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2016年2月24日水曜日

民主、維新の政党合併について

 既に各所で報じられている通りに民主党と維新の会が明後日にも政党を合併する予定だそうです。両政党はかねてから合併を視野に入れた選挙協力を重ねてきており今回の合併も早くから予想されていたものではありますが、それにしてもこれほど同床異夢というべきか政策案の摺合せなくくっつくというのは色々考えさせられ、これまでの民主党と同じく党として統一した政策意思は今後も期待できないだろうと私は見ています。

 そもそもの話、民主党と維新の会では憲法改正などの面で政策方針に大きな隔たりがあり、のっけから上手くやっていけるのかというと今からでも非常に不安です。では何故政策方針に隔たりがあるにもかかわらず両党は合併に踏み切ったのかというと、言ってしまえば選挙対策が何よりの理由でそれ以外はもはやないと断言してもいいでしょう。
 現行の小選挙区比例代表並立制では小選挙区選挙はまだしも比例代表選挙では政党が多いと互いに票を食い合って小政党ほど立場が弱いです。そのため中小政党同士で選挙区を譲り合王というのがこのところのホットなテーマで、その中には共産党まで入っているというのだから世の中は本当に変わった気がします。当初、民主党は共産党を加えての野党連合をも考えたというか言い出したくらいですから、政策の違いなんてもうどうでもいいという態度が透けて見えます。

 こうした状態でもあることから、恐らく両政党の合併効果というのは全くなく終わってしまうと私は予想しています。橋下前大阪市長がいればまだ違ったでしょうが彼の方はしばらく政治から離れるようですし、そもそも国政進出にミスったこともあって多分フリーな立場を今は謳歌したいのではないかと思えます。なのでちょっと気が早いですが、次の選挙も自民党は安泰で議席数でも大きな変化は起こらないでしょう。

 最後にもう一つ付け加えるとこの前不倫で辞職した宮崎元議員について、あの辞職劇を見てつくづく自民党の派閥は力を失ったなぁと感じました。彼が所属していた派閥の長である二階議員は当初、関係者への謝罪だけで済ませ辞職させる意図はなかったものの党執行部の一喝を受けて庇えなかったと各所で報じられていましたが、恐らくこれは事実だと思います。
 かつての自民党は党執行部以上に派閥の方が実質的に力が強く、派閥が庇えば首相といえどもおいそれと党所属議員の去就を決めることが出来ませんでしたが、現在の安倍首相と菅官房長官のコンビは文字通り党内をびしっと仕切っており官邸の力がかつてと比べると随分増したものだと思えます。

 元々、小選挙区比例代表並立制は金権選挙と派閥政治の打破を目指して導入された選挙制度でしたが、この制度がどれだけ効果があったかは議論の余地があるものの現実に今では執行部が強い権力を保持するに至っております。もっともこれはただ単に菅官房長官がやり手だからというだけかもしれませんが、なんでも文字通りに官僚を「殴って蹴って言うこと聞かす」という人らしいし。

中国市場への日本酒売り込みの無益さ

 先日、後輩と友人が大好きなAPITAという上海市内にある日系スーパーを訪れた際、たまたまですが鹿児島県が地元の特産品を持ってきて特設コーナーで販売していました。かるかん(猫餌にあらず)があったら買って帰りたいなと思って私も眺めてみましたが生憎それはなく、仕方ないので懐かしさもありボンタンアメだけを一箱買って帰りましたが、あくまで私の見た感じだと一番主力として持ってきていたのは芋焼酎や日本酒なお酒類だったと思います。
 しかし、ここで厳しいことを言いますが、そもそも論として中国で日本酒を売り込むのは根本的に間違い、というよりも海外市場で拡販すること自体がやはり無理がある気がします。今日はリアルで10時間くらいぶっ通しで翻訳やり続けて頭がボーっとするので、手早く書けるこのネタについて少し解説します。

 ここで言うのもなんですが、上海や香港で開かれる物産展に出店する地方業者については記者時代に何度も取材しており、多分その回数は数十回を優に超えます。それだけにどの地方の業者がどういう物を持ち寄るか、どういう傾向があるのかはもとより、売込みが上手かったり戦略がしっかりしている地域などについても把握しているという自信があります。なおアジア市場で熱心というかやり方が一番上手いのは何気に長崎県です。
 話は戻りますがどの地方も地元の特産品を持ち寄るものの、果物がある県はやっぱり果物を持ってきてそこそこ受けも悪くないのですが、これはという特産品がない県となると決まって持ってくるのは地酒こと日本酒か焼酎です。でもって、はっきり言いますがどこも余り受けはよくないです。

 一体何故日本酒を持ってくるのかというとほかに売り込むものがないというのが大きいのと、日本らしくてほかの国や地域には存在しない商品だと考えるからだと思います。ただお酒という分類でいえばどの国でもアルコール飲料があるだけに、テコ入れすれば日本酒が売れるかもという期待があって持ってきているのではという気がしますが、残念ながら海外市場では日本酒はどう頑張っても売れることはないというのが私の見解です。

 何故かというと理由は非常に簡単で日本酒に合う料理が海外にはなく、刺身や寿司を始めとする日本食としか合わせて飲めないからです。アルコール飲料は基本、料理とセットにすることで大量に消費されるものですが、その酒にあった料理が無ければ単独で飲む量はたかが知れて、ましてや普段見慣れないアルコール飲料を率先して飲むくらいだったら身近なビールなどを手に取るのが常でしょう。
 日本人の立場からすると日本酒はごくありふれたアルコール飲料ですから抵抗はそんなにありませんが、中国人や香港人、アメリカ人などからすると全く異世界の飲み物で味や香りに慣れてないことから一口目からグビグビ飲む人となるとかなりレアでしょう。それこそ中国の白酒(バイチュウ)や紹興酒を初見から抵抗なく飲める日本人となると恐らくほとんど存在しないでしょうし、このようにアルコール飲料というのは地域性が強く出やすい飲み物だったりします。

 唯一例外といえるのは先ほど挙げたビールとワインで、これは飲み合わせの良い食べ物が比較的豊富であることとクセがほかのアルコール飲料と比べて小さいことから世界中いたるところで愛飲されるようになったと考えられます。しかし、はっきり言いますが日本酒は明らかにこれらとは別で、飲み合わせられる料理は日本食に限定され、外国の料理で飲み合わせられるものなんて私の知る限りまず有りません。無理矢理例を作ると、

・北京ダック+日本酒
・カレー+日本酒
・ハンバーガー+日本酒
・パスタ+日本酒
・ピロシキ+日本酒

 恐らくどれも、これじゃない感がはなはだ激しい組み合わせに見えるでしょうし、実際この組み合わせで出された料理がなんか普段よりおいしく感じられない気すらします。「刺身+日本酒」だったらまだすとんと落ちますが、それはあくまで日本食との組み合わせで日本人だから感じられるものであるため、外国人からしたらそうは問屋は降ろさないでしょう。いくら寿司料理が世界的に受け入れられている立派な日本料理だとしても、日本酒にまで手を出す外国人はそんなにはいません。
 基本的に日本酒は魚の生臭さを払うのにいいアルコール飲料であるため、生の海鮮料理以外には実はそんなに組み合わせの幅はないのではないかと考えています。まぁ醤油味となら何でも合うと思うけど、それも外国人からしたら塩分が強い料理に思われてるのかもなぁ。

 ざっと上記のような考えから私は日本食はまだ海外で展開できる余地があるとは思うものの、日本酒は海外ではほぼ全く展開できないし、出来るとしてもそれは日本食がいつでもどこでも食べられるほど世界で一般的になることが前提でまだずっと先の未来になると見ております。なので地方の都道府県が海外に物産を売り込む際はもう日本酒はあきらめて、他の物に注力した方がいいというのが私の意見です。
 では具体的にどんなものが海外で展開するのにいいかというと、一番は先ほどもあげた果物で、二番目となると案外和牛じゃないかと思っています。この辺は九州の都道府県が長年頑張ってくれた回もあって香港などでは鹿児島牛や宮崎牛が見事ブランド化に成功しており、地元での認知も決して低くありません。また中国本土においても「神戸牛」のブランドは非常に深く浸透しており、現実には中国への和牛輸出は制限されていますが、日本旅行で是非食べておくべき料理としてよく紹介されていることもあってこちらも認知度は高いです。

 もっとも、中国人が牛肉の味に一度でも慣れちゃったら世界中から牛肉が無くなる恐れがあるだけに、普通に売り込んでいいものかとなると少し悩み所ですが……。

2016年2月21日日曜日

中国のニトリを訪れて、及び日中の脚の長さの違い


 引っ越し先の部屋でパソコンを置いて作業するのに使うちょうどいいテーブルがなかったため、上海市内にある「お値段以上」でおなじみのニトリへ訪れてみました。


 場所は地下鉄「中山公園」駅前の兆豊広場というショッピングモールで、ここの2階と3階にかけてニトリが入居しています。上の写真は携帯のカメラで自動ピント調節をオンにしていなかったためやや露光気味ですが、一応モール入口から撮った感じはこんなもんです。


 店内をいくらか回ってみて候補となったのは99(約1800円)元の折り畳みデスクと199元(約3600円)の完全パソコン向けデスクでした。どちらも組み立て式だから家に持って帰る分には問題なさそうでしたが、199元のはキーボード引出し、プリンタ用天板がついていたものの、どっちも多分使わねぇなぁと思った上に部屋の関係上、背が低い(天板がない)方がいいと思ったので99元の折り畳みデスクにして配置した後の写真が上の写真です。個人的に言わせてもらうと、パソコンデスクはごてごてしたのではなくシンプルであればあるほどベターでしょう。
 あとはチェアを買うか買わないかですが、暫定で買った物入れにもなる上の椅子でもいいかなって割り切り感が出ております。

 そんな私のインテリア話は置いといてニトリについて書きますが、この日は土曜日ということもあって2階の日用品コーナーは午前中から割と客が入っておりました。まぁまぁ繁盛しているなと横目に見ながら3階の家具コーナーを見に行ったところ、ちょっと意に反してと言うべきかほとんど客が入っておりませんでした。日本でもどっちかっていうと日用品コーナーの方が明らかに賑わってるので別に中国に限るわけでもないし時間帯が悪かっただけかもしれませんが、それにしてもほんとにお客さん少ないなぁとしみじみ思いながら眺めていたところふと、

「テーブルの脚の長さが短いような……」

 という、妙な考えがよぎりました。
 これは完全に私の直感で感じた意見ではあるものの、私の目から見てニトリに置かれてあるテーブルの脚の長さは中国で売られている他のテーブルと比べてやや短いように感じました。実際に寸法を測って比較したわけでなくほんと印象での違いかもしれませんが、思い当たる節が全くないわけでもありません。

 日本がいわゆる「床文化」であるのに対して、中国は古代からずっと「椅子文化」の国だったりします。日本は畳敷いて床に座って生活するのを基本としますが中国ではそういう文化は全くなく、畳ですらニトリの店内以外で見ることなどありません(売ってた。欲しかった)。
 そうした文化的な背景からか、これは断言して言えますが平均的な脚の長さは日本人よりも確実に中国人の方が長く、女性も日本と比べると中国の方が脚線美を強調する人が多いし実際に中国人は「金瓶梅」の時代から伝統的に足フェチです。なお以前いた知り合いの日本人駐在員は脚フェチだったので中国はたまらないという感想を述べておりました。

 そうした文化的、身体的な差を考えると、テーブルの脚の長さも日本より中国の方が標準的に長いのではないのかという考えがもたげてきます。中国で暮らしている私の目から見てもニトリに置かれているテーブルはなんか脚が短いように感じるし、ましてや胡坐かいて使うような床置き用テーブルに至っては見ていて「これは売れへんやろう」と思うだけに、もしかしたら日系家具企業にとって中国市場における一つのウィークポイントなのではないかと思えてきたわけです。
 恐らく、素人の私ですら思いつくことなのですから本業の方々も把握してはいるんじゃないかとは思います。しかし店内に置いてある商品はほぼすべて日本語で書かれた包装がされてた上に私が買ったデスクもついていた説明書はそのまま日本語だったことから、恐らく商品は中国で作られているのもあるかもしれませんが基本的に日本で売られているものと同じ仕入れルートで、中国の店舗用に包装や中身を変えるなどの措置を採っているわけではない、というよりもそんなことしたら余計なコストを食うだけに仕入れルートを下手に分けたりしていないというのが実情なのかもしれません。そのため、中国の店舗でも脚の長さに違いがあると把握しながら日本と同じ商品を並べているのではと推測します。

 なお以前に蘇州のニトリを訪れた際に少し店員と話す機会があって、「景気はどないでっか?IKEAはんに負けとりゃしません?(京都弁)」と、尋ねたところ、「IKEAさんと比べられるときついですね(;´∀`)」と、正直に話してくれました。その店員曰く、やはり中国史上だとIKEAのブランド力は半端なく高く突き崩すのはなかなか難しいそうです。

  おまけ
 うちの名古屋だけでなく広島にも左遷された親父の子供の頃のあだ名は「座高一」だったそうです。私もそんな身体的特徴をしっかり継承してしまったのかクラス内で座高は高い方でした、二代目は襲名しなかったけど。

2016年2月20日土曜日

一昨日見たカオスな夢

違いの分かる猫といい車

穴があったら入りたい

 また本題とは一切関係ないですがこの前見つけて気に入っている写真なのでここにも貼っておきます。最新のWRX STIということもさることながら、猫のどや顔表情が何とも言えません。
 そんなわけで本題ですが、今夜は一昨日の晩に見たちょっとカオスな夢についてありのままに書こうと思います。

 夢の場面は夜、車に乗っているところから始まります。走っている場所は親父の左遷先である名古屋市内で、一緒に乗っているのもうちの親父で、運転手も親父です。何もこれは夢の中だけじゃなく私はリアルでペーパードライバーななもんだから日本にいるときはいつも親父に運転させているのですが、正直に述べると中国だと走行車線逆だから久々にハンドル握ると逆走しそうで怖いのもあります。
 乗っている車はワンボックスで、恐らくコンパクトカーのサイズだったと思います。そうして車を走らせていると前方で警察が我々の車を止めるよう指図するのでいったん停車した所、「ちょっと調べさせてほしい」といって改めに来ました。車の前までやって来た警官の顔を見ると、「あれ、〇〇さんじゃないですか?」と私が言うのですが、やってきた警察官は旧知の人物で、私が最初に入社した会社の指導役だった先輩社員でした。向こうも私を見て驚きながらも久しぶりと返事するのですが私の方はというと、「貿易事務員から警察官って転身ぶりがまた凄いな」、「なんでロンゲなんだろう?」、ということを口には出さずに頭の中だけで考えます。

 その先輩と私が一言二言話すとそのまま警察らは我々の車を改めて、「これはなんだ?」といって車内の一部を指さします。指さされた場所は運転席ドア裏側のサイドボードで何故か真っ赤に染まっているのですがこれについて親父が、「実はここに来る前に猫を轢いてしまって……」と説明し、警察もその説明に納得して「気を付けるように」といって解放してくれました。猫を轢いてどうして車の内側に返り血がつくのかという点については夢だからかみんなスルーです。
 再び車が走り出す横で私は、以前にも「我が一族と猫」という記事で書いたように私の一族と猫は因縁深い関係にあり、猫を殺すことは一族にとって観音様の顔に唾を吐きかけるにも等しい最大のタブーであるというだけに、「なんてことをしでかしやがって……」と、親父を横目に見ながら怪訝に思ったところで夢から覚めました。

 久々にカオスな夢を見たなぁと思いつつその日の出発支度を済ませていつものように家を出たのですが、その日たまたま最寄駅近くの芝生に犬の死骸が転がってて、見開いたままの血走った目と目が合っちゃって久々にリアルホラーを感じたというかマジビビりました。毛並からして多分野良犬とかじゃなく飼い犬で、バイクか何かにはねられて死んだんじゃないかと思いますが、その日見た夢と相まってなんか奇妙な偶然性を覚えました。
 なおその後電車に乗っている最中、マッドシティの潜伏先にある冷蔵庫と洗濯機の残存価額と廃棄処分回収費をあれこれシミュレートしていましたが、あの犬の見開かれた目がなかなか脳裏から離れずちょっと気分悪かったです。帰り道もその場所避けて帰ったし。

2016年2月19日金曜日

丸山議員の発言について

黒い新幹線、4月29日運行開始 世界最速の芸術鑑賞、乗車は2通り(乗りものニュース)

 また本題とは関係ありませんが上のニュースみて、白から黒に機体切り替えたら強奪されるのではと妙に懸念してしまいました。Zガンダムの見過ぎかな。

「日本が米国の51番目の州に」 自民・丸山氏が発言(TBS)
自民・丸山和也参院議員の参院憲法審査会での発言詳細(朝日新聞)

 そんなわけで本題ですが、今日のこのニュースはリンク先を選ぶのにやや苦労しました。というのもほとんどのメディアがやや見当違いな批判をやらかしてて、問題の本質が見えなくなっていたからです。
 結論から述べると丸山議員は辞職するべきだと思うし、自民党もこの際この人を切ってしまった方がいいでしょう。でないとまた何か確実にしでかすだろうし。

 事件の詳細は他の報道に譲りますが、大方の報道では「オバマ大統領は黒人で奴隷の子孫」といった発言をあげつらって批判しています。曰く、奴隷という言葉が差別的で同盟国アメリカを馬鹿にしているなどという感じで書かれていますが、この書き方について私は、そもそもオバマ大統領の先祖は黒人奴隷ではなく留学生としてハワイに来たわけだから少なくとも「オバマ大統領が奴隷の子孫」というのは明らかな認識違いで、この一点をとっても見当違いな発言だなと思います。
 しかし今回の失言の本質はこの点にあるのではなく、むしろその前の発言にあるでしょう。ちょっと報道メディアの名前を忘れてしまいましたがどっかが一社だけ「むしろ問題はこっちの方だろう」と指摘していましたが、私も同感というか、この奴隷発言の前にある、「例えば、日本が米国の51番目の州になることに、憲法上どのような問題があるのか」という発言の方が腑に落ちません。

 発言全文を見る限りですと丸山議員としては日本が米国の一部になれば安全保障は万全になるし、人口比的にも日本人の割合が大きくなるから米国議会の議席も多く取れる上に奴隷出身のオバマ大統領がなれたくらいだから日本人でも大統領になれるかもと言いたいようですが、馬鹿言ってんじゃねぇよこのクソガキがといったところです。アングロサクソンがそんな甘っちょろい展望を許すわけないというのはもとより、日本という国家の独立性を放棄したっていいじゃないかと言わんばかりのこの姿勢を、日本の国会議員が持っているという事実に呆れる限りです。
 まぁ、普段から独立放棄をネタみたいに主張している共産党や社民党、山本太郎議員なんかは今更気にしませんし彼らはそういうもんなんだと割り切っていますが。

 仮にもし、米国の傘下に入らなければならないほど日本の安全保障が脅かされたり危機的な状況にあるのであればこうした議論は必要でしょうが、果たして今この状況で必要かといったら全く必要性は感じられないし、むしろ日本の独立性をどうやって維持していくかという議論の方が大事でしょう。
 こうした点と共に私が個人的に気に入らないのは、この発言が憲法審査会で出てきたことです。発言全文によると日本が米国に併合されるに当たって憲法上、どんな問題があるのかと問うかのようにして発言したそうですが、世界中どこの国で他国に併合されることを想定した憲法、ならびに憲法解釈が存在するのか、逆に私が問いたいほどです。丸山議員の発言の前後まではわかりませんが、内容からしてあまりにも突飛だし恐らく脈絡なく言い出した内容ではないかと思え、断言してもいいですがこうした発言をこんな場所で突然言い出すっていうことは普段から主張したくて仕方がない意見だったのでしょう。言い換えれば日本はアメリカに併合されるべきだという思想を持っていると疑わざるを得ず、仮にそうだとしたら文字通り売国奴以外の何物でもないでしょう。

 ちょっと記憶が曖昧で具体的にどんな発言だったか忘れてしまったのですが、丸山議員は以前にもなにか頓珍漢な発言をしたことがあったように思え、確かその時に私はこの人は早く死ぬならなるべく早く死ぬべき人間だろうと思ったことを記憶しています。今回の発言を見る限りだと、あながち間違った判断じゃなかったなと改めて思えました。この手の人間はどうせ反省しないしまたぞろどっかでくだらない発言をすると思われるだけに、分をわきまえ議員を辞めてもらいたいというのが私の個人的な意見です。っていうか本人も好きなようだし、国外追放して米国にでも送るのがベターじゃないかな。

  追記
 自分と同じく発言の前半部を問題視して取り上げたメディアはデイリースポーツで、コメント主は東国原氏でした。案外しっかりした指摘するなこの人も。

東国原「謝罪ではすまない」丸山議員発言を徹底糾弾!人種差別より「51番目の州」について(デイリースポーツ)

2016年2月17日水曜日

今勢いを感じる男性俳優

 去年頃から上海市内のスーパーでも「ウコンの力」が売られるようになったのですが、この商品を見る度に私は戦国武将、もといキリシタン大名の高山右近を連想し、「右近の力」の半分以上はキリシタンパワーだろうと内心信じています。
 その高山右近ですが、何でも最近バチカンに認められてこのほど福者に認定されることがほぼ決まったそうです。確かに細川ガラシャと並んで中世日本における代表的な殉教者だし「振興のためなら領土も捨てる」を地で行ってもいるので、本人も今頃あの世で盆踊りでも踊りながら喜んでいるんじゃないかと思います。

 ここで話が変わりますが一昨年に放映された大河ドラマ「軍師官兵衛」にて、この高山右近の役を生田斗真氏が演じていました。高山右近は黒田官兵衛のキリスト教入信において強い影響を与えたとされるだけになかなか出番の多いキャラでしたが、このドラマの中での生田氏の演技は私の中で強く印象に残り、「きっと身近に高山右近がいるとしたら実際にこんな姿だったのでは」と思わせられるほどの息を飲む演技ぶりでした。
 それだけ印象に残ったのもあって個人的に生田氏の経歴をドラマ放映中に調べたりもしたのですが、調べてびっくりというかこの人もジャニーズ事務所の在籍者、もといアイドルで、同じドラマで主役張った岡田准一氏といい、いつからジャニーズはこれほど演技達者な俳優を多く抱えるようになったのだと改めてこの事務所の凄さを思い知らされました。まぁ逆を言えば、SMAPの面々はそんなに演技上手いと思えないわけなんですが。

 同じく「軍師官兵衛」では黒田長政役を松坂桃李氏が演じる形で出演していましたが、この人も若いのに演技達者な人だと密かに評価している俳優さんです。前々から各所で演技力が評価されてはいましたがいまいちじっくり出演作を見ることが無く、名前が特徴的なのでどんな演技をするのかなと思っていたら「日本のいちばん長い日」に出演していて、この映画でじっくり見ることが出来ました。
 この「日本のいちばん長い日」で松坂氏が演じた役は畑中少佐という人物ですが、実はこの人物こそ映画を見る前に、「誰があの人物を演じるのだろうか?」と私が最もキャスティングを気になっていた人物でもありました。どういう人物であるかはリンク先のウィキペディアの記事を見た方が早いですが、要するにポツダム宣言直前にクーデター起こして戦争を継続させようとした軍人の中心人物で、クーデターが失敗に終わった8月15日早朝にピストル自殺していますが、歴史上もっとも融通の利かない軍人を体現しているかのような人物であります。
 そんな畑中少佐を松坂氏が演じると知って果たしてどんなものかと期待にワクワクしながら眺めましたが、よくもまぁこれだけ演じ切れるものかと、具体的には額に血管が浮かび上がらんばかりに怒鳴りちらしながら上官に迫ったり、陸軍参謀独特の仰角90度のお辞儀をしたりと、まさに前評判通りの見事な演技ぶりを見せてもらいました。

 以上の二名は私が知っている若手俳優の中でも一際抜きんでているというか、キャスティングされているだけでも出演作を見てみたいと思う男優です。しかし、こと男性俳優で今一番誰が上手いかと言われれば私の中で上がってくるのはこの二人ではなく、今旬なディーン・フジオカ氏でもなく、ほかならぬ伊勢谷友介氏だったりします。
 伊勢谷氏は映画の「カイジ2」で初めてその演技を見ましたが、主役の藤原竜也氏のイケメンらしからぬクズキャラぶりな演技もさることながら、いけ好かない感じの気取った敵役をこれでもかといわんばかりに演じており見終わった後に、「一体誰なんだこの俳優は?」と思って生田氏同様にすぐ経歴を調べた俳優です。元々高く評価されていた俳優なだけにその後も伊勢谷氏は話題作に出演し続けていますが、恐らく私だけではないでしょうが最も凄いというか恐ろしい演技ぶりだったのは間違いなく映画「あしたのジョー」で演じた力石徹役でしょう。

 この映画ではボクサーを演じるということから主演の山Pこと山下智久氏同様に相当なトレーニングを積んで出演され、どちらも体脂肪率を出演前から極端に落として撮影に臨んだそうですが、「力石といったら過酷な減量」と言われるあのシーンもきっちり伊勢谷氏は演じ切っています。実際にあのシーンの撮影数日前から絶食していたそうで、「水ー!」って叫ぶシーンなんか聞いててちょっと怖かったし、減量後の体重測定シーンに至っては文字通り幽鬼のような姿を見せ、鬼気迫る演技とはああいうのを指すのだと思います。実際に聞いてるとやや演技馬鹿というか妥協をせずにのめり込む体質の人らしくて、あの役にしてこの俳優ありだなというのが私の感想です。
 なお山Pも非常にしっかり身体作って演技しており、アイドル使った古い漫画の復刻映画と舐めてかかっていたらいい意味で不意打ち食らいました。

 何もこの記事に限るわけじゃないですが、「ウコンの力」からよくこんな俳優談義に話題を発展させるもんだなと自分で書いてて呆れます。実際、普段の会話でも小さなとっかかりから大きく話題を変えるのが非常に得意ですが。

2016年2月15日月曜日

シャープのターニングポイント

安倍首相が衝撃の告白! 昭恵夫人にペット用サプリを飲ませてた… ペットフードへの軽減税率適用めぐり応酬(産経新聞)

 ここ数年の政治家の発言の中で一番衝撃的な発言でした。安倍首相もトークが上手くなったもんだ。

シャープ再建は、もう手遅れ 失われた4年間の愚策 (ダイヤモンド)

 本題に移りますが普段はけったくそに馬鹿にしているダイヤモンドの記事ですが、上記リンク先の記事はなかなか良く書けているというかほかの経済記者が書かない部分まできちんと踏み込んでいて読ませられました。書かれている内容としては直接読んでもらった方が早いですが、私が従来から主張しているように「今のシャープには守るべき技術など既に存在しない」ということと、社運を賭けたターニングポイントは4年前の2012年だったというのを中心にして書かれており、自分の主張に近いということも大きいでしょうがこのところのシャープ関連の記事では一番よく正鵠を射た内容のように思えます。

 後者の内容について筆者の主張としては、2012年春の時点でシャープは自力再生が不可能だとはっきりわかっていたと踏まえ、その段階でどうしてホンハイ精密とより深い提携をしなかったのか、または銀行からの融資を得て抜本的な改革に取り組めなかったのかが問題となり、結果的にこの4年間は金と時間の空費にしかならなかったと切って捨てています。中々厳しい意見ですが私にもその通りに思え、特に当時はシャープだけでなくパナソニックとソニーも数千億円単位の巨額赤字をこさえましたが両社ともに文字通り血肉を削る抜本的な改革を実施して現在では見事に黒字回復を遂げております。それこそただ単に、「技術力の差」があっただけかもしれませんが、同じ業種で同時期に赤字をしていただけに、「経営力の差」の方がこの4年間ではっきり出たというのが私の見方です。
 にしても、パナはともかくソニーはよく巻き返したな。

 逆の視点で言うならば、シャープは4年前に何をすべきだったのでしょうか。これははっきりしているというか当時の時点で多分誰でもわかったはずでしょうが、当初の計画通りにホンハイとシャープ本社できっちり提携するか、液晶部門を売り払うかの二択、要するに今シャープが天秤にかけているホンハイ案と産業再生機構案のどちらかだったということです。付け加えるなら、太陽電池部門ももう市場が傾いていたし切り離して売却することも条件と言えそうですが。
 結局のところ、とにもかくにも決断が遅かったに尽きるでしょう。4年前に実行すべき案を今更実行するよりも、4年前に実行した方がいいに決まっています。しかも4年前のホンハイとの提携交渉時、シャープはホンハイに対して市場価格より明らかに割高な金額で株式出資を求めましたが、余所の会社とは言えなんて横柄な態度だと内心思いました。折角金出してくれるというのに悪条件を求めるなんて何考えてるのか本気で意味分かりませんでしたが、結局それで揉めて堺工場のみの出資にとどまって現在に至ったわけです。

 よく自分はせっかちで決断を焦りやすいと言われますが、私に言わせれば日本人は全体的に決断が遅すぎるというか決断に当たってスピードの価値を全く省みないところがある気がします。もちろん決断に当たってじっくり熟考できるに越したことはありませんが、早ければ早い方がいい決断の方が世の中確実に多いです。また決断が早ければ早いほどその決断が間違っていた際に引き返す時間的余裕も得られますが、日本の場合だと散々決断を先延ばしにして結局身動き取れなくなる会社が多過ぎます。だから自分も、焦りすぎだと言われても日本人から言われる分には気にも留めません。
 最後に決断の速い会社として私の中で上がってくるのは、ユニクロ、日立、富士フイルムの三社です。この三社は構造改革の決断が半端なく早過ぎて、こういってはなんですがあまり日系企業らしくないなぁとすら思います。

  おまけ
 私は三国志マニアですが、三国志マニアなら「横柄」という言葉を聞いてすぐ「王平」という武将が目に浮かんできて、同様に身体測定で「胸囲」という項目を見ると即座に「伯約」という字がでてこないといろいろ駄目でしょう。