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2016年7月9日土曜日

石田純一の都知事選立候補について

 扇風機買うと冬場使わずにスペース取るのと、これまで二年以上同じ場所に住まず引っ越しを繰り返す生活を続けているので冷房をガンガン使っているのですが、かつてお金がなく電気代をケチるために冷房を全く使わなかった(客が来たときだけ)学生時代を思い出してはいい身分になったもんだと思います。なおどうでもいいですが、私が学生時代に使っていた下宿アパートはこの前言ったらなくなっていました。

 話は本題に入りますが既に各所でも報じられている通りにタレントの石田純一氏がこの度、舛添前都知事の辞職に伴う都知事選挙に立候補すると宣言しました。しかしこの立候補宣言ははっきり言って非常に胡散臭い物で、本人曰く「グレー」な立候補であり、野党四党の推薦を受けることが条件で受けられなければ出馬しないとのことです。その上で石田氏は野党が統一候補を出す意義を主張するとともに、憲法改正も議論するとほざいています。なお、野党からはそもそも出馬の打診自体無く現時点も公認するとの連絡はないそうです。

 ほかのメディアでも書かれていますが、「何様だ?」というのが私の正直な感想です。行動や発言を見ている限りで後は売名や攪乱を狙った行為ではないとは思います。しかし、だからこそなお手に負えない。

 あくまで私の見た印象で述べると、恐らくは妙な使命感なり義務感なりでこの出馬発表を石田氏は行ったのではないかと見えます。彼の本心としては自分でなくてもいいから野党に統一候補推薦を促すということ、それにより安倍政権の憲法改正を阻止する動きへの一石になろうとしたのではないかと思いますが、どこをどう切り取ってみても思い上がりが甚だしいでしょう。
 今回の石田氏の出馬宣言の要旨を取ると、「野党は自分を推薦しろ、だったら出馬してやる」という風に聞こえかねず、っていうか実際そういっているのですがこれまで本格的な政治活動もしていない人間が突然こんなことを言うなんてやはりおかしい以外の何物でもありません。統一候補を促すだけであればわざわざ出馬宣言などする必要など全くなく、私人として、一芸能人として普通に発言して促せばいいだけで、熱に浮かされたのか知りませんが出馬せずにはいられないほど無用な使命感を感じちゃったのでしょう。

 また都知事になって何をするのかという政策案については憲法改正に反対するという、そもそも都知事の仕事ではない国政議論を亥の一番に言い出し、だったら都知事選ではなく参院選とかに出りゃいいじゃねぇかと記者会見で誰もツッコまなかったのかという点でこちらは日本のマスコミに疑問を覚えます。実際、他に何をするのかなどと行政関連の質問を飛ばされた際にはしどろもどろだったそうですし。

 私は以前に「やる気のある無能」を書きましたがこれを読んだ知人はみんな、「こういう奴っているよね……」ってやたら真面目な顔して感想を漏らしますが、今回の石田氏の行動はまさにこれじゃないかという気がします。本人が不必要なまでの使命感を感じてしまったがゆえに本人を含め誰も得しない結果を招いており、政治参加は確かに個人の自由ではあるもののニュースを見る側からすればくだらないこと言い出しやがってという具合に無用な苛立ちしか覚えないほどのお粗末さです。強いて教訓として述べられることとしては、こういう人間はいちいち相手をしてはいけないということを再認識出来るっていうことくらいでしょう。

 ついでに自民党都知事選候補について述べると、小池百合子氏の出馬について手続きがどうとか言っていますが単純に石原伸晃氏が小池氏を嫌っている、もといその後ろにいる人物が反対しているだけというのが実態だと思います。そういう意味だと私としては小池氏を応援したいなというのが本音です。

ヒールの品格

 今日さっき日本料理屋で同僚と飯を食ってる最中、「だからシャープは駄目なんだよ!」っていつものように吠えてたら対面の席に座っていた同僚が店を出た後で、「花園さんがシャープの名前を出した瞬間、後ろの席にいた二人がばっと振り返ってこっち見てましたよ」と親切にも教えてくれました。偶然って面白いなと思うと同時に、ネット弁慶ではないのはわかったがどこでもかしこでも吠え過ぎかなとちょっと思いました。

 話は本題に入りますが今日何気なく琴欧洲のウィキペディアを読んでいたら、現役中は母国のブルガリアでも相撲中継が放映されて故郷の人たちも琴欧洲を応援しながら見ていたそうですが、日系メディアが取材に行ったところ現地の人たちは、「朝青龍は悪い奴だ」といって、周囲の人もうんうんと頷いていたそうです。
 これを見て思い出したのが私の留学中、相部屋だったルーマニア人です。彼も私が寮で相撲中継を見ていたら自然と一緒に見るようになっていったのですが、何故か彼も朝青龍を嫌っていました(贔屓にしていたのは安馬時代の日馬富士)。一体何故、日本でのスキャンダルが報じられるわけでもなく、ましてや中継の日本語解説もわからないにもかかわらず朝青龍は嫌われるのか、一言でいえば彼のヒールとしての品格がそうさせたのではないかと今思います。

 ヒールの品格とは何か。言い換えるならヒールの条件というかヒールとしてふさわしい特徴みたいなもんですが、仮に朝青龍を手本にするなら以下のようなものがそれに当たるのではないかと思います。

A、ふてぶてしさ
B、反省のない態度
C、粗野な物言い
D、圧倒的な強さ

 AからCについては言わずもがなですが、一番重要なのはやっぱりDでしょう。「憎らしいくらいに強い」とはいったもんですが、現役時代の朝青龍なんかまさにこれでした。どれだけ粗野な態度であろうと弱っちかったらヒールとしては成立せず、やはり「どうすれば倒せるんだよこんなの」と言わんばかりの強さが何よりもヒールを際立たせる気がします。同時に、ヒールは弱気な態度を見せてしまうと一発でイメージが瓦解する恐れもあり、どんなときであろうと無駄に強気を保つことも大事です。

 それにしても改めて思うに、朝青龍は稀代のヒールと呼ぶにふさわしい人物で彼がいた頃は大相撲もほんとに面白かったです。プロレスじゃないですが興行においてやっぱりヒールはいた方がいいと思えるくらいの活躍ぶりでしたが、そんな朝青龍の最大のライバルは魁皇でも琴欧州でも白鵬でもなく、横綱審議委員会の内館牧子氏だったというのも見逃せない点です。でも今の相撲界上層部を見てると、内館氏は厳しい態度取っててしっかりしてたなぁという気もしてきます。

 このヒールの概念をほかのスポーツに向けると、野球界ならやっぱり巨人がヒーローでもありヒールである気がします。ただ最近は一番肝心な圧倒的な強さという者が感じられず、そっちの方で行ったらパリーグのソフトバンクの方がこの要素を満たしています。もっともソフトバンクは野球賭博をしてはいませんが。

2016年7月5日火曜日

プーチン、ロシア猫くれるってよ

 またこのところプライベートで忙しくブログの更新が滞っておりました。健康的には問題なく、むしろ元気が有り余っているのかこのところ「ぶっ殺す」と言う回数がやたら増えているような気がします。
 話は本題に入りますが、やや古いニュースではあるものの周りで知っていた人がほとんどいなかったので、現秋田県知事の佐竹敬久氏とロシアのプーチン大統領との交流について今日は紹介します。

【わんにゃん外交】 秋田犬”ゆめ”とロシア猫”ミール”の動画等。随時更新♪

 佐竹知事は江戸時代に秋田県こと秋田藩を支配していた佐竹家の現当主で、全国的にも珍しく旧領の知事に就任した人物であります。そんな佐竹知事がどうして現世界でぶっちぎりに権力とパワーと実力を兼ね備えるロシアのプーチン大統領と交流を持ったのかと言うと2012年に、

佐竹知事「プーチン大統領は犬好きだというし、秋田犬を送ってみよう!」

 という、割とテンション高くないと思いつかない企画を実行に移したことがきっかけでした。
 あんまり犬種には詳しくないのですが秋田県は世界的にも独特な品種であることと、ハチ公の話が海外に伝わり賢く忠実な犬種であると評判になって中国でもこのところ人気の上がっている犬種であります(マジで)。でもってプーチン大統領が犬好きだというのも事実で、この秋田県からの提案を受けるや二つ返事で「くれ!」と言い、運搬のためわざわざ飛行機のビジネスクラスを用意する程の歓迎ぶりを見せてくれました。
 こうして秋田犬「ゆめ」は日本を離れロシアのクレムリンへと送られそこですくすくと育ち、数年後にロシアを訪問した安倍首相を出迎える頃には立派な体格になっていたほど優しく迎え入れられたそうです。この一点で以っても佐竹知事はなかなかやるなと思うのですが、この話にはさらに続きがあり、

プーチン「佐竹知事は猫好きだというし、ロシアのサイベリアンを送ってあげよう」

 という展開で、なんと今度はプーチン大統領から佐竹知事の元へ犬への返礼として猫が送られることとなりました。上記のNAVERのまとめ記事がいうように「わんにゃん外交」とは言ったもんです。

 こうして2013年に秋田県へと送られてきたサイベリアンの「ミール(ロシア語で「平和」)」は佐竹知事とその夫人によって暖かく知事公舎に迎え入れられ、定期的に秋田県の公式サイトでその成長ぶりが映像で公開されるなどして人気を博しています。
 なお今回この記事を書くに当たって少し下調べをしたところ、佐竹知事の猫好きは半端じゃなく、なんと現在知事公舎の中でミールを含め8匹もの猫を飼って生活しているそうです。そのためメディアの取材でも猫関連の物が多く佐竹知事と検索すると猫の話題しかヒットしないほどで、なんというかキャラは非常に立っていると思います。もちろんちゃんと政治の仕事もしているそうですが。

 更に佐竹知事の偉いというかまともだなと今回思ったのは、猫の飼育グッズの類はちゃんと自費で支出しているとのことです。ここまで言えばわかるでしょうがこの点、舛添前都知事とは大違いもいい所でしょう。
 その舛添前都知事は都市間外交などとほざきながら世界各地の一流ホテルのスイートルームに泊まり歩いただけで日本の国益には何も貢献しなかったどころか、東京都の土地を間違いなく自身の権益拡大のためだけに韓国へ無償で貸与しようとしたなど、非常に問題の多い人物でありました。

 それに比べるとこの佐竹知事のプーチン大統領の交流は、まさにこれこそ都市間外交と呼ぶに相応しい傑作と言える手段で、ほとんど費用を発生させないまま両国間の国民感情を改善するとともに秋田県の地名を冠する「秋田犬」を送ることによって地元PRにもつながっています。突き詰めて言えば地方の首長が海外に訴えるべきことはかつての東国原元宮崎県知事よろしく、徹底的に地元特産品をPRしてその存在を知ってもらうことに尽きます。その点で佐竹知事のこの行動は絶賛するに値する外交だと私は考えています。

 また地味にペットを送るというこの行為も見逃せません。「すごいよマサルさん」こと佐藤優氏によれば外交においてプレゼントは非常に重要な駆け引き手段であり、送りすぎても駄目だし送り方もよく考えて出さなければならないと要所でテクニックが要求されると以前に言っていました。その点でペットというのは相手に受け入れられやすい贈り物であり、なおかつ長期間にわたって送られる相手と交流が続くことによって先程の安倍首相の訪問時のように後々にも交流の証として機能します。秋田県知事の元へ送られてきた猫も然りで、こうして動画が更新される毎に日本人からすればロシアとの交流を思い出すわけで、かつて中国がやったパンダ外交もそうですがあながち外交における動物の存在感は我々が想像する以上に重要なのかもしれません。

2016年6月30日木曜日

中国がミサイル攻撃してきたとかいう与太記事

中国軍機、空自機に攻撃動作 「ドッグファイト回避、戦域から離脱」 空自OBがネットニュースで指摘(産経新聞)
【阿比留瑠比の極言御免】「中国が攻撃動作」これが日本の現実 危機を直視せず「ヘイト」で集う野党の愚(産経新聞)
中国軍 空自機に攻撃動作 空自OB指摘(毎日新聞)

 なんか解説するのも馬鹿馬鹿しいなと思う出来事なのですが、なんか産経と毎日のカス二紙が東シナ海上で中国軍戦闘機が自衛隊機に向けてミサイル攻撃を仕掛けてきたと報じています。産経の方は「防衛省幹部は産経新聞の取材に対し、大筋で事実関係を認めた」と書いて、毎日の方は「政府関係者は記事のような事実があったことを認めている」と書いていますが、実際には日本政府、中国政府共に事実を公式に否定しています。

空自元幹部「中国機が攻撃動作」 官房副長官は否定(日経新聞)
「東シナ海上空で中国軍戦闘機が空自機に攻撃動作」報道は事実無根=中国大使館公使が記者会見、「人為的に煽るのは中日友好に悪影響」(ライブドアニュース)

 このようにメディアと政府で主張する内容が食い違っているのですが、結論から言えば「事実ではなかった」と判断するべきだというのが私の見方です。理由は非常に簡単で、元記事があまりにもおかしいからです。

東シナ海で一触即発の危機、ついに中国が軍事行動
中国機のミサイル攻撃を避けようと、自衛隊機が自己防御装置作動(JB PRESS)

 産経の馬鹿も毎日のアホもニュースソースを「インターネットのニュースサイトで」と書いていますが、上のリンク先がソースであることはまず間違いなく、でもって何故これを見て情報を鵜呑みにしたのか本気で理解に苦しみます。その点、朝日、読売、日経は恐らく妙な内容で裏付けが取れないと判断したからこそ掲載を見送ったと思われ、如何にこの二紙が部数だけでなくニュースの質でも劣るということが見て取れます。

 私が何故このニュースを見て事実だと信じなかいのかというと、理由は大きく分けて二つあります。一つは一目見てすぐデマだと判断できたのですが、このニュースの掲載元が「JB PRESS」だからです。ここに掲載される記事はどれも高所ぶって書かれていますがどれも内容はお粗末というか明らかに何の根拠もなく書かれているというのが手に取るようにわかる記事ばかりで、むしろ真実を書いてある記事を捜す方が難しいくらいなんじゃないかと思うほど馬鹿げた記事に満ちています。恐らく裁判で、「うちの記事を真面目に信じる読者なんていない」と自ら証言してのけた東スポよりも真実性がないんじゃないかな。
 なもんだから最初の発信元がJB PRESSだと分かった時点で、「ああこれデマだ」と私は即判断できました。真面目に疑問なのですがどうして産経も毎日もよりによってJB PRESSの記事を信じて引用記事を書こうと思ったのか、誰も止める人間はいなかったのか、っていうか裏付けもまともにできてないのに何を考えているのか不思議で仕方ありません。もし自分が記者時代に同じようなことしてたら冗談抜きで、「てめーこの野郎!(メ゚皿゚)」って言われながら窓から放り投げられてたことでしょう。マジで。

 こうした情報ソース元々の不審さに加え、「これで騙される奴がいるのか?」と思ったのは元記事に書かれた妙な記述です。元記事によると、「(自衛隊機は)自己防御装置を使用しながら中国軍機によるミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱したという。」と書かれてありますが、全文を読んでもどこにも中国機がミサイルを発射したという記述は一切なく、何故発射もされておらず接近があっただけで「ミサイル攻撃を受けた」と断定的に書けるのか、素人ながら強く疑問に感じました。第一、発射されていない段階でチャフとかフレアって打つもんなの?内容からすればフレアが今回は適当かもしれませんが。
 挙句にこの元空将を名乗っているおっさんは、「空自創設以来初めての、実戦によるドッグファイトであった」と書いていますが、接近されただけでドッグファイトが成立するってんなら冷戦期だっていくらでもあったろうと思えてならず、また軍事の専門家でないためよくわかってはいませんが、普通ミサイルを実際に撃つ前には前にも事件になった誘導レーザーを射出するのではと思うのに、その件については何故か一切触れていません。誘導レーザーを受けたら前みたいに証拠として糾弾できるだけに、これに触れないということはまず有り得ないと思うのですがね。

 あとこれは蛇足ですが、接近されただけでドッグファイト、準交戦状態となるのであれば、最近ヨーロッパで米軍機に異常接近しているロシア機もミサイル攻撃してるって言えるのかってことです。あれなんか動画で異常接近している状態が取られていますが、抗議はするものの「ミサイル攻撃された」って米軍が言ってるのを聞いたことがありません。

 もっともJB PRESSなんて前からこういう与太記事いくらでも載せてるのでその点には何も驚きがありませんが、それを産経と毎日が真に受けたというのが私にとって何よりも驚きで、本気でこの二紙はメディアとして大丈夫なのかと疑問に思えてなりません。何故疑問に思わなかったのか、誰も掲載前に止めなかったのか、言ってはなんですがあんな記事内容を信じるなんて判断力がないって言ってるようなものでしょう。中国が挑発的な行動をしてきていると批判しながら、ありもしない架空戦記をほんとの様にいって煽ってるのはどっちだとこの件に関しては言いたいです。

突然思い浮かぶワード

 今日も疲労してブログ書く時間無いので、本当にどうでもいいネタで埋めます。

 先日の記事にて「ハネムーン」と聞いて「ハゲムーン」という単語を思い浮かべたと書きましたが、知ってる人には早いですがこういう突拍子もない単語を急に思い浮かべることが私には多いと思います。今朝も歩きながら何故か突然「戦ジョーズ」と言う単語が出てきて、軍服(フランス製)着たサメの姿をん何故か想像していました。
 あとこれは昨日仕事中、適当にデータを放り込むフォルダを作る際にフォルダ名を決める際になぜか、「もんげー」というコマさんでおなじみの岡山弁が出てきて、折角だからラテン語っぽくした方が絶対いいと思ってこれまた何故か、「モンゲ・ディ・クショナリ」と、そもそもラテン語が何なのか全く理解していないのに妙な言い方するフォルダを作って実際にそこへデータを放り込みました。忘れた頃に見返すと自分でも意味がわからない。

 あとこれはすごい昔ですが、勉強のためにとパワーポイントを初めて使ってどうでもいいプレゼン資料を作ろうとした際に付けたタイトルが何故か、「ウルトラマンの内臓」でした。以降の内容も「えぇっ?」とか、「五臓六腑に染みる」など全く意味の分からない内容でスペースを埋めていき、最後にドクロのイラストがアップで迫ってくるアニメーションを入れて作り終えました。なおマイクロソフトのOffice系ソフトで使えるクリップアートで「骨」って検索するとやたらいっぱい出てくるので面白いです。

2016年6月28日火曜日

何故マスコミは横柄で無知なのか?

 先日友人から、なんかどっかから取材でも受けたのか、「なんでマスコミってあんなに無礼で無知なんですかね」という言葉と共にこのテーマで一本書いてというリクエストを受けました。知ってる人には早いですが私は一時期上海のとある新聞社で経済記者として勤務した経験があるだけにこの手の話についても裏側を書くことが可能で、テーマも悪くないしいい機会なのでマスコミというかジャーナリストにどういう人間が多いかを今日は紹介します。

<何故横柄なのか?>
 つい最近の話ですが、周りからどんな人間がマスコミに向いているかと聞かれた際に私は、「一緒に横歩いている友人を突然どぶに蹴落として指さしながら大笑いする人間」だと答えました。これは決して受け狙いではなく真面目にこの手のタイプの人間ほどマスコミ業界が向いており、逆を言えばマスコミ業界でやってこうならこれに近い事を平気でやれるようにならないと身が持たないと断言できます。一言でいえば、他人の痛みを全く気にせず傷を抉ってこれるようなサイコパスな人間ほど向いているというわけです。

 友人の言う通り、マスコミ業界には横柄で無礼な人間は明らか且つ確かに多いです。一体何故多いのかというとそういう業界だからと言ってしまえば終わっちゃうので真面目に話すと、よくネット上では、「自分たちが世の中を動かす特権階級だと自惚れている」という意見を見ますが、テレビ局員はわかりませんが新聞社の人間はそうでもないかなと言うのが私の見解です。
 では何故新聞社の記者らは横柄なのかと言うと、一番大きな理由としては取材に当たってはぶしつけな態度が必要且つ求められるからです。基本記者と言うのは取材相手の隠しごとを暴いてナンボなところがあり、企業だったら不正情報、芸能人ならスキャンダルなどと当人が暴かれたくない情報こそ拾ってくる価値があります。なので遠慮がちな態度ではなく不必要なまで強気に聞きだす態度が求められ、実際に周りの同僚や上司もそうした物を求めてくる上にそうするほど評価もするので働いていると自然と無礼になってくるわけです。

 こう書くと如何にも人の秘密ばかり暴いて嫌な奴に見えるかもしれませんが、取材においてはそうした態度と言うか割り切りが必要となることも少なくないとここで弁護しておきます。たとえば私の元上司は、「交通事故で死んだ小学生の子供の写真を親に出してくれと言う時は辛かった」と以前に話してくれたことがありました。普段何気なく目にする事件被害者や加害者の写真は現場記者らのこうした罵声を浴びせられるような活動を通して報じられており、良心を犠牲にするというか感じなくさせる必要もあるということも私個人としてはいくらか理解してもらいたいです。

 話は戻りますがこうした取材に当たる心構えともう一つ、基本的にマスコミ業界の人間は集団ではなく個人として働くことから性格が横柄になるということも大きい気がします。チームを組んで取材や執筆することもなくはないですが基本的に記者の仕事は自分で取材して自分で書くのが普通で、なおかつその実力や評価も個人単位でなされます。そのためほかの業種と比べてマスコミ業界は個人主義的な傾向が強く、協調性とか貢献意識とかよりも特ダネ取ってきたり大量に素早く記事書けるような体力の方がずっと尊重されるため自然と我が強くなる、というよりも我が強くないと持たない業界だったりします。
 この辺は私自身が強く実感した所で、私のように商社やメーカーを経験して記者になった人間からするとマスコミ一本で働き続けてきた人らは本当に周りなんて知ったこっちゃないっていう人間ばかりに見え、文字通りに次元が違う世界だとよく感じていました。特にそう感じた点として日本のサラリーマンは社内で誰がどこそこの派閥に属しているかなどという派閥論議を好みますが、大手新聞社は知らないけど私のいた新聞社ではそうした議論はあまり聞こえず、上司にそういったところ、「俺も若い頃、大学の同期と就職してから会ったらあいつらはずっとは派閥の話ばかりしてて、同じ違和感を持った」と言われました。

 なおよく同僚とも言い合いましたが、記者というのは周りはみんな頭のおかしい奴らだと思いながら、自分が最もまともだと信じて疑いません。今こう書いている自分ですらそう思っていましたし。ついでに言葉遣いについては前に書いたように、「(取材で)追い込みが足りねぇんだよこのクソボケ!」 などと、ヤクザ事務所みたいな言葉がリアルに飛び交っています。

<何故無知なのか?>
 記者が何故横柄かという理由については上記の様に仕事上の必要性、並びにそうした人間しか残れないし求められるという土壌が大きいと見ており、基本的に事実で間違いないと言えます。では何故無知なのかについてですが、自戒を込めて言うと実際無知でアホばっかです。
 たとえば経済部で言えば業界専門紙なんかだとさすがに専門とする領域において相応の知識が求められるだけに記者も勉強していますが、総合経済紙だと記者ごとに専門分野持たせようったってコマが足りず、結局各記者がのべつまくなしにどの業界に対しても大した知識を持たないまま書かざるを得なくなります。

 私もこの例に洩れず、今だから言えますが「ホットコイルはトン当たり~元、コールドコイルは同~元」などと毎月鉄鋼の出荷価格を書きながら、「そもそもホットコイル、コールドコイルってなんやねん」と思ってて、ずっとその意味を知らずに書き続けていました(今はわかる)。金融に至ってはもうほんとに専門用語に踊らされるというか何がどう意味するのかほとんど把握しないままそれとなく過去記事やよその記事を参考にしつつ体裁だけ整えてよく書いて出してたものです。
 もっとも、これは大手紙なども基本一緒です。よく見ればわかりますが明らかに単語の意味を理解しないまま書かれている記事が金融系を中心に多く、政治記事でも政策内容に関する説明が少ないというか避けているような書き方がされていればその記事を書いた記者は確実にわかっていないと判断していいでしょう。政策金利についてすらふわふわした感じで書く記者もいるし。

 よく記者というのはエリートで何でも知っていると思われがちですが実際はそうでもなく、下手したらほかの業界を経験せず知らないもんだから世間知らずな人も少なくありません。ちょっと古い話を持ちだすと東日本大震災の折に、「自動車部品のサプライチェーンが海外企業へ移っていくかもしれない」などと当時多くの記事で書かれましたが、自動車業界を知る人間からしたら品質管理上それは有りえないってことは誰でもわかっちゃいます。ついでに書くと、「クロスオーバーSUV」って単語を使う記者は間違いなく素人で、理由を明かすとクロスオーバーじゃないSUVなんてほとんど存在しないからです。

 ただこの点についても弁護というか言い訳をすると、逆に専門的になりすぎると読み手も読んでて意味がわからなくなる恐れがあります。私自身もそうしたスタンスからあまりにも専門的過ぎる内容については敢えて触れずに小さく記事をまとめて書いてたりしましたが、勉強するに越したことはないものの、この辺はバランスも重要です。

 そういいながらでありますが最近日本の記事を読んでて、「日本のマスコミのレベル落ちてるんとちゃう?」と思うことが増えています。どこかとは言いませんが、「シャープ首脳、同業他社に流出」という記事見出しを一見して、「首脳という言葉を産業界で使うか?」と思うと共に何故この記事が出稿される前に誰かチェックして止めなかったのか強く疑問に感じました。なおほかの媒体はきちんと、「シャープ幹部」と表現していました。

 なんか尻切れトンボみたいな感じですが、友人の言う通りに基本マスコミは横柄で無知で間違いありません。態度の優しい記者もいないことありませんがそういう記者はまずもって出世しません。でもって勉強する記者、科学部記者なんかはマジすごいほど勉強している人多いですが、やっぱりこの手の記者は少数でどっちかっていうと体力の方が礼賛される業界のため、みんながみんな賢いわけではなくサイコパスばかりです。

 最後にどうでもいいですが冒頭で述べた「どぶに蹴落とす」という下りについて、さすがに私はこんなことできる人間ではありませんが昔に友人を騙して煮え湯を飲ませ大笑いをしたことはあります。

2016年6月26日日曜日

奨学金に関する議論に対する疑問

 昨日今日と涼しい日が続いたのでまたずっと寝ていたのですが、今日に至っては朝八時に起きて少しパズドラした後で二度寝したら三時間も寝ていて、起きた後で自分でびっくりしてました。そこまで体力消耗したつもりはないのに。
 あと昨日は「グラビティデイズ」というゲームをクリアしましたが、3D酔いならぬ重力眩暈をしっかり体感できるゲームで、演出や世界観で確かに抜きんでたゲームのように感じました。2も今度出るけど、PS4でしかできないんだろうな。

 話は本題に入りますが、このところネットやニュースなどで大学進学で借りた奨学金が卒業した後で返済できず、延滞する若者が増えているという話をよく見ます。返済できない理由としては不況から卒業後も定職に就けず返済に回すほどの賃金がないという生活難からだとされており、そもそも欧米の奨学金は返済不要の譲与型であるのに対して日本で主流の奨学金(育英会改め日本学生支援機構の)は有利子返済の貸与型であること自体が問題であるという声も多くなっています。中には、「やってることが闇金と変わらない」、「無知な学生をだましてひどい奴らだ」などと、制度自体への批判も目にします。
 こうした声を反映してか安倍首相も今度の参院選向けの目玉政策として返済不要の奨学金制度の設立を前に掲げており、そこそこ社会問題といえるレベルにまでは発展してきたのかなという気はします。しかし私に言わせれば、この奨学金に関する議論が社会問題になること自体がおかしいように思え、このところ騒いでいるマスコミを含め一体こいつらは何を不必要に騒いでいるのか誇張ではなく強い疑問を覚えます。

 まず奨学金という制度について私の立場を述べると、非常に有意義な制度であり現在の貸与型主流であっても何も問題ないと考えています。譲与型もあるに越したことはないですが、譲与型の予算枠を増やすくらいであればもっと回すところがあるはずだというのが私の意見です。

 解説に移ると、まず利率が高いかどうかという議論についてはナンセンスもいい所で有利子型の奨学金といえどもその利子率は非常に低く、なおかつ在学中は利息が免除されるなどと優遇されています。

平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率(日本学生支援機構)

 上記サイトに具体的な利率が公開されていますが、ぶっちゃけ以前と比べて凄い見辛くなっているなという印象を覚えますがそれは置いといて、上限が年利率3.0%であるのに対して基本的には2.0%を切っています。うろ覚えですが私の頃は確か200万円くらい借りて20年くらいかけて返済したとしても元本を除いた利息分は20万円くらいだったような気がします。
 これほどまでに優遇された低い利率に対してまで文句が出ること自体頭を疑うのですが、そもそも借りる前にどういう契約なのかきちんと説明されて署名しているはずで、借りた後でやれ取り立てがひどいとかどうとか言うこと自体、内容をきちんと把握していなかった本人の責任でしょう。これに限るわけじゃないですが、なんで借金返さない奴が偉そうな口利くのかが理解できません。

 次に卒業後の収入についてですが、確かに十数年前と比べると正社員の初任給こそほぼ横ばいであるもののその後の昇給が抑えられていることから20~30代の収入は大きく落ち込んでいるという現実があります。しかし、だからどうしたというのが私の意見です。
 低い給与とはいえきちんと節約して生活すれば月々の返済額を捻出することは全く難しくありません。私も金額が少ないとはいえ奨学金を借りてましたが、決して給与の高くない会社ながら(確か月手取り16万円)就職した一年目で100万円を繰り上げ返済しています。当時は自らに対して奨学金を完済するまでは中国に行くまいと制限を課しており、ちゃんとこれは有言実行しました。
 私、それと私よりずっと厳しい(ケチな)友人に言わせれば卒業後に月々奨学金を返済できないという言葉は甘えでしかありません。例え正社員になれなかったとしても日本の場合はパートタイムの仕事がたくさんあるだけに毎月分の返済額位は普通に働ければ得られるはずです。病気や介護など特別な事情がない限り健康な状態でありながら、「不況で」という理由で返せない人間ははっきり言えば論外で、あまつさえ制度に問題があるなどと文句を言うなんて人格すら疑います。だったら初めから借りるなよな。

 そしてある意味ここからが本題ですが、有利子貸与型ではない譲与型の奨学金の予算を増やすべきだという意見が増えていること、そしてそれを主張する人間を見ていて常々、「何故彼らは大学の学費自体の引き下げを求めないのか」という疑問を感じます。

国公私立大学の授業料等の推移(文部科学省)
70年近くに渡る大学授業料の推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)(ガベージニュース)

 知ってる人には早いですが、テレビもパソコンも牛丼もバブル期から続くデフレで価格が落ち続けた中、何故だか本の値段と学費だけは上がり続けていました。リンク先を見てもらえば早いですがバブル絶頂だった1990年頃と比べると現在の年間大学授業料は国立で+約20万円、私立で+約30万円も上がってて真面目に「テールミーホワイ?」と聞きたくなるくらい上がってます。そもそもこの記事も、自分の出身大学ホームページを久々に見たら私の頃と比べて入学金は-2万円だったものの授業料が10万円弱くらい上がってたのを見てマジビビったのが書こうとしたきっかけです。

 奨学金は何故必要なのかといったら言うまでもなくそりゃ大学に学費を払うために決まってるでしょう。言うなれば、学費が下がれば負担も下がり、奨学金を追加で充実させる必要はなくなるということになるわけです。
 しかも上記にも述べた通り、日本はバブル以降はずっとデフレであったのに対してやたら大学の学費だけは上がり続けています。そりゃ大学経営がいろいろ大変だというのを全く理解していないわけではありませんが、そもそも日本は細かい数字こそ確認していないものの他の先進国と比べて教育投資額が極端に低いとよく言われており、だからこそ教育拡充に予算を組んで学費を下げる努力をするべきだの一言も出たっていいはずなのに何故だかそういう意見はどこをほっつき歩いても目に耳にすることもなければ口に出す人も私以外いません。挙句に、奨学金の利子が高いだの返済不要の制度を充実させろなど、どう考えたって論点が違うのではと思う意見が何故だか主流になって学生もマスコミもどや顔で口にするのが不思議でならず、景気低迷とか舛添問題以上にこの国は本当にどうなってしまっているんだと不安を覚えさせられます。

 もうあれこれ説明するのも馬鹿らしいのでやるべきだと思う調査検討政策を列記します。

・学費増大要因の分析(恐らく受験者数減少が大きい)
・効率的な大学経営のモデルプランの紹介
・ふるさと納税みたいな母校寄付納税制度を作る
・大学統廃合を進める(学校単位ではなく学部単位が望ましい)
・付属中学高校に対する制度を色々拡充させる
・奨学金の延滞者のブラックリストをネットで公開する

 上にも書いたように何故マスコミも学費引下げは放っておいて奨学金の拡充を唱えるのかが疑問でならず、リクエストも来たので次回は日本のマスコミ業界の人間について実体験を伴って紹介します。