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2008年6月17日火曜日

新聞メディアを考える ~その三、新聞社とテレビ局の関係~

 まず最初に昨日の記事の続きです。日中が東シナ海のガス田開発を共同で行うとした朝日新聞の報道ですが、調べてみると産経も同様に報じていたようです。どちらにしろ現在まで政府発表はなく、その他のメディアもまだ続報を流していません。本当だったら両紙ともに大スクープと見ていいでしょう。

 そんなんで本題ですが、今日は新聞社とテレビ局の関係です。最初に言っておきますが、別に私はマスコミ業界の人間でもなんでもなく、これまでの連載記事はともかく今日はあくまで一般人の目から適当なことを言うと思いますので、そこら辺をどうか了解してください。

 以前にも少し書きましたが、日本で地上波テレビの放送免許を得る際にはニュースソースを持たなくては免許がもらえません。そのため、基本的にはどのテレビ局系列も提携している新聞社があり、株式も持ち合われているために実質同じグループ企業として扱われることが多いです。いちいち挙げなくともいいと思いますが、主なテレビ局とその提携している新聞社のリストは以下の通りです。

・テレビ朝日:朝日新聞 ・日本テレビ:読売新聞 ・フジテレビ:産経新聞
・TBS  :毎日新聞 ・テレビ東京、大阪テレビ:日経新聞

 その他地方局は地方局で地方新聞と提携していることが多いです。先に言っておくと、この中で異彩を放つのはやはりテレビ東京:日経新聞のタッグです。よく2ちゃんねるではどんな大事件が起こっても特番を放送しないといって持て囃されるテレ東ですが、ただ単にほかのテレビ局と比べて予算がなくて特番が作れないだけです。さらに言うとこの局は少ない予算でどうにか番組を作らなくてはいけないので、放送する洋画は大抵B級映画で(それがいいんだけど)、制作費がほとんど掛からないためにアニメをどんどん製作しています。皮肉な話ですが、今の日本のアニメ文化はテレ東、ひいては日経新聞によって支えられているといっても過言じゃないでしょう。

 話は本題に戻りますが、このように新聞社とテレビ局は傍目にも密接な関係にあるといえます。特に日テレと読売新聞はもはや同会社といってもいいくらいに距離が近いと言われ、しばしばその弊害が指摘されます。というのも、これは学者などが批判している点ですが、日本はこのようにメディアの違うマスコミ同士が提携しあっているため、お互いの恥を隠しあってしまうと言われています。これは特に日本で顕著だといわれる点でもあります。

 そのお互いの恥を隠すという代表的な事例を挙げると、私が覚えているのは数年前にあるテレビ局のアナウンサーが不祥事を起こした際、どのテレビ局、新聞社も事実を報道するだけにとどまり、敢えて深く追求しませんでした。これは何故かというと、どこの局にもすねに傷を抱えたアナウンサーを抱えており、深く追求しすぎるとすぐに逆襲に遭うのをお互いに恐れたためだと雑誌メディアに指摘されています。またこのような両メディア全体に限らなくとも、新聞社で起こった不祥事をその系列テレビは報じず、その逆のテレビの不祥事を系列新聞社が報じない例などたくさんあります。このように、新聞とテレビの両メディアの密接な関係に対してジャーナリズムの精神が貶められていると昔から言われています。

 しかし、私はちょっと違う見方を持っています。その一例となるのは例の「亀田事件」で、亀田大毅が内藤選手とのボクシングの試合にて反則行為を連発した試合後、ほとんどのメディアがこれまで亀田家を異様に応援してきたTBSが彼らを助長させてしまったと批判しました。するとその際、なんと系列の毎日新聞までもが、「TBSが悪い」と書き、「毎日よ、お前もか」とあちこちで言われました。
 まぁこの事件はそれほど影響が強かったといえばそれまでなのですが、実は私は世間で言われているほど新聞社とテレビ局の関係は密接ではないのではないかと思います。前にもちょっと書きましたが、規制で守られているテレビ局に比べて、新聞社は何にも守られてなく非常に経営が危うくなっているそうです。伝え聞くところによると、そんな待遇の差に結構新聞社で働く人なんかは気が気でない人もいると聞きます。

 それでも、新聞社からテレビ局、もしくはその逆で社員などはよく異動するということから、並みの会社と比べれば相当に近い関係だと言えるでしょう。
 私から言えることは、やっぱりどっちを向いても独自性がないというのは、メディアとしては致命的な気がします。テレビも新聞も、果てにはどのマスコミも同じニュースをまとめて流すのでは、そりゃみんな見やすいテレビやネットに流れるでしょう。また皮肉を言いますが、かえってこの両メディアの関係が新聞社本体の心臓に釘を刺しているんじゃないかと思います。そんなわけで、次は新聞の独自性について書こうかな。

2008年6月16日月曜日

日中ガス田共同開発のニュース

 ネットでのニュースではまだ流れておらず、細かく他紙で確認はとっていないのですが、本日の朝日新聞の夕刊にて、今週中にも日中両政府は日中国境線沿いにあるガス田の共同開発を行うことを発表すると報道されていました。もしこれが事実なら、朝日のスクープですね。

 日中ガス田問題については今月の初めに「東シナ海ガス田問題における日中の駆け引き」(http://imogayu.blogspot.com/2008/06/blog-post_02.html)の記事の中で言及していましたが、今回の結果は私にとって、非常に残念な結果だと言わざるを得ません。といっても、現首相が福田首相で、この前の胡錦濤氏の来日があった時点でこうなる事はうすうすわかっていました。
 すでに言いたいことは前回の記事にて全部書いていましたが、いざ改めて現実になると、なんとはなくかくことが見当たらないですね。それにしても、誰が喜ぶんだろうこの決定……。

2008年6月15日日曜日

新聞メディアを考える ~その二、新聞の実力~

 この連載を始めた昨日の今日で、今朝に毎日新聞が北海道地方での夕刊の配送をやめるというニュースが入ってきました。毎日は相当経営が苦しいとは聞いてはいましたが、ここまでとは思っていませんでした。

 そんなわけで、今日も前回に引き続き新聞メディアについて考察して行こうと思います。今回は新聞の実力についてです。
 現在、主要メディアとしては新聞以外にネット、テレビ、雑誌、ラジオ、マイナーどころでは無線や回覧板もありますが、そのうち新聞とネットとテレビと雑誌の四つを項目ごとに比較してみようと思います。まずは速報性ですが、それは以下の通りです。

 ・速報性
テレビ>ネット>新聞>雑誌

 恐らく、「ネットの方が速報性については早いのでは?」と考える人もおられるかと思いますが、私は確実にテレビの方が早いと思います。というのも、ネットで出回るニュースというのはすでに報道されたニュースしかありません。なぜならネット媒体は独自の取材機関がないため、ニュースを取材するテレビや新聞が報じて初めてネットにも情報が流れるので、必然的に、テレビ>ネット、となるでしょう。たとえば今回の東北地方の大地震のような大事件であろうとも、まず最初にテレビが報じてからネットも反応を示します。後の順番について、特に言及するまでもないでしょう。

 次に、取材力について比較しますが、それは以下の通りです。

 ・取材力
新聞=テレビ>雑誌>>>ネット


 ちょっとこれには悩みましたが、以上のような図になると思います。まず新聞とテレビが同じだと書きましたが、日本でテレビなどの放送免許を取得する際に、ニュースを提供する報道機関を持たなくてはなりません。この規定が日本でテレビ局と新聞社が同じマスメディアであるにも関わらず癒着を強めている原因だと非難する声が大きいのですが、これについてはまた今度考察します。ただひとまず言えることは、基本的にテレビニュースで流れる内容は仲間の新聞社から提供を受けた情報です。しかし中にはテレビ局が独自に集めた情報もあり、逆に新聞にしか載らない情報もあるので、ひとまず等号で結びました。
 その次の雑誌メディアについては、これはテレビによく出る勝谷誠彦氏が口をすっぱくしていっていますが、記者クラブに入れないのが大きく、敢えてテレビと新聞の下に置きました。記者クラブについては、ウィキペディアかなんかで調べてください。そして最後のネットについては言わずもがな、取材機関すらないので論外です。

 で、今度は娯楽性です。用はどんだけ読んでて面白いかってことで、それは以下の通りです。

 ・娯楽性
ネット≧テレビ>雑誌>新聞


 これもちょっと悩みましたが、最近テレビの視聴率がネットに食われているという話を聞くので、敢えてこの順番にしてみました。後は言うまでもなく、恐らく今の日本人にとって新聞は「お堅い」というイメージが強く、娯楽で読むなら雑誌の方が高いのではないかとして、こうしました。最近で新聞連載の小説で売れたのも、「愛の流刑地」くらいだし。なお、今回は一般紙を対象にしているため、スポーツ新聞は除外しています。あれ入れたら雑誌よりは上に行くかもね。

 次に、評論力について考えます。これはそのメディアが特定のニュースについてその内容の評価や次に起こるであろう事態を予想できるかで、ある意味メディアの心臓ともいえるべき部分です。例を出すなら、今後の国会予想とか、殺人事件の犯人探しについてなどです。

 ・評論力
雑誌>テレビ>新聞>ネット

 これは多少私の好みが入っているかもしれませんが、これくらいの順番かと思います。もちろん、批判は甘んじて受けるつもりでやってます。
 まず一位の雑誌ですが、なんだかんだ言ってこの分野ではピカ一だと思います。ほかのメディアと比べて速報性に優れないという欠点から情報を整理、分析することに特化した結果がこの長所でしょう。経済専門誌はもとより、私の愛読している文芸春秋や中央公論といった総合誌、芸能や犯罪ニュースについてあれこれ検証する写真週刊誌など、雑多な情報も多いですが状況に応じて雑誌を手に取ることがニュースを考えるのに最も良い方法だと私は思います。
 恐らくこう書くと、「新聞の社説を舐め過ぎじゃないか?」という指摘も来るかと思いますが、私がここ半年くらいで、「なるほど、こんな見方もあるのか」と思わせられたような社説にはついぞ出会えませんでした。というのも、各社揃い踏みで似たような内容ばかり、その上事態の上っ面しか書かれていないことが多く、深く内容を見通すには物足りないものばかりです。それならばテレビにて専門家の討論番組など見ている方が参考になることが多いです。ちなみに、私がよく見ているのはNHKの毎日11時半からやっている、「ニュース&スポーツ」の解説部です。単体で見るなら一番ここが参考になる情報が多いメディアです。
 ネットについて言えば確かに中にはいい評論もありますが、いかんせんその他の雑多な情報が多すぎて、要らない情報かどうかを峻別する作業を考えたら、やっぱり最低になるんじゃないかと思います。

 最後に、情報量について比較します。これも言うまでもなく、そのメディアがどれだけ情報をカバーできるかという点です。

 ・情報量
ネット>>>テレビ>新聞>雑誌


 これも、悩んだ末の順番です。まず一位のネットは言うまでもありません。グーグルで検索かけたら関連情報なんてアリのごとく出てきますし、掲示板を除けばニュースに対する反応まですぐに得られます。そしてその後の順番ですが、最近じゃ夕方のテレビニュースでもあれこれ特集するし、今回の地震の報道のようにもライブ中継を行えることを考えれば、テレビの方が新聞より情報量は上かと考えました。ま、雑誌に関して言えば、やっぱりページ数の都合もあることなので。

 以上のような感じで、比較を終えます。こうして比較してみると、まず新興メディアのネットは取材力という点では無に等しいものの、情報量ではダントツであることが目立ちます。それに対して今回槍玉に挙げている新聞はというと、取材力ではトップであるものの、ほかの分野では下位に収まっていることが多いです。雑誌も同様に評論力のみが高く、テレビは比較的どれも上位に入っているような感じです。まぁこんな感じで、次回の記事に繋げていきます。

2008年6月14日土曜日

新聞メディアを考える ~その一、新聞社の現在~

「二十代で四割」
 突然ですが、これは何の数字でしょうか。本当はもっと早くに書こうと思っていた内容のニュースなのですが、書くのになかなか決心がつかなくてずるずる延びてきていました。
 この数字の出元はGarbagenews.com(http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/06/_4_2_1.html)の記事で、そのニュースの見出しも「新聞を 読まない人は約四割 買ってる人はわずかに二割」というニュースです。もっとも、私が発見したのは毎度ながらYAHOOニュースからですが。

 多少批判がくることを覚悟で、今日からしばらく新聞メディアについて考える記事を連載して行こう思います。私自身、新聞社に対して多少因縁がありやや感情的な表現が強くなるかもしれませんが、そういったことも考慮に入れて読んでいただければ幸いです。
 まず最初に私の立場を表明しますが、私はやはり、新聞メディアはかつてホリエモンが言ったように、死ぬメディアだと思います。経営方法はもとより、時代に取り残されてしまったメディアだと思います。

 それではまず、最初にあげたニュースの中身から説明します。このニュースで示された数字はgooリサーチと毎日新聞が共同で行った調査で、それによると二十代で新聞をそもそも読まないと答えた人は四割を超え、定期購読をしている人は二割しかいなかったということです。ただ前者はともかく後者は語弊があり、リンクに張ったサイトでも説明されていますが、定期購読している数字の中に、家族が購読しているから自分は購読していないという回答の数字は入っていません。この家族が購読しているという率は三割なので、実数的には二十代の五割が、毎朝新聞が届けられる環境にいるということです。

 まぁこんなことを言いだしたらこの調査自体、ネットでアンケートとっただけの調査なので非常に信用度が低いのですが、傾向としてはこの数字は当てはまると思います。というのも、ここ数年の間にどこの新聞社でも発行部数は落ちており、特に若者が購読しなくなったったというのはよく言われています。実際に私の周りでも新聞を購読しているという人は少ないですし、毎日きちんと読む人もあまりいません。それに対して、毎日ネットのニュースやブログを読む人はいくらでもいますが。

 こうした若者の新聞離れはかねてより、「ネットやテレビが原因だ」と言われ続けていましたが、この意見に間違いはないと思います。噂によると、新聞社側の人間からYAHOOニュースを始めとした無料でニュース記事を紹介するコンテンツは激しく憎悪されていると言われますが、それもそうだろうと思います。やはり、ニュースをどこで見るかと聞いたら、大抵の人がテレビかニュースが現代では挙げられます

 そしてそれに拍車をかけるかのように、新聞社の経営もどこもよくないという話があちこちから漏れ聞こえてきます。ただでさえ購読料が下げ続けているのに、広告料も最近じゃ新聞では効果がないと言われ始め、テレビやネットの方が主戦場となってきています。ひどいところなんて広告や購読料を合算した、新聞販売としての事業はすでに赤字となっており、会社が所有する不動産収入の黒字で会社を支えているという新聞社さえあると言われています。

 よく巷では、日本のメディアは規制に守られていると考える人が多いのですが、マスコミ関係に勤務するある知人の話のよると、確かにテレビメディアは守られているが新聞メディアはそうでもない、と言っていました。それでも私は新聞メディアは他の業界に比べて守られている気がしますが、現状では非常に経営が危うくなっているのも事実のようです。

 ひとまず、今日は導入なのでこの辺にしておきます。正直なところ、書いていて私自身が非常に神経を使います。断片的な情報がたくさんあって、それをきちんとまとめなおさないといけないのが原因だと思います。
 最後に書いておきますが、私自身はうちで購読している朝日新聞を毎日読んでおり、結構コアな新聞読者だと思っています。そして新聞メディアがこのような経営が苦しいという現状に対して残念な思いがする一方、時代の潮流を考えたらそれが自然の成り行きかもと考えています。だからこれほど悩みながらこんな記事を書いているんだと思いますが、いろいろ新聞メディア批評がある中で、私が納得する分析がないために頑張って書くことにしました。

暑い時の服装について

 今日は先日に寒冷前線が通過したこと、あったかい空気がのったことで日中は気温が高くなりました。まぁだからというわけではなくこのところ休日では毎日ですが、私は今日も丈の短いズボン、ハーフパンツというのかな、それを穿いていました。しかも自転車に乗るもんだから普通に靴下履いて、靴も履いて外に出ています。
 そんな私の格好に対する周りの目ですが、自意識過剰かもしれないけどやっぱり結構見られている気がします。小学生ならいざ知らず、さすがに二十歳を超えてこんな格好をしているのは自分以外じゃほとんど見ません。同じ年代の周りの人間は大抵が暑かろうが寒かろうが、長ズボンを穿いて休日を過ごしています。

 ではなぜ私がこんな格好をするかというと、単純に言って暑いからという理由以外ありません。暑いんだから長ズボン穿くより、こうしたハーフパンツを穿いたほうが涼しいに決まっているから穿いています。しかし、必ずしも昔からこうだったというわけではありません。さすがに色気づき始めた中学生くらいの頃は真夏でも周りを気にして長ズボンを穿いていました。

 私がハーフパンツを穿くようになったきっかけとなったのは高校生の頃、アメリカに渡った時の経験からです。ちょうど向こうに行っていたのは八月の真夏の頃で、当時は向こうでも結構暑かったです。それで向こうの人の格好はというと、おっさんだろうがきれいな姉さんだろうが、今の私のように丈の短いズボンや短パンを穿いていました。それを見て当時の私は思いました。
「なんで暑いのに今まで長ズボン穿いていたんだろう。周りに合わせるとか、恥ずかしいとか、暑さを和らげる格好を妨げる理由にならないじゃないか。何で好き好んで日本人は暑がる格好をしてるんだろう」
 そう思ったのが運のつきというか、それ以降毎年大体この時期あたりから、服装の自由が利く限りハーフパンツを穿いて歩き回っています。一時期なんかそんな私の格好があまりにも周りに定着したもんだから、「短パンの花園」というあだ名までついたことがあります。気のいい友人なんか、脚線美がいいよと誉めてもくれました。

 ただ真夏に観光地なんかに行くと、観光に来ている外国人って言うのは決まって丈の短い物を穿いています。一回時間かけて通りをみていたことがありましたが、一番丈の短い物を穿いていたのは外国人のおっさんで、日本人女性のミニスカート以上でした。私の目からすると、本来、夏場って言うのはああいう格好をすべきだと思います。

 最近は環境問題がとみにうるさくなってきていますが、よく長ズボンを穿いておきながら、「冷房の設定温度を上げよう」という人を見ると胡散臭く感じます。なにも冷房を使わずとも、服装から変えた方が絶対に効率的だと思うのに。そんなわけで、また明日もハーフパンツ穿いて街に繰り出して行こうと思います。

2008年6月13日金曜日

北朝鮮拉致問題のニュースについて

 本日政府は、先日まで北京で行われた日朝会談の報告を行いました。すでに昨日の段階で、「一定の成果アリ」を匂わせていましたが、今日明らかになったその内容というのも、

・よど号ハイジャック犯の引渡し
・北朝鮮が拉致問題の調査を再開する
・北朝鮮への日本の経済制裁を一部緩和する

 の三つが主な内容でした。結論から言うと、わざわざ自慢して言うような内容では全くありません。案の定というか、拉致家族の会もこの会談の結果を評価していないようです。

 まずよど号ハイジャック犯の引渡しについてですが、恐らく政府はこれから、「連中は拉致事件にかかわっているから、日本に連れてこさせればその内容について白状し、内実が明らかになる」というでしょうが、私が思うに現段階で彼らから新たな情報が手に入る可能性は限りなくないでしょう。
 確かに、連中が拉致事件にかかわっていたのは真実です。しかしすでに一部の拉致帰還者もおりますし、また拉致問題が見直される発端となった、すでに日本に帰国しているハイジャック犯の元日本人妻が内実を明らかにしていることを考えると、彼らから新たにもたらされる情報はもう何もないでしょう。
 さらに個人的に言わせてもらうと、私はあのハイジャック犯らにもう二度と日本の土は踏ませたくはありません。日本を改革する、良くする為に北朝鮮に渡ったと言っておきながら、連中がやってたことは何の罪もない日本人の拉致だけです。このまま北朝鮮の凍れる凍土の中に骨を埋めてしまえばいいと思います。

 少し話が長くなりましたが、残りの二つの点についてです。また北朝鮮が拉致問題の調査を再開するといいますが、こんな話を信じる人間なぞ誰もいないでしょう。かつて横田めぐみさんの遺骨だと言って全く別人の骨を送ってくるような連中です。恐らく今回も、「調査はしたがもう何も出てこなかった」といわれてはいお終いでしょう。にもかかわらず、安易に経済封鎖を解除するなど以っての外です。
 この点に関する政府の言い訳は多分、「今まで何も話ができなかった北朝鮮と交渉についただけでも前進だ」でしょうが、前進も何も足踏みです。ではなぜ今回政府が足踏みをしたか、単純に外交でポイント稼いで、支持率を下げ止めたいからでしょう。できるならこれを奇貨として一般世論としても政府を非難するべきだと思います。今回の外交もだめだめです。
 ちなみに、前首相の安倍氏は、「北朝鮮に妥協するな!」と、もう吠えたらしいです。もう、内弁慶なんだから。

2008年6月11日水曜日

首相問責決議案可決について

 本日参議院にて提出された首相問責決議案が民主党を筆頭とした野党によって可決されました。与党の自民党側では、衆議院ならいざ知らず参議院では法的拘束力がないとして、静観する構えを見せております。

 この問責決議案が可決されたことについて、世論も思っていた以上に反応を示しませんでした。ニュースでも相変わらず秋葉原での通り魔事件をトップニュースに持って来ましたし、政界もこれと言って新たな動きを見せていません。
 私が思うに、今回民主党が問責決議案を出したのは焦りの現われとも取れるでしょう。四月頃はそれこそ後期高齢者保険制度など与党を攻める材料がたくさんあったものの、ここ数日はこれというものもなく、ニュースも国会の会期中にもかかわらず幾分報道が少なかった気もします。このままでは今月末の国会閉会まで逃げられてしまい民主党もまた埋もれてしまうのでは、そのような焦りから再び耳目を集めるために打ったのが今回の問責決議案でしょうが、狙いどころと気持ちはわかるのですが、生憎と世間は無関心なままでした。

 逆を言えば、当初でこそ散々叩かれたものの、福田政権はここまでよく持ちこたえたと言えます。これが安部氏だったら、多分また病院に担ぎ込まれてたんじゃないかな。さすがに海上自衛隊の艦船と漁師船が衝突した事件が起きた際は白髪が一気に増え、憔悴した表情を浮かべていましたが、何とか当初の予定通りにサミットまでは持ちこたえて見せました。
 とはいえ、今後の政権運営も安定とは言いがたいでしょう。水面下では麻生氏がポスト福田を狙いすぎて、おとといに森、青木の両重鎮に釘を刺されましたし、元首相の小泉氏も着々と動いております。

 ここで簡単に現在の政界構図をまとめておきます。

1、新右翼派(ジャパンネオコン)
 安部前首相、麻生、与謝野、中川昭一、中川秀直(+鳩山邦夫?)
2、新自由派(ネオリベラリズム)
 小泉元首相、前原誠二、小池百合子、小泉チルドレン(+山本一太、武部?)
3、旧自民党派(オールドコンサベーティブ)
 福田現首相、小沢、谷垣、森、青木、古賀、国民新党、

 といったところでしょうか。言うまでもなく現時点で一番力があるのは三番目の旧自民党派です。私が見る限り恐らく、福田首相と小沢氏はまだ連立をあきらめてはいないと思います。しかし国民の支持というのなら、旧自民党派が道路問題などで嫌われているのもあり、一番目の新右翼派が最も支持が厚いでしょう。この連中は前回苦渋をなめたものの、次の総裁選では麻生氏を出して国民の支持を背景に形勢挽回を狙っていると思いますが、それすらも逆追い落とす可能性があるのは二番目の新自由派でしょう。未だに小泉元首相の影響力は強く、また小泉チルドレンを抱えている事を考えると、未だ派閥として表出していないものの、現れたら一気に国民の支持とともにイニシアチブを掻っ攫っていく可能性が高いと言えます。ちなみに、小泉氏の意中の後継者はまず間違いなく民主党の前原誠二氏でしょう。小池百合子氏はかつての田中真紀子程度にしか思っていないかもしれません。

 もしかしたら、なぜ新右翼派と新自由派が一緒じゃないのかと思う人がおられるかもしれませんが、この二つの勢力は政策的に大きな隔たりがあり、かつては同じ道を歩んだものの、もう共に手を携える事はないと思います。というのも、新右翼派はなんだかんだ言って「大きな政府」を目指しています。防衛庁の省への格上げもそのひとつですし、麻生氏を筆頭とするグループは旧自民党派ほどではないにしろ増税を考えているとも言われております。それに対して新自由派はやはり「小さな政府」を標榜しており、特に小泉氏は安部政権にて自分の行った改革を逆行するような政策(大きな政府寄りの政策)が取られた事に激怒していると言われ、さらにそれに輪をかけたような政策を採りかねない麻生氏に対し、穏やかならぬ気持ちを抱いていると報道されています。

 今後の政界を占うのならば、やはり主役となるのはこれら自民党の面々でしょう。この自民党内の争いの方が傍目にも面白いので、やっぱり小沢氏は連立話がこない限り、主役にはならないんじゃないかと思います。
 久々にまとまった政治記事書いたなぁ。