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2017年12月26日火曜日

大阪限定の「にんげん」という教材について


 上の画像は先日ネットで見つけたものですが、一目見て「なんじゃこりゃ?」と全くその存在意義というか内容が伺うことが出来ませんでした。それこそ路上で油すましに遭遇したかのような得体の知れなさで、決して話を作っているわけではなく、この表紙を見て最初に想像したのは「妖怪人間ベム」でした。なんていうか、右手の指の形が微妙におかしい点といい……。

にんげん(Wikipedia)

 種明かしをすると、これは大阪府下限定で配布されていた同和教育用の教材だったようで、関東育ちの私が知らないのも無理ではありません。逆に大阪出身者からすれば見慣れたもののようで、「あったねーそんなの!」的な冗談に最近は用いられるそうです。
 すでにこの教材の配布は予算の都合から廃止されていますが、1970年代から大体リーマンショックの頃までずっと大阪府の予算で購入され、小学生から中学生までに配布されていたそうです。中身については解説を見てもないし読んだこともありませんが、あくまでこの表紙画像だけをみて好きなことを言わせると、表紙の内容と同和教育という目的に一致性が見い出せず、中身もそんな感じだったんじゃないのかなと疑っています。

 そもそも「にんげん」というタイトルからして微妙です。上にも書いた通りこの表紙から私はリアルに「妖怪人間ベム」を想像しましたが、いわゆる差別の歴史を学ぶという目的で「にんげん」というタイトルはいくら何でもおおざっぱすぎないかという気がします。それなら「公平」とか「平等」とかの方がまだ私の中でしっくりきます。
 さらに言えば、通常の社会科科目でも同和差別についてはある程度教えることからも、わざわざこんなどっち向いているのかわからないような表紙の教材を用意する必然性も感じません。いくら関西が部落差別が根強い地域だと言っても、なんとなく手段がおかしいのではないかと思えて仕方ありません。それくらい無駄にインパクトの強い表紙だと上の画像は思います。

 なおかつて大学時代の友人は、「農業という生産手段から土地に縛られていた昔と違って今は自由に引っ越すことが出来るのだから、差別されるのが嫌だったら誰も自分を知らない土地に引っ越せばそれでいい。それすらしないで差別を受けていると主張するのはただの甘えだと思う」と言ってましたが、私もこの意見に同感です。民族差別のようにどこ行っても(特定の領土範囲で)差別されたりするのは確かに対策が必要だと思いますが、関東圏なら部落差別はほぼないし、第一関西圏よりも関東圏の方が仕事も多いのだから、普通に考えたらもうこの手の差別はなくなっていてしかるべきだとも私は考えています。
 私に至っては日本を離れて中国で働いていますが、目前の環境が嫌だというのならそれを変える努力をすべきで、それすらしないで不平はおろか妙な要求までするというのは言語同断でしょう。部落出身者でありながら野中広務氏も既存部落団体をよく批判していますが、私自身もああした団体が妙な活動をするから余計に差別が広がるのだと思っています。

2017年12月25日月曜日

日本における偽報道について

 最近、世界でフェイクニュースという単語というか概念が飛び交っていますが、こうやってブログを横書きしながら言うのもなんですが私自身は横文字があまり好きではなく、必要もなく英語をカタカナ読みしたこういう書き方は気に入りません。なのでやや意固地ですが「偽報道」という単語に統一して書き進めますが、割と日本でも笑えなくなったなというのが私の見方です。

 元々こうした偽報道はインターネットからの配信がどちらかというと主であるような気がします。現実に日本でもつい先日、「とある会社でアンケートを取ったところAED装置での治療を受ける場合、胸を触られたり見られたりするので治療後には訴えるという女性が大半だった」という、調査自体そもそも存在しない偽情報をネットで発信したアホがいたそうです。そのアホはこの偽情報と合わせて、「緊急時でも男性は女性にAEDを使うべきではない」というように伝えていたそうで、公共への影響を考えるとどれだけ罪深いことやっているのかと思うとともに、何が楽しくてこういうことするのかが理解できない気持ちで私はいっぱいでした。

 こうしたネット発の偽報道は枚挙に暇がありませんが、そうしたでたらめ情報は何もつい最近になって出始めたわけではなく、ネット黎明期には鮫島事件やプチエンジェル事件など詳細が明らかになっていない(前者に至ってはそもそも存在しない)ことをいいことにあれこれ余計なデマ情報を付け加えてネット上で流布されていました。と言っても、恐らく10人に「鮫島事件知ってる?」と聞いたところで、知ってると答えられる人は多分いないでしょう。何故かというと、ネットという閉じられた狭い空間の中でしか流布されなかったからです。
 このネット黎明期と現在を比べて最も大きく違う点はやはり、SNSの存在に尽きます。かつてであれば掲示板やブログサイトにデマ情報が掲載されてもそこからは二次発信されることはなく、たまたまそのサイトにアクセスした人間しか目撃することはありませんでした(そして黙殺される)。しかし現在は誰かが見た情報、もしくはデマとして流す情報がツイッターやフェイスブック、インスタグラム、LINE、ミクシィ……はもう古くてやってる人はいないけど、こうしたSNSの便利な機能によって人から人へガンガン共有されていき、明らかに怪しい情報であっても多くの人間が共有することで、「みんながそう言っているのだから」的に真実となってしまう傾向があります。はっきりいますが、偽報道の主犯はSNSだと言っても過言じゃないでしょう。
 なお、自分はSNSが昔からあまり好きじゃなく、MIXIもツイッターもフェイスブックも一応手を付けたもののすぐやめました。現在でも唯一使っているのは微信だけです。

 こうしたSNSの共有機能に加えて、もしかしたら日本だけじゃなく米国とかでもそうかもしれませんが、テレビメディアが誤報道、並びに確信犯的な偽報道を流すことも大きいと私は見ています。

 私がかつて子供だった頃は、「テレビで言ってたもん」と言えばそれは最も各自な情報の裏付けとなり、「テレビで言ってたのなら仕方ない」と周りの子供たちもすぐ納得させる説得力がありました。
 しかし現在、世間での偽報道量産においてこと量だけでみればネットが一番多いかもしれませんが、実際に世間に流布される量で見たら地味にテレビメディアの報道が一番大きいのではないかとひそかに見ています。何故かというと以前はどうかとちょっと自信がないのですが、このところ日本の各局ではワイドショーに対してものすごく力を入れており、その中でコメンテーターをはじめ偏った価値観を画面で述べるだけでなく、明らかに誤った情報を何の裏付けなしに平気で報じる機会が非常に多いからです。

 数え上げたら切りがないですが、バレた回数でいえばフジテレビが明らかにトップで、「田中マー君がトランプタワーに住んでる」などと出所も明らかでない情報を平気で報じて謝ったりしましたが、一体何を以ってこの情報が真実だと考えたのかが不思議でなりませんでした。また直近ではTBSがリトアニアをはじめとするバルト三国(中学時代、「バトル三国」と言って盛り上がっていた男子グループがいた)の位置を間違えてクイズに出したことがばれましたが、これなんかも監修どうしてんだと開いた口が塞がりません。
 もちろん以上の間違いについて各局は間違いを認めて番組サイトなどで謝罪していますが、これらについて何が一番肝心なのかというと、「バレたから訂正して謝った」という点で、バレなかったものについては未だ放置して一切の訂正もしていないということでしょう。特に海外報道なんかは突っ込む人も確かめる人もいないのでやりたい放題なところがあります。

中国側に大江戸温泉物語の許可証を出した住所は女子学生寮?

 一番当時の報道を残してくれているので、ちょっと人のブログから引用しますが、昨年末の上海大江戸温泉の騒動の際、TBSが「運営会社の住所は大学の女子寮となっており、事務所らしきものは存在しない」と報じていました。これについては結論から言えば偽報道で、恐らく精度の低い地図アプリを使って表示された場所にしか足を運ばなかったのでしょう。私もいくつかの地図アプリで住所入力したら女子寮が出てきましたが、きちんと住所情報を辿ると全く別の場所が出てきます。でもって、実際に個々の運営会社と取引ある人にも聞きましたが、「確かにわかりづらいところにあるけど、あのTBSの報道は間違いだ」とも確認取れました。
 この点について言うまでもなくTBSは訂正、謝罪していません。先ほどのバルト三国もリトアニア大使館が指摘しなければ同じだったでしょう。このように考えると、日本の偽報道で一番権威があるのはテレビ局で、特にフジテレビとTBSに関しては芳ばしい報道があった場合は自分はまず審議を疑ってみています。

2017年12月23日土曜日

知識の吸収と追求

 学生時代にある友人から、「僕は花園君と違って何か特定の情報を追い求めて自分で調べようという熱意が持てず、素直にこの点では花園君がうらやましい」と言われたことがありました。自己分析について自信を持っている私ですが、この指摘はされるまで意識したことがなかったため意外なものでしたが、改めて思い返すにつれ実に鋭い指摘だったと思います。
 この指摘をした友人は、控えめに言っても知識の吸収については超一流でした。一回伝えたり教えたりした内容は確実に覚え、勉強面でも一を知れば十を知るような勢いで身につけ実際に学術成績は凄まじく高かったです。しかし本人が言う通り、何か周りから強制されたりするなど必要性に追い立てられない分野については自分から率先して知識を吸収しようとすることはなく、それがために世間知らずなところも多く、時によっては妙に失礼なことも平気で口にするところがありました

 この知識を追い求めるという私の特徴ですが、断言すると非常に際立った特徴であり自分の個性を構成する重要な要素の一つでもあります。先ほどの友人と違って私は、事知識の吸収については決して優秀ではなく、むしろ物覚えが悪いと感じるほどのレベルしかなく、勉強面もそんな自慢できるほどではありませんでしたし仕事で必要な知識とかも、「まぁ今何とかなってるし……」等と言い訳しては習得を先送りにしたがる傾向も激しいです。
 その一方、自分が興味を持ったり、何かしらきっかけを得た分野に対する知識の習得意欲ははっきり言って異常者レベルで激しく、このブログでもたまに記事書きますが戦闘機や軍艦といったミリタリーについてはつい2~3年前までは全く興味がなく、F-15とF-16の違いやカナード翼の有用性はおろか、酸素魚雷の恐ろしさについて全く知りませんでしたが、今だったら一定レベルであればこうした分野について語れるようになっています。
 またこうしたふざけた分野でなくても、今JBpressでたまに書く中国の業界関連経済記事も大体2日程度のリサーチでいつも書いていますが、ほぼ何も知識がない状態からあそこまでもっていくのは自分でも結構不思議です。たまにコメントとかで、「非常によく調べている」等とついたりすると、光栄だと感じるとともに「2日のリサーチで本当にいいのだろうか?」などと不安に感じることも正直あります。

 話は最初の友人に戻りますが、既に書いている通り彼は何か必要性に追い立てられない限り、自分で知識を広げようという意欲というか行動を見せることはほとんどありませんでした。その代わり必要性を感じたらすごい勢いで習得し、定期テストも大体そんな具合でテスト前日の一夜漬けでいつもいい成績を取っていました。
 この友人に限らず、知識の吸収で優れている人は全般的に知識の追求についてはあまり熱心でない人間が多いというのが私の実感です。教えたらすぐに身に着けてしまうのですが、教えられたりしない限りは自ら率先して現状あまり関係ない分野に触れようとするような行動をとることはあまりなく、基本「受け」の姿勢を維持します。一言で言えば、関係ない分野については「関係ない」で一気に見切りをつけてしまうような具合です。

 では知識の吸収が悪い人間は反比例的に、知識の追求に熱心となりやすいのか。この問いに対する答えはNOで、あくまで私の実感で言えば知識の吸収が悪い人はむしろ、知識の追及も不熱心であることの方が多く、むしろ吸収のいい人よりも不熱心でしょう。

 そうなると今度は、どんなタイプが知識の習得というか新分野開拓に熱心になりやすいのかという問いが出てきますが、結論をここでいえばこの手のタイプは「突然変異」的にランダムで出てくるのではないかというのが私の見方です。というのも私以外で知識の追求が激しい人間はいるかと言ったら私の周りだと一人の友人くらいしか浮かばず、それ以外だと未知の分野や関わりのない世界についてグイグイ突っ込んで知識を追求する人間はほぼ皆無です。
 なおその友人は、私同様に必要性に追い立てられるわけでもなく無関係の分野であっても知識を広げようとしますが、私と比べると広げようとする傾向がやや異なっており、私が政治やホビーにより傾注しようとするのに対し友人は経済やアカデミックに重心が置かれ、被る分野もありますが不思議な具合に住み分けができています。

 最後に発展応用として書くと、こうした知識の追求に熱心な人間はあまり出身やスペックに関係なく突然出てくるだけに、全体としてやはりレアな存在だと考えます。その上でこの手のタイプが社会で有用かと言えば必ずしもそうではないと自分でも思うものの、その特性に合った特定の部署なり分野に配置すれば思わぬ活躍を見せることもあると思います。野球でいえば「アンダースローのサウスポー」のようなややレアな存在だと割り切り、今使えるかどうかわからないけどとりあえず囲っておくような感じで抑えといて、いろいろ試してみると面白いんじゃないかと自分で思います。

2017年12月20日水曜日

レビューあれこれ

 ここ一週間ほど、毎日30分程度ネットの通信が突然途切れる現象が起きているのですが、中国政府の陰謀だろうか?何でもかんでも悪いことを中国政府のせいにするのもなんですが。

文藝春秋2018年1月号[雑誌] Kindle版(Amazon)

 話は本題に入りますが、上のリンク先は今月号の文芸春秋です。実は昨夜にレビューをしたためて上のページにもしっかり掲載されていますが、はっきり言って今月号はひどすぎると感じました。
 細かくはその書いたレビューを見てもらいたいのですが半端なくつまらない特集に膨大な量のページが割かれてあり、普段よりも独立した記事が少ないにも関わらう70円値上げされており、今までこんな風に文句言ったことはないですがこの内容でこんな値上げに踏み上げるのは理解に苦しむため一気に書きました。真面目に、特集の内容を含めこれで行こうと思った文藝春秋編集部の意図を疑います。

あれから1年、「パクリ疑惑」上海大江戸温泉の今(JBpress)

 続いてこちらは今日配信された自分の記事ですが、例によってヤフコメを見るといくつか意外だなと感じる点がありました。

 一つは「なんでこんな冗長なのに中身がないんだ」というコメントが多かったことです。長いのは文字数指定されているからなだけですし中身については見出しではっきりと「現状」と書いて特にスクープないよと予告しているにもかかわらずどうしてこんなこと書く人多いんだろうとしばらく考えましたが、恐らくですがこの件についてスクープを期待した、ほんとのところの真相を知りたいという気持ちが強かったからこそ物足りなさを感じる人が多かったのではないかと思います。自分への批判は別に気にしないしむしろ最近は人格批判が来ないと物足りないと感じるくらいになっているのですが、改めてこのような考えに至るとこの問題がいかに注目を集めてたかがよくわかります。まぁ生憎、期待にはわざと応えなかったのですが。

 なお「中身がない」という批判ですが、やや皮肉っぽい言い方するとこの手のコメント書いている人は中身があったらあったで記事を読むことが出来ない、内容を理解することが出来なくなるのではないかとも思います。実際、これ以前に書いた化粧品市場と車載電池市場の記事はアクセスというか反応、コメントがやや少なかったのですが、記事内容や質でいえばどちらもかなり優れていると自負するレベルで、現実にその方面の専門家などからは高く評価してもらえました。日経に至っては後追ってきたし。
 しかし内容がしっかり詰まっている分、自分としてはわかりやすく書いているつもりですが、その記事内容の価値に気が付かないし理解できない人は少なくなかったと思います。逆に大江戸温泉は中身が何もない分、記事内容を理解できたからこそああしてコメントを残せるんじゃないかなと思うとともに、中身があってアクセス稼げない記事と、中身がなくてアクセス稼げる記事の塩梅は改めて難しいように思えます。

 二つ目に気になったこととして、中身がないというコメントが多かった一方、意図的にアクセント入れた一節には誰も触れないし気が付いてないんだなとやや呆れました。その個所は上記リンク先2ページ目末尾にある、「また私が得ている情報から判断すれば、今後も同社が何らかの抗議をすることはあり得ないと思われます。」という箇所です。
 自らを指す呼称をわざと通常使う「筆者」ではなく「私」と変えて書いておいたのですが、何故だか誰もこの点について突っ込んできませんでした。ちなみに今日この記事読んだ知人から、「もう三軒目まで計画できてるよ」と通知受けました。

 それにしてもほとんど力を入れずにとりあえず一周年という記念的に書いたこの記事が、JBpressのアクセスランキングで久々に1位を取っているという事実は自分としてもかなり複雑です。先に挙げたかこの二つの記事の方が質としては非常に高いのにあまり読まれていないということ自体残念ですし、これまでも手を抜いた記事の方がアクセスがいい傾向にあり、前述の通り内容と人気を両立させることは難しいです。
 っていうか次の記事を今週末書かなきゃいけないのに何も準備していません。友人からは中国人の副業について書いてほしいと言われ軽くリサーチしましたが、どうも中国人にとって副業に手を出すことは当たり前過ぎて珍しくないのか、あまり現地メディアは取り上げていないしこれといった統計もなく記事化は無理だということに気が付きました。「中国人の働き方」でまとめるなら書けるのでそれで行くか、長城汽車について触れるか、中国人の中二病体質について書くか、上海の歴史について書くか。最後の上海の歴史はその気になればいつでもかけるため保険として残しておきたいのもあるため、多分書かないでしょうが、この記事が掲載されるということは私がネタ探しに苦しんでいると思ってもらっても間違いないでしょう。

2017年12月18日月曜日

中国軍機の対馬海峡通過について

中国軍5機が対馬海峡通過 戦闘機は初めて(産経新聞)

 たまたまですがさっき見ていたテレビニュースでこのニュースを中国側も報じていました。にしても中国の軍人はいかにも台本めいたセリフを毎回インタビューで話すから発音とか確認しやすい。
 内容については中国側は「日本海の対馬海峡へ遠洋訓練をしに行った」と主張し、いかなる国際法も侵犯しておらず、通常の訓練の一環でこの手の訓練としては過去3年間通して行っていると言ってました。実際、今回は領空侵犯はなかったわけですが、こちらの映像に映っていた戦闘機はSu30だったのかと(複数種類あり、高速爆撃機らしい機体もあった)産経の記事でわかりました。妙に機種部がくびれていたので印象に残りました。

 あともう一つ気になった点として、「東海」ではなくちゃんと「日本海」という呼称を中国は使ってくれてて一安心です。ある意味、領空侵犯よりこういう韓国のわけのわからない名称変更の方が領土保全的には問題だと思います。

元国税庁職員の女優

 今日ふと、テンキーが左側に付いたキーボードってないかなとふと思いました。あるにはある用ですがあまり人気がないため値段が高く、それなら別にUSB接続のテンキー買って、テンキーの付いてない無線キーボードのがありかなと思えてきました。今使っているのはマウスとキーボードセットのロジテック製ですが、今度辺りサプライパーツや見に行こうかな。

 話は本題に入りますが、国税庁職員というと「マルサの女」をイメージする往年の方々も多いでしょうが、マルサこと国税局査察部は国税局の一部署で、全部署がみんなああいう活動しているわけではなく、また査察部ほど予算もないそうです。なんでそんなこと知ってるのかというと先月(2017年12月号)の文藝春秋で、かつて国税庁で働いていて現在は女優をしている山村紅葉氏が証言しているからです。

山村紅葉(Wikipedia)

 山村紅葉氏はミステリー作家の故山村美紗の娘で、母の作品を筆頭にバラエティやテレビドラマなどで現在も活躍を続けている女優です。残念なことに私はあまり出演作を見たことはないのですが、文藝春秋に掲載されたインタビュー記事で大学卒業後から結婚するまで働いていた国税庁での仕事について触れられていました。

 紅葉氏によると、学生時代にふとしたことから毎年の脱税額の規模を見て、妙な正義感というかちゃんと納税されればもっと政府がいろんなことにお金を使えるのにと思ったことから国税庁入りを志望するようになったそうです。ただ先にも書いた通りに入庁した国税庁では予算がふんだんにあるわけではなく、地道な調査によって脱税などを取り締まっていたそうです。
 この取り締まり活動において紅葉氏は、学生時代から演劇をやっていたこともあり潜入捜査で引っ張りだこ(本人談)だったそうです。具体的には何も知らない女子大生とかOLの振りをして内偵先を訪れて下見などを行っていたそうですが、ある日に先輩の男性職員とともに、疑惑のあるパチンコ店へカップルに扮して内偵へ行ったそうです。

 先輩職員からは、「俺が色々見てくるから、お前は適当にパチンコ打ってろ」と指示があり言われた通りにパチンコ打ってたら、偶然にも大当たりしてしまったそうです。しかし紅葉氏はそもそもパチンコを打ったことがなく、次から次へと出てくる球の処理が分からなくて受け箱を差し込むこともできず、終いには溢れ出た球が床にこぼれ出す始末になってしまったそうです。
 その間、彼氏役の先輩職員は何をしていたのかというと、店側にツラが割れるのを恐れてかそのまま現場を去ってしまっていたそうです。この時の気持ちとして紅葉氏は、「彼氏に置いてかれた彼女役を演じる羽目となった」と述べていますが、普通に置いてかれてるので演技じゃないだろもはやそれとツッコミたくなりました。

 その後、紅葉氏は結婚を機に退職後、女優活動を再開して現在に至るようですが、演技の心得があるというのが国税庁での仕事で役に立つとはなかなか興味深く感じます。もちろん演技力があるから紅葉氏は国税庁に入庁できたわけではなく、その他の求められる能力もすべて満たしていたからこその入庁で、あくまで演技力はパチンコ同様にたまたま役に立つ素養だったということでしょう。
 これを採用活動という面で見てみると、現場の仕事で役には立つが採用には役に立たないスキルという風に見えます。実際私も、国税庁の採用において演技力を重視するか否かと言ったらしなくていいと思いますし、する方が間違いだとは思います。しかしそれでも演技力は実際の仕事では役に立つわけですから、仕事で使える能力が採用に直結するわけではないという例でいえば好例な感があります。

 翻って見てみると、かつてパワプロに例えるなら「基本能力は守備力を除きどれも大したことないけど、各状況で発動される特殊能力が非常に豊富」と自ら例えた自分なんかは、採用する側からすれば取るに決め手に欠ける人材に見えたことでしょう。ちなみにどの職場でも入った後で意外に高く評価されるのはExcelの知識と作成力で、文章力に関してはメインスキルとして求められる新聞社では拾い物だったと評価されました。
 最後にその文章力についてですが、もちろん一般企業でこの文章力一点で以って採用を決めるべきではないと私は思いますが、文章力のある人間を一人か二人囲っておくと、報告書をはじめとする通達関連のコミュニケーションはうんと好転するように思います。いろんな会社のプレスリリースとか見るとIT系企業を中心に、「こいつらどれだけ社内コミュニケーションで齟齬起こし合ってるんだろう」と思うような文書を見ることは珍しくなく、書道がうまい人よりも文書書くのがうまい人のがいないよりかはいた方がいい気がします。

2017年12月17日日曜日

マウスコンピューターのノートPCの感想(LB-F551XN-S2-B)

 先日、友人に尋ねられたので、今年購入したマウスコンピューターのノートパソコンの感想について簡単に記しておきます。

LuvBook F シリーズ LB-F551XN-S2 仕様詳細(マウスコンピューター)

 マウスコンピューターについてはいわゆるBTO、直販よりも仕様を個別オーダーする方式での販売を思とするパソコンメーカーでです。私は今年前半までちょうど新聞記者となった2011年に購入したNEC LavieシリーズのノートPCを使っていましたが、既に購入から6年近くが経過していたこともあり将来的なクラッシュ可能性を考慮し、また密かにノートPCハードウェアの購入が好きだという趣味もあって買い替えを決断しました。最も知人からは、「ノートPCで5年も持つの?」と逆に驚かれましたが。

 購入選定に当たってちょっと障害だったのは、それまで使っていたLavieの性能がやや高すぎたことです。ちょうど日本が円高の最中に、オノデンで格安で売られていたものを購入したせいで、2011年製でありながらCPUはCorei5だし、メモリも4GBあり、おまけにブルーレイディスクを搭載していたため、買い替えでこのスペック以下のパソコンは正直購入したくなくてこの条件以上で、尚且つ記憶媒体はHDではなくSSD、さらにメモリも最低8GBは欲しいという要望となりました。
 まとめると以下の通りです。

<要求スペック>
CPU:Corei5かCorei7
メモリ:8GB以上
記憶媒体:SSD限定
ディスプレイ:15.6インチ(DVDとか基本パソコンで見るから)
Office:Powerpointも使えるバージョン込み
デザイン:個性あふれる感
値段:できれば10万円強

 この条件で探したところ、メモリとSSDに関しては割とどこのメーカーでも簡単に条件をクリアしたものの、CPUについてはCeleronシリーズがやけに多く、Coreiシリーズを選ぶとなると途端に値段が跳ね上がる、もしくはそもそもオプションなどのラインナップに入っていないということに気が付きました。昔(90年代)と違ってメモリ量さえ確保されていれば速度的にはそれほど問題ないかなと思いつつも、なんでもって6年前に購入したノートPC以下のCPU載せるねんとか思い納得いかず探し回りましたが、どうしても条件をクリアするマシンが見つからず、後半に至ってはいくらかCPUを妥協することすら検討しました。

 最終的に上記条件を満たした上、プラス9800円でメモリを16GBにアップグレードできることが決め手となり、マウスコンピューターの「LB-F551XN-S2-B」の購入を決めました。オプション込みで購入したスペックと価格は以下の通りです。

<購入スペック>
CPU;Corei5
メモリ:16GB
記憶媒体:SSD240GB
ディスプレイ:フルHD15.6インチ
Office:Powerpointも使えるバージョン込み
デザイン:くっそダサく色も黒色オンリー
価格:約13.6万円(税込み)

 購入の決め手は上記にも書いた通りにメモリのアップグレードが異常に安かったのと、他社で似たスペック(メモリは8GB)で購入しようとしたら18万円くらいかかるというコストパフォーマンスの高さです。
 では実際に使ってみた感じはどうなのか。結論から書けばコストパフォーマンスは非常に高いものの痒い所に手が届いておらず、設計面で意外に稚拙さを感じます

 まず性能面では充実のCPUとメモリの量から全く申し分なく、初SSD搭載機ということもあってかデータの処理速度は驚くほどで、現在に至るまでこの点に関しては一度も不満を感じることはありません。
 一方、周辺機器というかハードウェアではやや細かいと自認するものの、不満を感じる点が多々あります。まず第一にキーボードレイアウトで、現在私は外付けキーボードを使うため影響はないのですが、ノートPC本体についているキーボードは少し使ってみたところ、あまり出来合いが良くない印象を覚えます。具体的には右Shiftキーが異常に小さく、また矢印キーが右Shiftキーとテンキーととの間に空間が設けられておらず、ブラインドタッチ時に区別できずミスタイプすることが多いです。特に右Shiftキーの小ささは異常で、他のキーと二周りくらい小さいためにキーを指で探っていると同じく小さい「_キー」とともにすっと滑ってしまい、ミスタイプが多発します。っていうかこの辺り、句読点のキーとも混同しやすく半端なく打ち間違えやすいです。

 次に、一番自分が不満に感じた点ですが、イヤホンジャックの位置が最悪です。具体的な場所はPC本体右側面の手前部で、ここにイヤホンジャックを挿すとマウスを持つ手と見事にぶつかり、左利きだったら問題ないでしょうが、かなりストレス感じます。またイヤホンの線もこの関係から、特に私のように外付けキーボードを使っていると、ホームラインの位置上、どうしても外付けキーボードの上をイヤホンの線が乗っかることになり、対応するにはイヤホンの線を本体キーボードの上で大きく左側にもっていかなければならず、見栄え的にも配置的にもあまりよくありません。
 これらの問題はイヤホンジャックを左側面に持ってきていればそれで済む話で、一体何故右側面部に持ってきたのかが理解できません。NECのLavieはまさにこの点で左側面部にジャックがあり、不満を感じることは一切ありませんでした。

 同様に、USBポートの位置もちょっと悩む位置です。左右どちらにもありますが(USB3.0は左側のみ)、左右ともに手前側にあり、イヤホンと同じく邪魔な位置にあります。やはり前のLavieが奥側にこれらジャックが付いていたせいもあるでしょうが、非常に位置的に気になる箇所であるとともに、マウスを使う右側にラインのあるUSB周辺機器を付けてしまったらもう絶望的です。現在のところ、無線マウス+キーボードの受信機のみ右側につけているので、大きな問題にはなっていませんが。

 あとこれは確実な不具合として述べますが、イヤホンジャックの端子がちょっとおかしいです。具体的にはイヤホンを付けてもきちんと接続されないことが多々あり、音声が一部入ってこないということが頻繁に起こっています。最初はイヤホンが故障したのかと思って新しいのを購入して何度もつけなおしましたが問題は解消されず、最終的に接続した端子をこねくり回すことで初めてきちんと接続されることに気が付きました。
 恐らくですが内部端子の位置が悪い、もしくは固定がうまくなされていないせいだと思え、つい昨日もイヤホンを付けたところやけに音量が小さいなと思ったら、接続したイヤホン端子をトントンと叩いて解消した有様です。この点に関してはマウスコンピューターのサポートへはっきり伝え、向こう側も無償で点検するのでPC本体を持ってきてほしいと言われましたが、「こっちは中国だ。おいそれと日本に帰れない」と伝え、先ほどの端子位置と合わせて以降の設計の参考にしてほしいとだけ伝えました。

 さらにこれは好みの問題かもしれませんが、スピーカーの位置をどうしてみんな手前に置くのか不思議です。これは前のLavieもそうでしたが、スピーカーが本体手前下部についているせいで、本体手前に物置いたり、本体の置き場所を柔らかいものの上に置いたりすると露骨に音響が変わります。特にこれが深刻なのは本体キーボードを叩く時で、キーボードを叩く腕によって音の音量なり音響なりが変わってくるので一体何故この位置につけ用とするのかが理解できません。
 なら外付けスピーカー付けろよと言われるかもしれませんが、先ほど述べたイヤホンジャックの位置の関係からつける予定はなく、Bluetoothにすりゃいいじゃんかという意見もありますが電池変えたりするのが面倒なのでこれもパスです。個人的には東芝のDynabookシリーズのように、ノートPCのスピーカーはヒンジ部手前、言い換えると本体キーボードの奥につけるのがベストだと思え、イヤホンジャックやUSBポートともども、多少本体の厚みが増してもいいからこういうところに気を使ってほしいと本気で思います。

 以上に挙げている点はスピーカー位置を除き、Lavie時代にはどれも一切気にしたことがなかったポイントでした。それだけLavieが設計面で優れていたと言えばそれまでですが、今回の1件を経て次にノートPCを購入する際は値段や性能以前に、これら周辺機器の配置も気にする必要があることを本気で学びましたし、これから購入される方も以上の点について注意されることをお勧めします。

 上にも書いている通り、パソコンメーカーの方々は安くで販売されることももちろん大事ですが、それ以上にこうした細かい設計面にもうちょっと気を使ってほしいと言いたいです。特に接続端子位置は自分のように狭い机でPC作業をする側からしたら死活問題と言ってよく、ほんのちょっとの気遣いで取り回しが大きく変わって来ます。それだけに多少本体が分厚くなっても、っていうより薄さなんてはっきり言ってクソどうでもいいから、端子類はなるべく奥に、でもってスピーカーはヒンジ部に置くよう努力してほしいです。

 最後にPC選びの個人的こだわりとして、HPのパソコンは私は絶対に買わないようにしています。理由は何故かというとキーボード配置が日本仕様になっていないケースが多いことに加え、タッチパッドのオンオフが以前VIOSでしか切り替えられなかったからです。今はどうだか知りませんが、日本メーカー製のPCなら当たり前にデスクトップ上で切り替えられるのに対し、HPはVIOSでしか切り替えられず、オン状態だとキーボード叩いてるそばからマウスカーソルが動いてミスタイプが多発していました。かといって切っておくと、突然無線マウスが使えなくなった時に齟齬が生じる可能性が高く、不満を通り越して憎悪すら感じたのでそれ以来HPのパソコンは買わないようにしています。
 っていうかやっぱり、端子位置を含め多少値段が上がったとしても店頭で来て見て触って買うのがベターかもしれません。もっとも、このフレーズを作った富士通のPCもテレビCMが見てるだけでイライラするから絶対買わないようにしているけど。