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2025年5月11日日曜日

川崎ストーカー殺人事件の論点

あまりにズサン…川崎ストーカー事件で20歳女性見殺しの神奈川県警を待ち受ける「最悪のシナリオ」(ダイヤモンド)

 素人があんまこういうのに言及するのどうかなと思って特に触れずにいましたが、ちょっとネットの反応とか見て思うところがあるため、先日発覚した川崎ストーカー殺人事件の警察の責任問題について自分の意見を残すこととします。

 事件の詳細については割愛しますが、何故事件が起きたのかに関しては「川崎だから」で若干説明がつくような気がします。同義語として、「足立区だから」、「旭川だから」、「松戸だから」も含まれます。

 冗談はさておきこの事件に関しては被害者が行方不明となりながらも神奈川県警が積極的に捜査せず、遺体発見まで白骨化にも至る数ヶ月もかかったばかりか、犯人の海外逃亡まで許しております。こうした状況から発覚当初は神奈川県警への批判も多かったものの、その後の続報で加害者は被害者にかねてからストーカー行為を繰り返していたものの、両者は何度も復縁するなどして不規則な関係が続いており、神奈川県警は明確な接近禁止措置を採ることができなかったと報じられました。
 この続報を受け一部のネット意見を見ると、確かに面倒なカップルだということで神奈川県警も対策を採れなかったのでは、被害者にも落ち度があるのでは、事件性はないというか対応したくなかったのもわかるなどというものが出て、神奈川県警にそこまで責任があるのかという反論も出始めてきました。

 結論から述べると、この事件は行方不明前後で分けて考えるべきで、その上で遺体発見に遅れた神奈川県警の落ち度は火を見るより明らかだというのが自分の見方です。

 まず遺体発見前、というより被害者が行方不明になる前までの警察の対応に関しては、仮に報じられている通り被害者と加害者が復縁を繰り返していたとすれば、事件を未然に防げなかったとはいえ警察が接近阻止措置を断固採れなかったというには一理あり、その責任を一方的に追及できるかといったら議論の余地があります。
 しかし行方不明となって以降に関しては、本人とも直接連絡が取れず、またガラス窓を切ったこれ以上ないくらい明白な侵入の形跡がありながら捜査を徹底せず、遺体発見に数ヶ月も要したというのは理解の使用がありません。一部報道によると、ガラス破片が室内にあったことから自作自演と考えた担当刑事は事件性はないと主張し、「これで事件だったら刑事を辞める」とまで啖呵を切ったそうですが、自らが無能であることを声高に主張しているに過ぎないし、その報告を真に受けた上層部もちょっと頭がおかしいとしか言いようがありません。

 また私の考えとしては、自作自演だとしても本人確認がその後もずっと取れず行方不明が続いている時点で、事態は深刻だと捉えられないというのも一般人としても感覚がやばいとしか思えません。しかもこの間、犯人の親族からも犯人が殺害したかもしれないという証言が寄せられ、前述の通り犯人も海外逃亡していたにもかかわらず数ヶ月にもわたり捜査を放置するなんて日常生活もまともに送れるか疑わしいレベルです。
 少なくとも行方不明から一週間経過した時点ですぐに動いていれば、遺体発見がここまで遅れることはなかったでしょう。

 以上をまとめると、行方不明となるまでの神奈川県警の対応というか責任に関してはまだ議論の余地が感じられるものの、行方不明以降の対応は怠慢以外この上なく、帰国してきたからよかったものの現実に犯人の逃亡というほぼ最悪の結果まで許しており、無能な関係者の処分は間違いなく必要な案件だと私には思えます。
 この事件に関して神奈川県警は内部で検証を行うとすでに発表していますが、私に言わせればそもそも検証が必要かと思うくらいその失態、サボタージュが明白な案件で、検証を行うというその行為自体が理解できないものです。むしろ関係者の処分がすでに発表、実施されていなければおかしいというレベルの失態であり、最低でも行方不明時に現場検証すら行わなかった刑事は二度と刑事事件捜査をやらせてはならないレベルの大失態でしょう。

 ただそれ以上に、上記のように行方不明の発生前後で神奈川県k寧の責任に言及する記事や意見が、少なくとも私が見た限り世に出ていないということもまた結構信じられない事態だったりします。中には前述の通りに事件前の被害者の行動を見て神奈川県警に非はないという輩まで出る始末で、この記事のように前後で論点を分けて考えられない人がまったくいないという事態の方が自分には奇妙に感じてたりします。

2 件のコメント:

  1. 神奈川県警の「ストーカー被害の相談を受けていたという認識はなかった」という主張は、被害届の取下げをした昨年の10月までなら通用する言い分だったと思います。
    今年の4月に加害者が海外に逃亡して初めて「ヤバいかも」と思ったのか、ストーカー規制法違反で令状を取って家宅捜索している点は、「ストーカー被害の相談を受けていたという認識はなかった」という県警の主張と矛盾しています。
    被害者のお父さんによる抗議活動が注目を浴びてますが、「なぜ被害者は救えなかったか」という事件前の問題に焦点がいってしまってるせいで、(少なくとも事件前の対応としては)神奈川県警だけに落ち度はないという反応を呼び起こしてしまう要因になっています。
    警察は面子を潰した人間にここまで冷酷になれるのかと、個人的には思います。相談の仕方を間違えると何もしてくれないばかりか、「対応してくれている」と(特に被害者の周りの人が)勘違いしてしまう分さらにタチが悪いです。いっそ何もしないと言ってくれた方が、最悪自力救済の手段も視野に入れて考えられるのでマシだったんじゃないでしょうか。

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    1.  組織の体面を守ろうとするだけで今後の対策とか完全後回しに見えるんですよね、今の神奈川県警は。この件に限らず放置車両など、最近警察を頼っても解決に至らない案件が増えてきているように見え、それこそ自警団でも作って運営した方がよくなる点もあるんじゃないかと思うことすらあります。
       まぁそんなの作ったら、警察は自警団をまず真っ先に取り締まろうとするでしょうが。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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