特に専門的領域の訓練に一旦入ってしまうとなかなか引き返せないというか別方面へチャレンジしようという気が薄れます。大学でも専攻を変更する人はそんなにいないでしょうし、ましてや文系から理系へ移転する人となると確実にレアです。

 現代ですらこの通りですが中世はこの傾向がもっと強かったというか修道士になる人は小っちゃい子供の頃から修道院に入り、その世界を知らないまま修道会の中で全部完結する一生を送ったと言います。こうしたタイプはあまり内部に対して疑問を持たないというか持ったとしても上部には抵抗しない傾向があるとされ、ルターはこの点で青年期までとはいえまだ外の世界を知っていたということが大きかったのではと私は見ているわけです。

 このような「外の世界を知っているか否か」ということに何故着目するのかというと、旧日本陸軍の教育システムでも同じことが指摘されているのを前に読んだことがあるからです。旧日本陸軍(海軍もそうだが)では13~16歳が入学する陸軍幼年学校を卒業後に陸軍士官学校へ入学し、ここを出ると晴れて軍の士官なれるという教育システムでした。ただ、陸軍士官学校の入学者の大半は幼年学校の出身者であったものの、少数ですが外部からも生徒を募集しており、一般高校(当時の名称だと中学校)の出身者でも非常に狭き門ではあったものの入学することは可能でした。
 で、こういってはなんですが、そうした外部出身者の士官ほど優秀な将軍が多かったりします。主だったものを上げると、

栗林忠道:硫黄島の戦いを指揮。太平洋戦争で米軍が最も評価した日本の指揮官の一人。
宮崎繁三郎:インパール作戦を指揮。野戦指揮では陸軍最強との呼び声も。
今村均:ラバウル方面司令官。陸大も主席で卒業しておりラバウルを終戦まで持ちこたえる。

 三人とも天性の軍人ともいうべき見事な指揮ぶり、並びに戦略眼を持っておりましたが、三人とも幼年学校を出ていないというのはもはや偶然ではないと思います。何事も一つの世界に邁進することが重要だと言われますが、全否定するつもりはない物の、やはり外の世界も体験しておくことも重要だとルターと合わせて思う限りです。

2016年2月24日水曜日

民主、維新の政党合併について

 既に各所で報じられている通りに民主党と維新の会が明後日にも政党を合併する予定だそうです。両政党はかねてから合併を視野に入れた選挙協力を重ねてきており今回の合併も早くから予想されていたものではありますが、それにしてもこれほど同床異夢というべきか政策案の摺合せなくくっつくというのは色々考えさせられ、これまでの民主党と同じく党として統一した政策意思は今後も期待できないだろうと私は見ています。

 そもそもの話、民主党と維新の会では憲法改正などの面で政策方針に大きな隔たりがあり、のっけから上手くやっていけるのかというと今からでも非常に不安です。では何故政策方針に隔たりがあるにもかかわらず両党は合併に踏み切ったのかというと、言ってしまえば選挙対策が何よりの理由でそれ以外はもはやないと断言してもいいでしょう。
 現行の小選挙区比例代表並立制では小選挙区選挙はまだしも比例代表選挙では政党が多いと互いに票を食い合って小政党ほど立場が弱いです。そのため中小政党同士で選挙区を譲り合王というのがこのところのホットなテーマで、その中には共産党まで入っているというのだから世の中は本当に変わった気がします。当初、民主党は共産党を加えての野党連合をも考えたというか言い出したくらいですから、政策の違いなんてもうどうでもいいという態度が透けて見えます。

 こうした状態でもあることから、恐らく両政党の合併効果というのは全くなく終わってしまうと私は予想しています。橋下前大阪市長がいればまだ違ったでしょうが彼の方はしばらく政治から離れるようですし、そもそも国政進出にミスったこともあって多分フリーな立場を今は謳歌したいのではないかと思えます。なのでちょっと気が早いですが、次の選挙も自民党は安泰で議席数でも大きな変化は起こらないでしょう。

 最後にもう一つ付け加えるとこの前不倫で辞職した宮崎元議員について、あの辞職劇を見てつくづく自民党の派閥は力を失ったなぁと感じました。彼が所属していた派閥の長である二階議員は当初、関係者への謝罪だけで済ませ辞職させる意図はなかったものの党執行部の一喝を受けて庇えなかったと各所で報じられていましたが、恐らくこれは事実だと思います。
 かつての自民党は党執行部以上に派閥の方が実質的に力が強く、派閥が庇えば首相といえどもおいそれと党所属議員の去就を決めることが出来ませんでしたが、現在の安倍首相と菅官房長官のコンビは文字通り党内をびしっと仕切っており官邸の力がかつてと比べると随分増したものだと思えます。

 元々、小選挙区比例代表並立制は金権選挙と派閥政治の打破を目指して導入された選挙制度でしたが、この制度がどれだけ効果があったかは議論の余地があるものの現実に今では執行部が強い権力を保持するに至っております。もっともこれはただ単に菅官房長官がやり手だからというだけかもしれませんが、なんでも文字通りに官僚を「殴って蹴って言うこと聞かす」という人らしいし。

中国市場への日本酒売り込みの無益さ

 先日、後輩と友人が大好きなAPITAという上海市内にある日系スーパーを訪れた際、たまたまですが鹿児島県が地元の特産品を持ってきて特設コーナーで販売していました。かるかん(猫餌にあらず)があったら買って帰りたいなと思って私も眺めてみましたが生憎それはなく、仕方ないので懐かしさもありボンタンアメだけを一箱買って帰りましたが、あくまで私の見た感じだと一番主力として持ってきていたのは芋焼酎や日本酒なお酒類だったと思います。
 しかし、ここで厳しいことを言いますが、そもそも論として中国で日本酒を売り込むのは根本的に間違い、というよりも海外市場で拡販すること自体がやはり無理がある気がします。今日はリアルで10時間くらいぶっ通しで翻訳やり続けて頭がボーっとするので、手早く書けるこのネタについて少し解説します。

 ここで言うのもなんですが、上海や香港で開かれる物産展に出店する地方業者については記者時代に何度も取材しており、多分その回数は数十回を優に超えます。それだけにどの地方の業者がどういう物を持ち寄るか、どういう傾向があるのかはもとより、売込みが上手かったり戦略がしっかりしている地域などについても把握しているという自信があります。なおアジア市場で熱心というかやり方が一番上手いのは何気に長崎県です。
 話は戻りますがどの地方も地元の特産品を持ち寄るものの、果物がある県はやっぱり果物を持ってきてそこそこ受けも悪くないのですが、これはという特産品がない県となると決まって持ってくるのは地酒こと日本酒か焼酎です。でもって、はっきり言いますがどこも余り受けはよくないです。

 一体何故日本酒を持ってくるのかというとほかに売り込むものがないというのが大きいのと、日本らしくてほかの国や地域には存在しない商品だと考えるからだと思います。ただお酒という分類でいえばどの国でもアルコール飲料があるだけに、テコ入れすれば日本酒が売れるかもという期待があって持ってきているのではという気がしますが、残念ながら海外市場では日本酒はどう頑張っても売れることはないというのが私の見解です。

 何故かというと理由は非常に簡単で日本酒に合う料理が海外にはなく、刺身や寿司を始めとする日本食としか合わせて飲めないからです。アルコール飲料は基本、料理とセットにすることで大量に消費されるものですが、その酒にあった料理が無ければ単独で飲む量はたかが知れて、ましてや普段見慣れないアルコール飲料を率先して飲むくらいだったら身近なビールなどを手に取るのが常でしょう。
 日本人の立場からすると日本酒はごくありふれたアルコール飲料ですから抵抗はそんなにありませんが、中国人や香港人、アメリカ人などからすると全く異世界の飲み物で味や香りに慣れてないことから一口目からグビグビ飲む人となるとかなりレアでしょう。それこそ中国の白酒(バイチュウ)や紹興酒を初見から抵抗なく飲める日本人となると恐らくほとんど存在しないでしょうし、このようにアルコール飲料というのは地域性が強く出やすい飲み物だったりします。

 唯一例外といえるのは先ほど挙げたビールとワインで、これは飲み合わせの良い食べ物が比較的豊富であることとクセがほかのアルコール飲料と比べて小さいことから世界中いたるところで愛飲されるようになったと考えられます。しかし、はっきり言いますが日本酒は明らかにこれらとは別で、飲み合わせられる料理は日本食に限定され、外国の料理で飲み合わせられるものなんて私の知る限りまず有りません。無理矢理例を作ると、

・北京ダック+日本酒
・カレー+日本酒
・ハンバーガー+日本酒
・パスタ+日本酒
・ピロシキ+日本酒

 恐らくどれも、これじゃない感がはなはだ激しい組み合わせに見えるでしょうし、実際この組み合わせで出された料理がなんか普段よりおいしく感じられない気すらします。「刺身+日本酒」だったらまだすとんと落ちますが、それはあくまで日本食との組み合わせで日本人だから感じられるものであるため、外国人からしたらそうは問屋は降ろさないでしょう。いくら寿司料理が世界的に受け入れられている立派な日本料理だとしても、日本酒にまで手を出す外国人はそんなにはいません。
 基本的に日本酒は魚の生臭さを払うのにいいアルコール飲料であるため、生の海鮮料理以外には実はそんなに組み合わせの幅はないのではないかと考えています。まぁ醤油味となら何でも合うと思うけど、それも外国人からしたら塩分が強い料理に思われてるのかもなぁ。

 ざっと上記のような考えから私は日本食はまだ海外で展開できる余地があるとは思うものの、日本酒は海外ではほぼ全く展開できないし、出来るとしてもそれは日本食がいつでもどこでも食べられるほど世界で一般的になることが前提でまだずっと先の未来になると見ております。なので地方の都道府県が海外に物産を売り込む際はもう日本酒はあきらめて、他の物に注力した方がいいというのが私の意見です。
 では具体的にどんなものが海外で展開するのにいいかというと、一番は先ほどもあげた果物で、二番目となると案外和牛じゃないかと思っています。この辺は九州の都道府県が長年頑張ってくれた回もあって香港などでは鹿児島牛や宮崎牛が見事ブランド化に成功しており、地元での認知も決して低くありません。また中国本土においても「神戸牛」のブランドは非常に深く浸透しており、現実には中国への和牛輸出は制限されていますが、日本旅行で是非食べておくべき料理としてよく紹介されていることもあってこちらも認知度は高いです。

 もっとも、中国人が牛肉の味に一度でも慣れちゃったら世界中から牛肉が無くなる恐れがあるだけに、普通に売り込んでいいものかとなると少し悩み所ですが……。

2016年2月21日日曜日

中国のニトリを訪れて、及び日中の脚の長さの違い


 引っ越し先の部屋でパソコンを置いて作業するのに使うちょうどいいテーブルがなかったため、上海市内にある「お値段以上」でおなじみのニトリへ訪れてみました。


 場所は地下鉄「中山公園」駅前の兆豊広場というショッピングモールで、ここの2階と3階にかけてニトリが入居しています。上の写真は携帯のカメラで自動ピント調節をオンにしていなかったためやや露光気味ですが、一応モール入口から撮った感じはこんなもんです。


 店内をいくらか回ってみて候補となったのは99(約1800円)元の折り畳みデスクと199元(約3600円)の完全パソコン向けデスクでした。どちらも組み立て式だから家に持って帰る分には問題なさそうでしたが、199元のはキーボード引出し、プリンタ用天板がついていたものの、どっちも多分使わねぇなぁと思った上に部屋の関係上、背が低い(天板がない)方がいいと思ったので99元の折り畳みデスクにして配置した後の写真が上の写真です。個人的に言わせてもらうと、パソコンデスクはごてごてしたのではなくシンプルであればあるほどベターでしょう。
 あとはチェアを買うか買わないかですが、暫定で買った物入れにもなる上の椅子でもいいかなって割り切り感が出ております。

 そんな私のインテリア話は置いといてニトリについて書きますが、この日は土曜日ということもあって2階の日用品コーナーは午前中から割と客が入っておりました。まぁまぁ繁盛しているなと横目に見ながら3階の家具コーナーを見に行ったところ、ちょっと意に反してと言うべきかほとんど客が入っておりませんでした。日本でもどっちかっていうと日用品コーナーの方が明らかに賑わってるので別に中国に限るわけでもないし時間帯が悪かっただけかもしれませんが、それにしてもほんとにお客さん少ないなぁとしみじみ思いながら眺めていたところふと、

「テーブルの脚の長さが短いような……」

 という、妙な考えがよぎりました。
 これは完全に私の直感で感じた意見ではあるものの、私の目から見てニトリに置かれてあるテーブルの脚の長さは中国で売られている他のテーブルと比べてやや短いように感じました。実際に寸法を測って比較したわけでなくほんと印象での違いかもしれませんが、思い当たる節が全くないわけでもありません。

 日本がいわゆる「床文化」であるのに対して、中国は古代からずっと「椅子文化」の国だったりします。日本は畳敷いて床に座って生活するのを基本としますが中国ではそういう文化は全くなく、畳ですらニトリの店内以外で見ることなどありません(売ってた。欲しかった)。
 そうした文化的な背景からか、これは断言して言えますが平均的な脚の長さは日本人よりも確実に中国人の方が長く、女性も日本と比べると中国の方が脚線美を強調する人が多いし実際に中国人は「金瓶梅」の時代から伝統的に足フェチです。なお以前いた知り合いの日本人駐在員は脚フェチだったので中国はたまらないという感想を述べておりました。

 そうした文化的、身体的な差を考えると、テーブルの脚の長さも日本より中国の方が標準的に長いのではないのかという考えがもたげてきます。中国で暮らしている私の目から見てもニトリに置かれているテーブルはなんか脚が短いように感じるし、ましてや胡坐かいて使うような床置き用テーブルに至っては見ていて「これは売れへんやろう」と思うだけに、もしかしたら日系家具企業にとって中国市場における一つのウィークポイントなのではないかと思えてきたわけです。
 恐らく、素人の私ですら思いつくことなのですから本業の方々も把握してはいるんじゃないかとは思います。しかし店内に置いてある商品はほぼすべて日本語で書かれた包装がされてた上に私が買ったデスクもついていた説明書はそのまま日本語だったことから、恐らく商品は中国で作られているのもあるかもしれませんが基本的に日本で売られているものと同じ仕入れルートで、中国の店舗用に包装や中身を変えるなどの措置を採っているわけではない、というよりもそんなことしたら余計なコストを食うだけに仕入れルートを下手に分けたりしていないというのが実情なのかもしれません。そのため、中国の店舗でも脚の長さに違いがあると把握しながら日本と同じ商品を並べているのではと推測します。

 なお以前に蘇州のニトリを訪れた際に少し店員と話す機会があって、「景気はどないでっか?IKEAはんに負けとりゃしません?(京都弁)」と、尋ねたところ、「IKEAさんと比べられるときついですね(;´∀`)」と、正直に話してくれました。その店員曰く、やはり中国史上だとIKEAのブランド力は半端なく高く突き崩すのはなかなか難しいそうです。

  おまけ
 うちの名古屋だけでなく広島にも左遷された親父の子供の頃のあだ名は「座高一」だったそうです。私もそんな身体的特徴をしっかり継承してしまったのかクラス内で座高は高い方でした、二代目は襲名しなかったけど。

2016年2月20日土曜日

一昨日見たカオスな夢

違いの分かる猫といい車

穴があったら入りたい

 また本題とは一切関係ないですがこの前見つけて気に入っている写真なのでここにも貼っておきます。最新のWRX STIということもさることながら、猫のどや顔表情が何とも言えません。
 そんなわけで本題ですが、今夜は一昨日の晩に見たちょっとカオスな夢についてありのままに書こうと思います。

 夢の場面は夜、車に乗っているところから始まります。走っている場所は親父の左遷先である名古屋市内で、一緒に乗っているのもうちの親父で、運転手も親父です。何もこれは夢の中だけじゃなく私はリアルでペーパードライバーななもんだから日本にいるときはいつも親父に運転させているのですが、正直に述べると中国だと走行車線逆だから久々にハンドル握ると逆走しそうで怖いのもあります。
 乗っている車はワンボックスで、恐らくコンパクトカーのサイズだったと思います。そうして車を走らせていると前方で警察が我々の車を止めるよう指図するのでいったん停車した所、「ちょっと調べさせてほしい」といって改めに来ました。車の前までやって来た警官の顔を見ると、「あれ、〇〇さんじゃないですか?」と私が言うのですが、やってきた警察官は旧知の人物で、私が最初に入社した会社の指導役だった先輩社員でした。向こうも私を見て驚きながらも久しぶりと返事するのですが私の方はというと、「貿易事務員から警察官って転身ぶりがまた凄いな」、「なんでロンゲなんだろう?」、ということを口には出さずに頭の中だけで考えます。

 その先輩と私が一言二言話すとそのまま警察らは我々の車を改めて、「これはなんだ?」といって車内の一部を指さします。指さされた場所は運転席ドア裏側のサイドボードで何故か真っ赤に染まっているのですがこれについて親父が、「実はここに来る前に猫を轢いてしまって……」と説明し、警察もその説明に納得して「気を付けるように」といって解放してくれました。猫を轢いてどうして車の内側に返り血がつくのかという点については夢だからかみんなスルーです。
 再び車が走り出す横で私は、以前にも「我が一族と猫」という記事で書いたように私の一族と猫は因縁深い関係にあり、猫を殺すことは一族にとって観音様の顔に唾を吐きかけるにも等しい最大のタブーであるというだけに、「なんてことをしでかしやがって……」と、親父を横目に見ながら怪訝に思ったところで夢から覚めました。

 久々にカオスな夢を見たなぁと思いつつその日の出発支度を済ませていつものように家を出たのですが、その日たまたま最寄駅近くの芝生に犬の死骸が転がってて、見開いたままの血走った目と目が合っちゃって久々にリアルホラーを感じたというかマジビビりました。毛並からして多分野良犬とかじゃなく飼い犬で、バイクか何かにはねられて死んだんじゃないかと思いますが、その日見た夢と相まってなんか奇妙な偶然性を覚えました。
 なおその後電車に乗っている最中、マッドシティの潜伏先にある冷蔵庫と洗濯機の残存価額と廃棄処分回収費をあれこれシミュレートしていましたが、あの犬の見開かれた目がなかなか脳裏から離れずちょっと気分悪かったです。帰り道もその場所避けて帰ったし。

2016年2月19日金曜日

丸山議員の発言について

黒い新幹線、4月29日運行開始 世界最速の芸術鑑賞、乗車は2通り(乗りものニュース)

 また本題とは関係ありませんが上のニュースみて、白から黒に機体切り替えたら強奪されるのではと妙に懸念してしまいました。Zガンダムの見過ぎかな。

「日本が米国の51番目の州に」 自民・丸山氏が発言(TBS)
自民・丸山和也参院議員の参院憲法審査会での発言詳細(朝日新聞)

 そんなわけで本題ですが、今日のこのニュースはリンク先を選ぶのにやや苦労しました。というのもほとんどのメディアがやや見当違いな批判をやらかしてて、問題の本質が見えなくなっていたからです。
 結論から述べると丸山議員は辞職するべきだと思うし、自民党もこの際この人を切ってしまった方がいいでしょう。でないとまた何か確実にしでかすだろうし。

 事件の詳細は他の報道に譲りますが、大方の報道では「オバマ大統領は黒人で奴隷の子孫」といった発言をあげつらって批判しています。曰く、奴隷という言葉が差別的で同盟国アメリカを馬鹿にしているなどという感じで書かれていますが、この書き方について私は、そもそもオバマ大統領の先祖は黒人奴隷ではなく留学生としてハワイに来たわけだから少なくとも「オバマ大統領が奴隷の子孫」というのは明らかな認識違いで、この一点をとっても見当違いな発言だなと思います。
 しかし今回の失言の本質はこの点にあるのではなく、むしろその前の発言にあるでしょう。ちょっと報道メディアの名前を忘れてしまいましたがどっかが一社だけ「むしろ問題はこっちの方だろう」と指摘していましたが、私も同感というか、この奴隷発言の前にある、「例えば、日本が米国の51番目の州になることに、憲法上どのような問題があるのか」という発言の方が腑に落ちません。

 発言全文を見る限りですと丸山議員としては日本が米国の一部になれば安全保障は万全になるし、人口比的にも日本人の割合が大きくなるから米国議会の議席も多く取れる上に奴隷出身のオバマ大統領がなれたくらいだから日本人でも大統領になれるかもと言いたいようですが、馬鹿言ってんじゃねぇよこのクソガキがといったところです。アングロサクソンがそんな甘っちょろい展望を許すわけないというのはもとより、日本という国家の独立性を放棄したっていいじゃないかと言わんばかりのこの姿勢を、日本の国会議員が持っているという事実に呆れる限りです。
 まぁ、普段から独立放棄をネタみたいに主張している共産党や社民党、山本太郎議員なんかは今更気にしませんし彼らはそういうもんなんだと割り切っていますが。

 仮にもし、米国の傘下に入らなければならないほど日本の安全保障が脅かされたり危機的な状況にあるのであればこうした議論は必要でしょうが、果たして今この状況で必要かといったら全く必要性は感じられないし、むしろ日本の独立性をどうやって維持していくかという議論の方が大事でしょう。
 こうした点と共に私が個人的に気に入らないのは、この発言が憲法審査会で出てきたことです。発言全文によると日本が米国に併合されるに当たって憲法上、どんな問題があるのかと問うかのようにして発言したそうですが、世界中どこの国で他国に併合されることを想定した憲法、ならびに憲法解釈が存在するのか、逆に私が問いたいほどです。丸山議員の発言の前後まではわかりませんが、内容からしてあまりにも突飛だし恐らく脈絡なく言い出した内容ではないかと思え、断言してもいいですがこうした発言をこんな場所で突然言い出すっていうことは普段から主張したくて仕方がない意見だったのでしょう。言い換えれば日本はアメリカに併合されるべきだという思想を持っていると疑わざるを得ず、仮にそうだとしたら文字通り売国奴以外の何物でもないでしょう。

 ちょっと記憶が曖昧で具体的にどんな発言だったか忘れてしまったのですが、丸山議員は以前にもなにか頓珍漢な発言をしたことがあったように思え、確かその時に私はこの人は早く死ぬならなるべく早く死ぬべき人間だろうと思ったことを記憶しています。今回の発言を見る限りだと、あながち間違った判断じゃなかったなと改めて思えました。この手の人間はどうせ反省しないしまたぞろどっかでくだらない発言をすると思われるだけに、分をわきまえ議員を辞めてもらいたいというのが私の個人的な意見です。っていうか本人も好きなようだし、国外追放して米国にでも送るのがベターじゃないかな。

  追記
 自分と同じく発言の前半部を問題視して取り上げたメディアはデイリースポーツで、コメント主は東国原氏でした。案外しっかりした指摘するなこの人も。

東国原「謝罪ではすまない」丸山議員発言を徹底糾弾!人種差別より「51番目の州」について(デイリースポーツ)

2016年2月17日水曜日

今勢いを感じる男性俳優

 去年頃から上海市内のスーパーでも「ウコンの力」が売られるようになったのですが、この商品を見る度に私は戦国武将、もといキリシタン大名の高山右近を連想し、「右近の力」の半分以上はキリシタンパワーだろうと内心信じています。
 その高山右近ですが、何でも最近バチカンに認められてこのほど福者に認定されることがほぼ決まったそうです。確かに細川ガラシャと並んで中世日本における代表的な殉教者だし「振興のためなら領土も捨てる」を地で行ってもいるので、本人も今頃あの世で盆踊りでも踊りながら喜んでいるんじゃないかと思います。

 ここで話が変わりますが一昨年に放映された大河ドラマ「軍師官兵衛」にて、この高山右近の役を生田斗真氏が演じていました。高山右近は黒田官兵衛のキリスト教入信において強い影響を与えたとされるだけになかなか出番の多いキャラでしたが、このドラマの中での生田氏の演技は私の中で強く印象に残り、「きっと身近に高山右近がいるとしたら実際にこんな姿だったのでは」と思わせられるほどの息を飲む演技ぶりでした。
 それだけ印象に残ったのもあって個人的に生田氏の経歴をドラマ放映中に調べたりもしたのですが、調べてびっくりというかこの人もジャニーズ事務所の在籍者、もといアイドルで、同じドラマで主役張った岡田准一氏といい、いつからジャニーズはこれほど演技達者な俳優を多く抱えるようになったのだと改めてこの事務所の凄さを思い知らされました。まぁ逆を言えば、SMAPの面々はそんなに演技上手いと思えないわけなんですが。

 同じく「軍師官兵衛」では黒田長政役を松坂桃李氏が演じる形で出演していましたが、この人も若いのに演技達者な人だと密かに評価している俳優さんです。前々から各所で演技力が評価されてはいましたがいまいちじっくり出演作を見ることが無く、名前が特徴的なのでどんな演技をするのかなと思っていたら「日本のいちばん長い日」に出演していて、この映画でじっくり見ることが出来ました。
 この「日本のいちばん長い日」で松坂氏が演じた役は畑中少佐という人物ですが、実はこの人物こそ映画を見る前に、「誰があの人物を演じるのだろうか?」と私が最もキャスティングを気になっていた人物でもありました。どういう人物であるかはリンク先のウィキペディアの記事を見た方が早いですが、要するにポツダム宣言直前にクーデター起こして戦争を継続させようとした軍人の中心人物で、クーデターが失敗に終わった8月15日早朝にピストル自殺していますが、歴史上もっとも融通の利かない軍人を体現しているかのような人物であります。
 そんな畑中少佐を松坂氏が演じると知って果たしてどんなものかと期待にワクワクしながら眺めましたが、よくもまぁこれだけ演じ切れるものかと、具体的には額に血管が浮かび上がらんばかりに怒鳴りちらしながら上官に迫ったり、陸軍参謀独特の仰角90度のお辞儀をしたりと、まさに前評判通りの見事な演技ぶりを見せてもらいました。

 以上の二名は私が知っている若手俳優の中でも一際抜きんでているというか、キャスティングされているだけでも出演作を見てみたいと思う男優です。しかし、こと男性俳優で今一番誰が上手いかと言われれば私の中で上がってくるのはこの二人ではなく、今旬なディーン・フジオカ氏でもなく、ほかならぬ伊勢谷友介氏だったりします。
 伊勢谷氏は映画の「カイジ2」で初めてその演技を見ましたが、主役の藤原竜也氏のイケメンらしからぬクズキャラぶりな演技もさることながら、いけ好かない感じの気取った敵役をこれでもかといわんばかりに演じており見終わった後に、「一体誰なんだこの俳優は?」と思って生田氏同様にすぐ経歴を調べた俳優です。元々高く評価されていた俳優なだけにその後も伊勢谷氏は話題作に出演し続けていますが、恐らく私だけではないでしょうが最も凄いというか恐ろしい演技ぶりだったのは間違いなく映画「あしたのジョー」で演じた力石徹役でしょう。

 この映画ではボクサーを演じるということから主演の山Pこと山下智久氏同様に相当なトレーニングを積んで出演され、どちらも体脂肪率を出演前から極端に落として撮影に臨んだそうですが、「力石といったら過酷な減量」と言われるあのシーンもきっちり伊勢谷氏は演じ切っています。実際にあのシーンの撮影数日前から絶食していたそうで、「水ー!」って叫ぶシーンなんか聞いててちょっと怖かったし、減量後の体重測定シーンに至っては文字通り幽鬼のような姿を見せ、鬼気迫る演技とはああいうのを指すのだと思います。実際に聞いてるとやや演技馬鹿というか妥協をせずにのめり込む体質の人らしくて、あの役にしてこの俳優ありだなというのが私の感想です。
 なお山Pも非常にしっかり身体作って演技しており、アイドル使った古い漫画の復刻映画と舐めてかかっていたらいい意味で不意打ち食らいました。

 何もこの記事に限るわけじゃないですが、「ウコンの力」からよくこんな俳優談義に話題を発展させるもんだなと自分で書いてて呆れます。実際、普段の会話でも小さなとっかかりから大きく話題を変えるのが非常に得意ですが。

2016年2月15日月曜日

シャープのターニングポイント

安倍首相が衝撃の告白! 昭恵夫人にペット用サプリを飲ませてた… ペットフードへの軽減税率適用めぐり応酬(産経新聞)

 ここ数年の政治家の発言の中で一番衝撃的な発言でした。安倍首相もトークが上手くなったもんだ。

シャープ再建は、もう手遅れ 失われた4年間の愚策 (ダイヤモンド)

 本題に移りますが普段はけったくそに馬鹿にしているダイヤモンドの記事ですが、上記リンク先の記事はなかなか良く書けているというかほかの経済記者が書かない部分まできちんと踏み込んでいて読ませられました。書かれている内容としては直接読んでもらった方が早いですが、私が従来から主張しているように「今のシャープには守るべき技術など既に存在しない」ということと、社運を賭けたターニングポイントは4年前の2012年だったというのを中心にして書かれており、自分の主張に近いということも大きいでしょうがこのところのシャープ関連の記事では一番よく正鵠を射た内容のように思えます。

 後者の内容について筆者の主張としては、2012年春の時点でシャープは自力再生が不可能だとはっきりわかっていたと踏まえ、その段階でどうしてホンハイ精密とより深い提携をしなかったのか、または銀行からの融資を得て抜本的な改革に取り組めなかったのかが問題となり、結果的にこの4年間は金と時間の空費にしかならなかったと切って捨てています。中々厳しい意見ですが私にもその通りに思え、特に当時はシャープだけでなくパナソニックとソニーも数千億円単位の巨額赤字をこさえましたが両社ともに文字通り血肉を削る抜本的な改革を実施して現在では見事に黒字回復を遂げております。それこそただ単に、「技術力の差」があっただけかもしれませんが、同じ業種で同時期に赤字をしていただけに、「経営力の差」の方がこの4年間ではっきり出たというのが私の見方です。
 にしても、パナはともかくソニーはよく巻き返したな。

 逆の視点で言うならば、シャープは4年前に何をすべきだったのでしょうか。これははっきりしているというか当時の時点で多分誰でもわかったはずでしょうが、当初の計画通りにホンハイとシャープ本社できっちり提携するか、液晶部門を売り払うかの二択、要するに今シャープが天秤にかけているホンハイ案と産業再生機構案のどちらかだったということです。付け加えるなら、太陽電池部門ももう市場が傾いていたし切り離して売却することも条件と言えそうですが。
 結局のところ、とにもかくにも決断が遅かったに尽きるでしょう。4年前に実行すべき案を今更実行するよりも、4年前に実行した方がいいに決まっています。しかも4年前のホンハイとの提携交渉時、シャープはホンハイに対して市場価格より明らかに割高な金額で株式出資を求めましたが、余所の会社とは言えなんて横柄な態度だと内心思いました。折角金出してくれるというのに悪条件を求めるなんて何考えてるのか本気で意味分かりませんでしたが、結局それで揉めて堺工場のみの出資にとどまって現在に至ったわけです。

 よく自分はせっかちで決断を焦りやすいと言われますが、私に言わせれば日本人は全体的に決断が遅すぎるというか決断に当たってスピードの価値を全く省みないところがある気がします。もちろん決断に当たってじっくり熟考できるに越したことはありませんが、早ければ早い方がいい決断の方が世の中確実に多いです。また決断が早ければ早いほどその決断が間違っていた際に引き返す時間的余裕も得られますが、日本の場合だと散々決断を先延ばしにして結局身動き取れなくなる会社が多過ぎます。だから自分も、焦りすぎだと言われても日本人から言われる分には気にも留めません。
 最後に決断の速い会社として私の中で上がってくるのは、ユニクロ、日立、富士フイルムの三社です。この三社は構造改革の決断が半端なく早過ぎて、こういってはなんですがあまり日系企業らしくないなぁとすら思います。

  おまけ
 私は三国志マニアですが、三国志マニアなら「横柄」という言葉を聞いてすぐ「王平」という武将が目に浮かんできて、同様に身体測定で「胸囲」という項目を見ると即座に「伯約」という字がでてこないといろいろ駄目でしょう。

2016年2月13日土曜日

再引っ越しの完了

 ところどころ過去記事で書いていますが、先月1月に私は上海で転職して昆山から引っ越してきました。最初の引っ越し先は昔住んでいたサービスアパートメントで、ここは住所証明を取るためだけに一ヶ月間だけ契約して住み(実際に住んだのは二週間だけだが)、その後で同じサービスアパートメント内で別の部屋を契約して引っ越しました。
 しかし、引っ越した後で気が付いたのですがその部屋というかそのサービスアパートメントはネット用の回線設備がリアルに存在せず、通信会社各社を回ってあちこちから断られながらどうにか接続できたのは2M/bpsという、今時こんな通信速度の回線あるのかと疑いたくなるようなレベルでした。ついでに近くにある高速道路の騒音がひどい、もとい窓周りの気密が明らかに弱い上、寒かった日には窓枠がリアルに氷結するなどしたのですぐに引っ越しを考えました。

 早速その部屋を手配してくれた不動産屋のおばさんに話したところ親身に相談に乗ってくれ、すぐに近くで新しい部屋を紹介してくれました。念のためほかの所もいくつか回りましたが結局、最初に最初に紹介してもらった部屋が一番いいと判断して契約の意思を伝え、大家と契約書を結び、昨日今日でようやく引っ越しも完了しました。ちなみに今日は上海人が親父さん(+VWの車)を連れて手伝いに来てくれたので引っ越し自体はすっごい楽でした。
 今度の部屋は大家の部屋を一部間借り、といっても入り口からドアを隔てていますが、ネット回線は大家が契約しているものをそのまま使わせてもらえたのでネット代は完全無料となりました。速度も明らかに前の所より早くて助かりますが、VPNはこのところ全体的に遅くなっているので日本の一部サイトを見るときはそんなに差はないかなという状態です。もちろん、それでもこの速さは大いに助かるけど。

 この前の記事にも書きましたが今回はその不動産屋のおばさんから親身にサポートしてもらい、本当に感謝のしようがありません。既に菓子折りを二回届けていますが、今後も何かあれば買って持って行かなければと思うくらい支援してもらい、新しい部屋の家賃代、ネット契約に関してもほぼ完全にこちらの要求を通してもらえました。
 でもって引っ越し先の今の部屋ですが、リフォームしたばかりでやたらきれいで逆に落ち着きません。家電はもとより壁なども全部塗り直されてて新築と言ってもいいくらいの部屋状態であり、壁とか床とか傷つけないように気を使います。ただ、木製の食卓が備えられていてパソコン用デスクもないから最初はそこにパソコン老いて作業しようかと思ったらなんか目線がおかしく、試しに丸いガムテープを置いたらコロコロと毎回同じ方向に転がっていく始末で、足回りがどうも緩いせいか明らかに偏ってました。さすがにそんな机の上で長時間パソコンに向かったら疲れるだろうと思い、今現在は小さい引出しの上にパソコン無理矢理のっけてタイピングしています。

 それにしてもこれでようやくというか1月からの激しい混乱に終止符が打てて、自分の上海での生活もようやく一息つけそうです。想定外のトラブルがあまりにも多過ぎたというかまるで何かに狙い撃ちされているかのように不運につきまわされた一ヶ月間だったと思います。
 別にこの短期間に限らず自分の人生全体でも、明らかにほかの人よりついていないというか本人に起因するわけでないトラブルに巻き込まれることが平均より確実に多いと我ながら自負しています。特に不良品を掴む割合は半端なく高いと思え、かつてはPSVita本体を入れるポーチが明らかにおかしな臭いしてて交換したこともありますが、この方面の受難は続いているというかまた今日も少しトラブルがありました。

 事の起こりは何も今日じゃないのですが、先日自転車を購入する際に前方を照らすライトをUSB充電式で一緒に購入しましたが、これが何故か電気つかない、っていうか充電できないという凄い代物で、旧正月明けとなる来週末にも返品できないか購入したGIANTのお店に行こうかと考えています。
 これだけなら別に記事にするまでもなかったのですが、今日上海市内に無数にあるダイソーのお店に友人といって引っ越しに伴って必要なものを適当に買いそろえたのですが、その中に自転車用ライトが10元で売っていたので折角だからと思い購入してみました。でもって自宅で封を開けたところ、「結束バンドもなければ締結具もないぞ?」と、すぐにその奇妙さに気が付きました。ハンドルに巻きつけるプラスチックベルトはあるもののそのベルトを固定するバンド、金具類が何故かなく、裏面の説明によると固定ネジがついているとありますがそんなの全く有りません。

 初めから固定ネジなど存在しないのか、たまたま私が選んだライトについていなかったのかは知りませんが、自転車用ライトひとつで二つ連続不良品を引き当てる男なんてきっと世界広しといえど私一人でしょう。幸いというか気持ちに余裕があるのでそれほどショックはありませんが、やっぱり何かついているかもしれないのでこんど上海市内でお祓いの出来るお寺にでも行こうかなと検討中です。

2016年2月12日金曜日

自民議員の謝罪会見三連発について

 まるで狙いすましたかのように、というより報道を分散させるために敢えて合わせたのでしょうが本日、自民党議員三人がそれぞれ別々に謝罪や訂正会見を行いました。

1、「根拠ない」発言を撤回=除染基準めぐり―丸川環境相(時事通信)

 内容については割愛しますが、これは完全に丸川環境相が憶測で物を言ってしまったのが振動だと思われます。もちろん政治家たるもの憶測で物事を言うべきではありませんが、かといって物凄い目くじら立てるべき発言でもないしこうしてすぐに撤回と訂正を行っているのですから、似たようなことを繰り返さない限りは気にしなくてもいいのではというのが私の意見です。

2、宮崎衆院議員が辞職願=16日に許可、4月補選へ(時事通信)

 育休取っておきながら不倫をしてしまっただけに、これは本当に言い逃れのない行為なだけに議員辞職することも仕方ないでしょう。恐らくこの辞職は本人の申し出というより自民党執行部によって引導を渡されたものかと思われますが、評価すべきは自民執行部の迅速な対応ぶりで、先日の甘利前経済産業相の辞任といい危機管理が以前と比べて格段によくなっております。
 逆にというかこの宮崎議員の辞職によって逆大手をかけられたのが民主党、もとい細野議員でしょう。ネット上でも盛んに指摘されていますが細野議員はかつて山本モナ氏と路上でチューしているのを激写されており、自民は責任取って辞めたのに細野議員は何故なにもしないんだという構図が出来上がってしまったわけです。まぁ路上でチューする時点で危機管理はあってないようなもんですけど。

3、恣意的運用を否定=電波停止命令言及で―高市総務相(時事通信)

 これも細かい事実内容は割愛しますが、本当はもっと議論を深めるべきニュースはこっちの方だと思えるだけに扱いの小ささにやや不満を覚えます。
 論点となった政治的公平性ですがこれは誰かによって決められるものではないだけにこれを理由として挙げること自体ばかげています。しかし、「あからさまな捏造や印象操作を加えた放送」であれば話は別で、これに関してはむしろ今より厳しくして明確な処罰規定などを今のうちに盛り込むべきではないかとかねがね私は主張しています。

 特に最近はネットを中心に検証が進められていますが街角での街頭インタビューに同じ人物、もとい劇団員が何度も出てきていることは有名ですし、また討論番組でも明らかに偏った人選のされ方や翻訳字幕の改変なども現実に起きており、こうした行為は誰がどう見ても事実を捻じ曲げる行為であるだけにそれこそ一週間など期間を定めた停波処罰などで規制すべきでしょう。

 こうした事実報道とともに、放送倫理面でもやっぱり処罰が無ければテレビ局は反省しないなと思う節があります。どこか絡めて報道するかなと思っていたらどこもやらなかったので個人的に非常に残念だったのですが、この高市総務相の停波発言があった同日、TBSの音声掛がマラソンコースに乱入するというとんでもない暴挙をやらかしております。TBSは以前にも男子ゴルフの石川遼選手が出場したツアー中にゴルフカートで観客を轢くという有り得ない事故を引き起こしており、報道機関としてあるまじき行為を繰り返すなどまるで反省する態度が見られません。
 こうした放送局に対してBPOは注意するだけで何も制裁は加えておらず、もはや自浄作用は期待できないのではと私は見ています。報道機関を過剰に縛ることはもちろん反対ですが、かといって野放しにしたまま公共の利益を損害させるなど以ての外であって、こうした方面の規制議論が今後盛り上がればと陰ながら祈ってます。

AELAのしょうもない派遣関連記事

嫁に愛してると言ったらガラスに突進→嫁父に「お前は鳩か!」と怒られるwwwww(気団まとめ)

 また本題と関係ありませんが今日初めて読んだコピペでしこたま笑ったので紹介することにします。「お前は鳩か」といった嫁父のようなツッコミ力がほしい。

増殖する「中高年派遣」34万人の悲鳴(AELA)

 でもって本題がこちら。先程友人が「読んでみろ」といって送ってきてくれましたが、既に私も読んだことのある記事でした。派遣問題を取り上げてるなどれどれと読んではみたものの、なんていかここで取り上げられている人は別に派遣だから解雇されるのかと言ったらちょっと違うように思え、パワハラとか年齢面とかの影響が大きいように思え、ぶっちゃけ派遣関係ないよねと当時思いました。っていうか正社員でも中高年なら同じような扱いされてクビ切られることだってあるのに、派遣というくくりでわざわざ語る必要があるのかと思える記事内容で、言ってしまえば中途半端な記事だなと思いました。

 友人としても同じような感想を持ったとのことで、「恐らくこの記者はマージン率の公開義務すら知らないだろう」と切って捨てていました。私としても真に切り込むべき論点はそこにあると思うだけに、派遣問題を取り上げながらマージン率の公開如何を無視しているということは単純に知らないのでしょう。前にも一回述べましたが、こういう記事は記者じゃなくて新聞社に来ている派遣社員自身に書かせるべきでしょう。

  おまけ
 さっき蘭州ラーメン屋行ったら韓国人に韓国語で声かけられました。前に親父から「韓流っぽい」と言われたシャツ着てたからかなぁ……。最近、マジで韓国人に間違えられる回数多くなってきて嫌なのですが、以前は中国人に間違えられてやたら早口の中国語でまくしたてたのでそれよりはマシかもしれません。

2016年2月11日木曜日

芋ようかんが食べたいε=ヽ( ゚Д゚)ノ

 ネット回線が2M/bpsしか選べないことから現在住んでいる部屋は明後日にも引き払い、明日明後日の二日間かけて近くの別の部屋に引っ越すこととなりました。新居のカギは明日にも大家から受け取る予定で、今度の部屋は大家の部屋の間借り(入り口から分かれてはいるが)ということもあるので何か挨拶の品でも持って行こうと昼寝から目覚めた後、欠伸を繰り返しながら地下鉄乗ってショッピングモールへと行ってきました。
 地下スーパー近くをぶらぶら歩いて眺めていたところ、あるコーナーの一角に「ちょうどいい」お菓子がショーウィンドーに飾られていました。飾られていたそのお菓子のラベルには「長崎ケーキ」と中国語で書かれてあるカステラで、お値段も118元(約2124円 1元=18円で計算、最近レートがややこしい)と100元前後という予算にもぴったり収まる金額です。一目で気に入ったのと、日本の歌詞を中国人に食べさせたらどうなのかという反応が知りたいという欲求もあり、大家と一連の引っ越しで親身になって支援してくれた不動産屋のおばちゃん向けにと二箱を注文して帰りました。
 どうでもいいけど私が注文した直後に別の客が来て、なんか店員の姉ちゃんが必死になって急いで包装してくれました。

 それにしても「長崎ケーキ(长崎蛋糕)」とはなかなかいったもんだなぁと感じさせられるネーミングです。よくカステラはポルトガル伝来のお菓子と言われながらも実はポルトガルにもスペインにも同じお菓子はなく長崎の完全オリジナルなお菓子というだけに、変に「カステラ」という音を入れるよりもこのネーミングの方がずっといい気がします。
 でもってカステラは棒状で売られていることが多く、単純にお土産として持ち運びしやすく、しかも相手先で切り分けやすいという特徴があります。ゼリーなど個放送されているお菓子も決して悪くはないですが、不特定多数の人間に配るお菓子としてはこうした棒状の方が有利というのは否めません。

 と、カステラについてあれこれ語りましたが、本音を言えば本当に欲しかった和菓子はこれではなく、ほかならぬ見出しに掲げている「芋ようかん」が出来ることなら欲しかったです。

 芋ようかんもカステラ同様に棒状で、しかも切り目がないため不特定多数へのお土産としては非常にリーズナブルな形状をしております。また数ある和菓子の中でも屈指の甘さを誇り、練って作られるもんだから少ない量で半端なくお腹にたまるというかすぐ満腹感を味わえる上、濃いめの緑茶との相性も桁違いにいいです。
 中国でもさつまいもはスイーツ(死語)の材料としてよく使われていますが、どちらかというとぜんざいやかき氷に混ぜたりすることが多く、芋ようかんみたいに練って凝縮するようなことはありません。それだけに中国でもこれ売り出したら案外面白いんじゃないかな、もとい、自分が食いたいからどこか本格的に売り出してくれないかなと密かに考えていて和菓子を扱っているお店とかをちらちら見てはいるものの生憎まだ中国で目撃したことは一度もありません。勝手な想像ですが、日持ちしないというのが芋ようかんの弱点でその点から海外だと展開し辛いのかもしれません。

 ちなみになんで急にこんな芋ようかんに対する熱い情熱を語り出したのかというと、一つは中国人へのお土産として持って行ってみたらどうなのかと気になるお菓子であったということ、二つとして今かなり甘いものに私が餓えているせいだと思います。この一週間で二回も自転車で100km走行を行ったことからか体の代謝がおかしくなっており、やたら甘いものが食べたくてコーラの消費量が急激に増えていることはもとより、今日トイレにまたがった瞬間に実感しましたが尻の方の肉が明らかに増えてるというか体がでかくなっている気がします。実際ここ数日間、走って疲れて体だるいから食べてはぐーぐー寝る日々続いてるし、芋ようかんさえあればもっとパワーアップできたかもしれません。

2016年2月10日水曜日

今日の自転車100km走行について

 三日前の日曜日に約100km走って体調悪くしたのに、懲りずに今日も約100km走ってきました。前回は虹橋空港付近から私が前住んでいた昆山市へ、実質西へ一直線に走るというルートでしたが今回は方角を南に向け、また虹橋空港付近から杭州湾こと海を目指して一直線に走りました。

 朝8時40分くらいに自宅を出発。三日前の走行が影響してまだお尻が痛みますがそこは我慢してサドルにまたがります。ルート的にはほぼ南へ一直線で道も聯華南路をひたすら走るだけ。域は割と好調でこの分なら早く終わるかなと思っていたところ、第一の関門に当たる黄浦江こと川が邪魔してきました。
地図を見るとフェリーがあるとのことなので早速フェリー乗り場へと向かったところ、チケット売り場で前にならんでいたおっさんがチケットを買いもしないのに窓口のおばさんと何故か長々と話し始めたので持ってたバナナを頭めがけて投げつけたくなりました。上海市内とは言えかなり南の郊外であるため、なんていうか中心部と比べると明らかに民度が落ちているのを感じました。

フェリーの中。ロードバイクが珍しいためか周りからやけにじろじろ見られた

 ひとまずそこをぐっとこらえてフェリーに乗りこみ川を渡るとと再び出発。地図にははっきり書かれていませんでしたがちょうど走ったあたりは上海化学工業区だったためあちこちに煙もくもくな煙突備えた工場がやたら見られるのと、工業地帯らしく中途半端な工事で放置されている道路や建物が散見されました。

 フェリー乗り場から下りてそこそこの距離を走り、化学工業区内の敷地にそのまま突っこみました。入り口ゲートに守衛立ってて入れるか心配でしたが無視したところ何も言われずに入れましたが、海までもう少しというところで再びゲートがあってそこは守衛に止められ突破が出来なかったものの、迂回すれば海の見える岸壁に行けると教えてもらい、その案内に従って再び走り出しました。
 教えてくれた道はどうも、砕石とか廃棄物を運ぶ道だったようで舗装もされておらずかなり凸凹で泥濘の多い道でしたが、その先にはきちんと岸壁があってようやく海を見ることが出来ました。もっとも中国の海は日本と違って茶色いからあんまきれいに感じないけど。

杭州湾が臨める岸壁から 

すぐ後ろはめっさ工業地帯 

 この時点で12時40分を回っていましたが、往路は真正面からの向かい風だった文復路は追い風になってきっと楽になるだろうと予想しており、その予想通りに往路の倍近くの速度で復路は走り続けることが出来ました。もっともまた疲労が出てきて、特に左膝が乗り始めから痛かったのにますます痛くなってちょっと情けない走り方となっていましたが。
 途中でケンタッキーによって昼食を取り、その近くでたこ焼きも売ってたので一緒に食べました。なおたこ焼きの値段は6個で15元(約300円)、8個で18元(約360円)でしたが、6個だけ頼んで堪能しました。

 昼食を取る以外は一切休憩せずに走り続け、最終的には3時45分に帰宅できました。帰宅してから2時間半ほど横になって睡眠を取り、その後ふらふらと起きてから近くの喫茶店で晩御飯食べて、シャワー浴びて、軽く背中を揉みつつ今この記事書いています。
 走り切った感想を述べると、川を越える辺りまでは距離的にも全然余裕だし途中途中でいくらでも補給が利くルートでしたが、川を越えて工業地帯へ入る辺りからは殺伐とした風景が延々と広がり続けるなど、心理的にも体力的にも急にハードさを増しました。もし上海市内からサイクリングで行くなら川越えの直前あたりでやめておき、虹梅路の先にある「浜江公園」当たりを目指す方が分なんじゃないかなという気がしました。人いないし平坦だしで工業地帯は自転車で走ってて楽っちゃ楽ですが、昆山の工業地帯と比べるとやけに今回の工業地帯は殺伐とした印象を覚えました。


 携帯のカメラ性能が悪いためやや移りが悪いですが、この写真の靴は私の靴で、見ての通り右足側だけがやけに真っ白です。これは岸壁目指して泥濘の多い道を自転車下りて歩いていたところ、突然「バシャッ」っという音と共に一瞬で靴が泥まみれになってしまったためです。このところ全く雨降ってないのに何であんなにぬかるんでいたのかミステリーですが、おかげでアウトレットで買ったこの靴がえらいことになってしまいました。
 これでも一応、泥かかってすぐティッシュで泥をぬぐっているのですがそれでもきれいにならず、結局さっき軽く水洗いしました。あとズボンと靴下も靴ほどではないものの少し泥がかかり、一応水で流したけどあした洗濯しないといけません。これさえなければ完勝ムードだったのになぁ。

産経の「魅せる」政治記事

 昨夜久しぶりに友人と会話した際、向こうから以下のニュースについて話しを振られました。

【政界ゲス不倫疑惑】イクメン装いつつ身重の妻を裏切った宮崎謙介議員の自覚なき言動の数々… 政府・自民党も怒り心頭(産経新聞)

 このニュースについて私は一応耳にしていたものの詳しい内容は把握していなかったので、「ほんと今年はニュースが多い年だね。SMAP解散で大騒ぎしたのが遠い昔に思える」と、すぐ話題を切り替えてしまいました。でもって上記の記事を読んでみて改めて内容を知ったのですが、中々この産経の記事はよく書かれていると唸らされました。
 まず事件の内容について簡潔に書かれてあり、概要をすぐに理解できました。日本の政治部記者というのは記者としての文章力や取材力以前に議員や官僚といった交友関係、言うなれば人脈で評価されることが多いため、はっきり言ってしまえば記事文章が非常に読み辛い上に見当違いな内容を主題に置いて書く記者が多かったりします。なおこれは余談ですが、関係会社に転籍した政治部記者が、「俺は絶対に頭を下げない!」と言い出して客先とトラブル起こしたということを以前に知り合いから聞いたことがあります。

 なもんだから私は政治部出身の記者をそれほど評価しておらず、真に実力がある記者は一に科学部記者、二に経済記者で、取材力だけなら芸能記者という風に勝手なランクをつけています。しかしこの記事を書いた水内茂幸氏という記者はなかなかにポップな文体で記事を書いており、内容が内容だからってのもありますが政治記事というよりはもはや完全に芸能記事みたいに仕上げています。夫側である宮崎議員の経歴や過去のトラブルをまとめているだけでなく妻側の金子議員についてもその人となりを紹介しており、一記事で全体像が把握できるうえに読んでて楽しませられることもあって、「産経の政治部にはこんな記者もいたのか」とつくづく思ったわけです
 とりわけ、末尾のこの一文は秀逸です。

「しかも身長168cm、バスト90cmの巨乳タレントと…。なめてんじゃね〜ゾ。」

 あくまで個人的な意見ですが、このニュースで何が一番重要かって言ったらこの不倫相手となる女性の特徴でしょう。他社のお堅い政治記事にはまず書かれることない情報でしょうが、それを外さずに書き切っているのは見事の一言に尽きます。

2016年2月9日火曜日

政策金利のマイナス金利導入についての解説

<長期金利>初めてマイナスに 一時-0.010%(毎日新聞)

 今日も日経平均が900円超も下がるなど大幅下落となりましたが、なんかこのところこういう乱高下が普通に多いからもうなんか慌てる気持ちにすらならなくなりました。一応今日の下ぶれについて理由を追うと上記リンク先記事に書いている通りに長期金利、言い換えれば日本国債の金利が史上初めてマイナスに突入したことが主因で、後は欧州の株安と北朝鮮のミサイル発射が副因ではないかとみています。

 ほかの記事にも書いていますが長期金利がマイナスになるとはどういう事なのかというと、日本政府が発行している国債を投資目的で1万円で購入したところ償還期限を迎えると9900円になって、増えるどころか減ってしまう金利状況の事を指します。実際にはそうはならないでしょうが短期で取引している分には買えば買うだけお金が目減りする状態なのでまぁ異次元っちゃ異次元です。

 今回何故長期金利がマイナスへと突入したのかというと、その背景は間違いなく日銀が先週にマイナス金利政策を導入すると発表したことにあるでしょう。日銀がマイナス金利を導入する先は政策金利(公定歩合)で、これは「民間銀行が日銀から日本円を借りる際の金利」を指しています。ほかにもっといい解説サイトがあるでしょうが一応簡単に説明すると、UFJとかみずほなどみんなにお馴染みの民間銀行はどこも日銀から日本円を借りて、借りた日本円を民間に貸すことで業務を回しています。そのため民間銀行は日銀からお金を借りるかわりに日銀へ金利分の利息を支払わなくてはならず、この民間銀行から日銀への金利のことを政策金利と呼びます。
 仮に政策金利が5%だったら、民間銀行は5%より高い利率で他の人に日本円を課さないと儲からなくて潰れてしまいます。しかし政策金利が1%だったら民間銀行は利率が2%でも3%でも儲かるため、実質この政策金利が動くことによって民間銀行のローン利率も変動してくわけです。

 これまで日本はゼロ金利政策と言ってこの政策金利が、0.5%とか0.25%に設定されており、民間銀行からしたらタダでお金が借りられるので低い金利で他の人にも貸せて利ざやを得ることが出来ました。しかしこの政策金利が仮にマイナス、それこそマイナス0.5%にでも設定されたら、民間銀行としては日銀からお金を借りれば借りるほどお金(資産)が増えていくことになりますし、その上で他の人に貸す際に金利を取ればさらに儲けられることになります。
 道義的な問題は置いといて日銀は何故マイナス金利にしてまで民間銀行に日本円を借りさせようとするのかというと、市場にお金を流通させ、だぶつかせ、デフレ(物価が下がる状態)から脱却してインフレ(物価が上がる状態)に持ち込みたいからです。人間お金が有り余ると必要のない物でも高くで買っちゃうみたいに、流通するお金の量を増やすことでバナナの値段もプレイステーションの値段も給料の値段も揃って引き上げたいというのが日銀の狙いです。

 とはいえ、政策金利にマイナス金利を入れるというのはG8の先進国では日本が初めてで、他にやっている国と言ったらスイスくらいしかありません。そのスイスは日本より先にマイナス金利を導入していますが導入してからどうなったのかという報道が日本でなされないのが非常に不満ですが、どちらにしろ前例のない世界なので前例を捜したり、セオリーを無理に適用しようとすること自体がナンセンスでしょう。
 私としては現在の日銀の姿勢を支持する立場にあり、そもそも今の世界金融を取り巻く状況は過去に例のない事態と言ってもよく、従来の方法を適用するのではなく手探りで新しい手段を対症療法的にぶつけていくしかない状態です。そういう意味ではこのマイナス金利導入も思い切った手段であるものの何もしないよりかはやってみる価値があると思うだけに、たとえ株価が乱高下しようとも私が日銀を支持する立場を変えることはありません。

 ほんとは今日の株価についてだけ書こうかなと思ったら、随分とまた変な方向に記事が流れていきました。ま、でも、たまにこういうどうでもいい金融記事書いてみたくなるのですが。

2016年2月8日月曜日

昨日の自転車100km走行について


 先月、マジ頑張り過ぎな自分へのご褒美として新しい自転車を購入しました。
 前に昆山で乗っていた自転車は購入から一年乗り続けましたが引越しの際に持って行くのがやや面倒だったのと、別の自転車にも乗ってみたかったことから知人へと譲ったので、上海市内で今後使っていくようにと新たに自転車を購入したわけです。

 今回購入した自転車のメーカーは前とおなじくGIANTです。ほかのメーカーも試していようと思い最初にスペシャライズドのお店へ訪れましたが、「明後日この店閉めるんだ」と、セールをしている理由を店員が教えてくれましたが、いくら安いからって今後のメンテナンスを考えると購入に踏み切れず、結局すぐ隣のGIANTに行きました。ちなみにそのお店の周辺は上海市内でも自転車乗りが多いとのことで、すぐ近くにはMERIDAの店もありました。行かなかったけど。



 でもって買ったのが上の自転車、あんまり名前チェックしてないけど多分「GIANT DEFY3」。パーツ諸々と合わせて5000元(約100000円)の所を4200元(約84000円)に値下げしてもらって即日購入しました。なんでこれにしたのかというと以前に昆山で乗っていた「GIANT OCR3300」が3400元くらいで買ったので、これより値段的にワンランクアップさせた物に乗りたくて、予算的に4000~5000元のラインにこれがあったからです。値段の差ってのがどれくらいなのかを確かめたいのがむしろ大きかったかも。

 そんなわけで試乗とばかりに今回、上海市の虹橋空港周辺から昆山市内中心部まで片道約50km、往復100kmの走行へと繰り出したわけです。最初の写真は昆山に入ったばかりの所、具体的に言えば昆山経済技術開発区内の道路で見事なくらい地平線まで人も車も何もない光景でしたが、こんな感じの道路を延々と走っていました。もっとも写真じゃ見え辛いけど真ん中のあたりにある赤い点は赤い服着た女性で、バス停で一人ぽつんと待っていましたが無事にバスに乗れたのかなあの後。

 話はサイクリングに戻りますが朝9時過ぎに出発してまずは境界線付近にある安亭という場所を目指しました。逆ルートというか昆山市内から安亭まではサイクリング部と共に何度も行ったことあったのですが上海市内からのルートはこれが初めてで、地図であらかじめチェックした通りのルートを沿って全く迷うことなくたどり着けました。
 ただ、思ったより時間がかかったというか安亭に着いたのは11時前でした。てっきり1時間くらいで来れてそこから昆山市内の方が遠いのかなと思っていましたが、実際は逆で安亭までの道のりの方が長かった感じがします。なお安亭付近には地下鉄もあればショッピングモールもあり、上海市内のはずれとはいえなかなか栄えているというか郊外型の住宅地という印象を覚えました。

 そっから境界を越えて昆山へ侵入。そっからはひたすら工業地帯を抜けるというルートでところどころ、「ああ、ここ前に通ったな」と思いつつ無心で漕ぎ続けました。ただ市内中心部に近づいてきた辺りで、その日の朝は食パン一枚(生)しか食べてなかったこともあって急激にお腹すいてヤバくなってきました。安亭で休憩取ろうかなとも思ったけどそしたらお昼ご飯の時間に昆山市内へつけないと無駄に焦ってノンストップで来たツケがここにきて、ふらふらしながらもどうにか12時半ごろに昆山市内中心部にたどり着けました。

 昼食は春節休暇中にも開いていた日本料理屋で、しょうゆラーメン大盛り+ギョーザ+半チャーハンを残さず食べて飢えからようやく解放されました。餓える度に思いますが二次大戦で兵隊に補給なしで戦わせた日本軍の指揮官はマジアホだと思うし、その中で戦っていた兵隊に強い同情心を覚えます。本当に餓えると、体力は体感で十分の一くらいしかでません。

 昼食を食べ終えると休憩もそこそこに再び自転車にまたがり復路へと出発。往路が強風ではなかったものの向かい風だった分、復路は追い風で楽になるかなという期待がありましたが、確かに往路よりは速度が出たもののあんまり速度アップにはつながりませんでした。往路でスタミナ切れした反省からギアは低めで割かしのんびりと走り続けましたが、乗り始めとあって低速ギアの調整がやや悪く、具体的には二速を入れるとチェーンが上手くはまらず異音を鳴らし続け、また口から「ファックファック」と呟くながら二速を避けつつ三~四速で走り続けました。逆に上の高速ギアの噛み合わせは抜群に良く、びっくりする位がちっとはまってたのは爽快でした。

 3時半くらいに安亭に着き、「無駄に焦るな」と自分に言い聞かせてバーガーキングで休憩。ポテトとコーヒーだけ頼んで30分くらい休憩して再びレッツゴー。往路と同じく、昆山~安亭よりも安亭~虹橋までの方が明らかに長く感じ、「おうちはまだかいな?」と呟きつつ5時20分に無事帰宅しました。そのままどこかに夕食でも行こうかと考えましたが、昼に大盛りラーメン食べたことからお腹がすかず、結局コンビニ弁当だけ買って夜9時にレンジでチンしてそれ食って終いにしました。

 明けて今日、めっちゃ体がだるかったです。足の筋肉痛は全くなく、O脚だからかやや膝の外側が少し痛みましたが正午にはその痛みも抜けたものの、右側頭部がずっと痛くて昼過ぎに昼寝を取るなどしましたがこっちはなかなか治りませんでした。
 昼寝を終えた後に「一体何故なんだ?」と少し考えてみて、自分は利き足が左であるため自転車走行中は通常やや左側に重心が傾いており、それをバランスとるためハンドルを握る右腕で支えた状態が続くのではと思い、もしかした右肩から右腕の疲労が原因ではと閃いてこの箇所にマッサージした所、大分調子戻して元気になってブログ書けるようになりました。いやまぁ、頭痛薬飲んだのも大きいのかもしんないけど。

 最後に今回新しく買った自転車について感想を述べると、車重は明らかに前の自転車と比べて軽く、軽く障害物に当たった際などふわっと浮かぶ感覚があって「車体ごと飛ぶのでは?」と最初感じたほどでした。しかし走行に関して述べるとそれほど極端な差はなく、長距離を走っていて特段速いとか加速がいいとか、前の自転車との差はそれほど感じませんでした。もう少し短い距離とかなら加速や速度の持ちの良さが感じられたかもしれませんが、長距離走行なら少なくとも大きく性能が変わるってほどではないような気がします。
 ただちょっと今回の自転車でミスったなと思ったのは、自転車を駐輪時に立たせるためのサイドスタンドです。普通ロードバイクにはこんなの付けないのですが私は付けないと気が済まないというか不便に感じるのでつけてもらいましたが、これがペダルの回転中に何度も左足かかとに当たって邪魔くさいのなんの。前の自転車では一回もそんなことなかったので多分取り付け位置が悪いか、スタンド自体のでっぱり部が大きいせい(前のと比べて明らかにでかい)であることが原因だと思え、休み明けにでも自転車屋に行って相談しようかなと思います。順回転する際はそんな当たることはないんだけど、逆回転したり停車する際などはほんとよく当たり、前ほどアクロバティックな乗り方はできないのがやや苦痛でした。

 それにしても100km程度でこんなに疲れるとは思いませんでした。なんか体感的には140km位走ったような気がするのですが、中国の地図だから縮尺おかしいのではと勝手に疑ってます。

2016年2月7日日曜日

北朝鮮のミサイル発射が早まった理由

 今日は自転車で約100km走って疲れてるので短くまとめます。

 報道されている通りに北朝鮮がまたミサイルを発射し、沖縄上空を越えて太平洋にまで飛んだそうです。このミサイルの性能については専門家に聞くしかないでしょうが発射時期について私の方から述べると十中八九、中国への遠慮から今日になったと思います。
 というのも中国は明日から春節に入るため、言うなれば明日は中国にとって元旦に当たります。人間誰しもお祝いムードの時に水差されたらカチンと来るでしょうし、直前に中国の公館が北朝鮮を訪問して「言うべきことを全て言ってきた」とコメントしたそうですが、私が考えるに恐らく、ミサイル発射の抑止と共に撃つのだったら春節期間を外せと言ったのではないかと思います。それにこたえる形で大晦日の今日に発射を実行したのかなと思いました。

 とはいえ、中国側としてもやっぱり楽しくはないでしょう。一応、大晦日の今日から長期連休に入っていますがこんな時期にミサイル飛ばされたらクリントンでなくても頭に来るはずです。中国人としても近年は北朝鮮に対して、「余計なトラブルを起こす国」という印象が国民にまで広がっていますが、それでも各国の制裁協議において中国はまだ北朝鮮を擁護するのではないかと思うものの、果たしてそれがいつまで続くかは私にもわかりません。

 っていうか100km位余裕と思ったのに、なんでこんなに時間食ったんだろう。地図の縮尺とかおかしくね?

2016年2月6日土曜日

鴻海がシャープ買収にこだわる理由

 

 昨夜はこのガチャピンの光学迷彩が気になり過ぎたため、昨夜書いた記事で一番大事な内容を書きそびれてしまいました。それにしてもここ一ヶ月くらい、こんなに大笑いすることなかったなぁ。あとこのお天気お姉さんの対応の仕方は本当に素晴らしい……。

 昨夜は「鴻海によるシャープの買収について」という見出しで鴻海精密工業によるシャープの買収についてあれこれ背景なり展望なりを書きました。書くべき情報はあらかた書きましたが一つ書き忘れたことがあり、これはほかの日系メディアが一社たりとも指摘しないというか触れもしないのでそっちも疑問なのですが、そもそも何故鴻海はこれほどまでにシャープを買収しようとするのか、この点がよく理解できず友人と一緒に頭を抱えました。

 鴻海は数年前の時点でシャープの堺工場に出資していますが、当初はこの際にシャープ本体へも出資、あわよくば買収しようとも動いておりました。当時のシャープであれば確かにまだ液晶の生産技術は他社よりリードしていたし何よりも堺工場はできたてほやほやで設備などもよく、出資するだけの価値は私から見てもありましたが、現在においては状況は変わっており少なくとも数千億円を支払ってまで救う価値があるかと言えば採算的にやや疑問を感じる経営状態です。
 昨日の記事にも書いた通り、確かに鴻海はI-Phoneを筆頭に液晶を用いる製品を多数生産していることから今回の買収は垂直統合となり、原価の圧縮だけでなく生産調整も行いやすくなるなどメリットが全くないわけではありません。しかし6000億円強ともいえる金額を支払うほどの価値があるかとなるとやはり疑問で、また買収後にシャープの経営が果たして再建できるのか、下手したら余計に赤字を生み続ける可能性もあるのではと考えるとややリスキーです。にもかかわらず何故ここまで買収にこだわるのか。2000億円くらいだったらまだ理解できたのですが。

 この点が本当にわからなくて昨夜も友人と一体何なんだろうかなどと議論しつつも、結局答えは出てきませんでした。この点だけは謎のまま、なんて昨日の記事に付け加える予定だったのですが今日になってちょっと事態が変わったというか、全く根拠もないただの私の直感が告げる一つの仮説でしかないものの、一つの考え方を閃いたのでそれをここに記します。結論から述べると、真の狙いは液晶ではなく太陽電池だったのかもといったところです。

 鴻海のCEOであるテリー・ゴウ(郭台铭)はかねてから記者に対して、「シャープの赤字は太陽電池部門が主犯で、この不採算部門を切り離せば再建は可能だ。シャープブランドもシャープの法人格も維持した上で再建してみせる」と話していました。この主張自体は至極もっともな意見で太陽電池業界は世界規模で深刻な不況が4年くらい前から続いており、生産量で世界最大手だった中国のサンテックパワー(尚德太陽能電力有限公司)も、一時期はニューヨーク市場にも上場してましたが不況の煽りをモロに受けて破綻へ至りました。
 なのでテリー・ゴウの意見に私は納得、っていうか何故シャープはもっと早く太陽電池部門をリストラしなかったのかとも思っており、くそくだらねぇことばっかしか言わない日本の銀行関係者とかアナリストなんかよりずっとこの人の方がまともなこと言ってるし信頼できると思って今回の買収を歓迎する気持ちで見てたわけです。

 しかし、今日昼飯食って歩きながらふと気が付いたこととして、シャープの太陽電池部門が切り離されるとして一体どこが買うのだろうかと考えたところ、まず日系他社は太陽電池市場が不況であることから絶対に買わないだろうと踏んで、となるとやはり中国企業……もしかして中国ファンドか……といったところまで考えが行ったところで、「もしかしてテリー・ゴウは中国政府の指示を受け、シャープの太陽電池部門を中国資本に引き渡す密命でも帯びているのでは?」という考えに至りました。

 私はかねてからシャープについて、「言われている程この会社に技術はない」と言い続けました。今でもこの考えに変わりはないのですが、こういう時に言う「技術」というのは液晶技術を指しており、太陽電池となると話は別です。シャープは太陽電池の変換効率(光を当ててどれだけ電力に変えられるか)で一時期はずっと世界最高記録を出し続けており(この前どっかに抜かれたというニュースは見たが)、太陽電池の研究技術であれば世界最高水準にあると私は見ております。ただ先ほども言った通りに太陽電池は市場が不況であることからお金にはならずシャープに限らずどこも太陽電池で赤字を作ってる状態なのですが、中国であればたとえ事業が赤字であってもシャープの研究技術を欲しがる可能性が高いと思っています。
 というのも中国はエネルギーや半導体などの分野で世界シェアを握り、かつてのレアアースのように出荷量をコントロールすることで外交のカードにしようとするところが見て取れ、特に半導体関連は中国政府指導者に理系が多いこともあって並々ならぬ情熱を燃やしていて実際この分野への投資は赤字だろうと何だろうとお構いなしとばかりにつぎ込んでいます。太陽電池も半導体の一種であることもさることながら不況の現状でも政府が中国国内の太陽電池メーカーを熱烈に支援し続けており、世界シェアを必死で高めようと補助金をつぎ込んでいます。

 そんな中国からしたら、今すぐお金にならないとしてもシャープの太陽電池の研究技術は高い金払ってでも欲しいと思うのでは。あくまで仮説ですがこんな考え方が今日思い浮かんできたわけです。そもそも鴻海のテリー・ゴウ自体がいわゆる政商で中国政府とのパイプも強いだけに、好き勝手にドラマチックな陰謀論を組み立てるとしたら内心有り得なくもないかなぁと追加でさらに思うわけです。特に根拠も何もないですが少なくとも私にとってすれば、この理由であれば鴻海がシャープ買収にこだわったのも少しは理解できるかなと思えます。

  おまけ
 この記事書く前に友人へこの話題を振った際、こんな会話がありました。

「そもそも鴻海のトップは政商で中国政府にも近い。えっと名前は……レリー・ゴウだっけ?」
「似てるけどちょっと違う!」

鴻海によるシャープの買収について

 既にあっちこっちでニュースになっているのでニュース記事リンクを貼りませんが、本日シャープので開かれた取締役会では、台湾の鴻海精密工業の出資を引き受ける方針が決定されたとのことです。かねてから官制ファンドこと産業革新機構と鴻海のどちらの出資をシャープは引き受けるのか議論されており、先週まではほぼ産業革新機構側の案でほぼ決定と言われながらも鴻海がこの度出資額を6000億円強にまで引き上げたことから、見事に逆転ホームランとばかりにこのディールを物にしました。この鴻海によるシャープの事実上の買収について私の意見を述べると、シャープにとっても日本にとっても一番望ましい形に落ち着いたんじゃないかと考えております。

 私が何故このような意見を主張するのかというといくつか理由がありますが、一番大きなものとしては、取引として考えるのであれば高い値段を出した側が勝つべきだという商売原則上の正当性です。産業革新機構はうろ覚えだけどシャープの出資行に対して2000億円の債務放棄を行わせた上で1000億円程度の追加出資で合計3000億円のバリューを提示したと報じられているのに対し、鴻海が今回出してきたのは6000億円強と実質二倍です。もちろん金額が大きくとも再建案に中身が無ければ意味はないですが、それにしたってお金はあるだけある方がいいに決まっています。なお私の友人は以前、「お金イコール幸せじゃないけど、幸せになるためには最低限お金が必要だよ」と言ってました。
 そしてシャープに出資する銀行団にとっても、返済期限の引き伸ばしなどの要求はあるかもしれませんが産業革新機構と比べると債務法規することが無くなり、言うなれば銀行側は2000億円の融資残高を捨てずに済みます。銀行団からすればこの上なくありがたいでしょうし、日本全体でも2000億円のキャッシュフローを潰さずに済むのだから、平等性という点から考えると私は前から鴻海案の方が理に適っているように考えていました。

 次に再建案の中身です。鴻海案ではあくまで自力再生を図るとのことで収益の見込みがない太陽電池部門のみを切り離した上で、シャープブランドを存続したまま再建に取り組むとしています。目下の大赤字部門である液晶部門についてはシャープの顔であることから切り離しはしないとのことですが、鴻海は液晶パネルを使用する携帯電話やパソコンなど電化製品を作るメーカーでもあるので垂直統合の効果は確かに得られるしその点ではいくらか期待はできます。
 逆に産業革新機構案は液晶部門を切り離して国内競合のジャパンディスプレイに統合させるという計画でした。しかし腑に落ちないというか非常に癇に障った点なのですが、仮にジャパンディスプレイと統合させるとなると同社の液晶パネルの国内シェアは確実に八割を超すと見られ、その場合に独禁法は適用されないのでしょうか。国策だからとかそういうもんではなく完全に市場を独占させていいものか、また日本国内はよくても海外市場で独禁法が適用され合併が認められない可能性もあり、合併手続きが長引く恐れもあることから私はこの案に対して非常に疑問を感じていました。それ以上に一切この手の話をしないマスコミには驚きを通り越して呆れていましたが。

 また液晶部門の切り離し自体は別にいいと思うし再建案としてはよくわかる内容なのですが、昨年にシャープの銀行団が出した再建案は液晶どころか不採算の太陽電池部門も切り離さず、むしろその太陽電池部門を強化して収益を再建するという、どこの馬鹿が考えたクソ案だと言いたくなるようなひどい内容が出されていました。産業革新機構入りとなるとまた銀行団が口を出す恐れ、もといセンスのない経営者がでしゃばる可能性も感じられたために、それだったらグローバル市場で戦ってる外資経営者の方が絶対にマシだろうという確信がありました。

 ここで一番最初の平等性についての話に戻りますが、鴻海の買収話が出るやネット、っていうか普通にマスコミも、「海外に技術流出する恐れが……」などと否定的に書き立てていました。断言してもいいですがこのようなことを主張してた連中は本気で技術流出を懸念しているというより、ただ単に外国企業によって日系企業が買収されることにアレルギーを持っているだけでしょう。
 そもそも、今のシャープに流出するような技術があるのでしょうか。イグゾーだがイクゾー(ナイトハルト殿下)だか知りませんが、店頭に並んでいるテレビの液晶を見て一目でシャープの液晶だと気づくような人はいるのでしょうか。なんだかんだ言いつつLGとかスカイワース、TCLなども技術上げてきているし、パッと見だと区別つかないんだからシャープの品とか技術が特別だと言われても疑問符が付きます。おまけに、ジャパンディスプレイは来年あたりからとんでもない液晶パネル作ると言っているし。

 これはこの件に限るわけじゃないですが、日本はもっと市場を外国に開放するべきだと思います。外資というと毎回悪者のようにされて批判されますが、その外資によって、むしろ外資でなければ救えない会社や従業員だっているのです。りそな銀然り。
 自分なんか中国にいるから特に強く感じますが、やっぱり会社にも多様性があった方がよく、日本式経営ではなく米国式、中国式、インド式経営の方が肌に合う労働者もおれば相性のいい業種だってあるだろうし、外からの新鮮な風を受け入れる形で今回の鴻海の買収劇もはっきりとした結果が出るまでゆっくり見守ってほしいというのが偽らざる私の信条です。

  おまけ
 今日のニュースにあった、ガチャピンの光学迷彩には本気で爆笑しました。

2016年2月3日水曜日

中国外食市場における鍋料理

 この前の日曜もまた例の上海人と一緒に部屋探しに不動産屋を回った後、一緒に焼き鳥屋へ行きました。訪れた焼き鳥屋はその日に初めて訪れた店でしたが値段はリーズナブルであるものの友人は前に二人きりで訪れた焼き鳥屋の方がおいしかったと文句言いつつ、店内のテレビに何故か映されている「孤独のグルメ」のDVDを見てました。
 今後の展望などについてそこそこ話して帰る前に何か締めとして頼もうかとメニューを開き、その日はたまたま雪が降るほど寒い日だったのであったかい物をと思ってキムチ鍋を頼んだのですがこれがなかなかおいしくて、「焼き鳥作るより鍋作るのが向いてるじゃん」と言いながら舌鼓を打っていました。なんか前にも、ラーメンのがおいしい焼き鳥屋が新宿にありましたが……。

 などと思いながらふと店内を見回したところなんかどのテーブルにも鍋料理が並んでて、店内全員で鍋パーティやってるような状態になってました。恐らくその日が寒かったからだとは思いますが、中国人もこういう日本料理店で鍋料理を抵抗なく食べるんだなぁとちょっと気になりました。
 その点を友人に振ると私の意見に同意し、要因としては中国には「火鍋」という鍋料理が普及しているので鍋料理自体にはとても慣れており、しかも日本と違って夏にも火鍋を口にするので日本人以上に鍋料理を愛好している節があるのではと話し合いました。

 ここで少し話は変わりますが、記者時代に取材したある会社で面白い話を聞いたことがあります。悪い話しじゃないので実名出しますがその会社は物語コーポレーションといってこんな会社名なのに外食チェーンの運営会社なのですが、この会社が中国進出第一号店として「鍋源」という火鍋料理屋をオープンさせた当日に取材へ赴いていろいろ話を聞いたところ実に中国市場を研究しているなと驚かされました。曰く、「中国は地方によって人気な料理が異なるが、唯一火鍋だけは全国どこでも食べられている」と述べ、中国人に一番受け入れられやすい料理であることから火鍋屋でオープンすることにしたそうです。
 なおこの会社は自分が取材した中で一番印象深い会社で、現在上海市内で上記の「鍋源」の店舗数も順調に増えております。

 このエピソードからもわかる通り、あんまり知られていませんが中国人は案外鍋料理が好きだったりします。実際どこ行っても通常の火鍋に加えてキムチ鍋とか魚鍋が置いてありますし、日本料理屋もそうした事情を反映してかやっぱり鍋料理をセットして、なんかこのところはラーメン屋でも見かけたりしてなりふり構わない状態だなと密かに思ってます。なおちゃんこ鍋だけは唯一、日本料理屋でしかみかけないのですが、やっぱり訪れると中国人客も大勢来ていて認知が深いなと改めて感じさせられます。
 具体的に何が言いたいのかというと、これから中国に進出しようとする外食チェーンは鍋料理についてあらかじめ案を持って乗り込んできた方がいいと言いたいわけです。先程の物語コーポレーションの人が言ったように中国は地方によって好まれる味や料理が変わり、四川と湖南では辛さの種類が違うとか、上海は醤油ベースだとかいろいろありますが、鍋料理は具材とタレを複数用意しておけば全国どこにでも打って出られる上、珍しい鍋料理があれば中国人も興味を示す可能性があります。なんかあまりこの点を指摘する話を見なかったので、興味ついでに書いてみました。

2016年2月2日火曜日

派遣会社がなくなれば直接雇用が増えるのか?

 また一連のマージン率関連記事で申し訳ないのですが、友人から「生温いぞ!」と言われ、私自身もちょっと優しく書きすぎたなと思う部分があったので、それ以外の諸々も含めてちょこっと補足するような具合でもう一本記事を書きます。本当は中国の外食事情とかについて書きたいのですが。

 この前の土曜に書いたマージン率の調査記事で私は、去年の調査記事はいくつかのサイトに引用されたもののそのうちの一部サイトではやや偏った引用のされ方をして正直に不快だったと書きました。それは具体的にどのような引用だったかというと私が調査して出したマージン率の数字の引用の仕方で、何故か平均値(26.8%)には一切言及せず最高値(50.0%)だけを引用して、「派遣会社は何もせず派遣社員の報酬の半分をピンハネしている」などと書きたてるというものでした。
 実際にはこのマージン率から福利厚生費などを派遣会社が負担するのですから上記のような書き方は明らかに事実とは異なり、ましてや平均値には触れず派遣会社全体でマージン率が50%であるかのように書くことはこの業界への誤解を広げかねず、極言すればデマゴーグといっても差し支えないでしょう。正しい情報をきちんと公開せず偏った情報だけ流すという点で言えば、そのブログ主は義務付けられたマージン率を公開しない派遣会社と態度的にそう変わりない気がします。

 もちろん普通に記事が引用される分には光栄ですしプロフィール欄にも書いているように何も断りがなくても全然気にしませんが、私の作ったデータで捻じ曲げられた情報を発信されるというのであれば不愉快この上ないし、それを正す責務も自分にはあるでしょう。表現者として上を目指すならばそうした誤った引用すらできない記述をやって見せろと言いたいところですが、毎日こうやってブログ書いててもまだそんな水準には達せられてないので、やはりこうして一つ一つ新たに発信していくしかないのが現状です。
 直接名指ししてもいいのですが、今回は警告にとどめておいて次回何かあれば直接批判することにします、現実でも殴り合いを含めて喧嘩するのに何もためらいないし。

 と、ここで話をいったん区切って少し話題を変えますが、上記のような捻じ曲げた引用の仕方をしたサイトは複数あり、どちらも派遣会社は社会のダニで不法に儲けており存在自体なくなればいい、なくなれば直接雇用がもっと増えて労働者は助かるみたいな主張につなげていました。しかし断言してもいいですが、彼らにとっての社会のダニの派遣会社が日本からなくなっても日本で直接雇用の正社員は増えることはないでしょう。っていうか十年くらい前に終わっていると思う議論をなんで今更しなきゃいけないんだとちょっと書いてて今思いました。

 絶対的な事実として、企業の側からすれば同じ業務をやらせるにしても派遣社員を雇う方が正社員を雇うよりも支払うコストが大きくなります。正社員なら月30万円で済むところを派遣社員ならば40万円かかるという具合で絶対的なコストは派遣社員の方が上です。にもかかわらず何故企業は派遣社員を雇うのかというと、いざとなったらすぐに契約を切って解雇できるからで、逆を言えば正社員は売上げが落ちるなどして任せる仕事がない状態になっても解雇などで雇用調整することが出来ず、重石のような負債となってのしかかるリスクがあるというわけです。
 では何故正社員を解雇できないのか。法律解釈にもよりますが労働法で解雇条件が定められておりその条件を満たすのが難しいと考えられているため、どれだけ会社に損害与えても、問題ある社員でもおいそれと解雇が出来ないという認識が日本では強いです。加えて雇用の流動性が低く転職市場も海外と比べそれほど大きくないため、従業員側も負担が大きいブラック企業でも生活のためには我慢して働くため、いろんな意味で悪循環になってるわけです。

 突きつめれば雇用の流動性が日本だと低すぎるために派遣社員が企業に求められるわけです。ならば派遣社員をなくすためにはどうすればいいのかですがこれははっきりしており、正社員の特権を失くせばいいだけで、要するに解雇条件を緩和するなどして雇用側が簡単に解雇できるようにすればいいわけです。そうすれば企業はコストの大きな派遣社員よりもどこも率先して正社員を雇うようになり、それどころか真面目に働こうとしないのに会社にしがみついている問題ある社員も一掃されるでしょう。
 私はもう何年も前から上記のような考えに則って、「正社員という概念自体をもうなくして、みんなが派遣社員になれば日本人はみんな幸せになるよ。少なくとも派遣を批判している人たちは」と主張し続けてきました。そもそも東シナ海を股にかけて働いている私からすれば日本の労働市場の方が異常に見えて仕方なく、何故ブラック企業が存在するのか、何故有期雇用契約じゃないのか、何故労働契約書を書面でしっかりサインしないんだとか疑問でいっぱいです。しかも本人たちがその異常性に気付かずというか気づいていない振りして自分たちにだけ都合のいい意見や主張ばかり展開しているのが一番疑問です。

 この辺りはリツアンSTCの野中社長と考え方が一致しましたが、日本の労働市場における最大の欠陥は雇用の流動性が低いという点に集約出来ると思います。ではこれを改善する、流動性を高めるにはどうすればいいかとなると現状況下では派遣雇用を発展させることがまだマシな着陸点だと思え、ルールを徹底して健全に発展させるためにも情報公開が不可欠と考えたからこそわざわざマージン率の公開率を調べたわけです。なので直接本人にも言いましたが、派遣業界は大手が三つくらいに集約されればいいと思ってるしその中の一つに御社をぶちこみたいと話し、まともな派遣会社を育てたいし応援したいと伝えました。
 ってか書きながらつくづく思いますが、一連の調査で一番ミステリーなのは中国で暮らしている私がわざわざ日本のマージン率を調べている点でしょう。普段から行動怪しいけど。

2016年2月1日月曜日

優良派遣事業者認定制度の欺瞞性

 昨夜私はもはやこのブログのメインコンテンツになりつつある派遣業界のマージン率の2016年版調査記事をアップロードしました。調査結果についてはかなり長文となりましたが記事中にほとんど載せてあるのでこれ以上はとやかく言うことはありませんが、派遣会社各社のマージン率を調査している傍ら、何度も目に入ったというか気になる言葉が一つありました。その言葉こそ、見出しに掲げている「優良派遣事業者認定」という言葉です。

厚生労働省委託事業 優良派遣事業者認定制度公式サイト(一般社団法人人材サービス産業協議会)

 マージン率の調査中、一部の派遣会社ホームページにて「優良派遣事業者に認定されました」という言葉と共に上記サイトにある「優」という文字が描かれた認定ロゴマークが、割と誇らしく前面に貼られている会社を数多く見かけました。一体これは何なのか、少なくともこんな制度を自分は聞いたことないぞ(中国で生活しているんだから当たり前だが)と思って調べてみたところ、どうも厚生労働省が新たに作った派遣会社に対する認定制度だとのことで、その意義としては以下のように書かれてあります。

「派遣会社は優良な事業者であると認定され、派遣社員や派遣先企業は信頼性のある派遣会社を選択できるなど、派遣元・派遣先・派遣社員にメリットがあります。」(上記サイト「認定制度について」のページ内既述を引用)

 要するに、まともな派遣会社を認定することによって派遣社員からすれば所属先を選ぶ一つの指針となり、認定された会社は自社のPRに使うことが出来る「双方良し」な制度だと言いたいようです。なるほどなぁと思いちょっくら調べてみたところ現時点で85社が優良派遣事業者として認定されており、このうちマージン率など公開が義務付けられたデータをきちんとホームページ上で公開していた会社は27社、割合にして31.8%(3社に1社)で、さすが優良派遣事業者に認定された会社達だけあってこの前の私の調査で対象となった派遣会社全体の公開率18.0%(5社に1社)を大きく上回る数値です。
 なんとなく想像がついていたというか、ホームページ上に認定マークをでかでかと出している会社に限ってマージン率データを出してないことがやけに多かったので、「ああ、やっぱり……」という具合でこの結果を眺めました。っていうか、「本来の調査だけでも忙しいってのに余計な仕事作りやがって厚生労働省は……」などとブツブツ文句言いながら認定された会社の公開状況をいちいち調べていました。

 なお別に他意はございませんが、優良派遣事業者に認定されている85社の中には派遣大手のスタッフサービスさんも含まれております。

優良派遣事業者が「優良」ではない理由(マイキャリア)

 マージン率調査に執念燃やした私個人としてはマージン率をきちんとホームページ上で公開していない時点で優良どころかファッキンな会社で何を見て優良だと認定したんだかと言いたいところですが、いろいろネットで調べていたらなんと同業者からもこの制度に疑問を呈する声が出ていました。これには私もびっくり。
 上記サイトは日本リックが運営するマイキャリアという求人情報サイト内の記事なのですが著者名が書かれていないものの業界関係者らしき人物の記事のようで、この制度の概要から認定過程を説明するとともにその目的に対する実効性については、「当たり前の人材派遣サービスを提供している派遣事業者を認定する制度に過ぎない」と、切って捨てています。少なくとも、当たり前の情報すら公開しないほど情報公開に消極的でも認定が出ちゃう制度であることは間違いないでしょう。

 そもそもこの認定過程一つとっても厚生労働省が直接管理しているわけではなく、一番最初のリンク先サイト運営主に当たる一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)が委託を受けて行ってるとのことで、どうみたってこれ天下り団体にしか見えません。もうなんかいろいろ説明するのも疲れてきたので思い切ってぶちまけると、何から何まで不完全で腐った制度であるようにしか思えないというのが私の感想で、派遣社員の方々にはこんなもん信じるなと言いたいし、とっとと廃止されればいいのにとすら思う制度だって言いたいわけです。

 最後に今年の一連のマージン率調査過程における愚痴をぶちまけさせてもらうと、この調査を行った期間に私は転職を一回、引越しを二回(しかも中国で)こなしててプライベートも含めて超激動な一ヶ月間でした。友人からは負担が大きいからマージン率調査は先に延ばせとアドバイスしてくれたものの、「去年も1月にやってるんだから今年も同月にやらなければ意味がない」などと一切耳を貸さずに強行し、久々に自分で自分の頭がおかしいと思いました。なお以前に同じことを思った体験はこの時の体験です。
 しかも二回目の引っ越し先ではネット回線がなかなか用意できず、しかも苦労して引っ張ってきたのは2M/bpsという「こんな回線存在するの?」と疑うくらい貧弱なもので、こんな回線速度にもめげずにマージン率を調べるため各社ホームページ回ったというのは我ながらよくやったなという気がします。しかもスケジュール押してたから実質、先週土日の二日間で三分の二位調べたし。

 ただ、いい意味で常に緊張感があったためか精神的、体力的にダウンすることはなく、むしろかなりエネルギッシュに次々と襲いかかる問題を蹴り倒しながらクリアできたという実感はあります。もっともネット回線に関しては以前の記事でも詳しく書きましたが本当に有り得ないほどのトラブルに見舞われ続け、この間に友人の上海人には何度も泣き言を言っては愚痴を聞いてもらいました。向こうもいい迷惑だったでしょうがその度に、「大丈夫、なんとかなるって( ´∀`)」と慰めてもらい、彼にはマジ感謝してもしきれません。
 でもこの前彼と一緒にご飯(湖南料理、めちゃ辛かった)食べに行ってお勘定する際に半額の120元(約2400円)出したら、「いつもおごってもらってるから、いいって今日は( ´∀`)」とお札を突っ返されたところ、返ってきた手元のお札は20元だけで、「だったら普通に120元受け取りゃいいのに(・∀・;)」と思ったのはここだけの内緒です。