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2024年3月18日月曜日

報道から見えない米国大統領選の実像

 今日はいのまたむつみの訃報が出るなど、アニメや漫画界でこのところ訃報が多いですが今年の寒暖差の激しい気候も影響しているのではないかと勝手に考えち得ます。なおこの業界の訃報で一番ショックを受けたのは、キムタカことイラストレーターの木村貴宏の時でした。あの人の絵はオーソドックスそうに見えながらすごい個性を感じて子供のころから好きでした。

 話は本題ですがすでに予備選もほぼ終わっている4年に1度の米国大統領選ですが、今年は共和党は前職のトランプ、民主党は現職のバイデンが争うのがほぼ確定的です。この現状、そして本選の行方についていろいろニュースを見ているものの、今の状況が全く読み取れません。ちょうど8年の選挙では「トランプとかいう賑やかしもいるけど、次はヒラリーで決まり!」という報道しかせず思いっきり外した手前、何となく日系メディアも口が重いというか反省もあるのかあまり情勢について今回報じようとしていない気がします。
 個人的に自分が今一番知りたいこととしては、どの年齢層、所得層、思想団体がどちらの候補を応援しており、重視している政策は何なのか、ウクライナ支援に対する感度、こうしたものをもう少し報じてほしい気がします。けどこの辺の情報が、ほぼ全く入ってきません。

 上記のような状況、そして私自身が見る中国報道の現状を見るにつけ、米国在住の日系メディアの記者が余り仕事できないがゆえに、上記状況に陥っているのではないかという風に考えています。

 中国報道に関しては実質その場にいたし今もガチプロだと自認していますが、中国に関する報道は多いものの、中国の実態をきちんと報じているメディアはほとんどありません。むしろミスリードするような報道が多く、最近もかねてから中国を批判していた連中が中国は不景気でやばいなどとたくさん報じていますが、はっきり言えばこれらは誤報もいいところです。
 実際はどうなのかといえば、連中が報じている以上に中国の不景気は深刻です。単純に取材がうまくないのか文章がうまくないかのどっちかだと思いますが、こちらのやばい状況を日系メディアは全く報じられてないし、テクニカルな裏付け分析もできておらず、もう少しまじめに仕事しろよと言いたいです。

 なお端的に述べると、中国の景気動向に関して1月単月のデータを出していた場合、間違いなくその記事書いた人間は素人と判断していいです。

 話は戻しますが、意外とこのように国際報道に関しては結構いい加減なレベルの記者が現場で働き、彼らが適当な報道、それこそ表層的だったり一部的な事実しか報じないのが中国報道です。しかし今回の米国大統領選の報道を見る限りだと、どうも米国駐在の日系記者も同じレベルというか、少なくとも米国の実情をきちんと報じる実力がないのではないかと思います。
 そう思うのも前述の8年前の報道で、当時トランプが当選すると予想したメディアはほぼなく、状況分析だけじゃなく有権者の反応もかなり見間違えた報道がひどかったです。唯一あの時参考になったのは、元アナウンサーで米国在住の女性が文芸春秋に寄稿した「ヒラリーは実はかなり嫌われている、それも特に女性に」という報道だけでした。

 そんな感じで米国大統領選の実像が見えないので、この際だから今度は中国メディアの報道でも追ってみようかなと最近思っています。そもそもなんで日系メディアは大統領選の実像に迫れないのかというと、多分記者が米国内で普段接する人間の層が狭く、彼らが中間層と思っている人間に限られているからじゃないかと推測しています。だからいわゆる下位層で支持が強いトランプ人気を読み取れなかったんだと思うし、上位層に食い込んでいないから彼らの分析も引用できないのではないかと思います。

 紙幅が余ったので最後に最近メディアがやたらはやらそうとしている「もしトラ」こともしもトランプが当選したらの話で中国に触れると、トランプは「台湾なんて守ってられるか!」と言い出す可能性があり、そうなったら中国としては台湾の武力統一はやりやすくなるでしょう。ただその一方、中国に対して再び関税を引き上げたり、米国企業の中国市場撤退を強制したりする可能性もあり、そうなったらただでさえ不景気な中国にとってはかなり追い打ちになることもあるので、中国としても内心、まだ次どうするかが読みやすいバイデンを応援したいのが本音じゃないかと思います。
 日本に関しても、日本人がバイデンを応援するのは「次の行動が読みやすい」からの一点に尽きると思います。逆を言えばトランプが当選しても次の行動を読める、というか日本の意に添うように誘導できる自信があれば、メディアもここまでトランプを否定的に報じることはないでしょう。そういう意味ではもう少し、トランプの誘導策とかを議論してもらいたいものです。

2024年1月21日日曜日

自民党の派閥解消の動きについて

 上海は昨日から寒波が来ていて氷点下近くまで気温が下がっており、今日は自分も家から出ずにひたすら寝ていました。やっぱ普段からゲームばかりして睡眠時間が足りてないのか、よく寝た後は頭も目もいい感じになります。

 さて話は本題ですが先の安倍派を中心としたパーティ券代キックバック不記載問題を受け、岸田総理は派閥の解消を提唱し、まず隗より始めよとばかりに自派閥である宏池会の解散を発表しました。これを受け疑惑が取りざたされている二会派、安倍派も解散を発表し、麻生派などが必要論を唱えて抵抗している有様です。
 これらの動きに対する私の感想を述べると、たとえ今回解散したとしても党内議員グループというものは自然とできるものであり、またぞろ復活するのではないかという気がします。また今回の問題はパーティ券代のキックバック、そしてそれの不記載であり、派閥をなくしたからといってこの手の不記載問題がなくなるかといえば果たしてどうかなという疑念があり、派閥をつぶさないよりはマシかもしれませんがその効果については限度があるとみていて、正直冷めています。

 敢えてその影響について述べると、派閥が亡くなることで打撃を食うのは派閥幹部たちです。「一日外出録ハンチョウ」の大槻じゃないですが、派閥幹部は派閥が集金する金を行使することで派閥内の議員を従わせている面があり、派閥がなくなることでこの手の使えるお金が減ることから、その統制や影響力は目減りすることには間違いありません。もっともポケットマネーから支援することもできますが、かつては「傘下議員から集めたお金で傘下議員を統制する」ことができたのと比べると、いくらか財布が心もとなくなるでしょう。

 では逆にどこが強くなるのかというと、間違いなく自民党の幹事長でしょう。派閥が運用してきたお金が無くなるため党の資金がより重要化し、これら資金の差配を決める幹事長の権限はさらに増してくると思います。樽俎も幹事長は55年体制の頃はめちゃくちゃな権力があったとされますが、小泉内閣のあたりから若干名誉職的な扱いになり、多大な権力を行使したのは金の差配以上に選挙戦略を作ることのできた二階氏くらいでしょう。
 実際にというか二階氏を紹介するときメディアはほぼ必ず「二階元幹事長」と呼ぶのに対し、ほかの幹事長経験者はあまりこの敬称を使ったりしません。ちなみに一時期、二階幹事長の上にはもしかしてさらに「三階幹事長」という裏ボスがいるのではないかと無駄に勘繰ってたりしました。

 以上の観点を踏まえれば今回の自民党の派閥解消は国政改革というより党内改革としての面が強く、党内で勝手にやるのは構わないけど国政として評価できるかと言ったらあんまそうでもない気がします。まぁ菅内閣、岸田内閣は大多数の安倍派への対応というか言いなりになっていた面もあり、官邸としての権力はあまり強くなかったことから、安倍派を分断させることは官邸強化につながるといえば間違いありません。また自民党全体でも安倍派に振り回されているというところもあり、自民党執行部の復権という点で岸田派と二会派が合意したというのが背景じゃないかと思います。
 もっとも裏で糸引いているのは、私は菅元総理だと考えています。仮にそうであれば、この後菅前総理がより前面に出てくる可能性があるでしょう。

2024年1月13日土曜日

キックバックを含む政界の金問題をどう規制すべきか

昨日今日の上海は急に春めいた陽気となって今日の昼間の気温は15度を超えていました。気温と湿度が上がったのと暖房の使用が増えたことからか、今週はほぼずっと街中では霧というかスモッグが立ち込め、昔の上海みたく濁った空気が懐かしくてなんか自分も元気になりました。空気がきれいな中国なんて中国じゃない。

 話は本題ですが自民党の安倍派を中心としたパーティ券キックバック問題について、検察はすでに逮捕、起訴した面々を除いて、これ以上の立件は見送るとの報道が出て、日本人の間からは不満が広がっています。ただ報じられている通りに共謀の意思を証明するのは難しく、またすでに死んでいる安倍、町村に責任を擦り付けられる状況でもあるので、このような結果になるのは私も仕方ないかと思います。
 かといってこの問題を放置すべきではなく、現行法でさばけないなら新しい規制法を作り、爾後に備えるというのがより建設的であるような気がします。

 では具体的にどう規制すればいいのか。結局のところ政治資金規正法の最大の欠陥は何かというと、会計報告書に未記載や誤記載があっても後で修正してしまえばいいという点です。もちろん悪意を持った未記載や誤記載であれば完全にアウトですが、この悪意を証明することが難しく「うっかりやっちゃった(*´σー`)エヘヘ」という風にバレバレな嘘でもつかれたりしたら、よほどの裏証言でもない限りは立件は不可能です。
 この点、過去に企業会計絡みで捕まったホリエモンなどが企業会計と比べるとずるいと主張していますが実際その通りで、企業会計だったらこんな風には通らず、最低でも追徴課税が発生するでしょう。

 以上を踏まえて言うと、「ばれたって素知らぬふりして修正すればOK」というのが最大の欠陥であるように思え、立件の基準を「悪意を持って収入を秘匿やごまかそうとした」ではなく、「会計報告書に修正すべき事項を設けた」という点に設定するのがいいのではないかと思います。具体的には、政治家事務所の会計報告書に未記載、誤記載があった時点で即アウトという風にすることを自分は推奨します。

 そうはいっても一切のミスなく会計報告書を作成するのは不可能、と言い訳する議員もいるのでそうした雑音を封じ、誰がどう見たってアウトかそうでないかの基準として、修正金額ではっきりした基準を作ってはどうかという風に考えています。こちらも具体的に挙げると、

・単年度に1000万円以上の修正が発生
・議員在籍の直近6年間において単年度300万円以上の修正が2度発生
・議員在籍の直近6年間における修正の累計額が1000万円超

 上記の3条件のどれか一つを満たした時点で、どんな修正内容であるかに係わらず即刻で議員資格停止という罰則を設けたら、みんな目の色変えてきちんとした会計報告書を作り、なおかつ裏金も作らなくなるんじゃないかと勝手に考えています。
 モデルケースとして、ある衆議院議員が初年度に300万円超の修正が発生した議員は、次また300万円の修正が発生した時点で議席喪失となるほか、残りの5年間に700万円(1年あたり150万円)の修正が発生しても同じく議員喪失になるというわけです。

 上記の期間と金額について少し解説すると、期間を6年としたらのは参議院議員の任期で一区切りつけようと考えたためです。次に金額については、1000万円は単純に切りがいいのと、国民にもわかりやすい基準だと思うからです。300万円に関してはツーアウト制にするにあたっては合計で1000万円を下回る水準にした方がいいかなと考えたためです。

 とはいっても、この規定を作ったら恐らく議員らはそんな詳細な会計報告書を作れないし、不意のミスにより修正が発生してしまう恐れがあるなどとまた言い訳してくると思います。ならば、会計法っく所の公表前に財務省の会計検査院が監査する制度を設け、公表前に完了に収支内容に問題ないか調べてもらったうえで公表するという制度にすればいいと思います。それで修正が発生したら、会計検査院が悪いか、会計検査院にきちんと収支情報を出さなかった議員本人が悪いってことになるんだし。

 これでも、企業改易と比べたらかなり金額的に甘い規制だと断言できます。「無視、修正しても特に問題ない」とされる会計上の重要性の基準値は大体どこも税引前利益の5%であり、この基準からすれば上記の1000万円という基準額なんてざるもいいところだと私自身も思えるだけに、破ったら即議員資格停止としても全く問題ない数字だという風にみています。こんな感じで、破ったら問答無用に終わりという罰則を設け、キャッチオールで政治と金の問題を処理すれば世の中ハッピーじゃないかと思います。

 まぁもう一つ案を出すとしたら、上記の基準を破る議員が一人でも出た場合、議員資格は停止しない代わりに、その議員が所属する政党に政党助成金の交付を停止するっていうのも十分ありかなっていう気がします。金の問題は金の規制によって制すというのが常道でしょう。

2023年12月15日金曜日

パリピ西村

《安倍派幹部に新疑惑》西村康稔経産相が捜査中に「架空パーティ」を開催していた!《儲けは1回数百万、経産官僚をサクラに…》(文春オンライン)

 パーティ券のキックバック問題に揺れる安倍派ですが、その重鎮でこの前辞職したけど経産相だった西村氏に出てきたのが上の架空パーティ疑惑です。疑惑っていうか文春の質問に否定しないあたりほぼ事実なんでしょうが、このニュースを見た瞬間に思ったのはこいつ、どんだけパーティ好きなんだよっていう感想でした。それとともに見出しにある「パリピ」という単語が浮かび、西村氏に限るわけじゃないけど安倍派にはパリピが多すぎる気がしてなりません。

 正直言ってただ「パリピ」って単語を使いたくて書き始めた記事なのでほかにとりとめて書くことないですが、この架空パーティに関してはどんな素人であってもこれが政治資金規正法に抵触するくらいわかるはずです。にもかかわらずこうして大っぴらに金集めをしていた当たり、やましさに関しては満点この上ない出来でしょう。
 っていうかそんなにパーティ好きなんだったら議員なんかさっさとやめてイベントプロデューサーかDJでもやってろよと思えてきます。少なくとも、こんなエアパーティ開くまでして集めた資金の用途を洗いざらい公開しない限りは、自民党もこの人はさっさと除名しないと示しつかない気がします。まぁ選挙買収に使っていたとしたら、除名どころじゃ済みませんが。

2023年12月12日火曜日

自民党のキックバック資金の用途は何なのか?

 よく家で一人でいるときに、「ネバーエンディングストーリー」の主題歌の歌詞を「ゲイバーエンディングストーリー」と替えて歌ってたりします。どんなエンディングになるのか、歌いながらすごい気になります。

 話は本題ですが炎上が続く自民党のパーティ券キックバック問題ですが、前回記事を書いた際、正直言ってこれほどまでに規模が大きいとは思っていませんでした。せいぜい一人当たり数十万円、言っても数百万単位だろうと思っていたら一人で数千万円もキックバックされ、しかも派閥帳簿に記載せず、議員個人も収入を開示していなかったというのですから、まぎれもない政治資金規正法違反です。かなり長い年月に渡りこの慣習は続いていたという報道から察するに、人によっては累計で億以上の金額がキックバックされていた議員もいたのではないかと思います。

 単純に数百万円単位の未記載でも十分な違反ですが、数千万単位となると立件起訴される可能性は高いような気がします。逮捕も十分あり得る金額であり、国会がこれから閉会した後にこのところ冤罪とかでやらかしまくっている特捜がどう動くのかは注目を浴びるでしょう。
 なお今回の事件に関してかつてのリクルート事件になぞらえる人もいますが、金額といい逮捕者も今後出る可能性も考えると、実体的にはロッキード事件のほうが近いんじゃないかっていう気がします。

 以上のキックバック問題を受け、巨額の未記載がほぼはっきりしている安倍派議員をパージする人事を岸田総理は考えているようですが、私個人の意見で言えば安倍派以外の議員に関しても今後捜査が及ぶ可能性があることを考えると、現段階で内閣改造を含む人事変更に着手するのは悪手な気がします。もっとも役職付きのまま逮捕されるという事態もあんま望ましくないでしょうが、せいぜい逮捕や立件に及んだ時点で安全な次の後任を登板するくらいの内定人事に留めておくのがいいように思っています。まぁ状況と支持率がそれを許すかですが。

 そのうえで、個人的にこの事件で一番気になっているのは見出しにも掲げている通りキックバックされた資金の用途です。議員がそのまま懐に入れて個人消費に使っていたとしても十分噴飯ものですが、仮にそうであれば、帳簿に計上しない理由はあまり成り立ちません。端的に言えば、今回のキックバック資金は一切帳簿に載せられない裏金として配られており、その用途も「表に出せない」用途に使われたと考える方が自然でしょう。では具体的にどんな用途があるかですが、はっきりした証拠はまだ出てないものの、私は選挙買収に使われていた可能性が高いのではないかとみています。

 何故このように思うのかというと、かつて安倍元総理側近であった河井克行、案里夫妻の選挙買収事件があったからです。
 この事件が起きた際、買収に使われていた資金は安倍政権時の自民党本部から交付された資金が使用されていましたが、この資金源については今年においても「すがっち500」という意味深な記述が書かれたメモが見つかるなど、掘り下げたらもっと何か出てきそうな気配を見せています。

 そうした資金源の怪しさ以上に、自分は上記事件を見た際に河井夫妻の買収の仕方があまりにも手馴れすぎているような違和感を覚えました。本当に河井個人の犯罪なのかというとちょっと不自然に見え、何となく組織的な指導があったように見え、表に出ていないだけで自民党のほかの議員でもこのような選挙買収に手を染めている人間がいるのではないかと疑いました。
 それを踏まえて今回のキックバック事件を見るに、この問題の本丸は、キックバックされた金を何に使ったのかになってくるような気がします。ぶっちゃけ熊手買うのに使ったとかならまだ笑えますが、選挙買収に資金が使われていた場合は、とんでもない疑獄事件に発展する恐れがあります。やや偏見で申せば、萩生田氏あたりはやりかねない人物だとひそかにみています。

 もし自民党がこの問題をまじめに処理する気があるのなら、キックバック金額に1千万円などの一定基準を設け、それ以上の金額を受けとっていた議員に関しては、野球の黒い霧事件のように理由の如何なく党から追放すべきでしょう。金額を基準に処罰を決めることで選挙買収は処罰とは無関係という方向にもっていかないと、多分後々えらいことになるというのがこのプランの目論見です。っていうか早めにこうした基準で党内処分しないと、仮に選挙買収に一部でも使われていた場合は自民党は本気で政権を失う可能性すらあるでしょう。

 そのうえで、報道が出る直前になった急に派閥総裁をやめた岸田総理にも疑惑の目が注がれており、ただでさえ不人気で支持率が上がらないことから、まじめに来年早くにも次の総裁人事を決めとかないとならなくなってきています。ただ上記のキックバック事件の余波から、次の総裁の条件としてはキックバックを一切受けていない人間にほぼ限定されるため、選択肢はかなり狭い範囲に絞られることになります。

 その点で言えば、このところキックバック問題でやけに生き生きとしてきた石破茂氏がここにきて有力候補になってきた気がします。そもそも石破氏の場合、キックバックを受けようにもキックバックする派閥がないことから、大昔ならともかく未時効期間においてこの問題に関してはほぼクリーンだと言い切れる立場です。知名度は元から高いのと、自民党執行部と距離を置いていることから非自民党系支持者の間でも一定の人気を持っていることを考えると、ワンポイントリリーフとして博打的に選挙前に総裁にするの案外アリなような気がしてきました。
 かねてから書いているように私は石破氏について総理には向いていないと思うし、若干空気読むの下手だからそもそも周囲には推されず。総理には決してなれない人材だとみていました。彼と同時代に活躍した政治家に関しても、与謝野馨、中川昭一、細田博之、安倍晋三はすでに亡く、谷垣氏も引退しており、今でも政治家やっているのは麻生太郎氏くらいで完全なロートル議員といってもいい年齢になっていますが、まさかここにきて総裁候補となりうる事件が起きるとは、本当に人生何が起こるかわからないものだなと思います。

2023年12月6日水曜日

自民党安倍派のパーティ券問題について

 先週からかかっていたインフルエンザですっかり体力を取られて更新も滞っていましたが、ようやく今日になってまともに体が動くようになりました。昨日までは鼻かむと常に血が混じってたし。

 それで久々の政治トピックですが、自民党安倍派で何でもパーティ券販売のノルマを設け、ノルマ達成者にはパーティ券で集めた政治資金をキックバックしていたという報道が出ています。詳しい処理とか管理までは細かく勉強していませんが、正当な収集理由なく集めた資金を情報公開なしで派閥内で再分配していたことが問題だったそうで、特捜部はこの案件で一山上げようしているようです。
 この問題に関して母体となる自民党内では安倍派への批判は薄いのですが、どうも自分が見ている限りだと野党からも批判が薄いように感じます。理由としては言うまでもないでしょうが、この手のパーティ券資金の再分配はどこの派閥も政党もやっているように見え、あまり批判するとその批判が跳ね返ってくることが目に見えているため、どこも薄目な反応になっているのだと思います。

 そもそも論として、私自身はこの問題を見て思うこととしては何故政治資金をパーティ券で集めなければいけないのかという点です。直接現金で集めると意地汚さそうに見えるからというのが恐らく理由ですが、パーティ券という名目上、建前だけでも政治パーティを開かなくてはならなくなります。これにはもちろん食事代や会場代などの経費が掛かってくるため、政治家の手元に入ってくるお金は、

パーティ券売上-経費=集められた政治資金

 という計算となり、パーティ経費の分だけ有権者が支払った政治資金が目減りするということになります。政治家としてはお金が欲しい、パーティ参加者としては支持政治家にお金を寄付したいという目的で恐らくやっているかと思いますが、なんかこれだと双方にとってマイナスな結果にしかならない気がします。

 もちろん個人献金額には上限を設けるなどして金権政治化する事態は避けるべきでしょうが、基本政治活動にはお金がかかるものだし、政策や人柄を支持する人からその資金を募ってかき集めるのも私は政治家の仕事の一つだと思います。逆に徹底的にこうした個人や団体から政治家への献金を規制しようってのなら、政治家の活動資金をすべて税金で賄わなくてはならなくなり、こっちはこっちでまた別の問題を引き起こすというか、すでに政党助成金でいろいろ問題が起きています。

 あくまで主観として述べると、献金にまつわる政治と金の問題を排除するために政党助成金の制度は作られましたが、この結果として政党助成金を分配する党本部の権力が増し、結果的に政治家個人は以前よりも小粒になった気がします。以前はそれこそ献金を集められるような人望なり手腕が求められましたが、今はその辺を助成金で賄うようになったため、知名度さえあればプライベートや能力で劣る色物議員が増えてしまい、また党本部に気に入られるか否かでポストも決まってしまっているように見えます。何となく、政治家の育成という点で政党助成金は失敗だったように見えます。

 これ以上広げると収拾がつかなくなるのでまとめに入りますが、パーティ券の再分配自体はもちろん現行法に反するなら取り締まるべきでしょうが、それ以前として政治献金について、今一度立ち返るべきに来ているのではないかというのが私の見方です。端的に言えば政党助成金の制度が日本の政治を矮小化させ、またこの助成金自体が小沢一郎をはじめとする制度設立者の不正の温床にもなっている点があり、なくせとは言いませんがこの際助成金の総額を思いきり減らした方がいいのではないかと思います。
 その代わりとして、公開を原則に個人献金を受け取りやすい制度にして、党本部が税金をバックとした助成金で異常な権力を持つ今の状況を改革すべきだと思います。そこまで今回のパーティ券に関する報道で議論が広がらない点に、ひそかに不満に思っています。

2023年11月1日水曜日

岸田政権への同情

 いろいろ意見はあるでしょうが、今現在において私は割と岸田政権を支持する立場に回っています。以前はかなり口汚く批判してたりもしましたが、かねてから述べているように今現在の日本は誰も信じないけど非常に好景気であるように思え、株価も高水準を維持し、その他のマクロ指標も一般的に良好といえる値にあると思います。にもかかわらず増税路線を掲げていることもあってか現在岸田政権は批判にさらされており、一部メディアでは与党内からも批判の声が出ていると聞きます。

 一体何故岸田政権が批判されるのかというと、やはり物価が上昇しているのに対し賃金が上昇していないことから、日本人が好景気の実感が湧かないということに尽きるでしょう。私自身は日本で税金を払っておらず、それどころかこのところの円安の恩恵を直撃している立場もあるでしょうが、基本的には賃金以上に雇用を見て景況を判断しており、そうした立場から日本は今好景気にあると判断しています。
 また賃金が上がらないとは言うものの、街中におけるアルバイトの募集時給は明らかにこれまで以前より上がっており、都内でも1200円が最低基準くらいとなっています。また先日訪れた関西地域でも1000円以上で募集されており、都内と比べると一段下がるものの、自分がかつて学生だった20年くらい前は800円程度だったことを考えると大分上がってきているなと感じます。賃金が上がらないというのは、ボトムを無視した意見であるように思います。

 その上で敢えて問いたいこととしては、賃金が上がってから物価が上がるという現象は起こりうるのかという点です。0%ではないでしょうが、恐らく普通の経済体ではそうした流れはほとんど起きないのではないかと思います。
 基本的にはやはり、物価が上がってから賃金が後から上がるものだと私は考えており、確かに物価が上がって賃金が上がってくるまでは生活は厳しくなるでしょうが、本当に賃金アップを目指すのであればこの過程は避けざるを得ないでしょう。また物価が上がりながらその後の政策が悪く賃金が上がってこないということも十分あり得ますが、この判断を行うにはまだ時期はそれほど長く経ってはいないと思います。

 逆にというとか隣の韓国はムンジェイン政権時代に政府主導で最低賃金を急激に引き上げましたが、その結果生活が豊かになったという話はあまり耳にしません。やはり経済規模に合わせて賃金というものは後から高まるものだと思え、賃金だけ先に引き上げても歪が生まれるだけでしょう。

 以上のような観点から、私自身は岸田政権のこのところの経済政策、並びに円安誘導政策を支持する立場にあります。また増税に関しても社会保障で税源がどうしても必要であることと、日本人が将来の不安からとはいえお金を配ってもなかなか消費しない傾向にあることを考えると、増税して無理やり国民の財布から金を抜いて政府が直接使わざるを得ない点もあるのではないかと思います。まぁ個人としては自由に使える金が多くあるほうがそりゃいいですが。

 最後にインバウンドについて昨日までまた関西地方を回ってみていましたが、東京の比ではないと感じました。奈良公園のあるお茶屋さんに至っては「このところの客の8割は外人」と語るほど外人で溢れており、都内と比べても外国人観光客の来訪による活況の度合いが桁違いにでかいと感じました。
 もっとも、京都に至っては明らかに交通手段がパンク寸前にまで追い詰められている感が半端じゃなかったですが(;´・ω・)

 以上のインバウンドはやはり円安による誘導が大きいように思え、私自身が恩恵を受ける立場にあるものの、やはり1米ドル150円くらいの水準を維持することは今の日本にとって全体としてプラスだという気がします。さすがに160円まで行くと自分も不安を感じますが、この点日銀も150円前後をベースとしているように見え、この点においても岸田政権と日銀はいい政策をとっているのではないかとみています。

2023年10月21日土曜日

現在のパレスチナ情勢について

 言及を避けていたわけではありませんが、専門家でもないため、金箔が続くパレスチナ情勢についてこのブログではこれまで特に言及してきませんでした。この記事についても同様で、特に自分から何か述べるような意見はないものの、少なくとも日本政府の双方の過熱を抑えるよう主張する外交姿勢に関しては支持できます。

 今回のイスラエルとパレスチナの緊張は昨日今日に始まったものではなく、また宗教問題も絡んでいるだけに、過去の因縁や歴史に係わらない日本がこの問題について何か言及するというのは若干お門違いになるのではないかと考えます。また今回のハマスの無差別虐殺、誘拐に関しては到底指示できるものでなく、またイスラエルの民間人被害を一切無視した報復に関しても同様です。
 強いて言えば、敢えて民間人の人質を取り、尚且つ民間人の住む住居や施設に立てこもるという従来のハマスの姿勢に関しては、強い嫌悪感を自分は感じます。

 もちろん一番望ましいのは即時停戦、人質の完全開放に間違いありませんが、仮にそうした措置が行われても結局のところ一時凌ぎにしかならないということも目に見えています。しかし民族浄化を行ったところで、この問題が未来永劫解決されるかと言ったら、宗教的要素を含んでいるだけにそうはならないとも思います。
 端的に言えば、解決不能な問題が二次大戦以降、ずっと続いているように見えます。この問題の解決方法を編み出せるとしたら、相当な政治力と軍事力を背景にするしかなく、現在の米国にもその力はないでしょう。

 そう考えるならば、弥縫策といえども一時停戦に望みをつなげ、時間が双方の隔たりを埋めてくれることを祈るしかないのかもしれません。それほど根深い問題であるだけに、日本はこの問題を無視するなというつもりはありませんが、深入りすべきかと言ったら絶対にすべきでないでしょう。医療物資の援助などの人道支援と当事者たちに冷静を呼びかけるに徹するべきであり、繰り返しになりますが現在の日本政府の方針に自分も賛成です。

2023年10月1日日曜日

歴史の転換点

 歴史関連の議論で翌「歴史の転換点」という言葉が出てきますが、実際の現実においてはリアルタイムでその時点が「転換点」だと気づくことは少なく、後になってあれが転換点だったと気づくパターンの方が多いです。日本のバブル崩壊に関しても、確か95年頃に当時の大蔵省の出したレポートに「バブル崩壊」という言葉が出て、初めて日本人は大規模な景気の転換点を認識するに至っています。

 では近年における歴史の転換点はいつなのか。先ほどは「気づき辛い」と言っておきながらですが、近年においてはむしろ気づきやすい大事件が頻発して起こっています。
 まず直近で言えば2022年のロシアによるウクライナ侵攻でしょう。仮に今後奇跡的にロシアがウクライナに有利な条件で和睦したとしても、ロシア、素子tプーチンの世界に対する影響力は戦前と比べ激減することには変わりなく、またその余波としてロシアと反米で共同歩調を取ってきた中国の影響力もそがれることが確実です。中国に至っては景気も減速してきており、まさにダブルパンチの衝撃でしょう。

 このウクライナ侵攻より一つ前の転換点はというと、こちらも非常にわかりやすい2020年のコロナ流行でしょう。各国の防疫体制だけでなく、同じ読みの貿易ことグローバルビジネスに与えた影響もさることながら、リモートワークをはじめとするライフスタイルでも大きな転換を促しており、これ以前と以後でITの活用の幅は大きく違ってきています。またその変化に対応し切れなかった企業らは廃業に迫られており、コロナはネガティブな面ばかり言われていますが、社会に対しポジティブな影響も十分及ぼしていると私は感じます。
 また2020年は長く続いた安倍政権が終わり、「すがっち」こと菅内閣も誕生しています。安倍政権は長く続いたことで日本への影響が大きいこともさることながら、翌年の暗殺事件とそれに伴う統一教会問題事件など安部元総理が居座ったことにより蓋をされていた出来事も少なくなく、政治的な転換点であったとみていいかと考えています。

 これ以前はしばらく転換点はありませんが、世界的にはともかく、日本にとってはやはり2011年の東日本大震災は転換点となり得るでしょう。世界的で言えば2008年のリーマンショックで、これにより金融や会計業界は規制が強化され、それ以前と以後では全く世界観が異なってきます。
 そのリーマンショック以前の転換点と言えば、自分が間を見落としているだけかもしれませんが2001年の米国における同時多発テロだと考えています。この事件がなければアフガン、イラクの戦争はなかったということと、ソ連崩壊に始まる90年代における米国全盛期の転換点にもなっていて、以上に挙げた転換点の中でも最も大きな影響力を持つように感じます。

 以上の通りざっと列記してみましたが、自分が転換点と感じる出来事が2021年のコロナ流行、2022年のウクライナ侵攻が非常に短いラグで起きています。あまりシンギュラリティというのを信じてはいませんが、何か一つの出来事をきっかけに、影響が波及して大きな事件が連続で起こるということは現実にもありえ、それを踏まえるとウクライナ侵攻はコロナ流行がなければ起きたのか、起きなかったのかは後々研究テーマとして成立するような気がします。
 同様に、ウクライナ侵攻が今後どのような事件を波及して起こすのか、今世界史を俯瞰する上ではこの点を最も注目すべきでしょう。端的に言えば東欧と北欧のほぼ完全なNATO入りが、EUことヨーロッパ統合の行く末にどう影響するのか、ロシアの影響力ダウンによる中国や北朝鮮への影響は、近年に社会の分断が激化している米国は今後どうなるのか、この点が論点になってくるでしょう。

2023年9月16日土曜日

福島原発処理水を巡る岸田外交の勝利について

 今もなお中国が喚き散らしている福島原発処理水排出に関する問題ですが、こと外交という観点では日本、というより岸田外交の大勝利だと言っていいと思います。あまり評価する声は聴かれませんが、この件に関しては誰が地図作ったかは分からないけど、岸田内閣の準備、対応はしっかりしたもので、優れたものだったと言っていいと思います。

 具体的に岸田内閣はこの事案についてどのように対応したのかというと、まずはIAEAのお墨付きを得たこと、次に最も近くにある韓国で政府の了解を取り付けたことが何より大きいでしょう。韓国に関しては親日親米を取る尹政権であったことが最大の幸運でしたが、批判を続ける韓国野党に対して指示が一向に上がらない点を見ると、排出実施前の事前協議、並びに第三国からの了解取り付けが功を奏しているように見えます。
 少し脱線しますが、私自身も尹政権の親日ラブコールに対してどこまで応じるべきか考えていましたが、検事総長時代に当時の法務大臣に対する不正操作の隠蔽を指示されながら拒否した当たり、尹大統領は原理原則はやはりしっかり守る人物であると信じられるようになってきました。いろいろ意見はあるでしょうが、尹大統領に日本が支援することで、韓国国内の反日勢力の弱めることにつながるだけに、今後も日本は協力できる点は可能な限り尹政権に協力していくべきでしょう。

 話を戻すと、以上のような事前準備が功を奏し、中国を除くその他第三国はこの事案に対して一切批判せず、むしろ一人で批判している中国の孤立が浮き彫りとなってきています。中国自身も自分がどんどん孤立し始めていることに自覚があるのか、ASEANでの会議では日本に対する名指しでの批判を避けています。
 もっとも、ASEANで批判しなかった点は逆に悪手であったと私は思います。本当に国民の健康を考えての抗議であれば批判するべきだったし、それをしなかった辺り、この事案を外交手段としか考えていないというのが逆に証明されたからです。そもそもとっくのとうに孤立しているのに、何故あそこで孤立を恐れて日本批判しなかったのか、中国外交のレベル低下を見ていて感じます。

 以上のような経過について、日本国内、特に漁業関係者から日本政府に対する批判も残っていることから岸田外交を評価する声はあまり見られないものの、私自身は十分に評価していい内容だと密かに見ています。もっとも漁業関係者が風評被害を懸念することも十分理解できるだけに、税金を用いた補償も今回は致し方ないでしょうが。

 逆に、上記でも書いている通り中国の外交のちゃらんぽらんぶりは目に余るというか、正直言って正気かと疑う水準です。第三者となるIAEAのモニタリングすら否定し、欧米メディアからも中国の批判はフェイクニュースだと断じられるなど、自分からますます孤立を深めるどころか頭のおかしい外交だと思われている節すらあります。
 その中国の外交担当に関しては先日、外務大臣に相当する外交部長が突如として失踪し、解任されるなど、普通に考えて尋常じゃないことが起きています。かと思ったら今度は国防大臣が行方不明となり、周りの中国人の間でも「なんかやばくない?(;´・ω・)」とこの異常事態を懸念する見方が広がっています。

 言っちゃなんですが今の中国は、元々トンデモが多すぎていまいち普通な基準がわからなくなる国ですが、政治でも外交でもかなりおかしな状態が続いており、知らず知らずに普通の概念が崩れ始めている気がします。
 その上で昨年のゼロコロナ大失敗を見る限り、習近平は失敗した政策ほど自らの失敗を認めようとせずあきらめずに長く続ける傾向があると私は見ており、恐らく今後も政策転換速度が鈍く、ますます外交上で混乱を続けると予想します。そして孤立路線もどんどん深め、いろいろと悪い方向で先鋭化していくような気すらします。ロシア、というかプーチンに距離を置く判断も、もはや遅いと言っていいでしょう。

2023年9月14日木曜日

溺れるプーチンは北朝鮮をも頼る

 さっき阪神が優勝しましたが、なんとなくこの日はケンタッキーだろうと思って食べてきました。あとカーネル・サンダースに似た人は今日外を歩くべきじゃないような。

 話は本題ですが各所でも報じられている通り、北朝鮮の金正恩が訪露して、プーチンの大歓迎を受けたようです。ロシアとしては北朝鮮に軍需物資の供与を求め、その代わりにエネルギーや衛星、ミサイル技術などを北朝鮮に供与すると指摘されていますが、恐らくその通りであるとみられます。
 ただこの構造、かつては三下国として完全になめ切っていたロシアが北朝鮮に対し、プーチン直々に対応するなどかつてからすると夢にも出てこないような情景です。それだけロシアが追い込まれており、見出しにも掲げた通り溺れる者はなんとやらという言葉が浮かんできます。

 さてこの北朝鮮とロシアの接近ですが、一部メディアでは本当なら中国も何らかの代表者が来て、三者会談となるはずだったという報道も出ています。状況的にあり得なくはないと私も思え、ロシアが反米国を集めて自身の支援を東アジアで求めるというのも自然な考え方でしょう。
 しかし実際には今回中国はノータッチで、ロシアに対する制裁回避に協力はしつつも、軍事支援に関しては完全に一線を置いています。実際、中国が支援したところでロシアがウクライナ戦線を挽回するとは思えず、また米国に中国に対する制裁の口実を与えるだけなので、こうした中国の対応はこのtころ混乱が見られる中国外交にしてはまともな判断だと私も思います。

 その上で敢えて東アジア情勢に目を向けるとしたら、韓国的には今が祖国統一のチャンスになり得るのではないかと思えます。今後、北朝鮮は戦車をはじめとする兵器をロシアに供与するとみられ、ただでさえ整備の追い付いていない軍備が余計に空洞化する可能性があります。これを奇貨として一気に北朝鮮へ電撃戦を仕掛けることも選択肢としては十分入ってくるように思えますが、仮にそうなったとしたら韓国国内の経済混乱も少なくないレベルで起こるだけに、実際には発生しないでしょう。
 個人的にはここで禍根断つ方がいいような気がするのですが。

2023年9月4日月曜日

国民民主の連立入り報道について

 先日、代表選が行われた国民民主党で、改めて代表となった玉木代表が与党自民党との連立入りについて言及したことにより、国民民主の連立入り報道が大きく出されるようになりました。結論から言えば、自分としては連立に賛成で、自民党も組み込んでやってほしいというのが本音です。

 自分が国民民主の連立入りに賛同する理由はいくつかあり、まず一つ目としては今の与党と野党には対立し合う争点がほぼないためです。
 ガソリン税の是非についてはいろいろ議論がありますが、仮に野党が政権を取ってもかつての民主党同様にガソリン税を廃止することはないことを考えると、廃止の主張は完全なポーズでしかありません。一方、外交や内政に関しては見ている限りほぼ全く対立点がないように見え、国防に関しても軍事費の増大に関しては反対してんのも共産党くらいな感じに見えます。

 以上のように政治方針、政策で何の対立点もないんだったら、年金問題や憲法改正について寄りに詰めた議論をするためにも、この際この方面で方針を同じくする一部野党と連立を組んで議論を深めた方がいいというのが自分の見方です。

 もう一つの賛同理由としては、野党を政権に参画させることで、野党を育成する必要があるためと覚えるためです。
 日本の政治低迷の原因は地方政治の腐敗と野党が成長しない二点に尽きると自分は前から考えていますが、後者に関してはこの際、与党が一部野党を連立に組み込み、実際に政権運営に携わらせて野党の人員を育成してもらった方がいいのではないかと思うようになっています。自民党からしたら敵を育てるような構図になりますが、長い目で見れば自民党内に限らない日本の政治人材の拡大につながるし、自民党にとっても新たな血を取り込むことで将来的な発展に寄与すると考えられるだけに、こうした措置をこの際取るのも手かと思うわけです。

 問題となるのは割を食う立場となる公明党ですが、公明党に関しては明らかに先細り傾向がみられ、前からも主張しているように自民党としては手切れの時期を明らかに窺っています。一方、憲法改正などで方針が一致しているという意味では維新の党がありますが、地味に今くらいが彼らもピークなんじゃないかと思うところがあります。というのも明らかに人を見る目がない政党で、候補にして議員になった人間の中に明らかに精神的にやばいと感じる人が多く、仮に与党入りさせようものなら自爆テロを起こしかねない危険性を強く感じます。

 そういう風に考えると、国民民主の方がまだマシというか、こっちもこっちで問題のある人材はいるでしょうがそれでも維新に比べればマシでしょう。また国民民主の取り込みにより、自民党内の反対勢力、具体的には安部派に対するプレッシャーを強められ、党内純化という意味でも有利に働く可能性があります。その逆もあり得ますが。

2023年9月3日日曜日

統一教会の解散請求報道について


 上の産経の記事は昨日、下の朝日の記事は今朝に出たものですが、自分の目から見て産経の記事にある通り過料「だけ」を科す処分は実際にはありえないと思われます。というのも過料は報道によると10万円以下と限定されており、この内容で処分した場合はそれで幕引きと取られて政権に対する批判が確実に高まると思われるからです。
 一方、朝日の記事では過料を科した上で解散請求を出すとまで踏み込んでおり、数時間内の報道だと共同通信らもこの朝日の報道内容を追随しています。恐らく、政府内の発信源は「過料を科す方向で」という風に流したのでしょうが、朝日新聞がその上か裏かに裏付けを取ったところ解散請求も視野に入っていることを掴んで、このように報じたのではないかと思います。

 「独自」と書くほど必死こいたアピールした産経新聞ですが、さっきも書いた通り過料のみ科すことは現実的にはあまり考えづらいことを考えると、取得した情報にはしゃいでそのまま流さずもう少し裏を取るべきではなかったのか、ツメが甘いのではという気がします。いくらか同情は覚えるものの、朝日のより踏み込んだ報道と比べるとその差ははっきりしてしまうだけに、また来週って感じです。

 それはさておき仮に朝日の報道がその通りであるとしたら、次の選挙は年末年始、どちらかと言えば年始に訪れる可能性が高いと私は思いました。先月の記事にも書いた通り、統一教会の解散処分は支持率を一気に高めるワイルドカードです。逆を言えば、現状において自民党と政府が支持率を高める手札というか政策はガソリン税の廃止しかほかになく、選挙にただ勝つという目的に立つならば統一教会を潰さない理由は全くありません。
 しいて言えば自民党内の統一教会シンパが反対する可能性がなくもないものの、先日の旧安部派の理事選出において下村博文氏が執行部理事から外された当たり、自民党内でもある程度この方面の合意ができているのではないかとも見ています。統一教会問題で最後までその癒着をはっきり認めず、また断交も明言しなかったのが下村氏だっただけに、むしろ彼を追い出すような姿勢を強く打ち出すことは上記の動きに合わせて鑑みると自然であるように見えます。

 実際の解散請求がいつになるかはまだわからず、もしかしたらもっと先かもしれませんが、仮に11月から12月にかけて請求が出される場合、年末年始にかけて余勢を駆って選挙に入ると予想します。とはいえ年末だと12月初旬でなければただでさえ世の中師走でてんやわんやなだけに、やや厳しく、それであれば1月に入ってからの方が帰省によって投票権のある地域に戻っている人も多いだけに、より現実味がある気がします。でもってそのまま特別国会と通常国家をセットにして始めれば、スケジュール的にも大助かり……っていうのが自分の見立てです。

 先月の記事にも書きましたが、真面目に統一教会に関しては今この時代にケリをつけなければならない問題です。昭和、平成と二つの時代に跨って政治面での癒着、そして消費者問題、家庭問題を幅広く引き起こした反社会団体を野放しにしてきたからこそ、安部元首相の狙撃事件が起きた遠因にもなっています。また自分の目から見て統一教会はマルチ商法を助長というか広げているようにも見え、だまされた人が別の人をだますという負の連鎖を広げていると捉えており、その他の問題あるマルチ商法団体の撲滅と合わせて、今ここで禍根を絶つべきでしょう。ぶっちゃけ、ほかに手段がないのなら暴力的な排除も、この団体に対しては致し方ないとすら思っています。

2023年8月3日木曜日

次回選挙におけるワイルドカード

 先日の女性議員がフランスではしゃいだニュースを見て一部の女性議員が反論を主張しましたが、あの場ですぐ「この研修でフランスではこうした政策が使われていて……」などと研修成果を報告したらまだ見るべき点もありましたが、恐らくただの物見遊山なためそんな芸当など初めからできっこないのでしょう。っていうか少子化対策を学ぼうってんなら遠くに行かずとも福井に行けよ、っていうか福井住めよとか思います。
 ちなみに今調べてみたら福井は2021年の出生率で6位でした。それでもフランスより、福井行けよ。福井の方がフランスより楽しいし、福井でエッフェル塔の真似しても誰も後ろ指指す奴いないし。

 話は本題ですが、ぶっちゃけ今日本は広末の不倫に始まり、ビッグモーター騒動、福原愛氏の子連れ騒動など社会ニュースがやばいくらい楽しすぎて政治ニュースがほとんどありません。そのため政治論争もほとんど起こらず、増税に関してもあまり抵抗運動が広がっていないように見えます。
 なお私個人としては日本で税金を払っていない立場もありますが、結局のところ社会福祉支出は否応なく増えざるを得ない点を踏まえると、増税に関してはやむを得ないと思っています。軍備費に関してはもう少しウクライナの戦訓を取り入れてから予算を立てるべきだとは思うものの、特定の業界を狙い撃ちにするのではなく広く浅く増税するなら一般個人所得からやはり取るべきじゃないかと思います。

 なお軍事費に関しては、アッシマーを量産するってんならどんどん予算付けるべきでしょう。マジあれさえあれば中国なんて恐くない。

 冗談は置いといて、政治議論はあまりないもののやはりマイナカードのミス問題は政権支持に直撃しており、保険証の廃止でも燻ぶっているだけに、仮に今すぐ選挙するなら間違いなくマイナカードが最大の争点になるでしょう。私としては富士通のシステム設計には疑問を感じるものの、初期エラーに関してはどうしても出るものだと思うのと、マイナカードの普及、運用によって抑えられる社会コストは膨大であるとの考えから、批判を恐れず「今ここでやらずにどうする」と保険証廃止などを徹底してほしいと考えています。
 その上で不安を取り除くため、マイナカードを詐欺などに不正利用した人間に対する厳罰法、具体的には最低でも懲役数年、最高刑死刑な法律を用意してほしいです。ぶっちゃけ個人情報の管理に関して、やたら厳格な中国にいるってのもあるけど日本はザル過ぎる。

 以上のような感じでマイナカード問題があって自民党としては次回選挙は守勢に回らざるを得ないと思いきや、状況を一転させるワイルドカードもあると私は見ています。具体的に言えばそれは統一教会問題で、選挙直前に活動停止、解散命令を出せばほかの議論は吹っ飛んで支持を集められるのではないかと思っています。
 真面目な話、今の日本における最大の政治問題はこの統一教会問題に尽きると思います。恐らく今も自民党議員の中には統一教会との関係を密かに維持している、または隠している人間がいると思いますが、その自民党への政治的癒着は明らかに問題であり、また統一教会のやってきた行為は文字通り詐欺商法の典型でここから多くの犯罪者も生まれ育ったことを考えると、今この時代に終止符を打たなければならない問題だと私は重視しています。

 この統一教会に選挙前にケリをつけられるものならば、見る人は見るだろうし、また保守勢力も自民への支持を強めることでしょう。ただ逆を言えば、これは野党にとってもワイルドカードとなり得るトピックでもあります。具体的にはこれほどの犯罪集団を野放しにしていると言って攻撃材料とすることができ、また選挙直前に癒着を断ち切れずにいる議員を暴露することによって、いくらでも形勢をひっくり返すことも可能でしょう。
 そういう意味では野党は統一教会と癒着している自民党議員を見張って、その癒着ぶりを示す証拠を集めることこそ最大の選挙対策になり得るでしょう。安上がりですごくいい案だと私個人的には思います。

 一方、敢えて上から目線で日本国民に対する次回選挙の課題を言えば、まともな野党を作る努力が必要でしょう。日本の政治発達に関してはやはりまともな野党を作れなかったのが一番の阻害要因で、目立ちたがり屋ばかりでなくきちんと政治議論ができる野党を作る選挙の土壌をもっと作らないと、日本政治は発達しないままが続くでしょう。
 具体的には特定の思想や心情ごとに有権者団体をもっと作ることに尽きます。個人としての票ではなく、敢えて組織票の一部となることで、その方針や信条に寄せる政治家が作られていきます。目下においてはビッグモーター事件もあるので、消費者保護を信条とする団体なんかあったらいいなを形にと思いますが、まぁ実際作る奴もいないだろうし賛同する人もいないでしょう。

 にしても2戦4発の巨人の岡本選手はマジやべぇ。やはりヤクルトの村上選手より岡本選手の方が上なのかと思わせられてしまう(;´・ω・)

2023年7月24日月曜日

次の選挙で試されるのは公明党

 先ほど友人とチャットで久々に日本政治について話をしましたが、報じられている通り岸田政権の支持率はサミット以降、見事なまでに右肩下がりです。っていうかサミット終わった時点でマイナカードは文字通り見えている地雷になっており、時間が経てば経つほど表面化して支持率下がるのは明らかだったにもかかわらず選挙に出ないという心境は、なかなかに理解しがたいものがあります。豊作でコメ相場が下がるの確実なのに、手持ちの米を売ろうとしないというような相場勘で、前から分かってましたが岸田総理の政局勘はかなりやばいです。

 それでも今現在は、ジャニーズ事務所問題、広末不倫、ビッグモーターの不正、ソフトバンクの悪夢の12連敗などこれでもかというくらい耳目を引くニュースが続出していることもあり、岸田政権への批判はあまり目に入ってきません。しかし仮にこうしたビッグニュースの波が途絶えると、恐らくマイナカード問題が再び俎上に挙がってくるとみられ、今後ますます支持率が低下していく可能性は十分にあるでしょう。
 そんなわけで岸田政権には逆風が吹いていますが、自分も友人もそれほど自民の大敗にはつながらないという見解で一致しました。理由はごく簡単で、野党への支持が一向に広がらないためであり、恐らく自民は今よりは議席落とすかもしれませんが投票率が低水準にとどまり、過半数は確実に確保できるのではないかとみています。むしろ試されるのは政権与党の一角である、公明党でしょう。

 公明党の支持母体は言うまでもなく創価学会ですが、同組織は平成に入って以降は一貫して信者数が右肩下がりであり、現在はもはやいわゆる二世、三世しか新規加入者がいないと言われています。仮に厚生省の思惑通りに少子化対策が効いて子供が増え続けてれば党勢も拡大したでしょうが、現実はさにあらず出生率は先細る一方で、その煽りを食らって創価学会も縮小傾向にあり、年を追うごとに選挙における動員力というか票田も縮小しています。
 特にその地盤とする東京都議選においては近年、創価学会の苦戦が激しく伝えられるようになってきています。またそうした苦しい台所事情もあり、自民党との票の割り振り、候補者一本化でも揉めることが多くなってきており、自民党もかつてほど公明党に対し票田的な期待を明らかに持たなくなってきています。それどころか、無駄にポストを分けたり、公明党の政策取入れなど気を遣うことにたいし、熟年夫婦の如く倦怠感すら見せています。

 仮に公明党と別れる場合、自民党としては比較的思想が近く、改憲勢力に組み込める維新の会が現在存在しており、実際に幾度か公明を落として維新と組むのではないかという憶測のぽつぽつ出てきています。それでもまだ実行に移さないのは、公明を切る大義名分がやや薄いのと、票田としての価値はまだあるとみられているからでしょう。
 それだけに次回選挙で公明の動員力が落ちたり候補者擁立で揉めたりした場合は、自民は維新との連立に向け一気に動き出す可能性が高いと私は見ています。私自身は維新の会に対してそれほど期待感は持っていませんが、改憲自体には賛成派ということもあり、改憲までの間だけでも組むのは有りだという立場を取ります。

 そういう意味では、護憲派は今この段階においては野党に票を入れるよりも公明党に票を入れる方がその目的は達成しやすいかもしれません。恐らく公明党もそれを踏まえて護憲を次回選挙で強くアピールしてくるかもしれません。

2023年6月25日日曜日

ワグネルの反乱が終わって

 昨日に始まって今朝には終わってたロシアのワグネルの反乱ですが、ほかの人も指摘している通り、プリコジンはともかくとしてプーチンにとっては非常に痛手となる事件だったように思えます。というのも、ロシア国内で反乱を起こされたとしても、それを鎮圧するだけの力がもはやないということを示してしまったからです。

 反乱当初こそやれテロリストだの必ず殺すなどとプーチンも言ってましたが、結果的にはワグネル側の要求を丸呑みし、表に出ていない裏要求も飲み込んだとも指摘されており、ほぼ言いなりのような結果でした。この後プリコジン個人はベラルーシで暗殺される可能性はあるものの、これを見てほかのロシアの軍属や部隊も、いざとなればごねれば何とかなると悟ったと思います。また実行に移さないにしても、軍部の士気は当然下がるように思え、ウクライナとしてはもうちょっとワグネルに粘ったほしかったところでしょうがこの結果でも十分プラスになると言えるでしょう。

 既にウクライナの支援を受けているロシア人部隊が国境を荒らしていますが、今後こうした活動は国境のみならず、ロシア国土の内陸でも起こってくるかもしれません。ロシアがここまで凋落するとは私を含め誰も想像だにしていませんでしたが、第二のソ連崩壊が見られるかもと思うとなかなかに貴重な体験ができるとうれしく感じます。

2023年6月24日土曜日

ワグネルの反乱を見て

 まるで映画みたいというのは月並みですが、本日より各所で報じられているロシアの傭兵部隊であるワグネルがプーチン政権に反旗を翻したという事実には非常に目を丸くさせられました。このところの国際ニュースはタイタニック見学者がタイタニックになったともいうべき深海探査船のトラブルばかりでしたが、そのニュースをかき消してしまうかのようにワグネルの話題一色に切り替わりました。

 現状の報道を見る限り、ワグネルが反乱を起こし、ロシア軍の軍事施設を占拠したというのはもはや間違い用のない事実です。トップのプリコジンに至ってはかねてからロシア正規軍との折り合いは悪かったですが、今回は「プーチンは間違っている」とはっきりとプーチン政権に異を唱えており、軍同士の内輪揉めではなく、政権に対する反乱に至ったともはや見ていいと思えます。

 この反乱について自分が気になった点は二点で、一つは今後のウクライナ軍の動向です。

 ワグネルとは文字通り命を奪い合った関係でもあることから、ウクライナがワグネルに対し協力姿勢を取ることはほぼないと私は思っています。ただこのロシア国内で起きた反乱の動きに合わせ、現在進行形のクリミア奪還を目指した反攻がどう動くのか、進軍を早めるのか、それともあえて静観してロシア軍の動きを見極めるのか。今後のウクライナ軍の動きがどうなるかがまず気になります。

 二点目は、プリコジンの後ろ盾に米国はいるのかという点です。

 プリコジンは「ロシアのため」に反旗を翻したと主張していますが、果たしてこの言葉通りに受け止められるかといったらそうでもないでしょう。報道ベースではロシア人らしくかなり強欲な人物のようで、自分の得にならないことは絶対やらないそうな人であるだけに、彼が反乱を起こすに至った動機、そして勝算に対する考察こそがこの動きを読む上で特に重要だと思います。

 考えられる背景としては、かねてからワグネルはロシア正規軍への編入を求められていたというか命令されていたようで、これに対しプリコジンが実験を奪われると危惧した、または自らの命の危険性を感じ、やられる前にやってやれ的に反乱を起こした……というのが素人目からした見方です。
 以上の背景を前提に、反乱を起こしても失敗すればただ死ぬだけなだけに、一体どこに勝算を感じたのかという点で、真っ先に浮かんだのが米国の後ろ盾です。反乱が成功した場合、米国はプリコジンに協力すると密約があるのであれば、こうして反乱を起こすに足る勝算が得られるのではないかと思えるのですが、実際に所はもちろんどうだかわかりません。また仮にそうした密約があったとしても、ロシア国内の支持を失う可能性が高いだけに、プリコジンも米国もその事実を明かすことはないでしょう。

 もっとも米国の後ろ盾がないとしても、軍部内での軍中央への不満を感じ取った、反乱に同調する勢力が軍内部にいたなどの要素があれば、十分に反乱に踏み切ることができます。もしかしたら、破れかぶれ的に失敗を覚悟で踏み切ったということも十分に考えられますが、やはりカギはほかのロシア軍部隊がワグネルに同調するか否かになってくるでしょう。

 それにしてもまさかここでこんな展開が起きるとは、自分なんて可能性すら一顧だにしていませんでした。事実は小説よりも奇なりというか、この展開を予想していた人がいたらマジ孔明でしょう。

2023年6月18日日曜日

これから国連はどう改革すべきか

 泥の研究をしている人は「マッドサイエンティスト」と呼ぶのか、またどうでもいいこと考えていました。今秋から数時間程度だけど土日も働くようになり、またおかしくなっている気がします。

 それで話は本題ですが、現在も続くウクライナ戦争ではウクライナ側の反攻が始まり、戦線が刻々と動いています。その最中、非常に呆れたのがダムの破壊工作で、まだ確証はないものの状況などを勘案するとロシアがやった可能性が高いと私も思え、仮にそうだとしたら一体連中はどれだけ戦争犯罪を繰り返すんだと、ナチスに負けず劣らずな暴挙に義憤を覚えました。
 しかも過去の虐殺を含めこれだけの戦争犯罪をやっておきながら、国連軍は出動していません。戦争拡大のための軍事行使も選択肢に入れた国連憲章は何なのか、それ以前にこのところ全く機能しない国連について、ウクライナを含め多くの国からも改革を求める声が上がっています。

 では仮に国連を改革するとしたら、どのように改革をすべきか。やはり一番焦点になるのは常任理事国の取り扱いでしょう。常任理事国には拒否権が与えられており、1ヶ国が反対するだけでほかの全参加国が賛成していてもその議案は否決となります。
 今回のウクライナ戦争で国連軍が出されないのも、当事国であるロシアが拒否権を持っているということに尽きます。そもそも国連メンバーでありながらあからさまな侵略戦争をロシアは過去を含め何度も行っており、クリミア半島を占領した時点で追放していればよかったのにすら内心思います。追放されなかったのも、やはり常任理事国ゆえでしょう。

 この常任理事国が異常に権力を持ちすぎる点をどうするか。もっとも安直なのは常任理事国制度を廃止することに尽きますが、米国や中国などほかの常任理事国がこの案を飲む可能性はないでしょう。そこで敢えて妥協点を取るとしたら、「紛争当事国は議論に参加できない」という規定を設ける方向にもっていくのがベターじゃないかと考えています。
 この規定があればロシアはウクライナ戦争に関する一切の議論、議案に参加できなくなり、拒否権を発動することが事実上、封じられます。また今後に関しても、それこそ中国による台湾有事が起きた場合も中国抜きで議論を進められることができ、中国に対する抑止にもつながるのではないかと思います。

 その上で、少なくともこのウクライナ戦争に対するケリのつけ方として、ロシアだけは国連からなんとしてでも排除しなければならないと私は思います。思えば9.11以降、シリアをはじめ世界各国の紛争をリードしてきたのはロシアにほかならず、冷戦期を含めたら世界のガンともいうべき国だと私は思います。
 米国も負けず劣らず紛争を起こしていますが、それでも自由主義であるがゆえに国内で独裁者を生まないあたりはまだマシだと私は思うし、ロシアや中国のような国が覇権取るよりは米国をトップにいただく方がまだマシです。

 このほか国連の改革プランとしては、度々財政問題が騒がれることもあり、拠出金を支払わない国はその時点で投票権を失うなどという規定も作った方がいいと思います。色々問題の多い組織ではあるものの、ないよりはマシだとまた損得勘定的に思う組織なので、存続する方向でやって区しかないでしょう。

2023年5月28日日曜日

見逃せないナゴルノ・カラバフ問題の推移

 「ナゴルノ・カラバフ」と聞いて、それが何を意味するかすぐ分かる日本人はごく少数だと思います。端的に説明すると、アルメニアとアゼルバイジャンの間で起きてきた、アゼルバイジャン国土に囲まれたアルメニアが自領と主張する飛び地であるナゴルノ・カラバフを巡る領土争いです。

ナゴルノ・カラバフ(Wikipedia)

 リンク先の地図を見てもらえば早いですが、アルメニアはトルコの北東にあり、トルコとジョージアに麻まれる国です。それに対しアゼルバイジャンはアルメニアの東側にあり、アルメニアと大きく国境を接しています。

 このナゴルノ・カラバフ問題をめぐる歴史は非常に長いのですが、ソ連成立時に国境線を画定する際、同地域にはアルメニア系住民が多数居住しているという民族的理由をアルメニアが主張したのに対し、周辺の領土を支配するアゼルバイジャンとの対立が起こり、ソ連政府が仲介する形でナゴルノ・カラバフは自治州という形で火種が作られました。
 こんな背景してるもんだからかソ連崩壊後はその帰属をめぐって両国の争いは激化し、ソ連崩壊以降は数万人の死傷者が出るレベルの戦争が両国間で繰り広げられ続け、そのたびにロシアが両国の仲裁を行う形で停戦させていました。

 しかし2020年における衝突で、かつてないほどアゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフ内の実効支配地域を大きく広げることとなりました。これに対しアルメニアは協定違反であることを仲裁国のロシアに訴え続けましたがロシアはあまり動こうとはしなかったことで、アルメニア側はロシアに対する不信感を大きく募らせていきました。
 なおこの2020年の衝突は史上初の「ドローン戦争」とも呼ばれ、特にアゼルバイジャン側のドローン運用が世界の軍事関係者の間で大きく注目されました。現在のウクライナ戦争におけるドローン運用においても、この時の戦訓が大きく影響しているように見えます。


 話を戻すと、そのナゴルノ・カラバフの帰属について2020年の衝突、そしてウクライナ戦争後に起きた2022年の衝突により実効支配地域を大きく減らしたアルメニア側が先週、同地域の帰属をめぐるアゼルバイジャンに対し譲歩する姿勢を見せました。アルメニア側が譲歩した背景として大きいのは、これまで軍事面や仲裁において依存してきたロシアがウクライナ問題でナゴルノ・カラバフに構えなくなったことが指摘されており、このまま状況が好転することもないとアルメニア側が悟ったためとみられています。

 この問題に関して自分は専門家ではありませんが、飛び地というのは紛争を生む諸悪の根源みたいなもので、なければないに越した方が将来の禍根を絶つ上でいいに決まっています。そうした考えからアルメニア側も色々あるでしょうが、今回のアゼルバイジャンに対する譲歩は長い目で見れば必要な譲歩であるように見え、これを機に両国間で未来に向けた友好関係を構築していってほしいと願います。

 その上で、今回この1世紀にも及ぶ領土問題が解決したきっかけはアゼルバイジャン側の攻勢もさることながら、同問題に対するロシアの関与がウクライナ戦争によって薄れたことにあります。見方を変えると、仲裁する側の立場だったロシアが消えたことで領土問題が解決に動いたとするならば、初めから仲裁役がいなければもっと早くにケリついてたんじゃないかという気になります。
 同時に、今回のアルメニアの譲歩は中央アジアにおけるロシアの影響力が低下していることを示す象徴的な事件であるように見えます。東欧、そして中央アジアにおけるロシアの影響力は日本人だとピンときませんが、現地の人々からすると「米国に次ぐ大国は間違いなくロシア」と言い切るほど強いものがありますが、それがどうもだんだんとそうじゃなくなってきているように変化してきています。

 何が言いたいかというと、今回のウクライナ戦争を経てロシアは国際最適な地位を落としただけでなく、米国にとっての南米のような、自国の影響力を及ぼせる周辺地域すらもロシア離れを引き起こしており、その失ったものは計り知れないと言えるでしょう。またこれ以上ないタイミングというか、現在のロシアの最大の同盟国であるベラルーシでルカシェンコ大統領に健康不安説が出ており、仮にそのままぽっくり行ったら、ベラルーシも今後どう転ぶかわからなくなるでしょう。
 少なくとも、ウクライナからすればベラルーシに攻め込む口実はいくらでもあるし。

 以上のようなドミノ倒し、というよりオセロみたいな展開を見る上で、ナゴルノ・カラバフの動きはかなり重要だと思ってみています。っていうかこの動き、最終的にはイランにも波及するだろうか。

2023年5月24日水曜日

ロシアには降伏しろとは言わない橋下徹

 先の記事にも書きましたが先日のサミットの終了間際、ロシア領内でいずれの部隊による攻撃があったと報じられ、ロシア政府もその事実を認めました。この攻撃についてロシア政府はロシアへの侵略、攻撃行為だなどとして攻撃を指示したと名指しするウクライナを非難していますが、これ見て私が真っ先に思い浮かべたのは橋下徹でした。

 ロシアがウクライナに侵攻した当初、彼はロシアの侵略は認めるべきではないが無辜の市民への被害を防ぐため、ゼレンスキー大統領は早くロシアに降伏すべきだと主張していました。なので私は今回のロシア領内への攻撃を受け、無辜の市民への被害を防ぐため、プーチン大統領は早くウクライナに降伏すべきだと彼は主張するものだと思ってみていましたが、そういう発言は今に至るまで見聞きしません。
 ぶっちゃけプーチンがウクライナに降伏することによって、ウクライナ領内で現在行われている戦闘も一気に片付くだけに、本当に平和を愛していて且つ以前と同じ視点を持つなら、プーチンにこそ橋下は降伏を勧めるべきだと私は思うのですが。

 では何故橋下はウクライナには降伏すべきと言いながらロシアには降伏しろと言わないのか。

 表層的な理由としては開戦当初、ウクライナとロシアの軍事力の差から、ウクライナがどう抵抗したところで早晩敗北すると予想していた、どうせ負けるのだからこそ早く負けを認める方がプラスだ的な価値観で言ってたのではないかと推察します。
 この考えには私も全否定しないというか、絶対に勝ち目のない戦いであれば市民の安全や政府関係者に対する虐殺や略奪の禁止を条件に降伏するというのも手段となり得ると考えます。ただブキャでの虐殺をはじめ、ロシアは元来そうした約束を守る国ではないことは明らかで、むしろ降伏すればその蹂躙は余計激しさを増す可能性があることを考えると、私が当事者なら絶対に抵抗を選びます。

 もっとも降伏するか抵抗するか以前に、ウクライナ国民のように当事者でもなく、軍事関係者でもない人間が安全な場所から一国の大統領に降伏を勧めるなど、恥ずかしくて自分には到底行えない行為です。

 ただ橋下は恥ずかしげもなくそうした行為を行える平和主義者なだけに、今回のロシア領内の攻撃を受けてプーチンに降伏勧告するかと思ったら全くしないでやんので、せっかくの期待を裏切る奴だななどと思ってみています。
 その上で、先に述べた通り軍事力の差からウクライナは叶わないと思ったから降伏しろと言ったのであって、少なくともロシア全土を征服する能力はウクライナにはないと思われるから今回プーチンには降伏を勧告しなかったという風に推察しています。もちろんこれはこれで一応は理屈は通りますが、敢えて邪推すると、なんとなく話を聞いていると小国が大国に翻弄されて飲み込まれるのは仕方ないなどと思ってい節があるように見えます。そもそも最初に述べた考え方の時点で、こうした考えだとも言えますし。

 こうした小国は大国に翻弄され続けるという見方は私にも全くないというわけではありませんが、大国による一方的な侵略を認めるほどの価値観は持ち合わせていません。こうした価値観があるない以前に、ウクライナには降伏を勧め、ロシアには降伏を勧めないというダブルスタンダードを私は取りたくはありません。そういう意味ではロシアに降伏を勧めることで勝手に掲げた平和を何より優先するという立場は維持できるだけに、橋下に対しては今からでも遅くないからプーチンに降伏を勧める親書を出すよう、私はお勧めします。