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2011年11月26日土曜日

中国バブル崩壊を喜んで報じる日系メディア

 前回記事で私は、経済記事というのは景気のいい話より悪い話のが書きやすく、読者も記者も少なからず景気の悪い話を追おうとする傾向があるのではと言及しました。その上で私は、それが真実ならまだしも景気がいい状態が続いているにもかかわらず敢えて悪いように報じるメディアがあると指摘し、その代表格として根拠もなく中国経済崩壊論を日系メディアはやたら報じたがる傾向があるのではと主張しました。そこで今回はあちこちで叫ばれている中国経済崩壊論を一つ一つ取り上げて、それが実態からかけ離れた報道であるとあくまで私が感じる根拠を紹介していこうかと思います。

1、上海で住宅価格が下落を始めた→住宅バブル崩壊がとうとう始まった
 今現在で一番多い中国バブル崩壊論はこれですが、真面目にこのように書く記者は今からでも遅くはないのだし、もう一回大学に入りなおした方がいいのではないかと私は思います。
 まず現況から説明しますが、上海をはじめとして北京、天津といった一級都市では今年8月くらいから確かに新築住宅価格が下がり始めております。また上海市に限れば確か4月くらいから中古住宅価格も下がっております。そういう意味では最初の「住宅価格が下落を始めた」というのは間違いではありませんが、それが即バブル崩壊につながると考えるのは愚の極みとしか言いようがありません。仮にその通りであれば、日本もリーマンショック以降は住宅価格が下がっていることをバブル崩壊と言えるのでしょうか。

 この住宅価格下落は何が見極めのポイントなのかというと、これが意図した下落なのか意図していない下落なのかです。結論を言えばこれは意図した下落であって、加熱する景気の引き締めを図るために中国政府は3月の全人代以降、あの手この手で住宅価格の上昇に歯止めをかけようと方策を打っております。一番代表的なのは「保障房」という低所得者向け公営住宅の建築で、具体的な金額は忘れましたが現在中国全土で建築が進められており、不動産業界ではこの住宅の公募価格と購入資格者(年収に上限が定められている)の人口がどれくらいになるのかで新築住宅相場の綱引きが行われております。
 このほかの抑制策としては、・特段の理由のない2軒目以上の住宅購入の禁止・外部戸籍者の住宅購入に条件を設ける・購入後、一定期間の転売の禁止などがあちこちで設けられています。

 そもそも何故中国政府は住宅価格を下落させようとするのかですが、単純に高所得者が居住目的ではなく投資目的として住宅を購入するケースが増えており、低所得者が居住目的に買おうと思っても買えないという社会問題の発生に加え、実態からかけ離れた価格上昇が続いているからです。言ってしまえばこれを放置して実態から大きくかけ離れたところまで高騰し、後になって抑制をかけようとして急落させての業界も巻き込んで大混乱となったのが日本のバブル崩壊です。そういう意味では中国が今現在に実施している住宅価格の抑制というのは、日本がやるべきだったにもかかわらずやらなかったことをやっているということにほかならず、経済原則からみてもなんらおかしなことではありません。そういう意図をもって下落を誘導しているのであって、やろうと思えばまた上昇に転じさせることなぞ造作もないでしょう。今やっている制限を取っ払えばいいだけの話ですし。

 むしろ逆に、住宅価格が高騰し続けることの方が中国経済にとっては危険です。今現在ですら実態需要以上の価格で取引されていることが多く、放置すればそれこそ日本のバブル崩壊の二の枚を演じるだけに気が抜けない状態です。あと最後にもう一つ付け加えておくと、確かに住宅価格は北京や上海では下がっているものの、オフィスビルの賃料は高騰が続いています。これをどう解くかはそれこそ住宅価格だけを挙げつらって「中国経済はもう終わりだヽ(゚∀゚)ノ」と叫ぶ記者に直接聞いてみたいのですが解答を書いてしまうと、購入制限のかかっている住宅では下落に転じたものの、未だに不動産投資の過熱は続いているということです。まぁ外資企業の進出が続いているなど需要が依然高いことも背景にはありますが。
 あとさらにもう一つ付け加えると、北京や上海といった1級都市では住宅価格の下落が起こってますが、地方都市ではまだ高騰が続いています。政府もこの点を考慮しており、8月には2級都市でも住宅抑制策が実施され始めるなど対策が急がれています。まだまだ引き締めに気が抜けないってことです。

2、自動車販売台数の伸び幅が落ちてきた→バブル崩壊だ!
 これはもう名指しで批判すると、日経新聞です。
 今年4月の中国の自動車販売台数は前年同月比0.3%減と約2年ぶりにマイナスに転じたのですが、この情報が出るや日経新聞は「それ見たことか('∀`) 」とばかりに中国経済に陰りが見えてきたなど徹底的にこき下ろす記事を書いてきました。ただ実はこの統計には裏があって、日経新聞内では誰も執筆した記者にそれを教えてあげなかったんだなと社内で同情論が出ていました。

 その「統計の裏」というのも、昨年に中国政府が実施していた自動車購入補助策です。日本で実施していたのと同様に、中国でも昨年は低燃費車を対象に一部代金を国が肩代わりする自動車購入補助が実施されて販売台数が爆発的に増加していっていました。ただこの補助策は今年になって打ち切られており、ある意味では減少に転じたのはごく自然な成り行きで、むしろ0.3%の微減にとどまっている事に注目すべきだったでしょう。日本なんてエコカー減税、エコポイントが終わるやすぐに大幅なマイナスに転じ、地デジ切り替え後のテレビの販売台数も急減したのに。
 ちなみにその後の自動車販売台数の推移ですが、5月も前年同月比でマイナスとなりましたが6月からはまた増加に転じており、1~10月期では3.2%増となっていて多分今年は年間でもプラスで終わるでしょう。さらに販売台数の内訳をみると、購入補助の対象だったコンパクトカーでは落ち込みが激しいものの中~高級セダンの売り上げは増加が続いております。利幅で言えば後者のが大きいに決まっております。日系メーカーの中ではトヨタ、ホンダのシェアがこのところ落ちていますが、唯一日産だけが伸びが続いております。この背景には中~高級セダンと高級SUVの分野で日産のラインナップが強いからではないかと私は見ています。

3、日本からの建機の輸入が大幅に減ってきた→バブルが終わった!
 建機というのはクレーンやシャベルカーといった建設に使う重機のことですが、今年に入って日本から中国への建機輸出が大幅に減ってきております。分析の仕方によってはこれまで北京オリンピック、上海万博といった大型イベントが終わって公共工事が減ってきているのではないかと見ることもできて極端に的外れではないものの、実態的にはこうした見方はやはり間違っているのではないかと私は見ています。では何故減っているのかというと、単純に中国が建機を輸入するまでもなく、自分たちでいくらでも作れるようになったからです。

 あまり日系メディアで見ることはありませんが、三一重工や徐工機械といった中国系建機メーカーらはかなり力をつけてきております。精密な動作や特殊な用途に用いられる建機であればまだ日系メーカーにも分がありますが、一般的な建機においては中国メーカー製と比べてもはや技術力にほとんど差がないと言われております。その上で価格を加味すると中国製の方が競争力が高いと外国メディアも報じており、私自身もそう思っております。
 ちなみに上記2社ですが、中国にとどまらず南米や中東地域にも旺盛に進出しており、海外工場もびっくりするくらい持ってたりします。あまり日本からは注目されない企業ですが名前を覚えておいても損はない気がします。

 そんなわけで建機輸入量が落ちているからと言って中国経済が弱っているわけではないとはっきり言えるのですが、公共工事についてはちょっと暗雲が垂れ込めているのは事実です。というのも先の国家イベントが終わって急激な落ち込みが中国でも予想されていましたが、そのテコ入れとして中国政府は高速鉄道の開発で補おうとしていました。事実今年の前半まではとんでもない額が投入されていたのですが7月に温州で起きた高速鉄道事故以降は一転して開発投資に急ブレーキがかかり、予定していた工事が始められず受注していた建設業者らの間でお金が回らなくなってきていると報じられております。政府としてはこれを機に今まで関東軍のように振る舞っていた鉄道部を叩く算段でしょうから、もうしばらくは混乱が続くとみております。

2011年11月24日木曜日

記事書く側から見た景気のいい話、悪い話

 日々いろんなニュースが世の中を出回っていますが、経済ニュースにおいては大別して景気がいいか悪いかの二つにほぼ分かれます。今の日本だとほとんどが景気の悪いニュースばかりで、どこそこが売り上げ落ちただの不正が発覚しただのと、前にも書きましたが第3四半期でGDPが成長に転じたことなど小さく扱われたあたりやはりマイナスイメージのニュースが求められているのではないか疑いたくなるほど溢れてます。
 そんな経済ニュースですが、実は書く側すると景気の悪い話の方が景気のいい話より圧倒的に書きやすいです

 ひとつ例を持ってくると、たとえば利益が10年くらい連続で増え続けている会社の業績記事を書くとなると「どうして利益が拡大しているのか」という理由が記事に必ず必要になってきます。しかし1年目ならまだしも10年も利益が増えてるってんなら単純に経営がしっかりしていることとその会社が属す市場が拡大しているとしか言いようがなく、「大胆なリストラ策が功を奏した」とか「新商品がヒットした」とか書くにしても「じゃあ毎年リストラして、ヒット商品を出しているのか?」と言われると結構返答に困ってしまいます。場合によっては今の中国みたいに、何もしなくたって市場が拡大することで売上や利益も増えていく、まさに理由なんて何もない拡大ということもありうるわけだし。
 逆に景気の悪い話だとすると、もっともらしいというのはなんですが「ダメになった理由」というものはいくらでも書くことができます。たとえば今だったら「欧州の債務危機云々~」とか「消費者の嗜好が離れていった」とか、具体的な確証がなくともそれとなく読んでいる人間を納得させる理由はいくらでもつけることができます。

 自分がこの点に気づくようになったのは香港に来てからで、上海で記事を書いていた際は上り調子の中国なだけあって自動車会社の販売台数がまた今月も30%以上伸びたとか入場客数が前年越えだとか、そりゃ国全体でGDP上がっているんだから自然な現象だねとしか言いようのない記事を前にいつも文字数を埋めるのに苦心していました。
 それがこっちの香港に来てからというもの、これまでシェアトップだった企業が外資企業の参入を受けて低落したとか、積極的な店舗拡大策が裏目に出て差益率が急減したなど、記事を書いてて文字数がオーバーするほど書き足りなくなるニュースばかりで非常に仕事を進める上で楽です。なんていうか、翻訳元の記事で解説しているアナリストたちも景気のいい話と比べて饒舌な気がするし。

 ただこういったことは、何も記事を書く側だけでなく読む側も一緒なのではないかとにらんでおります。冒頭でも書きましたが今の日本の経済ニュースはどちらかと言えば景気の悪い話が多く、また私一個人としても「なんでダメになったのか」という記事の方が読んでて面白く感じるところがあります。最近だと一番読んでてスカッとするのは大王製紙がらみですが、こことオリンパスのニュースが連日報道されているのを見るとほかの人もそうなんじゃないかという気がします。

 こうしたことを踏まえて言うと、やはり成功した理由より失敗した理由の方が特定する上では簡単なのかもしれません。それ故に自分もないとは言い切れませんが、景気のいい話より悪い話の方を敢えて追って報道しようとする傾向がマスコミにあるように思えます。仮にそうやって報じる内容が真に景気の悪い話であれば多かろうが少なかろうが問題ありませんが、このところちょっと問題だと思う報道で、景気がいい話にも関わらず敢えて景気が悪いように報じる報道がすこし目につくようになってきています。この手で一番代表的なのは中国経済の報道ですが、この点についてはまた次回に解説します。

2011年11月23日水曜日

スランプ継続中(;´д`)

 読んでてわかると思いますが、この一週間の自分のブログを見るだにぞっとするほど文章が荒れてて、スランプがかなり長いこと続いております。ここまで深刻なのも久しぶりだ……。
 スランプの原因については思い当たる理由だけでも色々あって、会社で書いている記事と文体を分けないといけないのに最近整合性が取りづらくなっていることとか、最近あまり勉強してなくて書く内容に鋭さがなくなっているとかありますが、それらを差し置いて一番大きな問題となっているのは公私ともにこのところの生活が順調で不満とかそういった類を一切持っていないということだと思います。

 この頃の私の近況ですが、仕事時間は昨日も夜にイベントの取材に出かけるなど上海にいた頃よりは長くなってはいますが、かといって作業とかは物凄いしんどいというわけでもなく、むしろ立食会とかだとちゃんとした食事が好きに食べれるので自ら進んで行っているところがあります。また休日も寝たい放題が続いていて、健康的には上海の水からも離れていることもあるのかすこぶる好調な状態を維持してます。
 ただこういう状態、以前に日本の会社で働いていた時も似たような時期が一時ありましたが、基本的に世の中とか特定の対象に不満を持ちづらくどうも何かを主張しようという気持ちが芽生えづらくなります。逆に私生活で滅茶苦茶に腹立ってる時なんか、多少刺々しくなるものの文章には張りが出て、主張にもなにかこう貫き通すような鋭さが備わってきます。

 こんなもんだから自分でもちょっとテコ入れしなければとは思うものの、既にそう思い始めて一週間以上も経ってたりします。書くネタも茶のしずく石鹸と合わせて消費者庁をまた批判しようと思うものの結局何度も流しており、自分でもあまり面白くないと思う内容を適当に取り上げてはつなげているような状態です。

 ちなみに以前にはっきりとスランプ、というか文章が全く書けなくなった時期は何度かあります。一番顕著だったのは高校時代で、一年次は運動部に所属しながら小説やエッセイをよく書いていたものの、二年次から本格的に文章一本に絞るため部活をやめたところ、何故だか執筆量が激減していきました。忙中閑ありとは言いますが、前のブログの陽月秘話も自由な時間が減るたびに投稿本数が増えるという謎の現象を幾度も体験しているだけに、単純に暇を持て余しているだけなのかもしれませんが。

2011年11月21日月曜日

欧州債務危機はどこまで続くのか

 すっかり愛用となっている朝日新聞デジタルを開いたら、いきなりこんなニュースが目に入ってきました。

ハンガリーが資金支援要請 欧州危機、非ユーロ圏に及ぶ(朝日新聞)

 見出しそのまんまの記事内容ですが今回はEU枠外のハンガリーでも財務破綻しかかって資金要請を発表したというニュースですが、そりゃイタリアやスペインですら今あんな状態なのですからハンガリーとかでもこうなってておかしくはないでしょう。ただこの手のニュースでちょっと気になるというか、どうも報道が後手後手になっているのではないかという懸念があります。言い換えるなら、どうしてこう政府が発表する間に財政状態がもう破綻寸前だという報道がされなかったのかということです。

 そりゃフン族がアジアから頑張ってきたと言っても東欧の一カ国、ハンガリーのことまで毎日詳細に報じてられないというのも自然と言えば自然ですが、これだえヨーロッパで火を噴いているのだからもう少し、「あの国とかやばいんじゃない」という報道がもっとありふれててもいいんじゃないかという気がします。
 そういったことを踏まえてここで私が何を言いたいのかというと、「じゃあ安全な国はどこなんだ」というこの一点です。ギリシャにしろイタリアにしろ大分火が回ってから報じられるようになりましたが、個人的にはもうちょっと早くに伝えてほしかったなという気がしてなりません。

 この頃明らかなスランプ気味でどうも言い回しが変に続いているのでそろそろ本題を書きますが、あくまで私の勘でしかありませんが、フランスの財務状態は現在どのような状態なのか非常に気になっています。詳しく調べたわけでもないですし過去のデータも閲覧したわけでないため本当にただの勘でしかありませんが、同じくEU内で主導的な地位にあるドイツに比べてこの手の問題で目にする数が少ないのが非常に気になります。
 今ここで出てきたドイツに関してはギリシャの債務をどう保証するかなどで見かけるのでさすがに、破綻の危機にあるとは思いません。またある意味で為替戦争の口火を切ったスイスもその危機感を持っているだけあって、スイス人の国民性もありますがこういうところでヘマをするようには思いません。

 それに対してフランスはどうかといったら、訪れたこともありませんしこれまでなにか専門的に取り扱ったこともありませんが、EUの中心国でありながら「フランスはまだまだ大丈夫だよ」という報道を全く見ないせいもあってこのところやや疑惑の目を持っております。こうして不安を煽るような記事は本来書くべきではないとは思う一方、何も情報が見当たらない不気味さが却って怖いのもあるので念のために記しておくことにしました。

 私が思うに来年は恐らく、ヨーロッパにとって二度目の落日を記念するかのような一年になるのではないかと思います。昨日に友人にも話をしましたがここ香港は日本とは比べ物にならないほど欧州関係のニュースが報じられていますが、見ていて非常に気になるニュースとして、この時期はクリスマス商戦前で海運会社にとっては稼ぎ時にもかかわらずむしろ貨物取扱量が減っており(主にヨーロッパ向け玩具)、関係各所ではてんやわんやになっているというものがあります。ちなみに以前に運送会社の営業の人と話した際に、「上司から営業でどうにかしろと言われるが、貨物量を営業で増やせったって無理があるよなぁ……」と聞いたことがあるだけに現場の人の苦労が忍ばれます。

2011年11月20日日曜日

ソフトバンク、日本シリーズ制覇!

 ベタですが、たった今ソフトバンクが第七戦までもつれた日本シリーズで勝利し、見事日本一に輝きました。
ヽ( ´∀`)人(´∀` )ノ

 相変わらずというか松中選手は今回の日本シリーズで安打が一本も出ませんでしたが、結果良ければなのでこの際どうでもいいでしょう。ただそれにしたって今回の日本シリーズほど点が入らない試合は珍しいくらいに、どの試合も2点とか3点で延々と展開する投手戦が続いてみているこっちはいろいろと胃が痛い試合ばかりでした。2005年の阪神とロッテの日本シリーズでは「ロッテは1試合10点しか取れないんだ」と言われたくらいに、圧倒的大差で阪神が4タテされたというのに……。

 ついでの機会なのでどうして私がソフトバンクを贔屓にするかですが、実は元々は関東育ちらしくヤクルトファンでした。今でもセリーグの中ではヤクルトが好きなのは変わりはないものの、縁もゆかりもないソフトバンクが好きになったきっかけは2000年代前半における圧倒的ともいえるくらいの強さに加え、ダイエーからソフトバンクへ経営主が移った後の球団としての在り方が見ていて非常に理想的だったからです。

 経営主が移った直後に当時の王監督は、「ソフトバンクの孫社長から好きなようにやってくれと言われ、実質的な権限も与えられて非常に助かっている」と答えていました。片やソフトバンクの孫社長は、「2004年は近鉄の合併騒動から楽天球団が発足しましたが、私は初めから近鉄を母体にした球団を買収するつもりはなく、福岡にあるホークス一本に絞っておりました。何故ならこの球団が本当に強くて一番だからです」と、ちょっと近鉄が形無しになっちゃうようなことを話してました。

 ただあくまで話に聞く限りですが、ソフトバンクは親会社があまりあれこれ言わずに現場の監督などのスタッフがスカウトなどの編成面で強い影響力を持っていると聞きます。ここ数年でも大隣選手など立派な選手を次々と発掘しており、またフロントやスタッフのみならずホークスの選手ら自身ですら「ホークスらしさ」というのを強く打ち出しており、今回MVPに輝いた小久保選手らなどチームの伝統が明らかに息づいています。次期監督は間違いなくこの人が確定的でもありますし。

 ちょうどというかフロントと現場、というよりフロントとそのバックの間で激しい火花が巨人で飛びかってますが、今のソフトバンクはまさに巨人と好対照な球団だと思います。現在東京では年々野球中継の放送がなくなってきていますが、ある意味パリーグの試合を中継したら本気でセリーグが駄目になるのではないかという気がします。かつては巨人式の野球が全球団に広められていきましたが、ソフトバンクのみならず日ハムなど経営の上手い球団の方式がこれからはスタンダードになっていくのではないかと思います。

ラマ島散策の写真

 なんかやけにハイキングに行きたかったので、香港島からフェリーですぐに行けるラマ島というところに行ってきました。



 香港周辺には古い漁村を備えたこうした離島がたくさんあります。ちなみに知っている人にはある意味有名なランタオ島は現在空港や博覧会場とかできてます。


 港近くにいた猫。めっちゃカメラ目線。


 昼食に立ち寄った店の犬。この犬の隣でホットドッグを食べてた。







狭く濃い自分の人間関係

 先日、実に一年ぶりに大学時代の恩師にメールを出しました。翌日にはすぐに返信が来て、その内容に非常に励まされて不覚にも目頭を熱くしたのですが、「去年の十二月に中国の日系企業に転職→三月にやめてまた別の上海の日系企業に移籍→、十月から出張で香港に来て現在に至る」というスピード感たっぷりのメール内容には先生もきっと面食らっただろうな。
 その先生とは自分が大学に入学した当初からの付き合いなので、実に8年も交際が続いています。在学中の期間だけならともかくこうして卒業後も折に触れメールを交換し、また去年までは毎年十一月のこのシーズンに会いに行っていましたが自分のような若輩者相手でもいろいろと気にかけてくれて感謝の気持ちに絶えません。

 ただこの先生に限らず、私の人間関係ははっきり言って非常に狭いながらも、こういった妙に交流や縁が続く相手というのはほかの人に比べても多いと思います。こんなブログで書くのも如何と思いますが、下手をすれば人間不信もいい所というくらいに私は他人を信用していなければ「動くものはみんな敵だ!( ゚Д゚)」と言わんばかりに警戒心が強く、自分から積極的に交友の輪を広げることは滅多にありません。そんなわけでいつも上司からも怒られたりしますが、この点に関しては一切妥協せずに我を貫き通しております。
 自分がこうしてあまり人間関係を広げようとしないのは良くも悪くもてっぺんと底辺の人間に数多く出会ったことが原因だと考えています。クロコダインじゃないですが「煮ても焼いても食えない奴(ザボエラ)」は確実に存在しており、実際に私もそういう人間に何度か煮え湯を飲まされたことがあります。その一方で真面目に神様に感謝するくらいに天井知らずな才能に溢れた友人らにも出会うことが出来ましたが、これらの経験を踏まえると、じっと待とうが必死こいて捜そうがいい人材と巡り合える確率というのは本当に運でしかなく、むしろ変に捜そうとじたばたすると先程の煮ても焼いても食えない人間と妙に関わっちゃうことの方が多いという結論に達しました。

 そういうこともあって普段の生活上、私が会う人間というのは非常に狭い範囲に限定されるのですが、海外就職をしてからメールでしか交流できないのもあってそれに拍車がかかりつつあります。ただこういった行動はなにも友人関係に限ることではなく普段行く商店関係者にも多く当てはまり、多分見かけが目立つこともあるでしょうがよく顔と名前を憶えてもらうことが多いです。
 一番代表的なのは実家近くの床屋店で、真面目にそこは小学生時代から延々と通い続けているため完全に顔パスになっており、特に何も言わなくとも指定の髪型にしてくれればダルビッシュの投球傾向について自然と会話が始まります。ちなみに今日は近くで髪を切ってきましたが、北京語がお互いになかなか通じないから結局不満足な切られ方されたので家帰ってから前髪を調整しました。

 床屋以外でも喫茶店など、ほぼ一点集中とばかりに同じ店を使うことが多いため、こちら中国とかでもよく顔が覚えられます。一番馴染みとなっているのは蘭州ラーメン屋で、入る度にいつも頼んでいる蘭州ラーメンにするか聞かれますし、帰り際には「サヨナラー」って日本語で声までかけてくれます。最近だと会社近くのパン屋に昼食時、毎日サンドイッチを買いに行ってたら「あんた毎日来るし、1香港ドルおまけするね」って言ってもらえてそれ以降は毎日おまけしてもらってます。

 よく学校とかでは人間関係はとにもかくにも広い方がいいと言いますし、うちの親父も「その通りや!」とよく自分に注意してきますが、元々人の言うことはあまり聞かない性格ではありますが、必ずしもそうじゃないんじゃないかとよく思います。別に自分みたいな人間関係の仕方が最上だと言うつもりはありませんが、こういうのは人それぞれなんだし、一概に広いとか狭いとかどっちがいいかとは言うべきじゃないというのが、今回の結論です。