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2013年11月5日火曜日

ヒトラーが溺愛した姪

 ナチスドイツのアドルフ・ヒトラーと聞いたら誰もがちょび髭のあの顔を思い浮かべることが出来るでしょう。更に詳しい人だとエヴァ・ブラウンという女性がヒトラーの愛人で、ヒトラーとは自決を行う直前に仮初めとはいえ結婚式を挙げたということも知ってるのではないかと思います。しかし今日紹介しようと思う「ゲリ・ラウバル」という、ある意味でヒトラーが最も本気になって少なからず彼の人生に影響を与えた女性については知らない人も多いのではないでしょうか。

ゲリ・ラウバル(Wikipedia)

 このゲリという女性はタイトルにも掲げた通り正真正銘のヒトラーの姪っ子で、具体的にはヒトラーの異母姉であるアンゲラ・ヒトラーの娘です。ヒトラーはナチ党のリーダーとなってその勢力を拡大するにつけて多忙となっていくのですが、自身の住居としてベルクホーフを構えると身の回りの世話として異母姉を呼び、それに伴って現れたのがゲリでした。
 おじと姪っ子ですから年の差は随分と離れていましたがヒトラーはこの姪っ子にぞっこんだったようで人目をはばからずべたべたと接触し、またヒトラーらしいというか異常な執着心を見せて自分以外の男性を誰一人近づけさせないようにまでします。実際にヒトラーの運転手とゲリはそこそこいい仲にまで発展したそうですが、その事実を知るやヒトラーはその運転手を解雇する始末でした。

 こうした姪への干渉は明らかに度が過ぎた物でヒトラーの周囲は誰もがヒトラーがゲリに特別な感情を抱いていると知っていたと言われる、というか当時の新聞にもスキャンダルっぽい記事で公にも報じられてたそうです。ただその出来合いぶりは文字通り以上で、終いには自由な外出を禁止して屋敷に軟禁させるかのようにしたそうです。
 もちろんこんな措置、若い女の子には苦痛以外の何物でもないでしょう。こうした叔父の指図に対してゲリの側も段々と反抗してくるようになり、多分拘束から逃れたかったのかウィーンに行って声楽を学びたいと志願しますがヒトラーはこれを許しませんでした。

 そして来る日が来たというか1931年の9月、ゲリは自室で突然拳銃自殺をしてしまいます。遺書は残されておらず自殺の理由については未だはっきりしませんがヒトラー自身は深い責任を感じ、「俺も自殺する」などと喚いては周囲のナチ党幹部を青ざめさせたそうです。これだけ書くとまるでヒトラーは構ってちゃんにしか見えませんがどうやらマジでショックだったらしく、ゲリの葬儀が行われた後には一時期行方不明になって、八方手を尽くして探し出してみるとなんとゲリが埋葬された墓の中でめそめそ泣いていたというから驚きです。歴史上の彼の姿からも思い込みが激しい人物像がうかがえるだけに、あのヒトラーならやりかねんとか私は考えちゃいます。

 その後、周囲の幹部らの励ましによってどうにか立ち直って第三帝国を作るに至るわけですが、ある意味ここでヒトラーが政界から離れて一市民に戻っていれば彼自身にとっても、ドイツにとってもマシな未来になってた可能性があります。そう思うだに歴史は深いなぁと思うわけですが、さっきにも書いた通りに姪っ子をこれだけ溺愛する執着心と思い込みの激しさがあったからこそヒトラーなのであって、この仮定は仮定として成り立ちませんね。

2013年11月4日月曜日

PM2.5を排出しているのは誰か

千葉県、市原市内複数地点で「PM2.5」測定と全県に注意喚起(FNN)

 こうしてニュースリンクを貼るのもこのブログじゃ当たり前になっていますが、ブログ開設当初はリンクの貼り方すら知らずに最初やった時は結構ドキドキしたもんです。これに限るわけじゃないけど、慣れっていうのはいいと思う半面恐いな。

 そういう戯言は置いといて本題ですが、本日千葉県市原市内にて説明不要のPM2.5が国が定めた1日の平均値である70マイクログラムを超える85マイクログラムが複数個所で観測されたことから、外出や屋外活動を控えるよう注意報を発令しました。まぁ今日はずっと雨降ってて外出ようにも出辛かったけどね。
 このニュースを見て「これだから中国は」っていうのは簡単ですが、「中国じゃないとしたら?」と言う人は果たしてどれだけいるのか私には測りかねます。まぁ強気に出ると、こんなセリフ言うのも自分くらいなんじゃないのかな。

 このニュース、リンク先の記事ではそこまで言及していませんが夕方のテレビニュースでは、「発生原因は不明ながらも、国内で発生した可能性が高い」という一言が付け加えられていました。

 PM2.5は中国の大気汚染物質としてまるで日本全国民を洗脳するかの各メディアで現在においても大々的に報じられており、風にはこばれて日本の空気も汚染されていると被害者立場で取り上げられることも少なくありません。なので今日のこの千葉県のニュースも最初に書いたように「これだから中国は」という印象を持った方も多いように思えるのですが、私が思うに今日のPM2.5に関しては中国は全く関係ないと思います。
 そう思う根拠は夕方のテレビニュースの言及だけでなく、観測ヶ所が千葉県だからです。仮に中国と距離的敵に近い西日本、具体的には北九州にある福岡県とか長崎県であれば中国の影響が十分に考えられますが、そうした地域を飛び越してスポット的に千葉県内で高濃度のPM2.5が観測されるというのはどう考えても理屈に合いません。じゃあ何が原因かって、そんなの日本国内のどこか、具体的には市原市周辺で放出する設備なりなんなりがあるということでしょう。

 これ以前にも過去に環境問題の欺瞞性を追求した武田邦彦教授がテレビ番組(ホンマでっか!?TV)内にてPM2.5について、「日本の山の山頂など有り得ないところから観測されることもあり、中国からというより日本国内でどこかが輩出しているのだろう」と述べておりました。この発言はずっと頭に残っていたのですが、今日の千葉県内の観測を見てやっぱりそうだったのかと思った次第です。

 さてここからが本題というか自分の真骨頂になるわけなのですが、「じゃあ一体どこが出しているのか」、と言いたいところですがちょっと焦点をずらし、「日本人は日本国内で犯人捜しをするつもりはないの?」と問いたいです。
 先程にも書いた通りに日本人はメディアが総ぐるみでPM2.5というと中国が悪いといつも報じているせいでこの単語を見ると条件反射的に中国が輩出していると考えがちですが、少なくとも今日の観測に関しては日本国内で排出された可能性が高いわけです。またそれ以前にも、これまで日本の各地で観測されて中国が原因とみられていたものも、もしかしたら日本国内の誰かが原因だった可能性も捨て切れないわけです。比較的高いそのような可能性が考えられる中、日本人は国内で犯人捜しをする気があるのかと自分は問いたいわけです。

 ちょっとテンション上がっているのとここ1ヶ月不調だった体調が回復傾向にあることから妙な言い回しが続きましたが要するに何を言いたいのかというと、日本人はPM2.5の問題の責任を全部中国になすりつけようとしているのではないか、それこそ日本人自身が輩出している量に関しても、そんな疑問がもたげているわけです。この問題ではいつも中国が悪者にされるばかりで明らかに中国が無関係と思われるケースについてはスルーされることが多く、学生時代の自分のような言い方すれば、都合の悪い事実は他人のせいにして自分は素知らぬ振りでも気取る気なのかよと吐き捨てたくなります。

 結論を述べるとPM2.5が心配だっていうんなら犯人を捜せ。それでやはり中国に原因があるというのなら証拠をかき集めて突きつけ、改善しろと言うなり補償金を要求するなりすればいい。逆に日本国内の業者なりに原因があるっていう事が仮に分かったとしたら、その業者をつぶすなり設備改善を強制するなどといった対応を取るべきでしょう。もっとも、PM2.5なんてへっちゃらで自分のように始めから気にないってんならこんな犯人捜ししなくたっていいですがね。

 一応念のために最後に書いておきますが、中国の大気汚染は紛れもない事実で私もかなりリアルに体験しています。しかしそれがどの程度日本の大気に影響を与えているかについてはもうちょっと検討する余地もあり、はっきりしないにもかかわらず他国というか他人を批判するのは恥ずかしい行為だと思えるのでこういう主張をしてみたわけです。

2013年11月2日土曜日

「神聖にして不可侵」の天皇

 昨日の記事ではかなり激しい口調で山本太郎議員を批判しましたが、何も私に限らず各方面で厳しい球団が続いております。これほどまでに批判が多く集まるのはひとえに織田に掲げた「神聖にして不可侵」と旧憲法で謳われた天皇に対する行為であったからにほかならず、改めて日本における天皇制の影響力を感じ入る次第です。

 念のため先に書いておきますが私個人は天皇制の熱心な信奉者というわけではなく、単純にロイヤルファミリーがいた方が国として外交の幅が広がるという理由だけで存続を指示しています。他国を見てもイギリスと比べて米国やフランスは外交がやっぱり寂しい気がしますし。
 ただ日本人全体でみるとやっぱり天皇制を明確に意識してはいないまでも、何か天皇に関わることがあれば物凄い反応を示してくると思います。韓国の李明博前大統領が「天皇が韓国に来たければ土下座するべきだ」と主張した時も日本中ひっくり返るほど大騒ぎになりましたし、今の韓国との関係悪化は朴槿恵大統領のそっけない態度よりもこの時のこの発言に端を発すると私は考えています。今回の山本議員の行動も「天皇を利用しようとした」という一点に対して各界から拒否反応が出ており、そういう意味では「不可侵」という言葉が天皇に対して本当にしっくり来る気がします。

 そんな神聖にして不可侵なの存在の天皇ですが、その天皇に対して見方によっては失礼とも取れる態度を取りながらも誰からもどこからも批判が来なかった人物を私は一人知っています。その人物というのもほかならぬ、さかなクンです。
 覚えている方も多いと思いますが、さかなクンが絶滅したと思われていたクニマスの発見に関わったことからその年の園遊会に招かれた際、トレードマークであるハコフグの帽子を被ったままの姿で天皇の前に現れました。しかもめっちゃ自然に。

 通常、目上の人と会ったり話したりする際は工事現場などを除いて脱帽することが礼儀の基本とされていますがこの時のさかなクンの行動には誰も「天皇に対して失礼」という意見は出さず、むしろ普段通りの姿勢を貫いたことに称賛する声が大きかった気がします。一体何故さかなクンがこの時に批判されなかったのかというと、なんといってもその姿勢に一切ぶれがないからだと私は考えます。普段からあの帽子を被り続けてテレビなどにも出演し、それでいて魚に関する専門知識は本当に他の追随を許さない揺るぎない実力であることから誰もが、「あれがさかなクンのスタイルなのだ」と考えたのだと思え、ああいうぶれない姿勢はぜひ自分も見習ってみたいものです。

  おまけ
 昨日の9時のNHKニュースでホテルのレストランで伊勢海老と言いながらロブスターが提供されていた事実が報じられた際、ホテル側の「伊勢海老とロブスターは同種だと思っていた」という主張についてアナウンサーが「こうした主張に対してさかなクンは、」と言って、さかなクンのVTRに移りました。さかなクンによると「明らかに別種」だそうですが、こういう場面でコメントが求められるんだなぁと思うと同時に、○○大学教授とかそういった肩書きについて何の説明もなく「さかなクンの意見は」っていう一言で解説となってしまうのが妙に面白かったです。

2013年11月1日金曜日

山本議員の手紙問題について

 昨日一昨日と大学の先輩と一緒にエスニック料理を食べ回っていたのでまた更新がしばらく空きました。エスニック料理についてはまた後日書きますが、今日はまず久々の政治ネタというか元俳優である山本太郎議員の天皇への手紙問題について自分の意見を紹介します。結論から言えば今回の山本議員の行動は国民の代表たる議員としてあるまじき行動で、与野党幹部が求めている通りに速やかに議員辞職するべきでしょう。

 事の内容について簡単にまず説明しますが、昨日行われた秋の園遊会に招かれた山本太郎議員は天皇に直接、福島の原発問題について自分の意見を書いた手紙を渡しました。この行為について山本議員は天皇に福島の現状を伝えたかったためで政治的意図はないと説明しており、天皇に手紙を渡してはいけないというルールなんてないと開き直る態度も見せています。もっとも天皇に対して何かしら意見を言う際は内閣を通さなければならないという法律があるようで、渡してはいけないルールは存在するのですが。
 また山本太郎事務所のツイッターによると渡された手紙には、「子供と労働者を被ばくから救って下さるよう、お手をお貸し下さい」という内容が書かれてあり、仮にこれが真実だとしたら天皇の影響力を行使して政策を動かすこととなり、憲法、というかそれ以前の問題で禁止されている天皇の政治利用に明らかにつながると私は考えます。この点について山本議員はまた開き直るというか、「天皇陛下万歳という言葉を使うこと自体が政治利用だ」という自分の問題をはぐらかすかのようなわけのわからない主張を展開しています。

 どこから突っ込んでいいものか非常に悩ましい所ですが、少なくとも山本議員を弁護する余地は何もないと私は断言します。福島の放射能問題について天皇になにか伝えたところで何が動くのか?何も動かないでしょうし動いてはならないのです。そもそも山本議員は国会議員という非常に高い権力と意見発信力を持つ身分にあり、そんな身分でありながら合法的で正当な手段を使わず、このような自分の力を使わず他人を出汁に使うような卑怯な手段を取ったことに私個人として強い怒りを覚えます。

 また、以前からというか山本議員の発言はとんちかん極まりなく、世間をいい方向に運ぼうというよりはただ自分が嫌いなものを口汚く罵るしるだけの内容ばかりです。具体的に挙げると「自衛隊は人殺しの訓練をしている」とか「国会の弁当は放射能まみれだ」などというようなもので、放射能の問題をどう解決するか、除染の費用をどう確保するか、どのような手段を取るべきかというような前向きな意見は何も聞こえません。ただどこかに存在するのかしないのかわからない仮想敵に対して悪口雑言を述べているだけです。自分が言えた義理ではないかもしれませんが、このようなネガティブな人間からは絶対に何も生まれないでしょう。

 仮に今回の手紙問題だけならきちんと謝罪すればそれでいいかなとは思いますが、山本議員はこれまでの発言・行動からも信用に足る要素は何もなく、今回の騒動でも開き直るような態度を見せていることからもこの際だからぜひ政界から出て行ってもらうべきでしょう。もっとも、かなり強い調子で予言しますが、山本議員は今後海外で「日本という国をダメな国だ」というように日本批判をきっと始めると思います。何故そんな予言をするのかというとこの人がネガティブな人間であり、自分の行動の責任を全く考慮せず周囲の問題だと考える節があるからです。今回の手紙問題でもマスコミが騒ぎ過ぎだなどと反論してますし。

 彼は守るものがあるから戦うのではなく、戦うために敵を自ら作る性格なんじゃないかと思います。守るもののために戦うのは決して善ではなく正しいとは限りませんが、戦うために敵を作るということは間違いなく邪悪で、私自身は排除すべき存在だと考えます。

2013年10月28日月曜日

北京・天安門への車両突入事件について

天安門車炎上 死者は5人に、日本人男性もけが 抗議活動か(産経新聞)

 なんかNHKの9時のニュース、テレ朝の報道ステーションのどちらもトップニュースに持ってきていたので、一応中国関連も専門なので取り上げておきます。それにしても初見で、「ああ、こんな事件も起きたのね」とあまり慌てない自分も変になれてしまったなぁという気がします。

 まず事件の概要によると、今日日中に北京の天安門広場にスポーツタイプ多目的車(SUV)の車が突っこみ、観光客は警官をはねた上で炎上したそうです。どうでもいいですがNHKはSUVのことを「多目的車」と読んでましたが、それだとMPVじゃないかな。
 被害者は重軽傷を負った人間で三十人以上おり、北京大使館によると日本人一人も命に別状はないものの病院で治療を受けたそうです。死者はこの原稿を書いている時点で五人で、このうち三人は炎上した車に乗っていた人間で、このほかフィリピン人の女性と広東省出身の男性がそれぞれ一人ずつ亡くなったそうです。

 それでこの事件が中国でどのように報じているのか早速見てみましたが、どうもというか予想した通りに報道規制が掛けられているようで、下記の新華社ニュースで報じられている内容以外を報じているニュースは見当たりません。

北京迅速处置一起吉普车冲撞天安门金水桥事件(新華網)

 あと気のせいかもしれませんが、なんか中国のサイトへのアクセス速度が鈍い気がします。考えらえるのは中国政府が海外からのネットアクセス速度を制限しているか、日本を含む海外からアクセスが集中しているかでしょうが、まぁこれは後者かな。

 そんなわけであまり面白い内容が付け加えられてないのですが、先ほど報道ステーションでジャーナリストの富坂聰氏がこの事件について、政府筋の情報提供者から「政治がらみの事件だという確証を得た」と述べ、社会に不満を持つ市民による自爆テロである可能性について触れていました。ほかのしたり顔の中国事情通ならまだしも富坂氏の発言であれば私は信用しており、少なくとも大爆発が起きたわけじゃなかったことから、やはり富阪氏のいうように社会に不満を持つ層による自爆テロみたいな事件である可能性が高いような気がします。

 日本でもこのところ「むしゃくしゃしたから」というどうでもいい理由で通り魔など事件が起きていますが、中国でも同じような理由で幼稚園で園児が襲われる事件とか起きています。中国の方を持つわけじゃないですが、こういう事件で中国の格差がどうとかこうとかいうのはナンセンスで、中国だろうと日本だろうと社会上には頭のねじ飛んだ人間は多少は混ざるっていうのが私個人の主張です。

朴槿恵韓国大統領の外交について

 国会も始まり政治関連も動いてきたので、手始めに前から準備していた朴槿恵韓国大統領というか韓国のこのところの外交について私見を述べようと思います。結論から述べると私の目から見て今の韓国は孤立化への道をひた進んでおり、本気で皮肉ではなく隣国ながら見ていて心配になってきます。

 まず朴槿恵大統領の外交方針ですが、厳しい方となりますが韓国が一等でほかの国は韓国のやり方に従うべきだという、やや居丈高な態度に見えます。対日本については言うまでもありませんがこのところ慰安婦問題を盛んに煽ったり、また安倍首相が「いつでも受ける準備をしている」と発言している首脳会談についても徹底して拒否し、アベノミクスに対しても世界経済を悪くする原因だと安倍首相も目の前にいる国際会議の場で批判までしてきてます。
 もちろんこうした対日批判は韓国の大統領だと朴槿恵に始まる訳ではありませんが、私から見ていてこの人は今までの韓国大統領と比べてもかなり本気で、国益よりも自分の感情を優先する人だという風に見えます。もっともそういう性格なのは盧武鉉元大統領も全く同じでしたが。

 私がそう考える根拠としては対日外交以上に対米外交における姿勢で、この前も報じられていましたが参加を促されていた米国のMD(ミサイル防衛)計画への参加を拒否。そして対北朝鮮政策についてもオバマ大統領に直接、日本抜きでやるべきだと言い出すなど、これまで積み上げてきた成果を一気に崩しかねない突拍子な発言が多いからです。
 正直な所、今の米国と日本も決して仲がいい関係というわけではありませんが、六カ国会議で日米露中韓は共同して北朝鮮問題に対応してきたというのに、それを就任早々に否定してくるというのは上から目線の様に米国からは見えたのではないかと思います。このほかにも朴槿恵大統領はこれまたオバマ大統領に直接、日本の軍事化に懸念があるとわめいたそうですが、日本の軍備増強を願っているのはほかならぬ世界各国で軍事再編を進めている米国であり、実際はどうだかわかりませんがこの発言には米国も苛立ったんじゃないかという気がします。

 総じてというか朴槿恵大統領の外交発言は本当に思い付きでぱっと出してきているようにしか見えず、内心では嫌っているけど国益のためにここは我慢しようというような配慮は全く見られずにすべて自分の感情次第です。なんか悪口ばかり書いてて自分でも嫌になってきますが、傍から見ていてこういう外交方針は非常に危ういようにしか見えず、サーチナの記事によると韓国国内でも国際会議で席が隣り合った安倍首相が声をかけてきたにもかかわらずにべにもならない態度を取り続けるのはよくないという批判が出てきているそうです。私の勘ですが、こういう国内からの批判は今後も増えていく気がします。

 そんな日本とも米国ともしっくりこない朴槿恵大統領ですが、何故か中国とはこのところ積極的に接近しております。先日も私の知る限りでは史上初めて中国と韓国が共同で日本の歴史認識を批判しましたし、習近平とも関係の深さをやけにアピールする始末です。
 こうした中国への接近は日本や米国への牽制もあるでしょうが、先程調べてみたところ朴槿恵大統領は子供の頃に三国志にはまって大学時代に中国語を専攻していたらしく、どうも元から中国に対してシンパシーを持っていたようです。逆を言えばこれまた国益よりも個人的な感情で動いてるんじゃないかと勘繰りたくなり、それでいいのかとちょっと気になります。

 何度かこのブログでも書いていますが「敵の敵は味方」という価値観での外交は非常に危険極まりなく、今の韓国の中国への接近はそれに近いものを感じます。ましてや中国は、中国が大好きな自分ですら認めるくらいにこのところ国際社会で孤立化を深めており、その中国とつるむことによって韓国も孤立化を招く恐れもあるように思えます。しかも韓国と中国は漁業権などでよくぶつかっているなど火種も少なくなく、なにかこういう外交問題が起きた時に韓国は慌てる事態になるのではないかと密かに考えてます、余計なお世話だろうけど。

  おまけ
 前に中国人の友人に、「日系メディアや野党議員は日本は周辺国とみんな仲が悪いとよく言うんだよね」と言ったら、「それ言ったら中国は周辺国とみんなケンカしてるよ。日本なんかまだマシじゃん」とケロッと言われました。中国人も自国が国際社会で孤立してきているのを自覚しているようです。

2013年10月27日日曜日

「シドニアの騎士」の11巻について

 かなり以前にも紹介した「シドニアの騎士」という漫画の11巻を本日買ってきました。この漫画は今連載している中で私が最も評価している漫画なのですが、先日の引っ越しで荷物になるため1~10巻を古本屋に売却したため、新刊の11巻は電子書籍で購入しようかと思っていましたが結局実書籍で購入しました。理由はいくつかありますが一番大きいのは値段で、この点についてはまた別の機会にでも電子書籍業界についてまとめます。

 で、今回買ってきた11巻なのですが、ちょっと気になるというかストーリー展開に妙なインパクトを覚えました。この漫画は巨大な宇宙船内にしか残存していない人類が宇宙で意思疎通が全く通じない謎の巨大怪獣と戦うというSFストーリーなのですが、今回の11巻では新たに新キャラが出てきます。
 名前は市ヶ谷テルルというまた面白い語感のキャラクターなのですがこの人物は人間ではなく完全機械のアンドロイドで、戦火を嫌って主人公のいる宇宙船から出てある惑星へ移住しようと植民を試みる集団と共に行動します。この集団はこちらから交戦する意思を見せなければ宇宙怪獣に攻撃されないと主張して植民に打って出ましたが、やっぱりというかあっさり攻撃されて、ほかの仲間が全員死んだ中で唯一生き残り救助を待っていたという筋書きです。

 ふとしたことをきっかけに主人公を含む宇宙船のメンバーはこの全滅したと思われていた植民団の中でこのアンドロイドが生存していたことを知るのですが、 宇宙怪獣がうようよいる危険地帯に取り残されているのと、人間ではなくアンドロイドということからほとんどのメンバーはかろうじて出されている救助要請を無視するべきだと主張します。
 ネタバレをすると主人公の谷風長道(たにかぜながて)がロボット物の主人公らしく救助に向かい、宇宙怪獣の攻撃を受けながら辛くも救助に成功します。しかし救助後、このアンドロイドは人間ではないことから戸籍がなく、また船内に残っていた植民団の旧メンバーも彼女の救助劇がきっかけで交戦する意思がなくても宇宙怪獣が襲ってくることが証明されてしまったことから邪険に扱い、孤立することとなります。

 ありがちと言えばありがちなストーリーなのですが、このアンドロイドが命からがら脱出したにもかかわらず船内で行き場がなく孤立するシーンが妙に印象に残りました。直接的に「帰るところがなくなった」というセリフも出てきましたが、その孤立ぶりと孤独感に強く共感するものがなんかあります。戦争など生き死にが関わる場面から帰ってくると、案外こういう風に思うような気がします。
 この「シドニアの騎士」はアニメ化、多分OVA化の計画が挙がってきているそうですが、果たしてこっちはうまくいくのかわからないけど漫画の方は依然と面白いままです。