一ヶ月くらい前に古いゲームですが、「アーマードコア3」というゲームを購入しました。このゲームはロボットを操る傭兵となってミッションをクリアするゲームなのですが、私はこのゲームをあの伝説のクソゲー「デスクリムゾン」にちなんでプレイヤー名には「コンバット越前」、機体名には「クリムゾン」にして現在も楽しくプレイさせてもらっています。
さてこのデスクリムゾン、じゃなくてアーマードコア3ですが、世界観はロボットゲームらしく近未来の世界を舞台にしており、そのストーリーに大きく関わってくるのは変なマッドサイエンティストや拳王ではなく巨大企業なのです。というのもこの世界では国家以上に企業が大きな影響力を持っており、あれこれ環境破壊やら住民のコントロールなどをしてはテロリストらからしょっちゅう攻撃されております。
このアーマードコアシリーズほどではないですが、同じように近未来SFで国家以上に企業が大きな力を持つ世界を描いている作品として、こちらは漫画の「攻殻機動隊」が上がってきます。こちらはアーマードコアシリーズほど露骨ではありませんが部分々々で巨大企業が暗躍し、それに対してテロリストらが反抗し、国家に属す主人公らがその駆け引きに関わってくるという話がよく展開されております。
このように利益追求を主是とする企業が社会集団として非常に大きな単位である国家以上に力を持つというのは、なにもSFだけの話ではなくすでに現実で起きている問題です。それが最も如実に現れているのはほかならぬ現在の世界覇権国家であるアメリカで、巨大な兵器企業や小売業を筆頭にアメリカの覇権維持、ならびにアメリカの国家運営は彼らによって為されていると言われております。
あくまで噂の範囲である事を前提にしていくつかのアメリカの政策に大きく影響を及ぼしている企業を挙げると、まず第一に挙がってくるのは世界最大の売上を誇る「ウォールマート」です。この企業はその売上額が世界最大であることからアメリカの財政政策はもちろんのこと、流通業であるという事から食料政策まですべて舵を握っていると言われ、アメリカの政策はホワイトハウスではなくウォールマートの役員会議室で決められているとまで言われております。ちなみに、現ヒラリー・クリントン国務長官も一時期ここの役員に名を連ねておりました。
このウォールマートと並んで悪名高いのはボーイングやロッキードといった軍需産業系企業、言うなれば武器商人です。彼ら武器商人が儲けるのに一番いい方法というのは他でもなく戦争が起きる事で、一度戦争が起きたら本国であるアメリカに限らず敵国にも武器を売れればそのまんま二倍の儲けとなります。
いくらなんでもそんな馬鹿なと思うかもしれませんが、時間差を考えなければ現在も続くイラクやアフガニスタンの騒乱などまさにその構図です。アメリカとこれらの武器商人は冷戦期、イランやソ連への牽制のためにサダム・フセインやタリバンに対して一貫して援助を行っており、その中には兵器授受や戦争訓練などの軍事支援も含まれていました。そうして軍事組織として育てられた彼らは冷戦後の現在にはアメリカと対峙してくれてアメリカ軍に武器を買うように仕向けてくれているのですから、彼ら武器商人には願ったり適ったりでしょう。
このようにアメリカという国は選挙で選ばれる大統領や政治家などよりも、資本主義の国らしくずっと企業の方が政策決定力が大きいとかねてより言われております。といっても軍需産業は国家防衛という大きな政策に関わるため、国家権力と一体となる割合も多いのではと思う方もいるでしょう。しかしアメリカ、ひいては他国においてすらも近年は軍需産業にとどまらず国家の統制を受けないばかりか無視する企業こと、多国籍企業の弊害が徐々に現れてきました。
私は前回の記事のまとめに、「国家以上に企業が国境を跨ぐというのは今の時代には早い」と書きましたが、それはまさにこの多国籍企業のことを指しており、彼らの暴走の末に引き起こされたのが去年のリーマンショック以降から続く不況、いやそれ以前からの世界の貧困問題だと考えております。このまま連ちゃんで書きますが、次の記事では多国籍企業が何故問題なのかを解説します。
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