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2017年12月20日水曜日

レビューあれこれ

 ここ一週間ほど、毎日30分程度ネットの通信が突然途切れる現象が起きているのですが、中国政府の陰謀だろうか?何でもかんでも悪いことを中国政府のせいにするのもなんですが。

文藝春秋2018年1月号[雑誌] Kindle版(Amazon)

 話は本題に入りますが、上のリンク先は今月号の文芸春秋です。実は昨夜にレビューをしたためて上のページにもしっかり掲載されていますが、はっきり言って今月号はひどすぎると感じました。
 細かくはその書いたレビューを見てもらいたいのですが半端なくつまらない特集に膨大な量のページが割かれてあり、普段よりも独立した記事が少ないにも関わらう70円値上げされており、今までこんな風に文句言ったことはないですがこの内容でこんな値上げに踏み上げるのは理解に苦しむため一気に書きました。真面目に、特集の内容を含めこれで行こうと思った文藝春秋編集部の意図を疑います。

あれから1年、「パクリ疑惑」上海大江戸温泉の今(JBpress)

 続いてこちらは今日配信された自分の記事ですが、例によってヤフコメを見るといくつか意外だなと感じる点がありました。

 一つは「なんでこんな冗長なのに中身がないんだ」というコメントが多かったことです。長いのは文字数指定されているからなだけですし中身については見出しではっきりと「現状」と書いて特にスクープないよと予告しているにもかかわらずどうしてこんなこと書く人多いんだろうとしばらく考えましたが、恐らくですがこの件についてスクープを期待した、ほんとのところの真相を知りたいという気持ちが強かったからこそ物足りなさを感じる人が多かったのではないかと思います。自分への批判は別に気にしないしむしろ最近は人格批判が来ないと物足りないと感じるくらいになっているのですが、改めてこのような考えに至るとこの問題がいかに注目を集めてたかがよくわかります。まぁ生憎、期待にはわざと応えなかったのですが。

 なお「中身がない」という批判ですが、やや皮肉っぽい言い方するとこの手のコメント書いている人は中身があったらあったで記事を読むことが出来ない、内容を理解することが出来なくなるのではないかとも思います。実際、これ以前に書いた化粧品市場と車載電池市場の記事はアクセスというか反応、コメントがやや少なかったのですが、記事内容や質でいえばどちらもかなり優れていると自負するレベルで、現実にその方面の専門家などからは高く評価してもらえました。日経に至っては後追ってきたし。
 しかし内容がしっかり詰まっている分、自分としてはわかりやすく書いているつもりですが、その記事内容の価値に気が付かないし理解できない人は少なくなかったと思います。逆に大江戸温泉は中身が何もない分、記事内容を理解できたからこそああしてコメントを残せるんじゃないかなと思うとともに、中身があってアクセス稼げない記事と、中身がなくてアクセス稼げる記事の塩梅は改めて難しいように思えます。

 二つ目に気になったこととして、中身がないというコメントが多かった一方、意図的にアクセント入れた一節には誰も触れないし気が付いてないんだなとやや呆れました。その個所は上記リンク先2ページ目末尾にある、「また私が得ている情報から判断すれば、今後も同社が何らかの抗議をすることはあり得ないと思われます。」という箇所です。
 自らを指す呼称をわざと通常使う「筆者」ではなく「私」と変えて書いておいたのですが、何故だか誰もこの点について突っ込んできませんでした。ちなみに今日この記事読んだ知人から、「もう三軒目まで計画できてるよ」と通知受けました。

 それにしてもほとんど力を入れずにとりあえず一周年という記念的に書いたこの記事が、JBpressのアクセスランキングで久々に1位を取っているという事実は自分としてもかなり複雑です。先に挙げたかこの二つの記事の方が質としては非常に高いのにあまり読まれていないということ自体残念ですし、これまでも手を抜いた記事の方がアクセスがいい傾向にあり、前述の通り内容と人気を両立させることは難しいです。
 っていうか次の記事を今週末書かなきゃいけないのに何も準備していません。友人からは中国人の副業について書いてほしいと言われ軽くリサーチしましたが、どうも中国人にとって副業に手を出すことは当たり前過ぎて珍しくないのか、あまり現地メディアは取り上げていないしこれといった統計もなく記事化は無理だということに気が付きました。「中国人の働き方」でまとめるなら書けるのでそれで行くか、長城汽車について触れるか、中国人の中二病体質について書くか、上海の歴史について書くか。最後の上海の歴史はその気になればいつでもかけるため保険として残しておきたいのもあるため、多分書かないでしょうが、この記事が掲載されるということは私がネタ探しに苦しんでいると思ってもらっても間違いないでしょう。

2017年12月18日月曜日

中国軍機の対馬海峡通過について

中国軍5機が対馬海峡通過 戦闘機は初めて(産経新聞)

 たまたまですがさっき見ていたテレビニュースでこのニュースを中国側も報じていました。にしても中国の軍人はいかにも台本めいたセリフを毎回インタビューで話すから発音とか確認しやすい。
 内容については中国側は「日本海の対馬海峡へ遠洋訓練をしに行った」と主張し、いかなる国際法も侵犯しておらず、通常の訓練の一環でこの手の訓練としては過去3年間通して行っていると言ってました。実際、今回は領空侵犯はなかったわけですが、こちらの映像に映っていた戦闘機はSu30だったのかと(複数種類あり、高速爆撃機らしい機体もあった)産経の記事でわかりました。妙に機種部がくびれていたので印象に残りました。

 あともう一つ気になった点として、「東海」ではなくちゃんと「日本海」という呼称を中国は使ってくれてて一安心です。ある意味、領空侵犯よりこういう韓国のわけのわからない名称変更の方が領土保全的には問題だと思います。

元国税庁職員の女優

 今日ふと、テンキーが左側に付いたキーボードってないかなとふと思いました。あるにはある用ですがあまり人気がないため値段が高く、それなら別にUSB接続のテンキー買って、テンキーの付いてない無線キーボードのがありかなと思えてきました。今使っているのはマウスとキーボードセットのロジテック製ですが、今度辺りサプライパーツや見に行こうかな。

 話は本題に入りますが、国税庁職員というと「マルサの女」をイメージする往年の方々も多いでしょうが、マルサこと国税局査察部は国税局の一部署で、全部署がみんなああいう活動しているわけではなく、また査察部ほど予算もないそうです。なんでそんなこと知ってるのかというと先月(2017年12月号)の文藝春秋で、かつて国税庁で働いていて現在は女優をしている山村紅葉氏が証言しているからです。

山村紅葉(Wikipedia)

 山村紅葉氏はミステリー作家の故山村美紗の娘で、母の作品を筆頭にバラエティやテレビドラマなどで現在も活躍を続けている女優です。残念なことに私はあまり出演作を見たことはないのですが、文藝春秋に掲載されたインタビュー記事で大学卒業後から結婚するまで働いていた国税庁での仕事について触れられていました。

 紅葉氏によると、学生時代にふとしたことから毎年の脱税額の規模を見て、妙な正義感というかちゃんと納税されればもっと政府がいろんなことにお金を使えるのにと思ったことから国税庁入りを志望するようになったそうです。ただ先にも書いた通りに入庁した国税庁では予算がふんだんにあるわけではなく、地道な調査によって脱税などを取り締まっていたそうです。
 この取り締まり活動において紅葉氏は、学生時代から演劇をやっていたこともあり潜入捜査で引っ張りだこ(本人談)だったそうです。具体的には何も知らない女子大生とかOLの振りをして内偵先を訪れて下見などを行っていたそうですが、ある日に先輩の男性職員とともに、疑惑のあるパチンコ店へカップルに扮して内偵へ行ったそうです。

 先輩職員からは、「俺が色々見てくるから、お前は適当にパチンコ打ってろ」と指示があり言われた通りにパチンコ打ってたら、偶然にも大当たりしてしまったそうです。しかし紅葉氏はそもそもパチンコを打ったことがなく、次から次へと出てくる球の処理が分からなくて受け箱を差し込むこともできず、終いには溢れ出た球が床にこぼれ出す始末になってしまったそうです。
 その間、彼氏役の先輩職員は何をしていたのかというと、店側にツラが割れるのを恐れてかそのまま現場を去ってしまっていたそうです。この時の気持ちとして紅葉氏は、「彼氏に置いてかれた彼女役を演じる羽目となった」と述べていますが、普通に置いてかれてるので演技じゃないだろもはやそれとツッコミたくなりました。

 その後、紅葉氏は結婚を機に退職後、女優活動を再開して現在に至るようですが、演技の心得があるというのが国税庁での仕事で役に立つとはなかなか興味深く感じます。もちろん演技力があるから紅葉氏は国税庁に入庁できたわけではなく、その他の求められる能力もすべて満たしていたからこその入庁で、あくまで演技力はパチンコ同様にたまたま役に立つ素養だったということでしょう。
 これを採用活動という面で見てみると、現場の仕事で役には立つが採用には役に立たないスキルという風に見えます。実際私も、国税庁の採用において演技力を重視するか否かと言ったらしなくていいと思いますし、する方が間違いだとは思います。しかしそれでも演技力は実際の仕事では役に立つわけですから、仕事で使える能力が採用に直結するわけではないという例でいえば好例な感があります。

 翻って見てみると、かつてパワプロに例えるなら「基本能力は守備力を除きどれも大したことないけど、各状況で発動される特殊能力が非常に豊富」と自ら例えた自分なんかは、採用する側からすれば取るに決め手に欠ける人材に見えたことでしょう。ちなみにどの職場でも入った後で意外に高く評価されるのはExcelの知識と作成力で、文章力に関してはメインスキルとして求められる新聞社では拾い物だったと評価されました。
 最後にその文章力についてですが、もちろん一般企業でこの文章力一点で以って採用を決めるべきではないと私は思いますが、文章力のある人間を一人か二人囲っておくと、報告書をはじめとする通達関連のコミュニケーションはうんと好転するように思います。いろんな会社のプレスリリースとか見るとIT系企業を中心に、「こいつらどれだけ社内コミュニケーションで齟齬起こし合ってるんだろう」と思うような文書を見ることは珍しくなく、書道がうまい人よりも文書書くのがうまい人のがいないよりかはいた方がいい気がします。

2017年12月17日日曜日

マウスコンピューターのノートPCの感想(LB-F551XN-S2-B)

 先日、友人に尋ねられたので、今年購入したマウスコンピューターのノートパソコンの感想について簡単に記しておきます。

LuvBook F シリーズ LB-F551XN-S2 仕様詳細(マウスコンピューター)

 マウスコンピューターについてはいわゆるBTO、直販よりも仕様を個別オーダーする方式での販売を思とするパソコンメーカーでです。私は今年前半までちょうど新聞記者となった2011年に購入したNEC LavieシリーズのノートPCを使っていましたが、既に購入から6年近くが経過していたこともあり将来的なクラッシュ可能性を考慮し、また密かにノートPCハードウェアの購入が好きだという趣味もあって買い替えを決断しました。最も知人からは、「ノートPCで5年も持つの?」と逆に驚かれましたが。

 購入選定に当たってちょっと障害だったのは、それまで使っていたLavieの性能がやや高すぎたことです。ちょうど日本が円高の最中に、オノデンで格安で売られていたものを購入したせいで、2011年製でありながらCPUはCorei5だし、メモリも4GBあり、おまけにブルーレイディスクを搭載していたため、買い替えでこのスペック以下のパソコンは正直購入したくなくてこの条件以上で、尚且つ記憶媒体はHDではなくSSD、さらにメモリも最低8GBは欲しいという要望となりました。
 まとめると以下の通りです。

<要求スペック>
CPU:Corei5かCorei7
メモリ:8GB以上
記憶媒体:SSD限定
ディスプレイ:15.6インチ(DVDとか基本パソコンで見るから)
Office:Powerpointも使えるバージョン込み
デザイン:個性あふれる感
値段:できれば10万円強

 この条件で探したところ、メモリとSSDに関しては割とどこのメーカーでも簡単に条件をクリアしたものの、CPUについてはCeleronシリーズがやけに多く、Coreiシリーズを選ぶとなると途端に値段が跳ね上がる、もしくはそもそもオプションなどのラインナップに入っていないということに気が付きました。昔(90年代)と違ってメモリ量さえ確保されていれば速度的にはそれほど問題ないかなと思いつつも、なんでもって6年前に購入したノートPC以下のCPU載せるねんとか思い納得いかず探し回りましたが、どうしても条件をクリアするマシンが見つからず、後半に至ってはいくらかCPUを妥協することすら検討しました。

 最終的に上記条件を満たした上、プラス9800円でメモリを16GBにアップグレードできることが決め手となり、マウスコンピューターの「LB-F551XN-S2-B」の購入を決めました。オプション込みで購入したスペックと価格は以下の通りです。

<購入スペック>
CPU;Corei5
メモリ:16GB
記憶媒体:SSD240GB
ディスプレイ:フルHD15.6インチ
Office:Powerpointも使えるバージョン込み
デザイン:くっそダサく色も黒色オンリー
価格:約13.6万円(税込み)

 購入の決め手は上記にも書いた通りにメモリのアップグレードが異常に安かったのと、他社で似たスペック(メモリは8GB)で購入しようとしたら18万円くらいかかるというコストパフォーマンスの高さです。
 では実際に使ってみた感じはどうなのか。結論から書けばコストパフォーマンスは非常に高いものの痒い所に手が届いておらず、設計面で意外に稚拙さを感じます

 まず性能面では充実のCPUとメモリの量から全く申し分なく、初SSD搭載機ということもあってかデータの処理速度は驚くほどで、現在に至るまでこの点に関しては一度も不満を感じることはありません。
 一方、周辺機器というかハードウェアではやや細かいと自認するものの、不満を感じる点が多々あります。まず第一にキーボードレイアウトで、現在私は外付けキーボードを使うため影響はないのですが、ノートPC本体についているキーボードは少し使ってみたところ、あまり出来合いが良くない印象を覚えます。具体的には右Shiftキーが異常に小さく、また矢印キーが右Shiftキーとテンキーととの間に空間が設けられておらず、ブラインドタッチ時に区別できずミスタイプすることが多いです。特に右Shiftキーの小ささは異常で、他のキーと二周りくらい小さいためにキーを指で探っていると同じく小さい「_キー」とともにすっと滑ってしまい、ミスタイプが多発します。っていうかこの辺り、句読点のキーとも混同しやすく半端なく打ち間違えやすいです。

 次に、一番自分が不満に感じた点ですが、イヤホンジャックの位置が最悪です。具体的な場所はPC本体右側面の手前部で、ここにイヤホンジャックを挿すとマウスを持つ手と見事にぶつかり、左利きだったら問題ないでしょうが、かなりストレス感じます。またイヤホンの線もこの関係から、特に私のように外付けキーボードを使っていると、ホームラインの位置上、どうしても外付けキーボードの上をイヤホンの線が乗っかることになり、対応するにはイヤホンの線を本体キーボードの上で大きく左側にもっていかなければならず、見栄え的にも配置的にもあまりよくありません。
 これらの問題はイヤホンジャックを左側面に持ってきていればそれで済む話で、一体何故右側面部に持ってきたのかが理解できません。NECのLavieはまさにこの点で左側面部にジャックがあり、不満を感じることは一切ありませんでした。

 同様に、USBポートの位置もちょっと悩む位置です。左右どちらにもありますが(USB3.0は左側のみ)、左右ともに手前側にあり、イヤホンと同じく邪魔な位置にあります。やはり前のLavieが奥側にこれらジャックが付いていたせいもあるでしょうが、非常に位置的に気になる箇所であるとともに、マウスを使う右側にラインのあるUSB周辺機器を付けてしまったらもう絶望的です。現在のところ、無線マウス+キーボードの受信機のみ右側につけているので、大きな問題にはなっていませんが。

 あとこれは確実な不具合として述べますが、イヤホンジャックの端子がちょっとおかしいです。具体的にはイヤホンを付けてもきちんと接続されないことが多々あり、音声が一部入ってこないということが頻繁に起こっています。最初はイヤホンが故障したのかと思って新しいのを購入して何度もつけなおしましたが問題は解消されず、最終的に接続した端子をこねくり回すことで初めてきちんと接続されることに気が付きました。
 恐らくですが内部端子の位置が悪い、もしくは固定がうまくなされていないせいだと思え、つい昨日もイヤホンを付けたところやけに音量が小さいなと思ったら、接続したイヤホン端子をトントンと叩いて解消した有様です。この点に関してはマウスコンピューターのサポートへはっきり伝え、向こう側も無償で点検するのでPC本体を持ってきてほしいと言われましたが、「こっちは中国だ。おいそれと日本に帰れない」と伝え、先ほどの端子位置と合わせて以降の設計の参考にしてほしいとだけ伝えました。

 さらにこれは好みの問題かもしれませんが、スピーカーの位置をどうしてみんな手前に置くのか不思議です。これは前のLavieもそうでしたが、スピーカーが本体手前下部についているせいで、本体手前に物置いたり、本体の置き場所を柔らかいものの上に置いたりすると露骨に音響が変わります。特にこれが深刻なのは本体キーボードを叩く時で、キーボードを叩く腕によって音の音量なり音響なりが変わってくるので一体何故この位置につけ用とするのかが理解できません。
 なら外付けスピーカー付けろよと言われるかもしれませんが、先ほど述べたイヤホンジャックの位置の関係からつける予定はなく、Bluetoothにすりゃいいじゃんかという意見もありますが電池変えたりするのが面倒なのでこれもパスです。個人的には東芝のDynabookシリーズのように、ノートPCのスピーカーはヒンジ部手前、言い換えると本体キーボードの奥につけるのがベストだと思え、イヤホンジャックやUSBポートともども、多少本体の厚みが増してもいいからこういうところに気を使ってほしいと本気で思います。

 以上に挙げている点はスピーカー位置を除き、Lavie時代にはどれも一切気にしたことがなかったポイントでした。それだけLavieが設計面で優れていたと言えばそれまでですが、今回の1件を経て次にノートPCを購入する際は値段や性能以前に、これら周辺機器の配置も気にする必要があることを本気で学びましたし、これから購入される方も以上の点について注意されることをお勧めします。

 上にも書いている通り、パソコンメーカーの方々は安くで販売されることももちろん大事ですが、それ以上にこうした細かい設計面にもうちょっと気を使ってほしいと言いたいです。特に接続端子位置は自分のように狭い机でPC作業をする側からしたら死活問題と言ってよく、ほんのちょっとの気遣いで取り回しが大きく変わって来ます。それだけに多少本体が分厚くなっても、っていうより薄さなんてはっきり言ってクソどうでもいいから、端子類はなるべく奥に、でもってスピーカーはヒンジ部に置くよう努力してほしいです。

 最後にPC選びの個人的こだわりとして、HPのパソコンは私は絶対に買わないようにしています。理由は何故かというとキーボード配置が日本仕様になっていないケースが多いことに加え、タッチパッドのオンオフが以前VIOSでしか切り替えられなかったからです。今はどうだか知りませんが、日本メーカー製のPCなら当たり前にデスクトップ上で切り替えられるのに対し、HPはVIOSでしか切り替えられず、オン状態だとキーボード叩いてるそばからマウスカーソルが動いてミスタイプが多発していました。かといって切っておくと、突然無線マウスが使えなくなった時に齟齬が生じる可能性が高く、不満を通り越して憎悪すら感じたのでそれ以来HPのパソコンは買わないようにしています。
 っていうかやっぱり、端子位置を含め多少値段が上がったとしても店頭で来て見て触って買うのがベターかもしれません。もっとも、このフレーズを作った富士通のPCもテレビCMが見てるだけでイライラするから絶対買わないようにしているけど。

2017年12月16日土曜日

水木しげるの弟子

 先日、以下の商品を発見して即購入しました。



 この漫画の作者は40年超にも渡り水木しげるの執筆を支えてきた、水木プロのチーフアシスタントである村澤昌夫氏による水木しげるとの回顧録です。表紙を見てもらえばわかる通り、2年前に亡くなられた水木しげるの画風そっくりで、内容も話の展開からあの独特な絵柄に至るまでこんな人がいたのかと驚くくらいにそっくりです。
 この漫画の巻末には作家の京極夏彦氏があとがきを書いているのですが、さすが京極先生というべきか、この村澤氏について非常に簡潔ながら肝要な紹介がなされてあり、その文章を読むだけでもこの村澤氏という存在がいかに大きいかがよくわかってくるほどです。

 あとがきの内容を簡単にまとめると、いわゆる「水木しげるの弟子」としては京極氏や荒俣宏氏をはじめたくさんいるが、これらはどれも「追っかけ弟子」であり水木しげるの思想のファンでしかないが、村澤氏に至っては40年超も水木しげるのそばで寝食し(現在はわからないが昔は住み込みアシスタントとして水木宅に常駐)、またその絵柄から価値観までを最大限に吸収した真の「水木しげるの弟子」であると評しています。
 水木しげるのアシスタントについて京極氏は、「つげ義春氏や池上遼一氏など漫画界の重鎮たる人物も水木しげるのアシスタントを経験したが、つげ氏に至っては元から、池上氏に至っては独り立ちしてからそれぞれ独自の世界を持つようになり、厳密な意味での水木しげるのフォロワーとは言い切れない」とし、それと比べ村澤氏については未だに過去の自分の絵柄と見比べながら、「ここが水木センセイとは違う」と水木しげるの後を追うことについて非常に熱心であるとも書いています。

 この京極氏の批評については私自身も全く同感です。例えば手塚治虫のフォロワーであれば藤子不二雄を始めたくさんいますが、水木しげるのフォロワーとなると実はほとんどいません。そもそも水木しげる自体が変わり者揃いである漫画家の中でも一際特異な人物であったことはもとより、京極氏曰く「漫画家でもあり画家でもあった」とされるように、独自の描き方というか技法を持っていたことから、追随する人間が実はあまり生まれなかったのではないかと私は思います。
 特にそれが顕著なのは「背景」です」。普通の価値観から言えば点と点をつなぐことで線となり、線と線をつなぐことで面となり、面と面をつなぐことで立体となります。しかし水木作品の多くの背景は点描、つまり点々でもって立体的に描かれてあり、この技法により恐ろしく写実的な背景画が描かれています。

 この水木作品の背景について、「中古軽自動車に妖怪百体描けるかな?」を見事実践した「妖怪百鬼夜号計画」のTAC氏もかつて、車体に妖怪をたくさん描きつつもそのどれもが見ていて怖くないことに気が付いたことを書いた上で、「水木作品の妖怪はいかにも普通の日常そうな場面に描かれていたから、おどろおどろしく怖かった」ということに気が付いたと確か書いていました。最初にこのコメントを読んだ際は絵描きの感覚からはそうなんだとしか覚えなかったものの、改めて点描で描かれた水木作品の背景を見るにつれ、それが如何に特別なものであったのかが段々気が付いてきました。

 この点描の背景については村澤氏の漫画でも言及されており、「完成後の出来合いは素晴らしいが、労力が半端じゃない」と書いています。その一方、この漫画の背景も点描で描かれており、特に水木しげるとヨーロッパを旅行した際に回った修道院の中などは、どうやったらこういう風に書けるんだろうと思うくらいに不思議な写実感を感じる背景となっており、水木しげる本人が描いたと言われればそのまま信じてしまうくらいに再現されています。

 このブログでは作品の紹介をするくらいでそれほどプッシュはしないようにはしていますが、この作品については水木しげるが大好きな方は是非とも手に取ることをお勧めします。続きが出るかわからないけど、出たら私は必ず買うでしょう。



 なお今回商品リンクを探している最中、上記の商品もついでに発見しました。こんなものまで出ているとはと思うとともに、改めて水木しげるの影響力凄いなと感じました。

2017年12月14日木曜日

気になる二つの裁判結果

 先日、エリカが例えてあげるなら、ランボーにとってのトラウトマン大佐のような元戦友(=元同僚)と3年ぶりに再会した際、「新聞記者時代より今の方が取材して記事書いてんじゃん」と言われました。事実その通りだから困るし、「記者時代にこれだけ取材して書いてたら周りからものすごい評価されたと思うよ」とも言われました。
 それにしてもただでさえ古い言い回しに古典映画の喩えを用いるのは我ながらどうかと思います。そもそも普通に、「ランボーで例えるなら」でもいい気がするし。

藤井美濃加茂市長「悔しい」憤り 混乱避け辞職決断(岐阜新聞)

 話は本題に入りますが、私もこのブログで追ってた美濃加茂市長の裁判で、最高裁も高裁判決を支持して有罪が確定されました。過去の記事でも書いているようにこの裁判については冤罪としか思えない内容で、そもそも高裁審理では一切何も新たな証拠や証言が出ていないにもかかわらず一審の無罪判決が二審では逆転有罪となった時点でおかしかったですが、かえってなにも新証拠が出てこなかっただけに今回の三審についてはやはりという感情が思い立ちました。
 裁判員裁判の開始や足利事件以降はこうした冤罪は減り、あの東電OL殺人事件すらも再審がなされたことから大分マシになったと思ってはいたものの、未だに日本の司法は問題が多いと改めて痛感する出来事と言えそうです。

コーエーに特許侵害で賠償命令 カプコンの訴え一部認め(朝日新聞)
コーエーテクモ、カプコンからの特許権侵害訴訟に一部勝訴―『真・三國無双』シリーズなどに関する訴えが棄却に(インサイド)

 続いて気になったのがこの裁判結果です。敢えて二つの記事のリンクを付けましたが、見出しによってこうも印象変わるんだなと思うとともに、下のインサイドの方ではコーエーテクモをやや応援する側についてように見えますが、私もこの件では同じ見方です。
 この裁判を簡単に説明すると、カプコンが自社ゲームの技術特許をコーエーテクモが無断で使用して侵害していると訴えたものですが、カプコンがパクられたと主張したゲーム(戦国BASARA)はそもそも誰がどう見てもコーエーのゲーム(戦国無双)をパクって作られたものであっただけに、3年前の提訴時には「え、訴えたの逆じゃないの?」と誰もが思った曰くつきの裁判でした。しかもカプコンが権利侵害を主張した技術は、元のゲームに追加要素を加えたアペンドゲームと、アペンド対象となる元のゲームを連動させる技術で、この技術自体はPCゲームを中心にかなり昔から存在しており、またコーエーは90年代からこうしたアペンドゲーム(いわゆる「パワーアップキット」)を出している老舗だっただけに、私自身もカプコンはここまで落ちぶれたかと思う内容でした。

 今回、3年にも渡る裁判がようやく決着がついたのですが、結果的には上記のアペンドゲームに関する特許侵害は一切認められず、コーエーテクモ側の主張が完全に認められました。その一方、自分も知らなかったのですがこれとは別に特許侵害が主張されてた技術があり、その技術についてはカプコン側の主張が一部認められ、特許侵害があるとして請求額4700万円に対し517万円の賠償支払いをコーエーテクモが命じられました。
 なおこの特許侵害が認められた方の技術ですが、何でも敵が近づいたらコントローラーが振動するという技術だそうで、率直に言ってなんだそりゃと呆れました。こうしたコントローラーをゲームの展開に合わせ振動させる演出なんてごく一般的であり、コーエーテクモ以外にも同じような演出のあるゲームなんてごまんとあります(振動ではなく音だけなら「エネミーゼロ」とか)。請求額が大きく削られたとはいえ、この件でコーエーテクモ側に賠償が命じられるのはおかしいと思うとともに、こんなすっとんきょんな主張したカプコンはますます嫌いになりました。

 全体から見れば確かにコーエーテクモに一部賠償が命じられたものの、インサイドの記事が書くようにどっちかと言えばコーエーテクモ側の勝訴と言っていい判決だと私も思います。しかし上記にも書いている通りにカプコン側の主張は普通に考えていちゃもんとしか思えない内容なだけに、私としてもぜひともコーエーテクモには控訴してもらって、次の裁判で完膚なきまでカプコンを叩いてもらいたいのが本音です。

 なお本題から少しずれるかもしれませんが、コーエーテクモのゲームにはたまに妙なシステムが搭載されていることがあり、いくつか例を挙げると「ニンジャガイデンシリーズ」では、コントローラを上下に振ると画面上の女性キャラの胸が揺れるというシステムがあり、最初これ聞いた時、「考えた奴、頭おかしいんじゃないか?」と本気で狂気を感じました。また格闘ゲームの「デッドオアアライブ」では、戦闘時間が経過すると汗でキャラクターの服が段々透けてくるというシステムがあり、これも発想からしておかしいと思うし、実際に搭載してしまうのはもっとおかしいと感じました。
 詳しく調べていないのでわかりませんが、上記2つのシステムについてコーエーテクモは特許を取ってるのか今やたらと気になります。っていうか、こんな下品なシステムに特許取ろうとすること自体なんかアレな感じしますが、このシステムで特許権侵害の裁判とか起こったら一体どうなるのか、いろいろと想像つきません。

2017年12月12日火曜日

中国の格差の実体~職業間格差

 体調が悪くまた更新が空きました。今後の更新についても未知数です。

 さてここまでしばらく中国の格差についていくつか記事を書いてきましたが、今回が最後ということでやや趣向を変えて職業間格差について触れます。結論から言うと、中国では職業間の給与格差が非常に大きいです。

 日本国内でいえば、証券をはじめとした金融系だとやや給与が高く、外資だとさらにその傾向が強くなるくらいで、ほかの業種に関してははっきり言ってそれほど差があるとは言えず、むしろ会社規模による差しかないでしょう。これが中国だと大きく異なり、その就いている職業によって給与額は大きく変わってきます。
 比較的高収入なのは、日本と同じく金融系のほか、本人に技術があること前提ですがIT系の職業もやや高めです。もっともIT系の場合、いくらか実力あったらすぐ独立しちゃいますが。そのほかだと目立って高いなと感じるのは研究職で、先日にファーウェイが日本国内で大卒初任給月40万円という報酬で研究者を募集したことが話題になりましたが、実力さえ認められればこうした高収入の待遇は中国ではよくあることです。

 逆に低収入な職種や業種と言ったら、細かくは見ていませんが営業系なんかかなり安い気がします。その理由というのも、特段資格が求められるわけでもないし誰でもできるからです。むしろ工場内の技術者なんかは高収入で雇われることが多く、また経理に関しても日本とは違って中国だと一定の資格保有が要求されるので、高収入ってわけではありませんが日本よりはやや保護されてます。

 こうした傾向が特に現れるのは初任給で、全業種でほぼ横並びな日本と違い、たとえ同じ会社であっても職種によって中国では初任給が変わってきます。むしろ中国人からしたら、「なんで仕事の内容違うのに給与同じなの?」って疑問に思われるでしょうし、実際その通りとしか言いようありません。
 この記事で何が言いたいかというと、中国は仕事内容で給与が変わり、きちんと競争原理が働いてて実力が認められたら給与が上がるか、もっと給与のいい別の会社へ移るということです。逆を言えば、こんな当たり前のことが日本では起こっておらず、未だに仕事内容や役職よりも勤続年数で給与が普通に決まってしまっていることに私が疑問を感じてるってことです。

 ちなみに金額で表すと、上海周辺の大卒初任給は大体4000元(6.8万円)ですが、もらう人によってはいきなり1万元(17万円)行く人だっています。その後の昇給幅ももちろん後者の方が高く、30代で月収10万元行く人もいれば大半は1万元にも届きません。

 今回、敢えてこの職業間の賃金の差を「格差」と表現しましたが、この格差を私は批判するつもりはなくむしろあって然るべきものだと考えています。では何故日本にはそれがないのかって話ですが、そもそも日本の経営者にはいい人材を雇おうという意識もなければ、日本社会全体で同一賃金同一労働の概念が極端に薄いことが何よりの原因ではないかと考えています。では何によって賃金額が決まるかっていえばさっきにも書いた通りに勤続年数、それと正規か不正規かによる身分の違いしかなく、特に後者に関してははっきり身分格差と言っても過言じゃないでしょう。
 最初にも書いた通りに中国の格差をやたらと気にする日本人は多いですが、身分格差を実質是認している日本人が気にすることなのかと私には不思議でなりません。身分格差を是認しているからこそ非正規への転落を恐れるのだろうし、また雇用側も一度非正規に落ちた人間の対応は正規だけで歩んできた人と比べ物凄い対応を変えてくるだけに、階層社会にもう入っているのかなとも最近思えます。中国は戸籍をはじめ確かに大きな格差は存在しますが、労働間の格差は競争によって成り立っており、これを不当だという中国人は独占産業を除きまずみません。