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2023年11月30日木曜日

京都市営地下鉄は延線すべきじゃないか

【画像あり】京都、人多すぎて死亡wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(暇人速報)

 かねてから報道されていますが京都がオーバーツーリズム、っていうかなんでこんなとこまで横文字使うのか意味わからないけど観光客の激増によっててんてこ舞いのようです。実際、先月に自分が京都に行った時も、かつて自分が学生としていた時と比べ明らかに人が増えていると感じましたが、中でも公共交通機関の満杯ぶりが目に余りました。

 具体的には京都駅から金閣寺、嵐山方面へ向かうバスでしたが、始発の京都駅の時点でほぼ満杯となり、途中のバス停からはとてもじゃないけど乗り込めないし、また途中のバス停で降りようと思っても満杯過ぎて降車できないくらいの込みようでした。なので結局、自分とビンラディンによく似たうちの親父も終点の金閣寺まで乗って、そっから歩いて等持院に行きました。
 何気に幕末に尊王攘夷主義者によって首が切られた足利尊氏などの木造見れたのはよかった。

 私見として述べると、京都の公共交通で一番ネックというか問題が多いのはこの嵐山方面、具体的には西北部だと前から思っています。何故かというとここは京都の玄関口である京都駅から直接行く方法がバスしかなく、その結果としてバスに乗客が集中し、道路も混雑する悪循環を作っているように思えてなりません。
 一応、鉄道では嵐電という四股名みたいなトラムで走る路線がありますが、京都駅からこの嵐電に乗るには相互接続のアクセスが悪く、日本語もわからない外国人観光客からすれば恐らく乗ろうとはしない路線です。っていうか自分も嵐電には一度も乗ったことないような気がする。

 いうまでもなく、嵐山は京都の観光地の中でも清水寺、伏見稲荷と並んで集客力が最も高い観光地の一つです。この嵐山への交通アクセスが悪くバスに集中することで、京都市全体の公共交通を悪化させているというのが自分の見方です。そんな元凶に対する対策ですが、結論から言えば京都市営地下鉄を延線するのが最適解だと私は思います。

 京都市営地下鉄烏丸線はその名の通りに、京都市のど真ん中を走る烏丸通を南北に貫く路線です。ただ、意外と京都市中央部には観光地が少なく(二条城くらいか)、また建設途中で何度も遺跡が出てきて工事が中断し、費用が高騰したため乗車料金が高く設定されていることから、スカスカというわけじゃないけど利用客は決して多くありません。言い換えれば、運送余力をまだ残しています。

 先ほどにも書いた通り、京都の交通で一番問題なのは京都駅から嵐山までのアクセスの悪さであり、これを改善しようってんなら、この京都市営地下鉄を延線し、京都駅からそのまま嵐山まで行けるように伸ばすことが一番いいように考えています。
 具体的には北大路駅のあたりでそのまま北上して国際会館まで行く現在の路線に加え、嵐山方面へ西に延びる路線をもう一本掘るのがいいかと考えています。こうすることにより外国人観光客は運送力の高い鉄道で直接嵐山へ行くことができ、バスの運行本数も減らせられ、みんながハッピーになれるという算段です。

 とはいえ実際にやろうってことになると移籍だらけの京都の地下を掘るわけだから、下手すりゃ黒部川ダム以上の難工事になる可能性もあるでしょう。ただ長い目で見た場合、恐らく今後20年は京都の観光客は増加し続けると私は考えており、であれば思い切ってやるべきなんじゃないかと考えています。まぁ京都市はあれだえ有利な条件で赤字団体だから、あんま期待しちゃいけないんだけど。
 なおもし可能であれば、西だけじゃなく東へ、具体的には嵐山と銀閣寺をつなぐ路線も作れたら最高だと思います。嵐山を午前に訪れ、午後に東山を回る観光客も多いと思え、この東西の移動は現状では実質的にバスとタクシーしかありません。もっとも東山方面こそ遺跡が多いとみられるエリアなだけに、実際やろうとなるとMRJみたいなプロジェクトXになるかもしれません。

 もっとも実現出来たら、文字通りに金閣寺と銀閣寺を結ぶ路線になるので、イメージ的にはすごいいい感じな気がしますが。

2023年11月29日水曜日

日大アメフト部廃部の報道に触れ

 先日、このブログで中国で流行っている肺炎は言われているほど自分の周りでは流行っていないと書きましたが、なんか月曜から風邪気味になって、今日はとうとう仕事休んでダウンしていました。っていうか先週も風邪かかったのに何故?

 話は本題ですが、かねてから大麻問題で揺れていた日大アメフト部がとうとう廃部される運びとなりました。結論から言えば、事ここに至っては廃部もやむなしだと私も思います。
 大麻問題と無関係の部員に関しては本当に心の底から同情心を覚えますが、かつての悪質タックル事件といい、一連の問題はアメフト部員個人のものというよりアメフト部という組織が起こしているとしか言いようがなく、組織としてのけじめをつけるうえでも廃部以外に選択肢はないでしょう。

 そもそも今回の大麻問題でおかしいのは、本来矢面に出て無関係の部員を守るべき立場にあるアメフト部監督が一切表に出てこないという点です。この一点で以っても日大アメフト部は常識では考えられないおかしい組織であると判断せざるを得ず、大麻を隠し持って犯人隠避したあの副学長といい、責任ある組織の態をなしていません。
 そのうえで、やはり一番致命的だったのは犯人隠避を行った副学長であり、辞任するということですが、日大はもっと早くに彼を犯人隠避、大麻不法所持などの容疑で彼を刑事告訴すべきだったのではないかと内心思います。彼こそがこの問題における最大の癌であり、仮に内部通報があった直後に警察に捜査を依頼し、見つけた大麻片もすぐ提出していれば、廃部にまでしなくても済んだのではないかと思います。

 林真理子理事長に関しても、挑発に乗る形でほかに逮捕者は出ないなどと無駄にタンカを切ったりするなどその資質に疑問を感じますが、その辺は反省したのかこのところは囲み取材に一切応じなくなったのと、上記の副学長と対決したあたりは改善がみられるように思え、火中の栗となるでしょうがこのまま学長の立場で改革を続行すべきだと思います。

 重ね重ねとなりますが、無責任な大人たちによってその夢を絶たれた無関係な日大アメフト部員らに関しては深い同情の念を覚えます。同時に、早大相撲部でも大麻関連の逮捕者が出ており、印象によるものかもしれませんがかつてより大学の大麻汚染が広がっている気がします。
 この点、広がりに歯止めをかけ、大麻をしっかり根絶するためにも、大学スポーツ界は競技の垣根を越えてこの辺の対策をもっと力を入れるべきかもしれません。それこそ部員に大麻逮捕者がその時点で1年間試合出場停止とするなど、統一した基準なんかあってもいいでしょう。日大を他山の石とすべきでありません。

2023年11月26日日曜日

突然パソコンの音がエコーに(;´・ω・)

 上海は冷え込むかと思いきや再び暖かくなり、今朝も穏やかな気温の朝でした。なもんだからのっそり起きてまた「アクション対魔忍」で遊ぼうとパソコンを開いたところ

(゚д゚)!

 という感じで、自分の耳を疑いました。何が起きたのかというと、パソコンのスピーカーから出てくる音が何故か反響したようなエコー音になっていたためです。

 明らかに機能まで聞いていたゲーム音声とは異なる音が流れており、一体どうしたことかとサウンド周りの設定を弄るも一切直らず、せっかく前のノーパソの内蔵スピーカーの質が悪かったのでノーパソを取り換えたのになんてこったいとちょっと頭を抱えました。
 こうなった原因についてはちょっと思い当たることがあり、昨夜寝ながらパソコンしていた際にちょっと音量を変えたのですが、その際にサウンドの設定を開いて「立体音響」という設定項目をみて「何か変わるのかな」と弄った記憶があります。多分あれが原因だと思うのですが、その立体音響の設定項目を再びオフとかに変えても、エコー音は改善しませんでした。

 こうなっては仕方ないのでGoogleで早速トラブルシューティングしたところ、出くわしたのが以下のYahoo知恵袋でした。


 どうも私と同じような症状に出くわした人が質問しているのですが、それに対する回答は「サウンドドライバ(Realtek)を削除しろ」というものでした。詳細はリンク先に書かれてありますが、デバイスマネージャーからRealtekのドライバを削除すれば、再起動するとまた一から復元されると書かれてあり、もしかしたら一切音が出なくなるのではないかと戦々恐々で試してみたところ、なんとこれ一発で見事にエコー音が消え、元のスピーカー音が戻ってきました。
 上の質問者も全く同じだったそうで、返信で改善された旨が書かれてあります。

 それにしても原因はいったい何だったのか。エコー音がしていた際、イヤホンで音を聞いたら特に問題ない音が聞こえたので、内蔵スピーカーに問題があったのではないかと考えています。同じ問題ではこのほかにもマイクが音を拾ってエコーになるというものもありましたが、別にマイクで拾った音を流していたわけではないので、今回の私の事例ではマイクは多分無関係だと考えています。どちらにせよ、すぐに直ってくれてよかったε-(´∀`*)ホッ

2023年11月25日土曜日

悪役俳優のほうが目立つスパイダーマンの映画

 先月の日本滞在中、かねてより見たかった映画として「ジョーカー」のほか「スパイダーマン」の最新シリーズ三部作のうち2作目の「ファーフロムホーム」と3作目の「ノーウェイホーム」を自宅のAmazon Primeで見ました。ちなみに「ファーフロムホーム」は見た直後に金曜ロードショーでテレビ放送され、翌週には「ノーウェイホーム」も放送されていました。
 まぁ日本語字幕版で見たいから別にいいんだけどさ。

 どちらも前評判にたがわぬ見事な傑作で、特に「ノーウェイホーム」に関しては過去シリーズでスパイダーマンを演じたトビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドがそのまま出演するという非常に豪華な作りで、近年見た中でも稀にみる傑作だと感じました。っていうか公開当時に映画館でちゃんと見たかった。

 ネットでいろいろ批評を見ると結構裏話が多く書かれてあり、決戦前に3人のスパイダーマンが決意を確認しあうシーンで2代目スパイダーマンことアンドリュー・ガーフィールドが「ありがとう、君たちを愛してる!」と抱き着くシーンがありますが、あれは何でもアンドリューのアドリブだったそうです。本人曰く「感極まって、自然と出てきた」そうですが、過去の出演作の「ハクソー・リッジ」の熱演ぶりといい、非常に感情が強い人なんだなぁと思わせられるシーンでした。
 実際にそう伺わせられるエピソードとして、まだ情報公開前にアンドリューが映画関係者に「あんたまたスパイダーマンやるんだって?」と聞かれた際に否定はしたものの、「あんた嘘が下手ね。今のうちに嘘つく練習をしておきなさい」と言われたらしい。

 また別の裏話として悪役のグリーンゴブリン役を演じたウィレム・デフォーについてほかの出演者によると、「ウィレム・デフォーが出るあるシーンを30テイク撮影した。その30テイクには一つとして共通する動画はなかった」と語られています。これはどういうことかというと、ウィレム・デフォーは30テイクすべてで異なる演技の仕方をして見せたそうです。その演技の幅の広さと芸達者ぶりに他の出演俳優らも大いに驚いたそうです。

 実際にというか映画の批評を見ていると、「ノーウェイホーム」で最も評価されていたのはこのウィレム・デフォーで間違いありません。約20年ぶりに同じ役を演じるにあたって、かつての出演時と変わらぬ怪演を見せたほか、オリジナルの1作目でも穏やかそうな父親の表情を見せたかと思ったら、狡猾な悪役の表情へ瞬時に入れ替わる演技が素晴らしく、それが今回の「ノーウェイホーム」でもいささかも衰えていなかったのには自分も驚きました。

 同じく悪役として、ドクターオクトパス役を演じたアルフレッド・モリーナに関しても自分としては感慨深い思いとともにその演技を見ていました。もともと私は全映画の中で「スパイダーマン2」が一番好きで何度も見ているのですが、この作品でアルフレッド・モリーナは変心した大学教授役を演じており、学者らしい知的な表情を見せる一方、こちらもまた狡猾な悪人顔を使い分けており、主演のトビー・マグワイア同様にその演技ぶりには一目置いていました。
 そのアルフレッド・モリーナもこの「ノーウェイホーム」にて、こちらも約20年ぶりの出演ながらかつてと全く変わらない姿で現れ、そのふてぶてしくも知的さを感じるセリフの話し方といい、やっぱすごい俳優だったと改めて感じさせられました。なお本人は相手役のトビーとの再会がこの映画で最もうれしかったことと話しており、撮影途中で何度もトビーと話してたそうです。

 以上の二人を見るにつけ、割とこのスパイダーマンの映画は主役以上に悪役を演じた俳優の方が演技面での卓越さを見せつけられることが多い気がします。3シリーズ目第1作の「ホームカミング」でもヴァルチャー役を演じたマイケル・キートンの演技が自分の中で一番印象に残っており、主役もさることながら悪役俳優の活躍が人気を支えている気がします。

 もっともこれはスパイダーマンに限るわけじゃなく、ほかのヒーロー映画でも共通する特徴なのかもしれません。「ダークナイト」でジョーカーを演じたヒース・レジャーは言うまでもなく、傑作ヒーロー映画はたいてい主役以上に悪役の演技が評価される傾向があり、極端なことを言えば悪役がヒーロー映画の成否を左右する面が大きい気がします。そういう意味では大御所俳優を持ってくるスパイダーマンのキャスティングは毎回当たっているのかもしれません。

2023年11月23日木曜日

中国では疎外論が知られていない?

 なんか中国で謎の咳が流行っているという報道が出ていますが、自分の周りでも風邪ひく人がこのところ増えています。ただ症状としてはそれほど重くなく、気温の変動が激しいために体調崩している人が多いだけのではないかと思っておりそれほど深刻視していません。

 話は本題ですが、以前に自分の友人がこのブログの記事で「疎外論について書いた記事が一番面白かった」と話してくれたことがありました。詳細はリンク先の14年も前の記事に書いていますが、全共闘世代ならいざ知らず、現代においてこの疎外論について触れられることは実際そう多くはないでしょう。

 ここでもこの疎外論について簡単に説明すると、要するに人間がその利便性のために作ったシステムや価値観が時代を経たり場面が異なったりすることで、概念だけが独り歩き(疎外)して逆に人間を束縛してしまうという現象のことを指しています。卑近な例で用いると、「経済」という概念はもともとは食料などの物資を公平かつ効率的に分配するために編み出された概念でしたが、現代においてはたびたび「経済」を維持するために生活の我慢や犠牲が強いられたりすることがあり、そのような状態を「疎外」と呼んだりします。

 この疎外論は共産主義概念の創立者、ではないけど大きく体系化したマルクスが提唱した概念で、彼のが科学的社会主義思想は現代においては実際に応用できないし応用したとしてもうまく機能しない無価値なものとほぼ完全に判定されていますが、疎外論だけに関しては今でも十分通じるというか、普遍的な概念として私を含め高く評価する人がいます。
 ちなみになんで私がこの疎外論について詳しいかっていうと、かなりガチな共産党闘士時代を経て温厚となった大学の恩師がこの方面に詳しく、授業の合間にこうした社会主義豆知識をよく教えてくれたからです。現在連絡を出せず、本当にこの恩師には申し訳ない気持ちがします。

 それでこの疎外論ですが、「社会主義国の中国なんだから一般教養としてみんな知ってるはずだよな(*‘∀‘)」などと思って周りの中国人に「疎外論ってすっげーよな(^ω^)」などと話題に出してみたところ、みんなしてキョトンとした顔され、若干空気を悪くさせることが何度かありました。
 これはどういうことだと思って色々調べたところ、調べ方が悪かっただけかもしれませんが、どうも中国ではこの疎外論はほとんど知られていないような気がします。中国の大学ではマルクス主義精神の一般教養科目が必須科目となっていて大学生は全員講義を受けるようになっているのですが、肝心要のこの疎外論については教えられていないようで、なんかすごいもったいない気がします。

 あくまで私個人の見解ですが、中国は疎外論を教えたらまずいと思っているわけではなく、マジで単純に理解している人が少なく、学界においてもほとんど知られていないんじゃないかとみています。そうなると中国のマルクス研究はいったいどんなレベルなんだといいたくもなってきますが、まぁ実際中国もマルクス主義が空辣な概念だということはほぼ理解しており、だから時代を経たこともあってあんまりみんな興味ないのかもしれません。
 それを言ったら日本でも、私の学生時代と比べてもマルクス主義に関する研究や議論がさらに後退したなという気がします。私の時代でも酔狂な人間はいくらか学んでおり、2008年のリーマンショック時に格差議論が過熱した際は「今だからこそマルクス」という全く実態に合っていない空辣な宣伝文句とともにマルクス本が売り込まれていましたが、あの時代を最後に、日常生活でマルクスの名を見ることはなくなった気がします。

 私個人としては、やはり資本主義を比較分析するうえではマルクス主義経済システムの知識は少しはもっておいた方がいいと思い、経済学に興味ある人にはぜひ手に触れる程度で学んでほしいと思っています。マルクス主義を学ぶことで、「資本主義には市場原理があって限界があるが、社会主義の搾取には限界がない」というある中国農村調査の結論の意味が分かるようになるし。
 ちなみにこの結論を中国人の同僚に話したら、「なるほど(゚д゚)!」とすごい真面目な顔して納得してました。多分あの同僚はきちんと資本主義経済システムとマルクス主義経済システムを理解しているから、あの結論をすぐ理解できたんだと思う。

2023年11月21日火曜日

ベレンコ中尉の逝去に触れて


 航空機ファンならもはやおなじみですが、かつて1976年にソ連から函館空港へ亡命してきたベレンコ中尉(当時)が亡命先の米国で亡くなっていたことが今日報じられました。関係ないけどカダフィ大佐同様、どうもこの人は「中尉」ってつけて呼ばないといけないような気がする。

ベレンコ中尉亡命事件(Wikipedia)

 事件内容は上記のWiki記事に詳しく載せられていますが簡単に自分から説明すると、腐敗した軍と奥さんとの不和に当時悩んでいた空軍パイロットのベレンコ中尉は日本経由で米国への亡命を企図します。この際、当時のソ連軍最新鋭機であったMig-25に乗って日本の北海道へと向かい、突然の最新鋭機の侵入に慌てて戦闘機(F-4)を発進させた日本側でしたが、当時のレーダーや航空機は海面近くで低空飛行するMig-25を見失ってしまい、みすみす函館空港にベレンコ中尉を着陸させてしまう失態を犯しています。
 侵入目的が亡命だったからよかったものの、これが本当の軍事攻撃だったらどうなったことかと当時散々に叩かれ、これ以降に低空に対する索敵能力(ルックダウン能力)が日米ともに強化されていくこととなります。

 話は戻りますが函館空港に着陸したベレンコ中尉は割とすんなり関係者との間で亡命交渉が進み、念願通りに米国へすぐに渡ることとなります。むしろ問題というか当時注目されたのはこの時の亡命に使用されたMig-25で、前述の通りソ連軍の最新鋭機で米軍からも一目置かれていた機体でした。
 それが無傷で手元に入ってきたもんだからソ連が「はよ返せ」と言ってくるのを「ちょっと待ってね(^_-)-☆」と言って日米の軍事関係者はMig-25を徹底的に分解し、その性能やスペックを細かく調べたうえできちんと熨斗つけてソ連に返してあげたとさ。分析の結果、当初恐れられたほどのスペックはないことがわかり、日米というか西側諸国は大いに安心したといわれています。

 このMig-25ですが、当初は最高速度がマッハ3を超える超高速戦闘機で、ミグシリーズ伝統の高い格闘性能も持ち合わせているとして米軍からは非常に恐れられていました。上記の分析の結果、速度に関しては確かにマッハ3級と、これは半世紀経った現在においても実際に就役して量産された戦闘機としては最高の速度性能を持ち合わせていましたが、その脅威の最高速度を出せるのは本当に一瞬だけで、なおかつ航続距離も短いうえに格闘性能はそんなでもないということがわかりました。
 結論から言えば、超高速戦闘機というよりは超高速戦術攻撃機のような機体であり、超高速で接近して爆弾を落とす、または敵機が接近してきたら急いで発進して迎撃するような機体であり、実際の制空権を争うような戦闘ではあまり役に立たない機体でした。おまけに電子系統をはじめ部品も粗悪であり、頻繁に交換しなくてはならないため運用コストもめちゃ高だったそうです。現代で運用しているのは恐らく北朝鮮くらいでしょう。

 以上のように亡命してきたベレンコ中尉以上に注目されたMig-25でしたが、当時プラモメーカーのハセガワのみがこの機体のプラモを販売していたことから注文が集まり、ハセガワにとっても過去最大のセールスを記録するヒット商品になったそうです。何となくこの過程を見ていると、ハセガワがソ連に裏金渡してステルスマーケティングさせたんじゃないかと疑いたくなりますが、さすがに本気で言っているわけではありません。

















 で、これがそのハセガワのMig-25のプラモを組み立てたものです。何気に今年8月にたまたまプラモ屋に置いてあって、「一応有名なキットだし、古くて安いから(千円以下)作っとくか」みたいなノリで作っていました。


 前述の通り古いキットということもあってパーツ数は少なく、私の実感では小学生でもそれほど苦労することなく組み立てられるんじゃないかと思います。パーツもどれもサイズがでかくて細かい作業要求されないし。

F-4との比較

 組み上げた際の感想としては「ともかくデカい」に尽きました。上は因縁あるF-4と並べた写真ですが、全長や全幅で恐らく1.5倍はあるでしょう。でかいせいで置き場所にもかなり困るんだけど。


 またもう一つの感想として、現行最強機と呼び声の高い米国のF-22ラプターに造形が近いような印象を受けました。全長もラプターが22mに対しMig-25が21.5mと近く、またエアインテークがコックピット横付配置なのも一致してて、もしかして米軍がMig-25を参考にラプター設計してたんじゃないかという風な想像がもたげました。まぁラプターのプラモはまだ一度も作ったことないんだけど。

 真面目にこのMig-25は前述の通りパーツ数が少なくてデカいため、作るのは超簡単です。自分のようにもう何十機と部屋の中に置いている人間と違って一機もプラモがない方なんか、デカくて目を引くのでインテリア代わりに作るのをお勧めします。その際はぜひ下の広告リンク踏んで買ってもらえればなおうれしいです(^ω^)

 っていうか日本の国防にも大きな影響を与えた人物なのだし、岸田首相は池田大作に弔意出すならベレンコ中尉にも弔意出したらどうかと思います。それよりもむしろ、今からでも遅くないから安倍なんかよりも水木しげるに対して国葬を行うべきで、本当にやるってんなら自分もすぐ寄付します。

2023年11月20日月曜日

岸田首相の池田大作への弔意の是非

 リンクはいちいち貼りませんが、先日逝去が報じられた創価学会会長であった池田大作に対し岸田首相が弔意のメッセージを送ったことについて批判が起きているようです。こうした批判について私自身としては、批判が起こるのは仕方ないにしてもそこまで目くじら立てるものではないというのが自分の見解です。

 初めに申しておくと、こと宗教に対して私は日本人の中でも非常に寛容な立場で、これまでも実際に各宗教関係者の説法を聞いたり活動に参加したりしています。現在は特定の信仰を持っているわけではないですが、実害が及ばない限りは宗教家だからと言ってその相手と距離を置くことはせず、むしろその信仰内容について聞いたりします。この辺、自分の出身が社会学ということも影響しているでしょう。

 話を戻すと今回の岸田首相の弔意への批判としては、特定の宗教関係者へ弔意を出すことは不公平であるとし、政教分離に反するというものが大半かと思います。この意見には私も共感するところはありますが、どちらかといえば岸田首相は連立相手の公明党にとって最大のスポンサーの長である池田大作に弔意を示したのではないかと考えています。いわば宗教関係者というよりは政治関係者としての扱いであり、であれば連立相手の実質的裏ボスなんだし、むしろ弔意を出さない方がかえって失礼になるんじゃないかなとも思います。

 ただそうはいっても池田大作の本身はやはり宗教関係者であり、たとえ政治関係者と岸田首相が見なしていても世間はそうは受け取りません。となるとやはり政教分離に反するかという話ですが、仮にこれがローマ法王だったとした場合、日本の首相がその逝去に際して弔意を送らないことはありうるのかという話になってきます。ぶっちゃけローマ法王クラスなら欧米各国をはじめほぼすべての国の首相から弔意が届けられると思いますが、これに関して政教分離なんて野暮なことをいちいちいう人はいないでしょう。

 何が言いたいのかというと、相手が宗教関係者だからと言って日本の首脳や政治家が弔意を出してはならないわけでもないだろうというのが、私の意見です。それこそ統一教会みたいな宗教の皮をかぶった反社団体であれば話はもちろん別ですが、創価学会は統一教会ほど派手にトラブルも起こしていないし、一時行っていた言論弾圧も最近はさほどしなくなったことを考えると、首相とはいえ弔意くらいは出しても罰は当たらないんじゃないかと思います。さすがに香典の支払いは控えた方がいいとは思いますが。

 唯一自分がちょっと争点になるなと思う点としては、じゃあ創価学会以上の日本の宗教団体には今後弔意を出さなくてはいいのかという論点です。それこそほかの日本仏教界の各宗派トップが亡くなって弔意を出さなかったら、若干不公平な感じもしなくもないです。池田大作を完全に政治関係者として捉えるならこの議論はいらないかもしれませんが、ローマ法王クラスは当然として、どこまでのラインの宗教家に対し弔意を出すのか、ちょっと基準が今後あいまいになるのではという懸念を持ちました。まぁ無視してもいいんだけど。

 なお比叡山最大の地獄修行こと千日回峰行の達成者に関しては、無条件で国民栄誉賞をあげてもいいし、その逝去の際には首相は弔意を出すべきだと勝手に考えています。っていうかむしろ出してほしいし、そうやってマジ凄い宗教家に対しては国ももっと敬う姿勢を見せるべきだと思っています。

2023年11月19日日曜日

日本新興宗教史にとって特別な1年

 今日、過去数年間にわたり毎週土日いずれかのランチに使ってきた日本食店が数日前に閉店したことを知りました。マジで生活の一部が失われたかのような喪失感に襲われてリアルに寝込み(昼寝)ましたが、いまだショックが抜けきれません。落ち着いたお店でゆっくり食事取れるのがよかったのに……。

 話は本題ですが、すでに各メディアで取り上げられているように創価学会の名誉会長であった池田大作が逝去されたそうです。逝去とはいってもこの10年近くはほぼ全く露出せず、動静もまったく伝えられなかったため私としてはかつての原節子のように「まだ生きてたんだ」という印象のほうが深いですが、今回の逝去に伴う創価学会、公明党への影響は計り知れないでしょう。

 よく勘違いされていますが創価学会は池田大作が創設したわけではなく、彼自身は教団の三代目トップです。創価学会に入信して以降、教団の不動産事業で大きくのしあげ、創価学会を現在の規模に仕立てたいわゆる中興の祖のような人物でしたが、長年にわたり強い影響力と人気を持ちすぎていたことから彼に続くトップ人材が教団内から出てこず、その点に関しては創価学会自身も危惧していたかのように見えます。
 実際、創価学会は昭和後期に集団就職した若者を取り込むことで信徒数を拡大してきましたが、平成に入って以降はいわゆるその子供世代に当たる二世信者しか新規入信がほぼなく、その勢力規模は平成時代においてほぼ一貫して縮小し続けていました。それは公明党の集票力にも表れており、近年は自民党からも思ったより集票力がないと足元を見られているとも報じられていただけに、今回の池田大作の逝去は連立維持においても影響を及ぼすことはほぼ間違いないでしょう。

 その池田大作に隠れてと言っては何ですが、恐らく多くの人はすでに今年3月に幸福の科学の教祖であった大川隆法が亡くなったという事実を忘れているかと思います。幸福の科学についてはその後大きな動静は報じられていませんが、いまいち後継者についてはっきりしない状態が続いており、恐らく今後勢いを失っていくような感じがします。
 また同列に扱うかはちょっと微妙ですが、統一教会に関しても今年に入り宗教法人格の抹消手続きに国が着手し、このまま抹消されることはほぼ確実です。その際、過去の被害者への補償も恐らく国が強制的に財産保全などの手段によって行うとみられ、もともと韓国本国でも日本からの献金で成り立っていた宗教であるだけに、往年の勢いは今後保つことはできないでしょう。

 以上の創価学会、幸福の科学、統一教会という三つの宗教に関して、たまたまでしょうが今年になって大きな変動を起こすイベントが一挙に起きた感じです。そういう意味では、2023年は将来の日本新興宗教史においてそこそこ変動の大きな1年として記録されるのではないかと思います。
 ひそかに気になる点として、今後勢いをなくすこれら教団の信者らは今後どうなるのか。単に信仰を失うだけなのかほかの宗教に鞍替えするのかが気になり、特に後者では受け皿となる教団があるのかという点で専門家に話とか聞いてみたいものです。

 なお先日とある宗教の関係者に話を聞いたところ、コロナ流行下で各宗教団体も会合を制限していたそうで、入場者数を限定したり、Web読経会などを行っていたそうです。こうした取り組みによって、それまで「LINEなんてまったくわかんない!」と言っていた高齢者層もすっかりLINEを使いこなすようになったそうで、こうした宗教も日本のIT普及を後押ししていたんだなと妙な納得感を得ました。

2023年11月16日木曜日

上海における無人運転の現況

 先日、相互リンク先である潮風大使さんのロッテのクライマックスシリーズに関する記事にコメントしたところ、中国での無人タクシーやバスに関する現況についてリクエストを受けました。放置していたつもりはないですが記事書くのが遅れてしまいました(;´・ω・)

 結論から書くと、上海市内で無人タクシーやバスは基本運行されておらず私自身も見たことがなく、これらは今も変わらず有人運転がなされています。無人運転に関しては中国も技術開発を進めていて政府も研究会社(主に百度やアリババなどインターネット起業)への支援を積極的に行っていますが、少なくとも現状において目に見えるほどの大々的な商用利用には至っておらず、ごく一部の特別区のみに限り無人運転が許可されていると思われます。

 ただ公共交通事情について日本との違いを述べると、車両の電動化は非常に進んでいます。バスに関してはほとんどがすでにEV化されており、タクシーに関してもEVが明らかに増えてきています。
 何気に普段はあまりタクシーを使わないのですが、先日日本から上海に戻った際に空港から自宅までタクシーに乗ったところ、たまたま乗った車両がまさにそのEVでした。EVタクシーに乗るはこれが初めてでしたが、やっぱり走行中の騒音が極度に小さいのと、振動が小さくて乗り心地もよかったのが非常に印象的でした。

 紙幅が余っているのでもう少しネタに絡めてこっちの生活事情について触れると、「無人」とくれば以前に上海では無人コンビニが登場しましたが、今やその無人コンビニは見なくなったというか絶滅しています。理由はやはり設備費用が採算に合わなかったためとみられ、折衷案としてか最近は建物内でQRコードを読み取ることで開く冷蔵庫があり、中の商品を取ると自動で商品代金が電子決済用ウォレットで決済されるという自動販売が増えてきている気がします。結局のところ、自動販売機が最強ってことでしょう。

 また数年前は自転車のライドシェアが流行りましたが、このライドシェア自体は定着して今も利用者がたくさんいます。ただ当時できた会社の多くはすでに潰れ、残っている企業もあんま儲かってない印象があります。
 もともとあのビジネスはサービス利用を開始するにあたり預託金を収めさせ、その預託金を使って別に投資して稼ぐというものであり、ライドシェアの使用料で稼ぐモデルではありませんでした。そう考えると、定着した今になっても儲からないというのも自然な成り行きです。

 ただ当時のライドシェアサービスの開始時は日常の風景が一変して、世の中が変わっていくという感覚を強く受けました。しかしその後のコロナ流行以降はそうした日常を一変させるような、それこそさっきの無人運転のような新たなサービスは上海では見られなくなり、以前ほど中国社会も革新的な雰囲気が薄れてきている気がします。新規サービスを始めようとする事業者も減ってきているように思え、先日の中国で最大のオンラインショッピングセール日である11月11日も若干飽きられ気味なのか、明らかに以前ほどの盛り上がりに欠けるものでした。
 なお自分はこの日を狙ったわけじゃないですが、新しい電気カーペットを購入しました。去年まで使っていたカーペットは冬シーズンの真っ最中に壊れ、慌てて新規にカーペットを購入したものの焦りからか若干サイズが使いづらいものを選んでしまったため、今回新たに大きめのサイズを購入しました。ダブルベッド全体にフィットしたサイズで、半面ごとに温度を調整できるため今度のは満足しており、前の小さめのカーペットは今後場別のところで活用する予定です。
 なおセールで200元(約4000円)から160元(約3200円)に割引されてましたが、そこまで飛びつくほどの割引金額じゃなく、こりゃ盛り下がるのも当然かと思いました。

2023年11月15日水曜日

宝塚歌劇団のいじめ、パワハラ騒動を見て

 先月、大阪で会った後輩とジャニーズ事務所の問題に触れた際、「この次は宝塚でしょう」と後輩が高らかに宣言してました。その後輩の言う通り、宝塚歌劇団もビッグモーターやジャニーズ事務所のように今炎上しています。
 なおその後輩もソ連人民の敵であるうちの親父も何気に宝塚市出身だったりします。もっとも親父は歌劇団についてはあんま興味なさそうで、自分も関心はありません。

 宝塚ではかなり陰湿ないじめが行われているということは以前から自分も聞いていましたが、数年前にも報道された際は今回ほど炎上することはありませんでした。事ここに至って炎上した背景としては、いじめの被害者とされる方が自殺しているなど事案が深刻であったこともさることながら、やはりその前のジャニーズ事務所の炎上も影響しているような気がします。
 ジャニーズについても性的虐待報道はかねてからありましたが、本格的に炎上したのは今年が初めてであり、それまでメディアは文春を除き完全に黙殺していました。なおマンガ「GANTZ」に出てくるあるキャラは、ジャニーズ事務所と思しき芸能事務所に一時所属していたものの、「社長に襲われそうになったからやめた」と語っており、2000年ごろの時点であの疑惑は周知の事実であったことを物語っています。

 話を戻すとジャニーズの問題を受け世間もこの手の権威があるからって好き勝手やっている組織に対して目を向けるようになったほか、メディアも口先だけとはいえジャニーズ問題黙殺について反省する態度を見せ、こうした芸能業界の闇について積極的に報じようとする姿勢を見せるようになってきており、それが今回こうして宝塚歌劇団への批判につながっていたように見えます。
 もっとも宝塚歌劇団はジャニーズ事務所ほどメディアに対する影響度というか脅迫する力は持っていませんでした、それでも固定ファンが非常に強い組織です。メディア関係者の中にも固定ファンが少なからずいてそれらが恐らくこれまでのいじめ報道を閉ざしていた諸悪の根源だと思いますが、そうした固定ファンのディフエンスも今回は役に立たなかったようです。

 もっともそれ以前の話として自殺した方の睡眠時間は1日約3時間、それ以外の時間はほぼすべて演技指導などの勤務をしていたという時点で、労基はいったい何をやっているんだって話になってきます。もちろん劇団員という特殊な職業であることを考慮すると杓子定規に労働時間を制限すべきではないと思いますが、それにしたってこれほどの激務に対し一切指導とか行わないってのはいかがなものかと思います。っていうか残業代を支払うよう指導くらいはしろよな。

 ジャニーズにしろ宝塚歌劇団にしろ、これまでほぼ周知でありながら黙殺されてきた暗部が今年一気に明るみに出るとともに、どちらも記者会見でわざと視聴者の反感を煽ってるのかって言いたくなるほど炎上させた点で共通しています。端的に言ってほかの方も指摘しているように価値観がいまだに古いというか昭和のままで、平成から令和にかけての変化を一切行わず、伝統の名のもとに無意味でカビの生えた思想に凝り固まっているということがそもそもの原因でしょう。
 それこそ根性論が強かったスポーツ界なんかは平成において一気に様変わりしたというか割と早い段階で合理的な方向に移っていき、それが現在の野球やサッカーなどの国際戦における優れた成績につながっているように見えます。これは実業にも言えますが、国際競争が激しい業界ほど市場が合理的になるのに対し、鉄道や電力など国際競争が行われないインフラ系業界ほど改革が遅れる傾向があり、なまじっか権威があってあまり競争にさらされなかったジャニーズ事務所や宝塚歌劇団もその口に入るのかもしれません。

 それにしも時代は変わるもので、しごきで有名な亜細亜大野球部なんかも今後丸くなったりするのだろうか。まぁ今のままでもかなり強いけどあそこ。

2023年11月14日火曜日

リサイクルショップはやっぱ増えてるみたい

 上海の自宅に戻って再び座卓でパソコンを弄るようになりましたが、その際に背筋を無理やり伸ばして姿勢矯正を行ったところ、背中から布団かぶったら布団が背中に引っかからず落ちるようになりました。ぶっちゃけ冬は猫背のほうが都合がいい気がする。

 さて以前にこのブログで、なんか撤退した家電などの量販店跡地が悉くリサイクルショップになっているとしたうえで、

街が廃れる
↓↓↓
お店が撤退する
↓↓↓
跡地にリサイクルショップが入る

 というサイクルを繰り返すことで、リサイクルショップが増えている街は廃れてきているという理論を提唱した私ですが、実際のところリサイクルショップは増えているのか気になりました。メルカリなどのだれでも参加、出品できるオークションサイトの普及により取り扱われる商品が増え、また業者もこぞって参加するようになっているから増えているのではないかと推測しましたが、調べてみたところ実際増えているようです。


 上記のリサイクル通信の調べによると、中古品売買業ことリユース業界の市場規模は2009年以降一貫して増えているとのことです。2008年がリーマンショックの年であることを考えると、2008年を除けばさらに拡大期間は増えそうですが、2022円の市場規模は約3兆円とのことで、2009年比で約3倍も拡大しているということになります。
 このリサイクル通信以外でも、恐らく引用元は同じだろうけど市場規模は約3兆円と述べているところは多く、また市場規模、ユーザー数、店舗数は拡大の一途を辿っているとしています。

 面白いのは2021年度調査の品目別売上高で、ほぼ全品目で売上規模が拡大しているにもかかわらず、ゲーム、書籍、ベビー用品の3品目のみ縮小となっています。ゲーム、書籍ともに電子版の普及が間違いなく原因で、ベビー用品は少子化が影響しているのでしょう。


 また上記記事では業界上位企業を紹介しており、それによると、

1位 ゲオホールディングス 1,684億円
2位 メルカリ 1,470億円
3位 ブックオフグループホールディングス 915億円
4位 コメ兵ホールディングス 711億円
5位 バリュエンスホールディングス 525億円

 となっています。このところ街中から店舗数が少なくなっている気がしますがブックオフはいまだ3位と大手の地位を保っていますが、本やゲーム以外も取り扱うようになっていると聞くだけに、まだまだこの順位は今後逆転が起こりうるでしょう。


 以上のように市場規模、店舗数などは拡大の一途を辿っているようですが、業界は若干競争過多にもなっているようで、調査年度が2018年度とやや古いですが倒産件数も増加しているとのことです。
 そもそもリサイクルショップは申請するだけで取れる古物商の免許さえあればすぐ開業でき、仕入れも極端な話、同業者から買い込めば開業時の在庫が揃えられるだけに参入が非常に容易です。またインターネットオークションの普及により既存店舗のシェアが小さくなっているであろうことを考慮すると、市場の拡大とともに淘汰も同時並行で進んでいるというのも理解できる話です。

 仮にそうだとすると、冒頭で挙げた町が廃れてリサイクルショップが増えるというサイクルには続きがあり、最後にはリサイクルショップも閉店するという結末があるのかもしれません。なんかFF5のネオエクスデスみたいだ。

 ある意味で、リサイクルショップが増えるということは中古品売買が増えていることであり、ごみ削減やもったいない精神の活発化と前向きにも見えるのですが、その一方で現状のように参入が容易だと質の悪い業者も増えていくのではないかという懸念があります。それだけにやや過剰に拡大していると思う節もあるだけに、リサイクル業開業についてはもう少し規制を設ける、または運営上の制限を増やして粗悪な業者対策を今からやった方がいいのではないかと思います。
 敢えてまた極端な話をすると、盗難品を買い取って現金化するマネーロンダリング業者も中にはいるでしょう。参入が容易であるだけに、こうした方面への対策は必要でしょう。

 前述の通り、中古品売買が増えることはごみや環境問題的にはプラスなだけにいいことっちゃいいことです。だからこそこの流れをよりいい方向に向かわせるためにも、今のうちにもう少し市場の秩序を高める努力を政府なり業界団体に期待したいところです。

2023年11月12日日曜日

熊が心底怖いと思ったゲームと漫画

 2020年2月に日本にいた際、テレビで見たニュースはほぼすべてコロナ関連、特にダイヤモンドプリンセス号に係るものしかありませんでした。それに対し先週までの日本滞在はどうかというと、クマクマクマこと全部熊で、なんか日本の話題をさらっているのが芸能人とかスポーツ選手じゃなく熊ってのが業が深いなとか思いました。もう流行語大賞もクマでいいんじゃないだろうか。

 その熊についてですが、かつて心底恐ろしいと感じさせられたゲームがあります。それはPSVitaで出た「忍道2」というゲームで、その名の通り忍者を使って敵の忍者を倒していくゲームなのですが、このゲームでは敵の忍者に交じって熊も出てきたりします。
 具体的には城の檻の中に入っていたり、野山で出くわしたりするのですが、普通の忍者は5、6回斬りつけるだけで倒せるというのに、熊はというと何十回斬りつけても倒れないほどめちゃくちゃタフに設定されています。そのため出会った当初、迫力あるけど何とかなるだろうとプレイの腕に自信のあった私はなめてかかったものの、何度斬りつけても倒れないのに向こうの一撃はこっちの体力をごっそり奪うほど重く、長びく戦闘で集中力が薄れていくやあっさりと熊の餌食となりました。

 その後、プレイヤーキャラの能力を高め、自分の腕が上がったころには割と楽に倒せるようになりましたが、サブミッションで熊と1対1で戦う面があり、そこに登場する熊は普通の熊の何倍も強いという恐ろしい敵でした。この熊には相当てこずったものの、最終的には地雷を設置しまくるという罠戦法により辛くも勝利を得ることができました。
 なおこの手ごわい熊を倒した後には「白黒はっきりさせましょう」という手紙とともに、パンダと戦うこととなります。あと敵がうろうろするところに熊放つと、割と楽しい光景が見られます。

クマ撃ちの女(くらげバンチ)

 以上のようにゲームを通して熊には忍者でも敵わないと認識していた私ですが、昨今の熊被害の拡大を受けてか、かねてより熊撃ち猟師を題材に取り上げていた上記の「クマ撃ちの女」という漫画を紹介記事で目にすることがありました。いま大きな問題となっているとともに熊猟の現状というのはどんなものかと興味を持って私も手に取ってみましたが、端的に言って面白く、プロの猟師らからも評価されているというのも納得のマンガでした。

 具体的な評価点としては主人公らをヒロイックに描かず、ともかく写実的に熊猟の現場について描写している点だと思います。鉄砲さえあれば余裕、というわけではなく、実際には急所を一撃で的確に狙撃しなければ熊の反撃によって死にかねないという厳しい熊猟について、時折目をそむけたくなるような激しい描写とともによく描かれています。これ見て猟師らも本当に命がけで熊撃ちをしているということがわかるとともに、人里へ降りてきた熊がどれほど危険なのか、素人目ながらその一端が垣間見えた気がします。
 同時に、熊問題については他人事のように思ってはならず、猟師にただ任せておけばいいなどという気持ちを持ってはならないというようにも感じました。もっと社会全体で議論し、どうやって熊被害を減らすかをみんなで考える時期に来ているような気がします。

2023年11月11日土曜日

日本で一番闇を感じた場所

 一昨日からすでに上海に戻りましたが、こちらもようやく秋の天気になったというか気温が落ちてきて過ごしやすくなっています。室温が20度前後が自分にとって一番居心地がいい気がします。

 でもって話は本題ですが先日まで日本にいて感じたこととしてつらつらこのブログでも触れていますが、全体としては何度も書いているように景気がいいように思え、心なしか待ち行く人も表情が明るかった気がします。それこそかつてのコロナ前であった2019年とか街を歩いている人に表情がなく、どことなく病んだ感じをした人が多かったように見え、その当時と比べると今の日本人は物価上がって苦しいと言いながらも前よりだいぶ幸せそうに見えます。まぁコロナ規制がなくなったことが一番でかいのでしょうが。

 ただ私がかつて見た病んだ人が全くいなかったわけではなく、吉良邸跡地を見るために両国周辺を歩いた際、街中で電話しているサラリーマンたちははっきり言って病んだ顔してました。しかも電話の声も調子が外れているというかやたらめったらでかい声で、それでいてアクセントが単語一つずつずれているような感じで、見ていて少し不安に感じる人がマジで多くいました。
 近くの浅草に入ると観光客が多いこともあってそうした病んだ感じの人は見なくなりましたが、やっぱ働いている人なんかにはまだ病んだ感じの人が多いのかもしれません。

 その両国と並び、今回凄い闇を感じた現場というのはほかならぬリサイクルショップでした。

 うちの意地でもT-34のプラモを作ろうとしない親父とともに家の整理で出てきた古着や家具などを処分するためリサイクルショップに入ったところ、店内に一歩入るやはっきりわかるほど陰鬱な空気を感じ取り、敢えて比較するならドラクエ4のアッテムトのような雰囲気を感じました。店の奥に進んでもそれは同じ、っていうかますます深くなるというか、店員らもなんか表情がなく、声も調子が外れてて、早く出たいという気持ちを正直に覚えました。

 前に書いた記事で、いま日本は家電などの量販店跡地がみんなリサイクルショップになっていると指摘しましたが、この拡大の背景としてはメルカリなどのC2Cというか個人売買が普及し、それに対応して店側もネットで中古品を売買しやすくなったことがあるのではないかとみています。実際上記の訪れた店も、店舗こそ構えているものの商品の中には「メルカリ売約済み」などと札の張られた商品もあり、実際には商品のほとんどはネットで売買している感じでした。

 拡大しているんだからさぞや景気もいいだろうと思っていたところ上記のようなありさまで、競争が激しいのか単純にいろいろ切羽詰まった人ばかりが売りに来るのかわかりませんが、ともかく店の雰囲気としてはアッテムトでした。以前の日本ならこうした雰囲気が日本中に満ち溢れていましたが、比較的明るさを取り戻した現在においてあの言いようのない不安になる空気をまた感じさせられた当たり、中古品売買業界の闇は深いのかもしれません。

2023年11月9日木曜日

しゃっくりは胃薬で治るか?

 昨夜、2時間のディレイを経て上海の自宅に戻って一服したところ、なんかえづいた後から急にしゃっくりが止まらなくなりました。一晩寝て一時は治ったかと思ったら会社に着いたらまた再発して、会話中とかにしゃっくりが出ると発音が止まるだけに鬱陶しいと感じていました。

 そんなわけだから仕事もそっちのけでしゃっくりの治し方とか調べていたところ、いまだその発生メカニズムは解明されてはいないし、原因はいくつかあるなどと書かれていたものの、どうも胃酸が逆流して食道に届き、食道を刺激することでけいれんが起こるという説が強いそうです。
 この説明を見て、正直思い当たるところがありました。前述の通り昨夜にえづいた時からしゃっくりが起こっており、また実感的にもなんか食道に少し詰まったような感覚もあります。

 なお昔あった「ついでにとんちんかん」という漫画で体を小さくしてある人物の体にもぐりこんだところ、食道のあたりでは食事を提供する食堂になっていました。

 話を戻すとこの説明を見て、胃酸が逆流してしゃっくりが起こるのであれば胃を整えればしゃっくりが止まるのではないかと考え、たまたま今日鞄をあさっている最中に奥底から太田胃散を発見したので、それをそのまま迷わず飲み込みました。そしたらマジでしゃっくりがすぐ止まりました。
 ただ、しゃっくりが止まった瞬間からガチで胃が痛くなってきました。胃薬を飲んだのに何故逆に胃が痛くなるのかと思う反面、これまで胃が弱っていたにもかかわらず痛みを認識せず、それがしゃっくりとなって出てきていたのではないかとも思いました。決して見つけた太田胃散が、10年以上前に買ったからとかじゃなく。

 その後、しばらくしゃっくりは止まっていたものの家に帰ったあたりからまた復活しました。っていうかしゃっくりなんて年に1回あるかないかなだけに妙にかったるいです。
 なお胃に関してはマジで自分の胃腸はピクミン並みに弱く、ちょっとでも暴食するとすぐダメになります。昨日まで日本滞在中は暴食するようなことはなかったものの、普段上海で食べられないものが自由に食べられることから、せんべいを20枚くらい食べたりするなど食事量は普段より多かったと思います。それが少しずつ胃に負担をかけていて、今顕現してきたのかもしれません。

2023年11月7日火曜日

世帯年収の増加に伴う消費対象の変化

 今日昼寝したのにもう眠いのでぱっぱと書こうと思いますが、かつてと比べると日本において専業主婦というカテゴリーが減少しているといわれています。単純に生涯独身率の増加もありますがそれ以上に結婚後も勤務を続ける女性が増えており、その結果として一人当たり勤務者の収入は減りつつも、夫婦揃っての収入にあたる世帯年収は近年増加傾向にあるといわれています。

 その結果として、やはり依然と比べると夫婦共有財産ともいえる住宅の消費がかつてと比べ拡大しているように見えます。単純にタワマンをはじめ高額であるほど住宅の売れ行きがいいとされ、また戸建ての売れ行きもぱっと見悪くなさそうな感じがします。

 結論を書いてしまうと、一人当たり収入が減った結果として全体の消費はやや低調であるものの、住宅や自動車をはじめ、価格帯が大きく家族間で共有するような商品は世帯収入の増加を受けて拡大しており、この傾向は今後も続くように見えます。その逆に家族間で共有されず個人に限定して消費されるランチ代などは、今は物価高騰を受け拡大してるでしょうが、今後さらに先細る可能性もあるように見えます。
 改めて過去を振り返るとなんだかんだ言いつつ結婚、出産後も働く女性が増え、女性の社会進出はいまだ日本は中国などに遅れてはいるものの、かつてよりは進んできているなとも思えます。伸びしろはまだあると思えるだけにこの傾向はもうしばらく続くでしょうが、生涯独身率がこのまま高まれば世帯年収の伸びは途中で止まる可能性があり、この辺で政府はどのように考えているのか担当者がいれば聞いてみたいものです。

2023年11月6日月曜日

埋まらない電車内広告

 今回の日本滞在中に山手線に乗ったところ、電車内広告が広告欄全てを埋めておらず、一部で空きがあることを見つけました。これは少なくとも過去自分が乗ってきた中で史上初であり、広告業界もとうとうここまで来たかという感があります。
 山手線以外であれば、車内広告が埋まっていないことは過去、っていうか10年くらい前の段階でも目撃しています。しかし利用者数で抜群の運送力を誇る山手線で車内広告が埋まっていないのは前述の通り初めてで、スポンサーがここまでつかない時代を自分の代で見ることになるとは予想もしていませんでした。

 車内広告が激減した理由は大きく分けて二つあり、一つはスポンサーの広告出稿意欲が下がっていること、二つ目はスマホの浸透によるものでしょう。かつてと比べ新聞やテレビ広告も大きく市場が縮小しており、看板をはじめとする実体広告に至っては言わずもがなです。その代わり浸透してきているのがスマホを中心としたWeb広告であり、特に電車内においてはかつてはただ風景を眺めるしかなかった空間が、スマホによってオンデマンドでニュースやサイトを閲覧することができ、視線的には車内広告よりもWeb広告に目が行くようになっています。

 実際どれだけの売り上げなのかはやや図りかねますが、この車内広告の激減は鉄道会社にとってもかなりの痛手になるのではないかと思います。その痛手はどこで補填するのか、乗車料金に反映されるのかという話にもなってくるだけに、果たしてこの現状は利用者にとってもいいことなのかとやや思案に暮れるところもあります。特に地方鉄道に至ってはただでさえ存続が危ぶまれる状態に陥っており、広告のあるなしは生き死にをも左右するのではないかと思います。

 なお山手線に関しては全部は埋まってはいないものの、一応8割がたは埋まっています。とはいえかつて中吊り広告の主役といった週刊誌の広告はかつてと比べると少なく、それも両面ではなく片面だけというパターンも多いだけに、実質的には往年と比べ5割くらい全体広告収入が落ちているのではないかとみています。
 一方、山手線以外の路線に至ってはほぼ全部自社広告という車両が目立つ、っていうかほとんどです。かえってローカル線のほうが地元の病院とかが広告出してて多いように感じるほどですが、たぶんこのままいくと車内広告は病院か人材会社の二択になっていくのではないかと予想しています。

2023年11月5日日曜日

日本で一番気になったのは飲料

 今週中にはまた上海に戻る予定ですが、知人から頼まれたお土産品をどう持ち帰るかで悩んでいます。以前友人にも言われたけど運び屋ともはや変わらない(;´・ω・)
 話は本題ですが物価高騰がこのところ取り上げられる日本において、今回一番気になったのは飲料でした。

 基本的に円安の恩恵を受けるため毎日セブン銀行で人民元をせかせか1日10万円を課金し続けるためコンビニで売られている飲料を観察していますが、100%果汁飲料の値段が明確に高騰したなと最初に感じました。かつてはそれこそ1パック100円程度とほぼ最安値だったのが現在はどの店も180円前後、しかも量も400mlなどと抑えられて売られており、生鮮品の価格が高騰しているのだなと感じさせられます。
 なお中国では以前から100%果汁飲料のほうがコーラなどの清涼飲料より高く、「日本では逆なのに……」と自分は思っていました。現在は日本も中国も果汁飲料のほうが高くなったわけで、逆に今まで何故日本では安かったのかが気になるようになっています。

 次に未定的になった点として、取り扱われる飲料の種類がかつてと比べて大きく変わっている気がします。箇条書きで挙げると以下の通りです。

・お茶系飲料が増えている
・味付きサイダーが増えている
・エナドリ系が減っている

 お茶系、特に紅茶に関しては従来からあるレモン、ミルク味のほか、フルーツグレーバーの紅茶飲料が依然と比べ急激に増えた感があります。BOSSブランドもかつては缶コーヒーだけだったのに今や紅茶でも展開されてて、しかもよくわからないフルーツフレーバーで売られており、なんというかBOSSのブランドイメージがよくわからない方向に来ている気がします。
 そうした紅茶系飲料と同様に、炭酸飲料もなんかグレープ味のサイダーなど味付きサイダーがやたら増えた気がします。所詮はサイダーなので買って飲んでみてもやはりサイダーに過ぎず、あまり飲んでて満足度は高くありません。

 以上二つの動きを見ていると何となくコスト削減のため取扱品種を少なくしつつ、既存飲料をフレーバーだけ替えて種類を多く見せようという戦略なのかなと類推しています。ただかつてと比べると明確に飲料の種類が減っているように思え、数日間コンビニに通うともうこれはと思う飲料がなくなり、選択の幅が狭まっている感が強くあります。

 そんな飲料種類の縮小のあおりを最も受けていると思うのが、モンスターをはじめとするエナドリ系です。自販機などを当たればオロナミンCやデカビタCなど定番商品を見つけますが、何故かコンビニではこれらのエナドリ系がおいておらず、最初はもうこれら商品がなくなったのではないかと勘違いしました。

 以上の通りでオチらしいオチもないですが、たかが1年とはいえ店頭における飲料のラインナップがかなり変わってきていることに驚きを覚えています。中国なんかだと300~400円くらいするややプレミアムな飲料もコンビニで置いてあるのですが、日本ではそう言った商品が少なく、正直言って中国の日系コンビニ以上の商品幅が今や狭くなっているとすら感じます。これがいいことか、悪いことかはやや判断しづらいですが。

2023年11月3日金曜日

欲しいものがなくなった社会

 相変わらず日本滞在中ですが、円安の恩恵を受け毎日人民元を日本円に交換しては日本の銀行口座に移したり、無駄に買い物したりしています。中でも、去年にドスパラでTHIRD WAVEというノーパソを購入したにもかかわらず、新三郷のららぽーとに入っているエディオンでやたら安く売られていたNEC LAVIE N1570というノーパソをまた買ってしまいました。
 まぁTHIRD WAVEに関してはちょうど近くにノーパソ壊れたって友人がいたので、彼に譲ることを決めてからN1570を購入しましたけど。

 N1570のレビューとして書くと、使わないけどDVDロムが搭載されていたり、天板がやたら分厚くてボディサイズがやや大きかったりしますが、THIRD WAVE唯一の欠点であったスピーカーに関しては非常にいいというか普通の音を奏でてくれるので、もうこれで外付けスピーカーをつける必要はなくなりました。一方、THIRD WAVEと比べるとUSBポートの数が少なく、持ち運び時にもつけるマウスなどを考慮してUSBハブをどのように配置するかで少し悩みましたが、こちらに関しては拡張ハブをつけることですぐどうにかなり、製品全体の満足度は非常に高いです。
 こうしてブログを打っている間も、モニターの質が良くなっているのか前より若干見やすくなっている気がします。

 このN1570は約15万円で購入しており、自分にとって決して小さくない金額ですが、こと買い物に関してはノーパソの購入、選定が唯一の楽しみといっていいくらい自分の中では消費順位の高い代物であるため、今回は友人に既存ノーパソを譲るという背景(=口実)があったこともあり、思い切って1年で買い替えることにしました。贅沢といえば贅沢ですが、その一方でこうした「あれ欲しい!」的な物欲をきちんと持つことも重要だと思ったのも、今回の購入理由の一つです。

 この物欲というか「欲しいもの」に対する概念については、実はかなり以前から普段の生活の中でよく観察しています。古くは2012年に自分が起業を準備していた際、市場で需要の高い製品とは何ぞやと調べていく過程で成人男性における「欲しいもの」が非常に少ないという点に気が付きました。
 女性であればブランド品や化粧品など数多あるものの、男性に関しては90年代くらいならば車が上がってきましたが、2012年の段階において明確に大多数の男性が購入を希望する製品がほぼ見当たらい程無欲な社会になっていました。

 なお2012年当時の中国においてはまだ高級カメラなどを欲しがる男性もいたものの、このところは中国人男性も明確に欲しがるものがなくなってきており、以前知り合いに尋ねたところその知り合いも「俺は何が欲しいんだろうか?(´・ω・)」と頭を抱えてました。

 話を戻すと、比較的製品を買い満ちている現代において男性がそれこそ借金してまでも欲しがる商品というものは非常に少なくなってきています。かくいう私自身も同じ口で、買いたくてしょうがないと思う商品とくれば上記のノーパソを除くと、2019年に日本で買ってきたメタリック不動明王像(ブルー)が最後だった気がします。
 このように欲しがるものがなくなったのは自分が安定した収入を得ていて、なおかつ借金もなく欲しいものをある程度自由に購入できるようになったということに尽きます。もちろん、高級ダイヤなどの高額な嗜好品を欲しがらないという元々の性格もあるでしょうが、恐らく私以外に日本、中国の成人男性はかつてと比べると欲しいものがないというか物欲が極端に落ちてきているという気がします。でもってそうした物欲のない状態は、社会全体にとってはあまり好ましくないという自覚があります。

 単純に物欲というか消費意欲があって頻繁に購入行為が行われれば、経済にとっては間違いなくプラスです。また流行商品など一定層がほぼ確実に購入する商品が生まれれば、単純にその商品だけでなくその付属、派生商品(カメラにおけるレンズなど)にも消費が生まれ、好循環がさらに期待できます。
 ただそうした経済への寄与以上に、やはり物欲が一程度ある状態のほうが人間としてやる気が出るというか、生活に張りが出るような気がします。自分も中学生くらいの頃なんか欲しいゲームがあって、まだ買っていないそのゲームの購入に向けお金をためたり、情報をかき集めたり、安い店を探したりしている間は単純に楽しかったです。しかし近年はそうした商品に恋い焦がれることもなく、物欲がありすぎても問題ですが、なさ過ぎてもまた問題だなという毎日を送っています。

 先ほど自分に物欲がなくなった原因としてほしいものはある程度買い揃えてしまっていると書きましたが、それ以上に大きいと思う原因として、商品のプロモーションが以前より悪くなっているのも原因であるような気がします。さらに追いかけると、魅力ある商品を世の中というか企業が作れなくなってきているのもある気がします。やや他人に責任を押し付けているような気がしますが、「金があるならぜひ買いたい!」と思わせる商品を作ることが社会の活性化につながると思うので、各メーカー関係者に置かれてはその辺で奮起してもらいたいものです。

 なおもう一つ、そもそも日本にいないし免許はAT限定のくせして、ルノー・アルピーヌA110という車はその前身となった車のプラモを作って以来、一人で恋焦がれています。何気にさっき柏のルノーのディーラ店前を通ったらまさにそのA110が展示してあって、実物を生で見たのは初めてだっただけにかなり興奮しています(;゚∀゚)=3ハァハァ

2023年11月1日水曜日

岸田政権への同情

 いろいろ意見はあるでしょうが、今現在において私は割と岸田政権を支持する立場に回っています。以前はかなり口汚く批判してたりもしましたが、かねてから述べているように今現在の日本は誰も信じないけど非常に好景気であるように思え、株価も高水準を維持し、その他のマクロ指標も一般的に良好といえる値にあると思います。にもかかわらず増税路線を掲げていることもあってか現在岸田政権は批判にさらされており、一部メディアでは与党内からも批判の声が出ていると聞きます。

 一体何故岸田政権が批判されるのかというと、やはり物価が上昇しているのに対し賃金が上昇していないことから、日本人が好景気の実感が湧かないということに尽きるでしょう。私自身は日本で税金を払っておらず、それどころかこのところの円安の恩恵を直撃している立場もあるでしょうが、基本的には賃金以上に雇用を見て景況を判断しており、そうした立場から日本は今好景気にあると判断しています。
 また賃金が上がらないとは言うものの、街中におけるアルバイトの募集時給は明らかにこれまで以前より上がっており、都内でも1200円が最低基準くらいとなっています。また先日訪れた関西地域でも1000円以上で募集されており、都内と比べると一段下がるものの、自分がかつて学生だった20年くらい前は800円程度だったことを考えると大分上がってきているなと感じます。賃金が上がらないというのは、ボトムを無視した意見であるように思います。

 その上で敢えて問いたいこととしては、賃金が上がってから物価が上がるという現象は起こりうるのかという点です。0%ではないでしょうが、恐らく普通の経済体ではそうした流れはほとんど起きないのではないかと思います。
 基本的にはやはり、物価が上がってから賃金が後から上がるものだと私は考えており、確かに物価が上がって賃金が上がってくるまでは生活は厳しくなるでしょうが、本当に賃金アップを目指すのであればこの過程は避けざるを得ないでしょう。また物価が上がりながらその後の政策が悪く賃金が上がってこないということも十分あり得ますが、この判断を行うにはまだ時期はそれほど長く経ってはいないと思います。

 逆にというとか隣の韓国はムンジェイン政権時代に政府主導で最低賃金を急激に引き上げましたが、その結果生活が豊かになったという話はあまり耳にしません。やはり経済規模に合わせて賃金というものは後から高まるものだと思え、賃金だけ先に引き上げても歪が生まれるだけでしょう。

 以上のような観点から、私自身は岸田政権のこのところの経済政策、並びに円安誘導政策を支持する立場にあります。また増税に関しても社会保障で税源がどうしても必要であることと、日本人が将来の不安からとはいえお金を配ってもなかなか消費しない傾向にあることを考えると、増税して無理やり国民の財布から金を抜いて政府が直接使わざるを得ない点もあるのではないかと思います。まぁ個人としては自由に使える金が多くあるほうがそりゃいいですが。

 最後にインバウンドについて昨日までまた関西地方を回ってみていましたが、東京の比ではないと感じました。奈良公園のあるお茶屋さんに至っては「このところの客の8割は外人」と語るほど外人で溢れており、都内と比べても外国人観光客の来訪による活況の度合いが桁違いにでかいと感じました。
 もっとも、京都に至っては明らかに交通手段がパンク寸前にまで追い詰められている感が半端じゃなかったですが(;´・ω・)

 以上のインバウンドはやはり円安による誘導が大きいように思え、私自身が恩恵を受ける立場にあるものの、やはり1米ドル150円くらいの水準を維持することは今の日本にとって全体としてプラスだという気がします。さすがに160円まで行くと自分も不安を感じますが、この点日銀も150円前後をベースとしているように見え、この点においても岸田政権と日銀はいい政策をとっているのではないかとみています。