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2021年6月6日日曜日

ミツカンの相続問題について

ミツカンのトップ交代と相続問題 創業家・中埜家から初の女性社長(日刊ゲンダイ)

 大手メディアは広告費惜しさにほぼ全く報じませんが、ミツカンの相続問題はある意味現代において希少な、それこそ皇族くらいにしか見られなくなった古い価値観を見せててかなり面白いことになっています。

 詳細については他に開設されているサイトもあるのでそちらを見た方がいいでしょうが、簡単に説明すると、今回ミツカンは創業家一族の中埜家出身で長女の裕子氏が社長に就任しましたが、肝心な人事はその次の副社長に就任した次女の聖子氏の方です。というのも聖子氏とその夫の間には2019年に男児が生まれたのですが、生まれた直後、聖子氏の父親で現会長の中埜和英氏がいきなり「この子は私の養子にする」といって、海外赴任中だった聖子氏の旦那に何の相談もなくいきなり引き離したことが伝えられています。
 この件について聖子氏の旦那は裁判を起こしており、現在も係争中です。

 何故おじいちゃんに当たる中埜和英氏が娘の長男、つまり孫を養子に取ったのか。想像するに昔の武家的価値観で養子であっても男系を継続させるという目的と、外戚をこの際排除するという目的があると思われます。

 このような「何時代?」と聞きたくなるような事件もありながら、巣ごもり需要でミツカンの業績は好調のようで、友人と一緒にこの前もビビってました。とはいえこんなやり方は人道的にもあまり好ましくなく、ミツカンの製品はしばらくボイコットしようと思い立ったものの、中国だとあんま身近にミツカン製品がなくてやりようがないということに後から気が付きました。

 上記の相続問題について、いまいちこれまでの報道だと子供と引き離された夫婦の母親側、つまり中埜聖子氏の立場はどうなのかが見えてこなかったのですが、今回の副社長就任を見ると父親の中埜和英氏の立場にあるのかと思われます。別にどっちにつこうが個人の勝手でしょうが、せめてお子さんのために配慮ある鼓動を取ってもらいたいと個人的には見ています。

2021年6月4日金曜日

台与は誰?

 先日、DMMの電子書籍セール時に、前からちょっと興味あった「雷火」という藤原カムイ氏の漫画を1巻だけ購入しました。この漫画の舞台は邪馬台国で、ヒロインは台与(壱与)という、中国の歴史書において卑弥呼の後を継いだ巫女です。

台与(Wikipedia)

 卑弥呼に関しても謎は少なくないですが、それ以上に謎の多いのがこの台与です。中国の歴史書に日本の統治者として名前は出るものの、若干13歳で卑弥呼の後を継いだという事実以外はほぼなにも紹介がなく、そうしたファンタジーを感じさせる経歴から先ほどの「雷火」を始めそこそこ漫画に登場する機会も少なくない気がします。
 なおその場合、大抵卑弥呼はクソババアみたいな描かれ方するけど。

 一部で古事記に出てくる皇后を台与に当てはめようとする歴史学者も少なくないですが、大分昔にも書いた通り、同じように類推しようとする卑弥呼同様にそうした行為は無意味だと私は考えています。まだ関連記述資料のある倭王武を雄略天皇に比定することはもっともであるものの、卑弥呼や台与に至っては資料がないことをいいことに無理やりなこじつけ論ばかりしかなく、正直言ってその手の議論は嫌いです。そういう意味では卑弥呼も台与もファンタジーな存在としてあるべきでしょう。

 しかしそれでも気になるのは台与はその後どうなったのかです。前述の通り、中国の資料では13歳で女王となったそうですが、そんな若さで大丈夫かとやたら心配になってきます。また何故古代日本で二代続けて女王が出たのか、この辺も興味が尽きません。女性に相続権があったのかもしれませんが。

2021年6月1日火曜日

ダンバインのようなラリーカー

 なんか急に思い出して先ほどからアニメ「聖戦士ダンバイン」関連の動画を見まくってます。なおこの手の動画だと「農耕士コンバイン」が珠玉です。

 ダンバイン自体はスパロボ経由で知りアニメは初めて地上に出るところまではビデオ借りてみてましたが、なんか途中で見なくなってそれきりとなってしまいました。そういうわけで知識はかなり中途半端な作品なのですが、この作品というか設定の上手いところは前半の主役機である「ダンバイン」に関する設定だと思います。
 そのダンバインはごく初期に作られたロボット兵器(オーラバトラー)なのですが、初期型なためにエンジンというか動力が搭乗者のオーラ力に大きく左右されるという特徴があります。そのためオーラ力が半端なかった主人公のショウ・ザマが乗ると無双の活躍をする一方、オーラ力がない搭乗者だったらてんで動かず、下手すりゃ起動すらできないという代物でした。

 この設定の妙は何かというと、最初から登場する初期の機体ながら続々と出てくる新型機にも性能で負けないという根拠となる点です。逆に他のロボットアニメだと、初期型の機体が新型機に負けないくらい互角に戦えるというのは普通におかしく、パイロットの腕がいいといっても限度があります。
 実際この辺は非常に残酷というか、どんだけ腕のいいパイロットでも機体性能で劣れば実際の空戦でもほぼ全く勝てないと言われます。逆を言えば、性能で劣る機体で撃ち落とすことが優秀なパイロットの証明となるのですが。

 なおオーラバトラーの話に戻ると、初期のダンバインがそうした特徴から一般兵だと乗りこなせない代物だったため、後に出てくる新型機には搭乗者のオーラ力を引き上げるオーラコンバーターが搭載されます。しかしその結果、搭乗者のオーラ力にあまり左右されなくなり、オーラ力の高い搭乗者が乗っても飛躍的に性能が高まるということもなくなり、先のダンバイン無双にまたつながってきます。

 さてこのダンバインの設定ですが、これを見ていて地味に「ランチアかな」と少し思いました。ランチアというのは言うまでもありませんがイタリアの自動車メーカーで、初期のWRCではまだ一般的でなかった4WD仕様のラリーカーを投入し、圧倒的実力で他車をねじ伏せ続けたラリーカーにおける名門ブランドです。
 ただ当時の4WDは技術的にも低く、高いトラクションによる加速力を確保できた一方、カーブ時に動力をタイヤごとに分散させて回頭をアシストするLSDのような装備はつけられていませんでした。その結果、他のFRやFF車と比べて直線ではバリ早い一方でカーブ性能が極端に低く、直線ですっ飛ばして曲がりかごで大きく減速して曲がり、また直線でぶっ飛ばすというイノシシみたいな車になってました。

 そうした走行性能であったことから、もうカーブの曲がりの良さはあきらめて、直線を一気に飛ばすだけのパワーだけ追い詰めた結果、出来上がったのがランチア・デルタS4です。
 この車がどういう車かというと、馬力が456~650PSに対し、車重はわずか890kgしかないという恐ろしいスペックの車です。
 一体これがどれほど恐ろしいのか比較対象として現行のR-35GTRと比べると、こっちは馬力が480~600PSであるのに対し、車重は大体1700kg前後です。つまり、GTRの約半分の重量で馬力はほぼ同等がその上を行くというのがデルタS4でした。ちなみに他の車種の車重は

アルト:610~740kg
ヤリス:940~1180kg
N-BOX:890~1030kg

 と言ったところで、イメージ的には軽自動車の車重でGTR並のパワーといったところでしょう。

 はっきり言ってスペック見るだけでも恐ろしさこの上ない車ですが、実際に扱いの非常に難しい車だったと言われ、レースにおいてドライバーが事故死するなど重大事故を何度も起こしています。ただ実際の戦闘力は非常に高かったとされ、文字通り乗り手によっては無双してのけることも可能だったそうです。
 そうした経歴を見るにつけ、乗り手によっては無双もするがまともに動かなくもなるというダンバインを見るにつけ、このデルタS4のことが頭をよぎります。じゃあダンバインの後継機であるビルバイン的なものは何かってなると、4WDの完全熟成という意味ではやはりインプレッサWRX STIが来ると思います。ランエボだと、オーラコンバーター(AYC-アクティブヨーコントロール)的にやはり敵役のオーラバトラーでしょう。

2021年5月31日月曜日

中国のワクチン接種状況について


 上の写真は先週末に上海の街中に設けられた臨時ワクチン接種場です。写真の中のバスで実際にワクチン打つようですが、こうした場所はこのところ毎週末に各地で設けられており、あらかじめ現地に貼り紙されている予約用QRコードなどで予約しておけば、中国人なら誰でも、接種が一回目でも二回目でも受けられます。ただ外国人は受けられないようで、外国人専用のサイト経由で指定診療場などで接種する必要があります。

 なおこの臨時接種場ですが家の近くでも開かれてて、ちょうど昨日に家出たところ廊下であった同じアパートのおっさんに「おいお前もう接種したか?近くで接種会開くから行って来いよ」とか言われました。前述の通り自分は外国人で臨時接種場では無理と伝え、一回目は既に受けてると話したら、「最近インドとかやべーだろ。ちゃんと打っといた方がいいぞ」と言われました。こういう中国人のお節介なところは大好きです。

 話を戻すと、コメント欄で質問が来たのでその辺について答えると、少なくとも私の周りで感染したという人は全くいません。流行の激しかった頃もいませんでしたが、知人の知人範囲であっても観戦した人はおらず、重症患者なども未だ見たことがありません。ただ緊張感は抜けてないというか、今年3月あたりに上海市内で感染者が出た際にはすぐマスクの着用が促され、ショッピングモールなどでの検温も再開されました。この辺は当局がかなり真剣に動いている印象があります。
 また最近だと広東省などでインド株と見られる感染者が出て、再び警戒が強まってきています。なお去年の今頃はタイなど東南アジアではそれほど流行は広まらなかったのに対し、今年は広がりを見せているのはインド株や英国株の感染力が当初より強い証拠である気がします。逆を言えば、東京五輪は去年よりも開催リスクが高くなっていると見えますが。

 次に話題を変えると、中国でのワクチン接種状況については、希望者であれば割とすんなり受けられます。上の臨時接種場が飛び入りもありなのかはわかりませんが(多分あり)、予約すれば1ヶ月内にはほぼ確実に接種が受けられる状況にはなっています。実際、私の周りでも中国人の同僚はほぼみんな2回目の接種を終えており、3月くらいに済ませたという人も珍しくありません。
 なお一人の同僚は接種後三日間ほど下痢したと言いますが、ワクチンのせいなのかはわかりません。ついでに書くとその同僚は風呂場で転んで頭打って、会社休んで病院行って検査受けて来たけど「なんでもないと医者に言われた(´・ω・`)」という具合で帰ってきたこともあります。この同僚に限るわけじゃないですが、中国人はちょっとしたことで病院行き過ぎな気がする。

 ただ希望者はすぐに接種が受けられる状況とは言うものの、こうした臨時接種場が設けられるなど、大半の人が接種済みというわけじゃありません。私が思うに恐らく中国はまず主にスマホの健康管理アプリを通して予約を受け付け、そうしたスマホ経由の予約者に一通りワクチン打った後、残敵掃討とばかりにこうした現地での接種の呼びかけ&実施を投入してきたのではないかと思います。まぁこの方が効率良いし。
 また未だにワクチンの副作用を怖がる中国人も少なからずいます。友人の上海人もそうなのですが、私に向かって「健康のためにも早くワクチンを打った方がいい」などとしつこく勧めてくるのですが自分はどうなんだと聞いたら「まだ打ってない。副作用が怖いから君が先に試して(*‘ω‘ *)」などと言って、未だに予約すらしていません。

 今後の問題としては、この中国製ワクチンがインド株の抑制にも効果があるかになってくるでしょう。前述の通り当初のコロナウイルスとは本当に桁違いの感染力のようなので、これに抗するかが大きな試金石になってくると思います。接種自体は今のペースなら秋口くらいには中国は全国民に打ち終えるのではないかと思いますが、その時期の他国との感染者数比較が重要になってくる気がします。

Officeのイルカに尋ねた質問

「お前を消す方法」でお馴染み!? Windows懐かしのOfficeイルカの現在(文春オンライン)

 OfficeのイルカといったらかつてのWindowsのオフィスソフトウェアに常駐していたうざくてたまらないイルカのヘルプアシスタントキャラ以外の何物でもありません。そのうざさは耐え難く、当時PCに触っていたものなら誰もが「お前を消す方法」を彼に尋ねたかと思います。
 しかしオフィスソフトウェアの更新に伴い消え去ると今度は「あいつどこいった?」と逆に探されるようになり、上記のようにそのかつての雄姿を懐かしむ記事が定期的に出てきます。中には、最新のオフィスで奴を召喚するという強者までいるようです

 さてそのイルカことカイルですが、実は私にもちょっと思い出があります。確か大学生だった頃だと思いますが、いつも通りこいつが現れて「何か聞きたいことありますか?」と言ってきたので、哲学的な質問をしてみようと何故だか思いつきました。具体的には以下の通りです。

「人は何故生きなければならないの?」
「僕は誰?」
「戦争に正義はあるの?」
「死んでいい人っているの?」

 どの質問に対しても、「質問の意味が分かりません」と答えられ続けましたが、なんか上記質問を考えている間はめちゃくちゃ楽しくて爆笑しながら打ち込み続けました。この時の体験をきっかけに、「意外と捨てた奴じゃないな」などと変に評価するようになったのですが、Windows7辺りで出てこなくなり、突然の別れにいたたまれない気持ちになったこともあります。
 うざいキャラというのは大抵いなくなると逆に寂しくなることが多いです。そういう意味ではウザキャラというのはいなくなってからが本領発揮で、真に注目されるのは「あの人は今?」的な企画なのかもしれません。

2021年5月30日日曜日

朝日新聞社の赤字報道における不可解な決算短信

朝日新聞、赤字441億円 過去最大「コロナ影響」(時事通信)

 上記リンク先の記事の通り朝日新聞社は2021年3月期決算(短信)で441億円の赤字が発生したと報じられています。赤字となるのは11年ぶりで、原因について朝日は自分で「コロナのせい」と書いていますが、率直に言ってこの説明には強い疑問を覚えました。
 ひとつは、コロナ流行をきっかけに新聞購読をやめる人がいるかって話です。普通そんなのいるはずもなく、コロナで収入がなくなって購読やめる人なら確かにいるかもしれませんが、恐らくそういう収入が細い人は元から新聞取ってないと思われます。敢えて深読みすると、コロナで広告単価が落ちたことで新聞事業の売り上げが落ちたという説明ならまだ理解できるのですが、朝日はそんな風には説明していません。

 そうした全部コロナのせいという理由のほか、「『繰り延べ税金資産』を取り崩したため」ということも赤字の理由としていますが、これに関しても一見して意味が分かりませんでいた。これが今回のこの記事の最大のトピックで、多分ネットで分析してるの私だけでしょう。

 「繰延税金資産」の専門的な説明は他サイトに任せますが、通常は赤字(損失)が発生した年度に発生(増加)し、黒字の年度に解消(減少)する資産です。具体的には、前年度が100万円の純損失だったら各国の繰延期間や繰延額上限の制度にもよりますが100万円の損失分が繰延税金資産となります。でもって翌年度が200万円の黒字だとした場合、100万円の繰延税金資産(繰越欠損金)を税額計算時に差し引くことができます。
 200万-100万=100万円という計算となり、その年の年度は200万円の純利益を上げているとしても、税額計算では繰延税金資産を差し引いた100万円(課税基準額)に法人税率を乗算して実際の納税額を出すこととなります。このように繰延税金資産というのは、「過去に発生した損失の先送り」みたいなものと理解してくれればいいです。

 話を戻すと朝日の説明で意味が分からなかったのは、何故赤字が発生した2021年度に繰延税金資産を取り崩したのかという点です。先ほどにも述べた通り、繰延税金資産というのは基本的には赤字年度に増加し、黒字年度に減少します。それが今回の朝日の発表だと逆です。

 あまりにも意味が分からない説明のためもうこうなりゃ財務諸表を見るしかないと思って朝日新聞社のホームページを見たところ、なんとIRニュースに関するページがなく、過去の決算情報を含めて一切公開していませんでした。っていういいのか、この暴挙?もし朝日が自分のところに取材きたら、「財務諸表すら後悔していない連中にとやかく聞かれる覚えはない!」って言うぞこれから。

 幸いというか、Yahooニュースにコメントを寄せている不破雷蔵氏のコメント内容から朝日新聞社の決算単身は何故かテレビ朝日のサイトで公開されているという情報を得たので探したところ、確かにありました。でも何故こっちで公開しているのか、謎は深まるばかりです。

親会社等の決算に関するお知らせ(テレビ朝日ホールディングス)

 結論から言うと、財務諸表を確認したところ報道内容と大きく乖離しているという印象を受けました。連結ベースの数値で見ていくと、まず本業の事業損益を指す営業損益は70億円の赤字で、配当金などの投資収益を含む本業以外の収益をを指す営業外収益は70億円の黒字でした。そのほかを含め主要科目を抜粋すると以下の通りです。

売上高;2937億円
売上原価:2141億円
売上総利益:796億円
販売費及び管理費:866億円
営業損益:-70億円

営業外収益:70億円
営業外費用:5億円
(差し引き65億円の黒字)

特別利益:12億円
特別損失:77億円
(差し引き65億円の赤字)

税引前純損益:-70億円

 計算わかりやすくするために科目名を整理しましたが、最終的な税引前純損益に至るまでの計算過程は「-70+65-65=-70億円」です。財務諸表見慣れてないととっつきずらそうですが、必要な項目だけ見れば案外わかりやすいものです。

 以上の通り、主要事業と非主要事業の経営成績は実際にはほぼトントン、そこに特別損失が加わって初めて70億円の赤字となるわけですが、報道されている441億円の赤字とは乖離があります。両金額の差の371億円の赤字は何なのかって話になります。

 その後連結損益計算書を見て行ったところ、税金費用が列記されている箇所に「法人税など調整額」という科目があり、その科目金額がまさに371億円でピタリ賞獲得でした。恐らくこれが朝日新聞の言う「繰り延べ税金資産の取り崩し」だと思われるのですが、これだ441億円の赤字の大半は当年度業績とは無関係の税額調整額だったということになります。

 っていうか何故繰延税金資産で税額がこれほどまで増加するのか。注記がないため具体的な会計処理は分かりませんが、「繰延税金資産」というよりかはむしろこれ「繰延税金負債」なのではないかと一見して思います。貸借対照表の資産の部にある「繰延税金資産」も2020年3月期から2021年3月期で307億円減少していますが、本当にここの会計処理はどうなってるのだろうか。税額計算表くらい出せよとか思います。

 また朝日新聞は自社の記事で「繰税金資産」と書いてますが、財務諸表上では「繰延税金資産」で単語が一致してません。会計業界だと「繰延税金資産」が一般的ですが。
 同じく朝日の記事でもう一つ記述で明確に不自然に感じる点があり「純損益は441億9400万円の赤字」と書かれてありますが、この金額は「親会社帰属の当期純損益」に対応しています。一方、「当期純損益」は451.59億円となっています。

 少なくとも中国では純損益と言ったら一般的に「当期純損益」を指し、「親会社帰属の当期純損益」の場合は必ず「親会社帰属の当期純損益」と言って区別します。日本会計基準にはあんま詳しくないのですが、こういう言い方するのと結構戸惑っています。

 以上のように、朝日新聞社の決算短信に関する報道は不自然な点が多いです。特に純損益に関する部分は「親会社帰属の当期純損益」が連結損益決算書の末尾にあるもんだから記者が間違えて書いてしまったのではないかと疑っています。日本会計基準だとそうなのかもしれないけど。
 赤字に関しても、会社業務関連の金額は実際には約70億円だけで、残りの371億円は実際には税額処理関連費用であり、報道記事内容と照らすと「朝日の業績が振るわず大赤字」というイメージとはかけ離れています。

 もっともこの税額処理についてはきちんと説明しない朝日自身の方に問題があります。当初より疑っていますが、過去の計上を見送ってきた損失をコロナにかこつけて一気に計上したのが実態であるような気がします。だとすれば朝日の説明は、元よりミスリードさせる目的の下で出された可能性もあるでしょう。

 それにしても本当に意味の分からない監査報告書で読むのに苦労しました。担当はあずさ監査法人のようですが、これでいいのとかちょっと思います。朝日グループはどこもあずさが担当ですが、ぶっちゃけ1回変えてみたら東芝とかの報道できなくなったりして。


  追記
 あとから考え直したところ、過去に形成された繰延税金資産が制度で認められた繰越期間を超過して、実質的に消失(目減り)した場合に、上記のような会計処理はありうるということに気が付きました。っていうか本当にこの辺は「期限きれ」などとちゃんと注記書けよ。

2021年5月27日木曜日

メンボー

 前略、中国製ワクチンの一発目を決めてきました。予約自体は先月でしたが、先月末の時点で摂取できる日がほぼ1ヶ月後の今日しかなく、結構時間たってようやく摂取することが出来ました。なお予約取ったことを友人に話したらワクチンはシノバックなのかシノファームなのかと聞かれましたが、どちらの社名もその時初めて聞きました。


 何故か接種後に「写真撮る?」とか聞かれたので、念のため写真撮っておきましたが、箱に書かれた企業名からどうやら自分に打たれたのは中国医薬集団(シノファーム)系の北京生物製品研究所有限公司のワクチンだったようです。
 なおこの社名と系列はこの記事から拾ってみましたが、これ誰かいたんやろな。

 接種後はそのままタイマー渡されて病院の待合室で30分間待つように指示されました。突発的な副作用のチェックのためでしょうが、待合室が狭く、且つ予約制とはいえ結構やってくる人多かったのでかなり窮屈でした。しかも待ってる最中に何故か警察が来て、受診者をどのように配置しているのかとか聞いてました。病院側は、この診療所は外国人接種を受け付けており、外国人だと接種前後で時間がかかるから込み合いやすいなどと話してました。

 それで肝心の副作用についてですが、少なくとも自分に関してはこれまでに一切出ていません。接種してから5分程度経った時、打ち込んだ左肩付近にじんわりと熱を帯びるのを感じて、このまま全身に回るのかなと思いましたが数分したらその熱も引き、それからは自覚するような症状は何一つありません。
 病院、っていうか看護婦からは3~8週間後に二発目を打つよう言われ、明日からまた予約できるそうです。

 そんな感じでつつがなく終了しましたが、一つ気になるというかインパクトのでかいことが1件ありました。ワクチンを打った直後、医師が打ち込んだ左肩に何かを押し当てて自分にも抑えるよう言われたので抑えたのですが、なにやら細長い計上していて、最初は医療テープか何かかと思いました。しかしよくよく見るとそれは綿棒で、「なんでここで綿棒?ガーゼ足りてないの?」などと激しく混乱しました。


 マジわけわかんなかったからこうして写真にも取ってきています。なお刺し方が上手かったのかほとんど出血しなかったので綿棒も白いまんまです。
 中国にいる間、何故だか私は病気一つせず病院に行くことはこれまで実際に皆無でした。健康診断で日系クリニックに行くことはありますが、もしかして中国の病院では私が知らないだけでガーゼの代わりに綿棒使う文化があるのかもしれませんが、仮にそうだとしたらワクチン以上のカルチャーショックです。