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2017年7月3日月曜日

皆殺しの百合子

 昨日の都議会選挙は小池新党こと「都民ファーストの会(トファー)」が案の定大勝するという結果に終わりました。もっとも選挙前にこの結果は十分予想されており、むしろ予想できなければやばいというレベルなくらいに確実な結果だったので何の驚きもなく、勝因敗因分析とかもあらかじめなされているので私の方からは特にこれといって何か言うことはありません。
 強いて言えば、そもそも都議会選挙は公明党を除けばそこまで重要度の高い選挙戦ではないにもかかわらず、自民党が小池潰しのためにやたらと力を入れ過ぎて準国政選挙並みに注目度や重要度を高めてしまい失敗した感があります。やるんだったら「都議会選挙は都議連に一任してます」と言い切って、安倍首相も応援演説とか一切しなければよかったし、いわんや稲田防衛大臣といったところでしょうか。

 そんなわけでこの都議会選挙についてはブログで書くことはないなと内心思っていたのですが、今日ふと観点を変えてみたところとんでもない事実に気が付きました。その事実というのも、小池百合子都知事と対立した政敵はほぼ例外なく返り討ちに遭い、辞任が引退に追い込まれているという事実です。
 百聞は一見に如かずなので、これまで小池都知事が切り伏せて来た面々は以下の通りです。

小林興起(郵政族議員):。2005年郵政選挙で刺客候補としてきた小池氏に敗北し議員落選。
守屋武昌(防衛事務次官):2007年に小池防衛大臣と刺し違え退官。後に収賄罪で逮捕。
石原伸晃(自民都連会長):2016年都知事選敗北の責任を取り都連会長を辞任。
内田茂(都議会のドン):2017年に小池都知事と対立し都議引退。
下村博文(自民):2017年都知事選敗北の責任を取り都連会長を辞任。
松原仁(民進都連会長):2017年都知事選敗北の責任を取り都連会長を辞任。
川井重勇(都議引退):元都議会議長、2017年都知事選で落選。

 自分が知る限り上記の面々は皆すべて小池都知事と明確に対立し、その結果として役員辞任や議員落選、果てには引退まで追い込まれています。もしかしたらほかにもまだまだいるかもしれませんが、総理総裁や党首の地位ならまだしも都知事クラスでこれほどまで多くの政敵と渡り合い、なおかつすべて斬り伏せてきたいう戦績はどう考えても異常です。
 そもそも小池都知事が全国的に脚光を浴びたのは2005年の郵政選挙で落下傘候補、いわゆる刺客候補として立てられた時からで、そう考えると彼女はこの時から「政界の殺し屋」としてのキャラを確立させていたのかもしれません。なお今回の記事見出しを考えた時は「皆殺しの百合子」のほかに、「殺し屋百合子」「スナイパー・リリー」などの言葉も浮かんでどれにするか少し悩みました。

 個人的に小池都知事の上記抹殺リストの中でとりわけ印象深いのは守屋事務次官との対立です。この時に小池都知事は防衛大臣をしていてその大臣職を辞職する代わりに無理矢理と言っていいくらい強引に守屋事務次官を辞めさせたことから当初は「強引な手法」、「自分勝手」、「ケンカしすぎ」などと批判されていましたが、退官直後に山田洋行事件で守屋元次官が逮捕されるや早めに対処しようとした小池氏の判断、並びに自腹を切る行動は評価され、私としても胆力のある人だと感心させられました。
 なおこの山田洋行事件について平沢勝栄議員が、「この事件で一番わからないのは、(守屋元次官が)嫁と一緒に接待ゴルフに行っていたことだ。ストレス解消どころかストレス溜めるだけだってのに……」と言っていたのが印象深いです。

 私見ですが、小池都知事は政治家としての地力やメディア対応力などそこそこ見られる能力を持っているとは思うものの、一番恐ろしいのは強運とはまた少し異なる、一旦波に乗ったらもう手が付けられなくなるくらいの実力を発揮する点だと思います。野球に例えればヤンキースの田中のマー君みたいなもので、普段もそこそこ実力があるものの、エンジンがかかりだすやもうどうやっても止められないような突破力こそがこの人の最大の武器でしょう。
 そう考えると、前回の都知事選でわざわざ推薦を求めてきたにもかかわらず無碍に扱い敵にしてしまった自民党都連、並びに自民本部はつくづく馬鹿な判断をしたものです。都連が推薦をどうしてもしないとしても本部だけでもパイプ作っておけば全然状況は違ったというのに。

 それにしても小池都知事は残りの政治家人生であと何人を政界から葬るのか、最低でも二桁は乗っけてほしいなと密かに期待しています。

2017年7月2日日曜日

第二次長州征伐の取り扱いについて

 今日まで「ラーメン大好き小泉さん」の1巻が10円というセールがされていたのでマルクス主義的に(=意味なく、空虚な)購入しました。同じ作者の鳴見なる氏による「渡くんの××が崩壊寸前」は以前にも読んでいましたが、この作者は表情の描き分けが別格と言っていいほど優れており、実質的に表情の描き分けが最重要なグルメ漫画とはやっぱ相性がいいなと感じました。なお「渡くん~」については巻末の予告が毎回詐欺もいいくらいに一致せず、話づくりに関しては下手だと評価してます。
 さてさて梅雨の期間一ヶ月を経て久々に自転車で1時間走行したら脱水症状で死にかけ昨日はブログ更新できなかったのですがそれは置いといて、ちょっと真面目な歴史解説をしようとネタを探った結果で思い当たったのが第二次長州征伐でした。

長州征討(Wikipedia)

 長州征伐というのは幕末に禁門の変を起こした長州藩に対し、幕府が朝廷の命を受ける形で諸藩に動員号令をかけて行った征伐です。もしかしたら小さいものとかでほかにも存在するかもしれませんが、私が知る限り幕府がこの時動員をかけて兵を起こしたのは1637年の島原の乱以来で、実に200年ぶりとなる戦争行動であったと考えられます。
 歴史の授業でもきちんと解説されているので知っている方も多いでしょうが長州征伐には二回実施されており、一回目となる1864年の第一次長州征伐においては諸藩の兵が動員されて実際に長州藩の目の前まで進軍したものの、禁門の変の活躍から最高軍事指揮権を委ねられた参謀の西郷隆盛自身が長州藩の実力を惜しみ、斡旋活動を行ったことによって実際の開戦前に藩主の毛利敬親が謝罪、並びに三家老の斬首をすることによって攻撃は取りやめになりました。

 今回この記事で取り上げたいのは1866年の第二次長州征伐です。一度は謝罪したものの依然と幕府の要求に応じない長州藩を叩くため二度目の動員がかけられたのですが、この時既に薩長同盟が成立していたことから薩摩藩箱の動員に拒否したばかりか、外国との取引を禁じられていた長州藩へ密かに名義を貸して大量の武器を購入させるなど暗に支援する有様でした。
 開戦前に話し合いで決着した第一次とは異なり、こちらの第二次では実際に火蓋が切られ、中国、北九州地方で諸藩連合と長州藩が激突しましたが、兵力で圧倒的に劣る長州藩が各戦場で悉く勝利し、また一向に勝機が見えない状況で14代将軍徳川家茂が逝去したこともあり、幕府軍はこれを口実に撤退したことで長州藩の圧勝に終わります。

 以上が主な歴史的事実ですが、私がこの第二次長州征伐についてこのところ思うこととしてはやはり歴史上での扱いが小さすぎやしないか。戊辰戦争は鳥羽・伏見の戦いから始まったということになっているが、明治維新にかけての革命戦争はこの第二次長州征伐からと始まったと考えるべきではないかと思うわけです。
 確かに朝廷の勅許を得てからの討幕戦争という意味では鳥羽・伏見の戦いからですが、徳川幕府VS長州(+薩摩)という構図は既にこの第二次長州征伐の時点でできており、なおかつそれまで日本を支配してきた徳川幕府が圧倒的兵力差で攻め込んだにもかかわらず惨敗するという結果はインパクトがあり、恐らく当時の人々の間でも「幕府の力はここまで衰えたのか……」とはっきり認識するに至った大事件であったように思われます。
 敢えて例えるなら、現代の米国軍がアーカンソー州軍に撃退されるような事態だったと言えるでしょう。何故ここでアーカンソー州がでてくるのかは私にもわかりません。

 このように考えると、一連の討幕戦争はこの第二次長州征伐から始まったと考える方が筋であるように思われ、同時にその歴史的意義も、騎兵隊という農民中心の部隊が武士の部隊相手に勝って見せたという事実も相まって、その重要度は今の日本史における扱いでは小さすぎやしないかと言いたいわけです。

 なおこれは私の勝手な推察ですが、恐らく薩摩藩もこの第二次長州征伐を見てそれまでの公武合体から本気での討幕に意識を変えたのではないかと思います。薩摩藩はこの長州征伐において陰で長州を支援するものの傍観者の立場で、恐らくはある程度戦況が込み入ったところで再び和解斡旋に動いてその発言力や地位を高めようとしていたのではと考えられますが、思ってた以上に幕府が惨敗し、もうこれなら長州と組んで幕府に取って代わろうと、ここで考えたのではないかという気がしてなりません。仮にそうだとすると、薩摩藩は非常に強かな外交戦略を作り実行していたということになります。

 まとめますと、鳥羽・伏見から始まる戊辰戦争はその時系列的な意義から考えると第二次長州征伐からカウントすべきではないかというのが私の意見です。もっともそうなると年号がずれるため「戊辰戦争」とは言えなくなってしまうのですが、討幕戦争、明治維新の始まりという意味ではやはりここがスタートであるべきではないでしょう。

2017年6月29日木曜日

稲田防衛大臣の「防衛省として応援」発言について

 昨日は疲労から記事書けなかったので報道から1日遅れですが、例の稲田防衛大臣の発言をみて思ったこととしては、「これサッカーなら値千金のオウンゴールだな」ってところです。よくもまぁ都議選を直前にしてこれほどまで自勢力を苦しませる目も眩むような一手を打てるものだと感心するレベルです。

 話をまじめに戻すと、やはりこの発言は見過ごせません。稲田氏については元々資質もなくただ戦前回顧という趣味(趣味であって思想ではない)が安倍首相に気に入られているだけで政治家、というより公人としては相応しくない人物だと私は見ており、森友学園問題や日報問題で案の定ぼろを出していました。しかし先の問題と比べて今回の発言は明らかに防衛相を私物としてみているとしか思えない発言で、実際にそう思っているのでしょうが、非常に危険な思想であることはもとよりそうしたことをうかつに口に出す節操のなさは、自覚していないのであれば本当にどうしようもないレベルでしょう。
 それにしてもここで麻生財務大臣が豊田真由子議員に向け先に言った、「あれ女性ですよ」という発言を稲田大臣にも言えたら、凄い説得力感じるとともにマジリスペクトするところなのですが。

 話をもっかい戻すと、やはり今回の発言で一番割を食ったというかダメージがでかいのは安倍首相で間違いありません。このところの自民党議員の不祥事、ひいては自身の森友、加計問題も相まって国民の支持率はおろか党内の求心力すら落ち込み、実際に現時点においても稲田議員の処遇について、ほかの不祥事を起こした議員は離党させたり降格させたりしているのに何故かばう上に留任させるのかと、党内からも公然と非難する声が出てきています。
 前々から思っていますが、安倍首相はびっくりするくらい人を見る目がないというか問題を起こしそうなやばい奴ほど引き立てようとするのが理解に苦しみます。稲田議員なんて普段の発言からみても戦前を礼賛するように見えその実、何も中身が伴っていないというか口先だけの上っ面だけなのが分かるというのに、どうも安倍首相はそうではないとみていたようです。

 また女性という点についても、世の中には優秀な女性はたくさんいるというのに野田聖子議員(総裁選に出馬しようとしてからは極端に冷たくなったが)やドリル小渕議員など、明らかに異常者と思えるようなレベルの女性ばかりを引き立て、私が非常に頼りになると考えている小池都知事にはそっけなくしたため今脅かされるような始末になり、重ね重ねになりますが何故こうも人を見る目がないのか不思議でしょうがありません。

 ただ今回の稲田議員の鮮烈オウンゴールについては時期的にやや同情します。言うまでもなく現在は都議選の直前であり、仮に本気で安倍首相も問題だと感じたとしても、ここで大臣職を更迭させれば選挙にマイナスイメージが出るのは必至で、かといって留任させても非難の材料となってしまいます。選挙のことを考えれば即更迭は確かに難しいと私は思いますが、それだけに稲田議員のこの狙いすましたかのようなタイミングには逆にほれぼれしてしまいます。
 なお自分はこのタイミングについて、2009年時の選挙戦における赤城徳彦農水大臣(当時)の再来ではないかと思い出しました。この人もまぁ「狙って自爆してるんじゃないか?」と思うくらいに不祥事のオンパレードで当時自民党を大敗させた一因というか主犯でしたが、この赤城元大臣同様に稲田大臣も都議選後は多分降ろされるでしょう。本当に降ろすべきだったのは先の日報や森友学園問題の時であっただけに今更ですが、さすがに今度降ろさなければダメージがますます広がるのは確実です。
 まぁここだけの話、稲田大臣を更迭させずとも今回の一件のダメージを回避する方法は全くないわけじゃないのですが、稲田大臣本人がそれを選択することはないでしょう。

 今後の展望ですが、都議選は間違いなく小池新党が圧勝し、これによってオリンピックに関する準備や運営で都側の発言権が増すだろうと考えられます。これまでとは発言権がないにもかかわらず責任ばかり膨らんでいたので、少なくとも現況よりは状況は好転します。
 問題はその後で、都議選にとどまらず国政選挙でも小池新党は余勢をかって候補者を送れるかです。維新はこの間、候補者の質を維持できず自滅しましたが、小池新党もこうした問題に今後さらされるでしょう。仮にこの問題をクリアして国政にも候補者を送れるならば、今回の都議選で公明党は小池新党と歩を合わせているだけに、なかなか大きな勢力となっていくのではと思えてきます。

2017年6月27日火曜日

嵐の中で( ;∀;)

 日本も今、毎日雨が降り続ける天気ではないかと思います。中国も今年は非常に梅雨らしい梅雨でずっと雨が降っており、水不足に悩む北京など華北地域でも今年は降りすぎて逆に水害が起こっているとまで聞きます。
 しかしこれで困るのは言うまでもなく洗濯。私の方も先週一週間ずっと雨が降りっぱなしだったため全く洗濯できず、ついには通勤用靴下が弾切れを起こしてリアルに「アパームッ!」と「プライベート・ライアン」みたいなセリフを言いたくなるような状況にまで追い込まれました。関係ないけど、上記のアパムシーンでは靴下に爆薬詰めたくっつき爆弾使ってたな。

 さすがに裸足で会社行くわけにもいかないので一か八かのかけで昨夜思い切って選択し、夜中ずっと干しておきました。幸いというか夜半に雨が降ることはなく朝起きた時点でそこそこ乾いていたものの、天気もやや良かったのとまだ乾き切ってないためそのまま干したままにして出勤しました。
 相変わらず納期のきつい仕事を会社でこなしながら昼食後、これまたいつものように30分ほどの仮眠を取ろうと12時半に腕組んで昼寝していたところ、わずか10分で耳を突く音で目が覚めました。私のオフィスは7階にあってちょっとやそっとの雨くらいでは窓ガラスに水滴はつかないというのに、思いっきりガラスを叩くかのような水滴音がするくらいの豪雨が上海の街の空を埋め尽くしていました。ほんのちょっと前までマシな天気だったのに……。

 こりゃあ干してた洗濯物も全滅で、下手すりゃ雨に叩き落され階下のベランダに落ちてるかもなとやや沈鬱な気持ちのままカレー食べて帰宅したところ、玄関開けるなり隣の大家一家から、「昼に大雨になったから、あんたの洗濯物取り込んでおいたわよ」とファイインプレーをかましてくれていたことを明かしてくれました。以前にも布団を干していた時に合鍵使って取り込んでくれていたこともありましたがその時は小雨程度で、今日に関しては間違いなくやばいくらい、外に突っ立っていたら雨に叩かれマジであざできそうな降りっぷりだったので、合掌しながら何度もお礼言いました。明日何かお礼持ってかないとなぁ。

 なお昔の記事に書いたと思いますが学生時代は立場が逆で、下宿の後輩の布団を夕立の前に部屋の中に放り込んでおいたことがありました。この時は隣の別の後輩の部屋からベランダを伝って渡り入れたのですが、勝手な行動ながらその部屋の後輩からは後でお礼言われました。
 問題ったのは隣の別の後輩です。彼は私と同じ学科(専攻も同じ)だったのでこの時の出来事を学科内に広め、「花園君と知り合いになっておけば洗濯物を取り込んでくれる」と一時期噂されました。ちなみにその前は私が短パンにTシャツをインせずに登校したら学科内でいちいちニュースになったそうです。

2017年6月26日月曜日

出版社のルーズな内部統制

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話【試し読み】(マンガハック)

 上記ページで試し読みできるマンガを私は冷凍たこ焼き好き(あと納豆も)の友人から紹介を受けたのですが、一見して読んだ後の私の感想はというと、「ダボって言葉使ってるから作者は岡山辺りの人だろうね」でした。
 そんな私の感想を横目にこの漫画はよく売れており、ついこの間までAmazonのKindleコミックのランキングでずっと3位につけていました。もっとも当時の1位と2位は作者が同じ、「中間管理職トネガワ」と「1日外出録ハンチョウ」でワンツーフィニッシュだったというのがもっとすごかったけど。トネガワは私も買いました。

 そろそろ真面目な話題に移すと、この本の中身は言ってしまえば杜撰な漫画編集者に振り回された作者がその内実を暴露するという内容です。見る人によって感想は異なるでしょうが、私の感想は上記の通り作者の岡山弁が気になったのと、「進撃の巨人」作者に対し「漫画じゃなくてジャンプ持ってこい」といった少年ジャンプの編集者を思い出したのと、まあこの業界なら珍しくもないなという感想でした。先二つに関してはそうでもないでしょうが最後の三つ目の感想は一時期とはいえメディア業界に所属した、っていうかいまでも実質付き合いのある身であるが故の感想で、多分一般的ではないでしょう。

 結論から言うと、出版会社を含むメディア業界は契約や業務執行など諸々の面で内部統制が非常にルーズです。特に原稿の外部発注に関しては基本的に正式な契約書を交わさず、メールや口頭で述べた原稿料を源泉徴収して向こうへ振り込むのが普通で、ライターに関してはまだしも漫画家さんについては企業に勤めた経験がない人も多いだけに結構喰われている(カイジ風に)人も多いのではと思います。
 また業務に関しても規範化はほとんどなされておらず、個人情報の取り扱いなどについてもいろいろ緩いです。いくつかその一端をうかがわせる事件を挙げると以前にあった「少年チャンピオン」の懸賞品未送付問題とか、「テルマエ・ロマエ」の映画原作契約を作者へ一切の説明なしに出版社が締結したなど、これらの問題は多分多かれ少なかれどこの出版社でもよくあることでしょう。

 最近この方面の企業統制に関わることが多いので気になってしまうのですが、出版社の内部統制は一体どうなっているのか疑問に感じることが多いです。上記漫画の相手となったKADOKAWAグループは一応上場して監査も受けてるはずなんですが、それでもあんま従業員の業務統制はしっかりできてなさそうです。
 いわんやと言っては何ですが、ほかの出版社はどうなのか。基本的に出版社は大手でも上場していないのが当たり前ですが、きちんとした監査を受けず内部統制もしっかりやってないから案外自分たちの危機的状況もわかっていなければ、何のために給料もらってるんだかわからない編集スタッフも数多く抱えたりしているのではと密かに疑っています。もっともこの分野、内部統制がしっかりしているからと言って立派な編集が育つかと言ったらまた別で、ある程度偶然に頼らざるを得ないというのもわかってはいるんですが。

 なお今回記事を書くにあたって前情報とかないのかなと思いネットで「出版社 内部統制」などで検索をかけましたが、出版社が出版している内部統制関連の本しかヒットしませんでした。こういう本出してる連中がいい加減な契約とか業務をしているのかと思うとなんか複雑な気分となります。

2017年6月25日日曜日

加計学園問題における特区の問題点

 わざわざ自分が書くほどの内容とは思わないもののあまり論点としてまだ軸になっていないため一応記事にします。

 さてこのところ世間を騒がせている加計学園問題ですが、この問題の焦点となるのはそもそも何故「獣医特区」が設けられたかに尽きると思います。細かく調べてはいませんが、なんでも愛媛県今治市に獣医学部を新設するに当たって先に今治市を獣医特区として認定し、その上で加計学園に獣医学部を新設することとなったわけですが、改めてこの過程を見ると疑問点が多すぎます。

 まず、なんで獣医学部を設置するのにいちいち特区を設ける必要があるのか。学部新設は文科省の権限範囲で行うべきであって、「特区にするから獣医学部が必要」というのはむしろ順番が逆です。
 次に、そもそも獣医特区は何なのかです。多分政府としては獣医研究、臨床の拠点としてうんぬんかんぬんいうでしょうが、獣医学を特区でやるから何のメリットがあるのか私には見えません。医療機器特区とかならまだしも、学術研究や臨床で、しかもこう言っては何ですが今治市でやることに必然性はなくむしろ疑問点しか浮かびません。
 最後、何故今治市なのかです。これの答えはいたって簡単で、加計学園が今治市に作るって言ってるからで、京都産業大学などほかの新設候補を蹴落とすために今治市を特区にして加計学園に新設を認めるという算段だったからでしょう。

 このように考えると、加計学園に獣医学部を新設させるために今治市をいちいち獣医特区にしようとしたというのがこの問題の枠組みです。誰が何というと「加計ありき」というのは間違いなく、またこの誘導のためにわざわざ国家戦略特区制度まで利用されたということで、皮肉を言えば非常に豪華な布陣です。
 私個人として一番不満なのは、まともな特区は作らないでおいてこういうわけのわからない利益誘導のために特区制度が利用されているという点です。それこそ審議にも上がった最低賃金特区や外国人雇用特区などは悉く無視されておきながらこういう無意味な特区が作られるだなんて、順序として明らかにおかしく本当に怒るべきはこの点でしょう。一応、獣医学会が学部新設に反対していたのでそれを突破するための特区設置と言い訳は立ちますが、だからと言って手続き順序がおかしく、なおかつ本当に価値のある特区が設置されない点は見過ごせません。

 それにしても前の記事でも書きましたが、安倍首相はどうしてこうも変な連中ばかりと付き合おうとするのか不思議でしょうがありません。金と権力のある所にはすり寄ってくるものがあるとはいえ、人を見る目こそもっと鍛えるべきだったでしょう。

2017年6月24日土曜日

真夜中の怪音

 昨夜、後輩とともに極楽湯に行ってきて、「花園さん、背中やばいっすね」と、ダニに噛まれまくった背中を見た後輩に言われました。これでも大分治ってきたのに……( ;∀;)
 入浴後、あんまおいしくなかった食堂でのご飯を食べた後、いい感じにダラダラしてから自宅に戻ったところ、何やら入り口付近で数分ごとに「ピー」という機械音が聞こえてきました。ちょうど何かドアを挟んだかのような音で外でなっていると思いましたが、あまりにも何度もなるのと、やはり玄関付近で聞こえるのでよく調べてみたところ、ガス給湯器が音を出していることに気が付きました。

 現在の自宅のガス給湯器は戸棚の中に入っているので、そのせいで音がくぐもって気が付くのが遅れました。改めて戸棚の戸を開いて確認したところ、給湯設定温度が何故か70度となっていておかしいと思い、さらに調べてみたところ、どうも「温度アップ」のボタンが触ってもいないのに押されているような状態であることが分かりました。そのため「温度ダウン」ボタンを押しても70度から全く下がらず、試しにお湯出してみたら70度かどうかはわかりませんがやばいくらい熱いお湯が垂れ流されました。

 そして音の正体ですが、給湯器の温度設定ボタンをいじると「ピー」となるわけで、要するに「温度アップ」ボタンがほぼオン状態でありながら、ごくたまにオフになってまたオンになるとともに音を鳴らしていたというわけです。原因はわかったものの、ボタンはどう押しても反応がなく、このままの状態が続いたらシャワーも浴びれなくなるぞとやきもきするものの、既に深夜を回っていたためもう何もせずに寝ましたが、その後もしょっちゅう「ピー」となってうるさかったです。

 開けて翌日の今朝8時から試しに外枠の金属板を外して温度設定パネル部分を取り出し中を見てみると、どこもおかしなところはありません。ただなかの基盤を出しスイッチ部の端子を少し触ってみると、心なしか「温度アップ」のやや左側を強く押したところオン状態からオフに切り替わりました。その後しばらく左側を強く押し続けスイッチ端子をやや左に傾かせたところ、うまいことというかオン状態が止まり、通常通りに操作できるようになりました。
 もっともここに至るまで、外枠外してから約一時間半かかりました。この間、何故か朝飯も食べなかったし。

 今回こうして作業してて思ったこととしては、最近はこういうことするの減ったなという感想でした。というのも中国は住宅設備、建材ともに非常にもろく、トイレをはじめやたら目ったら壊れるのが当たり前です。そのたびに大家と交渉したりしますが直せるものは自分で直すように自然となっていき、実際に私も水が染み出るトイレやガス漏れゴムホースの修理を過去に何度もやってるのですが、今の借りている部屋は比較的環境が良くこれまでそういった問題に悩まされることはありませんでした。
 現時点で今の部屋は約1年半住み続けていますが、2010年以降は2年と同じ部屋に住んだことはなく、あまりにも引っ越すことが多いため家具や家電(電子レンジが常にない)もあまり買わないようにしていますが、割と今の部屋は親切な大家ともども気に入っているのでなるべく長くいたい、というかもうそんな転職とか引っ越しと化したくないのが本音です。

  おまけ
 住宅に関してはこのところ2年以内に引っ越していますが、会社に関しては3年以上同じ会社にいたことがありません。周りの同僚にも冗談で、「今回は3年の壁を越えたい」と話していますが、「いや、ハードル低すぎるだろ」と突っ込んでくれる辺りいい同僚に囲まれています。