ページ

2013年9月19日木曜日

漫画レビュー:烈!!!伊達先パイ

 先日からしょっちゅうタブレットPCのNexus7の話をし続けておりますが、実は故あってniftyのWIMAXを契約し、キャンペーンということでタダでもらいました。ほかの会社だと2万円のキャッシュバックとかありましたが、中華製タブレットPCが購入から約半年で壊れたこともあり、またSophieさんも最新のNexus7はお勧めだと言っていたので選んだわけですが、今のところ文句もなくタブレットライフを満喫しています。
 Nexus7の入手後に最初に行ったのはアマゾンの電子書籍アプリ、kindleのインストールで、これをインストールした直後に購入した本と言うのも、今日取り上げる「烈!!!伊達先パイ」という漫画でした。

烈!!!伊達先パイ(Wikipedia)

 私がこの漫画を初めて読んだのは何故か去年の上海でした。きっかけは向こうで知り合った大学の先輩が正月休みに日本へ帰国した際、週刊少年ジャンプを持って帰ってきたからいるかと言われて、軽い返事でいると答えたら5冊くらいまとめて持ってこられたのでちょっとビビりました。
 それはともあれもらったものだからと手に取ってみるものの、ジャンプなんて数年間も読んでいたので載っているのは知らない漫画ばかり。また昔から連載が続いている漫画も大分断絶がなくつながりがわからなかったため適当に流し読みしていたところ、一話完結のショートストーリー形式であったことからこの「烈!!!伊達先パイ」をじっくり読むこととなりました。

 この漫画のあらすじを書くとまんまタイトルそのままで、高校生の主人公とヒロインは両想いでラブラブな関係であるものの、ヒロインの兄であるもう一人の主人公、伊達まさしは異常な伊達政宗マニアであり、なおかつシスコンであるため彼氏である主人公を隙あらば殺そうと襲い掛かってくるというのが主なパターンです。こうしたこの漫画のスタイルは作者も認めている通りに、少女(?)漫画家の岡田あーみん氏の傑作である「お父さんは心配症」とまったく同じものですが、伊達政宗フリークがアレンジとして付け加えられています。アレンジと言っていいものかは置いといて。

 私個人の感想を述べると、非常に面白い作品でした。ただでさえこのところ一話完結のギャグ漫画が減っている中で果敢な内容となっており、また所々に作者なりのセンスがきらりと光るセリフ回しが秀逸な作品でした。特に気に入っているセリフはあるキャラクターが「メイドの本場は中国です」と言ったら、「ちょ、森薫先生に怒られない?」という、読んでネタわかる人はいるのかよと言いたくなるツッコミセリフがあります。なお森薫氏についてちょっとだけ述べると、現在連載中の「乙嫁物語」ではそのあまりの書き込みの多さに本気でゾッとしました。
 話は戻りますがそんな具合で気に入ったことからジャンプくれた先輩に、「伊達先輩おもしろいっすね」と言ったら「花園君もそう思う?俺もあの漫画好きなんだけど」などと好みが見事一致しました。

 ただこの時から一つ懸念があり、というのも「烈!!!伊達先パイ」の連載順位がかなり後ろの方、つまり少年ジャンプで言えば打ち切り候補だったというのが気になっていました。そしたら案の定、今年初めに早々と打ち切られ、全20話(全2巻)で幕を閉じてしまいました。私としては非常に高く評価していた漫画であっただけにぜひ買ってあげようと思って今回、電子書籍でコミックスを購入しましたがコミックスに寄せられた作者のコメントによると、なんでもこの漫画の連載をするに当たってそれまで勤めていた会社を退職していたそうです。
 それまではサラリーマンをしながら担当編集者と打ち合わせていたようですが、連載が決まると同時に忙しい部署への転属を命じられたことから、「漫画を取ります」とばかりに退職した経緯が書かれてありました。もっとも週刊連載だったら忙しくない部署でも二足のわらじはきついと思いますが。

 私としては作者の近藤信輔氏を高く評価しているだけに、是非とも今回の失敗をばねにまた連載を勝ち取り漫画家を続けてもらいたいと思っていることから、応援とばかりに今回のレビューを書くこととしました。ただ「烈!!!伊達先パイ」については、打ち切りだったとはいえあの舞台設定では長続きするネタではなかったとも思えますので、ある意味で失敗を前提とした初連載としてはこういう形でよかったのかなという気もします。

  おまけ
 例のジャンプをくれた先輩は私と同時期に中国勤務から日本国内勤務に移りましたが、「最近のジャンプだと、『食戟のソーマ』が面白い」と言ってたので、「奇遇っすね、俺もそう思ってたところですよ」と言い返してやりました。つくづく、好みが被る。

2013年9月18日水曜日

シリア情勢に対する一つの考察

 先週、政府軍が化学兵器を使用したとの疑惑が出ていたシリアへの対応について、シリアの化学兵器を各国や国際組織が管理・監視するというロシアの提案に米国が同意したと発表されました。それまで米国は一貫してシリア政府に対して「超えてはならない一線を越えてしまった」として軍事制裁を示唆していましたが、今回のロシアとの合意によって事実上、見送られる形となりました。
 米国が今回ロシアに妥協した理由としてあるメディアでは、シリアの隣国であるイスラエルに対する報復を懸念したのではないかと報じておりました。確かにイスラエルはシリアの隣国にあり、また米国のロビイストに深く食い込んでいる国なだけに十分ありうる話でその通りだと思うのですが、それ以前に何故米国がこれほどまでに軍事行動を示唆したのか、ちょっとその辺が気になります。

 というのも、これまた海外報道で審議の確認は難しいのですが、化学兵器使用疑惑が立って間もない8月下旬の時点で、既に米軍はシリアへの軍事行動に向けて艦隊を差し向けたりするなど攻撃準備を整えていたそうです。それだけに攻撃命令が出されずに9月を迎えた際は米軍内部で動揺が広がったと書かれてありましたが、実際にオバマ大統領の当時の発言を見ているとさもありなんという気もします。

 ここでの大きな疑問点は、一体何故米軍はこれほどまでにシリアに対して軍事行動を起こそうとしたのかです。推測ならば理由はなんとでも言えますが、中東にもっと幅を利かせたいとか、反政府側と何らかの取引があったのか、いちいち挙げていたら切りがありません。さすがに中東情勢は専門じゃないのでこの辺りについて詳しい言及は避けますが、少なくともロシア(+中国)の抵抗がなければ米国は本気で軍事行動を起こしていたと私は思います。

 そう思うだにつけてオバマ大統領は随分とまた好戦的な人物だったのかと言わざるを得ません。元々彼はイラク戦争の失敗を指摘してイラクからの米軍早期撤退を訴えて大統領になりましたが、先日の個人情報の件といい、根っこはブッシュと変わりがないのではないかとも思えてきました。まぁもう再選したのだし、余計な遠慮がなくなったとでもいうべきなのかな。

2013年9月17日火曜日

中国人留学生の男児救出に対する中国の報道

 体調がいいので本日、久々に二本出し。っというか、あんまり後に書いても意味がないニュースだし。

中国人留学生、大阪淀川で男児を救出「まさに英雄!」「勇敢!国のイメージをも変える」―中国版ツイッター(レコードチャイナ)

 知っている人も多いかと思いますが、台風が日本列島を縦断した昨日16日、大阪府の淀川に流されてしまった男児をたまたま通りかかった中国人留学生の厳俊氏が単身で飛び込み、見事救出するというニュースが報道されました。この中国人留学生の行動には日本の各報道機関、ならびにネット上などでも称賛の声が溢れており、私自身も久々にいいニュースを見れたと気持ちのいい思いがしてなりません。

 それにしてもこの厳俊氏ですが、こういってはなんですが一体どういう神経と身体能力をしているのか計り知れません。当時、大阪はもとより全国で台風の影響から大雨が吹き荒れ、淀川もまっ茶色になって荒れに荒れ狂っている状況でした。普通に考えたらいくら溺れている人がいるからってあんな状態で飛び込めば自分も流されかねないと思ってまず飛び込まないでしょうが、果敢にも飛び込んで、見事に男児を救出するなんて並大抵の業じゃありません。消防隊員ももし厳俊氏が飛び込まなければ男児の命は危うかったと証言していますが、その言葉に偽りはないでしょう。文字通り、英雄的な行動と言って間違いありません。

 それでこの事件は中国だとどう報じているのか、レコードチャイナの記事でも引用されていますが一応念のために私の方でも調べてみました。

上海小伙在日救起9岁男童 日本网民:中国人真勇敢(東方網)

 上記のサイトは中国語で書かれていますが、事件のあらましと厳俊氏の来歴を紹介した上で、日本の各メディアは彼の行動を絶賛していると報じております。このほかのサイトでも同じように報じられてあり、日中両国で大きく取り上げられていると言ってこれまた間違いないでしょう。

 あまり意地汚い話はするべきじゃないのでしょうが、ちょうど去年の九月に尖閣諸島を日本が国有化したことによって反日デモが起こり、あれからちょうど一年ということで中国の日本に対する報道はピリピリしたムードがありました。もちろん政治は政治で別個の話ではありますが、こうしたムードを吹き飛ばすかのような素晴らしいニュースが出たことはまさに僥倖です。私としては日中はなるべく仲良くやるべきだと思うし、厳俊氏みたいに荒れた川に飛び込む必要まではないけどこのように両国の国民同士が助け合うというニュースは今後も見続けていきたいものです。

NTTドコモに対する批判

 このところ「自分が書かなきゃ誰が書く」とすら言いたくなる話題が多くていい意味でブログ執筆が忙しいです。大抵こういう時は自分が社会に対して不満を持つ頃なのですが、このところはそうでもなく割とプライベートはNexus7でヒャッハーしたりといい状態が続いています。それだけに、これから何か悪いことでも起きるのではないかと戦々恐々ではあるのですが……。
 さて本題に入りますが、昨日の記事で私はNTTドコモが米アップル社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の取り扱いを開始することを題材に新聞各紙の特徴を取り上げました。今日はそんなNTTドコモに対する個人的な感情を含めた批判をした上でその問題点を指摘しようかと思います。

 現在、私は安いということからウィルコムのPHSを携帯電話として使っております。PHSなのに携帯電話ということについては無視してほしいのですが、これだと「誰とでも定額」で月額約2000円くらいで通話とメールを使うことが出来、スマートフォンの機能はタブレットPCで代用しようとこの前WIMAXを契約したわけです。
 ただこれは日本に帰国してからの話で、2010年に中国に渡る前まで私は一貫してドコモの携帯電話を契約しておりました。理由はごく単純で、初めて携帯電話を持った時に使ったキャリアがドコモだったからです。

 私の周りの友人も大学入学と共に携帯電話を持ち始めたのですが、使用開始から大体一年後、周囲の友人はドコモから付与されるポイントがたまったということでみんな携帯電話機を無料で最新機種に交換してもらっていました。ただ私は当時使っていた機種に特に不満はなく、いちいち取り替えても資源の無駄だしドコモとしても余計な出費だろうなと考えたことから取り替えることなく、そのまま北京に留学するまでの間は同じ機種を使い続けました。
 北京に留学をする際に一旦携帯電話契約を解約したのですが、その際にたまっていたポイントは一切使うことなく吹き飛んでしまいました。もっとも試用期間は2年半なのでそれほどでもなく特段思うこともありませんでしたが、今思い返すと電話機を交換した友人と自分の間ではサービスに大きな溝があったよなぁとか思います。

 話は飛んで留学から帰国後、私は再びドコモの携帯を契約しました。契約を結んだ際に過去のポイントが付与されなかったことについては何も言う事ありませんが、問題だったのは解約時です。確か約4年間を一度も機種交換をせず、またポイントも一切使うことなくドコモの携帯電話を使用していたのですが、中国に働きに行くもんだからいざ解約を申し込むと例の「2年縛り」に引っかかり、解約料を別枠で請求されてさすがにこの時は「(# ゚Д゚) ムッ!」としました。
 一度もポイントを使わず4年間も契約し続けたのに解約時に料金を取られるというのは正直な所、今でも腑に落ちません。言ってしまえば頻繁に機種交換をしたりポイントを色んな所に使ったり、他のキャリアから乗り換えてきた人に比べて料金的な貢献度で言えば私はそこそこ高かった気がします。にもかかわらず、他社に乗り換えるというわけでもないのに解約料を取られるというのはなんか悪い商売じゃないのと言いたいものです。

 聞けば今回のドコモ(他社もしているが)のアイフォーンを使ったキャンペーンには「のりかえ割」というのがあり、他のキャリアから契約を乗り換えたユーザーに対する特別割引を実施するそうです。では乗り換えずにドコモ一筋のユーザーには何も恩恵はないのか、いくらなんでも客をなめた商売をし過ぎやしないか、消費者庁も何故こんな行動を放っておくのか理解できません。契約してないで文句言うのもあれですが。
 そもそもこれ以前からもドコモの既存ユーザー軽視は目に余ります。確か2年くらい前にも契約変更に関する手数料を引き上げたりしてたし、私の中では電通に次いで嫌いな企業になりつつあります。

 さらに文句を続けますが、このところのドコモのマーケティング戦略はあまりにもレベルが低く、もうカスだとしか言いようがありません。古くは「ドコモ2.0」と銘打って「そろそろ反撃してもいいですか?」などと挑発的なキャッチフレーズで反発を招いた揚句に防戦一方となり、直近でも「2トップ戦略」によってパナソニックにスマホ事業撤退を促すなど悪い影響しか与えていないように思えます。しかもその2トップ戦略も今度のアイフォーン導入であっさり引き下げるんだし。
 それとテレビCMでもこのところ「ドコモ田家」を見なくなりました。放映開始当初からソフトバンクの「白田家」に対する露骨なパクリで見ていて気分悪かったですが、もうこの企画も投げるつもりなのかと思って検索をかけてみると、なんといつの間にか公式サイトが終了してました。ちょっとマジびっくり。

ようこそ、ドコモ田家へ。

 上記サイトはつい1分前に検索して初めて訪れましたが、「たくさんのアクセス、ありがとうございました」の一言だけ残されています。いや、アクセスしてないって……。

 ただドコモのマーケティングというか広報に関しては、個人的な怨みは置いておいてもあまりにも迷走が激しすぎる気がします。冗談抜きで今いるメンバーを全員解雇してもう少しマーケティングを理解した人員を配置してやった方が上手くいくと思えるので、ドコモはこの辺をもっと真剣に検討することを本心から薦めます。
 一方、対抗馬のソフトバンクはマーケティングに関しては文句なしに上手いです。白い犬がお父さんという奇抜さはもとより、「ホワイトプラン」と白をかけ合わせたり、時期ごとのCMでもどんなキャンペーンを売っているのか、どういうサービスを始めたのかが一目瞭然です。惜しむらくはあのCM,全部電通が作っていることなのですが……。

2013年9月16日月曜日

新聞各誌の中立的な記事面とは

 いま最もホットな経済ニュースと言ったら先週に朝日新聞とNHKがスクープで報じた、NTTドコモが米アップル社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の取り扱いを開始するニュースで間違いないでしょう。これまでもドコモがアイフォーンを取り扱うというニュースは日経新聞が度々報じてはドコモ側から「(ヾノ・∀・`)ナイナイ」と否定されてきて事実その通りでしたが、今回に関しては米アップル側も声明を出してますしどうやらガチのようです。それにしても日経新聞は何度も「ドコモにアイフォーンが来るぞー!」って誤報を出し続けた挙句、本当にアイフォーンが来ることになった今回はスクープを取り逃し、狼少年ケンを地で行く結果となったのは皮肉なものです。ケンは余計か。
 ただ友人によると、今回のドコモのアイフォーン取扱い開始報道については米アップル側によるリークがあったのではとの見方が強いそうです。米アップルとしては何度も誤報を出している日経新聞にリークしてもまた誤報と疑われると考えた結果、朝日新聞とNHKに流したのではないかという観測が強い模様で、私としてもこの説を支持します。

 ここで話は変わるわけですが、よく日経新聞は「経済面以外はいい」と評されることがあります。経済紙にもかかわらずこんなこと言われるのは度々スクープの名を借りた誤報、具体的には一連のドコモに対する報道やキリン・サントリーの合併話など、まだ実現化のめどの立ってない話を推進派とかからのリークを元に飛ばし記事を書くことが多いためですが、そうしたことを置いておいても確かに日経の経済面以外の記事は意外によくできてます。
 特にいいのは政治面で、特に主義思想とか前面に出してくるわけがなく中立的でいい記事を書いてきます。もっともこのところはTPP関連で財界の意を汲みやたら持ち上げる記事が出てくることもあるので、以前ほど中立的とは言い難いですが。

 同じようにと言ってはなんですが、産経新聞も政治面以外が良かったりします。産経の政治記事は「親米・自民支持・反中嫌韓」の三原則で成り立っていると言ってよく、明らかに偏った視点で記事が書かれており娯楽として読むならアリですが真面目に読む題材としてはお勧めしません。しかし政治面以外だとなかなか読ませられる記事が多く、特に私も一度紹介したことがありますが、「衝撃事件の核心」などは毎回欠かさず読むほど面白く文句なしに推薦できる記事です。

 このように、概して新聞というのはその新聞社がこだわりのない分野においては意外に中立的でいい記事を載せることが多いように思えます。私自身も気を付けていますがこだわりというのは知的好奇心を高めるものの中立的な観点からは目を曇らせることが多く、まさに過ぎたるは猶及ばざるがごとしです。
 最後にもう一紙上げておくと、朝日新聞は政治、社会面で偏りが見られます。特に政治面では感情的な安倍政権批判が多くはっきり言ってお寒い記事が多いです。ただその一方、近年は目を見張るほどのスクープ記事が多く、先ほどのドコモの記事はもとより原発関連のスクープ記事はもっと世に評価されるべきだと思います。あまりほかでは言わないので私が言う事にしますが、高速増殖炉もんじゅの点検漏れは朝日の独占スクープでしたし、このところの東電の汚染水流出関連も日の打ちどころがないほどどこよりも早く正確に書いてきております。朝日には偏った記事もあるものの、偏った記事ばかり取り上げられていい記事が朝日が報じたと取り上げられないのはちょっと不公平に感じる次第です。

2013年9月15日日曜日

みのもんた氏の次男逮捕を巡る報道について

 いきなり強く出ると、控えめに言っても私は情報に対する感度や整理する能力が一般と比べ桁違いに高くて興味のないスポーツネタ以外であれば何でも語れる自信があり、芸能ネタについても人並み以上には話す自信があります。にもかかわらずあまりこのブログで芸能ネタを取り上げないのはほかのメディアなりブロガーなりがあれこれ取り上げるので私が語るまでもなく、それであればほかの人があまり語ることのない政治や歴史ネタを取り扱った方がいいと考えているからです。
 それを推した上で今日は、みのもんた氏の次男逮捕を巡る報道と彼の去就について書きたいことを書こうと思います。

 事件のあらましについては皆さんも知ってるかと思うので省略し、まずいきなり結論ですが、この件を巡る今の報道ぶりは異常とは言わないけれどもちょっとおかしいような気がします。仮に逮捕された次男が未成年であれば親の監督不行ということでみのもんた氏への批判や誹りは免れないとは思いますが、今回逮捕された次男の年齢はなんと31歳。そんな年齢にもかかわらずこんなあほな事件を起こした上に警察への供述を拒むなんて本当に変な人なんだろうなぁという気がしますが、既に成人している子供に対して親が責任を取るというのは如何なものかとしか言いようがありません。

 それでもみのもんた氏は超が付くほどの有名人で次男逮捕の件でコメントが求められたり事件が報道されるのは止むを得ませんが、だからと言って現在出演している番組を自粛するというのはお門違いもいい所です。本人が犯罪を犯したわけでもないのに成人した子供の責任を取るなんて今時連座制じゃないのだから、本人が決めたこととはいえ私はみのもんた氏は堂々と番組を出続けるべきだと思います。テレビ局だって視聴率はしばらくとれるでしょうが代役を探したりしなければならず各方面に面倒が増えることは目に見えているのだし。

 またこの事件に関しては各メディアの報道ぶり、そしてネット上などで散見される世論などに違和感を感じます。最近このフレーズを意図的に多く出しておりますが、あくまで自分の受ける印象としては全体的に、「みのもんた氏はなんらかの責任を取るべきだ」という論調が強いように感じます。それどころかみのもんた氏を擁護しようものなら批判の標的にされかねないような雰囲気すら覚えます。

 私は子供の人格形成に当たってその親の育て方、接し方は重要なファクターになると考えておりますが、どんなに素晴らしい人格の親、どんなに立派な育て方の元でもクズみたいな人間が育ってしまうことがあるという気がします。その逆も然りでどんなにひどい親の元でも立派な人間が育つこともありますが。
 そして子供のうちはまだしも成人した後に至ってはその人格とそれに伴う行動は本人が責任を持つべきです。親の育て方がまずかったからこんな人格になったというような言い訳は聞きたくないし、認めるべきでもないでしょう。何故なら大人になってから起こす問題行動は自らが責任を取らなければならないからです。

 ざっと以上のような観点から、私はみのもんた氏のファンではありませんがこの一件に関しては彼の肩を持ちます。なんでこんな記事を書こうと思ったのかというと話題のトピックスを取り上げてアクセス数が増えればいいな(´∀`*)ウフフという下心と共に、「成人した子供でもその不祥事は親が責任取るべきだ」という風潮がはびこってほしくない一心です。日本はやはり個人の責任よりも組織の責任が問われることが多く、そのため一部の不心得者のために真面目な大多数が余計な損害や雑多な手続きに追われることが多く、これは全体の利益を損ないます。欲を言えばもっと個人主義が日本でも強くなり、自分にとってやりやすい世の中になってくれたら「还可以」なのですが。

2013年9月14日土曜日

韓国の近現代史~その二十四、日韓ワールドカップ

 先週一週間は左耳が痛かったりするなど神経的にしんどい日々が続きましたが、一昨日にNexus7が届いてからやや元気になりました。もちろんNexus7のおかげというより、ようやく体とか神経が整ってきたからだろうけど。
 さてなんかなかなか終わらないこの韓国の近現代史の連載ですが、前回で金大中政権時における南北首脳会談をやったのでもう一気に盧武鉉政権に移ろうかなとも思いましたが、日本とも関わりがあるし2002年の日韓ワールドカップについてちょっと書いてみようかと思います。ついでに対日関係も追えるわけだし。

 まず金大中政権時における日韓関係ですが、あくまで私の目から見た感じだと比較的穏やかだったと思います。朴正煕以降の軍事政権下の韓国では政府が率先して対日批判を行っていましたが金泳三政権になってからは実を得るというか、日本の音楽やドラマの放送が徐々に解禁されるなど実態はどうあれ政策的には雪解けが進められました。

 こうした対日方針は次の金大中政権にも受け継がれております。また金大中自身が日本でKCIAに拉致られるなど日本とも縁の深い人物であったことから日本人の間でも彼の名をよく覚え親近感を持っていた人が多かったように思え、今でも覚えているものとして現在も放送が続けられている「さんまのからくりTV」における「ファニストイングリッシュ」というセイン・カミュがメインのコーナーでのある床屋さんのコメントがあります。
 その床屋さんは当時、SMAPのキムタクこと木村拓哉氏が人気になってロンゲ(これももはや死語だが)が流行り、床屋に来るお客さんが減っているという事を話して、それを英語で言うように指示されると、「I dislike タムキク!」と言って、「それじゃ『キクタム』になって名前が違うよ」と指摘されると照れ隠しに、「I like キムデジュン!」と言い直しておりました。ほんとよくこんなくだらないことを覚えているもんだ。

 そんな昔話は置いといて話を進めますが、私の目から見ても金大中は国内の突き上げを受けつつも日本に対する配慮はある程度図ってくれたと思います。ただついていないというか彼の在任期間中にちょうど日本も対韓批判が始まり、主だったものを挙げると「つくる会の歴史教科書問題」や小泉首相の靖国参拝などですが、インターネットも発達したことも契機となり私の印象だとこのあたりの頃から明確に韓国を嫌う層が増えていったような気がします。
 ただそのように徐々に両者の感情が悪化していった中、2002年のWカップは日韓による共催で開かれます。目立った絡みこそなかったものの両国間で世界中のスーパースターが集まり、毎日お互いの国の大戦状況など報じられたことから関係改善という意味では一定の効果があったかと思います。逆を言えばこの時を区切りに日韓関係はその後、ずっと悪化していくこととなるわけなのですが。

 ちなみに私はこのWカップの時に高校生でしたが、当時は学校の授業が終わると試合を見ようと急いで帰宅する生徒が周りにもいました。ただそんな中で物凄いサッカー好きの友人は何故か泰然自若として帰宅する様子がなかったのでどうしたのかと聞いてみたところ、「試合は既に録画予約している。僕は国歌斉唱のシーンから見ないと気が済まない」と風格ある発言をかましてきてくれました。なおその友人は小学生の頃に家出した際、唯一家から持っていったのはサッカーボールで、家に帰るまで公園でずっとリフティングしていたという強者です。