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2024年4月9日火曜日

中国の失墜が招くアジアの政治経済変動

 今日も仕事少なくてのんびり……と思いきや、定時2時間前に急に仕事着て、このラスト2時間に物凄い集中力使って仕事したためか、かなり(ヽ''ω`)な状態となっています。やっぱ疲労って集中力に比例する。

 話は本題ですがこのブログは国際政治を専門に語ろうと開設したくせにこのところ一切国際政治を取り扱ってないので、ややマクロな視点でこれから数年間のアジア情勢を語ろうと思います。
 まず今後ほぼ確実に起こる想定というか前提として、経済不調による国際政治上における中国の権威失墜があります。あれこれ手をこまねいていますがそれでもかつての中国と比較して今の対応はスピード感がなく、また最も重要な不良債権処理にも取り掛かろうとしないため、最低でも2、3年間は中国は景気が悪化し続けると私は見ています。なんか最近景気は底打ちしたとか自分で言っていますが、具体的な根拠データもないし、また引き合いに出したデータはどれも統計的に破綻したものしかなく、あんな統計データを出さざるを得ないあたり中国が本当に苦しんでるのが逆によくわかります。

 この中国の失墜ですが、これがアジアに及ぼす影響は小さくないでしょう。2010年代、というよりリーマンショック以降のアジアは中国が文字通り政治、経済の中心でした。かつて日本はバブル期に欧米から「雁行型発展」という言葉で、日本を筆頭にしてアジア諸国が経済成長していくなどと分析されましたが(実際はそうはならなかったが)、2010年代は中国の経済発展が波及する形でアジア諸国、特に東南アジア諸国も経済成長すると同時に、中国から政治的圧迫を受けるようになっていきました。
 それが今回の中国の不景気によって、水を差された状態となっています。すでにタイやベトナムは中国からの受注や投資が減少し、景気が悪くなってきていると聞きます。このように中国の不景気はその恩恵を受け、経済面で中国への依存度が高かった国に対しても今後さらに波及してくとみられ、いろいろ悪影響を及ぼすと予想します。

 この際、影響をあまり受けないとみられるのがインドで、その理由は取引が少ないわけではないものの、中国への経済依存度が低いためです。ではインドが中国に代わって今後躍進していくのかというと私はそうは思わず、確かに人口からくる潜在力は高く近年の成長はBRICSと言われた時代よりも目覚ましいものの、依然としてインドは女性差別などの社会問題を抱えており、中国みたいな急成長は起こらないという風に考えています。
 その代わりと言っては何ですが、今一番アジアで気になっているのはインドネシアです。この数年間でアジアで最も経済成長していると思われるのがインドネシアで、その人口、また社会構成から考えても伸びしろはまだ余裕があるように思えます。このインドネシアが中国の不景気によってあおりを食らうのか、それとも中国への経済依存度をさらに減らしてもっと発展していくのか、この辺がアジア経済を見るうえではすごい重要になってくるような気がします。

 翻って日本ですが、日本も中国に対する経済依存度は高いものの、近年は米国主導のデカップリングに乗っかることで逆に外国からの投資を集めるような状態となっています。また日系企業も家電を筆頭に中国依存以前にそもそも産業として潰れている業界も少なくなく、最近は観光と投資と自動車で食ってきているところがあり、その自動車もかつてのレアアース問題やロックダウンを受けて他のアジア諸国への生産能力分散が進められているだけに、タイやベトナムほどには中国の不景気のあおりは受けないのではないかとやや楽観的に見ています。

 むしろ対中デカップリングの流れで近年は、台湾、韓国との棲み分けと経済連携を深めており、この環東シナ海連携が深まることでいい風が吹くのではないかとみています。ついでに書くと最近倒産件数が増えているというニュースが出ていますが、本来潰れるべき企業が賃上げや物価高の流れで潰れているように見え、むしろいい傾向だと思います。むしろ今の倍くらいの企業が潰れて産業再編が進み、安い人件費を武器に外国企業の誘致を進めれば日本のダメな経営者も一掃できてなおよくなる気がします。

 逆に中国は近年、金に物を言わせて結構強引な要求を他国に繰り返したうえ、北方のロシアを除く180度範囲で領土紛争を引き起こしているだけに、落ち目になるとヘイトをためた国からいろいろ反撃を受ける可能性があります。自分でも見ていて本当に不思議ですが中国の外交は味方よりも敵を敢えて作ろうとしている節があり、それが今後悪い意味で結果が出てくるかもしれません。
 中国としては国内需要だけでもまだまだ経済成長を達成できると考えているかもしれません。それは決して間違いではないと思いますがその方針に転換するにはあまりにも急すぎるように思え、もう少し時間をかけてやるべきところをなんか急ぎだしており、これがどう出るかがわかりません。

 そのうえで日本としては中国包囲網的な外交を行うのではなく、まずは近くの韓国、台湾との関係をより強化することが何より大事な気がします。変に東南アジアやオセアニアに手を伸ばしてもこれまでもあまり効果がありませんでしたし、むしろ戦闘機をはじめ欧州との提携の方が日本にとっても価値がある気がします。隗より始めよじゃないですが、変に大風呂敷な外交姿勢はかえって失敗しやすいだけに、手近なところから関係を強化していくことで、今後の変遷にもうまく対応できるように考えています。

2 件のコメント:

上海熊 さんのコメント...

インドは今年の総選挙で現政権が勝つでしょうから政治的安定性が生まれ、経済成長にプラスに働くと思います。


インドネシアに関してはヌサンタラへの首都移転が上手くいくかどうかが気がかりです。

花園祐 さんのコメント...

 割と今までは中国だけ見てればそれなりに負えてましたが、今後は中国以外も見ていかないとアジア情勢を掴めなくなるでしょうね。っていうかそれ以前に、日本の影響力下がってるのが問題ですが。。。